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専門業務実務指針4400_合意された手続業務に関する実務指針.pdf

専門業務実務指針 4400

合意された手続業務に関する実務指針

専門実 4400

2 0 1 6 年 4 月 2 7 日

改正 2 0 1 8 年 3 月 2 0 日

改正 2 0 2 1 年 1 1 月 1 5 日

改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

最終改正 2 0 2 3 年 3 月 1 6 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

(実務指針:第4号)

項番号

Ⅰ 本実務指針の適用範囲

1.本実務指針の範囲 ................................................................1

2.品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」との関係 ..................3

3.合意された手続業務の特質 ........................................................6

4.本報告書の規範性 ................................................................9

Ⅱ 本実務指針の目的 ..................................................................13

Ⅲ 定義 ..............................................................................14

Ⅳ 要求事項

1.本実務指針に準拠した合意された手続業務の実施 ....................................15

2.合意された手続業務に関連する我が国における職業倫理に関する規定 ..................18

3.職業的専門家としての判断 ........................................................19

4.品質管理 ........................................................................20

5.業務契約の新規の締結及び更新 ....................................................22

6.契約条件の合意 ..................................................................26

7.合意された手続の実施 ............................................................30

8.確認書 ..........................................................................31

9.業務実施者の利用する専門家の作業の利用 ..........................................32

10.実施結果報告書 ..................................................................33

11.合意された手続業務と他の業務の同時提供 ..........................................37

12.調書 ............................................................................38

Ⅴ 適用指針

1.本実務指針の適用範囲 ........................................................... A1

2.品質管理基準報告書第1号との関係 ............................................... A4

2023/8

i

専門実 4400

3.適用日 ......................................................................... A9

4.定義

(1) 業務依頼者及び実施結果の利用者 ...............................................A10

(2) 手続実施結果 .................................................................A12

5.合意された手続業務に関連する我が国における職業倫理に関する規定

(1) 客観性と独立性 ...............................................................A13

(2) 違法行為 ................................................................... A15a

6.職業的専門家としての判断 .......................................................A20

7.品質管理 .......................................................................A24

8.業務契約の新規の締結及び更新 ...................................................A28

(1) 合意された手続及び手続実施結果の記載 .........................................A32

(2) 独立性に関する要求事項への準拠 ...............................................A37

9.契約条件の合意 .................................................................A39

10.合意された手続の実施 ...........................................................A44

11.確認書 .........................................................................A48

12.業務実施者の利用する専門家の作業の利用 .........................................A53

13.実施結果報告書 .................................................................A58

(1) 合意された手続業務対象 .......................................................A60

(2) 実施結果報告書の目的 .........................................................A61

(3) 合意された手続及び手続実施結果 ...............................................A63

(4) 業務実施者の利用する専門家の作業の利用 .......................................A66

14.合意された手続業務と他の業務の同時提供 .........................................A67

15.調書 .......................................................................... A68

Ⅳ 適用

付録1 合意された手続実施結果報告書の文例

付録2 確認書の記載例

ii

専門実 4400

《Ⅰ 本実務指針の適用範囲》

《1.本実務指針の範囲》

1.本実務指針は、監査事務所が実施する合意された手続業務において、以下の事項に関する実務

上の指針を提供するものである(A1項参照)。

(1) 合意された手続業務契約を締結して業務を実施する際の業務実施者の責任

(2) 合意された手続実施結果報告書(以下「実施結果報告書」という。)の様式及び内容

2.本実務指針は、以下の業務の対象とする情報等(以下「業務対象」という。)に対する合意され

た手続業務に対して適用される(A2項からA3項参照)。

(1) 財務情報

(2) 財務情報以外の情報等

《2.品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」との関係》

3.監査事務所は、合意された手続業務に関して、品質管理システムの目的の達成についての合理

的な保証を確保するために、品質管理システム並びに方針又は手続を整備し運用する責任がある。

品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」は、監査事務所が合意された手続業

務を実施する際に監査事務所に適用される。

個々の合意された手続業務における品質管理に関する本実務指針の規定は、監査事務所が品質

管理基準報告書第1号の対象であることを前提としている(A4項からA8項参照)。

4.監査事務所とは個人事務所又は監査法人をいい、本実務指針においては監査を実施しない事務

所も含まれる。

5.監査事務所は、監査事務所が支配している事業体が合意された手続業務を実施する場合、本実

務指針を適用させるように監督することが求められる。さらに、本実務指針を適用する場合には、

品質管理基準報告書第1号を遵守させるように監督することが求められる。なお、監査事務所が

支配している事業体とは、公認会計士若しくはその配偶者又は監査法人が実質的に支配している

ものと認められる関係(子会社等又は関連会社等との関係)を有する法人その他の団体をいう。

《3.合意された手続業務の特質》

6.合意された手続業務においては、業務依頼者が実施される手続を業務の目的に照らして適切で

あると認めた場合に、業務実施者が、業務実施者と業務依頼者が合意した手続を実施する。業務

実施者は、実施結果報告書において、実施した合意された手続及びその手続実施結果を報告する。

業務依頼者及び業務依頼者以外の実施結果の利用者は、業務実施者から報告された合意された手

続及び手続実施結果を自ら検討し、業務実施者が実施した作業から自らの責任で結論を導くこと

となる。

7.以下の事項が達成されることによって、本実務指針に準拠して実施する合意された手続業務は

有益なものとなる。

(1) 業務実施者が、我が国における職業倫理に関する規定を含む、職業的専門家としての基準を

遵守していること。

(2) 実施した手続及び手続実施結果に関する明確なコミュニケーションが行われること。

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専門実 4400

8.合意された手続業務は、監査業務、レビュー業務又は監査及びレビュー業務以外の保証業務で

はない。合意された手続業務では、いかなる場合でも、業務実施者が意見又は保証の結論を表明

することを目的として、証拠を入手することはない。

《4.本報告書の規範性》

9.本実務指針には、業務実施者が本実務指針に従うことによって達成すべき「本実務指針の目的」

が含まれている。本実務指針の目的は、業務実施者が合意された手続業務において何を遂行する

必要があるかを理解する上で役立つように定めている。

10.本実務指針には、業務実施者が本実務指針に記載された目的を達成できるように定められた「要

求事項」が含まれている。本実務指針の要求事項は、「~しなければならない。」という文章で記

載されている。

11.本実務指針には、本実務指針を適切に理解するための背景説明を提供する「本実務指針の適用

範囲」、「定義」及び「適用指針」が含まれている。

12.適用指針は、要求事項の詳細な説明及び要求事項の適用のための指針を提供している。これら

の指針は、それ自体が要求事項を定めるものではないが、要求事項を適切に適用するために有用

なものである。また、適用指針は、要求事項を適用する上で参考となる本実務指針が扱う事項に

関する背景を記載していることもある。

《Ⅱ 本実務指針の目的》

13.本実務指針に基づく合意された手続業務における業務実施者の目的は、以下のとおりである。

(1) 実施する手続について業務依頼者と合意すること。

(2) 合意された手続を実施すること。

(3) 本実務指針の要求事項に準拠して、実施した手続及び手続実施結果を報告すること。

《Ⅲ 定義》

14.本実務指針における用語の定義は、以下のとおりとする。

(1) 「業務依頼者」- 業務実施者に合意された手続業務を依頼するために、業務実施者と業務契

約を締結し、手続の決定を行う者をいう(A11項参照)。

(2) 「業務執行責任者」- 監査事務所に選任された、専門業務(本実務指針では合意された手続

業務)の実施の責任者、すなわち、専門要員のうち専門業務とその実施及び発行する実施結果報

告書に対する責任を負う社員等をいう。

(3) 「業務実施者」- 専門業務(本実務指針では合意された手続業務)を実施する者をいい、業務

執行責任者又は業務チームの他のメンバー、場合によっては監査事務所を含めて使用される。

業務執行責任者に要求される事項又は業務執行責任者の責任を特に表す場合には、「業務実施

者」でなく「業務執行責任者」が使用される。

(4) 「業務実施者の利用する専門家」- 合意された手続業務に対する業務実施者の責任を遂行す

るに当たって、保証業務及び専門業務以外の分野において専門知識を有する個人又は組織の業

務を利用する場合の当該専門知識を有する個人又は組織をいう。業務実施者の利用する専門家

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は、業務実施者の雇用する内部の専門家(業務実施者の監査事務所又はネットワーク・ファーム

の社員等又は専門職員(非常勤者を含む。))と業務実施者が業務を依頼する外部の専門家を含

む。

(5) 「業務対象に責任を負う者」- 合意された手続が実施される業務対象に責任を負う者をいう。

(6) 「業務チーム」- 個々の専門業務を実施する全ての社員等及び専門職員並びに当該業務にお

いて手続を実施する他の全ての者から構成される。業務実施者の利用する外部の専門家は含ま

ない。

(7) 「業務ファイル」- 紙媒体、電子媒体等に記録された特定の専門業務(本実務指針では合意

された手続業務)に関する調書を取りまとめたファイルをいう。

(8) 「合意された手続」- 業務実施者、業務依頼者及び該当する場合には業務依頼者以外の実施

結果の利用者が合意した手続をいう(A10項参照)。

(9) 「合意された手続業務」- 業務実施者が、契約により業務実施者、業務依頼者及び該当する

場合には業務依頼者以外の実施結果の利用者が合意した手続を実施し、実施結果報告書におい

て、実施した合意された手続及び手続実施結果を報告する業務をいう(A10項参照)。

(10) 「実施結果の利用者」- 業務実施者が作成した実施結果報告書を利用する者、組織又はグル

ープをいう。場合によっては、実施結果報告書において宛先となる者以外にも、実施結果の利用

者が存在する可能性がある(A10項参照)。

(11) 「職業的専門家としての判断」- 個々の合意された手続業務の状況に応じた適切な措置につ

いて十分な情報を得た上で判断を行う際に、本実務指針及び我が国における職業倫理に関する

規定に照らして、関連する知識及び経験を適用することをいう。

(12) 「調書」- 実施した手続、入手した証拠及び業務の過程で識別した事項の記録をいう。

(13) 「手続実施結果」- 手続実施結果は、合意された手続の事実に即した結果である。手続実施

結果は、客観的に検証することができるように記述しなければならない。本実務指針における

手続実施結果の報告は、いかなる意見又は結論を表明するものではなく、また、業務実施者が改

善提案を行うものでもない(A12項参照)。

(14) 「我が国における職業倫理に関する規定」- 監査事務所並びに業務チーム及び審査担当者が

従うべき職業倫理に関する規定をいい、公認会計士法・同施行令・同施行規則、日本公認会計

協会が公表する会則、倫理規則及びその他の倫理に関する規定から構成される。なお、「職業倫

理に関する規定」と表記することもある。

《Ⅳ 要求事項》

《1.本実務指針に準拠した合意された手続業務の実施》

15.本実務指針を適用するに当たり、業務実施者は、本実務指針の目的を理解し、要求事項を適用す

るため、その適用指針を含め、本実務指針を全体として理解しなければならない。

《関連する要求事項の遵守》

16.業務実施者は、本実務指針の要求事項が個々の合意された手続業務に関連しない場合、例えば、

特定の合意された手続業務について、要求事項の取り扱う状況が存在しない場合を除き、本実務

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専門実 4400

指針の要求事項を全て遵守しなければならない。

17.業務実施者は、本実務指針の全ての要求事項を遵守しない限り、本実務指針を遵守した旨を記

載してはならない。

《2.合意された手続業務に関連する我が国における職業倫理に関する規定》

18.業務実施者は、合意された手続業務に関連する我が国における職業倫理に関する規定を遵守し

なければならない(A13項からA19項参照)。

《3.職業的専門家としての判断》

19.業務実施者は、業務の状況を考慮して、合意された手続業務の契約の新規の締結及び更新、並び

に実施及び報告において職業的専門家としての判断を行使しなければならない(A20項からA23項

参照)。

《4.品質管理》

20.業務執行責任者は、以下の事項について全体的な責任を負わなければならない。

(1) 合意された手続業務の品質の管理及び達成、並びに合意された手続業務の全過程を通じた十

分かつ適切な関与(業務実施者の利用する専門家が実施した作業がある場合、当該部分を含む。)

(A24項参照)

(2) 合意された手続業務が、以下により、監査事務所の品質管理の方針又は手続に準拠して実施

されること。

① 合意された手続業務契約の新規の締結及び更新に関する監査事務所の方針又は手続に従っ

た適切な実施(A25項参照)

② 業務を実施するための十分かつ適切な業務運営に関する資源が、業務チームに適時に割り

当てられている、又は利用可能であるかについて、業務の内容及び状況、監査事務所の方針又

は手続並びに業務中に発生する可能性のある変更を考慮した判断

③ 業務チーム及び業務実施者の利用する専門家が、全体として、十分な時間を含め、合意され

た手続業務を実施するための適切な適性及び能力を有していることの確認

④ 業務チームのメンバーが我が国における職業倫理に関する規定に違反している可能性を示

す兆候への留意及び業務チームのメンバーが我が国における職業倫理に関する規定に違反し

ていることに気付いたときの適切な対応(A26項参照)

⑤ 職業的専門家として遵守すべき実務指針等及び適用される法令に準拠した業務チームの指

揮及び監督、その作業の査閲並びに業務の実施

⑥ 業務に関する適切な調書の整理、維持及び保存

⑦ 品質管理基準報告書第1号並びに監査事務所の方針又は手続に従って審査が要求される場

合、審査完了前に業務報告書を発行しない。

21.業務実施者が専門家の作業を利用する場合、業務執行責任者は、実施結果報告書に含まれる業務

実施者が利用する専門家の手続実施結果に責任を負わなければならず、その責任を負うに足る程

度に業務実施者が当該専門家の作業に関与できるよう留意しなければならない(A27項参照)。

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《5.業務契約の新規の締結及び更新》

22.業務実施者は、合意された手続業務の契約の新規の締結又は更新に先立ち、業務の目的を理解

しなければならない。業務実施者は、業務実施者が依頼されている手続が合意された手続業務の

目的に照らして適切でないことを示す事実又は状況に気付いた場合には、業務契約を新規に締結

又は更新してはならない(A28項からA31項参照)。

23.業務実施者は、以下の全ての要件が満たされている場合を除き、合意された手続業務契約を新

規に締結又は更新してはならない(A28項からA31項参照)。

(1) 業務依頼者は、業務実施者が実施する予定の手続が、業務の目的に照らして適切であること

を認識している。

(2) 業務実施者は、合意された手続を実施するために必要な情報を入手することができると予想

している。

(3) 合意された手続及びその手続実施結果は、明確で、誤解を招かず、かつ、様々な解釈が生じな

い方法で、客観的に記述することができる(A32項からA36項参照)。

(4) 我が国における職業倫理に関する規定が遵守されないと業務実施者が考える理由がない。

(5) 業務実施者が独立性に関する要求事項に従うことが要求される場合に、独立性に関する要求

事項が遵守されないと業務実施者が考える理由がない(A37項からA38項参照)。

24.業務実施者は、合意された手続業務契約の新規の締結又は更新の前提条件として、以下の状況

が生じていないことを確かめなければならない。

(1) 合意された手続実施結果の提供のみでは、保証の提供を期待する利用者のニーズを満たさな

いと見込まれる。

(2) 業務対象に関する保証を提供していると実施結果の利用者が解釈する可能性を示す業務である。

(3) 契約条件が、保証業務の全ての要素を充足している(「財務情報等に係る保証業務の概念的

枠組みに関する意見書」(企業会計審議会)参照)。

(4) 業務依頼者が手続の実施を依頼した目的が合理的でない。

(5) 業務実施者に以下のいずれかを実施することが求められる業務である。

① 実施される手続の十分性及び適切性を決定する。

② 実施される手続の決定のためにリスク評価を実施する。

③ 入手した証拠の十分性及び適切性を決定するために発見事項を評価する。

④ 手続実施結果から結論を形成する。

⑤ 合意された手続の対象を含む全体としての情報等に言及する。

(6) 業務実施者が手続を実施するための適切な適性及び能力を有していない。

(7) 実施する手続の種類、時期及び範囲の詳細(業務実施者の利用する専門家の作業を利用する

場合にはその旨及び内容)を業務契約書において定められない。

業務実施者は、業務契約の新規の締結及び更新の前提条件として、上記の状況のいずれかが生

じている場合には、業務依頼者と当該事項を協議し、当該状況を解消するための対応について判

断しなければならない。業務実施者は、上記の状況が受入可能ではないと判断する場合には、業務

契約を新規に締結又は更新してはならない。また、業務契約の締結後、上記のいずれかが生じてい

る状況を業務実施者が識別した場合、業務実施者は、業務依頼者と当該事項を協議し、当該状況を

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解消するための対応と業務の継続の適切性について判断しなければならない。

25.業務執行責任者は、合意された手続業務契約の新規の締結又は更新の前に監査事務所が認識し

ていれば契約の締結を辞退する原因となるような情報に業務チームが気付いた場合、監査事務所

及び業務執行責任者が必要な対応を取ることができるように、監査事務所に当該情報を速やかに

専門実 4400

報告しなければならない。

《6.契約条件の合意》

26.業務実施者は、業務依頼者が、以下の事項を明確に理解していることを確かめ、合意された手続

業務の契約条件について業務依頼者と合意しなければならない。なお、業務実施者は、契約条件

の内容として、以下について、業務契約書及びその他の適切な形式による合意書(以下「業務契約

書」という。)に記載しなければならない(A39項参照)。

(1) 合意された手続業務対象

(2) 業務の目的及び実施結果報告書の利用者

(3) 業務依頼者によって特定された、業務対象に責任を負う者、及び合意された手続業務対象に

対して当該者が責任を負うことを前提にして、合意された手続業務が実施される旨

(4) 業務実施者が合意された手続業務を実施する際に遵守する我が国における職業倫理に関する

規定

(5) 業務実施者が独立性に関する要求事項を遵守することを要求されているかどうか及びその場

合には、その関連する独立性に関する要求事項(A37項からA38項参照)

(6) 以下の記載を含む、合意された手続業務の特質

① 合意された手続業務には、業務実施者が業務依頼者と合意した手続を実施し、また、手続実

施結果を報告することが含まれる旨(A10項参照)

② 手続実施結果は、合意された手続の実施による事実に即した結果である旨

③ 合意された手続業務は、監査又はレビュー等の保証業務には該当せず、したがって手続実施

結果から導かれる結論の報告も、また、保証の提供もしない旨

④ 手続を追加して実施した場合、又は手続の範囲を拡大した場合には、新たな事項が報告され

る可能性がある旨

⑤ 業務依頼者の責任

⑥ 業務依頼者以外の実施結果の利用者の責任(業務依頼者以外に実施結果の利用者が存在し

ない場合には記載しない。)

⑦ 業務実施者の責任

(7) 合意された手続が業務の目的に照らして適切であることを業務依頼者が承知している旨(A10

項参照)

(8) 実施結果報告書の宛先

(9) 実施する手続の種類、時期及び範囲についての、明確で、誤解を招かず、かつ、様々な解釈が

生じない記載(A40項からA41項参照)

(10) 実施結果報告書の想定される様式及び内容

(11) 合意された手続は本実務指針等に準拠して行われる旨

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専門実 4400

(12) その他必要と考えられる事項

なお、業務依頼者以外の実施結果の利用者が存在し、実施結果報告書の配布利用制限を付す場

合、業務依頼者以外の実施結果の利用者の氏名又は名称並びに合意された手続に合意している旨

及び手続が業務の目的に適合していることを当該実施結果の利用者が承知している旨を業務契約

書に記載しなければならない。

27.関連する法令等により、実施結果報告書について、本実務指針の要求事項と著しく異なる様式

や用語が規定されていることがある。この場合、業務実施者は、以下を評価しなければならない。

(1) 本実務指針に準拠した実施結果報告書であることについて、実施結果の利用者の誤解(保証

が提供されているという誤解を含む。)が生じる可能性があるかどうか。

(2) 誤解が生じる可能性がある場合、実施結果報告書に追加的な説明を記載することによってそ

のような可能性を軽減できるかどうか。

業務実施者は、実施結果報告書に追加的な説明を記載することによっても、このような誤解が

生じる可能性を軽減できないと判断した場合、本実務指針に準拠した業務契約を締結してはなら

ない。

そのような状況の下で、法令等の要求に基づいて業務を実施する場合には、当該業務は本実務

指針に準拠したものではないため、業務実施者は、業務契約書及び実施結果報告書に本実務指針

に準拠した合意された手続業務であることを示すような記載を行ってはならない。

28.合意された手続が業務の途中で変更された場合、業務実施者は、変更された手続を反映して修

正された契約条件について業務依頼者と合意しなければならない(A42項参照)。

《継続的に実施される合意された手続業務》

29.一定の時点又は期間ごとに継続的に実施される合意された手続業務において、業務実施者は、

業務契約の更新における監査事務所の判断の変化を含め、状況に応じて契約条件の改訂が必要か

どうか、及び業務依頼者に現行の契約条件の再確認を求める必要があるかどうかを検討しなけれ

ばならない(A43項参照)。

《7.合意された手続の実施》

30.業務実施者は、契約条件において定められている合意された手続を実施しなければならない。

《8.確認書》

31.業務実施者は、合意された手続業務の実施に当たり、業務対象に責任を負う者から確認書を入

手するかどうか判断しなければならない(A48項参照)。

《9.業務実施者の利用する専門家の作業の利用》

32.業務実施者は、業務実施者の利用する専門家の作業を利用する場合には、以下の事項を実施し

なければならない(A53項、A54項及びA57項参照)。

(1) 業務実施者の利用する専門家の適性、専門的能力及び客観性の評価

(2) 業務実施者の利用する専門家の作業の内容、範囲及び目的に関する業務実施者の利用する専

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門家との合意(A55項からA56項参照)。

(3) 業務実施者の利用する専門家によって実施された作業の内容、実施時期及び範囲が、業務実

施者の利用する専門家と合意した作業と一致しているかどうかの判断

(4) 手続実施結果が、業務実施者の利用する専門家により実施された作業を考慮して、適切に記

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述されているかどうかの判断

《10.実施結果報告書》

33.実施結果報告書は、書面又は電磁的記録によらなければならず、また以下の事項を記載しなけ

ればならない(A58項参照)。

(1) 合意された手続実施結果報告書であることを明示する表題

(2) 契約条件において定める宛先

(3) 合意された手続が実施される業務対象(A60項参照)

(4) 実施結果報告書の目的及び実施結果報告書が他の目的に適さない旨(A61項からA62項参照)

(5) 次の事項を記載した合意された手続業務に関する以下の事項

① 合意された手続業務には、業務実施者が業務依頼者(及び該当する場合は業務依頼者以外の

実施結果の利用者)と合意した手続を実施し、また結果を報告することが含まれる旨(A10項

参照)

② 手続実施結果は、実施した合意された手続の事実に即した結果である旨

③ 業務依頼者(及び関連する場合には業務依頼者以外の実施結果の利用者)は、合意された手

続が業務の目的に照らして適切であることを承知した旨(A10項参照)

(6) 該当する場合、業務依頼者が特定した業務対象に責任を負う者、及び合意された手続が実施

された業務対象に当該者が責任を負う旨

(7) 業務が本実務指針に従って実施された旨

(8) 業務実施者は、合意された手続の適切性について何らの表明も行わない旨

(9) 合意された手続業務は監査又はレビュー等の保証業務ではなく、したがって業務実施者は意

見や保証の結論を表明しない旨

(10) 業務実施者が、手続を追加して実施した場合、業務実施者の注意を喚起する可能性がある新

たな事項が報告される可能性がある旨

(11) 関連する職業倫理及び品質管理に関する規定を遵守している旨

(12) 独立性に関する以下の事項

① 業務実施者が独立性を要求されておらず、また独立性に関する要求事項を遵守することを

契約条件において合意していない場合、業務の目的上、業務実施者が遵守することを要求され

る独立性に関する要求事項が存在しない旨

② 業務実施者が独立性を要求されている場合又は独立性に関する要求事項を遵守することを

契約条件において合意している場合、業務実施者が関連する独立性に関する要求事項を遵守

している旨。なお、当該記載は、関連する独立性に関する要求事項を特定しなければならない。

(13) 業務実施者が所属する監査事務所が品質管理基準報告書第1号、又は少なくとも品質管理基

準報告書第1号と同程度の要求事項を規定している他の職業的専門家のための要求事項若しく

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専門実 4400

は法令上の要求事項を適用している旨。なお、業務実施者が職業会計士でない場合には、当該記

述は、少なくとも品質管理基準報告書第1号と同様の要求事項を規定する、適用される専門的

な要求事項又は法令上の要求事項を特定しなければならない。

(14) 契約条件において合意された、各手続の種類及び範囲、並びに該当する場合にはその時期を

詳述した、実施した手続に関する事項(A63項及びA65項参照)

(15) 発見された例外事項の詳細を含む、各手続から得られた手続実施結果(A63項及びA64項参照)

(16) 業務実施者の署名又は記名押印(A59項参照)

(17) 実施結果報告書の日付

(18) 監査事務所の所在地

34.業務実施者が、実施結果報告書において業務実施者の利用する専門家が実施した作業を利用す

る場合、報告書の記載は、業務実施者の利用する専門家が関与していることを理由に手続の実施

及び手続実施結果の報告に関する業務実施者の責任が軽減されていることを示唆してはならない

(A62項参照)。

35.業務実施者が、第33項(15)において要求される手続実施結果の記載に加えて、実施結果報告書

において手続実施結果の概要を記載する場合、以下の事項を考慮しなければならない。

(1) 手続実施結果の概要は、明確で誤解を招かず、かつ、様々な解釈が生じない客観的な用語で

記載しなければならない。

(2) 実施結果報告書には、概要を利用することのみをもって、報告書全体を利用することの代替

にはならないことを示す記載を含めなければならない。

36.業務実施者は、実施結果報告書には本実務指針に従って業務実施者が合意された手続を完了し、

かつ、手続実施結果の日付を決定した日よりも前の日付を付してはならない。

《11.合意された手続業務と他の業務の同時提供》

37.実施結果報告書は、他の業務に関する報告書と明確に区別されなければならない(A67項参照)。

《12.調書》

38.業務実施者は、業務に関する調書に次の事項を含めなければならない(A68項参照)。

(1) 書面又は電磁的記録による契約条件、及び該当する場合は、手続の変更に関する業務依頼者

との合意

(2) 実施された合意された手続の内容、実施時期及び範囲

(3) 合意された手続の実施から得られた手続実施結果

39.業務実施者は、以下の事項を理解できるように、調書に記載しなければならない。

(1) 我が国における職業倫理に関する規定の遵守に関して識別した問題及びその解決方法

(2) 契約条件に基づき、業務対象に責任を負う者に対し、業務実施者の独立性が求められている

場合には、その規定の遵守の状況

(3) 合意された手続業務契約の新規の締結又は更新に関する判断

(4) 本実務指針等及び合意された手続業務の契約条件に準拠して実施した手続の種類、時期及び

範囲

- 9 -

専門実 4400

(5) 手続の実施結果及び入手した証拠

(6) 業務実施者の利用する専門家の作業を利用した場合には、上記(4)及び(5)のうち、業務実施

者の利用する専門家が実施した手続及び手続の実施結果

(7) 業務実施者の利用する専門家の作業を利用した場合には、業務実施者の利用する専門家が実

施した作業の適切性の評価結果

(8) 業務の過程で識別したその他の事項

(9) 手続を実施した者及びその完了日並びに査閲した者、査閲日及び査閲の対象

なお、監査事務所の品質管理において審査が求められている場合、審査担当者は、実施結果報告

書日までに審査が完了したことを文書化しなければならない。

40.合意された手続業務の実施の過程において、実施結果報告書に記述される手続実施結果と矛盾

した事実を示す重要な情報について知るところとなった場合には、業務実施者がどのようにその

矛盾に対応したかについて、調書に記載しなければならない。

41.業務実施者は、実施結果報告書日後、適切な期限内に、業務ファイルにおける調書を整理し、業

務ファイルの最終的な整理についての事務的な作業を完了しなければならない。

42.業務実施者は、業務ファイルの最終的な整理が完了した後、その保存期間が終了するまで、いか

なる調書であっても、削除又は廃棄してはならない。

43.業務ファイルの最終的な整理が完了した後に、既存の調書の修正又は新たな調書の追加が必要

となった場合には、その修正や追加の内容にかかわらず、業務実施者は、以下の事項を文書化し

なければならない。

(1) 修正又は追加が必要となった具体的理由

(2) 修正又は追加を実施した者及び実施日並びにそれらを査閲した者及び査閲日

《Ⅴ 適用指針》

《1.本実務指針の適用範囲》(第1項参照)

A1.合意された手続業務においては、業務を実施するに当たり、準拠する実務上の指針が明らかに

され、これに準拠して業務が実施される。合意された手続業務に係る実務上の指針は、業務実施

者が利用すべき基準を公表する権限を有する又は認知されている業務実施基準設定主体が定める

基準等である。実施結果報告書には、実務上の指針に準拠して業務が実施されたことを明らかに

するため、準拠した実務上の指針の名称又は内容が記載される。

我が国において、監査事務所が実施結果の利用者のニーズに応じて「合意された手続業務」とし

て業務を実施することを記載した報告書を発行する場合には、準拠する実務上の指針として本実

務指針を適用することとなる(報告書において合意された手続業務であることを明示している場

合のみならず、本実務指針に示す文例と同等の報告書を発行しているとみなされる場合を含む。)。

なお、個々の合意された手続業務の実施に当たっては、本実務指針に加え、日本公認会計士協会

が公表する実務指針が適用されることがある。また、日本公認会計士協会が公表する実務ガイダ

ンス及び研究文書が参考となることもある。

監査事務所が、監査事務所が支配している事業体に本実務指針を適用させるように監督する場

合、監査事務所が支配している事業体による本実務指針の適用についても、本項に示す考え方に

- 10 -

よる。

A2.本実務指針の「業務対象」は、情報、文書、測定又は法令への遵守等を含む、合意された手続が

実施されるあらゆる対象をいう。

A3.合意された手続業務の対象となる財務情報及び財務情報以外の情報等には、例えば、以下が含

専門実 4400

まれる。

(1) 財務情報

・ 事業体の個別の財務表又は完全な一組の財務諸表

・ 財務諸表における特定の取引種類、勘定残高又は注記事項

・ 資金援助プログラムから要求された支出

・ ロイヤルティ、賃貸料又はフランチャイズフィーなどが収益の一定率により計算される場

合の収益

・ 規制当局に報告される自己資本比率

(2) 財務情報以外の情報等

・ 規制当局に報告される民間航空会社の旅客数

・ 規制当局に報告される偽造品又は欠陥品の処分のプロセス

・ 規制当局に報告される宝くじ抽選のデータ生成プロセス

・ 規制当局に報告される二酸化炭素排出量

・ 次年度以降の事業計画等の将来財務情報

その他、コーポレート・ガバナンス、法令順守、財務報告プロセス若しくは内部統制等の行為

又はシステムなどがある。

上記の項目は網羅的なものではない。外部への報告に対する需要に応じて、追加的な種類の業

務対象が発生する可能性がある。

《2.品質管理基準報告書第1号との関係》(第3項参照)

A4.品質管理基準報告書第1号では、合意された手続業務を含む、業務の品質管理システムを整備

及び運用する監査事務所の責任について規定しており、さらに、審査を要求するための方針又は

手続を整備する監査事務所の責任についても規定している。

また、品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」では、審査担当者の選任及び適格性、

並びに審査の実施及び文書化についての審査担当者の責任に関する実務上の指針を提供している。

A5.品質管理基準報告書第1号では、合意された手続業務の品質を合理的に確保するため、以下の

事項に関する品質管理システムを整備及び運用する監査事務所の目的について規定している。

(1) 監査事務所及び専門要員が職業的専門家としての基準及び適用される法令等に従って自らの

責任を果たすとともに、当該基準及び法令等に従って業務を実施すること。

(2) 監査事務所又は業務執行責任者が状況に応じた適切な業務報告書を発行すること。

A6.監査事務所の品質管理システムの観点から、業務チームには業務に関連する方針又は手続を実

施する責任がある。

A7.業務チームは、通常、以下の場合を除き、監査事務所の品質管理システムに依拠することができ

る。

- 11 -

専門実 4400

・ 業務チームの理解及び実務上の経験により、監査事務所の方針又は手続が、業務の内容及び状

況に効果的に対処しないことが示される場合

・ 監査事務所又は第三者から当該方針又は手続が有効ではない旨の通知がある場合

例えば、業務チームは、以下に関して、監査事務所の品質管理の方針又は手続に依拠できる。

・ 専門要員の適性及び能力を確保するための採用及び研修

・ 業務依頼者との契約を締結又は更新するための契約の締結及び更新に関する監査事務所の

方針又は手続

・ 法令等を遵守するための監査事務所のモニタリング及び改善プロセス

監査事務所の品質管理システムにおいて識別された不備が、合意された手続業務に影響を与え

る可能性を検討する場合、業務執行責任者は、当該不備に対処するために監査事務所が適用する

是正措置が合意された手続業務の観点から十分かどうかを考慮することがある。

A8.監査事務所が定めた品質管理システムに不備が存在した場合であっても、個々の合意された手

続業務が職業的専門家としての基準及び適用される法令等を遵守して実施されなかったこと、又

は、業務実施者の実施結果報告書が適切ではなかったことを必ずしも示すものではない。

《3.適用日》

A9.複数年にわたる契約条件については、業務実施者は、合意された手続業務が適用日以降に本実

務指針に従って実施されるように、通常、業務契約を更新するように要請する。

《4.定義》

《(1) 業務依頼者及び実施結果の利用者》(第 14 項(1)、(8)から(10)、第 26 項(6)①、(7)、第 33

項(5)①及び(5)③参照)

A10.状況によっては、合意された手続が、業務依頼者に加えて業務依頼者以外の実施結果の利用者

との間で合意されることがある。業務依頼者以外の実施結果の利用者も、手続の適切性を承知し

ているかどうか把握する場合がある。

A11.異なる状況下では、業務対象に責任を負う者、規制当局又はこれら以外の実施結果の利用者が

業務依頼者となる場合がある。本実務指針における「業務依頼者」には、複数の業務依頼者が含ま

れることがある。

《(2) 手続実施結果》(第 14 項(13)参照)

A12.手続実施結果は、客観的に検証することが可能であり、異なる業務実施者が同じ手続を実施し

た場合に、同等の結果に到達することが期待されることを意味する。手続実施結果は、いかなる

意見又は結論を表明するものではなく、また、改善提案を含むものではない。

《5.合意された手続業務に関連する我が国における職業倫理に関する規定》(第 18 項参照)

《(1) 客観性と独立性》

A13.合意された手続業務の業務実施者は、我が国における職業倫理に関する規定を遵守する必要が

ある。合意された手続業務に関連する我が国における職業倫理に関する規定は、監査事務所並び

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専門実 4400

に業務チーム及び審査担当者が従うべき職業倫理に関する規定をいい、公認会計士法・同施行令・

同施行規則、日本公認会計士協会が公表する会則、倫理規則及びその他の倫理に関する規定から

構成される。なお、「職業倫理に関する規定」と表記することもある。合意された手続業務に関連

する我が国における職業倫理に関する規定は、業務実施者が客観性を含む基本原則を遵守するこ

とを要求している。この基本原則は、偏向、利益相反又は他者による不当な影響を理由として、業

務実施者が職業的専門家としての判断又は事業上の判断を損なわないことを要求している。した

がって、業務実施者を対象とする合意された手続業務に関連する我が国における職業倫理に関す

る規定は、少なくとも、合意された手続業務を実施する際に業務実施者が客観的であることを要

求する。

A14.合意された手続業務においては、客観性の原則に基づき利益相反の回避が求められるが、法令

又は契約条件に基づく場合を除き、業務対象に責任を負う者に対する独立性は要求されない。し

かしながら、各国の倫理規程、法令、その他の職業的専門家としての要求事項又は合意された手

続業務の業務対象に関する契約、プログラム若しくは取決めは、独立性に関する要求事項を規定

することがある。

《(2) 違法行為》

A15a.法令又は職業倫理に関する規定に以下が定められていることがある。

(1) 業務実施者が識別した違法行為又はその疑いへの対処を事業体の外部の適切な当局に報告す

る義務

(2) 状況に応じて事業体の外部の適切な当局に報告する責任

A15b.業務実施者は、企業の違法行為について、法令や職業倫理に関する規定による追加の責任を

有することがある。例えば、我が国における倫理規則は、以下の要求事項が定められている。

(1) 違法行為又はその疑いに対処すること。これには以下を含む。

・ 経営者や統治責任者との当該事項についての特定のコミュニケーション

・ 追加的な対応が必要かどうかの判断

(2) 業務実施者が所属している監査事務所が財務諸表監査業務を提供している場合、違法行為又

はその疑いを監査人に伝達すること。

(3) 違法行為又はその疑いについて文書化すること。

また、国によっては、法令や職業倫理に関する規定により、特定の合意された手続業務につい

て、業務実施者が追加的な手続を実施し、追加的な対応を講じることが求められていることがあ

る。法令等により、業務実施者が一定の事項を経営者や統治責任者にコミュニケーションを行う

ことが制限されている場合や、違法行為又はその疑いのある行為について、企業に注意喚起する

ことを含め、適切な当局による調査を害するおそれのあるコミュニケーションやその他の行為を

明確に禁止している場合がある。例えば、マネーロンダリングに関する法令に従って、業務実施者

が適切な当局に違法行為又はその疑いを報告することが求められている場合がある。このような

状況では、業務実施者が検討する事項は複雑であり、業務実施者が法律専門家に助言を求めるこ

とが適切と考えることがある。

A16.業務実施者が識別した違法行為又はその疑いを事業体の外部の適切な当局に対して報告するこ

- 13 -

専門実 4400

とが、以下の理由により、状況によっては要求されている、又は適切である場合がある。

(1) 法令又は職業倫理に関する規定が業務実施者に報告を要求している場合

(2) 適用される我が国における職業倫理に関する規定に基づき識別した違法行為又はその疑いに

対処するために報告することが適切であると判断される場合

(3) 法令又は職業倫理に関する規定により、業務実施者が報告する権利を有している場合

A17.業務実施者には、合意された手続業務を実施するに当たって、必要な水準以上の法令等の理解

は期待されていない。しかしながら、法令又は職業倫理に関する規定において、業務実施者が識

別した違法行為又はその疑いに対処する際に、その一般的な知識、職業的専門家としての判断及

び専門知識を適用することが想定されていることがある。ある行為が違法行為となるかどうかは、

司法上の判断に属する事項である。

A18.ある状況においては、法令又は職業倫理に関する規定に基づく業務実施者の守秘義務によって、

識別した違法行為又はその疑いを事業体の外部の適切な当局に報告することが禁止されているこ

とがある。また、識別した違法行為又はその疑いを事業体の外部の適切な当局に報告することが、

我が国における職業倫理に関する規定に定められた守秘義務に対する違反として取り扱われない

ことがある。

A19.業務実施者が特定の対応を講じることによる職業的又は法的影響を理解するための法的助言を

得る場合に、又は、当局又は職業団体に取扱いを問い合わせる際に(ただし、法令で禁じられてい

ない場合又は守秘義務違反とならない場合に限る。)、業務実施者が監査事務所内やネットワー

ク・ファーム内で協議することを検討することがある。

《6.職業的専門家としての判断》(第 19 項参照)

A20.職業的専門家としての判断は、本実務指針及び我が国における職業倫理に関する規定の要求事

項を適用し、また、合意された手続業務全体を通じて講じる措置について十分な情報を得た上で

判断を行う際に、適宜行使される。

A21.業務実施者は、業務依頼者及び業務依頼者以外の実施結果の利用者との間で合意された手続以

外に、いかなる手続を実施する義務も負わない。

しかしながら、実施結果報告書日までの合意された手続業務の実施の過程において、実施結果

報告書に記述される手続実施結果と矛盾した事実を示す重要な情報について知るところとなった

場合には、合意された手続が依然として業務の目的に適合するものであるかどうかについて業務

依頼者と協議し、手続の種類、時期及び範囲並びに内容の見直しを行うこと、又は当該実施結果報

告書にこの事項を記載することを検討することが重要である。また、当該矛盾する重要な情報が

業務依頼者以外の実施結果の利用者に及ぼす影響も合わせて考慮し、適切な対応を取ることが重

要である。

A22.合意された手続業務の、業務契約の新規の締結及び更新、実施並びに報告において職業的専門

家としての判断は、例えば以下において行使される。

契約の新規の締結及び更新

・ 業務依頼者(及び該当する場合は業務依頼者以外の実施結果の利用者)との、実施する手続の

種類、時期及び範囲についての(業務の目的を考慮して)協議及び合意

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専門実 4400

・ 業務の新規の締結及び更新の条件が満たされているかどうかの判断

・ 業務実施者の利用する専門家を関与させる必要性を含め、契約条件において合意された手続

を実施するために必要な資源の決定

・ 業務実施者が、合意を求められた手続が合意された手続業務の目的に照らして適切でないこ

とを示す事実又は状況に気付いた場合における、適切な行為の判断

業務の実施

・ 合意された手続を実施する際に、業務実施者が以下に気付いた場合における、適切な措置又は

対応の決定

- 不正若しくは違法行為又はその疑いの兆候を示す可能性のある事項

- 合意された手続業務に関連する情報の完全性に疑義を示す又は情報が誤解を招く可能性が

あることを示すその他の事項

- 合意どおりに実施できない手続

業務の報告

・ 業務実施結果について、例外事項が発見された場合も含め、客観的かつ十分に詳細な記載

A23.合意された手続業務の実施において、業務実施者が合意された手続を実施する際に職業的専門

家としての判断を行使する必要性は、以下の理由により限定される。

・ 合意された手続業務は、実施される手続が業務の目的に照らして適切であると業務依頼者が

認め、業務実施者と業務依頼者があらかじめ合意した手続を実施するものである。

・ 合意された手続及びその手続を実施した結果として得られた手続実施結果は、明確で、誤解を

招かず、かつ、様々な解釈が生じない方法で、客観的に記述できるものである。

・ 手続実施結果は、客観的に検証することが可能であり、異なる業務実施者が同じ手続を実施し

た場合に、同等の結果に到達することが期待されることを意味するものである。

《7.品質管理》(第 20 項及び第 21 項参照)

A24.業務品質の管理と達成に全体的な責任を負うために、業務執行責任者は業務を遂行するに当た

り、又は業務チームの他のメンバーに伝達するに当たり、以下により業務の達成の重要性を強調

することが重要である。

(1) 職業的専門家としての基準及び法令上の要求事項に遵守して業務を実施すること。

(2) 適用される監査事務所の方針又は手続に準拠すること。

(3) 本実務指針に従って、業務に関する業務実施者による報告書を発行すること。

A25.品質管理基準報告書第1号は、合意された手続業務の性質及び状況、並びに業務依頼者(企業

である場合には、経営者及び監査役等を含む。)の誠実性及び倫理的価値観について入手した判

断に十分な情報に基づき、合意された手続業務の契約の新規の締結及び更新に関する判断の適切

性に対処する品質目標を設定することを監査事務所に要求している。

業務執行責任者が、業務の適切な実施に影響を与える可能性が高い程度に経営者の誠実性に疑

義を持つ理由がある場合には、業務契約を締結することは適切ではない場合がある。

A26.品質管理基準報告書第1号は、我が国における職業倫理に関する規定への遵守に対する責任を

果たすことに対処する品質目標を確立する監査事務所の責任を規定している。

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専門実 4400

本実務指針は、業務チームの我が国における職業倫理に関する規定の遵守に関する業務執行責

任者の責任を規定する。

A27.業務実施者が第21項の要求事項を満たすことができない場合、業務実施者が業務依頼者と合意

して、合意された手続業務の範囲を業務実施者が適切に責任を負うことができる手続に限定する

ことが適切である場合がある。業務依頼者は、別途、他の手続を実施するために専門家の作業を

利用することがある。

《8.業務契約の新規の締結及び更新》(第 22 項から第 25 項参照)

A28.業務実施者は、合意された手続業務の目的を理解する際に、業務実施者に依頼する手続が合意

された手続業務の目的に照らして適切ではないと気付くことがある。例えば、以下を示す事実又

は状況が挙げられる。

・ 手続が実施結果の利用者の意思決定を歪めることを意図した方法で選択されている。

・ 合意された手続が実施される業務対象が信頼できない。

・ 保証業務又はアドバイザリー業務が、業務依頼者又は業務依頼者以外の実施結果の利用者の

要求に、より役立つ。

A29.業務実施者が第22項から第23項の条件が満たされていることを確認する他の方法には以下が含

まれる。

・ 実施予定の手続と、法令又は契約上に明文化された要求事項(例えば、合意書)との比較

・ 業務依頼者への以下の要請

- 契約条件に定められた想定される手続及び実施結果報告書の様式と内容の写しの実施結果

の利用者への配布

- 実施する手続について、実施結果の利用者からの承諾の入手

- 実施結果の利用者の適切な代表者との、実施すべき手続についての協議

・ 業務依頼者のみが実施結果の利用者ではない場合、業務依頼者と業務依頼者以外の実施結果

の利用者との間のコミュニケーションの確認

A30.第22項から第23項の条件が満たされていない場合、合意された手続業務が業務依頼者又は業務

依頼者以外の実施結果の利用者の要求を満たす可能性は低い。そのような状況では、業務実施者

は、より適切な他の業務を提言することがある。

A31.第22項から第23項の全ての条件は、業務の過程で追加又は変更された手続にも適用される。

《(1) 合意された手続及び手続実施結果の記載》(第 23 項(3)参照)

A32.合意された手続業務において実施すべき手続は、法令で定められている場合がある。また、状

況によっては、実施結果報告書に手続又は手続実施結果をどのように記載するかについても法令

により規定される場合がある。第23項(3)の記載のとおり、合意された手続業務の契約を締結する

条件は、合意された手続及び手続実施結果を、明確で、誤解を招かず、かつ、様々な解釈が生じな

い用語で客観的に記載することができると業務実施者が判断したことである。

A33.合意された手続は、明確で、誤解を招かず、かつ、様々な解釈が生じない用語で客観的に記載

される。これは、実施結果の利用者が実施された手続の種類と範囲、及び該当する場合、その時期

- 16 -

を理解するのに十分な程度に具体的に記載されることを意味する。いかなる用語も文脈やそれが

欠落することいかんにより、明確でない又は誤解を招くような方法で使用される可能性があるこ

とを認識することが重要である。用語が使用される文脈において適切である場合、以下の記載例

専門実 4400

は認められる。

・ 確認する。

・ 比較する。

・ 照合する。

・ 突合する。

・ 閲覧する。

・ 質問する。

・ 再計算する。

・ 観察する。

A34.使用される文脈によっては、不明確な、誤解を招く又は様々な解釈が生じる用語には、例えば、

以下のような用語が含まれる。

・ 「適正に表示」若しくは「真実かつ公正」、「監査」、「レビュー」、「保証」、「意見」又

は「結論」といった保証に関連する用語

・ 手続実施結果について、「私たちは証明する」、「私たちは立証する」、「私たちは判断した」

又は「私たちは保証した」等の保証に関する意見又は結論を表明することを意味する用語

・ 「私たちは、全ての説明を入手し、また必要と考えられる手続を実施した」といった明確でな

い又は曖昧な文章

・ 「重要」又は「重大」といった様々な解釈を生じる用語

・ 「協議する」、「評価する」、「テストする」、「分析する」又は「調査する」等の手続につ

いて、種類、範囲及び該当する場合にはその時期を特定しない曖昧な記述。例えば「協議」とい

う用語は、協議の相手や具体的な質問を特定できないのであれば曖昧である。

・ 「私たちの見解では」、「私たちの観点では」、「私たちは以下の立場である」といった手続

実施結果が事実に即した結果を反映していないことを示す用語

A35.例えば、「費用配分が合理的であるかどうかを判断するためにレビューする」といった手続は、

以下の理由から、用語が明確であり、誤解を招かず、かつ、様々な解釈が生じないという条件を満

たす可能性が低い。

・ 「レビュー」という用語は、手続がそのような保証を意図していないにもかかわらず、費用配

分が限定的保証業務の対象であることを意味すると一部の利用者に誤解される可能性がある。

・ 「合理的」という用語は、何をもって「合理的」と解するかについて、様々な解釈を生じる。

A36.法令が、不明確な、誤解を招く又は様々な解釈が生じる用語を用いて手続を特定又は規定して

いる場合、業務実施者は、例えば、業務依頼者に以下を要求することによって、第23項(3)の条件

を満たすことができる。

・ 手続又は手続の説明を修正し、不明確でなく、誤解を招かず、また様々な解釈が生じないよう

にする。

・ 法令等のために、不明確な、誤解を招く又は様々な解釈が生じる用語を修正することができな

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専門実 4400

い場合、実施結果報告書に当該用語の定義を含める。

《(2) 独立性に関する要求事項への準拠》(第 23 項(5)及び第 26 項(5)参照)

A37.第23項(5)は、A14項に記載の理由により業務実施者が独立性に関する規定を遵守することが要

求される場合に適用される。第23項(5)はまた、業務実施者が独立性に関する規定を遵守すること

について業務依頼者と契約条件において合意する場合にも適用される。

例えば、業務実施者は、当初、我が国における職業倫理に関する規定、法令において又は他の理

由により独立性に関する規定を遵守することが要求されていないと判断することがある。しかし

ながら、そのような場合であっても、業務の新規の締結及び更新を検討する際や、契約条件に合意

する際に、業務実施者が以下の事項を踏まえて、合意された手続業務において特定の独立性に関

する規定を遵守するかどうかに関して業務依頼者と協議を行うことが、合意された手続業務の目

的に照らして適切である場合がある。

・ 合意された手続業務の目的

・ 業務依頼者、業務依頼者以外の実施結果の利用者、及び業務対象に責任を負う者(業務依頼者

と異なる場合)の性質

・ 実施される手続の種類、時期及び範囲

・ 業務実施者が、業務依頼者、業務依頼者以外の実施結果の利用者又は業務対象に責任を負う者

(業務依頼者と異なる場合)のために、実施している又は既に実施した他の業務

A38.業務実施者は、業務依頼者(業務依頼者と異なる場合は業務対象に責任を負う者)の財務諸表

の監査人である場合がある。この場合、業務実施者が合意された手続業務の実施にも従事してい

るのであれば、業務実施者は合意された手続業務の目的上は独立していると実施結果報告書の利

用者は想定することがある。

したがって、業務実施者は、財務諸表監査に適用される独立性に関する規定に対する業務実施

者の遵守が、合意された手続業務の目的において適切であると業務依頼者と合意することがある。

その場合、第26項(5)に従って、業務実施者がそのような独立性に関する規定に従うことが要求さ

れている旨を契約条件に記載する。

《9.契約条件の合意》(第 26 項から第 28 項参照)

A39.例えば、以下の事項を追加事項として業務契約書に含めることがある。

・ 合意された手続業務の一部において、業務実施者の利用する専門家を関与させることに関す

る取決め

・ 実施結果報告書の配布及び利用制限

A40.業務実施者は、業務依頼者との間で、実施する手続において例外事項を決定するための閾値を

定めることがある。この場合、当該閾値を、契約条件における手続の記述に含める。

A41.実施する手続の種類のみが法令等によって規定されている場合、業務実施者は、第26項(9)に

従って、実施する手続が業務の目的に照らして適切であることを業務依頼者が確認できるように、

実施する手続の時期及び範囲について業務依頼者と合意する。

A42.一つの契約条件の合意及び合意された手続の実施が、一度に一括して行われることがある。

- 18 -

専門実 4400

他方、一つの契約条件の合意及び合意された手続の実施が段階的に行われ、新たな情報が明ら

かになることに対応して、業務が進むにつれて合意された手続の変更が合意されることがある。

事前に合意された手続を変更する必要がある場合、業務実施者は、第28項に従って、業務依頼者

と変更後の契約条件に合意することが求められている。

変更後の契約条件は、例えば、業務契約書の更新、現行の業務契約書への追加又はその他の書面

又は電磁的記録による確認の形式をとることがある。

《継続的に実施される業務》(第 29 項参照)

A43.業務実施者は、一定の時点又は期間ごとに継続的に実施される業務については、新たな業務契

約書又はその他の書面又は電磁的記録による合意書を作成しないことがある。しかしながら、以

下の要因により、契約条件を変更すること又は現行の契約条件を業務依頼者に再確認することが

適切なことがある。

・ 業務依頼者が、合意された手続業務の目的又は合意された手続の種類、時期若しくは範囲を誤

解している兆候

・ 事前に合意された手続の変更を含む、変更された又は特殊な契約条件

・ 業務に影響を及ぼす法令等又は契約の要求事項の変更

・ 業務依頼者における経営者又は監査役等の変更

《10.合意された手続の実施》

A44.業務執行責任者は、職業的専門家としての基準及び適用される法令等並びに合意された手続業

務の契約条件に準拠して業務を実施し、適切な実施結果報告書を発行することができるように、

業務チーム及び業務を依頼する外部の専門家が、全体として適切な適性及び能力を有しているこ

とを確かめることが重要である。

A45.業務実施者は、合意された手続業務を効果的に実施するために、作業を計画することに留意す

る。

A46.業務実施者は、保証業務とは異なり、合意された手続のみを実施し、入手した証拠を実施結果

報告書の基礎として利用することが適切である。

A47.業務実施者は、業務対象を特定することが重要である。

《11.確認書》(第 31 項参照)

A48.業務実施者は、例えば、以下のような状況において、確認書の提出を求めることがある。

・ 合意された手続が質問を含む場合に、口頭で提供された回答に関する確認書を要請すること

がある。

・ 業務依頼者が業務対象に責任を負う者ではない場合、業務対象に責任を負う者に確認書の提

出を求めることを、合意された手続に含めることを業務依頼者と合意することがある。

A49.確認書を入手するか否かの判断は、例えば、業務契約を締結した業務依頼者以外に、業務対象

に責任を負う者が存在する場合等、業務及び業務対象に責任を負う者の性質に依存する。業務実

施者は、確認書の入手があらかじめ見込まれる場合には、業務依頼者の責任の下で業務対象に責

- 19 -

専門実 4400

任を負う者から確認書を提出させることを業務の契約条件に定めることがある。

なお、確認書は、確認事項についての適切な責任と知識を有する者から入手する。

A50.確認書を入手する場合、付録2に示された文例を参考とすることができる。

A51.確認書を入手する場合、確認書の日付は、業務対象に責任を負う者が、業務対象に対して責任

を認めた日付であるため、実施結果報告書の日付より後にはならず、通常、実施結果報告書の日

付とする。

A52.業務実施者が確認書を入手することが必要と判断したにもかかわらず、確認を要請した事項の

全部又は一部について業務対象に責任を負う者から確認を得られない場合、業務実施者は、例え

ば、以下の対応を実施する。

(1) 当該事項について、業務対象に責任を負う者と協議する。なお、業務対象に責任を負う者と

業務依頼者が異なる場合には、業務依頼者とも協議する。

(2) 業務対象に責任を負う者の誠実性を評価し、手続実施結果に及ぼす影響を勘案して、実施結

果報告書の提出の留保を含め、適切な措置を講じる。

《12.業務実施者の利用する専門家の作業の利用》(第 32 項参照)

A53.業務実施者の利用する専門家の作業の利用には、以下の場合において業務実施者を支援するた

めに専門家を利用することが含まれる。

・ 合意された手続の実施について、業務依頼者と協議する場合。例えば、法律専門家は、業務実

施者に対して契約の法的側面に対処するための手続の立案に関する提言を行うことがある。

・ 合意された手続のうちの一つ又は複数を実施する。例えば、化学者は、穀物のサンプル中の毒

物レベルを決定する手続といった合意された手続を実施することがある。

A54.業務実施者の利用する専門家は、業務実施者が業務を依頼する外部の専門家であるか、監査事

務所の社員等又は専門職員(非常勤者を含む。)で監査事務所の品質管理システムに従う内部の

専門家である。

業務実施者は、通常、以下の場合を除き、監査事務所が定めた品質管理システムに依拠すること

ができる。

・ 業務チームの理解及び実務上の経験により、監査事務所の方針又は手続が、業務の内容及び状

況に効果的に対処しないことが示される場合

・ 監査事務所又は第三者から当該方針又は手続が有効ではない旨の通知がある場合

依拠の程度は、個々の状況に応じて異なり、以下の観点から業務実施者の手続の種類、時期及び

範囲に影響を与えることがある。

・ 採用と研修を通じた適性と能力

・ 業務実施者の利用する専門家の客観性に関する評価

・ 専門家との合意

品質管理システムに依拠することとしても、本実務指針の要求事項を満たす業務実施者の責任

は軽減されない。

A55.業務実施者の利用する専門家が合意された手続のうち一つ又は複数を実施する場合、第39項(6)

において要求される専門家の作業の内容、範囲及び目的の合意には、専門家が実施する手続の種

- 20 -

専門実 4400

類、時期及び範囲に関する合意が含まれる。

第39項(6)により要求される事項に加えて、業務実施者と専門家との合意には、以下のような事

項を含めることが適切なことがある。

(1) 業務実施者及び専門家のそれぞれの役割と責任

(2) 専門家が提出する報告書の様式を含め、業務実施者と専門家との間のコミュニケーションの

内容、時期及び範囲

(3) 専門家が守秘義務を遵守する必要性

A56.A54項の記載事項は、文書による合意が適切であるかどうかを含め、業務実施者と専門家との

間の合意に関する詳細さの程度と形式に影響を与えることがある。業務実施者と外部の専門家と

の間の合意は、業務契約書の形式をとることが多い。

A57.専門家の作業を利用する場合には、業務契約の新規の締結又は更新の段階で、第32項の要求す

る手続の一部を実施することが適切な場合がある。

《13.実施結果報告書》(第 33 項から第 36 項まで参照)

A58.本実務指針の付録1には、実施結果報告書の文例が記載されている。

A59.本報告書でいう署名は、自署又は電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年(2000

年)法律第102号)第2条第1項の電子署名)をいう。

電子署名を行う場合には、業務実施者の氏名が容易に見読可能となるように、電子署名のプロ

パティ情報とは別に実施結果報告書にその氏名を表示することが考えられる。

《(1) 合意された手続業務対象》(第 33 項(3)参照)

A60.業務実施者は、誤解を避けるために、実施結果報告書が合意された手続の業務対象以外の情報

に言及するものではないことを明確にすることがある。

例えば、業務実施者は、事業体の売掛金及び在庫に関して合意された手続を実施する契約を締

結した場合、実施結果報告書が当該勘定のみに関係しており、事業体の全体としての財務諸表に

言及するものではないという記述を含めることがある。

《(2) 実施結果報告書の目的》(第 33 項(4)参照)

A61.業務実施者は、第33項(4)の要求する事項に加えて、実施結果報告書が業務依頼者及び業務依

頼者以外の実施結果の利用者のみに限定した利用を想定したものであることを記載することが適

切であると考えることがある。

なお、この場合には、合意された手続業務の契約条件を業務依頼者以外の利用者が明確に理解

していることを確かめ、合意することを求められていることに留意する(第26項(12)参照)。

A62.実施結果報告書の配布又は利用を制限するかどうかを決定する際に業務実施者が検討する可能

性のある事項には、例えば以下のものが含まれる。

・ 実施結果の利用者以外の利用者が、合意された手続業務の目的を誤解したり、手続実施結果の

解釈を誤ったりする可能性が高いかどうか。

・ 合意された手続は、業務依頼者における経営者や監査役等といった社内の利用者による利用

- 21 -

専門実 4400

のみを目的として立案されているかどうか。

・ 合意された手続又は手続実施結果には、機密情報が含まれているかどうか。

《(3) 合意された手続及び手続実施結果》(第 33 項(14)及び(15)参照)

A63.業務実施者が、守秘義務情報又は機密情報を含めずに合意された手続又は手続実施結果を説明

できない場合、業務実施者は、特定の対応を講じることによる職業的又は法的影響を理解するた

めに、以下の事項を検討することがある。

・ 内部の助言を求めること(例えば、監査事務所内やネットワーク・ファーム内)。

・ 外部の助言を求めること(例えば、関連する職業団体やその他の業務実施者)。

・ 法的助言を得ること。

A64.事前に合意された手続が実施されていない又は変更されたという事実が、実施結果の利用者が

合意された手続及びその実施結果を検討するに際して重要な場合がある。

例えば、手続が法令等により規定されている場合がこれに該当することがある。

このような場合には、業務実施者は、当初の契約条件において合意されたものの実施できなか

った又は変更された手続及びその理由を、実施結果報告書に記載することがある。

A65.業務実施者は、合意された手続に合意した日付を契約条件に記載することがある。

《(4) 業務実施者の利用する専門家の作業の利用》(第 34 項参照)

A66.例えば、公共事業体における透明性確保のために、法令等により、実施結果報告書において業

務実施者の利用する専門家に関する記載を要求されることがある。

また、例えば合意された手続を記載する場合に、業務実施者の利用する専門家の利用に関する

記載が適切となることがある。

しかし、業務実施者は、実施結果報告書に含まれる手続実施結果に単独で責任を負うものであ

り、その責任は業務実施者の利用する専門家の作業を利用したとしても、軽減されるものではない。

そのため、実施結果報告書において、業務実施者が専門家の作業を利用したことに言及すると

きは、当該記載が業務実施者の責任を軽減しているかのように記載しないことが重要である。

《14.合意された手続業務と他の業務の同時提供》(第 37 項参照)

A67.業務実施者は、合意された手続業務に起因する改善提案など、合意された手続業務と同時に他

の業務を実施することを依頼されることがある。

当該依頼は、合意された手続及び改善提案の実施依頼として一つにまとめることができ、また

様々な業務の契約条件を単一の業務契約書に記載することができる。

一方で、誤解を避けるために、第37項では、実施結果報告書を他の業務の報告書と明確に区別す

ることを要求している。

例えば、改善提案は以下のように行われることがある。

・ 実施結果報告書とは別個の文書により提供される。

・ 実施結果報告書と同一の文書に含められるが、実施結果報告書と明確に区別される。例えば、

実施結果報告書と改善提案事項を同一の文書内の別個のセクションに記載する。

- 22 -

専門実 4400

《15.調書》(第 38 項参照)

A68.実施した合意された手続の種類、時期及び範囲に関する調書には、例えば、以下の事項を記載する。

・ 業務対象の特徴を特定すること。特徴を特定する方法は、合意された手続の内容及び業務対象

によって異なる。例えば、

- 発注に関する手続については、日付と固有の発注番号によって選択された文書を特定する

ことがある。

- 所定の母集団から特定の金額以上の全ての項目を選択することを要求する手続については、

手続の範囲を記録し、また母集団を特定することがある(例えば、特定の期間の仕訳入力にお

ける特定の金額以上の全ての仕訳、特定の月における特定の時間数以上の全てのタイムシー

ト、又は特定のリストの10番目ごとの項目)。

- 特定の人物に対する質問を必要とする手続について、質問日、当該人物の名前及び職務、並

びに具体的な質問内容を記載することがある。

- 観察の手続について、観察したプロセス又は事項、関連する人物及び各自の責任、並びに観

察した場所及び日時を記録することがある。

・ 合意された手続を実施した者及びその実施日

・ 合意された手続を査閲した者、査閲日及び査閲の範囲

《Ⅳ 適用》

・ 本実務指針は、2018 年4月1日以降に発行する合意された手続実施結果報告書に適用する。

ただし、本実務指針の第3項、第4項及び全ての要求事項が適用可能である場合には、2016 年

10 月1日以降に発行する合意された手続実施結果報告書から適用することを妨げない。

・ 2018 年3月 20 日改正後の本実務指針は、2018 年4月1日以降に発行する合意された手続実

施結果報告書に適用する。ただし、本実務指針の第3項、第4項及び全ての要求事項が適用可能

である場合には、公表日(2018 年3月 20 日)以降に発行する合意された手続実施結果報告書か

ら適用することを妨げない。

・ 2021 年 11 月 15 日改正後の本実務指針は、2022 年1月1日以降に契約を締結する合意された

手続業務に適用する。

・ 本実務指針(2022 年 10 月 13 日)のうち、倫理規則に関する事項は、2023 年4月1日以降に

契約を締結する合意された手続業務から適用する。ただし、本実務指針を、倫理規則(2022 年

7月 25 日変更)と併せて 2023 年3月 31 日以前に契約を締結する業務から早期適用することを

妨げない。

・ 本実務指針(2023 年3月 16 日)は、2023 年7月1日以降に契約を締結する合意された手続

業務から適用する。なお、公認会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024

年7月1日以降に契約を締結する業務から適用する。ただし、本実務指針を、全ての監査事務所

において、品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」(2023 年1月 12 日)及

び品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」(2023 年1月 12 日)と併せて、2024 年6

月 30 日以前に契約を締結する業務から早期適用することを妨げない。

以 上

- 23 -

専門実 4400

・ 本実務指針(2022 年 10 月 13 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 倫理規則(2022 年7月 25 日変更)

(修正箇所:第5項、第 14 項、A13 項、A14 項、A15b 項及び付録1)

- 保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の

体系及び用語」(2022 年7月 21 日公表)

(上記以外の修正箇所)

・ 本実務指針(2023 年3月 16 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 倫理規則(2022 年7月 25 日変更)

(修正箇所:A15a 項から A17 項)

- 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」(2023 年1月 12 日改正)

- 品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」(2023 年1月 12 日改正)

(上記以外の修正箇所)

- 24 -

専門実 4400

《付録1 合意された手続実施結果報告書の文例》(A58 項参照)

《文例1》

以下の合意された手続実施結果報告書は、次のような状況を想定した文例である。

・ 業務依頼者が、宛先であり、また実施結果の利用者である。業務依頼者は、業務対象に責任を

負う者ではない。すなわち、規制当局が業務依頼者及び実施結果の利用者であり、規制当局が監

督する企業が業務対象に責任を負う者であるケース等を想定している。

・ 例外事項は発見されなかった。

・ 業務実施者は、合意された手続を実施するに当たり、専門家の作業を利用しなかった。

・ 実施結果報告書の配布及び利用制限はない。

・ 業務実施者は独立性に関する要求事項の遵守は要求されていない。

・ 業務実施者は手続3における例外事項を決定するために 10,000 円という閾値を業務依頼者と

合意した。

合意された手続実施結果報告書

×年×月×日

【宛先】(注1)

○○監査法人

○○事務所(注2)

代表社員 公認会計士 ○○○○

社員 公認会計士 ○○○○

(注3)(注4)

合意された手続実施結果報告書の目的

本報告書は、[業務依頼者]が[XYZ社]製品の仕入がその調達方針に適合しているかどうか

に関して、[業務依頼者]が判断することに資するために実施された合意された手続及び手続実

施結果を報告する目的で作成されている。したがって、本報告書は他の目的に適さない可能性

がある。

業務依頼者及び業務対象に責任を負う者の責任

[業務依頼者]は、合意された手続が業務の目的に適していることを承知している。

[業務依頼者]により特定される[業務対象に責任を負う者]は、合意された手続が実施され

る業務の対象とする情報等(本報告書において「業務対象」という。)に責任を負う。

- 25 -

専門実 4400

業務実施者の責任

当監査法人(注5)は、日本公認会計士協会が公表した専門業務実務指針4400「合意された手

続業務に関する実務指針」及び〇〇〇〇〇〇〇〇(注6)に準拠して手続を実施した。合意され

た手続業務には、当監査法人が[業務依頼者]と合意された手続を実施し、また合意された手続

の事実に即した結果である手続実施結果を報告することが含まれる。当監査法人は、合意され

た手続の適切性について、何ら責任を負うものではない。

合意された手続業務は監査又はレビュー等の保証業務ではない。したがって、当監査法人は意

見又は保証の結論を表明するものではない。

なお、手続を追加して実施した場合、又は手続の範囲を拡大した場合には、報告すべき事項が

新たに発見される可能性がある。

職業倫理及び品質管理

当監査法人(注5)は、日本公認会計士協会の公表する倫理規則及びその他の職業倫理に関す

る規定を遵守して業務を実施した。当該規則及び規定は、誠実性、客観性、職業的専門家として

の能力及び正当な注意、守秘義務並びに職業的専門家としての行動の原則を提供している。当

該業務を実施するに当たり、独立性に関する要求事項はない。

当監査法人(注5)は、日本公認会計士協会が公表した品質管理基準報告書第1号「監査事務

所における品質管理」に準拠して、職業的専門家としての基準及び適用される法令等の遵守に

関する方針又は手続を含む品質管理システムを整備及び運用して業務を実施した。

合意された手続及び合意された手続の実施結果

[XYZ社]製品の仕入に関して、以下の合意された手続を実施した。また、実施した結果は以

下のとおりである。

合意された手続

合意された手続の実施結果

[業務対象に責任を負う者]の経営者から

[20X1年1月1日]から[20X1年12月31日]

[20X1年1月1日]から[20X1年12月31日]

の間に締結された[XYZ社]製品の全ての契

の間に締結された[XYZ社]製品に関する全

約のリストを[業務対象に責任を負う者]の

ての契約のリスト(以下「リスト」という。)

経営者から入手した。

を入手し、2,500,000円超の全ての契約を特

リスト上の125件の契約のうち、2,500,000

定する。

円超の37件の契約を特定した。

リスト上で特定した2,500,000円超の契約

リスト上で特定した2,500,000円超の37件

について、それぞれの契約書と入札記録を比

の契約に関する入札記録を査閲した。37件の

較し、[業務対象に責任を負う者]から提示

契約の全てが[業務対象に責任を負う者]か

された「事前の適格業者リスト」に記載の業

ら提示された「事前の適格業者リスト」記載

者から少なくとも3業者が入札の対象とな

の業者から少なくとも3社の業者による入

っていたかどうかを確認する。

札の対象となっていたことを確認した。

リスト上で特定した2,500,000円超の契約

リスト上で特定した2,500,000円超の37件

について、締結済の契約書上の支払金額と、

の契約について、締結済の契約書を入手し、

- 26 -

[業務対象に責任を負う者]が契約者に最終

契約上の支払金額と[業務対象に責任を負う

的に支払った金額を比較し、契約上の支払金

者]が契約者に最終的に支払った金額とを比

額 と 最 終 的 に 支 払 っ た 金 額 と の 差 額 が

較した。

10,000円以内であるかどうかを確認する。

37件の契約全てにおいて、契約上の支払金

専門実 4400

額と[業務対象に責任を負う者]が契約者に

最終的に支払った金額との差額が10,000円

以内であることを確認した。

以 上

(注1)宛先は、状況に応じて適宜、適切に修正する。例えば、規制当局、○○株式会社 取締役会、

代表取締役社長、事業部長等が考えられる。

(注2)事業所の都市名を記載する場合は、「○○県□□市」のように記載する。

(注3)業務実施者が電子署名を行う場合には、実施結果報告書にその氏名を表示すると考えられる。

(注4)① 本文例は、業務実施者が無限責任監査法人の場合を前提としている。業務実施者が有

限責任監査法人の場合、業務契約において業務実施者が特定されている場合、又は監査

法人の場合において報告書署名者に関する内規がある場合には、これらに応じて代表社

員の肩書を省略するなど、適宜必要な修正を行う。

② 業務実施者が公認会計士の場合は、以下とする。

○○○○ 公認会計士事務所

○○県□□市

公認会計士 ○○○○

(注5)業務実施者が公認会計士の場合には、「私」又は「私たち」とする。

(注6)本実務指針に加え、個別業務に関わるその他の合意された手続業務に関する実務指針等が

適用されている場合、「○○○○○○○」に当該個別業務に関わる実務指針等の名称を記載

する。なお、当該個別業務に関わる実務指針等において、特に定めのない事項について本実

務指針に従うことが定められている場合には、本実務指針の名称(日本公認会計士協会が

公表した専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」)を削除し、当該

個別業務に関わる実務指針等の名称のみを記載する。また、該当する個別業務に関わる実

務指針等がない場合には、「○○○○○○○」を削除する。

- 27 -

専門実 4400

《文例2》

以下の合意された手続実施結果報告書は、次のような状況を想定した文例である。

・ 業務依頼者は、業務対象に責任を負う者である。業務依頼者以外の実施結果の利用者が実施結

果報告書の宛先に含まれる。業務依頼者は業務対象に責任を負う者でもある。

・ 例外事項が発見された(入札対象とならなかった1件 6,500,000 円(手続実施結果2参照)

及び業務依頼者が支払った金額の不一致 26 件(手続実施結果3参照))。合意された手続に例外

事項の理由を確かめる手続が契約の変更により追加された。

・ 業務実施者は、合意された手続を実施するに当たり専門家の作業を利用した。また、専門家の

作業を利用した手続実施結果が実施結果報告書に含まれている。

・ 実施結果報告書の配布及び利用制限がある。

・ 業務実施者は、業務依頼者(業務対象に責任を負う者でもある。)の財務諸表の監査人である。

業務実施者と業務依頼者は、業務実施者が財務諸表の監査に適用される独立性に関する要求事

項を遵守することが、合意された手続業務の目的上適切であることを合意し、業務契約書の契

約条件に財務諸表監査に適用される独立性に関する要求事項の遵守を含めている。

・ 業務契約書を締結した日付を記載している。

独立業務実施者の合意された手続実施結果報告書

×年×月×日

【宛先】(注1)

○○監査法人

○○事務所(注2)

代表社員 公認会計士 ○○○○

社員 公認会計士 ○○○○

(注3)(注4)

合意された手続実施結果報告書の目的並びに配布及び利用制限

本報告書は、[業務依頼者]の[XYZ社]製品の仕入がその調達方針に適合しているかどうか

に関して、[業務依頼者]と[実施結果の利用者]が判断することに資するために実施された

合意された手続及び手続実施結果を報告する目的で作成されている。したがって、本報告書は

他の目的に適さない可能性がある。本報告書は[業務依頼者]と[実施結果の利用者]のみを

利用者として想定しており、[業務依頼者]と[実施結果の利用者]以外に配布及び利用され

るべきものではない。

- 28 -

業務依頼者の責任

[業務依頼者]及び[業務依頼者以外の実施結果の利用者]は、合意された手続が業務の目

的に適していることを承知している。

業務依頼者は、合意された手続が実施される業務の対象となる情報等(以下「業務対象」と

専門実 4400

いう。)に責任を負う。

業務実施者の責任

当監査法人(注5)は、日本公認会計士協会が公表した専門業務実務指針4400「合意された

手続業務に関する実務指針」及び〇〇〇〇〇〇〇〇(注6)に準拠して手続を実施した。合意

された手続業務には、当監査法人が[業務依頼者]と合意された手続を実施し、また合意され

た手続の事実に即した結果である手続実施結果を報告することが含まれる。当監査法人は、合

意された手続の適切性については、何ら責任を負うものではない。

合意された手続業務は監査又はレビュー等の保証業務ではない。したがって、当監査法人は

意見又は保証の結論を表明するものではない。

なお、手続を追加して実施した場合、又は手続の範囲を拡大した場合には、報告すべき事項

が新たに発見される可能性がある。

職業倫理、独立性及び品質管理

当監査法人(注5)は、日本公認会計士協会の公表する倫理規則及びその他の職業倫理に関

する規定を遵守して業務を実施した。当該規則及び規定は、誠実性、客観性、職業的専門家と

しての能力及び正当な注意、守秘義務並びに職業的専門家としての行動の原則、並びに独立性

に関する規定を提供している。

当監査法人(注5)は、日本公認会計士協会が公表した品質管理基準報告書第1号「監査事

務所における品質管理」に準拠して、職業的専門家としての基準及び適用される法令等の遵守

に関する方針又は手続を含む品質管理システムを整備及び運用して業務を実施した。

合意された手続及び合意された手続の実施結果

[XYZ社]製品の仕入に関して、[日付]付けの合意された手続業務契約書に基づき、以下の

合意された手続を実施した。また、実施した結果は以下のとおりである。

合意された手続

合意された手続の実施結果

[業務依頼者]の経営者から、[20X1年1

[20X1年1月1日]から[20X1年12月31

月1日]から[20X1年12月31日]までの間に

日]の間に締結された[XYZ社]製品の全て

締結された[XYZ社]製品に関する全ての契

の契約のリストを[業務依頼者]の経営者か

約のリスト(以下「リスト」という。)を入

ら入手した。

手し、リストにおいて2,500,000円超の全て

リ ス ト 上 の 125 件 の 契 約 の う ち 、

の契約を特定する。

2,500,000円超の37件の契約を以下のとお

り特定した。

・・・

- 29 -

専門実 4400

リスト上で特定した2,500,000円超の契

リスト上で特定した2,500,000円超の37

約について、入札記録において、[業務対象

件の契約に関する入札記録を調査した。37

に責任を負う者]の「事前の適格業者リス

件の契約に関する入札記録のうち、5件が

ト」から少なくとも3業者が入札の対象と

[外国語]で記載されていた。当該5件の入

なっていたかどうかを確認する。なお、例外

札記録は当監査法人が契約した翻訳者の支

があった場合は、例外となった理由を経営

援を得て翻訳した。[業務依頼者]の「事前

者に質問し、回答を得る。[外国語]で記載

の適格業者リスト」から、37件の契約のうち

された入札記録については、確認を実施す

36件の契約が3社以上の業者が入札の対象

る前に、当監査法人が契約した翻訳者の支

となっていることを確認した。

援を得て入札記録を翻訳する。

入札の対象とならなかった6,500,000円

相当の契約が1件発見された。経営者は、こ

の契約が入札の対象にならなかった理由

は、契約上の期限を守るための緊急措置に

よるものであると回答している。

入札記録の翻訳を支援する翻訳者の業務

は、手続を実施し、また手続実施結果を報告

する当監査法人の責任を軽減するものでは

ない。

リスト上で特定した2,500,000円超の契

リスト上で特定した2,500,000円超の37

約について、締結済の契約書上の支払金額

件の契約について、締結済の契約書を入手

と、[業務依頼者]が契約者に最終的に支払

し、契約上の支払金額と[業務依頼者]が契

った金額を比較し、契約上の支払金額と最

約者に最終的に支払った金額とを比較し

終的に支払った金額が一致しているかどう

た。

かを確認する。

37件の契約のうち、11件の契約において、

なお、不一致の場合には、不一致の原因を

契約上の支払金額と[業務依頼者]が契約者

経営者に質問し、回答を得る。

に最終的に支払った金額が一致した。

37件の契約のうち、別紙のとおり26件の

契約において、[業務依頼者]が契約者に最

終的に支払った金額が一致しなかった。経

営者は、これらの全ての契約において、20X1

年9月に発効した[管轄区域]の売上税率の

1%の引上げを受容したことが当該不一致

の原因であると回答した。

以 上

(注1)宛先は、状況に応じて適宜、適切に修正する。例えば、規制当局、○○株式会社 取締役会、

代表取締役社長、事業部長等が考えられる。

(注2)事業所の都市名を記載する場合は、「○○県□□市」のように記載する。

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(注3)業務実施者が電子署名を行う場合には、実施結果報告書にその氏名を表示すると考えられる。

(注4)① 本文例は、業務実施者が無限責任監査法人の場合を前提としている。業務実施者が有

限責任監査法人の場合、業務契約において業務実施者が特定されている場合、又は監査

法人の場合において報告書署名者に関する内規がある場合には、これらに応じて代表社

専門実 4400

員の肩書を省略するなど、適宜必要な修正を行う。

② 業務実施者が公認会計士の場合は、以下とする。

○○○○ 公認会計士事務所

○○県□□市

公認会計士 ○○○○

(注5)業務実施者が公認会計士の場合には、「私」又は「私たち」とする。

(注6)本実務指針に加え、個別業務に関わるその他の合意された手続業務に関する実務指針等が

適用されている場合、「○○○○○○○」に当該個別業務に関わる実務指針等の名称を記載

する。なお、当該個別業務に関わる実務指針等において、特に定めのない事項について本実

務指針に従うことが定められている場合には、本実務指針の名称(日本公認会計士協会が

公表した専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」)を削除し、当該

個別業務に関わる実務指針等の名称のみを記載する。また、該当する個別業務に関わる実

務指針等がない場合には、「○○○○○○○」を削除する。

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《付録2 確認書の記載例》(A48 項参照)

以下の確認書の記載例には、合意された手続業務において、業務実施者が業務対象に責任を負う

者から確認書を入手する場合に、通常、確認すると考えられる事項が含まれている。なお、この文例

は、状況に応じて適宜修正する。

専門実 4400

○○監査法人 社員 公認会計士 ○○○○ 殿(注1)

×年×月×日

××株式会社 代表取締役 (署名 ) (若しくは記名押印又は電子署名) ◯◯担当取締役 (署名 ) (注2) (若しくは記名押印又は電子署名)

本確認書は、貴監査法人が、×年×月×日付けの合意された手続業務契約書に基づき、手続

実施結果を報告するに当たり提出するものです。私たちは、下記のとおりであることを確認し

ます。

1.[合意された手続業務対象を具体的に記載する]を作成する責任が当社にあることを承知し

ております。

2.貴監査法人から要請のあった合意された手続業務の実施に関する全ての情報を提供しまし

た。

3.業務実施者が記載することが適切であると判断したその他の確認事項(注3)

4.・・・・・

5.・・・・・

(注1)① 本文例は、業務実施者が無限責任監査法人の場合を前提としている。業務実施者が有

限責任監査法人の場合、業務契約において業務実施者が特定されている場合、又は監査

法人の場合において報告書署名者に関する内規がある場合には、これらに応じて代表社

員の肩書を省略するなど、適宜必要な修正を行う。

② 業務実施者が公認会計士の場合には以下とし、確認書本文中の「貴監査法人」を「貴

以 上

殿」とする。

○○○○ 公認会計士事務所

公認会計士 ○○○○ 殿

(注2)業務対象に係る責任者は、状況に応じて適宜、適切に修正する。

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専門実 4400

(注3)その他追加項目の確認事項の記載例としては、例えば、以下のものが考えられる。ただ

し、これらの記載に当たっては、監査基準報告書580「経営者確認書」や関連する個別業

務に関わるその他の合意された手続に関する実務指針等を参考とすることが有用である。

- 業務対象のために当社が必要と判断する内部統制を整備及び運用する責任は当社にあ

ることを承知しております。

- 貴監査法人に提供した情報は全て真正なものです。

- 本確認書の日付までに発生した業務対象又は合意された手続業務に重要な影響を及ぼ

す可能性のある全ての事実を貴監査法人に提示いたしました。

- 規制当局からの通告・指導等で業務対象又は合意された手続業務に重要な影響を与え

る可能性のある全ての事項を業務実施者に提示いたしました。

以 上

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