監査基準報告書550
関連当事者
監基報 550
2 0 1 1 年 1 2 月 2 2 日
改正 2 0 1 5 年 5 月 2 9 日
改正 2 0 1 9 年 6 月 1 2 日
改正 2 0 2 1 年 1 月 1 4 日
改正 2 0 2 1 年 6 月 8 日
改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日
改正 2 0 2 3 年 1 月 1 2 日
最終改正 2 0 2 4 年 9 月 2 6 日
日 本 公 認 会 計 士 協 会
監査・保証基準委員会
(報告書:第 25 号)
項番号
Ⅰ 本報告書の範囲及び目的
1.本報告書の範囲 .................................................................. 1
2.関連当事者との関係及び関連当事者との取引の内容 .................................. 2
3.監査人の責任 .................................................................... 3
4.本報告書の目的 .................................................................. 8
5.定義 ............................................................................ 9
Ⅱ 要求事項
1.リスク評価手続とこれに関連する活動 ............................................. 10
(1) 関連当事者との関係及び関連当事者との取引の理解 ................................ 11
(2) 記録や文書の閲覧時における留意事項 ............................................ 14
(3) 監査チーム内の関連当事者に関する情報の共有 .................................... 16
2.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクの識別と評価 . 17
3.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクへの対応 ..... 19
(1) 経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は関連
当事者との重要な取引の識別 ...................................................... 20
(2) 企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引の識別 .................. 22
(3) 関連当事者との取引が独立第三者間取引と同等の取引条件で実行された旨の記載 ...... 23
4.識別した関連当事者との関係及び関連当事者との取引の処理及び開示の評価 ........... 24
5.経営者確認書 ................................................................... 25
6.監査役等とのコミュニケーション ................................................. 26
7.監査調書 ....................................................................... 27
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監基報 550
Ⅲ 適用指針
1.監査人の責任
(1) 関連当事者について最小限の事項のみを定めている財務報告の枠組み ................ A1
(2) 適正表示の枠組み .............................................................. A2
(3) 準拠性の枠組み ................................................................ A3
2.関連当事者の定義 ............................................................... A4
(1) 絶大な影響力を有する関連当事者 ................................................ A6
(2) 関連当事者としての特別目的事業体 .............................................. A7
3.リスク評価手続とこれに関連する活動
(1) 関連当事者との関係及び関連当事者との取引の理解 ................................ A8
(2) 記録や文書の閲覧時における留意事項 ........................................... A21
(3) 監査チーム内の関連当事者に関する情報の共有 ................................... A27
4.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクの識別と評価
絶大な影響力を有する関連当事者に伴う不正リスク要因 ........................... A28
5.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクへの対応 .... A30
(1) 経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は関連
当事者との重要な取引の識別 ................................................... A34
(2) 企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引の識別 ................. A37
(3) 関連当事者との取引が独立第三者間取引と同等の取引条件で実行された旨の記載 ..... A41
6.識別した関連当事者との関係及び関連当事者との取引の処理及び開示の評価
(1) 虚偽表示の評価における重要性の検討 ........................................... A45
(2) 関連当事者の開示の評価 ....................................................... A46
7.経営者確認書 .................................................................. A47
8.監査役等とのコミュニケーション ................................................ A49
Ⅳ 適用
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監基報 550
《Ⅰ 本報告書の範囲及び目的》
《1.本報告書の範囲》
1.本報告書は、関連当事者との関係及び関連当事者との取引に関して、財務諸表監査における実務
上の指針を提供するものである。
特に、本報告書は、監査基準報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」、同330「評価し
たリスクに対応する監査人の手続」及び同240「財務諸表監査における不正」を、関連当事者との
関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクに関してどのように適用すべきかにつ
いて記載している。
《2.関連当事者との関係及び関連当事者との取引の内容》
2.関連当事者との取引は、通常の取引過程において行われることが多い。この場合、関連当事者と
の取引による財務諸表の重要な虚偽表示リスクは、関連当事者以外の第三者との同様の取引と変
わらないと考えられる。しかし、ある状況においては、関連当事者との関係及び関連当事者との取
引の内容によって、財務諸表の重要な虚偽表示リスクが第三者との取引の場合よりも高くなるこ
ともある。例えば、以下の場合が含まれる。
・ 複数の関連当事者が存在する場合には、相互の関係や所有構造が広範で複雑となっているこ
とがあり、それに対応して企業と関連当事者との取引も複雑となっていることがある。
・ 情報システムが、関連当事者との取引を識別し、債権債務残高を集計する上で有効でないこ
とがある。
・ 関連当事者との取引は、例えば、関連当事者との取引が無償又は低廉な価格で実行されるな
ど、正常な市場での取引条件で実行されないことがある。
《3.監査人の責任》
3.企業と関連当事者とは独立した関係にはないことから、多くの財務報告の枠組みは、財務諸表の
利用者が、関連当事者との関係や関連当事者との取引及び残高の内容、並びに財務諸表に対する
影響を理解することができるよう、関連当事者との関係や関連当事者との取引及び残高に関する
処理及び開示についての事項を定めている。適用される財務報告の枠組みにそのような事項が定
められている場合には、監査人は、企業が、財務報告の枠組みにおいて要求される事項に準拠し
て、関連当事者との関係、取引又は残高を適切に処理又は開示しないことから生じる重要な虚偽
表示リスクを識別し評価するとともに、評価したリスクに対応するための監査手続を実施する責
任がある。
4.適用される財務報告の枠組みに関連当事者についての事項が定められていない場合、又は最小
限の事項しか定められていない場合でも、監査人は、財務諸表が関連当事者との関係及び関連当
事者との取引によって影響を受ける範囲内において、以下のいずれかの目的を達成するために、
関連当事者との関係及び関連当事者との取引を十分に理解する必要がある(A1項参照)。
(1) (適正表示の枠組みの場合)財務諸表において関連当事者に関する適正な表示が行われている
かどうかを判断すること(A2項参照)。
(2) (準拠性の枠組みの場合)財務諸表の利用者の判断を誤らせないかどうかを判断すること(A3
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項参照)。
5.また、不正の実行が関連当事者を通じて容易になる場合があるため、監査基準報告書240第23項
で要求されているとおり、監査人が不正リスク要因が存在するかどうかに関して評価する場合に
は、関連当事者との関係及び関連当事者との取引を理解する。
6.監査の固有の限界のため、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して適切に監査計画
を策定し監査を実施しても、財務諸表の重要な虚偽表示が発見されないという回避できないリス
クがある。関連当事者に関して、この固有の限界は監査人による重要な虚偽表示の発見に影響を
与えるが、以下の理由によって、それによる影響はより大きくなる(監査基準報告書200「財務諸
表監査における総括的な目的」のA50項及びA51項参照)。
・ 経営者は、特に、適用される財務報告の枠組みに関連当事者についての事項が定められていな
い場合においては、関連当事者との関係及び関連当事者との取引の全てを認識しているとは限
らない。
・ 関連当事者との関係を利用して、経営者が共謀、隠蔽又は改竄を行う機会が増すことがある。
7.したがって、関連当事者に関しては、関連当事者との関係や関連当事者との取引が開示されない
可能性があるため、監査基準報告書200第14項で要求されているとおり、職業的専門家としての懐
疑心を保持して監査計画を策定し監査を実施することが、特に重要である。本報告書の要求事項
は、関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクの識別と評価、並
びに評価したリスクに対応する監査手続の立案に資するように記載している。
《4.本報告書の目的》
8.本報告書における監査人の目的は、以下のとおりである。
(1) 適用される財務報告の枠組みにおいて関連当事者に関する事項が定められているかどうかに
かかわらず、以下のいずれの事項にも資するよう、関連当事者との関係及び関連当事者との取引
を十分に理解すること。
① 不正による重要な虚偽表示リスクの識別と評価に関連する、関連当事者との関係及び関連当
事者との取引から生じる不正リスク要因が存在する場合には、当該要因を認識すること。
② 財務諸表が関連当事者との関係及び関連当事者との取引によって影響を受ける場合、入手し
た監査証拠に基づいて以下のいずれかを判断すること。
・ (適正表示の枠組みの場合)財務諸表において関連当事者に関する適正な表示が行われて
いるかどうか。
・ (準拠性の枠組みの場合)財務諸表の利用者の判断を誤らせないかどうか。
(2) 上記に加え、適用される財務報告の枠組みに関連当事者についての事項が定められている場
合には、当該枠組みに準拠して、関連当事者との関係及び関連当事者との取引が、適切に識別さ
れ、処理され、開示されているかどうかについての十分かつ適切な監査証拠を入手すること。
《5.定義》
9.本報告書における用語の定義は、以下のとおりとする。
(1) 「関連当事者」-以下のいずれかに該当する当事者をいう。(A4項からA7項参照)
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監基報 550
① 適用される財務報告の枠組みにおいて定義される関連当事者
② 適用される財務報告の枠組みに関連当事者についての事項が定められていない場合、又は最
小限の事項しか定められていない場合には、以下のいずれかに該当する者
ア.個人又は他の企業が、直接又は間接に、財務諸表作成会社を支配しているか又は重要な影
響を及ぼしている場合の当該個人又は他の企業
イ.財務諸表作成会社が、直接又は間接に、支配しているか又は重要な影響を及ぼしている他
の企業
ウ.以下のいずれかによって財務諸表作成会社と共通支配下にある他の企業
・ 共通の支配力を有する所有者
・ 近親者である所有者
・ 共通の主要な経営者
ただし、政府(例えば、国又は地方公共団体など)の共通支配下にある企業の場合には、
重要な取引があるか、又は相互に経営資源を相当程度共有している場合を除き、当該企業は
関連当事者とはみなされない。
(2) 「独立第三者間取引」-特定の関係にない買い手と売り手が、相互に独立して行動し、かつ自
己の最善の利益を追求した場合の取引条件によって実行される取引をいう。
《Ⅱ 要求事項》
《1.リスク評価手続とこれに関連する活動》
10.監査人は、監査基準報告書315第12項及び監査基準報告書240第15項で要求されているリスク評
価手続とこれに関連する活動の一環として、第11項から第16項に記載する監査手続とこれに関連
する活動を実施して、関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスク
を識別するための情報を入手しなければならない。
《(1) 関連当事者との関係及び関連当事者との取引の理解》
11.監査基準報告書315第16項及び監査基準報告書240第14項で要求されている監査チーム内の討議
では、関連当事者との関係及び関連当事者との取引から生じる可能性がある不正又は誤謬により、
財務諸表に重要な虚偽表示が行われる可能性について検討しなければならない(A8項及びA9項参照)。
12.監査人は、以下の事項について経営者に質問しなければならない。
(1) 前年度からの変更を含めた、経営者が識別した関連当事者(A10項からA13項参照)
(2) 関連当事者との関係
(3) 当年度における関連当事者との取引の有無、及び取引がある場合には当該取引の種類と目的
13.監査人は、経営者が以下のために構築した内部統制がある場合には、それらの内部統制を理解す
るため、経営者及びその他の企業構成員に質問を行うとともに、適切と考えられるその他のリス
ク評価手続を実施しなければならない(A14項からA19項参照)。
(1) 適用される財務報告の枠組みに準拠した、関連当事者との関係及び関連当事者との取引の識
別、処理及び開示
(2) 関連当事者との重要な取引や取引条件についての権限の付与及び承認(A20項参照)
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(3) 通常の取引過程から外れた重要な取引や取引条件についての権限の付与及び承認
《(2) 記録や文書の閲覧時における留意事項》
14.監査人は、監査期間中、記録や文書を閲覧する際、経営者が従来識別していない又は監査人に開
示していない関連当事者との関係又は関連当事者との取引を示唆する可能性がある契約又はその
他の情報に留意しなければならない(A21項及びA22項参照)。
特に、監査人は、経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係
又は関連当事者との取引を示唆しているかどうかについて、以下を閲覧しなければならない。
(1) 監査人が監査手続の一環として入手した銀行確認状及び弁護士への確認状
(2) 株主総会や取締役会等の議事録
(3) 監査人が必要と考えるその他の記録や文書
15.監査人は、第14項が要求する監査手続又はその他の監査手続を実施することによって、企業の通
常の取引過程から外れた重要な取引を識別した場合、以下の事項について経営者に質問しなけれ
ばならない(A23項及びA24項参照)。
(1) 当該取引の内容(A25項参照)
(2) 関連当事者が関与し得るかどうか(A26項参照)。
《(3) 監査チーム内の関連当事者に関する情報の共有》
16.監査人は、関連当事者について入手した情報を、監査チーム内で共有しなければならない(A27
項参照)。
《2.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクの識別と評価》
17.監査人は、監査基準報告書315第31項の要求事項に基づいて、関連当事者との関係及び関連当事
者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクを識別し評価するとともに、当該リスクが特別な検討を
必要とするリスクであるかどうかを判断しなければならない。この判断を行うに当たって、監査
人は、企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引について、特別な検討を必要
とするリスクとして取り扱わなければならない。
18.監査人は、関連当事者に関してリスク評価手続とこれに関連する活動を実施する際に、不正リス
ク要因(絶大な影響力を有する関連当事者の状況を含む。)を識別した場合、監査基準報告書240に
従って、入手した情報を考慮しなければならない(A6項、A28項及びA29項参照)。
《3.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクへの対応》
19.監査人は、監査基準報告書330第4項及び第5項の要求事項に基づいて、関連当事者との関係及
び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクについて十分かつ適切な監査証拠を入手する
ため、リスク対応手続を立案し実施する。これらの監査手続には、第20項から第23項が要求する手
続を含めなければならない(A30項からA33項参照)。
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《(1) 経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は関連当事
者との重要な取引の識別》
20.監査人は、経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は
関連当事者との取引を示唆する契約やその他の情報を識別した場合、関連当事者との関係又は取
引が存在しているかどうかを判断しなければならない。
21.監査人は、経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は
関連当事者との重要な取引を識別した場合、以下の手続を実施しなければならない。
(1) 関連する情報を監査チーム内に迅速に伝達する(A34項参照)。
(2) 適用される財務報告の枠組みに関連当事者に関する事項が定められている場合、以下の手続
を実施する。
① 経営者に、新たに識別した関連当事者との全ての取引を特定することを要請する。
② 関連当事者との関係及び関連当事者との取引に対する企業の内部統制が、関連当事者との関
係又は関連当事者との取引を識別できなかった又は監査人に開示できなかった理由について
質問する。
(3) 新たに識別された関連当事者との関係又は関連当事者との重要な取引について、適切な実証
手続を実施する(A35項参照)。
(4) 経営者が従来識別していない又は監査人に開示していないその他の関連当事者との関係又は
関連当事者との重要な取引が存在するリスクについて再度検討するとともに、必要に応じて追
加手続を実施する。
(5) 経営者が意図的に監査人に開示していない可能性がある(したがって、不正による重要な虚偽
表示リスクを示唆している)場合、監査への影響を評価する(A36項参照)。
《(2) 企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引の識別》
22.監査人は、企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引を識別した場合、以下の
手続を実施しなければならない。
(1) 取引の基礎となる契約又は合意がある場合には、それらを閲覧し、以下の事項について評価す
る。
① 当該取引の事業上の合理性(又はその欠如)が、不正な財務報告を行うため又は資産の流用
を隠蔽するために行われた可能性を示唆するものかどうか(監基報240第31項(3)参照)(A37
項及びA38項参照)。
② 取引条件が経営者の説明と整合しているかどうか。
③ 適用される財務報告の枠組みに準拠して適切に処理され、開示されているかどうか。
(2) 取引に関する権限の付与が適切に行われており、かつ取引が適切に承認されていることにつ
いて監査証拠を入手する(A39項及びA40項参照)。
《(3) 関連当事者との取引が独立第三者間取引と同等の取引条件で実行された旨の記載》
23.経営者が、財務諸表において、関連当事者との取引が独立第三者間取引と同等の取引条件で実行
された旨を記載している場合、監査人は、独立第三者間取引と同等の取引条件で実行されたかど
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うかについて十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない(A41項からA44項参照)。
《4.識別した関連当事者との関係及び関連当事者との取引の処理及び開示の評価》
24.監査人は、監査基準報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」第10項から第15項に
従って財務諸表に対する意見を形成するに当たり、以下の事項を評価しなければならない(A45項
参照)。
(1) 識別した関連当事者との関係及び関連当事者との取引が、適用される財務報告の枠組みに準
拠して適切に処理され、開示されているかどうか。(A46項参照)
(2) 関連当事者との関係及び関連当事者との取引によって、以下のいずれかの影響が生じている
かどうか。
① (適正表示の枠組みの場合)財務諸表における適正な表示が妨げられていないかどうか。
② (準拠性の枠組みの場合)財務諸表の利用者の判断を誤らせる原因となっていないかどうか。
《5.経営者確認書》
25.適用される財務報告の枠組みに関連当事者に関する事項が定められている場合、監査人は、経営
者から、以下の事項を記載した経営者確認書を入手しなければならない(A47項及びA48項参照)。
(1) 関連当事者の名称、認識している全ての関連当事者との関係及び関連当事者との取引を監査
人に開示した旨
(2) 当該関係及び取引を適用される財務報告の枠組みに準拠して適切に処理し開示した旨
《6.監査役等とのコミュニケーション》
26.監査人は、監査期間中に発生した関連当事者に関連する重要な事項について、監査役若しくは監
査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)とのコミュニケーションを実
施しなければならない(A49項参照)。
《7.監査調書》
27.監査人は、識別した関連当事者の名称と関連当事者との関係の内容を監査調書に記載しなけれ
ばならない(監査基準報告書230「監査調書」第7項から第10項及びA6項参照)。
《Ⅲ 適用指針》
《1.監査人の責任》
《(1) 関連当事者について最小限の事項のみを定めている財務報告の枠組み》(第4項参照)
A1.関連当事者について最小限の事項のみを定めている財務報告の枠組みとは、関連当事者を定義
しているものの、本報告書の第9項(1)②の定義よりも明らかに狭く、したがって、当該財務報告
の枠組みにおいて関連当事者との関係及び関連当事者との取引を開示するために要求される事項
が、明らかに狭い範囲の関連当事者との関係及び関連当事者との取引にしか適用されない枠組み
をいう。
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《(2) 適正表示の枠組み》(第4項(1)参照)
A2.適正表示の枠組み(監基報200第12項(13)参照)では、関連当事者との関係及び関連当事者との
取引の経済的実態が財務諸表に適切に反映されていないような場合には、関連当事者との関係及
び関連当事者との取引が財務諸表における適正な表示を妨げる原因となることがある。例えば、
企業が支配株主に対して、ある資産を公正な市場価格以外の価格で売却する場合、この取引が資
本の拠出若しくは払戻し又は配当金の支払という性質のものであるにもかかわらず、損益取引と
して処理を行っているケースでは、適正な表示が行われていない可能性がある。
《(3) 準拠性の枠組み》(第4項(2)参照)
A3.監査基準報告書700に記載のとおり、準拠性の枠組みでは、関連当事者との関係及び関連当事者
との取引が、財務諸表の利用者の判断を誤らせる原因となるかどうかを判断するには、その監査
業務の特定の状況を考慮する。例えば、財務諸表において関連当事者との取引を開示しないこと
が、適用される財務報告の枠組みや法令等に準拠したものであっても、企業の収益の大部分が関
連当事者との取引に依存しており、かつ、当該事実が開示されていない場合には、当該財務諸表は
その利用者の判断を誤らせる可能性がある。
ただし、準拠性の枠組みでは、監査基準報告書210「監査業務の契約条件の合意」第4項に従っ
て監査人が当該枠組みを受入可能であると判断している場合には、当該枠組みに準拠して作成さ
れ表示された財務諸表を、その利用者の判断を誤らせると監査人が判断することは極めてまれで
ある(監基報700のA17項参照)。
《2.関連当事者の定義》(第9項(1)参照)
A4.関連当事者を定義する場合、財務報告の枠組みにおいては、多くの場合、支配力及び重要な影響
力の概念が取り扱われている。これらの概念の表現方法はそれぞれの財務報告の枠組みによって
異なるが、一般的には、以下のように説明されている。
(1) 支配力とは、企業の財務上及び営業上の方針に影響を与えることにより、その活動から便益を
得るための力をいう。
(2) 重要な影響力とは、企業の財務上及び営業上の方針を支配していないが、その決定に関与する
ことができる力をいう。重要な影響力は、持分の所有、法令又は契約によって行使されることが
ある。
A5.以下のような関係が存在する場合には、支配力又は重要な影響力が存在することを示唆する可
能性がある。
(1) 直接又は間接に、企業の持分又はその他の経済的利害関係を有していること。
(2) 企業が、直接又は間接に、他の企業の持分又はその他の経済的利害関係を有していること。
(3) 取締役会、監査役等又は主要な経営者(すなわち、企業の事業活動の計画、指揮及び管理に対
する権限と責任を有する経営者)の一員であること。
(4) 上記(3)に該当する者の近親者であること。
(5) 上記(3)に該当する者と重要な事業上の関係を有していること。
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《(1) 絶大な影響力を有する関連当事者》
A6.関連当事者は、支配力又は重要な影響力を行使することによって、企業又はその経営者に対して
絶大な影響力を行使できる立場にあることがある。絶大な影響力を行使する行動については、A28
項及びA29項で説明されているように、不正による重要な虚偽表示リスクの識別と評価を行う場合
にも考慮する。
《(2) 関連当事者としての特別目的事業体》
A7.監査基準報告書315のA31項及びA32項に記載のとおり、特別目的事業体は、ある状況において、
企業が極めて少ない持分しか所有していないか、又は持分を全く所有していなくても、当該企業
による実質的な支配が行われている場合には、当該企業の関連当事者となることがある。
《3.リスク評価手続とこれに関連する活動》
《(1) 関連当事者との関係及び関連当事者との取引の理解》
《監査チーム内の討議》(第 11 項参照)
A8.監査チーム内の討議で取り扱う事項には、例えば以下の事項が含まれる。
・ 関連当事者との関係及び関連当事者との取引の内容と範囲(例えば、識別した関連当事者につ
いて、毎期の監査で更新した監査調書を利用する。)
・ 関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示が行われる可能性に対し、
監査の過程を通じて、職業的懐疑心を保持することの重要性
・ 経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は関連当事
者との取引があることを示唆する企業の状況(例えば、組織構造が複雑である場合、オフ・バラ
ンス取引を目的として特別目的事業体を利用している場合、又は情報システムが不十分である
場合)
・ 関連当事者との関係又は関連当事者との取引の存在を示唆する記録又は文書
・ 関連当事者との関係及び関連当事者との取引の識別、適切な処理及び開示について、経営者並
びに取締役会及び監査役等が重視している程度(適用される財務報告の枠組みが関連当事者に
ついての事項を定めている場合)、及び経営者が内部統制を無効化するリスク
A9.さらに、不正に関する討議には、関連当事者がどのように不正に関与する可能性があるかについ
ての特定の考慮が含まれることがある。例えば、以下の事項が含まれる。
・ 利益調整を目的として、経営者によって支配されている特別目的事業体をどのように利用する
可能性があるか。
・ 企業の資産を流用するため、主要な経営者が事業上の関係を有する者と、企業との間の取引が、
どのように行われる可能性があるか。
《識別された関連当事者》(第 12 項(1)参照)
A10.適用される財務報告の枠組みに関連当事者についての事項が定められている場合には、その会
計及び開示について要求される事項に基づいて、企業の情報システムが関連当事者との関係及び
関連当事者との取引を記録、処理及び集計する必要があることから、経営者は、識別された関連当
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事者に関する情報を容易に入手できることが多い。したがって、経営者は、関連当事者を一覧にし
たリストを作成し、当該リストを毎期更新していることが多い。
継続監査においては、質問により、経営者から提供された情報と、関連当事者に関する前年度の
監査調書とを比較する。
A11.一方、適用される財務報告の枠組みが関連当事者についての事項を定めていない場合には、企
業は、上記のような情報システムを構築していないことがある。このような状況において、経営者
は全ての関連当事者を把握していない可能性がある。しかしながら、経営者が本報告書に記載し
た定義に一致する関連当事者を把握している場合もあるため、適用される財務報告の枠組みに関
連当事者についての事項が定められていない場合にも、質問の実施を求める第12項が適用される。
ただし、この場合、関連当事者に関する監査人の質問は、企業の組織構造、所有とガバナンス及び
ビジネスモデルに関する情報を入手するために実施される、監査基準報告書315に従ったリスク評
価手続とこれに関連する活動の一部を構成することが多い。
企業にとって特定の相手先との関係が経済的に重要なものであれば、経営者は、当該相手先が共
通支配下にあるかどうか(政府によって共通に支配されている場合を含む。)を把握している可能
性が高い。そのため、企業と重要な取引を行っている、又は経営資源を相当程度共有している者が
関連当事者かどうかに焦点を置いて質問を実施することが効果的であることが多い。
A12.グループ監査では、監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」第32項(2)に
おいて、グループ監査人に、構成単位の監査人に対してグループ経営者又はグループ監査人によ
って従来識別されていない関連当事者との関係を適時にコミュニケーションを行うよう要請する
ことを要求している。このような情報は、グループ監査人が関連当事者について経営者に質問を
行う際の有益な基礎となる。
A13.また、監査人は、監査契約の新規の締結及び更新の過程において実施する経営者への質問によ
って、関連当事者に関する情報を入手することもある。
《関連当事者との関係及び関連当事者との取引に係る内部統制》(第 13 項参照)
A14.その他の企業構成員とは、関連当事者との関係及び関連当事者との取引並びにそれらに対する
内部統制についての情報を有すると考えられる者をいい、経営者以外の以下の者が含まれる。
・ 取締役又は監査役等
・ 企業の通常の取引過程から外れた重要な取引の開始、処理又は記録の担当者、及び当該担当者
の管理者又は監視者
・ 内部監査機能
・ 法務部門担当者
・ 倫理担当役員又は同等者
A15.監査基準報告書200のA2項に記載のとおり、監査は、経営者が、適用される財務報告の枠組みに
準拠して財務諸表を作成すること(適正表示の枠組みの場合は、財務諸表を適正に表示すること
を含む。)、及び不正か誤謬かを問わず、重要な虚偽表示のない財務諸表を作成するために経営者
が必要と判断する内部統制を整備及び運用することに関する責任を有することを認識し理解して
いるという監査実施の前提に基づいて実施される。
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監基報 550
したがって、適用される財務報告の枠組みに関連当事者についての事項が定められている場合、
経営者の財務諸表の作成責任には、取締役会による監督及び監査役等による監査(以下「監視」と
いう。)の下で、適用される財務報告の枠組みに準拠して、関連当事者との関係及び関連当事者と
の取引を識別し、適切に処理し開示するため、関連当事者との関係及び関連当事者との取引に係る
適切な内部統制を整備し運用することが含まれる。
取締役会及び監査役等は、その監視の役割において、経営者が当該内部統制に対する責任をどの
ように果たしているのかを監視する。取締役会及び監査役等は、その監視の役割において、適用さ
れる財務報告の枠組みで要求される事項とは関係なく、関連当事者との関係及び関連当事者との
取引の内容及び事業上の合理性を理解するため、経営者から情報を入手することがある。
A16.監査人は、監査基準報告書315第13項の要求事項に基づいて統制環境を理解する場合、関連当事
者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクを低減するような、以下の特定
の統制環境を考慮することがある。
・ 企業が特定の種類の関連当事者との取引を管理するため、企業構成員に適切に伝達、運用され
ている倫理行動規範
・ 経営者並びに取締役及び監査役等が関連当事者との取引に有する利害関係について、適切かつ
適時に開示するための方針と手続
・ 関連当事者との取引を識別、記録、集計及び開示するための企業内の責任者の任命
・ 企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引についての経営者並びに取締役
会及び監査役等との間の適時な開示及び協議(例えば、外部の職業的専門家に助言を求める等、
取締役会及び監査役等が関連当事者との重要な取引の事業上の合理性について適切に対処した
かどうかが含まれる。)
・ 利益相反関係を生じさせる、又はその可能性がある関連当事者との取引を承認するための明確
な指針(例えば、当該取引に係る取締役及び監査役を除いた者によって構成される、取締役会に
よる承認)
・ 定期的な内部監査(該当する場合)
・ 監査人又は顧問弁護士に助言を求める等、関連当事者の開示に係る問題を解決するために経営
者が講じた措置
・ 内部通報制度の方針と手続の存在(該当する場合)
A17.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に係る内部統制は、例えば以下の理由によって、
不備があるか又は存在しないことがある。
・ 経営者が関連当事者との関係及び関連当事者との取引の識別、開示について重視していない。
・ 取締役会及び監査役等が適切な監視を行っていない。
・ 関連当事者を開示することにより、経営者が慎重な取扱いを期すると考える情報(例えば、経
営者の親族が関与する取引の存在等)が明らかになることから、当該内部統制が意図的に無効化
されている。
・ 経営者が、適用される財務報告の枠組みにおける関連当事者について要求される事項を十分理
解していない。
・ 適用される財務報告の枠組みにおいて開示が求められていない。
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監基報 550
関連当事者との関係及び関連当事者との取引に係る内部統制が有効でない又は存在しない場合、
監査人は、関連当事者との関係及び関連当事者との取引について十分かつ適切な監査証拠を入手
できないことがある。この場合、監査人は、監査基準報告書705「独立監査人の監査報告書におけ
る除外事項付意見」に従って、監査報告書における意見への影響を含め、監査への影響を考慮する
ことになる。
A18.監査基準報告書240第30項及びA4項に記載のとおり、不正な財務報告は、経営者による内部統制
の無効化によることが多い。企業と取引を行っている当事者との間に支配又は重要な影響を伴う
関係を経営者が有する場合、当該経営者が不正を実行する動機や機会が増していることがあるた
め、経営者が内部統制を無効化するリスクは高くなる。例えば、経営者と特定の関連当事者との経
済的利害関係は、企業の利益に相反して関連当事者の利益になる取引を企業に実行させること、
また、当該関連当事者と共謀するか又はその行動を支配することにより、内部統制を無効化する
動機を経営者に与える場合がある。不正の可能性については、以下の事項が含まれる。
・ 関連当事者との取引の事業上の合理性を不実表示するため、当該取引について架空の条件を創
出する。
・ 経営者又はその他の者との間で、市場価格と著しく異なる金額での資産譲渡計画を不正に策定
する。
・ 例えば、特別目的事業体などの関連当事者と、企業の財政状態や経営成績の不実表示を行うた
めに仕組まれた複雑な取引を実行する。
《小規模企業に特有の考慮事項》
A19.小規模企業においては、大規模企業に比べて内部統制が確立されていないことが多く、関連当
事者との関係及び関連当事者との取引を取り扱うための文書化された手順がない場合がある。オ
ーナー経営者は、取引の主要な部分の全てに対して積極的に関与することにより、関連当事者と
の取引から生じるリスクの一部を低減させていることもあれば、逆に当該リスクを潜在的に増加
させていることもある。このような企業の場合、監査人は、経営者への質問と、経営者による監視
活動の観察や入手可能な関連文書の閲覧等のその他の手続とを組み合わせて実施することにより、
関連当事者との関係及び関連当事者との取引並びにそれらに対して存在する内部統制を理解する
ことができる。
《重要な取引や取引条件の権限の付与と承認》(第 13 項(2)参照)
A20.権限の付与とは、経営者並びに取締役会及び監査役等又は株主のいずれかを問わず、適切な権
限を有する者が、あらかじめ定められた規準に従って特定の取引を実行することに対して承認す
る権限を与えることをいう。承認とは、適切な権限の付与を受けた者が、付与された権限の範囲内
で、実行する取引を承認することをいう。関連当事者との重要な取引及び取引条件、又は通常の取
引過程から外れた重要な取引及び取引条件に係る権限の付与と承認のために企業が構築する内部
統制には、例えば以下の統制が含まれる。
・ 権限の付与と承認のために、該当する取引及び取引条件を識別するための監視活動
・ 経営者並びに取締役会及び監査役等又は該当する場合には株主による、取引及び取引条件の承認
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《(2) 記録や文書の閲覧時における留意事項》
《監査人が閲覧する記録又は文書》(第 14 項参照)
A21.監査人は、例えば以下のような記録又は文書を閲覧することによって、関連当事者との関係及
び関連当事者との取引に関する情報を入手することができる。
・ 銀行確認状及び弁護士への確認状に加えて監査人が入手した第三者の確認状
・ 企業の税務申告書
・ 企業が規制当局に提出した情報
・ 主要株主を識別するための株主名簿(また、必要と認めた場合には、株主名簿管理人等から入
手した主要株主の一覧表)
・ 経営者並びに取締役及び監査役等の利益相反に関する明細
・ 企業の投資及び年金制度についての記録
・ 主要な経営者及び取締役又は監査役等との契約等
・ 企業の通常の取引過程から外れた重要な契約等
・ 企業への専門的な助言に関わる請求書や、企業との通信記録
・ 企業が取得した生命保険証券
・ 当期において企業が再交渉した重要な契約書
・ 内部監査報告書
・ 証券監督機関に対して企業が提出した文書(例えば、有価証券届出書)
上記の監査手続の実施に際して、必要と認めた場合には、株主名簿における名義貸し等の可能性
を考慮して、関連当事者の存在の識別に影響を与える株主名簿の記載について検討する。この場合
には、監査人は、例えば、以下の監査手続を実施する。
(1) 株式担当の責任者に対して名義株の有無について質問を行う。
(2) 株式の大量保有報告書が提出されているかどうかを確かめる。
(3) 経営者等に対する質問において名義株の有無について確かめる。
《経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は関連当事者
との取引が含まれる可能性がある契約》
A22.契約には、公式か非公式かにかかわらず、以下の事項を目的とした企業と一人又は複数の当事
者との間の合意が含まれる。
・ 適切な事業体又は組織上の構造を通じた事業上の関係の構築
・ 特定の取引条件に基づく取引の実行
・ あらかじめ定められたサービス又は財務的支援の提供
経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は関連当事者
との取引が含まれる可能性がある契約には、例えば、以下のようなものがある。
・ 非法人型パートナーシップへの出資
・ 通常の取引過程から外れた条件で特定の当事者にサービスを提供することに係る契約
・ 保証契約
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《通常の取引過程から外れた重要な取引の識別》(第 15 項参照)
A23.企業の通常の取引過程から外れた重要な取引に係る詳細な情報を入手することにより、監査人
は、不正リスク要因が存在するかどうかを評価し、さらに適用される財務報告の枠組みが関連当
事者に関する事項を定めている場合には、重要な虚偽表示リスクを識別することが可能となる。
A24.企業の通常の取引過程から外れた取引には、例えば、以下の取引が含まれる。
・ 複雑な株式や持分の取引(例えば、リストラクチャリングや買収)
・ 会社法が十分に整備されていない国又は地域の海外企業との取引
・ 無償又は低廉でのリース取引又は経営指導等
・ 通例でない多額の値引や返品を伴う販売
・ 循環的な取引(例えば、買戻しの義務を伴う販売)
・ 取引条件が期限前に変更された契約に基づく取引
《通常の取引過程から外れた重要な取引の理解》(第 15 項(1)参照)
A25.企業の通常の取引過程から外れた重要な取引の内容について質問することにより、取引の事業
上の合理性及び取引条件を理解することができる。
《関連当事者が関与する可能性に関する質問》(第 15 項(2)参照)
A26.関連当事者は、取引の当事者になることによって取引に直接的に影響を及ぼすばかりでなく、
取引の仲介を通じて間接的に影響を及ぼすことによって、企業の通常の取引過程から外れた重要
な取引に関与することができる。このような関連当事者の影響は、不正リスク要因の存在を示し
ていることがある。
《(3) 監査チーム内の関連当事者に関する情報の共有》(第 16 項参照)
A27.監査チームのメンバーで共有する関連当事者に関する情報には、例えば、以下の事項が含まれ
る。
・ 関連当事者の概要
・ 関連当事者との関係及び関連当事者との取引の内容
・ 特別な検討を必要とするリスクとなる可能性のある重要な又は複雑な関連当事者との関係や
関連当事者との取引(特に、経営者、取締役又は監査役等が経済的に利害を有する取引)
《4.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクの識別と評価》
《絶大な影響力を有する関連当事者に伴う不正リスク要因》(第 18 項参照)
A28.監査基準報告書240付録1に記載のとおり、特定又は少数の者により経営が支配されており、こ
れに対する補完統制が整備されていない場合には、この状況が不正リスク要因となる。関連当事
者が絶大な影響力を行使している兆候としては、以下のような状況が含まれる。
・ 関連当事者が、経営者又は取締役会等が行った重要な事業上の決定に反対している。
・ 重要な取引の最終承認には関連当事者の承諾が必要となっている。
・ 関連当事者から示された事業上の提案について、経営者並びに取締役会及び監査役等との間で
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議論がほとんど又は全く行われていない。
・ 関連当事者(又はその近親者)が関与する取引が、独立した第三者によって検討及び承認を受
けることがほとんどない。
関連当事者が、企業設立時に主導的な役割を果たし、かつ、その後の企業経営においても主導的
な役割を継続して果たしている場合にも、絶大な影響力が存在する可能性がある。
A29.その他のリスク要因と絶大な影響力を有する関連当事者の存在は、不正による特別な検討を必
要とするリスクの兆候となることがあり、例えば、以下のような場合がある。
・ 上級経営者や専門分野の顧問が頻繁に交代している場合、関連当事者に有利な非倫理的又は不
正な業務慣行が存在していることがある。
・ 重要な取引において明確な事業上の合理性がない第三者が介在している場合、関連当事者が、
不正の目的で当該第三者を支配することによって、当該取引から利益を得ることがある。
・ 関連当事者が、会計方針の選択又は重要な会計上の見積りの判断に過度に介入していることが
明らかな場合、不正な財務報告が行われる可能性を示唆していることがある。
《5.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクへの対応》(第 19
項参照)
A30.関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスクに対応するために、
監査人が実施するリスク対応手続の種類、時期及び範囲は、当該リスクの内容及び企業の状況に
よって異なる(監基報330及び監基報240参照)。
A31.不正か誤謬かにかかわらず、経営者が関連当事者との特定の取引を適用される財務報告の枠組
みに準拠して適切に処理又は開示しないリスクを、監査人が特別な検討を必要とするリスクと評
価した場合には、実証手続として、例えば、以下のような手続を実施する。
・ 実務的に可能であり、かつ、法令又は倫理規則で禁じられていない場合、金融機関、法律事務
所、保証人又は代理人などの第三者に対して、取引の特定の事項について確認を行い、又は協議
する。
・ 関連当事者に対して、取引の目的、特定の条件又は金額の確認を行う。なお、当該監査手続は、
関連当事者が監査人に対する回答において、企業による影響を受ける可能性が高いと監査人が
判断する場合には、有効ではない可能性がある。
・ 関連当事者の財務諸表又は他の関連する財務情報を利用できる場合には、関連当事者の会計記
録において取引が処理されている証拠として、それらを通読する。
A32.監査人は、絶大な影響力を有する関連当事者が存在するため、不正による特別な検討を必要と
するリスクがあると評価した場合、関連当事者と企業との直接的又は間接的な事業上の関係を理
解し、適切な実証手続を追加して実施する必要性を判断するため、監査基準報告書240の要求事項
に加えて、例えば以下のような監査手続を実施する。
・ 経営者並びに取締役及び監査役等への質問及び協議
・ 関連当事者への質問
・ 関連当事者との重要な契約書の閲覧
・ インターネットや外部の企業情報に係る特定のデータベースなどを利用した背景調査
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・ 従業員による内部通報の記録がある場合、当該記録の閲覧
A33.監査人は、リスク評価手続の結果によっては、関連当事者との関係及び関連当事者との取引に
係る企業の内部統制の運用評価手続を実施せず、監査証拠を入手することが適切であると判断す
ることがある。一方、関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスク
について、実証手続のみでは十分かつ適切な監査証拠を入手できないことがある。例えば、企業と
その子会社等との間のグループ内取引が多数あり、その膨大な取引情報を、統合されたシステム
において、電子的な方法により開始、記録、処理、報告するような場合、監査人は、当該取引に伴
う重要な虚偽表示リスクを許容可能な低い程度に抑えることができる有効な実証手続を立案でき
ないと判断することがある。この場合、内部統制の運用状況の有効性に関して、十分かつ適切な監
査証拠を入手することを求める監査基準報告書330第7項(2)の要求事項に基づいて、関連当事者
との関係及び関連当事者との取引の記録の網羅性と正確性に係る内部統制を評価することが含ま
れる。
《(1) 経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は関連当事
者との重要な取引の識別》
《新たに識別した関連当事者に係る情報の監査チームへの伝達》(第 21 項(1)参照)
A34.新たに識別した関連当事者を監査チーム内に迅速に伝達することによって、他のメンバーが、
既に実施したリスク評価手続の結果と当該手続から導いた結論が影響を受けるかどうかを、重要
な虚偽表示リスクを再評価する必要があるかどうかを含めて判断することができる。
《新たに識別した関連当事者又は関連当事者との重要な取引に関する実証手続》(第 21 項(3)参照)
A35.新たに識別した関連当事者又は関連当事者との重要な取引について監査人が実施する実証手続
の例には、以下の手続が含まれる。
・ 新たに識別した関連当事者と企業との関係の内容について質問する。これには、企業とその事
業についての重要な情報を有すると考えられる、企業外部の者(例えば、顧問弁護士、代理人、
コンサルタント、保証人、又はその他の緊密な事業上の関係を有する者)への質問(質問するこ
とが適切であり、かつ法令又は倫理規則で禁止されていない場合)が含まれる。
・ 新たに識別した関連当事者との取引についての会計記録を分析する。コンピュータ利用監査技
法の利用は、このような分析を容易にすることがある。
・ 新たに識別した関連当事者との取引の取引条件を検証し、かつ、適用される財務報告の枠組み
に準拠して当該取引が適切に処理され、開示されているかどうかを評価する。
《経営者による意図的な非開示》(第 21 項(5)参照)
A36.経営者が関連当事者又は関連当事者との重要な取引を監査人に意図的に開示していないと懸念
される場合、監査基準報告書240の要求事項と適用指針を参照する。また、監査人は、監査人の質
問に対する経営者の回答や監査人に対する経営者の陳述の信頼性を再度評価する必要があるかど
うかを考慮することもある。
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《(2) 企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引の識別》
《関連当事者との重要な取引の事業上の合理性の評価》(第 22 項参照)
A37.企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引の事業上の合理性を評価するに当
たって、監査人は、以下の事項を検討することがある。
・ 取引が以下に該当するかどうか。
- 非常に複雑である(例えば、グループ内において複数の取引関係を有する関連当事者間の取
引の場合)。
- 契約条件が通常とは異なる(例えば、通常とは異なる価格、金利、保証、返済条件等)。
- 事業上の合理性が欠如している。
- 従来識別されていない関連当事者が関係している。
- 通常とは異なる方法やスキームで処理されている。
・ 経営者が取引の内容や処理を取締役会又は監査役等と協議したかどうか。
・ 経営者が、取引の基礎にある経済的側面を適切に考慮するよりも、特定の会計上の取扱いに、
より重点を置いていないかどうか。
経営者の説明が関連当事者との取引の取引条件と著しく矛盾する場合、監査人は、監査基準報告
書500「監査証拠」第10項に従って、その他の重要な事項に関する経営者の説明と陳述の信頼性を
検討することが要求される。
A38.監査人は、関連当事者の視点から見た当該取引の事業上の合理性を理解しようとすることもあ
る。これは、監査人が、取引の経済的実態や取引が実行された理由を理解するのに役立つことがあ
るためである。関連当事者の視点から見た事業上の合理性がその事業内容と整合しないと思われ
る場合、そのような事業上の合理性は不正リスク要因を示していることがある。
《関連当事者との重要な取引の権限の付与と承認》(第 22 項(2)参照)
A39.企業の通常の取引過程から外れた関連当事者との重要な取引に関する、経営者、取締役会や監
査役等、又は該当する場合には株主による権限の付与と承認は、当該取引が企業内の適切な階層
において十分に検討されており、その取引条件が財務諸表に適切に反映されているという監査証
拠となることがある。企業の通常の取引過程から外れ、かつ、このような権限の付与や承認を受け
ていない関連当事者との重要な取引があり、経営者や取締役会又は監査役等との協議において合
理的な説明がない場合には、そのような取引の存在が不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスク
を示唆していることがある。このような場合、監査人は、他の同様の取引についても注意する必要
がある場合がある。しかしながら、関連当事者との間での共謀がある場合や、企業が関連当事者に
よる絶大な影響を受けている場合には、権限の付与や承認が有効でないことがある。したがって、
権限の付与と承認だけでは、不正による重要な虚偽表示リスクがないかどうかを判断するには十
分でないことがある。
《小規模企業に特有の考慮事項》
A40.小規模企業は、大規模企業のような、異なる階層からの権限の付与や承認による内部統制が整
備されていないことがある。したがって、監査人は、小規模企業の監査においては、企業の通常の
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取引過程から外れた関連当事者との重要な取引の妥当性に関する監査証拠として、権限の付与と
承認には余り依拠しないことがある。その代わりに、監査人は、関連文書の閲覧、関係する適切な
者に対する取引の特定事項の確認、又はオーナー経営者による取引への関与の観察など、他の監
査手続の実施を検討することがある。
《(3) 関連当事者との取引が独立第三者間取引と同等の取引条件で実行された旨の記載》(第 23 項
参照)
A41.関連当事者との取引の価格と独立第三者間取引又は市場取引の価格との比較に関する監査証拠
を容易に入手できることがあるが、取引の他の全ての部分が独立第三者間取引と同等であるとい
う監査証拠を監査人が入手するのは実務的に困難なこともある。例えば、監査人は、関連当事者と
の取引が市場価格で実行されていることを確かめることができるが、他の取引条件(例えば、支払
条件、偶発債務、特定の手数料)が、独立した第三者間で通常合意される条件と同等であるかどう
かを確かめることは、実務上不可能なことがある。したがって、関連当事者との取引が独立第三者
間取引と同等の取引条件で実行されたという経営者のアサーションに重要な虚偽表示リスクが存
在する場合がある。
A42.経営者の財務諸表の作成責任には、関連当事者との取引が独立第三者間取引と同等の取引条件
で実行されたというアサーションを裏付けることが含まれる。当該アサーションを経営者が裏付
けるには、以下の方法によることがある。
・ 関連当事者との取引の条件を、関連当事者でない当事者との同一又は同様の取引の条件と比較
すること
・ 取引の市場価格の判断及び市場での取引条件の確認のため、外部の専門家に業務を依頼するこ
と
・ 取引条件を、一般市場におけるおおむね同様の取引に係る周知の取引条件と比較すること
A43.当該アサーションに対する経営者の裏付けを監査人が評価するには、以下の手続を実施するこ
とがある。
・ 当該アサーションを裏付けているプロセスの適切性を検討する。
・ 当該アサーションを裏付けている内部又は外部データの情報源を確かめるとともに、それらの
データの正確性、網羅性及び目的適合性を判断するための手続を実施する。
・ 当該アサーションの基礎となる重要な仮定の合理性を評価する。
A44.財務報告の枠組みには、独立第三者間取引と同等の取引条件で実行されていない関連当事者と
の取引を開示することを要求しているものがある。この状況において、経営者が財務諸表で関連
当事者との取引を開示しない場合には、取引が独立第三者間取引と同等の取引条件で実行された
という暗黙のアサーションが存在する場合がある。
《6.識別した関連当事者との関係及び関連当事者との取引の処理及び開示の評価》
《(1) 虚偽表示の評価における重要性の検討》(第 24 項参照)
A45.監査基準報告書450「監査の過程で識別した虚偽表示の評価」第10項(1)は、虚偽表示が重要か
どうかの評価において、虚偽表示の大きさと内容、及び虚偽表示が発生した特定の状況を考慮す
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ることを監査人に要求している。また、監査基準報告書450のA20項は、虚偽表示の評価に影響を及
ぼし得る状況に関して指針を提供している。財務諸表の利用者にとっての取引の重要性は、記録
されている取引金額だけでなく、関連当事者との関係など、関連する他の特有の要因によっても
影響を受けることがある。
《(2) 関連当事者の開示の評価》(第 24 項(1)参照)
A46.関連当事者に関する開示を、適用される財務報告の枠組みにおいて要求される事項に照らして
評価する際に、当該開示が容易に理解できるように、企業の関連当事者との関係及び関連当事者
との取引に関する事実と状況が適切に記載されているかを検討する。関連当事者との取引の開示
が理解できない場合とは、例えば以下のような場合をいう。
(1) 事業上の合理性及び取引の財務諸表への影響が不明瞭又は誤って表示されている。
(2) 関連当事者との取引を理解するために必要な、取引の主な条件やその他の重要な事項が適切
に開示されていない。
《7.経営者確認書》(第 25 項参照)
A47.特定の関連当事者との関係又は取引について特定の取締役から確認書を入手することが適切な
場合がある。確認書を入手することが適切な状況には、以下の場合が含まれる。
・ 取締役会が承認した関連当事者との取引のうち財務諸表に重要な影響を及ぼす取引
・ 取締役が、一定の関連当事者との取引の詳細について、監査人に口頭で特定の陳述をしている
場合
・ 取締役が、関連当事者又は関連当事者との取引に関して、経済的又はその他の利害関係を有し
ている場合
A48.また、監査人は、例えば、特定の関連当事者との取引について開示されていない付帯契約がな
いなど、経営者が行った特定のアサーションについて、経営者確認書を入手すると判断すること
もある。
なお、株主名簿における名義貸し等に関し、関連当事者の存在に影響を与える可能性があるため、
必要と認めた場合には、有価証券報告書の「大株主等の状況」等の記載について適切な開示を行っ
ている旨の記載を求めることを検討する。
《8.監査役等とのコミュニケーション》(第 26 項参照)
A49.監査人が、監査基準報告書230のA8項に記載されている、監査期間中に発生した関連当事者に関
する重要な事項についてのコミュニケーションを実施することによって、当該事項の内容とその
解決について、監査役等と共通の理解を得ることができる。関連当事者に関する重要な事項には、
例えば、以下の事項が含まれる。
・ 意図的かどうかにかかわらず、経営者が監査人に開示していない関連当事者又は関連当事者と
の重要な取引(これによって、監査役等が従来気付いていなかった重要な関連当事者との関係や
関連当事者との取引について注意を促すことができる。)
・ 権限の付与又は承認が適切に行われていない関連当事者との重要な取引の識別(これにより、
不正が疑われることがある。)
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・ 適用される財務報告の枠組みに準拠した関連当事者との重要な取引の処理及び開示に関する
経営者との見解の不一致
・ 関連当事者との特定の種類の取引を禁止又は制限している法令等への違反
・ 企業を最終的に支配する当事者の識別の困難性
《Ⅳ 適用》
・ 本報告書(2011年12月22日)は、2012年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以
後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。
・ 本報告書(2015年5月29日)は、2015年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以
後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。
・ 本報告書(2019年6月12日)は、以下の事業年度に係る監査等から適用する。
- A1項及びA3項の改正は、2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査等から適用する。
- A7項及びA45項の改正は、2020年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以後開
始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。ただし、2019年4月1日以後開始する事業
年度に係る監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間監査から早期適用することが
できる。
・ 本報告書(2021年1月14日)は、2022年3月31日以後終了する事業年度に係る監査及び同日以
後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。
・ 本報告書(2021年6月8日)は、2023年3月31日以後終了する事業年度に係る財務諸表の監査
及び2022年9月に終了する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実施する。ただし、
それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実
施することを妨げない。
・ 本報告書(2023年1月12日)は、2024年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査
及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用する。また、公認会
計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以後に開始する事業
年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査
から適用する。ただし、それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間財務
諸表の中間監査から適用することを妨げない。その場合、品質管理基準委員会報告書第1号「監
査事務所における品質管理」(2022年6月16日)、品質管理基準委員会報告書第2号「監査業務に
係る審査」(2022年6月16日)及び監査基準委員会報告書220「監査業務における品質管理」(2022
年6月16日)と同時に適用する。
・ 本報告書(2022 年 10 月 13 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。
- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(2022 年7月
21 日改正)
以 上
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・ 本報告書(2023 年1月 12 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。
- 監査基準報告書 600「グループ監査における特別な考慮事項」(2023 年1月 12 日改正)
・ 本報告書(2024 年9月 26 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。
- 監査基準報告書 700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」(2024 年9月 26 日改正)
監基報 550
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