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レビュー業務実務指針2400_財務諸表のレビュー業務.pdf

レビュー業務実務指針 2400

財務諸表のレビュー業務

レビュー実 2400

2 0 1 6 年 1 月 2 6 日

改正 2 0 1 8 年 1 0 月 1 9 日

改正 2 0 2 1 年 6 月 9 日

改正 2 0 2 1 年 9 月 1 6 日

改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

改正 2 0 2 3 年 3 月 1 6 日

改正 2 0 2 4 年 4 月 1 8 日

最終改正 2 0 2 4 年 9 月 2 6 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

(実務指針:第2号)

項番号

Ⅰ 本実務指針の範囲及び目的

1.本実務指針の範囲 ............................................................... 1

(1) 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」との関係 ................. 4

(2) 財務諸表のレビュー業務 ....................................................... 5

(3) 本実務指針の構成 ............................................................. 9

(4) 適用時期 ..................................................................... 13

2.本実務指針の目的 ............................................................... 14

3.定義 ........................................................................... 16

Ⅱ 要求事項

1.本実務指針に準拠したレビュー業務の実施 ......................................... 18

(1) 関連する要求事項の遵守 ....................................................... 19

2.職業倫理に関する規定 ........................................................... 21

3.職業的専門家としての懐疑心及び判断 ............................................. 22

4.業務レベルの品質管理 ........................................................... 24

(1) レビュー契約締結後の情報の入手 ............................................... 26

(2) 職業倫理に関する規定の遵守 ................................................... 27

(3JP) 審査 ................................................................... 27-3JP

(4JP) レビュー業務上の判断の相違 ............................................. 27-4JP

(5) 品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス ............................... 28

5.レビュー契約の新規の締結及び更新

(1) レビュー契約の新規の締結及び更新に影響を及ぼす要因 ........................... 29

i

レビュー実 2400

(2) レビュー契約の新規の締結及び更新の前提条件 ................................... 30

(3) 法令等によりレビュー報告書の用語が規定されている場合の追加的な考慮事項 ....... 33

(4) レビュー業務の契約条件に関する合意 ........................................... 36

(5) 継続的レビュー業務 ........................................................... 38

(6) レビュー業務の契約条件の変更の受諾 ........................................... 39

6.経営者及び監査役等とのコミュニケーション ....................................... 42

7.業務の実施

(1) 財務諸表のレビュー業務における重要性 ......................................... 43

(2) 企業及び企業環境等の理解 ..................................................... 45

(3) 手続の立案及び実施 ........................................................... 47

(4) 財務諸表と基礎となる会計記録との調整 ......................................... 56

(5) 重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付いた場合の追加的な手続

............................................................................... 57

8.後発事象 ....................................................................... 58

9.経営者確認書 ................................................................... 61

(1) 経営者確認書の日付及び経営者確認書が対象とする期間 ........................... 65

10.実施した手続から入手した証拠の評価 ............................................. 66

(1) レビュー報告書に及ぼす影響の評価 ............................................. 68

11.財務諸表に対する業務実施者の結論の形成

(1) 財務諸表に適用される財務報告の枠組みの考慮 ................................... 69

(2) 結論の様式 ................................................................... 72

(3JP) 継続企業 ............................................................... 85-2JP

12.レビュー報告書

(1) レビュー報告書の記載事項 ..................................................... 86

(2) レビュー報告書における強調事項区分及びその他の事項区分 ....................... 87

(3) その他の報告責任 ............................................................. 91

(4) レビュー報告書日 ............................................................. 92

(5JP) 比較情報 ............................................................... 92-2JP

13.調書 ........................................................................... 93

Ⅲ 適用指針

1.本実務指針の範囲 ............................................................... A1

(1) 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」との関係 ................. A3

2.財務諸表のレビュー業務 ......................................................... A6

3.本実務指針の目的 ............................................................... A8

4.定義 .......................................................................... A13

5.本実務指針に準拠したレビュー業務の実施 ........................................ A14

6.職業倫理に関する規定 .......................................................... A15

7.職業的専門家としての懐疑心及び判断

ii

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(1) 職業的専門家としての懐疑心 .................................................. A17

(2) 職業的専門家としての判断 .................................................... A21

8.業務レベルの品質管理 .......................................................... A26

(1) 業務チームの選任 ............................................................ A31

(2) レビュー契約の新規の締結及び更新 ............................................ A32

(3JP) 審査 .................................................................. A33-2JP

9.レビュー契約の新規の締結及び更新 .............................................. A34

(1) レビュー契約の新規の締結及び更新に影響を及ぼす要因 .......................... A35

(2) レビュー契約の新規の締結及び更新の前提条件 .................................. A39

(3) 法令等によりレビュー報告書の用語が規定されている場合の追加的な考慮事項 ...... A51

(4) レビュー業務の契約条件に関する合意 .......................................... A52

(5) レビュー業務の契約条件の変更の受諾 .......................................... A58

10.経営者及び監査役等とのコミュニケーション ...................................... A63

(1) レビュー業務に関してコミュニケーションを行う事項 ............................ A66

(2) 第三者への提示 .............................................................. A69

11.業務の実施

(1) 財務諸表のレビュー業務における重要性 ........................................ A70

(2) 企業及び企業環境等の理解 .................................................... A75

(3) 手続の立案及び実施 .......................................................... A79

(4) 財務諸表と基礎となる会計記録との調整 ....................................... A100

(5) 追加的な手続の実施 ......................................................... A101

12.経営者確認書 ................................................................. A106

13.実施した手続から入手した証拠の評価 ........................................... A109

(1) レビュー範囲の制約 ......................................................... A110

14.財務諸表に対する業務実施者の結論の形成

(1) 適用される財務報告の枠組みに関する記述 ..................................... A112

(2) 重要な取引や会計事象が財務諸表に及ぼす影響の開示 ........................... A114

(3) 企業の会計実務の質的側面 ................................................... A117

(4JP) レビュー業務の実施過程で識別された未修正の虚偽表示 ................... A118-2JP

(5) 結論の様式 ................................................................. A119

(6) 業務実施者がレビュー契約を締結した後に経営者によるレビュー範囲の制約によって結論

を形成することができない場合 ................................................. A121

(7JP) 継続企業 ............................................................. A123-2JP

15.レビュー報告書 ............................................................... A124

(1) レビュー報告書の記載事項 ..................................................... A125

(2) 財務諸表に対する経営者の責任 ............................................... A128

(3) 業務実施者の責任 ........................................................... A132

(4) レビュー報告書における強調事項区分及びその他の事項区分 ..................... A139

iii

レビュー実 2400

(5) その他の報告責任 ........................................................... A141

(6) レビュー報告書日 ........................................................... A144

(7) 法令等によりレビュー報告書の様式又は用語が規定されている場合 ............... A148

(8) 本実務指針と他のレビュー基準に準拠して実施されるレビュー業務に対するレビュー報告

書 ........................................................................... A149

(9) レビュー報告書の文例 ....................................................... A150

16.調書

(1) 調書の適時性 ............................................................... A151

付録1 経営者確認書の記載例

付録2 独立業務実施者のレビュー報告書の文例

iv

レビュー実 2400

《Ⅰ 本実務指針の範囲及び目的》

《1.本実務指針の範囲》

1.本実務指針は、以下に関する実務上の指針を提供するものである(A1項参照)。

(1) 業務実施者が財務諸表のレビュー業務を実施する場合の責任

(2) 財務諸表に対するレビュー報告書の様式及び記載内容

1-2JP.本実務指針では、国際監査・保証基準審議会の公表するISRE 2400において規定された、「本

報告書の範囲及び目的」、「要求事項」又は「適用指針」には含まれていないが、日本公認会計士協

会が本報告書の起草に当たり追加した規定については、項番号に「JP」の文字を付している。

一方、ISRE 2400において規定されているが、本実務指針において導入されていない規定につい

ては、「欠番」としている。

2.本実務指針は、年度の財務諸表のみならず、期中財務諸表のレビュー業務を実施する場合にも適

用される。ただし、年度の財務諸表の監査を実施する監査人(以下「年度の財務諸表の監査人」と

いう。)が実施する期中レビュー業務に対しては適用しない。

3.本実務指針は、完全な一組の財務諸表以外に個別の財務表を対象としてレビュー業務を実施す

る場合にも適用される。その場合には、状況に応じて適宜読み替えて適用することが必要になる。

ただし、本実務指針は、財務諸表項目等のレビュー業務は想定していない。また、過去財務情報以

外のレビュー業務は本実務指針の適用対象ではない。

《(1) 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」との関係》

4.監査事務所は、品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」に基づいて、本実務

指針に基づくレビュー業務に関して、品質管理システムの目的の達成についての合理的な保証を

確保するために、品質管理システム並びに方針又は手続を整備し、運用する責任がある。本実務指

針は、監査事務所が品質管理基準報告書第1号を遵守していることを前提にしている(A3項及び

A4項参照)。

《(2) 財務諸表のレビュー業務》

5.財務諸表のレビュー業務は、限定的保証業務である(A6項及びA7項参照)。

6.財務諸表のレビュー業務では、想定利用者の財務諸表に対する信頼性を高めるため、業務実施者

は、財務諸表が、適用される財務報告の枠組みに準拠して作成されていない(適正表示の枠組みの

場合は、適正に表示されていない)と信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかっ

たかどうかに関し、結論を表明する。業務実施者の結論は、業務実施者が得た限定的保証に基づい

て表明されるものであり、財務諸表監査の場合に監査人が得る合理的な保証とは異なる。このよ

うな業務実施者の結論をレビュー報告書の利用者が適切に理解できるように、レビュー報告書に

は、レビュー業務の性質が記載される。

7.業務実施者は、本実務指針の要求事項に準拠して表明される財務諸表全体に対する結論の基礎

として十分かつ適切な証拠を入手するために、主として質問及び分析的手続を実施する。

8.業務実施者は、財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付い

た場合には、本実務指針に準拠して財務諸表に対する結論を表明できるように、個々の状況にお

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レビュー実 2400

いて必要と考える追加的な手続を立案し実施する。

《(3) 本実務指針の構成》

9.本実務指針には、「本実務指針の範囲及び目的」、「要求事項」及び「適用指針」が含まれている。

本実務指針の目的は、業務実施者が本実務指針に従うことによって達成すべき目的を示してお

り、本実務指針に定められた要求事項の意図や背景を提供するものであり、業務実施者がレビュ

ー業務において何を遂行する必要があるかを理解することが可能となるように定めている。

10.本実務指針の要求事項は、「~しなければならない」という文章で記載されている。

11.欠番

12.適用指針は、要求事項の詳細な説明及びその実施のための指針を提供している。これらの指針

は、それ自体が要求事項を定めるものではないが、要求事項を適切に適用するために有用なもの

である。また、適用指針は、要求事項を適用する上での参考となるよう、本実務指針が扱う事項に

関する背景を記載していることもある。

《(4) 適用時期》

13.本実務指針の適用時期は以下のとおりである。

・ 本実務指針(2016年1月26日)は、2017年1月1日以後に契約するレビュー業務から適用する。

ただし、本実務指針の全ての要求事項が適用可能である場合には、2016年1月26日以後に契約

するレビュー業務から適用することができる。

・ 本実務指針(2018年10月19日)は、2019年4月1日以後に開始する事業年度に係るレビュー業

務から適用する。

・ 本実務指針(2021年6月9日)は、2021年4月1日以後に開始する事業年度に係るレビュー業

務から適用する。ただし、2021年3月31日以前に開始する事業年度に係るレビュー業務であっ

ても、2021年4月1日以後に発行するレビュー報告書から適用することができる。

・ 本実務指針(2021年9月16日)は、2021年9月1日以後に提出するレビュー報告書に係る業務

から適用する。

・ 本実務指針(2022年10月13日)のうち、倫理規則に関する事項は、2023年4月1日以後開始す

る事業年度に係るレビュー業務から適用する。ただし、本実務指針を、倫理規則(2022年7月25

日変更)と併せて2023年4月1日以後終了する事業年度に係るレビュー業務から早期適用する

ことを妨げない。

・ 本実務指針(2023年3月16日)は、2023年4月1日以後開始する事業年度に係るレビュー業務

から適用する。ただし、本実務指針を、2023年4月1日以後終了する事業年度に係るレビュー業

務において、倫理規則(2022年7月25日変更)と併せて早期適用することを妨げない。また、品

質管理に関する事項は、2023年7月1日以後開始する事業年度に係るレビュー業務から適用す

る。なお、公認会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以後

開始する事業年度に係るレビュー業務から適用する。ただし、全ての監査事務所において、品質

管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」(2023年1月12日)及び品質管理基準報

告書第2号「監査業務に係る審査」(2023年1月12日)と併せて、2024年6月30日以前に開始す

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る事業年度に係るレビュー業務から早期適用することを妨げない。

・ 本実務指針(2024年4月18日)は、2024年4月1日以後開始する期中財務諸表に係る会計期間

の期中財務諸表に対するレビュー及び2024年4月1日以後開始する事業年度に係るレビューか

レビュー実 2400

ら適用する。

《2.本実務指針の目的》

14.本実務指針に準拠して実施する財務諸表のレビュー業務における業務実施者の目的は、以下の

とおりである。

(1) 全体としての財務諸表に重要な虚偽表示がないかどうかについて、主として質問及び分析的

手続を実施することにより限定的保証を得て、財務諸表が、適用される財務報告の枠組みに準

拠して作成されていない(適正表示の枠組みの場合は、適正に表示されていない)と業務実施者

に信じさせる事項が全ての重要な点において認められないかどうかに関し、結論を表明できる

ようにすること。

(2) 本実務指針の要求事項に従って、全体としての財務諸表について結論を表明するとともに、

コミュニケーションを行うこと。

15.本実務指針は、業務実施者が限定的保証を得ることができず、かつ、レビュー報告書における限

定付結論ではその状況において不十分な場合には、業務実施者に対してレビュー報告書の結論を

不表明とするか、又はレビュー契約を解除することを求めている(A8項からA10項及びA121項参照)。

《3.定義》

16.保証業務実務指針(序)「レビュー業務実務指針、保証業務実務指針及び専門業務実務指針並び

に関連する公表物の体系及び用語」付録5「レビュー業務実務指針、保証業務実務指針及び専門業

務実務指針並びに関連する公表物の用語集」には、監査基準報告書等の業務に関連する報告書及び

実務指針等の一貫した適用と解釈に役立つように、本実務指針で定義された用語のほか、本実務

指針で使用されるその他の用語の説明が含まれている。例えば、「経営者」及び「ガバナンスに責任

を有する者」という用語は、保証業務実務指針(序)で定義されている。なお、本実務指針では、

会社法の機関を前提に、原則として業務実施者のコミュニケーションの対象は監査役若しくは監

査役会、監査等委員会又は監査委員会を想定しており、「ガバナンスに責任を有する者」を「監査

役等」と記載している。

17.本実務指針における用語の定義は、以下のとおりとする。

(1) 「分析的手続」-財務データ相互間又は財務データと非財務データとの間に存在すると推定

される関係を分析・検討することによって、財務情報を評価することをいう。分析的手続には、

他の関連情報と矛盾する、又は業務実施者の推定値と大きく乖離する変動や関係についての必

要な調査も含まれる。

(2) 「保証業務リスク」-主題情報に重要な虚偽の表示がある場合に業務実施者が不適切な結論

を報告する可能性をいう。本実務指針では、業務実施者が、財務諸表の重要な虚偽表示を看過し

て誤った結論を表明する可能性をいう。

(3) 「一般目的の財務諸表」-一般目的の財務報告の枠組みに準拠して作成される財務諸表をいう。

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レビュー実 2400

(4) 「一般目的の財務報告の枠組み」-広範囲の利用者に共通する財務情報に対するニーズを満

たすように策定された財務報告の枠組みをいう。監査基準報告書200「財務諸表監査における総

括的な目的」第12項(13)において、財務報告の枠組みには、適正表示の枠組みと準拠性の枠組み

があることが示されている。

(5) 「質問」-レビュー手続の手法の一つ。業務実施者が財務又は財務以外の分野に精通している

企業内外の関係者に情報を求める手続をいう。

(6) 「限定的保証業務」-結論を表明する基礎として、業務実施者が保証業務リスクを個々の業務

の状況において受入可能な水準に抑えるが、保証業務リスクの水準が、合理的保証業務に比べ

てより高く設定される保証業務をいう。

財務諸表の限定的保証業務の結論は、実施した手続及び入手した証拠に基づいて、財務諸表に

重要な虚偽表示があると業務実施者に信じさせる事項が認められたかどうかを記載する形式で

表明される。限定的保証業務で実施される手続の種類、時期及び範囲は、合理的保証業務で必要

な手続と比較して限定的であるが、業務実施者の職業的専門家としての判断において、意味のあ

る保証水準を得るように計画される。意味のある保証水準は、想定利用者にとって、財務諸表の

信頼性を少なくともある程度高める保証水準である(A13項及びA13-2JP項参照)。

(7) 「業務実施者」-専門業務(本実務指針ではレビュー業務)を実施する者をいい、業務執行責

任者又は業務チームの他のメンバー、場合によっては監査事務所を含めて使用される。業務執

行責任者に要求される事項又は業務執行責任者の責任を特に表す場合には、業務実施者ではな

く、業務執行責任者が使用される。

(8) 「職業的専門家としての判断」-個々の専門業務の状況に応じた適切な措置について十分な

情報を得た上で判断を行う際に、監査、保証業務及び会計の基準並びに職業倫理に関する規定

に照らして、関連する知識及び経験を適用することをいう。

(9) 「我が国における職業倫理に関する規定」-監査事務所並びに業務チーム及び審査担当者が

従うべき職業倫理に関する規定をいい、公認会計士法・同施行令・同施行規則、日本公認会計

協会が公表する会則、倫理規則及びその他の倫理に関する規定から構成される。なお、「職業倫

理に関する規定」と表記されることもある。

(10) 「特別目的の財務諸表」-特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成される財務諸表をいう。

(11) 「特別目的の財務報告の枠組み」-特定の利用者の財務情報に対するニーズを満たすように

策定された財務報告の枠組みをいう。財務報告の枠組みには、適正表示の枠組みと準拠性の枠

組みがある。

(12)JP 「期中財務諸表」-会計期間において期中の一時点(通常は中間又は四半期)に作成され

る財務情報(完全な一組の財務諸表より簡略化されている場合もある。)をいう。

(13)JP 「業務執行責任者」-監査事務所に選任された、専門業務(本実務指針ではレビュー業務)

の実施の責任者、すなわち、専門要員のうち、専門業務とその実施及び発行する報告書に対する

責任を負う社員等をいう。

(14)JP 「業務チーム」-個々の専門業務を実施する全ての社員等及び専門職員並びに当該業務に

おいて手続を実施する他の全ての者から構成される。業務実施者の利用する外部の専門家は含

まない。

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レビュー実 2400

(15)JP 「業務ファイル」-紙媒体、電子媒体等に記録された特定の専門業務(本実務指針ではレ

ビュー業務)に関する調書を取りまとめたファイルをいう。

(16)JP 「除外事項付結論」-限定付結論、否定的結論又は結論の不表明をいう。

(17)JP 「初年度レビュー業務」-業務実施者が初めて締結するレビュー契約であり、以下のいず

れかの場合がある。

① 前年度の財務諸表が監査又はレビューされていない場合

② 前年度の財務諸表が前任者によって監査又はレビューされている場合

(18)JP 「前任者」-前任監査人又は前任の業務実施者をいう。

(19)JP 「前任の業務実施者」-前年度の財務諸表のレビュー報告書を提出したか、又は当年度の

財務諸表のレビュー業務に着手したもののレビュー報告書を提出していない別の監査事務所に

属する業務実施者のことをいう。なお、前任の業務実施者は、複数存在する場合がある。

(20)JP 「調書」-実施した手続、入手した証拠及び業務実施者が到達した結論の記録をいう。

(21)JP 「保証業務の技能及び技法」-業務の計画、証拠の収集、証拠の評価、コミュニケーショ

ン及び結論の報告に当たって、業務実施者により発揮される技能及び技法をいい、特定の保証

業務における主題又はその測定若しくは評価における専門性(本実務指針では財務報告に関す

る専門性)とは区別される。

《Ⅱ 要求事項》

《1.本実務指針に準拠したレビュー業務の実施》

18.本実務指針を適用するに当たり、業務実施者は、本実務指針の目的を理解して、要求事項を適切

に適用するため、適用指針を含め、本実務指針を全体として理解しなければならない(A14項参照)。

《(1) 関連する要求事項の遵守》

19.業務実施者は、本実務指針の要求事項のうち個々のレビュー業務に関連するものは全て遵守し

なければならない。個々のレビュー業務に関連しているとは、特定のレビュー業務について、本実

務指針の取り扱う状況が存在している場合をいう。

20.業務実施者は、個々のレビュー業務に関連する本実務指針の全ての要求事項を遵守しない限り、

業務実施者のレビュー報告書上で本実務指針に準拠した旨を記載してはならない。

《2.職業倫理に関する規定》

21.業務実施者は、レビュー業務に関連する職業倫理に関する規定(独立性に関連するものを含む。)

を遵守しなければならない(A15項及びA16項参照)。

《3.職業的専門家としての懐疑心及び判断》

22.業務実施者は、財務諸表において重要な虚偽表示となる状況が存在する可能性のあることを認

識し、職業的専門家としての懐疑心を保持してレビュー業務を計画し実施しなければならない

(A17項からA20項参照)。

23.業務実施者は、レビュー業務の実施において職業的専門家としての判断を行わなければならな

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レビュー実 2400

い(A21項からA25項参照)。

《4.業務レベルの品質管理》

24.業務執行責任者は、十分な時間が与えられていることを含め、個々の業務の状況において、保証

業務の技能及び技法並びに財務報告に係る適性及び適切な能力を有しなければならない(A26項参

照)。

25.業務執行責任者は、以下に関して全体的な責任を負わなければならない(A27項からA30項参照)。

(1) 業務執行責任者が担当する個々のレビュー業務の品質の管理及び達成、並びにレビュー業務

の全過程を通じた十分かつ適切な関与

(2) 職業的専門家としての基準及び適用される法令等に準拠したレビュー業務の指揮、監督、計

画及び実施(A31項参照)

(3) 状況に応じた適切なレビュー報告書の発行

(4) レビュー業務が、以下を含む監査事務所の品質管理の方針又は手続に準拠して実施されてい

ること。

① 契約の新規の締結及び更新に関する監査事務所の方針又は手続に準拠して実施されている

こと、及び、経営者の誠実性を検討することを含め、契約の新規の締結及び更新に関して到達

した結論が適切であること(A32項及びA33項参照)。

② レビュー業務を実施するための十分かつ適切な業務運営に関する資源が、業務チームに適

時に割り当てられている、又は利用可能であるかについて、レビュー業務の内容及び状況、監

査事務所の方針又は手続並びに業務中に発生する可能性のある変更を考慮して判断すること。

③ 職業的専門家としての基準及び適用される法令等に準拠してレビュー業務を実施し、適切

なレビュー報告書の発行が可能となるように、業務チームが全体として、レビュー業務を実施

するための十分な時間を含む、保証業務の技能及び技法並びに財務報告上の専門知識を含む、

適切な適性及び能力を有していること。

④ 調書の作成及び査閲が適切に行われること。

⑤ 監査事務所の品質管理の方針又は手続において審査が求められている場合は、審査を受け

ること。その場合、業務執行責任者は以下の事項を行わなければならない。

・ 審査担当者が選任されていることを確かめること。

・ 審査担当者に協力すること及び業務チームの他のメンバーにその責任を伝達すること。

・ レビュー業務中に識別した重要な事項(審査中に識別された事項を含む。)について、審

査担当者と討議すること。

・ 審査が完了した日以降をレビュー報告書日とすること。

《(1) レビュー契約締結後の情報の入手》

26.業務執行責任者は、レビュー契約の新規の締結又は更新の前に監査事務所が認識していれば契

約の締結を辞退する原因となるような情報に業務チームが気付いた場合、監査事務所及び業務執

行責任者が必要な対応をとることができるように、監査事務所に当該情報を速やかに報告しなけ

ればならない。

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《(2) 職業倫理に関する規定の遵守》

27.業務執行責任者は、業務の全ての局面において、必要に応じて質問等を行うことにより、業務チ

ームのメンバーが監査事務所の定める職業倫理の遵守に関する方針又は手続を遵守していない形

跡がないかについて留意しなければならない。

業務執行責任者は、監査事務所の品質管理システム等を通じて業務チームのメンバーが職業倫

理に関する規定を遵守していないことに気付いたときには、適切な者へ専門的な見解の問合せを

行うなどの適切な対応をとらなければならない。

27-2JP.業務執行責任者は、監査事務所の定める独立性の保持のための方針又は手続を遵守すると

ともに、業務チームのメンバーがこれを遵守していることを確かめなければならない。そのため

に業務執行責任者は、以下を実施しなければならない。

(1) 独立性を阻害する状況や関係を識別して評価するために、監査事務所又は適切な場合にはネ

ットワーク・ファームから関連する情報を入手する。

(2) 独立性の保持のための方針又は手続への違反に関する情報を入手した場合には、実施するレ

ビュー業務にとって、当該違反が独立性を阻害する要因となっていないかどうかを判断するた

めに、その情報を検討する。

(3) 独立性を阻害する要因を識別した場合には、これを除去するための対応策を講じるか、又は

阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用する。また、適切である

と考えられる場合には、レビュー契約を解除する。なお、業務執行責任者は、適切な対応によっ

ても問題を解決できないときには、監査事務所に速やかに報告する。

《(3JP) 審査》

27-3JP.審査を実施する際には、審査担当者は以下を実施しなければならない(A33-2JP項参照)。

(1) 以下の情報を通読し、理解する。

① 業務チームから提供される、レビュー業務と企業の性質及び状況

② 監査事務所から提供される、監査事務所の品質管理システムのモニタリング及び改善プロ

セスにより識別された不備の情報、特に業務チームが行った重要な判断を含む領域に関係す

る、又は影響を与える可能性のある不備

(2) 業務執行責任者及び必要な場合には業務チームの他のメンバーと、レビュー業務の計画、実

施及び報告における、重要な事項及び重要な判断を討議する。

(3) (1)及び(2)で得られた情報に基づき、業務チームが行った重要な判断に関する選択された調

書を査閲及び評価する。

① レビュー業務の種類に応じた重要な判断の根拠。なお、業務チームによる職業的専門家とし

ての懐疑心が保持及び発揮されているかどうかを含む。

② 調書は、到達した結論を裏付けるかどうか。

③ 到達した結論が適切かどうか。

(4) 我が国における独立性に係る職業倫理に関する規定を遵守していると業務執行責任者が判断

した根拠を評価する。

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レビュー実 2400

(5) 専門性が高く、判断に困難が伴う事項や見解が定まっていない事項又はレビュー業務上の判

断の相違がある事項について必要に応じて適切な専門的な見解の問合せが行われたか、及び当

該専門的な見解の問合せから生じた結論を評価する。

(6) 業務執行責任者の重要な判断及び到達した結論が、レビュー業務の内容及び状況を踏まえて

適切であるかを業務執行責任者が判断する根拠が得られるよう、業務執行責任者の関与がレビ

ュー業務の全過程を通じて十分かつ適切であると判断した根拠を評価する。

(7) 財務諸表及びレビュー報告書を検討する。

《(4JP) レビュー業務上の判断の相違》

27-4JP.業務チームは、チーム内で、又はチームと審査担当者若しくは専門的な見解の問合せの助言

者を含む監査事務所の品質管理システムにおいて活動を実施する者との間で、レビュー業務上の

判断の相違が生じた場合、監査事務所の方針又は手続に従ってレビュー業務上の判断の相違に対

処し、これを解決しなければならない。

また、レビュー報告書は、レビュー業務上の判断の相違が解決しない限り、発行してはならない。

《(5) 品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス》

28.監査事務所の品質管理システムは、以下の事項に関するモニタリング及び改善プロセスを定め

ることを含む。

(1) 品質管理システムの整備及び運用について、関連性及び信頼性が高くかつ適時性を有する情

報を提供すること。

(2) 不備が適時に改善されるように、識別された不備に対応する適切な措置を講じること。

業務執行責任者は、監査事務所又は他のネットワーク・ファームから伝達された品質管理シス

テムのモニタリング及び改善プロセスからの情報及び当該情報が担当するレビュー業務に影響を

与えているかどうかを考慮しなければならない。

《5.レビュー契約の新規の締結及び更新》

《(1) レビュー契約の新規の締結及び更新に影響を及ぼす要因》

29.業務実施者は、以下のいずれかに該当する場合には、レビュー契約を新規に締結又は更新しては

ならない(A34項及びA35項参照)。

(1) 当該レビュー業務に合理的な目的があると判断できない(A36項参照)。

(2) レビュー業務が状況において適切であると判断できない(A37項参照)。

(3) 業務実施者が、独立性を含む関連する職業倫理に関する規定を遵守できないと考える理由が

ある。

(4) 個々の業務の状況に関する業務実施者の予備的な理解の結果、レビュー業務の実施に必要な

情報が入手できない、又は信頼できない可能性が高い(A38項参照)。

(5) 経営者の誠実性に疑念を抱かせる情報があり、レビュー業務の適切な実施に影響を及ぼす可

能性がある。

(6) 経営者がレビュー業務の契約条件において業務実施者の作業の範囲に制約を課しており、そ

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レビュー実 2400

の制約により、業務実施者が財務諸表に対する結論を表明しないことになると判断している。

《(2) レビュー契約の新規の締結及び更新の前提条件》

30.業務実施者は、レビュー契約を新規に締結又は更新する前に、以下の事項を実施しなければなら

ない(A39項参照)。

(1) 財務諸表の作成に当たり適用される財務報告の枠組みが受入可能であるかどうかを判断する

こと。特別目的の財務諸表の場合は、財務諸表の作成目的と想定利用者を理解することを含む

(A40項からA46項参照)。

(2) 以下の責任を有することを認識し理解していることについて経営者の合意を得ること(A47項

からA50項参照)。

① 適用される財務報告の枠組みに準拠して財務諸表を作成すること。適正表示の枠組みの場

合は、財務諸表を適正に表示することを含む。

② 不正か誤謬かを問わず、重要な虚偽表示のない財務諸表を作成するために経営者が必要と

判断する内部統制を整備及び運用すること。

③ 以下を業務実施者に提供すること。

ア.経営者が財務諸表の作成に関連すると認識している記録や証憑書類等の全ての情報

イ.業務実施者がレビュー業務の目的に関連して経営者に追加的に依頼する情報

ウ.業務実施者が証拠を入手するために必要と判断した、企業構成員への制限のない質問や面

談の機会

31.業務実施者は、レビュー契約の新規の締結及び更新の前提条件として、第30項のいずれかが満た

されていない場合には、経営者と当該事項を協議しなければならない。業務実施者は、第30項の前

提条件が満たされない場合には、レビュー業務を新規に締結又は更新してはならない。

32.レビュー契約の締結後、第30項の前提条件のいずれかが満たされていない状況を業務実施者が

識別した場合、業務実施者は、経営者及び必要に応じて監査役等と当該事項を協議し、以下を判断

しなければならない。

(1) 当該事項を解決できるかどうか。

(2) レビュー業務の継続が適切かどうか。

(3) レビュー業務の継続が適切である場合、レビュー報告書において当該事項を記載するかどう

か。また、記載する場合、どのように記載するか。

《(3) 法令等によりレビュー報告書の用語が規定されている場合の追加的な考慮事項》

33.レビュー報告書が第86項の要求事項を満たしている場合にのみ、レビュー報告書において本実

務指針に準拠している旨を記載することができる。

34.法令等に従ってレビュー業務が実施される場合、関連する法令等により、レビュー報告書につい

て、本実務指針の要求事項と著しく異なる様式や用語が規定されていることがある。この場合、業

務実施者は、財務諸表のレビュー業務から得られる保証について誤解が生じる可能性があるかど

うか、誤解が生じる可能性があるときには、レビュー報告書に追加的な説明を記載することによ

って、そのような可能性を軽減できるかどうかを評価しなければならない(A51項及びA148項参照)。

35.業務実施者は、このような誤解が生じる可能性を、レビュー報告書に追加的な説明を記載するこ

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レビュー実 2400

とによっても軽減できないと判断した場合、法令等により要求されていない限り、レビュー契約

を締結してはならない。このような法令等に準拠して実施されるレビュー業務は、本実務指針に

準拠したものではない。したがって、業務実施者は、レビュー報告書に、本実務指針に準拠して実

施されたレビュー業務であることを示すような記載を行ってはならない(A51項及びA148項参照)。

《(4) レビュー業務の契約条件に関する合意》

36.業務実施者は、レビュー業務の実施に先立ち、レビュー業務の契約条件について経営者と合意し

なければならない。

37.レビュー業務の契約条件の合意された内容として、以下の事項をレビュー契約書又は他の適切

な形式による合意書に記載しなければならない(A52項及びA53項参照)。

(1) 財務諸表の想定される用途と配布先及び該当する場合には利用又は配布制限

(2) 財務諸表の作成において適用される財務報告の枠組み

(3) レビュー業務の目的及び範囲

(4) 業務実施者の責任

(5) 第30項(2)に記載されている内容を含む、経営者の責任(A47項からA50項参照)

(6) レビュー業務は監査でない旨、及び業務実施者は財務諸表に対する監査意見を表明しない旨

(7) レビュー報告書の想定される様式及び内容並びに状況により想定された様式及び内容と異な

る場合がある旨

《(5) 継続的レビュー業務》

38.毎期継続的に実施されるレビュー業務において、業務実施者は、業務の契約条件の変更を必要と

する状況が生じているかどうか、及び業務の現行の契約条件の再確認を経営者に求める必要性が

あるかどうかを評価しなければならない(A57項参照)。

《(6) レビュー業務の契約条件の変更の受諾》

39.業務実施者は、正当な理由がない限り、レビュー業務の契約条件の変更に合意してはならない

(A58項からA60項参照)。

40.業務実施者は、レビュー業務の完了前に、業務を保証業務以外の業務に変更することを依頼され

た場合、正当な理由があるかどうかを判断しなければならない(A61項及びA62項参照)。

41.レビュー業務の契約条件がレビュー業務の実施過程で変更された場合、業務実施者と経営者は、

変更後の契約条件について合意し、それをレビュー契約書において記載しなければならない。

《6.経営者及び監査役等とのコミュニケーション》

42.業務実施者は、経営者及び必要に応じて監査役等の注意を喚起するのに値する全ての重要な事

項について、職業的専門家としての判断に基づき、レビュー業務の実施過程で経営者及び必要に

応じて監査役等と適時にコミュニケーションを行わなければならない(A63項からA69項参照)。

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《7.業務の実施》

《(1) 財務諸表のレビュー業務における重要性》

43.業務実施者は、重要性の基準値を決定し、この重要性の基準値を手続の立案及び当該手続から得

た結果の評価に適用しなければならない(A70項からA73-2JP項参照)。

44.業務実施者は、レビュー業務の実施過程において、当初決定した重要性の基準値を改訂すべき情

報を認識した場合には、重要性の基準値を改訂しなければならない(A74項参照)。

《(2) 企業及び企業環境等の理解》

45.業務実施者は、重要な虚偽表示が生じる可能性の高い財務諸表の領域を識別し、当該領域に関す

る手続を立案する基礎を得るため、企業及び企業環境並びに適用される財務報告の枠組みを理解

しなければならない(A75項からA77項参照)。

46.業務実施者は、以下の事項を理解しなければならない(A78項、A87項及びA90項参照)。

(1) 企業に関連する産業、規制等の外部要因(適用される財務報告の枠組みを含む。)

(2) 企業の事業活動等

① 事業運営

② 所有とガバナンスの構造

③ 既存又は計画中の投資

④ 組織構造や資本関係と資金調達の方法

⑤ 企業目的と戦略

(3) 企業の会計システム及び会計記録

(4) 企業の会計方針の選択と適用

《(3) 手続の立案及び実施》

47.業務実施者は、全体としての財務諸表に対する結論の基礎として十分かつ適切な証拠を入手す

るに当たり、以下が可能となるように質問及び分析的手続を立案して実施しなければならない

(A79項からA83項、A87項、A90項、A99-2JP項及びA99-3JP項参照)。

(1) 開示を含む、財務諸表における全ての重要な項目に対応すること。

(2) 重要な虚偽表示が生じる可能性の高い財務諸表の領域に重点をおくこと。

48.業務実施者による経営者、及び必要な場合にはその他の企業構成員への質問には、以下の事項を

含めなければならない(A84項からA88項参照)。

(1) 経営者が、適用される財務報告の枠組みにおいて要求される、重要な会計上の見積りを行う

方法

(2) 関連当事者及び関連当事者取引(当該取引の目的を含む。)の識別

(3) 以下の事項を含む、財務諸表に影響を及ぼす、重要かつ通例でない取引若しくは事象、又は複

雑な取引若しくは事象が存在するかどうか。

① 企業の事業活動又は事業運営上の重要な変化

② 財務及び借入の契約又は財務制限条項を含む、財務諸表に著しい影響を及ぼす契約条件の

重要な変更

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③ 重要な仕訳入力又は財務諸表に対するその他の重要な修正

④ 期末日近くで発生又は認識された重要な取引

⑤ 当年度及び過年度の未修正の虚偽表示

⑥ 関連当事者との取引又は関係が与える影響又は見込まれる影響

(4) 以下の事実、疑い又は申立ての存在

① 企業に影響を及ぼす不正又は違法行為

② 例えば、税金や年金に関する法令など、財務諸表の重要な金額及び開示の決定に直接影響を

及ぼすものとして一般的に認識されている法令への違反

(5) 期末日の翌日からレビュー報告書日までの間に発生し、財務諸表の修正又は財務諸表におけ

る開示が要求される事象を、経営者が識別して対応したかどうか。

(6) 継続企業の前提に関して経営者が行った評価(A89項参照)

(7) 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在するかどうか。

(8) 財務諸表(開示を含む。)に影響を及ぼす、又は影響を及ぼす可能性のある重要な約定、契約

上の義務又は偶発債務

(9) 会計期間における金銭的対価を伴わない重要な取引又は重要な無償取引

(10) 重要な会計方針又は表示方法の変更(会計基準等の改正に伴う会計方針又は表示方法の変更

を含む。)があるか(変更がある場合には、その内容、理由及び適切に遡及適用されているか等)。

(11) 財務諸表に重要な影響を及ぼすと認められる事項に気が付いた場合には、当該事項の内容が

財務諸表において適切に会計処理及び開示されているか。

(12) 訴訟事件等の有無

49.業務実施者は、分析的手続を立案する際に、会計システムと会計記録からのデータが、分析的手

続を実施する目的において適切かどうかを考慮しなければならない(A90項からA92項参照)。

《① 特定の状況に対する手続》

《ア.関連当事者》

50.業務実施者は、レビュー業務期間中、経営者が従来識別していない又は業務実施者に開示してい

ない関連当事者との関係又は関連当事者との取引を示唆する可能性がある契約又はその他の情報

に留意しなければならない。

51.業務実施者は、レビュー業務の実施過程で企業の通常の取引過程から外れた重要な取引を識別

した場合には、以下の事項について経営者に質問しなければならない。

(1) 当該取引の内容

(2) 関連当事者が関与し得るかどうか。

(3) 当該取引の事業上の合理性(又はその欠如)

《イ.不正及び違法行為》

52.業務実施者は、不正若しくは違法行為又はそれらの疑いを示唆する情報が存在する場合には、以

下を実施しなければならない。

(1) 法令により禁止されていない限り、適切な階層の経営者又は必要な場合には監査役等に当該

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レビュー実 2400

事項を報告する(A93項参照)。

(2) 経営者に財務諸表に及ぼす影響の評価を要請する。

(3) 上記の経営者の評価が、業務実施者の結論及び報告書に及ぼす影響を考慮する。

(4) 以下に該当するかどうかを判断する(A94項からA98項参照)。

① 法令により、適切な規制当局に報告することが業務実施者に求められていること。

② 職業倫理規程により、追加的な対応として、適切な規制当局に報告することが例示されてい

ること。

《ウ.継続企業》

53.財務諸表のレビュー業務には、継続企業の前提の検討が含まれる。業務実施者は、継続企業の前

提に関して経営者が行った評価の検討に当たって、経営者の評価期間と同じ期間を対象としなけ

ればならない。この場合、経営者の評価期間は、適用される財務報告の枠組みで要求される期間又

は法令に規定される期間となる(A98-2JP項参照)。

54.業務実施者は、レビュー業務の実施過程で、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事

象又は状況に気付いた場合には、以下を実施しなければならない(A99項参照)。

(1) 継続企業の前提の評価に関連する経営者の対応策、その実行可能性、及びその対応策が当該

事象又は状況を解消し、又は改善するものであるかどうかについて、経営者に質問する。

(2) 経営者の回答が、以下に対して十分な基礎を提供しているかを検討する。

① 継続企業の前提の評価が、適用される財務報告の枠組みにおいて要求されている場合は、継

続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか。

② 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるかどうか。認められる場合は、適用さ

れる財務報告の枠組みにおいて要求されている事項に照らして、財務諸表に重要な虚偽表示

が存在するか、又は財務諸表利用者の判断を誤らせることになるかどうかについて結論付ける。

(3) レビュー業務の結果として気付いた全ての関連する情報を踏まえて、経営者の回答を検討する。

《エ.他の業務実施者又は専門家の業務の利用》

55.レビュー業務の実施に当たり、業務実施者は、他の業務実施者の実施する業務又は専門家(会計

や保証業務以外の分野において専門知識を有する個人又は組織)の業務を利用することが必要に

なる場合がある。レビュー業務の実施過程において他の業務実施者又は専門家の実施する業務を

利用する場合には、業務実施者は、他の業務実施者又は専門家により実施された業務がレビュー業

務の目的に照らして適切であることを確かめるための手続を実施しなければならない(A80項参照)。

《(4) 財務諸表と基礎となる会計記録との調整》

56.業務実施者は、財務諸表とその基礎となる会計記録との一致又は調整に関する証拠を入手しな

ければならない(A100項参照)。

《(5) 重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付いた場合の追加的な手続》

57.業務実施者は、財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付い

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レビュー実 2400

た場合には、全体としての財務諸表について、以下のいずれかの結論を導くために十分な追加的

な手続を立案し実施しなければならない(A101項からA105項参照)。

(1) 当該事項により財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性は高くない。

(2) 当該事項により財務諸表に重要な虚偽表示が存在する。

《8.後発事象》

58.業務実施者は、期末日の翌日からレビュー報告書日までの間に発生し、財務諸表の修正又は財務

諸表における開示が要求される事象に気付いた場合には、経営者に財務諸表の修正又は財務諸表

における開示を行うように要請しなければならない。

59.業務実施者は、レビュー報告書日後に、財務諸表に関していかなるレビュー手続を実施する義務

も負わない。

しかしながら、レビュー報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に、もしレビュー報告

書日現在に気付いていたとしたら、レビュー報告書を修正する原因となった可能性のある事実を

知るところとなった場合には、業務実施者は以下の手続を実施しなければならない。

(1) 経営者と当該事項について協議すること。

(2) 財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要かどうか判断すること。

(3) 財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要な場合、当該事項について財務諸表でどの

ように扱う予定であるか経営者に質問すること。

60.業務実施者が財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要であると判断する状況において、

経営者が財務諸表の修正又は開示を行わず、業務実施者が既にレビュー報告書を企業に提出して

いる場合には、業務実施者は、経営者及び監査役等に、必要な財務諸表の修正又は財務諸表におけ

る開示を行うまでは、財務諸表を第三者に対して発行しないよう通知しなければならない。

それにもかかわらず、必要な修正又は開示を行う前の財務諸表が発行された場合、業務実施者

は、財務諸表の利用者によるレビュー報告書への依拠を防ぐための適切な措置を講じなければな

らない。

《9.経営者確認書》

61.業務実施者は、経営者に対して、レビュー契約書において記載されたとおり、その責任を果たし

た旨の経営者確認書を提出するように要請しなければならない。経営者確認書には、以下の事項

を含めなければならない(A106項からA108項参照)。

(1) レビュー契約書において合意したとおり、経営者が、適用される財務報告の枠組みに準拠し

て財務諸表を作成する責任(適正表示の枠組みの場合、作成し適正に表示する責任)を果たした

旨、及び財務諸表の作成に関連すると認識している又はレビュー業務に関連して業務実施者が

依頼した全ての情報及び情報を入手する機会を業務実施者に提供した旨

(2) 全ての取引が記録され、財務諸表に反映されている旨

(3) 経営者が、未修正の虚偽表示の与える影響が個別にも集計しても全体としての財務諸表に対

して重要性がないと判断している旨

経営者確認書には、未修正の虚偽表示の要約を記載するか又は添付することを求めなければ

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レビュー実 2400

ならない。

62.業務実施者は、経営者が以下の事項を業務実施者に開示した旨を経営者確認書に記載するよう

に要請しなければならない(A107項参照)。

(1) 関連当事者の名称、並びに認識された全ての関連当事者との関係及び関連当事者との取引

(2) 企業に影響を及ぼす不正又は不正の疑いがある事項に関する全ての情報

(3) 財務諸表等を作成する場合にその影響を考慮すべき違法行為又は違法行為の疑いに関して認

識している全ての事実

(4) 財務諸表における継続企業の前提に関連する全ての情報(該当する場合)

(5) 期末日の翌日から本確認書の日付までに発生した財務諸表に重要な影響を及ぼす事象を全て

計上又は注記している旨

(6) 財務諸表(開示を含む。)に影響を及ぼす、又は影響を及ぼす可能性のある重要な約定、契約

上の義務又は偶発債務

(7) 会計期間における金銭的対価を伴わない重要な取引又は重要な無償取引

付録1には、経営者確認書の文例を記載している。

63.業務実施者が確認を要請した事項の全部又は一部について経営者から確認を得られない場合、

業務実施者は以下の事項を実施しなければならない(A106項参照)。

(1) 当該事項について経営者と協議すること。

(2) 経営者の誠実性を再評価し、口頭、書面又は電磁的記録による陳述の信頼性及び証拠全体の

証明力に及ぼす影響を評価すること。

(3) 本実務指針に従って、レビュー報告書の結論への影響を判断することを含め、適切な措置を

講じること。

64.業務実施者は、以下のいずれかに該当する場合には、財務諸表に対する結論を不表明とするか、

又は現実的な対応として可能であれば、レビュー契約を解除するか、いずれかを選択しなければ

ならない。

(1) 業務実施者が、経営者の誠実性について深刻な疑義があり、経営者確認書に信頼性がないと

判断した場合

(2) 第61項により要求される事項について経営者から確認が得られない場合

《(1) 経営者確認書の日付及び経営者確認書が対象とする期間》

65.経営者確認書の日付は、レビュー報告書日より後であってはならない。経営者確認書は、レビュ

ー報告書が対象とする全ての期間に対する全ての財務諸表を対象とするものでなければならない

(A108-2JP項参照)。

《10.実施した手続から入手した証拠の評価》

66.業務実施者は、実施した手続から十分かつ適切な証拠を入手したかどうかを評価しなければな

らない。十分かつ適切な証拠を入手していない場合には、業務実施者は財務諸表に対する結論を

形成できるよう、個々の状況に照らして業務実施者が必要と判断するその他の手続を実施しなけ

ればならない(A109項参照)。

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レビュー実 2400

67.業務実施者が結論の形成のための十分かつ適切な証拠を入手できない場合には、業務実施者は、

経営者及び必要な場合には監査役等と当該制約がレビュー業務の範囲に及ぼす影響について協議

しなければならない(A110項及びA111項参照)。

《(1) レビュー報告書に及ぼす影響の評価》

68.業務実施者は、レビュー報告書に及ぼす影響を判断するために、実施した手続から入手した証拠

を評価しなければならない(A109項参照)。

《11.財務諸表に対する業務実施者の結論の形成》

《(1) 財務諸表に適用される財務報告の枠組みの考慮》

69.財務諸表に対する結論を形成する際に、業務実施者は以下を実施しなければならない。

(1) 財務諸表において、適用される財務報告の枠組みについて適切に記述されているかどうかを

評価する(A112項及びA113項参照)。

(2) 適用される財務報告の枠組みの要求事項及び実施した手続の結果と照らし、以下の事項を検

討する。

① 財務諸表の名称を含め、財務諸表で使用されている用語は適切であるかどうか。

② 経営者が採用した重要な会計方針が、財務諸表において適切に開示されているかどうか。

③ 経営者が採用した会計方針が、適用される財務報告の枠組みに準拠しており、かつ適切であ

るかどうか。

④ 経営者の行った会計上の見積りが合理的であるかどうか。

⑤ 財務諸表において表示された情報が目的適合性、信頼性及び比較可能性を有し、かつ理解可

能なものであるかどうか。

⑥ 重要な取引や会計事象が財務諸表に及ぼす影響について、財務諸表の利用者が理解するた

めに適切な開示がなされているかどうか(A114項からA116項参照)。

70.業務実施者は、以下の影響を考慮しなければならない。

(1) レビュー業務の実施過程で識別された当年度及び過年度の未修正の虚偽表示の全体としての

財務諸表に対する影響(A118-2JP項参照)

(2) 経営者の判断に偏向が存在する兆候等、企業の会計実務の質的側面(A117項及びA118項参照)

71.財務諸表が適正表示の枠組みに準拠して作成されている場合、業務実施者は以下の影響も考慮

しなければならない(A115項参照)。

(1) 適用される枠組みに準拠した財務諸表の全体的な表示、構成及び内容

(2) 関連する注記を含む財務諸表が、全体として、基礎となる取引や会計事象を適正に表してい

るかどうか。

《(2) 結論の様式》

72.財務諸表に対する業務実施者の結論は、無限定の結論か除外事項付結論であるかを問わず、財務

諸表に適用される財務報告の枠組みに応じた適切な様式で表明されなければならない。

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レビュー実 2400

《① 無限定の結論》

73.業務実施者は、財務諸表が、適用される財務報告の枠組みに準拠して作成されていない(適正表

示の枠組みの場合は、適正に表示されていない)と業務実施者に信じさせる事項が全ての重要な

点において認められないと結論付ける限定的保証を得た場合には、財務諸表全体に対する業務実

施者のレビュー報告書において無限定の結論を表明しなければならない。

74.適正表示の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対して無限定の結論を表明する場合、業務

実施者は、「実施したレビューにおいて、財務諸表が、[適用される財務報告の枠組み]に準拠し

て、…を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった」と

記載しなければならない(A119項参照)。

準拠性の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対して無限定の結論を表明する場合、業務実

施者は、「実施したレビューにおいて、財務諸表が、[適用される財務報告の枠組み]に準拠して作

成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった」と記載しなけれ

ばならない。

《② 除外事項付結論》

75.業務実施者は、財務諸表全体に対するレビュー報告書において、以下のいずれかに該当する場合

には除外事項付結論を表明しなければならない(A120-2JP項参照)。

(1) 業務実施者が、実施した手続及び入手した証拠に基づいて、財務諸表に重要な虚偽表示があ

ると判断する場合

(2) 業務実施者が、全体としての財務諸表における重要な項目に関する十分かつ適切な証拠を入

手できない場合

76.業務実施者は、財務諸表に対して除外事項付結論を表明する場合には、状況に応じて「限定付結

論」、「否定的結論」、又は「結論の不表明」という見出しを結論区分に付して記載しなければならな

い。また、業務実施者は、除外事項付結論を表明する原因となる事項を記載する区分(これを結論

の根拠区分という。)をレビュー報告書の結論区分の直前に設け、状況に応じて「限定付結論の根

拠」、「否定的結論の根拠」、又は「結論の不表明の根拠」という見出しを付して記載しなければな

らない。

《③ 財務諸表に重要な虚偽表示がある場合》

77.業務実施者は、財務諸表に重要な虚偽表示があると判断した場合には、以下のいずれかの結論を

表明しなければならない。

(1) 除外事項の影響が、財務諸表にとって重要であるが広範ではないと結論付ける場合には、限

定付結論を表明しなければならない。

(2) 除外事項の影響が、財務諸表にとって重要かつ広範であると結論付ける場合には、否定的結

論を表明しなければならない。

78.適正表示の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対して、財務諸表の重要な虚偽表示により

限定付結論を表明する場合、業務実施者は、「実施したレビューにおいて、財務諸表が、限定付結

論の根拠に記載した事項の及ぼす影響を除き、[適用される財務報告の枠組み]に準拠して、…を

- 17 -

レビュー実 2400

適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった」と記載し

なければならない。

準拠性の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対して、財務諸表の重要な虚偽表示により限

定付結論を表明する場合、業務実施者は、「実施したレビューにおいて、財務諸表が、限定付結論

の根拠に記載した事項の及ぼす影響を除き、[適用される財務報告の枠組み]に準拠して作成され

ていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった」と記載しなければなら

ない。

79.適正表示の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対して、否定的結論を表明する場合、業務実

施者は、「実施したレビューにおいて、財務諸表が、否定的結論の根拠に記載した事項の及ぼす影

響の重要性に鑑み、[適用される財務報告の枠組み]に準拠して、…を重要な点において適正に表

示していないと信じさせる事項が認められた」と記載しなければならない。

準拠性の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対して、否定的結論を表明する場合、業務実

施者は、「実施したレビューにおいて、財務諸表が、否定的結論の根拠に記載した事項の及ぼす影

響の重要性に鑑み、重要な点において、[適用される財務報告の枠組み]に準拠して作成されてい

ないと信じさせる事項が認められた」と記載しなければならない。

80.結論の根拠区分において、限定付結論又は否定的結論の根拠となった重要な虚偽表示に関して、

業務実施者は以下の事項を記載しなければならない。

(1) 定量的な注記情報を含め、財務諸表の特定の金額に関連する重要な虚偽表示が存在する場合

には、金額的な影響額を算定することが困難でない限り、当該虚偽表示による金額的な影響額

(金額的な影響額を算定することが困難な場合、その旨)とそれに関する説明

(2) 財務諸表に、金額以外の文章による記述に重要な虚偽表示が存在する場合には、当該虚偽表

示の内容

(3) 財務諸表に開示することが必要な情報が開示されていない場合には、開示されていない情報

の内容

なお、法令等で禁止されている場合を除いて、実務的に困難でない限り、業務実施者は、財務

諸表において開示されていない情報を記載しなければならない。

《④ 十分かつ適切な証拠を入手できない場合》

81.業務実施者は、十分かつ適切な証拠を入手できないため、財務諸表に対する結論を形成できない

場合には、以下に従って、その取扱いについて判断しなければならない。

(1) 業務実施者が、未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが財務諸表に及ぼす可能性のあ

る影響が、重要であるが広範ではないと判断する場合には、限定付結論を表明する。

(2) 業務実施者が、未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが財務諸表に及ぼす可能性のあ

る影響が、重要かつ広範であると判断する場合には、結論を表明しない。

82.業務実施者は、以下のいずれにも該当する場合には、現実的な対応として可能であれば、レビュ

ー契約を解除しなければならない(A121項からA123項参照)。

(1) 業務実施者がレビュー契約を締結した後に、経営者によるレビュー範囲の制約によって、財

務諸表に対する結論を形成するのに十分かつ適切な証拠が入手できない。

- 18 -

レビュー実 2400

(2) 業務実施者は、未発見の虚偽表示が財務諸表に及ぼす可能性のある影響が、重要かつ広範で

あると判断している。

83.適正表示の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対して、無限定の結論の基礎となる十分か

つ適切な証拠を入手できないために限定付結論を表明する場合、業務実施者は、「実施したレビュ

ーにおいて、財務諸表が、限定付結論の根拠に記載した事項の及ぼす可能性のある影響を除き、

[適用される財務報告の枠組み]に準拠して、…を適正に表示していないと信じさせる事項が全

ての重要な点において認められなかった」と記載しなければならない。

準拠性の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対して、無限定の結論の基礎となる十分かつ

適切な証拠を入手できないために限定付結論を表明する場合、業務実施者は、「実施したレビュー

において、財務諸表が、限定付結論の根拠に記載した事項の及ぼす可能性のある影響を除き、[適

用される財務報告の枠組み]に準拠して作成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点に

おいて認められなかった」と記載しなければならない。

84.業務実施者は、財務諸表に対する結論を表明しない場合、結論区分に以下を記載しなければなら

ない。

(1) 業務実施者は、結論の不表明の根拠区分に記載した事項の及ぼす可能性のある影響の重要性

に鑑み、財務諸表に対する結論を形成するための十分かつ適切な証拠を入手できなかった旨

(2) したがって、業務実施者は、財務諸表に対して結論を表明しない旨

85.十分かつ適切な証拠を入手できないために限定付結論を表明する場合又は結論を表明しない場

合には、業務実施者は、結論の根拠区分に、十分かつ適切な証拠を入手できない理由を記載しなけ

ればならない。

《(3JP)継続企業》

《①JP 継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるが重要な不確実性が認められ

る場合》

85-2JP.業務実施者は、その状況において継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であ

るが、重要な不確実性が認められると結論付ける場合に、以下について判断しなければならない。

(1) 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況、及び当該事象又は状況に対

する経営者の対応策について、財務諸表における注記が適切であるかどうか。

(2) 通常の事業活動において資産を回収し負債を返済することができない可能性があり、継続企

業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関する重要な不確実性が認められる

ことについて、財務諸表に明瞭に注記されているかどうか。

85-3JP.財務諸表における注記が適切な場合、業務実施者は、無限定の結論を表明し、以下のために

レビュー報告書に「継続企業の前提に関する重要な不確実性」という見出しを付した区分を設け

なければならない(A123-2JP項及びA123-3JP項参照)。

(1) 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関する重要な不確実性が認

められることを強調する。

(2) 第85-2JP項に記載されている財務諸表における注記に注意を喚起する。

85-4JP.財務諸表における注記が適切でない場合、業務実施者は、状況に応じて限定付結論又は否定

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レビュー実 2400

的結論を表明しなければならない。業務実施者は、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認

められる旨をレビュー報告書に記載しなければならない。

《②JP 継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切でない場合》

85-5JP.業務実施者は、継続企業を前提として財務諸表が作成されている場合に、継続企業を前提と

して経営者が財務諸表を作成することが適切でないと判断したときには、否定的結論を表明しな

ければならない。

《12.レビュー報告書》

《(1) レビュー報告書の記載事項》

86.レビュー業務に対するレビュー報告書は、書面又は電磁的記録によらなければならず、また、以

下の事項を記載しなければならない(A124項からA127項、A148項及びA150項参照)。

(1) 独立業務実施者のレビュー報告書であることを明瞭に示す表題

(2) 契約内容に応じた宛先

(3) レビュー業務の対象

① レビュー対象である財務諸表を作成している企業の名称

② 財務諸表の名称、財務諸表が対象とする日付及び期間

③ 財務諸表に関連する注記(重要な会計方針の要約及びその他の説明情報に関する事項)

④ 財務諸表がレビューされている旨

(4) 財務諸表に対する経営者の責任。経営者の責任の記載には以下が含まれる(A128項からA131

項参照)。

① 適用される財務報告の枠組みに準拠して財務諸表を作成する責任(適正表示の枠組みの場

合は、財務諸表を適正に表示する責任を含む。)を有すること。

② 不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表の作成に必要な内部統制を整備及び運

用する責任を有すること。

(5) 財務諸表が特別目的の財務諸表の場合には、以下の事項を含める。

① 財務諸表の作成目的及び想定利用者(作成目的の記載によって想定利用者が明確である場

合を除く。)又はこれらの情報について記載している特別目的の財務諸表の注記への参照

② 経営者が、特別目的の財務諸表の作成において財務報告の枠組みの選択肢を有する場合、財

務諸表に対する経営者の責任の区分において、経営者は適用される財務報告の枠組みが状況

に照らして受入可能なものであることを判断する責任を有する旨

(6) 財務諸表に対して結論を表明する業務実施者の責任の記載。この記載には、本実務指針及び

関連する法令等(適用される法令等がある場合)に準拠してレビュー業務を実施した旨を含む

(A132項、A133項及びA149項参照)。

(7) 財務諸表のレビュー業務の内容及びその限界並びに以下の記載(A134項参照)

① 本実務指針に従ったレビュー業務は、限定的保証業務であること。

② 業務実施者の手続は、主として経営者及び必要に応じて企業内の適切な者への質問、分析的

手続からなること、及び業務実施者は入手した証拠を評価すること。

- 20 -

レビュー実 2400

③ レビュー業務で実施される手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠した監

査で実施される手続より相当程度限定された手続であり、業務実施者は、財務諸表に対して監

査意見を表明しないこと。

(8) 「結論」という見出しを付した区分には以下を記載する。

① 第72項から第85-5JP項までに従った、全体としての財務諸表に対する業務実施者の結論

② 財務諸表の作成に用いられた適用される財務報告の枠組みの特定。一般目的の財務諸表の

場合、適用される財務報告の枠組みが国際会計基準審議会が公表する国際会計基準ではない

ときには、財務報告の枠組みを設定している国を特定する(A135項及びA136項参照)。

(9) 財務諸表に対する業務実施者の結論が除外事項付結論となる場合には、それぞれ適切な見出

しの区分を設け、以下の記載を行う。

① 第72項、第75項から第85項、第85-4JP項及び第85-5JP項に従った業務実施者の除外事項付結論

② 除外事項付結論の原因となった事項(A137項参照)

(10) 関連する職業倫理に関する規定を遵守する、本実務指針における業務実施者の責任

(11) レビュー報告書の日付(A144項からA147項参照)

(12) 業務実施者の署名(A138項参照)

(13) 業務実施者の監査事務所の所在地(A138-2JP項参照)

《(2) レビュー報告書における強調事項区分及びその他の事項区分》

《① 強調事項区分》

87.業務実施者は、結論の類型にかかわらず、財務諸表に表示又は開示されている事項について、利

用者が財務諸表を理解する基礎として重要であるため、当該事項を強調し利用者の注意を喚起す

る必要があると判断することがある。そのような場合、業務実施者が、当該事項について財務諸表

の重要な虚偽表示が含まれる可能性が高くないという十分かつ適切な証拠を入手したときは、レ

ビュー報告書に強調事項区分を設けなければならない。当該区分は、財務諸表に表示又は開示さ

れた情報のみを記載するものでなければならない。

88.特別目的の財務諸表に対するレビュー報告書には、レビュー報告書の利用者の注意を喚起する

ため、強調事項区分を設け、財務諸表は特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成されており、

したがって、他の目的には適合しないことがある旨を記載しなければならない(A139項及びA140

項参照)。

89.業務実施者は、業務実施者の結論区分の次に、「強調事項」又は他の適切な見出しを付して強調

事項区分を設けなければならない。その場合には、以下に従って記載しなければならない。

(1) 当該区分に、財務諸表における記載箇所と関連付けて、強調する事項を明瞭に記載する。

(2) 強調事項は業務実施者の結論に影響を及ぼすものではないことを記載する。

《② その他の事項区分》

90.業務実施者は、財務諸表に表示又は開示されていない事項について、レビュー業務、業務実施者

の責任又はレビュー報告書についての利用者の理解に関連するためレビュー報告書において説明

する必要があると判断した場合、「その他の事項」又は他の適切な見出しを付した区分を設けて、

- 21 -

レビュー実 2400

当該事項を記載しなければならない。ただし、法令等によってレビュー報告書に記載することが

禁止されていない事項でなければならない。

《③JP 配布又は利用制限》

90-2JP.特別目的の財務諸表のレビュー業務の場合、業務実施者は、第88項で要求されている注意喚

起に加えて、レビュー報告書が特定の利用者のみを想定しており、レビュー報告書に配布又は利

用の制限を付すことが適切であると判断する場合には、適切な見出しを付してその旨を記載しな

ければならない(A140項参照)。

《(3) その他の報告責任》

91.業務実施者は、財務諸表に対するレビュー報告書において、本実務指針に基づく業務実施者の責

任に加えて、その他の報告責任についても記載することが求められることがある。そのような場

合には、その他の報告責任については、「法令等が要求するその他の事項に対する報告」又はその

区分の内容から見て適切な他の見出しを付して、レビュー報告書上、「財務諸表のレビュー」の見

出しを付した区分の次に別の区分を設けなければならない(A141項からA143項参照)。

《(4) レビュー報告書日》

92.レビュー報告書には、業務実施者が、財務諸表に対する結論表明の基礎となる十分かつ適切な証

拠を入手した日よりも前の日付を付してはならない。なお、以下の点について、財務諸表に対する

結論表明の基礎となる十分かつ適切な証拠を入手しなければならない(A144項からA147項参照)。

(1) 適用される財務報告の枠組みに準拠して、関連する注記を含む全ての財務諸表が作成されて

いること。

(2) 認められた権限を持つ者が、当該財務諸表に対して責任を認めたこと。

《(5JP) 比較情報》

《①JP 対応数値》

92-2JP.比較情報が対応数値として表示される場合、業務実施者は、第92-3JP項、第92-4JP項及び第

92-6JP項に記載されている場合を除き、結論において対応数値に言及してはならない。

92-3JP.以前に発行した前年度のレビュー報告書又は監査報告書において除外事項付結論又は意見

が表明されており、かつ当該除外事項付結論又は意見の原因となった事項が未解消の場合、業務

実施者は、当年度の財務諸表に対して除外事項付結論を表明しなければならない。

業務実施者は、レビュー報告書の除外事項付結論の根拠区分において、以下のいずれかを記載

しなければならない。

(1) 当該事項が当年度の数値に及ぼす影響又は及ぼす可能性のある影響が重要である場合、除外

事項付結論の原因となった事項の説明において、当年度の数値と対応数値の両方に及ぼす影響

について記載する。

(2) 上記以外の場合には、当年度の数値と対応数値の比較可能性の観点から、未解消事項が及ぼ

す影響又は及ぼす可能性のある影響を勘案した結果、除外事項付結論が表明されている旨を記

- 22 -

レビュー実 2400

載する。

92-4JP.業務実施者は、以前に無限定の結論又は意見が表明されている前年度の財務諸表に重要な

虚偽表示が存在するという証拠を入手したが、対応数値が適切に修正再表示されていない又は開

示が妥当ではない場合、当年度の財務諸表に対するレビュー報告書において、当該財務諸表に含

まれる対応数値に関する除外事項付結論として、限定付結論又は否定的結論を表明しなければなら

ない。

92-5JP.前年度の財務諸表を前任者がレビュー又は監査しており、レビュー報告書において前任者

が対応数値をレビュー又は監査している旨及びその結論又は意見を記載することが法令等によっ

て禁止されておらず、かつ業務実施者がそれを記載することにした場合、業務実施者は、レビュー

報告書のその他の事項区分に、以下の事項を記載しなければならない。

(1) 前年度の財務諸表は、前任者によりレビュー又は監査された旨

(2) 前任者が表明した結論又は監査意見の類型、及び、除外事項付結論又は意見が表明されてい

た場合にはその理由

(3) 前任者のレビュー報告書又は監査報告書の日付

92-6JP.前年度の財務諸表がレビュー又は監査のいずれも実施されていない場合、業務実施者は、レ

ビュー報告書のその他の事項区分に、その旨を記載しなければならない。

《②JP 比較財務諸表》

92-7JP.比較情報が比較財務諸表として表示される場合、業務実施者は、財務諸表の表示期間に含ま

れるそれぞれの年度に関して結論を表明しなければならない。

92-8JP.当年度のレビュー業務に関連して前年度の財務諸表に対して結論を表明する場合において、

前年度の財務諸表に対する結論が、以前に表明した結論と異なる場合には、業務実施者は、その他

の事項区分で、結論が異なる理由を記載しなければならない。

92-9JP.前年度の財務諸表を前任者がレビュー又は監査している場合、前年度の財務諸表に対する

前任者のレビュー報告書又は監査報告書が当年度の財務諸表とともに再発行される場合を除き、

業務実施者は、当年度の財務諸表に対する結論に加えて、その他の事項区分に、以下の事項を記載

しなければならない。

(1) 前年度の財務諸表は、前任者によりレビュー又は監査された旨

(2) 前任者が表明した結論又は監査意見の類型及び除外事項付結論又は意見が表明されていた場

合にはその理由

(3) 前任者のレビュー報告書又は監査報告書の日付

92-10JP.業務実施者は、前任者が以前に無限定の結論又は無限定意見を表明した前年度の財務諸表

に影響を及ぼす重要な虚偽表示が存在すると判断する場合、当該虚偽表示について適切な階層の

経営者及び必要に応じて監査役等に報告するとともに、前任者を含め三者間で協議するよう求め

なければならない。

前年度の財務諸表が訂正され、前任者が、訂正された前年度の財務諸表に対して新しいレビュ

ー報告書又は監査報告書を発行することに同意する場合、監査人は、当年度の財務諸表のみに結

論を表明しなければならない。

- 23 -

レビュー実 2400

92-11JP.前年度の財務諸表がレビュー又は監査のいずれも実施されていない場合、業務実施者は、

レビュー報告書のその他の事項区分に、その旨を記載しなければならない。

《13.調書》

93.調書は、レビュー業務が本実務指針及び関連する法令等の要求事項に準拠して実施された証拠

を提供するとともに、レビュー報告書を発行するための基礎を得たことを示す十分かつ適切な記

録となる。

業務実施者は、経験豊富な業務実施者が、以前に当該レビュー業務に関与していなくとも以下

の事項を理解できるように、適時に調書を作成しなければならない(A151項参照)。

(1) 本実務指針及び適用される法令等に準拠して実施した手続の種類、時期及び範囲

(2) 手続を実施した結果、及び当該結果に基づいて形成された業務実施者の結論

(3) レビュー業務の実施過程で生じた重要な事項、その結論及びその際になされた職業的専門家

としての重要な判断

(4) 職業倫理に関する規定の遵守に関して識別された問題及びその問題の解決方法

(5) レビュー業務に適用される独立性の遵守に関する結論及びそれらの結論を裏付ける監査事務

所の適切な者との討議

(6) レビュー契約の新規の締結及び更新に関して到達した結論

(7) レビュー業務の期間中に行われた専門的な見解の問合せの内容及び範囲並びに得られた見解

94.業務実施者は、本実務指針に準拠して実施した手続の種類、時期及び範囲の文書化において、以

下の事項を記録しなければならない。

(1) 手続を実施した者及びその完了日

(2) 査閲をした者、査閲日及び査閲の対象

95.業務実施者は、レビュー業務の実施過程で生じた重要な事項の内容、当該事項に対するレビュー

手続の実施に関して、経営者、監査役等及びその他の者と実施した協議についても文書化しなけ

ればならない。

96.業務実施者は、レビュー業務の実施過程において、財務諸表に影響を及ぼす重要な事項に関する

発見事項と矛盾した情報を識別した場合には、業務実施者がどのようにその矛盾した情報に対応

したかについて、文書化しなければならない。

96-2JP.審査担当者は、審査を実施したレビュー業務に関して、以下の事項を文書化しなければなら

ない。

(1) 審査に係る監査事務所の方針で求められる手続が実施されたこと。

(2) レビュー報告書日以前に審査が完了したこと。

(3) 審査担当者が、業務チームが行った重要な判断とその結論が適切でないと判断した事項がな

かったこと。

96-3JP.業務実施者は、業務実施者のレビュー報告書日後、適切な期限内に、業務ファイルにおける

調書を整理し、業務ファイルの最終的な整理についての事務的な作業を完了しなければならない

(A151項参照)。

96-4JP.業務実施者は、業務ファイルの最終的な整理が完了した後、その保存期間が終了するまで、

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レビュー実 2400

いかなる調書であっても、削除又は廃棄してはならない。

96-5JP.業務ファイルの最終的な整理が完了した後に、既存の調書の修正又は新たな調書の追加が

必要となった場合には、その修正や追加の内容にかかわらず、業務実施者は、以下の事項を文書化

しなければならない。

(1) 修正又は追加が必要となった具体的理由

(2) 修正又は追加を実施した者及び実施日並びにそれらを査閲した者及び査閲日

《Ⅲ 適用指針》

《1.本実務指針の範囲》(第1項及び第2項参照)

A1.財務諸表のレビュー業務の実施に当たって、業務実施者は、法令等により、本実務指針に規定さ

れた要求事項とは異なる事項を遵守するよう要求されることがある。そのような状況において、

本実務指針が有用であることもあるが、その場合でも、関連する法令上の義務又は職業的専門家

としての義務のいずれも全て遵守する責任が業務実施者にはある。

A2.欠番

《(1) 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」との関係》(第4項参照)

A3.品質管理基準報告書第1号では、レビュー業務を含む、保証業務の品質管理システムの整備及び

運用する監査事務所の責任について規定しており、さらに、審査を要求するための方針又は手続

を整備する監査事務所の責任についても規定している。

また、品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」では、審査担当者の選任及び適格性、

並びに審査の実施及び文書化についての審査担当者の責任に関する実務上の指針を提供している。

品質管理システムは、以下の9項目の構成要素を対象としている。

(1) 監査事務所のリスク評価プロセス

(2) ガバナンス及びリーダーシップ

(3) 職業倫理及び独立性

(4) 契約の新規の締結及び更新

(5) 業務の実施

(6) 監査事務所の業務運営に関する資源

(7) 情報と伝達

(8) 品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス

(9) 監査事務所間の引継

監査事務所は、品質管理システムの構成要素を説明するために、異なる用語又は枠組みを用い

ることがある。

A4.品質管理基準報告書第1号では、レビュー業務の品質を合理的に確保するため、以下の事項に関

する品質管理システムを整備及び運用する監査事務所の目的について規定している。

(1) 監査事務所及び専門要員が、職業的専門家としての基準及び適用される法令等に従って自ら

の責任を果たすとともに、当該基準及び法令等に従ってレビュー業務を実施すること。

(2) 監査事務所又は業務実施者が状況に応じた適切なレビュー報告書を発行すること。

- 25 -

レビュー実 2400

A5.欠番

《2.財務諸表のレビュー業務》(第5項から第8項及び第 14 項参照)

A6.財務諸表のレビュー業務は、種類、規模又は財務報告の複雑性の程度が異なる様々な企業の財務

諸表を対象に実施されることがある。

A7.財務諸表のレビュー業務は、様々な状況で実施される。例えば、契約の条件に基づいて行われる

財務報告や資金調達のために行われる財務報告について、レビュー業務が任意で要請されること

もある。

《3.本実務指針の目的》(第 15 項参照)

A8.業務実施者は、以下のいずれにも該当する場合には、レビュー報告書において財務諸表に対する

結論を表明しないこととされている。

(1) 現実的な対応として、レビュー契約を解除できない場合

(2) 業務実施者が、十分かつ適切な証拠を入手できないために、財務諸表に対する結論を形成で

きず、かつ未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが財務諸表に及ぼす可能性のある影響

が、重要かつ広範であると業務実施者が判断する場合

A9.レビュー業務においては、以下を原因として、十分かつ適切な証拠を入手できない場合がある。

(レビュー範囲の制約)

(1) 企業の管理の及ばない状況

(2) 業務実施者の作業の種類又は実施時期に関する状況

(3) 経営者によるレビュー範囲の制約

A10.本実務指針は、業務実施者が、業務契約を締結する前又は業務の実施中にレビュー範囲の制約

に気付いた場合の要求事項と指針を提供している。

《4.定義》(第 16 項参照)

A11.欠番

A12.欠番

《限定的保証-十分かつ適切な証拠という表現の利用》(第17項(6)参照)

A13.十分かつ適切な証拠は、業務実施者の結論を裏付ける限定的保証を得るために必要である。証

拠の十分性とは、証拠の量的尺度をいい、必要とされる証拠の量は、重要な虚偽表示が生じる可能

性及び証拠の質によって影響を受ける。証拠の適切性とは、証拠の質的尺度をいい、結論の表明の

基礎となる証拠の適合性と証明力をいう。

証拠は、累積的な性質のものであり、主としてレビュー業務の実施過程で実施したレビュー手

続から入手する。

A13-2JP.限定的保証業務における保証水準は、一般的に幅があり、想定利用者の情報の信頼性を高

める程度が低いものから、合理的な保証にほぼ近いものまで様々なものがある。特定の業務にお

ける保証水準は、想定利用者が必要とする情報等を含む業務の状況に基づいた職業的専門家とし

- 26 -

レビュー実 2400

ての判断による。

《5.本実務指針に準拠したレビュー業務の実施》(第 18 項参照)

A14.本実務指針は、財務諸表のレビュー業務に関係する法令等に優先するものではない。法令等の

規定が本実務指針と異なる場合において、法令等のみに準拠して実施されたレビュー業務は、本

実務指針に準拠したものにはならないことがある。

《6.職業倫理に関する規定》(第 21 項参照)

A15.職業倫理に関する規定に含まれる倫理規則では、倫理上の基本原則を以下のとおり規定してい

る。

(1) 誠実性

(2) 客観性

(3) 職業的専門家としての能力及び正当な注意

(4) 守秘義務

(5) 職業的専門家としての行動

倫理上の基本原則は、職業的専門家に期待される行動の基準を定めている。

倫理規則の概念的枠組みは、職業的専門家が基本原則を遵守する上での阻害要因を識別及び評

価し、これに対処する際に適用することが求められているアプローチを定めている監査、レビュ

ー及びその他の保証業務においては、倫理規則が、それらの業務に関連する独立性の阻害要因に

ついて、概念的枠組みの適用により対処することを意図している。

A16.財務諸表のレビュー業務の場合、公共の利益の観点から、業務実施者は、レビュー対象である

企業に対して監査人と同様の独立性を保持することが職業倫理に関する規定によって要求されて

いる(倫理規則第8項参照)。倫理規則は、精神的独立性と外観的独立性の双方の保持を規定して

いる。業務実施者は、企業に対して独立性を保持することにより、他の者からの不当な影響を受け

ることなく結論を形成することができる。また、業務実施者は、独立性を保持することにより、誠

実に行動し、客観性と職業的専門家としての懐疑心を保持することができる。

《7.職業的専門家としての懐疑心及び判断》

《(1) 職業的専門家としての懐疑心》(第22項参照)

A17.職業的専門家としての懐疑心は、レビュー業務における証拠を批判的に評価するために必要で

ある。職業的専門家としての懐疑心には、証拠の矛盾や、記録や証憑書類の信頼性、又は経営者や

監査役等から入手した質問への回答又はその他の情報の信頼性について、鵜呑みにしないことが

含まれている。また、個々の状況に照らして、入手した証拠の十分性と適切性について検討するこ

とが含まれる。

A18.職業的専門家としての懐疑心は、例えば、以下について注意を払うことを含む。

・ 入手した他の証拠と矛盾する証拠

・ 証拠として利用する記録や証憑書類又は質問に対する回答の信頼性に疑念を抱かせるような

情報

- 27 -

レビュー実 2400

・ 不正の可能性を示す状況

・ 追加的な手続を実施する必要があることを示唆する状況

A19.レビュー業務の実施過程を通じて職業的専門家としての懐疑心を保持することは、例えば、業

務実施者が以下のリスクを抑えるために必要である。

・ 通例でない状況を見落とすリスク

・ 入手した証拠について十分な検討をせずに一般論に基づいて結論を導いてしまうリスク

・ 実施するレビュー手続の種類、時期及び範囲の決定並びにその結果の評価において不適切な

仮定を使用するリスク

A20.業務実施者が、過去の経験に基づいて、経営者及び監査役等は信頼が置ける、又は誠実である

と認識していたとしても、それによって職業的専門家としての懐疑心を保持する必要性が軽減さ

れるわけではなく、また、レビュー業務の目的を達成するのに不十分な証拠に依拠することが許

容されるわけでもない。

《(2) 職業的専門家としての判断》(第23項参照)

A21.職業的専門家としての判断は、レビュー業務の適切な実施に必要不可欠なものである。これは、

関連する職業倫理に関する規定及び本実務指針の要求事項を解釈し、レビュー業務の実施過程を

通じて要求される十分な情報に基づく判断を行う際に、関連する知識と経験を事実と状況に対し

て適用することが必要なためである。

職業的専門家としての判断は、特に、以下において必要になる。

・ 重要性の決定

・ 本実務指針の要求事項を満たし、証拠を収集するために実施する手続の種類、時期及び範囲の

決定

・ 実施された手続から入手した証拠により、個々の業務の状況において受け入れることができ

る程度に保証業務リスクを抑えられるかどうかの評価

・ 適用される財務報告の枠組みを適用する際の経営者の判断の考慮

・ 入手した証拠に基づく財務諸表に対する結論の形成(財務諸表の作成において経営者が行う

見積りの合理性の考慮を含む。)

A22.業務実施者に期待される職業的専門家としての判断は、研修及び経験を通じて、合理的な判断

を行うのに必要な能力や知識(保証業務の技能及び技法を含む。)を身に付けた業務実施者により

行われる。専門性が高く、判断に困難が伴う事項や見解が定まっていない事項に関して、業務の実

施中に業務チーム内及び業務チームと監査事務所内外の適切な者との間で専門的な見解の問合せ

を実施することは、業務実施者が十分な情報を得た上で合理的な判断を行うのに役立つ。

A23.業務実施者は、個々の業務において、自身が知っている事実と状況に基づいて、職業的専門家

としての判断を行う。事実と状況には以下が含まれる。

・ 企業の過年度の財務諸表に対して実施した業務から得られた知識(該当する場合)

会計システムを含む企業及び企業環境と、企業の属する産業において適用される財務報告の

枠組みの適用に関する業務実施者の理解

・ 財務諸表の作成と表示において経営者の判断を必要とする程度

- 28 -

レビュー実 2400

A24.職業的専門家としての判断は、本実務指針及び会計の基準(適用される財務報告の枠組み)を

適切に適用し、レビュー報告書日までに業務実施者が認識した事実と状況に照らして適切かつ整

合的に行われる。

A25.職業的専門家としての判断は、レビュー業務の過程を通じて行われることが必要であり、また、

本実務指針の要求事項に準拠して適切に調書に記載されることが必要である。職業的専門家とし

ての判断は、事実や状況又は入手した証拠による裏付けのない判断を正当化するために利用され

るものではない。

《8.業務レベルの品質管理》(第 24 項及び第 25 項参照)

A26.保証業務の技能及び技法には、以下が含まれている。

・ 証拠の入手と評価を含め、レビュー業務の計画と実施において、職業的専門家としての懐疑心

を保持し、職業的専門家としての判断を行うこと。

・ 情報システム並びに内部統制の役割及び限界を理解すること。

・ 重要性及び保証業務リスクの検討と、レビュー手続の種類、時期及び範囲を関連付けること。

・ 質問及び分析的手続に加え、必要に応じて、他の種類の手続をレビュー業務に適用すること。

他の種類の手続には、書面や電磁的記録の閲覧、再計算、再実施、観察、確認などが含まれるこ

とがある。

・ 体系的な調書の作成

・ レビュー報告書の作成能力

A27.監査事務所の品質管理システムにおいて、業務チームは、個々のレビュー業務に関連する品質

管理の方針又は手続を適用するとともに、品質管理システムを支援するために監査事務所の方針

又は手続によって伝達することが求められるレビュー業務から生じた情報を監査事務所に提供す

る責任を有する。

A28.個々のレビュー業務の品質の管理と達成に全体的な責任を負う業務執行責任者の行動及び業務

チームのメンバーへの適切なメッセージでは、以下の事項が強調される。

(1) 以下の事項に関するレビュー業務の品質の重要性

① 職業的専門家としての基準及び法令等を遵守してレビュー業務を実施すること。

② 監査事務所の品質管理の方針又は手続を遵守すること。

③ 状況に応じた適切なレビュー報告書を発行すること。

④ 業務チームが不服と疑義の申立てを行う場合でも不当な取扱いを受けることはないこと。

(2) レビュー業務の実施において品質が重視されること。

A29.業務チームは、通常、以下の場合を除き、監査事務所の品質管理システムに依拠することがで

きる。

・ 業務チームの理解又は実務上の経験により、監査事務所の方針又は手続が、業務の内容及び状

況に効果的に対処しないことが示される場合

・ 監査事務所又は第三者から当該方針又は手続が有効ではない旨の通知がある場合

例えば、業務チームは、以下に関して、監査事務所の品質管理システムに依拠できる。

・ 専門要員の適性及び能力を確保するための採用及び研修

- 29 -

レビュー実 2400

・ 独立性を評価するための独立性に関する情報の蓄積や伝達

・ 関与先との契約を締結又は更新するための契約の締結及び更新に関する監査事務所の方針

又は手続

・ 法令等を遵守するための監査事務所のモニタリング及び改善プロセス

監査事務所の品質管理システムの識別された不備が、レビュー業務に影響を与える可能性を検

討する場合、業務執行責任者は、当該不備に対処するために監査事務所が講じた是正措置を考慮

することがある。

A30.監査事務所が定めた品質管理システムに不備が存在した場合であっても、レビュー業務が職業

的専門家としての基準及び適用される法令等を遵守して実施されなかったこと、又はレビュー報

告書が適切ではなかったことを必ずしも示すものではない。

《(1) 業務チームの選任》(第25項(2)参照)

A31.業務チームに期待される適切な適性及び能力を検討する場合、業務執行責任者は、以下の事項

を考慮することがある。

・ 業務の内容と複雑さの程度が類似したレビュー業務への従事及び適切な訓練を通じて得られ

たレビュー業務の理解の程度並びにこれまでの実務経験

・ 職業的専門家としての基準及び適用される法令等についての理解

・ ITの知識及び会計又は保証業務の特定の領域を含む専門的知識

・ 関与先が属する産業に関する知識

・ 職業的専門家としての判断能力

・ 監査事務所の定める品質管理に関する方針又は手続についての理解

《(2) レビュー契約の新規の締結及び更新》(第25項(4)①参照)

A32.品質管理基準報告書第1号は、レビュー契約の新規の締結及び更新に対処する品質目標を設定

することを監査事務所に求めている。

業務執行責任者が関与先とレビュー契約の新規の締結又は更新に関する監査事務所の方針又は

手続に従ったこと及び到達した結論が適切であるかどうか判断する際に有用となる情報には、以

下が含まれることがある。

・ 主な株主、主な経営者及び監査役等の誠実性

・ 当年度又は過年度におけるレビュー業務の実施中に生じた重要な事項と、それらが契約の更

新の判断に与える影響

A33.経営者の誠実性に疑念を抱かせる情報があり、業務執行責任者がレビュー業務の適切な実施に

影響を及ぼす可能性があると判断した場合には、そのような状況にある関与先の財務諸表に関与

することは不適切となるおそれ(倫理規則の誠実性の原則を遵守できないおそれ)があるため、当

該レビュー契約の新規の締結は、適切でない。

《(3JP) 審査》(第27-3JP項参照)

A33-2JP.審査において、審査担当者は、以下の事項を検討することがある。

- 30 -

レビュー実 2400

(1) 独立性に関する業務チームの評価

(2) レビュー業務上の判断の相違、又は専門性が高く判断に困難が伴う事項や見解が定まってい

ない事項について適切な専門的な見解の問合せが行われたかどうか、及び専門的な見解の問合

せから得られた結論

(3) 重要な判断に関する調書には、実施した手続とその結論が適切に記載されているかどうか。

《9.レビュー契約の新規の締結及び更新》(第 29 項参照)

A34.業務実施者は、レビュー期間中、状況の変化に応じて、レビュー契約の新規の締結並びに更新

の可否及び独立性を含む関連する職業倫理に関する規定により要求される事項を検討する。レビ

ュー契約の新規の締結及び更新並びに独立性を含む関連する職業倫理に関する規定についてレビ

ュー業務の開始時に検討することで、他の重要なレビュー手続の実施に先立って、業務実施者は

その判断や行動に有用な情報を入手する。特に、初年度レビュー業務で前任者が存在する場合に

は、業務実施者の交代に際して倫理規則R320.8項に基づいて適切に業務の引継を行うことにより、

レビュー契約の締結の可否の判断及びレビュー業務を実施する上で有用な情報を入手する。前任

者の調書を閲覧するかどうかは職業的専門家としての判断による。

《(1) レビュー契約の新規の締結及び更新に影響を及ぼす要因》(第29項参照)

A35.レビュー業務を含め、保証業務は、業務実施者の目的の達成につながる以下の要件を満たす場

合にのみレビュー契約を新規に締結できる。

(1) 倫理規則(例えば、独立性や業務チームの専門業務を実施する能力)が遵守されていること。

(2) 実施する保証業務が以下の要件を全て満たしていること。

① 主題が適格性を有していること。

② 主題を評価又は測定するための適切な規準が存在し、その規準は想定利用者が利用可能で

あること。

③ 業務実施者が結論の裏付けとなる十分かつ適切な証拠を入手できる状況であること。

④ 業務実施者の結論が書面又は電磁的記録により報告されること。

⑤ 業務実施者の実施する手続が合理的に遂行されるものであること(もし実施する手続の範

囲に重要な制限がある場合は、合理的に遂行されるものとはいえない。)。

《① 業務の合理性》(第29項(1)参照)

A36.例えば、以下の場合には、通常、当該レビュー業務に合理的な目的があるとは判断できない。

(1) 業務実施者の作業の範囲に重大な制約がある。

(2) 業務実施者の名称と財務諸表が不適切な方法で結び付けられる疑念がある。

(3) 業務は、関連する法令等の遵守を目的としているが、当該法令等は、財務諸表が監査されるこ

とを要求している。

《② レビュー業務を選択する適切性》(第29項(2)参照)

A37.業務実施者の予備的な理解の結果、レビュー業務が状況において適切でないと判断した場合、

- 31 -

業務実施者は、別の種類の業務の提案を検討することがある。状況に応じて、例えば、業務実施者

は監査業務の実施がレビュー業務より適切であると判断することがある。また、保証業務が実施

できない場合には、必要に応じて、業務実施者は調製業務やその他の業務を提案することもある。

レビュー実 2400

《③ レビュー業務の実施に必要な情報》(第29項(4)参照)

A38.例えば、分析的手続を実施するために必要な会計記録が、相当程度、不正確又は不完全である

と疑われる場合、レビュー業務の実施に必要な情報が入手できないか、信頼できない可能性があ

る。ただし、レビュー業務の実施過程で経営者の作成する財務諸表を確定するために修正仕訳を

要求する必要が生じることがあるが、そのような状況は、レビュー業務の実施に必要な情報が入

手できないか、信頼できない可能性がある状況には通常該当しない。

《(2) レビュー契約の新規の締結及び更新の前提条件》(第30項参照)

A39.本実務指針に従い、業務実施者は、レビュー契約を新規に締結又は更新する前に、企業が管理

する事項で、経営者との合意が必要となる事項(又は前提条件)について確かめることが求められ

ている。

《① 適用される財務報告の枠組み》(第30項(1)参照)

A40.保証業務の契約を締結するためには、主題(関連する場合、表示及び開示を含む。)の評価又は

測定の規準が適切であり、想定利用者に利用可能である必要がある。本実務指針においては、適用

される財務報告の枠組みが、業務実施者が財務諸表をレビューするために用いる規準となる。財

務報告の枠組みは、適正表示の枠組みであることもあれば、準拠性の枠組みであることもある。財

務諸表の様式と内容(完全な一組の財務諸表の構成を含む。)は、適用される財務報告の枠組みに

より決定される。

《ア.適用される財務報告の枠組みの受入可能性》

A41.財務報告の枠組みが受入可能なものでなければ、経営者は財務諸表の作成に対する適切な基礎

を、業務実施者は財務諸表のレビュー業務のための適切な規準を有しないことになる。

A42.財務諸表に適用される財務報告の枠組みの受入可能性に関する業務実施者の判断は、誰が想定

される財務諸表の利用者であるかに関する業務実施者の理解を踏まえて行われる。業務実施者は、

特に想定利用者の他にレビュー報告書を入手し得る者が多数存在する場合には、当該報告書の全

ての読者を識別できないことがある。

A43.多くの場合は、業務実施者は、反証がない限り、適用される財務報告の枠組みについて受入可

能なものであると推定できる。例えば、法令等で企業の一般目的の財務諸表の作成において利用

することが規定されている財務報告の枠組みは受入可能なものであると推定できる。

A44.財務諸表の作成において適用される財務報告の枠組みが受入可能なものかどうかについて業務

実施者が判断する際に、以下のような要素を考慮することがある。

・ 企業の特性(例えば、企業は営利企業か非営利組織か。)

・ 財務諸表の目的(例えば、広範囲の利用者に共通する財務情報に対するニーズを満たすことを

- 32 -

レビュー実 2400

目的として作成される財務諸表であるか、又は特定の利用者の財務情報に対するニーズを満た

すことを目的として作成される財務諸表であるか。)

・ 財務諸表の特性(例えば、完全な一組の財務諸表であるか、個別の財務表(例えば貸借対照表)

であるか。)

・ 適用される財務報告の枠組みが法令等に規定されているかどうか。

A45.財務諸表の作成に用いられる財務報告の枠組みが財務諸表の目的から考えて受入可能でなく、

業務実施者が受入可能と判断した財務報告の枠組みを利用することに経営者が同意しない場合に

は、業務実施者は、本実務指針に従い、レビュー契約を新規に締結又は更新しないことが求められ

る。

A46.業務実施者は、レビュー契約の締結後、適用される財務報告の枠組みについて受入可能なもの

でないことを示す不備を発見することがある。当該枠組みを利用することが法令等に規定されて

いない場合、経営者は、受入可能な他の財務報告の枠組みの採用を決定することがある。経営者が

他の財務報告の枠組みの採用を決定する場合、業務実施者は、本実務指針に従って、適用される財

務報告の枠組みの変更を反映するため、レビュー業務の契約条件の変更について経営者と合意す

る。

《② 経営者の責任》(第30項(2)及び第37項(5)参照)

A47.レビュー業務の対象である財務諸表は、会社法における一般的な機関設計を前提とすると、取

締役会による監督及び監査役等による監査の下で、経営者が作成するものである。本実務指針は、

経営者及び監査役等の責任を定めるものではなく、また経営者及び監査役等の責任を規定する法

令等に優先するものではない。ただし、本実務指針に準拠したレビュー業務は、経営者がレビュー

実施の基礎となる経営者の責任を認識しているという前提に基づいて実施される。財務諸表のレ

ビュー業務は、経営者及び監査役等のこれらの責任を軽減するものではない。

A48.財務諸表の作成に対する責任の一環として、経営者は状況に応じた合理的な会計上の見積りを

行い、適切な会計方針を選択及び適用する必要があるが、この際、経営者には判断が要求される。

これらの判断は、適用される財務報告の枠組みに照らして行われる。

A49.財務諸表のレビュー業務実施の基礎となる経営者の責任に関する前提は重要であるため、業務

実施者は、本実務指針に従って、レビュー契約を新規に締結する前に、経営者がその責任を理解し

ていることについて、経営者と合意することが求められる。業務実施者は、口頭、書面又は電磁的

記録で経営者と合意することがあるが、当該合意内容は契約条件に記載される。

A50.経営者が財務諸表に関する責任を認識していない場合には、レビュー契約を新規に締結又は更

新することは適切ではない。

《(3) 法令等によりレビュー報告書の用語が規定されている場合の追加的な考慮事項》(第34項及び

第35項参照)

A51.本実務指針は、レビュー業務に関する本実務指針の全ての要求事項を遵守しない限り、本実務

指針に準拠した旨を記載してはならないことを業務実施者に要求している。

以下のような場合は法令で要求されない限り、通常であれば業務実施者が業務を辞退すること

- 33 -

レビュー実 2400

になる。

・ 業務実施者が、法令等が規定する財務報告の枠組みが受入可能でないと考える場合

・ 規定されたレビュー報告書の様式や用語が、本実務指針が要求する様式や用語と著しく異な

る場合

このような場合に法令等に準拠して実施されるレビュー業務は、本実務指針に準拠したもので

はないため、業務実施者は、レビュー報告書に、本実務指針に準拠して実施されたレビュー業務で

あることを示すような記載を行うことはできない。ただし、そのような場合であっても、業務実施

者は、実施可能な限り、本実務指針を適用することが奨励される。業務実施者は、誤解を避けるた

めに、レビュー報告書にレビュー業務が本実務指針に準拠して実施されたものではない旨の記載

を行うことを検討することがある。

《(4) レビュー業務の契約条件に関する合意》

《① 業務契約書又は他の形式による合意書》(第37項参照)

A52.レビュー業務の開始前に契約書を締結することは、レビュー業務に対する誤解を避ける上で、

企業及び業務実施者の双方にとって有益である。

《② レビュー契約書の様式及び内容》

A53.レビュー契約書の様式及び内容は、契約によって異なる場合がある。契約書には、本実務指針

により要求される事項に加えて、例えば、以下の事項を記載することがある。

・ レビュー業務に、他の業務実施者や専門家を関与させることに関する取決め

・ 初年度レビュー業務で前任者が存在する場合、前任者との業務の引継に関する取決め

・ レビュー業務は、法定監査を代替するものではない旨

・ 経営者確認書の入手が予定されている旨

・ 経営者がレビュー報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に知るところとなった、財

務諸表に影響を及ぼす可能性のある事実を業務実施者に通知することについての経営者の同意

A54.欠番

A55.欠番

A56.欠番

《③ 継続的レビュー業務》(第38項参照)

A57.業務実施者は、事業年度ごとに新規のレビュー契約書を取り交わすことにより、契約条件を見

直し、現行の契約条件を経営者との間で再確認することができるため、事業年度ごとに新規のレ

ビュー契約書を取り交わすことが適切であるが、場合によっては、業務実施者は、事業年度ごとに

新規のレビュー契約書を取り交わさないことがある。

しかし、以下の要因がある場合には、レビュー業務の契約条件を変更すること又は現行の契約

条件の再確認を企業に求めることが適切である。

・ 企業がレビュー業務の目的及び範囲を誤解している兆候

・ レビュー業務の契約条件の変更又は特約

- 34 -

レビュー実 2400

・ 上級経営者の交代

・ 株主等の重要な異動

・ 事業内容又は規模の重要な変化

・ 法令等の変更

・ 適用される財務報告の枠組みの変更

《(5) レビュー業務の契約条件の変更の受諾》

《① レビュー業務の契約条件の変更の要請》(第39項参照)

A58.企業による業務実施者に対するレビュー業務の契約条件変更の要請は、レビュー業務の必要性

に影響を及ぼす状況の変化、当初依頼したレビュー業務の性質に関する誤解、又は経営者若しく

は他の状況によるレビュー範囲の制約の要因から生じることがある。

A59.企業の遵守すべき要求事項に影響を及ぼす状況の変化や、当初依頼したレビュー業務の性質に

関する誤解は、レビュー業務の契約条件の変更を要請する合理的な根拠と判断できることがある。

A60.一方、情報が不正確、不完全又は不十分であることによる契約条件の変更は、合理的であると

は言えないことがある。例えば、業務実施者が全体としての財務諸表における重要な項目に関し

て十分かつ適切なレビュー証拠を入手できない場合において、業務実施者が除外事項付結論を表

明することを避けるため、経営者がレビュー業務から合意された手続業務又は財務諸表等の調製

業務に変更するよう求めることが挙げられる。

《② 業務内容を変更することの要請》(第40項参照)

A61.本実務指針に準拠したレビュー業務を実施する契約を締結した業務実施者は、レビュー業務か

ら合意された手続業務又は財務諸表等の調製業務等他の種類の業務に変更することに合意する前

に、本実務指針に記載されている事項に加えて、変更による法令等又は契約上の影響を評価しな

ければならない場合がある。

A62.業務実施者が、レビュー業務を合意された手続業務又は財務諸表等の調製業務等他の種類の業

務に変更する正当な理由があると判断した場合において、変更の日までに実施したレビュー手続

が変更後の業務にも関連していることがある。しかし、実施される手続及び発行される報告書は、

変更後の業務にとって適切なものでなければならない。

利用者の混乱を避けるため、合意された手続実施結果報告書又は財務諸表等の調製業務の報告

書等他の業務の結果報告書には、以下のいずれの事項も記載してはならない。

(1) 当初のレビュー契約

(2) 当初のレビュー契約において実施された手続。ただし、レビュー業務から合意された手続業

務に変更され、実施した手続についての記述が合意された手続実施結果報告書の当然の一部と

なる場合は除く。

《10.経営者及び監査役等とのコミュニケーション》(第 42 項参照)

A63.レビュー業務では、業務実施者は以下の方法により経営者及び監査役等とコミュニケーション

を行う。

- 35 -

レビュー実 2400

(1) 業務実施者がレビュー手続を実施する過程で行う質問

(2) レビュー業務に関連した事項を理解し、効果的な連携をもたらすような関係を構築するため

の有効な双方向のコミュニケーション

A63-2JP.本実務指針に基づいて行われる監査役等とのコミュニケーションは、監査役等とレビュー

対象となる財務諸表との関係、特に、監査役等が当該財務諸表の作成を監視する責任を有するか

どうかを勘案して行われる。

A64.コミュニケーションの適切な時期は、個々の業務の状況によって様々であり、コミュニケーシ

ョンを行う事項の重要性とその内容、並びに経営者及び監査役等が講じることが予想される措置

により影響を受ける。例えば、レビュー期間中に直面した困難な状況に対処するために経営者及

び監査役等が業務実施者を支援できる場合には、速やかにコミュニケーションを行うことが適切

なことがある。

A65.国によっては、法令等により、業務実施者が一定の事項について統治責任者にコミュニケーシ

ョンを行うことが制限されている場合がある。例えば、法令等により、違法行為又はその疑いのあ

る行為について、適切な機関による調査を害するおそれのあるコミュニケーションやその他の行

為の実施を明確に禁止していることがある。そのような業務実施者の守秘義務とコミュニケーシ

ョンの義務の間に複雑な対立がある状況においては、業務実施者は法律専門家に助言を求めるこ

とを検討することがある。

《(1) レビュー業務に関してコミュニケーションを行う事項》

A66.本実務指針により経営者及び必要に応じて監査役等にコミュニケーションを行う事項には、以

下が含まれることがある。

・ レビュー契約書又はその他の適切な形式による合意書に記載されているレビュー業務におけ

る業務実施者の責任

・ 例えば以下のようなレビュー業務上の重要な発見事項

会計方針、会計上の見積り及び財務諸表の開示を含む、企業の会計実務の質的側面のうち重

要なものについての業務実施者の見解

- 実施した手続に基づく重要な発見事項。これには、業務実施者が本実務指針に基づき追加的

な手続の実施が必要と判断した状況が含まれる。

業務実施者は、特定の取引又は事象に関連する事実と状況について監査役等に質問し、監査

役等の理解が業務実施者と同じであるという確認が必要になることがある。

- 除外事項付結論につながる可能性のある事項

- レビュー業務期間中に直面した以下のような困難な状況

① 想定していた情報又は証拠が入手できないこと。

② 経営者が業務実施者に制約を課すこと。

これらの困難な状況は、経営者及び監査役等が対処しなかった場合には、レビュー範囲の制

約となり、除外事項付結論の表明又はレビュー契約の解除につながることがある。

A67.経営者は、ガバナンスに関する事項について監査役等から報告を求められることがある。経営

者による報告は、業務実施者が監査役等とのコミュニケーションを行うかどうかの判断には影響

- 36 -

レビュー実 2400

を与えないが、コミュニケーションの方法や時期に影響を与えることがある。

《(2) 第三者への提示》

A68.欠番

A69.監査役等は、業務実施者からのコミュニケーションのための書面又は電磁的記録の写しを、例

えば、銀行や規制当局等の第三者に提示しようとする場合があるが、第三者への提示は、不適切と

なるか又は制限されていることがある。

監査役等とのコミュニケーションのために作成した書面又は電磁的記録が第三者に提示される

場合、業務実施者は、例えば、当該書面又は電磁的記録に以下の事項を記載することにより、それ

が第三者を念頭に置いて作成されていないことを当該第三者に知らせることが重要である。

(1) 書面又は電磁的記録によるコミュニケーションは、監査役等及び該当する場合にはグループ

経営者とグループ監査人による利用のみのために作成されており、第三者が依拠すべきもので

はないこと。

(2) 業務実施者は第三者に対して何ら責任を負わないこと。

(3) 第三者への提示又は配布は制限されていること。

《11.業務の実施》

《(1) 財務諸表のレビュー業務における重要性》(第43項参照)

A70.財務諸表の作成と表示における重要性の概念については、一般的には、以下のように考えられ

ている。

・ 脱漏を含む虚偽表示は、個別に又は集計すると、当該財務諸表の利用者の経済的意思決定に影

響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

・ 重要性の判断は、それぞれの状況を考慮して行われ、虚偽表示の金額又は内容による影響を受

ける。

・ ある事項に関する重要性の判断は、財務諸表の一般的な利用者が有する財務情報に対する共

通のニーズを勘案して行われる。財務情報の利用者には様々なニーズがあるものの、ごく限ら

れた特定の利用者にしか影響を及ぼさないであろう事項に関する虚偽表示は考慮されない。

A71.適用される財務報告の枠組みにおいて重要性の概念が説明されている場合には、業務実施者が

レビュー業務の重要性の基準値を決定する際に参考となる。説明がされていない場合には、A70項

に記載された一般的な説明が参考となる。

A72.業務実施者の重要性の決定は、職業的専門家としての判断事項であり、想定される財務諸表の

利用者が有する財務情報に対するニーズについての業務実施者の認識によって影響を受ける。

業務実施者は、通常、財務諸表の利用者として以下を想定している。

・ 事業活動、経済活動及び会計に関する合理的な知識を有し、真摯に財務諸表上の情報を検討す

る意思を有している。

・ 財務諸表が重要性を考慮して作成、表示及びレビューされることを理解している。

・ 見積り、判断及び将来事象の考慮に基づく金額の測定には、不確実性が伴うものであることを

認識している。

- 37 -

レビュー実 2400

・ 財務諸表上の情報に基づいて合理的な経済的意思決定を行う。

特別目的の財務諸表のレビュー業務の場合、このような重要性の判断は、想定される財務諸表

の利用者の財務情報に対するニーズを勘案して行われることになる。

A73.財務諸表全体において何が重要であるかに関する業務実施者の判断は、提供する保証水準が合

理的保証であるか限定的保証であるかにかかわらず、同一である。

《①JP 期中財務諸表のレビュー業務における重要性》

A73-2JP.期中財務諸表が利用される状況には様々なケースがあることから、期中財務諸表のレビュ

ー業務における重要性の決定は、年度の財務諸表のレビュー業務よりも複雑となる場合がある。

期中財務諸表が単独で利用される場合は、期中財務諸表のレビュー業務における重要性の基準値

は、対象とする期中財務諸表の数値を用いて決定する。一方、期中財務諸表が年度の財務諸表との

関連で利用されている場合には、年度の財務諸表の数値を用いて期中財務諸表のレビュー業務に

おける重要性を決定することが適切な場合がある。

《② レビュー業務の進捗に伴う改訂》(第44項参照)

A74.業務実施者が決定した重要性の基準値は、以下のような事項の結果として、レビュー業務の実

施過程において改訂が必要になることがある。

・ レビュー業務の実施過程において生じた状況の変化(例えば、企業の主要な事業を処分する決

定など)

・ 新たな情報又は本実務指針に準拠したレビュー手続を実施した結果更新された企業及び企業

環境に関する業務実施者の理解(例えば、レビュー業務の実施過程において、企業の実績が、重

要性の基準値を当初決定する際に利用した期末の業績予測と大幅に乖離する可能性が高まった

場合など)

《(2) 企業及び企業環境等の理解》(第45項及び第46項参照)

A75.業務実施者は、本実務指針に準拠して、企業の財務諸表のレビュー業務を実施するために必要

となる企業及び企業環境の理解の程度を職業的専門家としての判断に基づいて決定する。業務実

施者が主として検討することは、その理解が、レビュー業務の目的に適合する十分なものである

かどうかである。業務実施者に求められる全体的な理解の程度は、経営者の理解の程度よりも低

いものとなる。

A76.企業及び企業環境の理解は、レビュー業務の実施過程を通じた継続的かつ累積的な情報の収集、

更新及び分析のプロセスである。業務実施者は、レビュー業務の実施過程を通じて企業及び企業

環境を理解し、それに基づき手続を実施し、状況の変化に応じて理解を更新する。

レビュー契約の新規の締結及び更新に関する当初の検討は、企業及び業務の状況に関する業務

実施者の予備的理解に基づいて行われる。既存の関与先についての業務実施者の理解には、企業

の財務諸表及びその他の財務情報に関して業務実施者が実施した、過去の業務から得た知識が含

まれる。

A77.企業及び企業環境の理解は、業務実施者がレビュー業務を計画し実施する際、また、レビュー

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レビュー実 2400

業務の実施過程を通じて職業的専門家としての判断を下す際の枠組みとなるものである。具体的

には、業務実施者が、重要な虚偽表示が生じる可能性の高い財務諸表の領域を識別し、当該領域に

関する手続の立案と実施に関するアプローチの基礎とするのに十分な理解を得ることが必要にな

る。

A78.企業及び企業環境並びに適用される財務報告の枠組みを理解するに当たり、業務実施者はまた、

以下の事項についても考慮することがある。

・ 企業が企業グループの構成単位か、それとも他の企業の関連企業か。

・ 財務報告の枠組みの複雑性

・ 企業の財務報告上の義務又は要求される事項

これらの義務又は要求される事項は、法令等によるものか、又は他の財務報告の取決め(例えば、

ガバナンス上の要請から定款に定めた規定や、第三者との契約上の取決めなど)によるものか。

・ 財務諸表上の重要な金額と開示の決定に直接影響を及ぼすものとして一般的に認識される、

法令等の関連規定(例えば、税金や年金の法令等など)

・ 財務諸表の作成の基礎となる企業の会計記録及び財務報告システムに対する管理と監視に関

する、企業の経営と統治の構造の整備の程度

小規模企業は、従業員が少数のため、経営者の監視方法に影響を及ぼすことがある。例えば、

職務の分離は実務上困難なことがある。しかし、オーナー経営の小規模企業では、オーナー経営

者(企業の所有者であり、かつ、日々の事業運営に関与している者)は、大規模企業に比べより

効果的に監督することが可能な場合があり、限られた職務の分離を補完することがある。

・ 企業が財務報告に関係するリスク及び財務報告上の義務の遵守に対処するための経営者の意

向及び姿勢並びに企業の統制環境

会計記録及び関連情報を保持するための企業の財務報告システム及び関連する内部統制の整

備及び複雑性の程度

・ 財務諸表及び関連する開示に含める情報を蓄積するために、取引を記録、分類及び集約する企

業の手続

・ 企業の過年度の財務諸表において会計上の修正が求められた事項の種類

《(3) 手続の立案及び実施》(第47項及び第55項参照)

A79.業務実施者が、全体としての財務諸表に対する結論の基礎として十分かつ適切な証拠を得るため

に必要であると考えて計画する手続の種類、時期及び範囲は、以下の事項によって影響を受ける。

(1) 本実務指針の要求事項

(2) 適用される法令等が要求する追加の報告責任

A80.業務実施者がグループ財務諸表のレビュー業務を行う場合は、レビュー業務において実施する

手続の種類、時期及び範囲は、グループ財務諸表レベルで本実務指針に記載されたレビュー業務

の目的が達成されるように計画される。

A81.質問及び分析的手続並びに特定の状況に対応する手続の立案と実施に関連する本実務指針の要

求事項は、業務実施者が本実務指針に明記された目的を達成できるように設定されている。

レビュー業務は様々な状況で実施されるため、業務実施者が、その他の手続の立案と実施が効

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レビュー実 2400

果的又は効率的であると判断することがある。例えば、業務実施者は、企業を理解する過程で重要

な契約に気付いた場合には、当該契約書の通読を実施することがある。

A82.業務実施者がその他の手続の実施が必要であると考えたとしても、全体としての財務諸表に関

して限定的保証を得るという業務実施者の目的は変わるものではない。

《① 重要な又は通例でない取引》

A83.業務実施者は、レビュー業務で特に留意を必要とする、重要な又は通例でない取引を識別する

ために、会計記録の閲覧の実施を検討することがある。

《② 質問》(第46項から第48項参照)

A84.レビュー業務において、質問は、業務実施者がその状況において適切と考える場合、経営者及

びその他の企業構成員に情報を求める手続を含んでいる。業務実施者は、適切な場合には、質問を

非財務データの入手にまで広げることがある。経営者の回答を評価することは、質問のプロセス

において不可欠である。

A85.質問は、個々の業務の状況に応じて、以下に関する質問を含むことがある。

・ 財務諸表に含まれる情報と開示に影響を及ぼす、株主総会、取締役会及び監査役等の決議と、

該当する場合にはその他の会議の議事録

・ 既に実施した又は実施が予定されている規制当局とのコミュニケーション

・ その他のレビュー手続の実施過程で生じている事項

業務実施者は、識別した矛盾に関する追加の質問を実施する際に、その他のレビュー手続の結

果と、企業及び企業が属する産業の知識と理解を踏まえ、経営者の回答の合理性と整合性を考慮

する。

A86.質問を通じて入手した証拠は、経営者の意思に関する証拠の主要な情報源となることが多い。

一方、経営者の意思を裏付ける利用可能な情報は限られていることがある。このような場合、経営

者がその意思を実行に移した過去の実績、特定の行動方針の選択に関して経営者が説明した理由、

及び特定の行動方針を遂行するための経営者の能力を理解することにより、質問により入手した

証拠を裏付ける関連情報を入手できることがある。

経営者の回答の評価における職業的専門家としての懐疑心の保持は、業務実施者が財務諸表に

重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項があるかどうかを評価する上で重要で

ある。

A87.質問の実施は、業務実施者が企業及び企業環境を理解し又はそれを更新する際に有用である。

これにより、重要な虚偽表示が生じる可能性の高い財務諸表の領域を識別することができる。

A88.業務実施者は、不正を含む、企業の違法行為について、法令や職業倫理に関する規定による追

加の責任を有することがある。例えば、倫理規則では、以下の要求事項が定められている。

(1) 違法行為又はその疑いに対処すること。これには以下を含む。

・ 経営者や監査役等との当該事項についてのコミュニケーション

・ 追加的な対応が必要かどうかの検討

(2) 違法行為又はその疑いを監査人(例えば、グループ監査責任者)に伝達すること(倫理規則

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レビュー実 2400

R360.31項から第360.35 A1項参照)。

(3) 違法行為又はその疑いについて文書化すること。

これらの追加の責任を遵守することによって、業務実施者は、本報告書に準拠した業務に関連

する詳細な情報(例えば、経営者や監査役等の誠実性に関する情報)を入手することがある。

《③ 継続企業の前提に関する質問》(第48項(6)参照)

A89.小規模企業の経営者は、継続企業の前提について特段の詳細な評価を行っていないことが多い

が、事業についての十分な知識や将来見通しに基づいて評価を行っていることがある。このよう

な状況では、経営者の評価が業務実施者の企業についての理解と矛盾しないかどうかの考慮を含

め、企業の中長期の見通し及び資金調達について経営者と協議するのが適切なことがある。

《④ 分析的手続》(第46項、第47項及び第49項参照)

A90.財務諸表のレビュー業務においては、分析的手続の実施は、以下の事項に関して有用である。

・ 重要な虚偽表示が生じる可能性が高い財務諸表の領域を識別可能にすることを含む、業務実

施者による企業及び企業環境の理解又はその更新

・ 財務諸表において、想定される傾向、推定値又は一般的な状況との不整合又は不一致の識別

(例えば、財務諸表と主要な業績評価指標を含む主要データとの整合性の程度)

・ 既に実施したその他の質問又はその他の分析的手続を補強する証拠の提供

・ 業務実施者が財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付い

た場合の追加的な手続。

これには、例えば、財務諸表の表示科目又は開示に含まれる財務情報に関する証拠を入手するた

めに実施する、事業部、支店又は他の構成単位との間の、月次収益と月次原価の比較分析がある。

A91.多様な手法が分析的手続を実施するために利用される。これらの手法は、単純な比較の実施か

ら統計的手法を用いた複雑な分析の実施まで多岐にわたる。

業務実施者は、例えば、財務データ相互間又は財務データ以外のデータと財務データとの間に

存在すると推定される関係を分析すること、並びに、異常な、又は想定される傾向や推定値と異な

る関係及び個別項目を識別する観点から推定値との整合性を評価することによって、財務諸表の

基礎となる財務情報を評価するために、分析的手続を適用することがある。

業務実施者は、計上された金額又は当該金額から算定された比率と、関連する情報源から入手

した情報から業務実施者が算定した推定値とを比較する。個々の業務の状況に応じて、業務実施

者が推定値を算定するため用いることが多い情報の情報源には、例えば以下が含まれる。

・ 既知の変化を考慮に入れた、比較可能な過年度の財務情報

・ 予測された営業及び財務成績に関する情報、例えば、予算や見込み(期中又は年次のデータに

基づく推定を含む。)

・ 期中における財務情報の要素間の関係

・ 企業が属する業界の情報(例えば、売上総利益の情報、又は企業の売掛金回転率についての業

界平均や同程度の規模の同業他社との比較)

・ 財務情報と、関連する非財務情報との関係(例えば、給与と従業員数)

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A92.業務実施者は、企業及び企業環境の理解に基づいて、分析的手続に利用されるデータが、当該

手続の目的のために適切かどうかを考慮する。これは、データの性質及び情報源、並びにデータを

入手する状況によって影響を受ける。以下の考慮事項が関連することがある。

・ 利用可能な情報の情報源

例えば、情報は、企業外部の独立した情報源から入手される場合、より信頼できることがある。

・ 利用可能な情報の比較可能性

例えば、市場に関する一般的なデータは、特定領域の製品を生産して販売する企業のデータと

比較できるようにするため、調整が必要となることがある。

・ 利用可能な情報の性質及び目的適合性

例えば、予算が達成すべき目標ではなく予想される結果として策定されているかどうか。

・ 情報の作成に関する知識と経験、並びに、網羅性、正確性及び正当性を確保するように整備さ

れた関連する内部統制

例えば、予算情報の編成、実績との比較検討及び見直しについての内部統制

《⑤ 特定の状況に対処する手続》

《ア.不正及び違法行為》(第52項(1)及び(4)参照)

《経営者及び監査役等とのコミュニケーション》

A93.国によっては、法令等により、業務実施者が一定の事項について経営者や統治責任者にコミュ

ニケーションを行うことが制限されている場合がある。法令等により、違法行為又はその疑いの

ある行為について、企業に注意喚起することを含め、適切な規制当局による調査を害するおそれ

のあるコミュニケーションやその他の行為を明確に禁止していることがある。例えば、マネー・ロ

ーンダリングに関する法令に従って、業務実施者が適切な規制当局に違法行為又はその疑いを報

告することが求められている場合がある。このような状況では、業務実施者が検討する事項は複

雑であり、業務実施者が法律専門家に助言を求めることが適切と考えることがある。

《適切な規制当局への違法行為又はその疑いの報告》

A94.状況によっては、適切な規制当局に違法行為又はその疑いを報告することが、以下の理由によ

り、要求されている、又は適切である場合がある。

(1) 法令が業務実施者に報告を要求している場合

(2) 職業倫理規程に基づき違法行為又はその疑いに対処するために、追加的な対応として、適切

な規制当局に報告することが例示されている場合(A95項参照)

(3) 法令又は職業倫理規程により、業務実施者が報告する権利を有している場合(A96項参照)

A95.倫理規則R360.36項から第360.36 A2項においては、業務実施者が違法行為又はその疑いに対処

するために追加的な対応を行うことが必要かどうかを検討することが求められている。

A96.法令や職業倫理規程において、業務実施者が違法行為又はその疑いを報告することを要求する

規定を含んでいない場合であっても、業務実施者が不正や違法行為又はその疑いを適切な規制当

局に報告する権利を有している場合がある(倫理規則R114.1項から第114.1 A1項参照)。

A97.このほか、法令や職業倫理規程に基づく業務実施者の守秘義務により、違法行為又はその疑い

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レビュー実 2400

を適切な規制当局に報告することが禁止されている国もある。

A98.第52項(4)で要求される判断には、複雑な検討事項や職業的専門家としての判断を含むことが

ある。したがって、業務実施者が事務所内やネットワーク内で協議することを検討することがあ

る。業務実施者は、どのような追加的な対応を取り得るか及び特定の対応を講じることによる職

業的又は法的影響を理解するために法律専門家に助言を求めることを検討することもある。

《イJP.継続企業の前提に関する評価》(第53項参照)

A98-2JP.継続企業の前提の下では、企業は予測し得る将来にわたって事業を継続することが想定さ

れている。一般目的の財務諸表は、経営者に当該企業の清算若しくは事業停止の意図があるか、又

はそれ以外に現実的な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき作成される。特別目

的の財務諸表は、継続企業の前提が関連する財務報告の枠組みに準拠して作成されることもあれ

ば、そうでない場合もある(例えば、一部の国においては、税務目的で作成された財務諸表には継

続企業の前提が必ずしも関係しないこともある。)。継続企業の前提に基づくことが適切な場合、

企業の資産及び負債は、通常の事業活動において回収又は返済できるものとして計上されている。

経営者による評価を明示的に要求している財務報告の枠組みの多くは、経営者に入手可能な全

ての情報を検討することを要求する期間について規定している。例えば、国際会計基準(IAS)第

1号「財務諸表の表示」は、少なくとも報告期間の末日から12か月の期間だが、12か月に限定され

ないと定義している。我が国においては、財務諸表の表示に関する規則に従って、少なくとも期末

日の翌日から1年間評価することになる。

《ウ.継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況》(第54項参照)

A99.以下の事項は、単独で又は複合して継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は

状況を例示したものである。ただし、これらは網羅的に列挙したものではなく、また以下の事項の

うちの一つ以上が存在する場合に、必ずしも企業の継続に関して重要な不確実性が存在している

ことを意味するわけではない。

財務関係

・ 債務超過、又は流動負債が流動資産を超過している状態

・ 返済期限が間近の借入金があるが、借換え又は返済の現実的見通しがない、又は長期性資産

の資金調達を短期借入金に過度に依存している状態

・ 債権者による財務的支援の打切りの兆候、又は債務免除の要請の動き

・ 過去の財務諸表又は予測財務諸表におけるマイナスの営業キャッシュ・フロー

・ 主要な財務比率の著しい悪化、又は売上高の著しい減少

・ 重要な営業損失

・ 資産の価値の著しい低下、又は売却を予定している重要な資産の処分の困難性

・ 配当の遅延又は中止

・ 支払期日における債務の返済の困難性

・ 借入金の契約条項の不履行

・ 仕入先からの与信の拒絶

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・ 新たな資金調達の困難性、特に主力の新製品の開発又は必要な投資のための資金調達がで

レビュー実 2400

きない状況

営業関係

・ 経営者による企業の清算又は事業停止の計画

・ 主要な経営者の退任、又は事業活動に不可欠な人材の流出

・ 主要な得意先、フランチャイズ、ライセンス若しくは仕入先、又は重要な市場の喪失

・ 労務問題に関する困難性

・ 重要な原材料の不足

・ 強力な競合企業の出現

その他

・ 法令に基づく重要な事業の制約、例えば自己資本規制その他の法的要件への抵触

・ 巨額な損害賠償の履行の可能性

・ 企業に不利な影響を及ぼすと予想される法令又は政策の変更

・ 付保されていない又は一部しか付保されていない重大な災害による損害の発生

・ ブランド・イメージの著しい悪化

上記の事象又は状況が及ぼす影響の程度は、他の要因によって軽減されることが多い。例えば、

通常の債務返済が滞った場合、資産の処分、借入金の返済期限の延長又は増資等の代替的な方法

によって十分なキャッシュ・フローを維持しようとする経営者の対応策によって、解消されるこ

とがある。同様に、主要な仕入先を喪失した場合、それに代替する仕入先が利用できることにより

その影響が軽減されることがある。

《エJP.初年度レビュー業務の期首残高》(第47項参照)

A99-2JP.初年度レビュー業務の場合、業務実施者は、期首残高に関して以下を目的として質問及び

分析的手続を行うことになる。通常は、財務諸表に対する質問及び分析的手続の一環として行う

ことが多い。

(1) 期首残高に当年度の財務諸表に重要な影響を及ぼす虚偽表示が含まれているかどうか。

(2) 期首残高に適用した適切な会計方針が当年度の財務諸表に継続して適用されているかどうか、

又は会計方針の変更が適用される財務報告の枠組みに準拠して適切に処理され、その表示及び

開示が妥当かどうか。

A99-3JP.前年度の財務諸表が前任監査人によって監査されており、前任監査人の監査意見が除外事

項付意見の場合(又は前年度の財務諸表が前任の業務実施者によってレビューされており、前任

の業務実施者の結論が除外事項付結論の場合)、業務実施者は、通常、本実務指針の第45項及び第

46項に従って当年度の重要な虚偽表示が生じる可能性の高い財務諸表の領域を識別する際、除外

事項付意見(又は除外事項付結論)の原因となった事項の及ぼす影響を考慮する。

《(4) 財務諸表と基礎となる会計記録との調整》(第56項参照)

A100.業務実施者は、通常、財務諸表の金額を以下の資料と照合することで、財務諸表がその基礎と

なる会計記録と一致するか又は当該記録との調整の証拠を入手する。

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・ 総勘定元帳などの関連する会計記録

・ 基礎となる会計記録(例えば、試算表など)と財務諸表金額の一致又は調整の記録若しくは明

細表

《(5) 追加的な手続の実施》(第57項参照)

A101.業務実施者が、財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付

いた場合には、本実務指針に従って追加的な手続が要求される。

A102.財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に関して実施する追加

的な手続は、状況に応じて様々であり、業務実施者の職業的専門家としての判断に係る事項であ

る。

A103.追加的な手続によって、重要な虚偽表示の可能性は高くないと結論付けるか、それとも重要な

虚偽表示が存在すると判断するための証拠の入手が求められる。追加的な手続の種類、時期及び

範囲に関する業務実施者の判断は、以下が指針となる。

・ 業務実施者が既に実施した手続の結果に関する評価から得られた情報

・ レビュー業務の実施過程全体にわたって得られた企業及び企業環境に関する業務実施者の最

新の理解

・ 財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に対処するため必要と

なる、証拠により形成される心証の程度に関する業務実施者の見解

A104.追加的な手続は、財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に関

して、業務実施者が結論を形成できるようにするための、十分かつ適切な証拠の入手に重点を置

く。追加的な手続は、以下が含まれる。

・ 追加の質問又は分析的手続

例えば、より詳細に実施したり、影響を受けた勘定や取引の金額又は開示に重点を置いて、質

問又は分析的手続を実施する。

・ その他の種類の手続

例えば、詳細テスト又は確認

A105.以下は、追加的な手続の必要性の評価及び追加的な手続が必要であると認められる場合の対

応例を示している。

・ レビュー業務における質問及び分析的手続の実施過程で、売掛金に関する分析の結果、重要な

金額の滞留売掛金について、貸倒引当金が設定されていないことが判明した。

・ その結果、財務諸表上の売掛金残高に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる

ため、業務実施者は、貸倒引当金の設定の必要がある回収不能の売掛金の有無について、経営者

に質問を行う。

・ 経営者の回答に応じて、当該回答に関する業務実施者の評価は、以下となることがある。

(1) 売掛金残高に重要な虚偽表示が存在する可能性が高くないと業務実施者が結論付けること

ができる。この場合、これ以上の追加的な手続は必要ない。

(2) 当該事項により、財務諸表に重要な虚偽表示が存在すると業務実施者が判断できる。

これ以上の追加的な手続は必要なく、業務実施者は、全体としての財務諸表に重要な虚偽表

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レビュー実 2400

示があるという結論を形成する。

(3) 売掛金残高に実際に虚偽表示が存在すると業務実施者が判断する十分かつ適切な証拠はな

いが、依然として業務実施者は売掛金残高に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認め

ている。この場合、追加的な手続の実施が必要である。例えば、回収不能の売掛金を識別する

ために、貸借対照表日後に当該勘定に対して受領した金額の分析を経営者に要請する。追加的

な手続の結果を評価することで、業務実施者は上記の(1)又は(2)の状態になり得ることがあ

る。そうでない場合、業務実施者は、以下のいずれかが求められる。

① 業務実施者が上記の(1)か(2)に到達するまで、追加的な手続の実施を継続する。

② 業務実施者が、当該事項により全体としての財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能

性が高くないと結論付けるか、それとも当該事項により全体としての財務諸表に重要な虚偽

表示があると判断することができなかった場合は、レビュー範囲の制約が存在し、業務実施

者は、財務諸表に対する無限定の結論を形成できない。

《12.経営者確認書》(第 61 項から第 65 項参照)

A106.経営者確認書はレビュー業務における証拠の重要な情報源となることから、業務実施者が要

請した確認事項に経営者が変更を加える、又は経営者からの確認が得られない場合、一つ又は複

数の重要な問題が存在する可能性があることに対して業務実施者の注意を喚起することがある。

また、口頭ではなく書面又は電磁的記録による陳述を要請することによって、多くの場合、当該事

項をより厳密に検討することを経営者に促すことになり、結果として陳述の質が高まる。

A107.業務実施者は、本実務指針で要求される確認事項に加えて、財務諸表に関するその他の確認事

項を要請することが必要と判断することがある。例えば、業務実施者が、財務諸表に対する結論

(無限定か又は除外事項付かを問わない。)を形成する際に、財務諸表に含まれる一定の項目又は

開示に関する十分な証拠を入手するために、経営者確認書において確認することが重要と考える

場合である。

A108.経営者は、経営者確認書に、経営者が知り得る限りにおいて確認したという旨の記述を含める

ことがある。業務実施者は、経営者確認書に含まれる事項についての適切な責任と知識を有する

者によって陳述が行われているという心証を得ている場合、そのような文言を受け入れるのは合

理的である。

A108-2JP.経営者確認書は必要な証拠である。したがって、経営者確認書の日付より前に結論を表明

することはできず、その結果、レビュー報告書日を経営者確認書の日付より前にすることはでき

ない。さらに、業務実施者は、レビュー報告書日までに発生した財務諸表の修正又は財務諸表での

開示を要する可能性のある事象を考慮するため、経営者確認書の日付は、通常、レビュー報告書の

日付とする。

《13.実施した手続から入手した証拠の評価》(第 66 項から第 68 項参照)

A109.業務実施者は、主な手続である質問及び分析的手続と特定の状況に対応する手続から入手予

定であった証拠を入手できないことがある。このような場合、業務実施者は、実施した手続から入

手した証拠は財務諸表に対する結論を形成するには十分かつ適切ではないと考え、以下を行うこ

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レビュー実 2400

とがある。

・ 実施する作業を拡大する。

・ 状況に照らして業務実施者が必要と判断する他の手続を実施する。

上記の方法がいずれも実務的でない場合、業務実施者は、結論を形成できる十分かつ適切な証

拠を入手することができない。この場合、業務実施者は、本実務指針に準拠して、結論への影響の

検討を行うか、又は、レビュー業務の実施時に重要な事項に関する業務実施者の質問に対する経

営者の回答が入手できないような場合には、レビュー業務の継続の検討を行う。

このような状況は、業務実施者が、財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認め

られる事項に気付いている場合(第57項参照)以外においても、生じることがある。

《(1) レビュー範囲の制約》

A110.業務実施者が特定の手続を実施できない場合においても、その他の手続の実施により十分か

つ適切な証拠を入手できる場合には、レビュー範囲の制約とはならない。

A111.経営者によるレビュー範囲の制約により、例えば、重要な虚偽表示が生じる可能性の高い財務

諸表の領域やレビュー契約の更新についての検討など、他に検討すべき事項が生じる場合がある。

《14.財務諸表に対する業務実施者の結論の形成》

《(1) 適用される財務報告の枠組みに関する記述》(第69項(1)参照)

A112.財務諸表における適用される財務報告の枠組みの記述は、財務諸表の利用者に対し財務諸表

が準拠している財務報告の枠組みを伝えるために重要である。

特別目的の財務諸表の場合、財務諸表は、レビュー契約の当事者と業務実施者のみに利用可能

な特別目的の財務報告の枠組みに従って作成されていることがある。特別目的の財務諸表は、想

定した用途以外の利用には適合しないことがあるため、特別目的の財務報告の枠組みに関する記

述は重要である。

A113.例えば、「財務諸表は国際会計基準におおむね準拠している」等、適用される財務報告の枠組

みの記述において不明瞭又は限定的な表現が含まれている場合は、財務諸表の利用者に誤解を生

じさせる可能性があるため適切ではない。

《(2) 重要な取引や会計事象が財務諸表に及ぼす影響の開示》(第69項(2)⑥及び第71項参照)

A114.本実務指針に基づき、業務実施者は、想定利用者が、重要な取引や会計事象が企業の財政状

態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に及ぼす影響について理解するための適切な開示が

なされているかどうか評価することが求められている。

A115.適正表示の枠組みにより求められる事項に準拠して作成される財務諸表の場合、経営者は、財

務諸表において適正な表示を行うために、財務報告の枠組みにおいて具体的に要求されている以

上の追加的な開示を行うか、又は、極めてまれな状況において、財務報告の枠組みにおいて要求さ

れている事項から離脱することが必要になること(財務報告の枠組みが離脱を認めている場合)

がある。

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レビュー実 2400

《① 準拠性の枠組みが利用される場合の考慮事項》

A116.本実務指針に基づき、業務実施者が、業務の新規契約の締結時に準拠性の枠組みが受入可能で

あると判断した場合には、当該準拠性の枠組みに準拠して作成された財務諸表が利用者に誤解を

与えると業務実施者が判断することは極めてまれである。

《(3) 企業の会計実務の質的側面》(第70項(2)参照)

A117.業務実施者は、企業の会計実務の質的側面の検討において、経営者の判断に偏向が存在する可

能性に気付くことがある。業務実施者は、経営者の判断における中立性の欠如の累積的な影響を

明らかな未修正の虚偽表示の影響に加味した場合、全体としての財務諸表に対して重要な虚偽表

示を生じさせていると判断することがある。全体としての財務諸表に重要な虚偽表示が存在する

可能性が高いかどうかについての業務実施者の判断に影響を及ぼす経営者の中立性の欠如を示す

兆候としては、以下のようなものがある。

・ レビュー業務の実施過程で経営者に報告した明らかな虚偽表示を、経営者が選択的に修正し

ている場合(例えば、利益が増加する効果のある虚偽表示は修正するが、利益が減少する効果の

ある虚偽表示は修正しない場合など)

会計上の見積りを行う際に経営者の偏向が存在する可能性

A118.個々の会計上の見積りの合理性に関して結論付ける際に、経営者の偏向が存在する兆候があ

ったとしても、それだけでは必ずしも虚偽表示があることを意味しない。しかし、財務諸表に全体

として重要な虚偽表示がある可能性が高いかどうかについての業務実施者の考慮に影響を及ぼす

ことがある。

《(4JP) レビュー業務の実施過程で識別された未修正の虚偽表示》(第70項(1)参照)

A118-2JP.業務実施者は、レビュー業務の実施過程で識別された未修正の虚偽表示の影響を考慮す

る際に、明らかに僅少なものを除くことができる。「明らかに僅少」とは、「重要性がない」という

ことではなく、第43項により決定される重要性の基準値よりごく少額な水準をいう。また、「明ら

かに僅少」とは、個別にも集計しても、金額、内容又は状況のいずれにおいても、明らかに些細な

ことをいう。ある虚偽表示について、「明らかに僅少」であるかどうかについて何らかの疑義があ

る場合は、「明らかに僅少」ではないと判断する。

《(5) 結論の様式》

《① 財務諸表が表示する情報についての記述》(第74項参照)

A119.適正表示の枠組みに準拠して作成される財務諸表の場合、業務実施者の結論は、財務諸表が、

適用される財務報告の枠組みに準拠して適正に表示していないと信じさせる事項は、全ての重要

な点において認められなかった旨を記載する。

多くの一般目的の財務報告の枠組みの場合、例えば、財務諸表は、企業の年度末における財政状

態並びに同日をもって終了する年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示する

ことが求められる。レビュー報告書において法令等により異なる文言を使用することが求められ

ていたとしても、適正表示の枠組みに準拠して作成された財務諸表が適正に表示されているかど

- 48 -

レビュー実 2400

うか評価することを求める本実務指針の要求事項を実施する。

A120.欠番

《② 除外事項付結論の類型》(第75項参照)

A120-2JP.以下の表は、除外事項付結論を表明する原因の性質と、それが財務諸表に及ぼす影響の範

囲、又は及ぼす可能性のある影響の範囲が広範かどうかという業務実施者の判断が、業務実施者

の表明する結論の類型に対しどのように影響を及ぼすかを示している。

除外事項付結論を表明する原因の

に及ぼす影響の範囲、又は及ぼす可能性のある影響の

性質

範囲が広範なものかどうかという業務実施者の判断

除外事項付結論を表明する原因となる事項が財務諸表

重要だが広範ではない

重要かつ広範である

財務諸表に重要な虚偽表示がある 限定付結論

否定的結論

財務諸表における重要な項目に関

する十分かつ適切な証拠を入手で

限定付結論

結論の不表明

きない

《(6) 業務実施者がレビュー契約を締結した後に経営者によるレビュー範囲の制約によって結論を

形成することができない場合》(第15項及び第82項参照)

A121.レビュー契約の解除が現実的に可能かどうかは、経営者によりレビュー範囲が制約された時

点でレビュー業務がどの程度完了しているかによって決まることがある。業務実施者は、レビュ

ー業務のほとんどが完了しているような場合には、実施可能な範囲でレビュー業務を完了し、レ

ビュー報告書の結論の不表明の根拠区分においてレビュー範囲の制約について説明した上で、結

論の不表明とすることもある。

A122.欠番

《① 出資者や監査役等とのコミュニケーション》

A123.業務実施者が、レビュー範囲の制約によりレビュー契約の解除が必要であると判断する場合、

職業的専門家としての基準、法令等の規定又は契約に基づきレビュー契約の解除に関する事項を

出資者や監査役等に報告することがある。

《(7JP) 継続企業》(第85-3JP項参照)

A123-2JP.継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるが、重要な不確実性が認め

られる場合には、レビュー報告書の「継続企業の前提に関する重要な不確実性」区分に次の事項を

記載する。

(1) 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する旨及びその内容

(2) 当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策

- 49 -

レビュー実 2400

(3) 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる旨及びその理由

(4) 財務諸表は継続企業を前提として作成されており、当該重要な不確実性の影響を財務諸表に

反映していない旨

なお、(2)の対応策及び(3)のうち継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる理由に

ついては、内容を記載する方法に代え、財務諸表における該当部分を参照する方法によることが

できる。

A123-3JP.極めてまれな状況ではあるが、重要な不確実性が複数存在し、それが財務諸表に及ぼす可

能性のある影響が複合的かつ多岐にわたる場合には、業務実施者は、「継続企業の前提に関する重

要な不確実性」区分の記載に代えて結論を表明しないことが適切と考えることがある。この場合、

業務実施者は、結論の表明ができるか否かを慎重に判断しなければならない。

《15.レビュー報告書》(第 86 項から第 92 項参照)

A124.レビュー報告書は、書面又は電磁的記録で発行される。

《(1) レビュー報告書の記載事項》(第86項参照)

A125.独立業務実施者の報告書であることを示す「独立業務実施者のレビュー報告書」の表題は、業

務実施者が独立性についての職業倫理に関する規定の全てを満たしていることを表明するもので

あり、それにより、独立業務実施者のレビュー報告書を独立業務実施者以外の者が発行する報告

書と区別している。

A126.レビュー報告書の宛先は、法令等において規定されていることがある。レビュー対象となる財

務諸表を作成する企業の機関設計に応じて、レビュー報告書の提出先を宛先とする。我が国の場

合、取締役会となることが多い。

A127.業務実施者は、レビューした財務諸表を含む開示書類においてレビュー対象外の情報が含ま

れている場合、財務諸表の利用者がレビュー報告書の対象となる財務諸表の記載場所を特定でき

るように、レビュー報告書上、レビューした財務諸表が記載されている箇所又は頁番号を記載す

ることを検討することが適切な場合がある。

《(2) 財務諸表に対する経営者の責任》(第86項(4)参照)

A128.財務諸表の作成及びレビュー業務の両方に関して、経営者がその責任を認識し理解している

ことを確かめなければならないとする本実務指針の要求事項は、レビュー業務の実施と報告の基

礎となる。レビュー報告書に経営者の責任を記載することにより、実施されたレビュー業務と経

営者の責任との関係をレビュー報告書の利用者に対して知らせることができる。

A129.欠番

A130.業務実施者は、企業の特性等に照らして、財務諸表の作成に関連する追加的な責任を明示する

ため、本実務指針に記載されている経営者の責任に関して追加の記載を行うことが適切な場合が

ある。

A131.経営者の責任について規定する法令等において、会計帳簿と会計記録、又は会計システムの妥

当性に対する経営者の責任について明記されている場合があるが、会計帳簿、会計記録及び会計

- 50 -

レビュー実 2400

システムは内部統制と不可分であるため、本実務指針では、それらを個別に記載することは求め

られていない。

《(3) 業務実施者の責任》(第86項(6)参照)

A132.レビュー報告書には、業務実施者の責任を経営者の財務諸表の作成責任と区別するため、業務

実施者の責任は、実施したレビュー業務に基づき財務諸表に対する結論を表明することである旨

を記載する。

《① レビュー基準の明記》(第86項(6)参照)

A133.業務実施者は、準拠したレビュー基準をレビュー報告書に明記することにより、当該レビュー

業務が広く認知されている基準に準拠して行われたことを、レビュー報告書の利用者に対して示

している。

《② 財務諸表のレビュー業務の性質に関するコミュニケーション》(第86項(7)参照)

A134.レビュー報告書におけるレビュー業務の性質に関する記載は、レビュー報告書の利用者のた

めに実施した業務の範囲と限界を説明している。この説明によって、レビュー業務が監査ではな

く、業務実施者が財務諸表に対して監査意見を表明しないことが明確になる。

《③ 適用される財務報告の枠組みについての記載と業務実施者の結論に与える影響》(第86項(8)

②参照)

A135.業務実施者の結論において、適用される財務報告の枠組みを明記するのは、レビュー報告書の

利用者に、結論表明の判断基準について知らせるためであり、適用される財務報告の枠組みは、

「××国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して…」又は「国際会計

準に準拠して…」等の表現で記載される。なお、この記載は、本実務指針の第30項(1)の要求事項

(適用される財務報告の枠組みの受入可能性に関する判断の責任)を限定しようとするものでは

ない。

A136.適用される財務報告の枠組みに、財務報告の基準と法令等で要求される事項が含まれる場合、

例えば、財務報告の枠組みは、「財務報告の基準及び××法の規定に準拠して…」等の表現で記載

される。

《④ 除外事項付結論である場合の結論の根拠区分》(第86項(9)②参照)

A137.除外事項付結論の根拠区分に記載した特定の事項に関連して、否定的結論を表明する、又は結

論の不表明とする場合であっても、除外事項付結論の表明が必要となるその他の事項を識別した

場合には、当該事項に関する記載も行わなければならない。これは、業務実施者が識別した当該そ

の他の事項に関する開示が、財務諸表の利用者の理解に資する場合があるためである。

《⑤ 業務実施者の署名》(第86項(12)参照)

A138.レビュー報告書には、その国に応じて、監査事務所名、業務実施者の個人名又はその両方のい

- 51 -

レビュー実 2400

ずれかの署名がなされる。また、一部の国では、レビュー報告書において、業務実施者の署名に加

えて、業務実施者が職業的専門家として当該国の適切な許認可を受けていることについて明示す

ることが求められることがある。

我が国の場合、会社その他の者の財務書類について証明をする場合には、当該証明に係る業務

を執行した者は、当該証明書にその資格を表示して署名しなければならないとされている。

《⑥JP 業務実施者の監査事務所の所在地》(第86項(13)参照)

A138-2JP.一般目的の財務諸表のレビュー報告書は、国又は地域を越えて流通することがあるため、

主として業務を行った監査事務所の所在地を記載することが求められている。監査事務所の所在

地として、例えば、業務実施者が執務する事業所の都市名又は登記されている事業所名を記載す

る。

《(4) レビュー報告書における強調事項区分及びその他の事項区分》(第88項参照)

A139.特別目的の財務諸表は、想定されていない目的に利用されることがある。例えば、規制当局

は、特定の企業に対して、特別目的の財務諸表を公表することを要求することがある。業務実施者

は、想定されていない利用者の誤解を避けるため、財務諸表が特別目的の財務報告の枠組みに準

拠して作成されており、したがって、他の目的には適合しないことがある旨をレビュー報告書に

記載し、その利用者に対する注意を喚起することが重要である。さらに、一般目的の財務報告の枠

組み(例えば、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準)と異なる旨を記載す

る場合もある。

《① 配布又は利用制限》(第90-2JP項参照)

A140.一般目的の財務諸表が、特定の利用者の財務情報に対するニーズを満たすと特定の利用者が

判断する場合には、一般目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表が特定の目的に

利用される場合がある。この場合のレビュー報告書は特定の利用者を想定しているため、業務実

施者は、その他の事項区分を設け、レビュー報告書は特定の利用者のみを対象としており、当該レ

ビュー報告書が特定の利用者以外に配布又は利用されてはならない旨を記載する必要があると判

断することがある。

《(5) その他の報告責任》(第91項参照)

A141.国によっては、業務実施者は、本実務指針における業務実施者の報告責任に加え、その他の事

項について報告責任を有する場合がある。例えば、業務実施者は、財務諸表のレビュー業務の実施

中に特定の事項に気付いた場合、当該事項を報告することが求められている場合がある。また、業

務実施者は、特定の事項(会計帳簿と会計記録の適切性など)について追加的に特定の手続を実施

し報告することが求められていたり、結論を表明することが求められていたりすることがある。

特定の国における財務諸表のレビュー業務の基準は、その国における特定の追加的な報告責任

に関する業務実施者の責任に関する指針を提供していることがある。

A142.関連する法令等により、これらのその他の報告責任について、財務諸表に対するレビュー報告

- 52 -

レビュー実 2400

書の中で報告することを業務実施者に要求又は容認していることもあれば、別の報告書で報告す

ることを要求又は容認していることもある。

A143.これらのその他の報告責任は、本実務指針に基づく財務諸表に対する業務実施者の報告責任か

ら明確に区分するため、レビュー報告書において別個の区分を設けて記載する。この区分には、そ

の他の報告責任の区分の内容を示す見出しを付すことがある。国によっては、追加の報告責任は、

財務諸表のレビュー業務におけるレビュー報告書とは別の報告書において記載されることがある。

《(6) レビュー報告書日》(第86項(11)及び第92項参照)

A144.レビュー報告書日は、業務実施者がその日付までに気付き、かつその日付までに発生した事象

や取引の影響を検討したことを、利用者に知らせるものである。

A145.業務実施者の結論は財務諸表を対象としており、財務諸表に対する責任は経営者にある。業務

実施者は、関連する注記を含む全ての財務諸表が作成され、認められた権限を持つ者が、当該財務

諸表に対して責任を受け入れたという証拠を入手するまでは、十分かつ適切な証拠を入手したと

判断することはできない。

A146.国によっては、法令等によって、関連する注記を含む全ての財務諸表が作成されたと判断する

責任を有する個人又は機関(例えば、取締役)が定められ、必要な承認プロセスが規定されている

場合がある。その場合、当該承認に関する証拠を、財務諸表に対するレビュー報告書日以前の日付

において入手することになり、当該日付が財務諸表の承認日となる。

一方、承認プロセスが法令等によって規定されていない国もある。その場合、業務実施者は、関

連する注記を含む全ての財務諸表が作成されたと判断する権限を有する特定の個人又は機関を識

別するため、企業の経営と統治の構造を考慮して、企業が財務諸表の作成及び確定に当たって従

う手続を検討することになる。

A147.我が国では、株主総会又は取締役会による財務諸表の最終承認が要求されていることがある

が、そのような最終承認は、業務実施者が財務諸表に対する結論を表明するために必要なもので

はない。本実務指針においては、財務諸表の承認日は、経営者確認書において、認められた権限を

持つ者が、関連する注記を含む全ての財務諸表が作成されたと判断し、当該財務諸表に対して責

任を認めた日付をいう。

《(7) 法令等によりレビュー報告書の様式又は用語が規定されている場合》(第34項、第35項及び第

86項参照)

A148.本実務指針に準拠してレビュー業務が実施されている場合のレビュー報告書の様式や用語に

一貫性が保たれていることにより、レビュー業務が本実務指針に準拠して実施されていることを

容易に認識でき、レビュー業務の信頼性を高める。

法令等により要求される事項と本実務指針との間の差異が、レビュー報告書の様式又は文言の

みに関連しており、最低限、本実務指針の第86項に記載された事項がレビュー報告書に含まれる

場合には、レビュー報告書において、本実務指針に準拠している旨を記載することができる。した

がって、この場合、業務実施者は、レビュー報告書で使用する様式や文言が、法令等によりレビュ

ー報告書に関して要求される事項によって規定されている場合であっても、本実務指針の要求事

- 53 -

レビュー実 2400

項を遵守したと判断される。

法令等により要求される事項と本実務指針が整合している場合、本実務指針において使用され

るレビュー報告書の様式と文言を採用することにより、レビュー報告書の利用者は、本実務指針

に準拠して実施されているレビュー業務のレビュー報告書であることを容易に認識することがで

きる。

法令等が、本実務指針の要求事項と著しく異なるレビュー報告書の様式又は文言を記載してい

る場合の状況は、本実務指針における関与先とのレビュー契約の新規の締結及び更新に関する要

求事項で扱われている。

《(8) 本実務指針と他のレビュー基準に準拠して実施されるレビュー業務に対するレビュー報告

書》(第86項(6)参照)

A149.業務実施者が、本実務指針の要求事項に加えて、他のレビュー基準(国際レビュー業務基準や

特定の国のレビュー基準。ただし、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの

基準を除く。)を遵守する場合には、レビュー報告書において、本実務指針と他のレビュー基準の

両方に準拠してレビュー業務を実施した旨を記載することができる。

しかしながら、本実務指針と他のレビュー基準の要求事項の間に不整合があり、それにより、業

務実施者が異なる結論を形成する、又は、本実務指針では強調事項区分として記載することが要

求されている特定の状況において、他のレビュー基準では強調事項区分として記載しないことに

なる場合には、本実務指針と他のレビュー基準の両方に言及するのは適切ではない。この場合、レ

ビュー報告書は、準拠した関連する基準(本実務指針又は他のレビュー基準のいずれかの基準)の

みに準拠している旨を記載する。

《(9) レビュー報告書の文例》(第86項参照)

A150.本実務指針の付録2は、本実務指針に基づくレビュー報告書の文例を示している。

《16.調書》

《(1) 調書の適時性》(第93項及び第96-3JP項参照)

A151.品質管理基準報告書第1号では、監査事務所に、調書をレビュー報告書提出日後に適時に整理

するという品質目標を設定することを要求している。調書の最終的な整理を完了する期限は、通常、

レビュー報告書の日付から、60日程度を超えないものとされている(品基報第1号のA83項参照)。

・ 本実務指針(2022 年 10 月 13 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 倫理規則(2022 年7月 25 日変更)

(修正箇所:第 14 項、A14 項、A15 項及び A34 項)

以 上

- 54 -

レビュー実 2400

- 保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の

体系及び用語」(2022 年7月 21 日公表)

(上記以外の修正箇所)

・ 本実務指針(2023 年3月 16 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 倫理規則(2022 年7月 25 日変更)

(修正箇所:第 26 項(3)、A14 項、A86-2 項及び A91 項から A91-3 項)

- 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」(2023 年1月 12 日改正)

- 品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」(2023 年1月 12 日改正)

(上記以外の修正箇所)

・ 本実務指針(2024 年9月 26 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 保証業務実務指針(序)「レビュー業務実務指針、保証業務実務指針及び専門業務実務指針

並びに関連する公表物の体系及び用語」(2024 年9月 26 日改正)

- 55 -

《付録1 経営者確認書の記載例》(第62項参照)

以下の経営者確認書の記載例には、レビュー業務において、本実務指針で要求される確認事項

が含まれている。以下の記載例は、適正表示の財務報告の枠組みを前提に作成している。なお、こ

の文例は、状況に応じて適宜修正する。

レビュー実 2400

○○監査法人

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○殿(注1)

×年×月×日

○○○○ 株式会社

代表取締役 (署名 )

(若しくは記名押印又は電子署名)

財務・経理担当取締役 (署名 )

(若しくは記名押印又は電子署名)

本確認書は、当社の×年×月×日から×年×月×日までの事業年度の財務諸表が、[適用される

財務報告の枠組み(注2)]に準拠して、適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な

点において認められないかどうかについて貴監査法人が結論を表明するに際して提出するもので

す。私たちは、下記のとおりであることを確認します。(注3)

なお、貴監査法人によって実施されたレビューが、我が国において一般に公正妥当と認められ

る監査の基準に準拠して実施される監査に比べて相当程度限定された手続であり、貴監査法人は、

上記の財務諸表に対して監査意見を表明しないことについても承知しております。

財務諸表

1.私たちは、×年×月×日付けの(×年×月期に係る)レビュー契約書に記載されたとおり、[適

用される財務報告の枠組み(注2)]に準拠して財務諸表を作成する責任(継続企業の前提に基

づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、継続企業に関する必要な開示を

行う責任を含む。)を果たしました。財務諸表は、[適用される財務報告の枠組み(注2)]に準

拠して財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示しております。

2.不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成するために、経営者が必要と判断

する内部統制を整備及び運用する責任は経営者にあることを承知しております。

3.会計上の見積りについて適用される財務報告の枠組みに照らして合理的な認識、測定及び注

記を達成するために、使用した見積手法、データ及び重要な仮定並びに関連する注記事項は適

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レビュー実 2400

切であると判断しております。

4.関連当事者との関係及び取引は、[適用される財務報告の枠組み(注2)]に準拠して適切に処

理しております。(注4)

5.決算日後本確認書の日付までに発生した財務諸表に重要な影響を及ぼす事象は、全て計上又

は注記されております。(注4)

6.財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき、既に認識されている又は潜在的な訴訟事

件等は全て、[適用される財務報告の枠組み(注2)]に準拠して適切に処理又は注記されており

ます。(注4)

7.未修正の虚偽表示が及ぼす影響は、個別にも集計しても財務諸表全体に対して重要ではない

ものと判断しております。未修正の虚偽表示の一覧は、本確認書に添付されております。(注4)

(注6)

8.業務実施者が記載することが適切であると判断したその他の確認事項(注7)

提供する情報

9.貴監査法人に以下を提供いたしました。

(1) 記録、文書及びその他の事項等、財務諸表の作成に関連すると認識している全ての情報を

入手する機会

(2) 本日までに開催された株主総会及び取締役会の議事録並びに重要な稟議書

(3) 貴監査法人から要請のあったレビュー手続のための追加的な情報

(4) 証拠を入手するために必要であると貴監査法人が判断した、当社の役員及び従業員への制

限のない質問や面談の機会

10.全ての取引は会計記録に適切に記録され、財務諸表に反映されております。

11.不正による財務諸表の重要な虚偽表示の可能性に対する経営者の評価を貴監査法人に示して

おります。

12.当社に影響を及ぼす不正又は不正の疑いがある事項に関して、以下の全ての情報を貴監査法

人に提供いたしました。

- 経営者による不正又は不正の疑い

- 内部統制において重要な役割を担っている従業員による不正又は不正の疑い

- 上記以外の者による財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある不正又は不正の疑い

13.従業員、元従業員、投資家、規制当局又はその他の者から入手した財務諸表に影響を及ぼす不

正の申立て又は不正の疑いがある事項に関する全ての情報を貴監査法人に提供いたしました。

14.財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき違法行為又は違法行為の疑いに関して認識

している全ての事実を貴監査法人に提示いたしました。

15.財務諸表の作成に関連すると認識している全ての債務又は偶発債務は、保証に係るものも含

め、文書によるものも口頭によるものも貴監査法人に提示いたしました。

16.財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき訴訟事件等(注5)又はそれらの可能性に関

して認識している全ての事実を貴監査法人に提示いたしました。

- 57 -

レビュー実 2400

17.貸借対照表日現在、当社の通常の事業では生じないような通例でなく、当社に不利な影響を及

ぼす可能性のある[コミットメントや契約上の債務の具体的な内容(例えば、購買契約、買戻契

約)を明示]はありません。

18.重要な非貨幣取引又は対価のない取引に関する全ての情報を貴監査法人に提供いたしました。

19.関連当事者の名称、並びに認識された全ての関連当事者との関係及び関連当事者との取引を

貴監査法人に提示いたしました。

20.業務実施者が記載することが適切であると判断したその他の確認事項(注7)。

21.・・・・・・・

22.・・・・・・・

以 上

(注1)① 業務実施者が無限責任監査法人の場合で指定証明であるときには、上記の記載例とする。

② 業務実施者が無限責任監査法人の場合で指定証明でないときには、以下とする。

○○監査法人

業務執行社員 公認会計士 ○○○○殿

③ 業務実施者が有限責任監査法人の場合は、以下とする。

○○有限責任監査法人

指定有限責任社員

業 務 執 行 社 員

公認会計士 ○○○○殿

④ 業務実施者が公認会計士の場合には以下とし、確認書本文中の「貴監査法人」を「貴殿」

とする。

○○○○ 公認会計士事務所

公認会計士 ○○○○殿

(注2)適用される財務報告の枠組みの名称を具体的に記載する。

(注3)経営者は、財務諸表の作成、表示に関連するプロセスについて十分な知識を有すると想定さ

れるが、以下のような場合もある(監査基準報告書580「経営者確認書」のA4項からA6項参

照)。

・ 経営者が、要請された確認事項に関連する専門知識を有する者等、財務諸表の作成、表

示に関わるその他の者に質問することが必要と判断する場合

・ 経営者が、経営者確認書に、経営者が知り得る限りにおいて確認したという旨の記述を

含める必要があると判断し、それに対して、業務実施者が、経営者確認書に含まれる事項

についての適切な責任と知識を有する者によって陳述が行われているという心証を得て

いる場合

・ 業務実施者が、経営者が十分な情報を入手した上で陳述を行う必要性を高めるために、

確認事項について経営者が適切と考えた質問を行ったという記述を経営者確認書に含め

ることを経営者に要請する場合

上記に該当する場合には、以下のいずれかの文言への修正を考慮する。

- 58 -

レビュー実 2400

・ 私たちが知り得る限りにおいて、下記のとおりであることを確認します。

・ 私たちは、適切な情報を入手するために必要であると考えた質問を行った上で、下記の

とおりであることを確認します。

・ 私たちは、適切な情報を入手するために必要であると考えた質問を行った上で、私たち

が知り得る限りにおいて、下記のとおりであることを確認します。

(注4)該当する事項がない場合には、その旨を記載する等適宜修正する。

(注5)訴訟事件等とは、訴訟、賠償請求、更正、査定及び賦課並びにこれらに準ずる事象をいう。

(注6)経営者が重要性がないものと判断し経営者確認書に記載又は添付する未修正の虚偽表示に

は、以下を含める必要がある。

① 当年度数値に含まれる未修正の虚偽表示

② 比較情報に含まれる未修正の虚偽表示

③ 前年度末の未修正の虚偽表示が当年度数値において修正(又は解消)されたことを原因

として比較可能性が損なわれていることによる影響

なお、比較情報の要請がなく、単年度の財務諸表が作成される場合は、①当年度数値に含

まれる未修正の虚偽表示と③前年度末の未修正の虚偽表示が当年度数値において修正(又は

解消)されたことを原因として比較可能性が損なわれていることによる影響について確認す

ることとなる。

(注7)その他追加項目の確認事項(レビュー業務全般に共通する事項)の記載に当たっては、監査

基準報告書580を参照することが有用である。

- 59 -

レビュー実 2400

《付録2 独立業務実施者のレビュー報告書の文例》(A150項参照)

レビュー対象

財務報告の

枠組み

結論の類型

文例1 完全な一組の財務諸表

一般目的

無限定の結論

適正表示

文例2 完全な一組の財務諸表

一般目的

無限定の結論

準拠性

文例3 完全な一組の財務諸表

一般目的

除外事項付結論:

準拠性

財務諸表の重要な虚偽表示による限

定付結論

文例4 完全な一組の財務諸表

一般目的

除外事項付結論:

適正表示

業務実施者が十分かつ適切な証拠を

入手できないことによる限定付結論

文例5 完全な一組の財務諸表

一般目的

除外事項付結論:

適正表示

財務諸表の重要な虚偽表示による否

定的結論

文例6 完全な一組の財務諸表

一般目的

除外事項付結論:

適正表示

業務実施者が財務諸表の複数の要素

について十分かつ適切な証拠を入手

できないことによる結論の不表明

文例7 会計監査人設置会社以外の会

特別目的

無限定の結論

社が中小企業の会計に関する

準拠性

基本要領に基づいて作成する

完全な一組の財務諸表

文例8 会社法大会社(金融商品取引

特別目的

無限定の結論

法非適用)が作成する期首か

準拠性

ら6か月間に係る完全な一組

の期中財務諸表

文例9 個別の財務表である貸借対照

一般目的

無限定の結論

適正表示

文例 10 個別の財務表である資金収支

特別目的

無限定の結論

計算書

準拠性

- 60 -

レビュー実 2400

《文例1》

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の財務

諸表のレビュー業務である。

・ 財務諸表は、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則及び我が国において一般に公

正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されている。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ 業務実施者は、財務諸表のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその他の報告責任を有する。

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○株式会社

取締役会 御中

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

<財務諸表のレビュー>(注4)

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの事業年度の財務

諸表、すなわち貸借対照表、損益計算書、包括利益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシ

ュ・フロー計算書、重要な会計方針及びその他の注記についてレビューを行った。

財務諸表に対する経営者の責任

経営者の責任は、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下「財務諸表等規

則」という。)及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務

諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のな

い財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用す

ることが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から財務諸表に対する結論を表明することにある。

当監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針2400「財務諸表の

レビュー業務」に準拠してレビューを行った。レビュー業務実務指針2400は、当監査法人(注

- 61 -

レビュー実 2400

3)に、全体としての財務諸表が、財務諸表等規則及び我が国において一般に公正妥当と認めら

れる企業会計の基準に準拠して適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点にお

いて認められなかったかどうかについて結論を表明することを求めている。また、レビュー業

務実務指針2400は、当監査法人(注3)に職業倫理に関する規定を遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した財務諸表のレビューは、限定的保証業務である。レビ

ューにおいては、主として経営者及びその他適切な者に対する質問並びに分析的手続が実施さ

れ、入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べ

て相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の財務諸表に対して監査意見を

表明しない。

結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の財務諸表が、財務諸表等規則及び我

が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、○○株式会社の×年×

月×日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フロー

の状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。

<法令等が要求するその他の事項に対する報告>

(省略)

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべき

利害関係はない。

以 上

(注1)事業所の都市名を記載する場合は、「○○県□□市」のように記載する。

(注2)① 業務実施者が無限責任監査法人の場合で、指定証明でないときには、以下とする。

○○監査法人

○○県□□市

代 表 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

業務執行社員 公認会計士 ○○○○

② 業務実施者が有限責任監査法人の場合は、以下とする。

○○有限責任監査法人

○○事務所

指定有限責任社員

業 務 執 行 社 員

公認会計士 ○○○○

- 62 -

レビュー実 2400

指定有限責任社員

業 務 執 行 社 員

公認会計士 ○○○○

③ 業務実施者が公認会計士の場合には、以下とする。

○○○○ 公認会計士事務所

○○県□□市

公認会計士 ○○○○

○○○○ 公認会計士事務所

○○県□□市

公認会計士 ○○○○

(注3)業務実施者が公認会計士の場合には、「私」又は「私たち」とする。

(注4)「<法令等が要求するその他の事項に対する報告>」がない場合は、「<財務諸表のレビ

ュー>」は不要である。

《文例2》

文例の前提となる状況

会計監査人設置会社以外の会社により、一般目的の財務報告の枠組み及び準拠性の枠組みに

準拠して作成された完全な一組の財務諸表のレビュー業務である。

・ 計算書類及びその附属明細書は、会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認め

られる企業会計の基準に準拠し、表示及び開示は会社計算規則に準拠して作成されているが、

同規則第98条第2項第1号に基づいて注記の一部が省略されている。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ 業務実施者は、計算書類及びその附属明細書のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその

他の報告責任を有しない。

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○株式会社

取締役会 御中

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

- 63 -

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの事業年度の計算書

類、すなわち貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表(注4)並びにその

レビュー実 2400

附属明細書についてレビューを行った。

計算書類等に対する経営者の責任

経営者の責任は、会社計算規則(ただし、同規則第98条第2項第1号を適用する。)及び我が国

において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して計算書類及びその附属明細書を

作成することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない計算書類及びその附

属明細書を作成するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれ

る。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から計算書類及びその附属明細書に対する結論を表明

することにある。当監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針

2400「財務諸表のレビュー業務」に準拠してレビューを行った。レビュー業務実務指針2400は、当

監査法人(注3)に、全体としての計算書類及びその附属明細書が、会社計算規則(ただし、同規

則第98条第2項第1号を適用する。)及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計

基準に準拠して作成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった

かどうかについて結論を表明することを求めている。また、レビュー業務実務指針2400は、当監査

法人(注3)に職業倫理に関する規定を遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した計算書類及びその附属明細書のレビューは、限定的保証

業務である。レビューにおいては、主として経営者及びその他適切な者に対する質問並びに分析

的手続が実施され、入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べて

相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の計算書類及びその附属明細書に対

して監査意見を表明しない。

結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の計算書類及びその附属明細書が、会社

計算規則(ただし、同規則第98条第2項第1号を適用する。)及び我が国において一般に公正妥当

と認められる企業会計の基準に準拠して作成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点に

おいて認められなかった。

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべき

利害関係はない。

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

- 64 -

以 上

(注4)会社計算規則第57条第3項の規定に基づき、個別注記表と題する計算関係書類を作成して

いない場合には、「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表並び

にその附属明細書」を「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計

針及びその他の注記並びにその附属明細書」とする。

レビュー実 2400

《文例3》

文例の前提となる状況

会計監査人設置会社以外の会社により、一般目的の財務報告の枠組み及び準拠性の枠組みに

準拠して作成された完全な一組の財務諸表のレビュー業務である。

・ 計算書類は、会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基

準に準拠し、表示及び開示は会社計算規則に準拠して作成されているが、同規則第98条第2項

第1号に基づいて注記の一部が省略されている。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ 棚卸資産に虚偽表示がある。当該虚偽表示は計算書類にとって重要であるが広範ではないと

認められる。

・ 業務実施者は、計算書類のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその他の報告責任を有し

ない。

○○株式会社

取締役会 御中

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの事業年度の計算書

類、すなわち貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表(注4)についてレ

ビューを行った。

計算書類に対する経営者の責任

経営者の責任は、会社計算規則(ただし、同規則第98条第2項第1号を適用する。)及び我が国

- 65 -

レビュー実 2400

において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して計算書類を作成することにあ

る。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない計算書類を作成するために経営者が必

要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から計算書類に対する結論を表明することにある。当

監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針2400「財務諸表のレビ

ュー業務」に準拠してレビューを行った。レビュー業務実務指針2400は、当監査法人(注3)に、

全体としての計算書類が、会社計算規則(ただし、同規則第98条第2項第1号を適用する。)及び

我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されていないと信じ

させる事項が全ての重要な点において認められなかったかどうかについて結論を表明することを

求めている。また、レビュー業務実務指針2400は、当監査法人(注3)に職業倫理に関する規定を

遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した計算書類のレビューは、限定的保証業務である。レビュ

ーにおいては、主として経営者及びその他適切な者に対する質問並びに分析的手続が実施され、

入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べて

相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の計算書類に対して監査意見を表明

しない。

限定付結論の根拠

会社は、貸借対照表上、棚卸資産を×××円で計上している。会社は、棚卸資産を取得原価と正

味売却価額のうちいずれか低い方の価額ではなく、取得原価で計上している。これは、会社計算

規則(ただし、同規則第98条第2項第1号を適用する。)及び我が国において一般に公正妥当と認

められる企業会計の基準に準拠していない。計算書類に計上されている棚卸資産を取得原価と正

味売却価額のうちいずれか低い方の価額で評価していたならば、棚卸資産を正味売却価額まで×

××円切り下げることが必要であった。この結果、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益は

それぞれ×××円過大に、当期純利益及び純資産は×××円過大に表示されている。

限定付結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の計算書類が、「限定付結論の根拠」に

記載した事項の計算書類に及ぼす影響を除き、会社計算規則(ただし、同規則第98条第2項第1

号を適用する。)及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成

されていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべき

- 66 -

利害関係はない。

レビュー実 2400

以 上

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

(注4)会社計算規則第57条第3項の規定に基づき、個別注記表と題する計算関係書類を作成して

いない場合には、「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表」を

「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針及びその他の注記」

とする。

《文例4》

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の財務

諸表のレビュー業務である。

・ 連結計算書類は、会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計

の基準に準拠し、表示及び開示は会社計算規則に準拠して作成されている。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ 業務実施者は、在外関連会社に対する投資に関して十分かつ適切な証拠を入手することがで

きなかった。十分かつ適切な証拠を入手することができないことが連結計算書類に及ぼす可能

性のある影響は、重要であるが広範ではないと認められる。

・ 業務実施者は、連結計算書類のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその他の報告責任を

有しない。

○○株式会社

取締役会 御中

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの連結会計年度の連

結計算書類、すなわち連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結注

- 67 -

レビュー実 2400

記表(注4)についてレビューを行った。

連結計算書類に対する経営者の責任

経営者の責任は、会社計算規則及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基

準に準拠して連結計算書類を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による

重要な虚偽表示のない連結計算書類を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部

統制を整備及び運用することが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から連結計算書類に対する結論を表明することにあ

る。当監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針2400「財務諸表

のレビュー業務」に準拠してレビュー業務を行った。レビュー業務実務指針2400は、当監査法人

(注3)に、全体としての連結計算書類が、会社計算規則及び我が国において一般に公正妥当と

認められる企業会計の基準に準拠して適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点

において認められなかったかどうかについて結論を表明することを求めている。また、レビュー

業務実務指針2400は、当監査法人(注3)に職業倫理に関する規定を遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した連結計算書類のレビューは、限定的保証業務である。レ

ビューにおいては、主として経営者及びその他適切な者に対する質問並びに分析的手続が実施さ

れ、入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べて

相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の連結計算書類に対して監査意見を

表明しない。

限定付結論の根拠

○○株式会社は、当連結会計年度中に□□社の株式を取得し、在外関連会社として当該会社の

投資に対し持分法を適用している。□□社に対する投資は、×年×月×日現在の連結貸借対照表

上×××円で計上され、□□社の当期純利益のうち○○株式会社の持分相当額である×××円が、

同日に終了した連結会計年度の○○株式会社の当期純利益に含まれている。

当監査法人(注3)は、□□社に対する×年×月×日現在の○○株式会社の持分法による投資簿

価及び同日に終了した連結会計年度の当期純利益のうち関連する持分法投資利益について、□□

社の関連する財務情報を入手することができなかった。

したがって、当監査法人(注3)は、必要な手続を実施することができなかった。

限定付結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の連結計算書類が、「限定付結論の根拠」

に記載した事項の連結計算書類に及ぼす可能性のある影響を除き、会社計算規則及び我が国にお

いて一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、○○株式会社及び連結子会社から

- 68 -

レビュー実 2400

なる企業集団の当該連結計算書類に係る期間の財産及び損益の状況を適正に表示していないと信

じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定に

より記載すべき利害関係はない。

以 上

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

(注4)会社計算規則第57条第3項の規定に基づき、連結注記表と題する計算関係書類を作成して

いない場合には、「連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連

結注記表」を「連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結計算

書類の作成のための基本となる重要な事項及びその他の注記」とする。

《文例5》

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の財務

諸表のレビュー業務である。

・ 連結計算書類は、会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計

の基準に準拠し、表示及び開示は会社計算規則に準拠して作成されている。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ 連結計算書類に重要な虚偽表示がある。これは、連結の範囲に含めていない子会社があること

によるものである。当該重要な虚偽表示は連結計算書類にとって広範であると認められる。

この虚偽表示が連結計算書類に及ぼす影響を確定することは実務的に困難である。

・ 業務実施者は、連結計算書類のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその他の報告責任を

有しない。

○○株式会社

取締役会 御中

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

- 69 -

レビュー実 2400

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

(注2)

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの連結会計年度の連

結計算書類、すなわち連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結注

記表(注4)についてレビューを行った。

連結計算書類に対する経営者の責任

経営者の責任は、会社計算規則及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基

準に準拠して連結計算書類を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による

重要な虚偽表示のない連結計算書類を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部

統制を整備及び運用することが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から連結計算書類に対する結論を表明することにあ

る。当監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針2400「財務諸表

のレビュー業務」に準拠してレビューを行った。レビュー業務実務指針2400は、当監査法人(注

3)に、全体としての連結計算書類が、会社計算規則及び我が国において一般に公正妥当と認め

られる企業会計の基準に準拠して適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点にお

いて認められなかったかどうかについて結論を表明することを求めている。また、レビュー業務

実務指針2400は、当監査法人(注3)に職業倫理に関する規定を遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した連結計算書類のレビューは、限定的保証業務である。レ

ビューにおいては、主として経営者及びその他適切な者に対する質問並びに分析的手続が実施さ

れ、入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べて

相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の連結計算書類に対して監査意見を

表明しない。

否定的結論の根拠

注記Xに記載されているとおり、会社は、×年度に□□株式会社の支配を獲得したが、支配獲得

日において□□株式会社が保有する重要な資産及び負債の一部の時価を確定することができない

ことを理由に、子会社□□株式会社を連結の範囲に含めていない。

そのため、当該投資は連結貸借対照表上、取得原価により計上されているが、会社計算規則及び

我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従えば、□□株式会社は会社によ

り支配されているため、連結の範囲に含めなければならない。

□□株式会社を連結の範囲に含めた場合、連結計算書類上、多岐にわたり重要な影響を及ぼす

- 70 -

レビュー実 2400

ため、□□株式会社を連結の範囲に含めなかったことによる影響金額を算定できなかった。

否定的結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の連結計算書類が、「否定的結論の根拠」

に記載した事項の連結計算書類に及ぼす影響の重要性に鑑み、会社計算規則及び我が国において

一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、○○株式会社及び連結子会社からなる

企業集団の当該連結計算書類に係る期間の財産及び損益の状況を、重要な点において適正に表示

していないと信じさせる事項が認められた。

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定に

より記載すべき利害関係はない。

以 上

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

(注4)会社計算規則第57条第3項の規定に基づき、連結注記表と題する計算関係書類を作成して

いない場合には、「連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連

結注記表」を「連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結計算

書類の作成のための基本となる重要な事項及びその他の注記」とする。

《文例6》

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の財務

諸表のレビュー業務である。

・ 計算書類は、会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基

準に準拠し、表示及び開示は会社計算規則に準拠して作成されている。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ 業務実施者は、計算書類の複数の要素について十分かつ適切な証拠を入手することができな

いため、計算書類に対する結論を形成することができなかった。未発見の虚偽表示がもしある

とすれば、それが計算書類に及ぼす可能性のある影響は、重要かつ広範であると認められる。特

に、業務実施者は、企業の棚卸資産と売掛金について証拠を入手することができなかった。

・ 業務実施者は、計算書類のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその他の報告責任を有し

ない。

- 71 -

独立業務実施者のレビュー報告書

○○株式会社

取締役会 御中

レビュー実 2400

×年×月×日

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの事業年度の計算書

類、すなわち貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表(注4)についてレ

ビューを行った。

計算書類に対する経営者の責任

経営者の責任は、会社計算規則及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基

準に準拠して計算書類を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要

な虚偽表示のない計算書類を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整

備及び運用することが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から計算書類に対する結論を表明することにある。し

かしながら、「結論の不表明の根拠」に記載した事項により、当監査法人(注3)は、計算書類に

対する結論を表明する基礎となる十分かつ適切な証拠を入手することができなかった。

結論の不表明の根拠

経営者は、当事業年度の期末の棚卸資産の実地棚卸を実施しておらず、当監査法人(注3)は、

×年×月×日現在において貸借対照表に×××円で計上されている棚卸資産の数量に関して、必

要な手続を実施することができなかった。

また、×年×月に新しい売掛金システムを導入したことにより、売掛金に多数の誤謬が生じて

いる。レビュー報告書日現在においても、システムの不具合を是正し誤謬を修正している過程に

あった。

これらの結果、当監査法人(注3)は、棚卸資産及び売掛金残高、関連する損益項目、並びに、

株主資本等変動計算書を構成する要素に関して、何らかの修正が必要かどうかについて判断する

- 72 -

レビュー実 2400

ことができなかった。

結論の不表明

当監査法人(注3)は、「結論の不表明の根拠」に記載した事項の計算書類に及ぼす可能性のあ

る影響の重要性に鑑み、計算書類に対する結論を形成する十分かつ適切な証拠を入手することが

できなかったため、計算書類に対して結論を表明しない。

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべき

利害関係はない。

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

(注4)会社計算規則第57条第3項の規定に基づき、個別注記表と題する計算関係書類を作成して

いない場合には、「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表」を

「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針及びその他の注記」

以 上

とする。

《文例7》

文例の前提となる状況

会計監査人設置会社以外の会社により、特別目的の財務報告の枠組み及び準拠性の枠組みに

準拠して作成された完全な一組の財務諸表のレビュー業務である。

・ 金融機関との銀行取引約定書において、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行により

財務諸表を作成し、レビュー報告書を添付して提出することが求められている。経営者は、財務

報告の枠組みとして、中小企業の会計に関する基本要領に基づき、一部税法基準によることを

選択している(第86項(5)②参照)。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ 適用される財務報告の枠組みが会計監査人設置会社に適用される我が国において一般に公正

妥当と認められる企業会計の基準と異なる旨を記載することが必要であると業務実施者が判断

している(A139項参照)。

・ レビュー報告書の配布及び利用は制限されていない。

・ 業務実施者は、財務諸表のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその他の報告責任を有し

ない。

・ 計算書類の注記Xには以下の記載がある。

本計算書類は、株式会社○○銀行との銀行取引約定書の財務報告条項を遵守するため、

- 73 -

レビュー実 2400

会計監査人設置会社に適用される「我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計

の基準」によらず、中小企業のための一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行として

認められている「中小企業の会計に関する基本要領」に基づいて、重要な会計方針に記載

されている会計方針に従って作成されている。

「中小企業の会計に関する基本要領」においては、一定の場合には会計処理の簡便化や

法人税法で規定する処理の適用が容認されており、これらについては、重要な会計方針に

記載されている。

本計算書類の作成に当たり採用した重要な会計方針は、以下のとおりである。・・・。

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○株式会社

取締役会 御中

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの事業年度の計算書

類、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表(注4)並びにそ

の附属明細書についてレビューを行った。

計算書類等に対する経営者の責任

経営者の責任は、個別注記表の注記Xに記載された会計の基準に準拠して計算書類及びその附

属明細書を作成することにあり、また、計算書類及びその附属明細書の作成に当たり適用される

会計の基準が状況に照らして受入可能なものであるかどうかについて判断することにある。経営

者の責任には、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない計算書類及びその附属明細書を作成す

るために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から計算書類及びその附属明細書に対する結論を表明

することにある。当監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針

2400「財務諸表のレビュー業務」に準拠してレビューを行った。レビュー業務実務指針2400は、当

- 74 -

レビュー実 2400

監査法人(注3)に、全体としての計算書類及びその附属明細書が、注記Xに記載された会計の基

準に準拠して作成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかったか

どうかについて結論を表明することを求めている。また、レビュー業務実務指針2400は、当監査法

人(注3)に職業倫理に関する規定を遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した計算書類及びその附属明細書のレビューは、限定的保証

業務である。レビューにおいては、主として経営者及びその他適切な者に対する質問並びに分析

的手続が実施され、入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べて

相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の計算書類及びその附属明細書に対

して監査意見を表明しない。

結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の計算書類及びその附属明細書が、注記

Xに記載された会計の基準に準拠して作成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点にお

いて認められなかった。

計算書類等作成の基礎

注記Xに記載されているとおり、計算書類及びその附属明細書は、株式会社○○銀行との銀行

取引約定書の財務報告条項を遵守するため、会計監査人設置会社に適用される「我が国において

一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」によらず、中小企業のための一般に公正妥当と認

められる企業会計の慣行として認められている「中小企業の会計に関する基本要領」に基づき、

注記Xに記載された会計の基準に準拠して作成されている。同要領においては、一定の場合には

会計処理の簡便化や法人税法で規定する処理の適用が容認されているため、上記以外の目的には

適合しないことがある。当該事項は、当監査法人(注3)の結論に影響を及ぼすものではない。

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべき

利害関係はない。

以 上

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

(注4)会社計算規則第57条第3項の規定に基づき、個別注記表と題する計算関係書類を作成して

いない場合には、「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表」を

「貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針及びその他の注記」

とする。

- 75 -

レビュー実 2400

《文例8》

文例の前提となる状況

・ 会社法の大会社(金融商品取引法非適用)により、特別目的の財務報告の枠組み及び準拠性の

枠組みに準拠して作成された、期首から6か月間に係る完全な一組の期中財務諸表のレビュー

業務である。

・ 期中財務諸表は、○○株式会社の経営者が、取引先である□□株式会社に、期首から6か月間

に係る期中財務諸表を提出するために作成されており、期中貸借対照表、期中損益計算書、重要

会計方針に係る事項に関する注記、担保提供資産に関する注記、偶発債務に関する注記から

構成されている。会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計

基準に準拠し、期中貸借対照表及び期中損益計算書の表示は会社計算規則に準じて作成し、重

要な会計方針、担保提供資産及び偶発債務に関する注記は、それぞれ、会社計算規則第101条、

第103条第1項第1号及び第5号に準じて作成することが要請されている。

・ 経営者は、特別目的の期中財務諸表の作成において財務報告の枠組みの選択肢を有していな

い(第86項(5)②参照)。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ レビュー報告書の配布及び利用が制限されている。

・ 業務実施者は、期中財務諸表のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその他の報告責任を

有しない。

・ 注記Xには以下の記載がある。

本期中財務諸表は、取引先である□□株式会社に、×年×月×日から×年×月×日まで

の6か月間の期中財務諸表を提出するために作成されている。

本期中財務諸表は、会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認められる企

会計の基準に準拠し、期中貸借対照表及び期中損益計算書の表示は会社計算規則に準じ

て作成され、開示される注記項目の内容は同規則第 101 条、第 103 条第1項第1号及び第

5号に準じて作成されている。

本期中財務諸表の作成に当たり採用した重要な会計方針は、以下のとおりである。・・・。

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○株式会社

取締役会 御中

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

- 76 -

レビュー実 2400

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

(注2)

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの6か月間の期中財

務諸表、すなわち、期中貸借対照表、期中損益計算書、重要な会計方針及びその他の注記について

レビューを行った。

期中財務諸表に対する経営者の責任

経営者の責任は、注記Xに記載された会計の基準に準拠して期中財務諸表を作成することにあ

る。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない期中財務諸表を作成するために経営者

が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から期中財務諸表に対する結論を表明することにあ

る。当監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針2400「財務諸表

のレビュー業務」に準拠してレビューを行った。レビュー業務実務指針2400は、当監査法人(注

3)に、全体としての期中財務諸表が、注記Xに記載された会計の基準に準拠して作成されてい

ないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかったかどうかについて結論を表明

することを求めている。また、レビュー業務実務指針2400は、当監査法人(注3)に職業倫理に関

する規定を遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した期中財務諸表のレビューは、限定的保証業務である。レ

ビューにおいては、主として経営者及びその他適切な者に対する質問並びに分析的手続が実施さ

れ、入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べて

相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の期中財務諸表に対して監査意見を

表明しない。

結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の期中財務諸表が、注記Xに記載された

会計の基準に準拠して作成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められな

かった。

期中財務諸表作成の基礎並びに配布及び利用制限

注記Xに記載されているとおり、期中財務諸表は、取引先である□□株式会社に提出するため

に注記Xに記載された会計の基準に準拠して作成されており、したがって、それ以外の目的には

適合しないことがある。当該事項は、当監査法人(注3)の結論に影響を及ぼすものではない。

- 77 -

レビュー実 2400

本報告書は、○○株式会社及び□□株式会社のみを利用者として想定しており、○○株式会社

及び□□株式会社以外に配布及び利用されるべきものではない。

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべき

利害関係はない。

以 上

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

《文例9》

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された、個別の財務表で

ある貸借対照表のレビュー業務である。

・ 貸借対照表は、会社計算規則及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準

における貸借対照表の作成に関連する要求事項に準拠して、企業の経営者により作成された(会

社計算規則第98条第2項第1号又は第2号による貸借対照表の注記の省略は行っていない。)。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ レビュー報告書の配布及び利用は制限されていない。

・ 業務実施者は、個別の財務表である貸借対照表のレビュー業務に加えて、法令等が要求するそ

の他の報告責任を有しない。

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○株式会社

取締役会 御中

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日現在の貸借対照表、重要な会計方針及びそ

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レビュー実 2400

の他の注記(以下「貸借対照表」という。)についてレビューを行った。

貸借対照表に対する経営者の責任

経営者の責任は、会社計算規則及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基

準に準拠して貸借対照表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重

要な虚偽表示のない貸借対照表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制

を整備及び運用することが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から貸借対照表に対する結論を表明することにある。

当監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針2400「財務諸表のレ

ビュー業務」に準拠してレビューを行った。レビュー業務実務指針2400は、当監査法人(注3)

に、貸借対照表が、会社計算規則及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基

準に準拠して適正に表示されていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなか

ったかどうかについて結論を表明することを求めている。また、レビュー業務実務指針2400は、当

監査法人(注3)に職業倫理に関する規定を遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した貸借対照表のレビューは、限定的保証業務である。レビ

ューにおいては、主として経営者及びその他適切な者に対する質問並びに分析的手続が実施され、

入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べて

相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の貸借対照表に対して監査意見を表

明しない。

結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の貸借対照表が、会社計算規則及び我が

国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、○○株式会社の×年×月×

日現在の財政状態を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められ

なかった。

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべき

利害関係はない。

以 上

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

- 79 -

レビュー実 2400

《文例10》

文例の前提となる状況

・ 特別目的の財務報告の枠組み及び準拠性の枠組みに準拠して作成された、個別の財務表であ

る資金収支計算書のレビュー業務である。

・ 災害義援金・補助金・寄付金等の収支結果を報告・開示するために、資金収支計算書は、資金

収支計算書の注記に記載した会計の基準に基づいて法人の理事者により作成されている。

・ 理事者は、特別目的の財務表の作成において財務報告の枠組みの選択肢を有している(第86項

(5)②参照)。

・ レビュー契約書において、本実務指針第30項(2)の財務諸表に対する理事者の責任が記載され

ている。

・ 資金提供者が閲覧することを予定しているため、レビュー報告書の配布及び利用は制限され

ていない。

・ 業務実施者は、個別の財務表である資金収支計算書のレビュー業務に加えて、法令等が要求す

るその他の報告責任を有しない。

・ 注記Xには以下の記載がある。

本資金収支計算書は、○○法人が×年×月×日から×年×月×日までの期間において行

った○○に関する活動の資金収支の結果について資金提供者に報告・開示するために作成

するものであり、○○法人の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を表示す

ることを目的とした財務諸表に相当するものではない。

○○に関する活動の資金の範囲及び収入及び支出の認識の基準は、以下のとおりであ

る。・・・。

独立業務実施者のレビュー報告書

×年×月×日

○○法人

理事会 御中

○○監査法人

○○事務所(注1)

指 定 社 員

業務執行社員

指 定 社 員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

当監査法人(注3)は、○○法人の×年×月×日から×年×月×日までの○○に関する資金収

支計算書、重要な会計方針及びその他の注記(以下「資金収支計算書」という。)についてレビュ

- 80 -

レビュー実 2400

ーを行った。

資金収支計算書に対する理事者の責任

理事者の責任は、注記Xに記載された会計の基準に準拠して資金収支計算書を作成することに

あり、また、資金収支計算書の作成に当たり適用される会計の基準が状況に照らして受入可能な

ものであるかどうかについて判断することにある。理事者の責任には、不正又は誤謬による重要

な虚偽表示のない資金収支計算書を作成するために理事者が必要と判断した内部統制を整備及

び運用することが含まれる。

業務実施者の責任

当監査法人(注3)の責任は、独立の立場から資金収支計算書に対する結論を表明することに

ある。当監査法人(注3)は、日本公認会計士協会が公表したレビュー業務実務指針2400「財務

諸表のレビュー業務」に準拠してレビューを行った。レビュー業務実務指針2400は、当監査法人

(注3)に、資金収支計算書が、注記Xに記載された会計の基準に準拠して作成されていないと

信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかったかどうかについて結論を表明する

ことを求めている。また、レビュー業務実務指針2400は、当監査法人(注3)に職業倫理に関す

る規定を遵守することを求めている。

レビュー業務実務指針2400に準拠した資金収支計算書のレビューは、限定的保証業務である。

レビューにおいては、主として理事者及びその他適切な者に対する質問並びに分析的手続が実施

され、入手した証拠の評価が行われる。

レビュー手続は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される監査に比べて

相当程度限定された手続であり、当監査法人(注3)は、上記の資金収支計算書に対して監査意

見を表明しない。

結論

当監査法人(注3)が実施したレビューにおいて、上記の資金収支計算書が、注記Xに記載さ

れた会計の基準に準拠して作成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認め

られなかった。

資金収支計算書作成の基礎

注記Xに記載されているとおり、資金収支計算書は、○○に関する資金収支の結果について資

金提供者に報告・開示するために注記Xに記載された会計の基準に準拠して作成されており、し

たがって、それ以外の目的には適合しないことがある。当該事項は、当監査法人(注3)の結論

に影響を及ぼすものではない。

利害関係

法人と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべ

- 81 -

き利害関係はない。

(注1)(注2)(注3)文例1に同じ

レビュー実 2400

以 上

以 上

- 82 -