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監査基準報告書560_後発事象.pdf

監査基準報告書560

後発事象

監基報560

2 0 1 1 年 7 月 1 日

改正 2 0 1 1 年 1 2 月 2 2 日

改正 2 0 1 5 年 5 月 2 9 日

改正 2 0 1 9 年 6 月 1 2 日

改正 2 0 2 1 年 1 月 1 4 日

改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

最終改正 2 0 2 4 年 9 月 2 6 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

(報告書:第 26 号)

項番号

Ⅰ 本報告書の範囲及び目的

1.本報告書の範囲 ................................................................... 1

2.本報告書の目的 ................................................................... 3

3.定義 ............................................................................. 4

Ⅱ 要求事項

1.期末日の翌日から監査報告書日までの間に発生した事象 ............................... 5

経営者確認書 ................................................................... 8

2.監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に監査人が知るところとなった事実 ... 9

3.財務諸表が発行された後に監査人が知るところとなった事実 .......................... 13

Ⅲ 適用指針

1.本報告書の範囲及び目的 .......................................................... A1

2.定義

(1) 監査報告書日 .................................................................. A2

(2) 財務諸表の承認日 .............................................................. A3

(3) 財務諸表の発行日 .............................................................. A4

3.期末日の翌日から監査報告書日までの間に発生した事象 .............................. A5

質問 .......................................................................... A8

4.監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に監査人が知るところとなった事実

(1) 監査報告書日より後に入手したその他の記載内容の影響 ............................ A9

(2) 経営者の監査人に対する責任 ................................................... A10

(3) 二重日付 ..................................................................... A11

(4) 監査報告書への依拠を防ぐための監査人の措置 ................................... A12

i

5.財務諸表が発行された後に監査人が知るところとなった事実

(1) 財務諸表が発行された後に入手したその他の記載内容の影響 ....................... A14

(2) 監査報告書への依拠を防ぐための監査人の措置 ................................... A15

Ⅳ 適用

監基報560

ii

監基報560

《Ⅰ 本報告書の範囲及び目的》

《1.本報告書の範囲》

1.本報告書は、財務諸表監査における後発事象に関する実務上の指針を提供するものである。なお、

監査基準報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」における、監査報告書日より後

に入手したその他の記載内容に関連する監査人の責任に関する事項については、本報告書では取り

扱っていない。ただし、監査報告書日より後に入手したその他の記載内容により、本報告書の範囲

内である後発事象が明らかになることもある(A1項参照)。

2.財務諸表は、期末日後に発生した一定の事象によって影響を受けることがある。財務報告の枠組

みの多くが、このような事象についての指針を設けている。

財務報告の枠組みにおいては、後発事象は一般的に、以下の二つの種類の事象に分類されている。

(1) 期末日現在において既に存在している状況に関する証拠を提供する事象(修正後発事象)

(2) 期末日後において発生した状況に関する証拠を提供する事象(開示後発事象)

監査基準報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」のA66項に記載のとおり、監査報

告書日は、監査人がその日付までに気付き、かつその日付までに発生した事象や取引の影響を検討

したことを、利用者に知らせるものである。

《2.本報告書の目的》

3.本報告書における監査人の目的は、以下の事項のとおりである。

(1) 期末日の翌日から監査報告書日までの間に発生し、財務諸表の修正又は財務諸表における開

示が要求される事象が、財務諸表に適切に反映されているかどうかについて、十分かつ適切な監

査証拠を入手すること。

(2) 監査報告書日後に監査人が知るところとなったが、もし監査報告書日現在に気付いていたと

したら、監査報告書を修正する原因となった可能性のある事実に対して適切に対応すること。

《3.定義》

4.本報告書における用語の定義は、以下のとおりとする。

(1) 「監査報告書日」-監査人が、監査基準報告書700に従って、監査報告書に記載する日付をい

う(A2項参照)。

(2) 「期末日」-財務諸表が対象とする直近の会計期間の末日をいう。

(3) 「後発事象」-期末日の翌日から監査報告書日までの間に発生した事象をいう。

(4) 「財務諸表の承認日」-関連する注記を含む全ての財務諸表が作成されており、認められた権

限を持つ者が、当該財務諸表に対する責任を認めた日付をいう(A3項参照)。

(5) 「財務諸表の発行日」-監査報告書と監査した財務諸表を第三者が入手可能となる日付をいう

(A4項参照)。

(6) 「事後判明事実」-監査報告書日後に監査人が知るところとなったが、もし監査報告書日現在

に気付いていたとしたら、監査報告書を修正する原因となった可能性のある事実をいう。

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監基報560

《Ⅱ 要求事項》

《1.期末日の翌日から監査報告書日までの間に発生した事象》

5.監査人は、期末日の翌日から監査報告書日までの間に発生し、財務諸表の修正又は財務諸表にお

ける開示が要求される全ての事象を識別したことについて十分かつ適切な監査証拠を入手するた

めに立案した監査手続を実施しなければならない。

ただし、監査人には、既に実施した他の監査手続によって一定の結論が得られた事項について、

追加的な監査手続を実施することが求められているわけではない(A5項参照)。

6.監査人は、期末日の翌日から監査報告書日までの期間を対象として、第5項が要求する手続を実

施しなければならない。

監査人は、第5項の監査手続の種類及び範囲を決定する際には、リスク評価の結果を勘案しなけ

ればならない。これらの監査手続には、以下のものを含めなければならない(A6項及びA7項参照)。

(1) 後発事象を識別するために経営者が実施している手続を理解すること。

(2) 経営者に、財務諸表に影響を及ぼす可能性のある後発事象が発生したかどうか質問すること

(A8項参照)。

(3) 期末日後に取締役会、監査役会、監査等委員会又は監査委員会、株主総会が開催されている場

合、その議事録を閲覧する。議事録が入手できない場合には、会議で討議された事項について質

問すること。

(4) 利用可能な場合は、企業の翌年度の直近の月次等の期中財務諸表を通読すること。

7.監査人は、第5項及び第6項に従って実施した手続の結果、財務諸表の修正又は財務諸表におけ

る開示が要求される事象を識別した場合、それらの事象が財務諸表に適切に反映されているかどう

か判断しなければならない。

《経営者確認書》

8.監査人は、期末日後に発生し、かつ適用される財務報告の枠組みにより財務諸表の修正又は財務

諸表における開示が要求される全ての事象が、適切に修正又は開示されていることについて、経営

者に、監査基準報告書580「経営者確認書」に従って経営者確認書に記載することを求めなければ

ならない。

《2.監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に監査人が知るところとなった事実》

9.監査人は、監査報告書日後に、財務諸表に関していかなる監査手続を実施する義務も負わない。

しかしながら、監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に、もし監査報告書日現在に

気付いていたとしたら、監査報告書を修正する原因となった可能性のある事実を知るところとなっ

た場合には、監査人は以下の手続を実施しなければならない(A9項及びA10項参照)。

(1) 経営者(及び適切な場合、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監

査役等」という。))と当該事項について協議すること。

(2) 財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要かどうか判断すること。

(3) 財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要な場合、当該事項について財務諸表でどの

ように扱う予定であるか経営者に質問すること。

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監基報560

10.経営者が財務諸表を修正又は財務諸表に開示する場合、監査人は以下の手続を実施しなければな

らない。

(1) 当該修正又は開示に関して、必要な監査手続を実施すること。

(2) 第11項が適用される場合を除き、以下の手続を実施すること。

① 第5項及び第6項の監査手続を、当該修正又は開示が追加された財務諸表に対する監査報告

書日までの期間に拡大して実施すること。

② 監査報告書を、当該修正又は開示が追加された財務諸表に対する監査報告書に差し替えるこ

と。

修正又は開示が追加された差替後の財務諸表に対する監査報告書の日付は、差替後の財務諸表の

承認日以降の日付とする。

11.法令等又は財務報告の枠組みにおいて、事後判明事実の影響に限定した財務諸表の修正又は財務

諸表における開示が禁止されておらず、かつ、財務諸表に対して責任を有する者が、当該修正又は

開示に限定して承認することが禁止されていない場合、監査人は第10項(2)①が要求する事後判明

事実に関する監査手続を当該修正又は開示に限定して実施することが認められる。

このような場合、監査人は、以下のいずれかの手続を実施しなければならない。

(1) 監査報告書を訂正し、事後判明事実に関する監査手続が、財務諸表の関連する注記に記載され

た財務諸表の修正又は財務諸表における開示のみに限定して行われたことを示すため、監査報告

書に当該修正又は開示に限定して対応する日付を追加的に記載すること(A11項参照)。

(2) 事後判明事実に関する監査手続が、財務諸表の関連する注記に記載された財務諸表の修正又

は財務諸表における開示のみに限定して行われたことを伝えるための記述を「強調事項」区分又

は「その他の事項」区分に含めた監査報告書に差し替えること(監査基準報告書706「独立監査人

の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」参照)。

12.監査人が財務諸表の修正又は財務諸表における開示が必要であると判断する状況において、経営者

が財務諸表の修正又は開示を行わない場合には、以下のいずれかの手続を実施しなければならない。

(1) まだ監査報告書を企業に提出していない場合、監査基準報告書705「独立監査人の監査報告書

における除外事項付意見」に従って、監査意見に及ぼす影響を考慮した上で、監査報告書を提出

すること。

(2) 既に監査報告書を企業に提出している場合、監査人は、経営者及び監査役等に、必要な財務諸

表の修正又は財務諸表における開示を行うまでは、財務諸表を第三者に対して発行しないよう通

知すること。

それにもかかわらず、必要な修正又は開示を行う前の財務諸表が発行された場合、監査人は、財

務諸表の利用者による監査報告書への依拠を防ぐための適切な措置を講じなければならない(A12

項及びA13項参照)。

《3.財務諸表が発行された後に監査人が知るところとなった事実》

13.監査人は、財務諸表が発行された後に、当該財務諸表に関していかなる監査手続を実施する義務

も負わない。

しかしながら、財務諸表が発行された後に、もし監査報告書日現在に気付いていたとしたら、監

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監基報560

査報告書を修正する原因となった可能性のある事実を知るところとなった場合には、監査人は以下

の手続を実施しなければならない(A14項参照)。

(1) 経営者(及び適切な場合、監査役等)と当該事項について協議すること。

(2) 財務諸表の訂正が必要かどうか判断すること。

(3) 財務諸表の訂正が必要な場合、当該事項について財務諸表でどのように扱う予定であるか経

営者に質問すること。

14. 経営者が財務諸表を訂正する場合、監査人は以下の手続を実施しなければならない。

(1) 当該訂正に関して、必要な監査手続を実施すること。

(2) 財務諸表の訂正について、以前に発行した財務諸表とその監査報告書を受領した全ての者に

対して伝達するために経営者が行う対応を検討すること。

(3) 第11項が適用される場合を除き、以下の手続を実施すること。

① 第5項及び第6項の監査手続を、訂正後の財務諸表に対する監査報告書日までの期間に拡大

して実施すること。訂正後の財務諸表に対する監査報告書の日付は、訂正後の財務諸表の承認

日以降の日付とする。

② 訂正後の財務諸表に対する監査報告書を提出すること。

(4) 第11項が適用される場合、第11項に従って、訂正後の財務諸表に対する監査報告書を提出する

こと。

15.監査人は、訂正後の財務諸表に対する監査報告書の「強調事項」区分又は「その他の事項」区分

に、以前に発行した財務諸表を訂正した理由を詳細に記載している財務諸表の注記を参照し、監査

人が以前に提出した監査報告書について記載しなければならない。

16.経営者が財務諸表の訂正について、以前に発行した財務諸表を受領した全ての者に対して伝達す

るために必要な対応を行わない場合、及び財務諸表に訂正が必要であると監査人が判断しているに

もかかわらず経営者が財務諸表を訂正しない場合、監査人は、経営者及び監査役等に、財務諸表の

利用者による監査報告書への依拠を防ぐための措置を講じる予定であることを通知しなければな

らない(監査基準報告書260「監査役等とのコミュニケーション」参照)。

このような通知にもかかわらず、経営者が必要な対応を行わない場合、監査人は、監査報告書へ

の依拠を防ぐための適切な措置を講じなければならない(A15項参照)。

《Ⅲ 適用指針》

《1.本報告書の範囲及び目的》(第1項参照)

A1. 監査済の財務諸表が、発行された後にその他の書類(ただし、監査基準報告書720の範囲内であ

る年次報告書を除く。)に含まれることがあり、有価証券の募集又は売出しの際に、募集又は売出

しを行う国の関連する法令等の要求事項に従う必要がある場合等、国内で財務諸表が発行された後

に、監査した財務諸表が目論見書等その他の書類に含まれることがあり、監査人は、検討すべき後

発事象について本報告書に記載されたもの以外に追加の責任を有することがある。

例えば、監査人は、目論見書等の最終版の日付まで、追加的な監査手続を実施することが要求さ

れる場合がある。

このような手続には、目論見書等の最終版の日付又はその発効日に近い日付まで、第5項及び第

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6項に記載する手続を実施することや、目論見書等に含まれるその他の情報が、監査人が関与する

財務情報と整合しているかを評価するために、目論見書等を通読することが含まれることがある

(監査基準報告書200「財務諸表監査における総括的な目的」第2項参照)。

監基報560

《2.定義》

《(1) 監査報告書日》(第4項(1)参照)

A2. 監査報告書日は、監査人が財務諸表に対する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を

入手した日より前の日付とすることはできない。十分かつ適切な監査証拠には、関連する注記を含

む全ての財務諸表が作成され、認められた権限を持つ者が、当該財務諸表に対して責任を認めたこ

とについての証拠が含まれる(監基報700第49項参照)。

したがって、監査報告書日は、第4項(4)で定義する財務諸表の承認日より前の日付とすること

はできない。事務手続上、企業に監査報告書を提出する日は、第4項(1)で定義する監査報告書日

より後となることもある。

《(2) 財務諸表の承認日》(第4項(4)参照)

A3. 我が国では、株主総会又は取締役会による財務諸表の最終承認が要求されているが、そのような

最終承認は、監査人が財務諸表に対する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手した

と判断するために必要なものではない。したがって、本報告書では、財務諸表の承認日は、経営者

が実施した後発事象の評価期間の末日を指し、通常、経営者確認書の日付となる。

《(3) 財務諸表の発行日》(第4項(5)参照)

A4.通常、財務諸表の発行日は、企業に適用される法令等によって決まる。ある状況においては、財

務諸表の発行日は、規制当局に財務諸表を提出する日となる場合がある。

監査した財務諸表は、監査報告書が添付されていないと発行できないため、監査した財務諸表の

発行日は、監査報告書日以降で、かつ企業に監査報告書が提出される日以降の日付でなければなら

ない。

《3.期末日の翌日から監査報告書日までの間に発生した事象》(第5項から第8項参照)

A5. 第5項が要求する監査手続には、監査人のリスク評価に応じて、十分かつ適切な監査証拠を入手

するために必要な手続が含まれ、期末日の翌日から監査報告書日までの間に発生した取引又は会計

記録の検討又は検証を伴う場合がある。

第5項及び第6項が要求する監査手続は、監査人が他の目的で実施する手続(例えば、カットオ

フ手続や期末日後の売掛金の入金に関する手続など、期末日現在の残高についての監査証拠を入手

するための手続)に加えて実施されるものである。ただし、当該他の目的で実施する手続によって、

後発事象に関する証拠が入手される場合もある。

A6. 第6項は、第5項に従って実施することが要求される一定の監査手続を記載している。ただし、

監査人が実施する後発事象に係る手続は、入手可能な情報と、特に、期末日後に作成された会計

録の範囲により影響を受ける場合がある。

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監基報560

最新の会計記録が作成されておらず、月次等の期中財務諸表(外部向けか内部向けかを問わな

い。)が作成されていない、又は取締役会、監査役会、監査等委員会、監査委員会等の議事録が作

成されていない場合には、関連する監査手続は、入手可能な会計帳簿及び銀行取引明細書等の記録

の閲覧という形式をとることがある。

A7項は、監査人が経営者に質問を実施する過程で検討する追加的な事項を例示している。

A7. 監査人は、第6項が要求する監査手続に加えて、以下の手続を実施することが必要かつ適切であ

ると考えることがある。

・ 期末日後に申請・決裁された稟議書を閲覧すること(稟議書が回付中のものは、受付簿等でそ

の内容を確認する。)。

・ 期末日後の期間に対する予算や資金計画のような、最新の利用可能な経営管理資料を通読する

こと。

・ 訴訟及び損害賠償請求に関して、企業の顧問弁護士に質問する、又は以前行った口頭若しくは

文書による質問への回答を更新すること。

・ 他の監査証拠を裏付け、十分かつ適切な監査証拠を入手するため、経営者確認書で特定の後発

事象についての確認を行う必要があるかどうか検討すること。

《質問》(第6項(2)参照)

A8. 監査人は、財務諸表に影響を及ぼす可能性のある後発事象が発生したかどうかについて経営者

に質問する際に、暫定的なデータを基に会計処理された項目の現在の状況や以下の特定の事項につ

いて質問することがある。

・ 新たな約定、借入又は保証が行われたかどうか。

・ 資産の売却又は取得、又はその計画があるかどうか。

・ 資本の増加や債券の発行(例えば、新株や社債の発行)が行われているか、又は合併や清算の

手続が行われているか、若しくはその計画があるかどうか。

・ 政府によって収用された、又は火災や出水等により重大な損害を受けた資産があるかどうか。

・ 偶発事象について何か進展があったかどうか。

・ 通常でない会計上の修正が行われたか、又は検討されているかどうか。

・ 財務諸表で使用している会計方針の適切性に疑問を抱かせるような事象が発生しているか、又

は発生する可能性がないかどうか(例えば、継続企業の前提に疑義を生じさせるような事象)。

・ 財務諸表で行われた見積り又は引当金の測定に関連する事象が発生したかどうか。

・ 資産の回収可能性に関連する事象が発生したかどうか。

《4.監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に監査人が知るところとなった事実》

《(1) 監査報告書日より後に入手したその他の記載内容の影響》(第9項参照)

A9. 監査人は、監査報告書日後は、財務諸表に関していかなる監査手続を実施する義務も負わない

が、監査基準報告書720は監査報告書日より後にその他の記載内容を入手した場合の要求事項を規

定しており、これには監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に入手したその他の記載

内容も含まれる。

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監基報560

《(2) 経営者の監査人に対する責任》(第9項参照)

A10. 監査業務の契約条件に従い、経営者は、監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に

知るところとなった、財務諸表に影響を及ぼす可能性のある事実を監査人に通知する責任を有す

る。(監査基準報告書210「監査業務の契約条件の合意」のA24項参照)

《(3) 二重日付》(第 11 項(1)参照)

A11.第11項(1)に記載された状況において、監査人が、事後判明事実の影響による財務諸表の修正又

は開示に限定して対応する日付を追加的に記載するために監査報告書を訂正する場合、差替前の財

務諸表に対する監査報告書日は変更されない。これは、差替前の財務諸表に対する監査の作業が完

了した時点を利用者に知らせるためである。

一方、当初の監査報告書日の後の監査人の手続は、財務諸表の事後的な修正部分に限定されてい

ることを利用者に知らせるために、監査報告書に追加の日付が含められる。

以下は、追加される日付の記載例である。

「○年○月○日(監査報告書日)、ただし注記Yについては○年○月○日(注記Yに記載された

修正又は開示に限定して実施した監査手続の完了日)」

《(4) 監査報告書への依拠を防ぐための監査人の措置》(第 12 項(2)参照)

A12.監査人は、財務諸表を発行しないように経営者に通知し、経営者がこの要請に同意したとして

も、追加の法令上の義務を果たすことが必要な場合がある。

A13.第三者に財務諸表を発行しないよう経営者に通知したにもかかわらず、経営者が財務諸表を発

行した場合、当該財務諸表に対する監査報告書への依拠を防ぐために監査人が講じる措置は、監査

人の法令上の権利及び義務によって決まる。これは監査役等への報告、適切な場合には株主総会で

の意見陳述、監査契約の解除等を含む。このため、監査人は、法律専門家に助言を求めることが有

益と考えることがある。

《5.財務諸表が発行された後に監査人が知るところとなった事実》

《(1) 財務諸表が発行された後に入手したその他の記載内容の影響》(第 13 項参照)

A14. 監査人の監査報告書日より後に入手したその他の記載内容に対する義務については、監査基準

報告書720に規定されている。監査人は、財務諸表が発行された後に、当該財務諸表に関していか

なる監査手続を実施する義務も負わないが、監査基準報告書720は、監査報告書日より後にその他

の記載内容を入手した場合の要求事項を規定している。

《(2) 監査報告書への依拠を防ぐための監査人の措置》(第 16 項参照)

A15.監査人が、以前に発行された財務諸表に対する監査報告書への依拠を防ぐための措置を講じる

ように事前に通知したにもかかわらず、経営者が必要な対応を行っていないと監査人が判断した場

合に監査人が講じる措置は、監査人の法令上の権利及び義務によって決まる。これは監査役等への

報告、適切な場合には株主総会での意見陳述、監査契約の解除等を含む。このため、監査人は、法

律専門家に助言を求めることが有益と考えることがある。

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監基報560

《Ⅳ 適用》

・ 本報告書(2011年7月1日)は、2011年7月1日に発効し、2011年9月30日以後終了する中間

会計期間に係る中間監査及び2012年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用する。

・ 本報告書(2011年12月22日)は、2012年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。

・ 本報告書(2015年5月29日)は、2015年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。

・ 本報告書(2019年6月12日)は、2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用す

る。

・ 本報告書(2021年1月14日)は、2022年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用す

る。ただし、2021年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から早期適用することができる。

以 上

・ 本報告書(2022年10月13日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(2022年7月

21日改正)

・ 本報告書(2024年9月26日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 監査基準報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」(2024年9月26日改正)

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