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実務対応報告第 20 号 投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の 適用に関する実務上の取扱い

平成 18 年 9 月 8 日 改正平成 21 年 3 月 27 日 最終改正平成 23 年 3 月 25 日 企業会計基準委員会

本実務対応報告は、2024 年 11 月 1 日までに公表された次の会計基準等による修正が反映

されている。

 「法令等の改正に伴う企業会計基準等の修正について」(2022 年 7 月 1 日公表)

 移管指針「移管指針の適用」(2024 年 7 月 1 日公表)

 「2024 年年次改善プロジェクトによる企業会計基準等の修正について」(2024 年 11

月 1 日公表)

目 的

子会社の判定基準については、企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」

(以下「連結会計基準」という。)が公表され、関連会社の判定基準については、企業会計

基準第 16 号「持分法に関する会計基準」(以下「持分法会計基準」という。また、持分法

会計基準と連結会計基準を合わせて「連結会計基準等」という。)が公表されている。連結

会計基準第 5 項及び第 6 項並びに持分法会計基準第 4-2 項及び第 5 項では、子会社及び関連

会社の範囲を会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するもの

を含む。)としている。

このため、投資事業組合が、連結や持分法の対象とすべき子会社又は関連会社の範囲に含

まれる場合があることは明らかであり、連結会計基準等に従い、会社と同様に、支配力基準

及び影響力基準を適用することとなる1。しかしながら、近時、投資事業組合に係る不適切な

会計処理が指摘されており、その適用に関する取扱いをより明確にすることが必要ではない

かという意見があることから、本実務対応報告では、投資事業組合に対する支配力基準及び

影響力基準の適用について、実務上の取扱いを示すこととした。

なお、平成 20 年 12 月に連結会計基準が公表され、また、持分法会計基準が改正されたこ

とから、これらの会計基準等における表現等に合わせるための技術的な改正を平成 21 年 3

1 この点については、例えば、日本公認会計士協会 監査・保証実務委員会実務指針第 88 号「連 結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する監査上の留意点についてのQ& A」Q12 及び移管指針第 12 号「金融商品会計に関するQ&A」Q71 も参照のこと。

- 1 -

月に行った。

また、平成 23 年には、「連結財務諸表制度における子会社及び関連会社の範囲の見直し

に係る具体的な取扱い」三の見直しによる連結会計基準の改正に伴う所要の改正を行った。

会計処理

投資事業組合に対して支配力基準及び影響力基準を適用するにあたっての考え方

投資事業組合に対しても、会社と同様に、支配力基準及び影響力基準を適用するが、投資

事業組合の場合には、株式会社のように出資者が業務執行者を選任するのではなく、意思決

定を行う出資者が業務執行の決定も直接行うことなどから、株式会社における議決権を想定

している連結会計基準等を投資事業組合に対して適用する場合には、基本的には業務執行の

権限を用いることによって、当該投資事業組合に対する支配力又は影響力を判断することが

適当である(Q1 のAの 2 及びQ6 のAの 2 参照)。

もっとも、出資者(出資以外の資金の拠出者を含む。)が投資事業組合に係る業務執行の

権限を有していない場合であっても、当該出資者からの出資額や資金調達額の状況や、投資

事業から生ずる利益又は損失の享受又は負担の状況等によっては、当該投資事業組合は当該

出資者の子会社に該当するものとして取り扱われることがあることに留意する必要がある

(Q1 のAの 2(3)及び 3(1)参照)。

投資事業組合に対する支配力基準の適用

Q1 連結会計基準第 5 項及び第 6 項では、連結財務諸表上、会社と同様に、組合も支配

力基準により子会社と判定される。当該支配力基準は、投資事業組合に対して、具体

的にどのように適用されるか。

A 投資事業組合は、一般に、投資事業有限責任組合契約に関する法律(以下「投資事

業有限責任組合法」という。)による投資事業有限責任組合や、民法上の任意組合(民

法第 667 条以下)、商法上の匿名組合(商法第 535 条以下)として組成されており、投

資育成や企業再生支援など様々な投資事業を行っている場合が多い。

1 連結会計基準の定め

連結会計基準第 7 項では、他の企業の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関

(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配し

ていることとは、原則として次の場合をいうものとしている。

(1) 他の企業の議決権の過半数を自己の計算において所有している場合

- 2 -

(2) 他の企業の議決権の 100 分の 40 以上、100 分の 50 以下を自己の計算において所

有している企業であって、かつ、当該他の企業の意思決定機関を支配している一定

の事実が認められる場合

(3) 自己の計算において所有している議決権と、緊密な者(自己と出資、人事、資

金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の

議決権を行使すると認められる者)及び同意している者(自己の意思と同一の内容

の議決権を行使することに同意している者)が所有している議決権とを合わせて、

他の企業の議決権の過半数を占めている場合であって、かつ、当該他の企業の意思

決定機関を支配している一定の事実が認められる場合

2 投資事業組合における具体的な適用

投資事業有限責任組合や民法上の任意組合の場合には、株式会社のように出資者が

業務執行者を選任するのではなく、その共同事業性から、財務及び営業又は事業の方

針の決定も、それに基づく業務執行の決定も出資者が直接行う。ただし、これらの組

合であっても、必ずしも全組合員が業務執行の決定を行うわけではなく、一部の組合

員が行う場合も多い。具体的には、投資事業組合が投資事業有限責任組合として組成

される場合、業務執行の決定は、無限責任組合員が行い(投資事業有限責任組合法第 7

条第 1 項)、無限責任組合員(すなわち業務執行組合員)が複数いる場合には、その過

半数をもって行われる(投資事業有限責任組合法第 7 条第 2 項)。また、投資事業組合

が民法上の任意組合として組成される場合、業務執行の決定は、組合員の過半数をも

って行われる(民法第 670 条第 1 項)が、組合契約で業務執行組合員を定めた場合に

は、当該業務執行組合員の過半数をもって行われる(民法第 670 条第 2 項及び第 3 項)。

また、投資事業組合が商法上の匿名組合として組成される場合、業務執行は営業者

によって行われる(商法第 536 条第 3 項)。この場合、民法上の任意組合のように組合

員相互間に契約はなく組合財産も形成されないが、同一の投資事業について営業者が

複数の匿名組合員との間でそれぞれ匿名組合契約を締結することが多く、また、投資

事業有限責任組合や民法上の任意組合として組成される場合と経済実態に差がない場

合も多い。

このような投資事業組合において、財務及び営業又は事業の方針の決定は組合契約

において定められる場合もあるが、株式会社における株主の議決権行使と異なり、各

組合員が定期的に当該方針決定に関わっているかどうか判別できないことが多い。ま

た、業務執行組合員が当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方針を決定してい

ると認められる場合も少なくない。このため、次の場合には、業務執行者(匿名組合

における営業者を含む。以下同じ。)が当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方

針を決定できないことが明らかであると認められる場合(Q2 参照)を除き、当該投資

- 3 -

事業組合2は業務執行者の子会社に該当する。

(1) 当該投資事業組合の業務の執行を決定することができる場合(すなわち、業務

執行者が複数いる場合には、その過半数をもって行われるため、業務執行を決定

する権限全体のうち、その過半の割合を自己(自己の子会社3を含む。以下同じ。)

の計算において有している場合)

例えば、ある会社の複数の連結会社が同一の投資事業組合に出資する場合(Q3

参照)や、自らの名義による組合への出資に加え、組合への出資の名義が当該会

社以外の者となっていても当該会社が自己の計算で業務執行の権限を有している

ときにおいて、当該投資事業組合に係る業務執行の権限の過半の割合を有してい

る場合が該当する。また、組合契約で定めたそれぞれの業務執行者の業務執行の

権限の割合により、当該会社が当該投資事業組合に係る業務執行の権限の過半の

割合を有している場合も該当する。

(2) 当該投資事業組合の業務執行の権限全体のうち、その 100 分の 40 以上、100 分

の 50 以下を自己の計算において有している場合であって、かつ、次のいずれかの

要件に該当する場合

① 自己の計算において有している業務執行の権限と緊密な者及び同意している

者が有している業務執行の権限とを合わせて、当該投資事業組合に係る業務執行

の権限の過半の割合を占めていること。

ここで、「緊密な者」とは、自己と出資、人事、資金、技術、取引等において

緊密な関係があることにより、自己の意思と同一の内容の業務執行の権限を行使

すると認められる者をいう。緊密な関係の有無については、両者の関係に至った

経緯、両者の関係状況の内容、過去の業務執行の権限の行使の状況、自己の商号

との類似性等を踏まえ、実質的に判断する4。さらに、緊密な者には、これまで

自己と関係がない場合でも、自己と投資事業組合、緊密な者に該当すると考えら

れる者との関係状況からみて、自己の意思と同一の内容の業務執行の権限を行使

すると認められる者を含み、また、企業以外に、出資者である会社の役員若しく

は使用人である者、又はこれらであった者など、当該出資者である会社の意向に

沿って当該投資事業組合の業務執行の権限を行使すると認められる個人を含む

2 同一の投資事業について営業者が複数の匿名組合員との間でそれぞれ匿名組合契約を締結し ている場合には、この匿名組合グループを 1 つの投資事業組合とみて、本実務対応報告を適用す る。 3 子会社には、会社のみならず、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当 するものを含む。)も該当する(連結会計基準第 5 項及び第 6 項)。また、親会社及び子会社又 は子会社が、他の企業を支配している場合における当該他の企業(いわゆる孫会社)も、その子 会社とみなされる(連結会計基準第 5 項及び第 6 項並びに本実務対応報告Q3 参照)。 4 この点については、企業会計基準適用指針第 22 号「連結財務諸表における子会社及び関連会 社の範囲の決定に関する適用指針」や、日本公認会計士協会 監査・保証実務委員会実務指針第 88 号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する監査上の留意点につい てのQ&A」も参照のこと。

- 4 -

ことに留意する必要がある。

また、「同意している者」とは、自己の意思と同一の内容の業務執行の権限を

行使することに同意していると認められる者(個人を含む。)をいう。

② 当該投資事業組合の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契

約等が存在すること。なお、例えば、単なる事務管理契約など、当該契約の終了

によっても当該投資事業組合による投資事業の継続に重要な影響を及ぼすこと

とならない契約等は、これに該当しない。

③ 当該投資事業組合の資金調達額(貸借対照表の負債に計上されているもの)

の総額の概ね過半について融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)

を行っていること(緊密な者が行う融資を合わせて資金調達額の総額の概ね過半

となる場合を含む。)。ただし、金融機関が通常の営業取引として融資を行って

いる場合であって、資金の関係を通じて財務及び営業又は事業の方針の決定を支

配していないときには、該当しない((2)④についても同じ)。

④ 当該投資事業組合の資金調達額(貸借対照表の負債に計上されているものに

限らない。)の総額の概ね過半について融資及び出資を行っていること(緊密な

者が行う融資及び出資を合わせて資金調達額の総額の概ね過半となる場合を含

む。)。

⑤ 当該投資事業組合の投資事業から生ずる利益又は損失の概ね過半について享

受又は負担することとなっていること(緊密な者が享受又は負担する額を合わせ

て当該利益又は損失の概ね過半となる場合を含む。)。

⑥ その他当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方針の決定を左右すると

推測される事実が存在すること。

(3) 自己の計算において有している当該投資事業組合に係る業務執行の権限(当該業

務執行の権限を有していない場合を含む。)と、緊密な者及び同意している者が有

している業務執行の権限とを合わせて、当該業務執行の権限の過半の割合を占め

ているときであって、かつ、上記(2)の②から⑥までのいずれかの要件に該当する

場合

このため、当該投資事業組合に係る業務執行の権限を有していない場合であっても、

緊密な者及び同意している者が有している業務執行の権限が、当該投資事業組合の業

務執行の権限の過半の割合を占め、かつ、緊密な者と合わせて、当該投資事業組合の

資金調達額の総額の概ね過半について融資及び出資を行っている場合(上記(3)と(2)

④の場合)や当該投資事業組合の投資事業から生ずる利益又は損失の概ね過半につい

て享受又は負担することとなっている場合(上記(3)と(2)⑤の場合)等には、通常、

当該投資事業組合は子会社に該当することとなる。

3 投資事業組合に対する支配力基準の適用にあたっての留意事項

- 5 -

実務上、投資事業組合に対する支配力基準の適用にあたっては、次のように取り扱

われることとなる。

(1) 出資者(出資以外の資金の拠出者を含む。)が投資事業組合の業務執行の権限の

100 分の 40 以上を有していない場合でも、出資額(又は資金調達額)の総額の半

分を超える多くの額を拠出している場合や投資事業から生ずる利益又は損失の半

分を超える多くの額を享受又は負担する場合等には、当該投資事業組合の業務執

行の権限の過半の割合を有する者が当該出資者の緊密な者に該当することが多い

と考えられ、この場合には、当該投資事業組合は当該出資者の子会社に該当する

(ただし、当該業務執行の権限の過半の割合を有する者が当該投資事業組合の財

務及び営業又は事業の方針を決定していないことが明らかであると認められる場

合(Q2 参照)を除く。)。

(2) 出資者の子会社に該当しない他の会社や組合、財団法人・社団法人などの公益

法人、特定非営利活動法人(NPO 法人)などの事業体や個人を介在させている場合

であっても、当該出資者が当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方針を決

定しているときには、当該投資事業組合は当該出資者の子会社に該当する。

なお、移管指針第 9 号「金融商品会計に関する実務指針」第 132 項において、民法

上の任意組合などの組合等への出資については、原則として、組合等の財産の持分相

当額を出資金(金融商品取引法第 2 条第 2 項に基づいて有価証券とみなされるものに

ついては有価証券)として計上し、組合等の営業により獲得した損益の持分相当額を、

有限責任の範囲内で、当期の損益として計上することになるとされている。このため、

投資事業組合については、当該組合の財務諸表に基づいて、当該組合に対する出資等

に対応する数値が個別財務諸表に反映されていても、このことと子会社に該当し連結

の範囲に含まれることとは別個に判断すべきであり、子会社に該当するか否かは、あ

くまでも支配力基準によって判定することに留意する必要がある(日本公認会計士協

会 監査・保証実務委員会実務指針第 88 号「連結財務諸表における子会社及び関連会

社の範囲の決定に関する監査上の留意点についてのQ&A」Q12 参照)。

ただし、投資事業組合が商法上の匿名組合として組成される場合、通常、営業者が

当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方針を決定しているが、匿名組合事業は

営業者の個別財務諸表に反映されていることから、営業者においては当該匿名組合を

子会社とする必要はないこととなる5。

5 このように、商法上の匿名組合として組成される場合、通常、営業者が当該投資事業組合の財 務及び営業又は事業の方針を決定しているため、基本的には、匿名組合員が当該匿名組合を連結 することはない。しかし、当該匿名組合に関して、営業者が匿名組合員の緊密な者と認められ、 かつ、匿名組合員が当該匿名組合を支配している一定の事実が認められる場合には、匿名組合事 業が営業者の個別財務諸表に反映されているが、匿名組合は当該匿名組合員の子会社に該当し連 結の範囲に含まれることとなる。 なお、営業者及び匿名組合が、いずれも匿名組合員の子会社に該当する場合において、当該匿 名組合の事業を含む営業者の損益のほとんどすべてが匿名組合員に帰属するようなときは、同様

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また、投資事業組合が連結会計基準第 7-2 項の要件を満たす特別目的会社にあたる

場合には、譲渡者の子会社に該当しないものと推定されることとなる。

Q2 連結財務諸表上、投資事業組合に対して支配力基準を適用するにあたり、当該投資

事業組合を支配していることに該当する要件のいずれかを満たしていても、当該投資

事業組合の財務及び営業又は事業の方針を決定できないことが明らかであると認めら

れる場合とは、どのような場合が該当するか。

A 連結会計基準第 7 項では、上記Q1 のAの 1(1)から(3)のいずれかの場合であっても、

財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の企業の意思決定機関を支配して

いないことが明らかであると認められる企業は、子会社に該当しないものとしている。

投資事業組合においては、通常、以下のような場合が該当すると考えられるが、そ

の出資状況や営業上又は事業上の関係、取引スキームなど実態に応じて、組合員は適

切に判断する必要がある(ただし、関連会社に該当する場合はあり得ることに留意す

る必要がある(Q6 参照))。

(1) 複数の企業(親子関係にある企業を除く。)が、それぞれ当該他の企業を支配し

ていることにはならないことから、投資事業組合においても、通常の会社の場合

と同様に、例えば、当該投資事業組合に係る業務執行の権限の 100 分の 40 以上、

100 分の 50 以下を自己の計算において有している会社が、当該投資事業組合を支

配していることに該当する要件のいずれかを満たしているものの、他に当該投資

事業組合に係る業務執行の権限の過半の割合を自己の計算において有している組

合員が存在し、当該業務執行組合員が独立して方針を決定していることが明らか

な場合

(2) 業務執行者の執行する業務が管理業務に準ずる業務であることが明らかである

と認められる場合(ただし、当該業務執行者が組合に出資している場合には、出

資者であり、かつ、業務執行していることから、重要性が乏しい場合を除き、個

別貸借対照表及び個別損益計算書双方について持分相当額を計上する方法(いわ

ゆる総額法)を採用することが適当である。)

これには、例えば、組合員が財務及び営業又は事業の方針を形式的にも実質的

にも決定しており、業務執行者は単に組合員によって意思決定された方針を遂行

するに過ぎないことが明らかである場合が該当するものと考えられる。ただし、

当該投資事業組合に対する出資や、当該業務執行者が投資事業組合の投資事業か

の効果を有する特定目的会社や信託を用いる場合との関係を考慮して、営業者ではなく匿名組合 自体を連結の範囲に含めることが適当である。この場合、当該匿名組合の事業を含まない営業者 固有の事業については、通常重要性が乏しいと考えられ、当該営業者については子会社であって も連結の範囲に含めないことができると考えられる。

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ら生ずる損益(業務執行に係る適正な対価以外のもの)の享受又は負担が、概ね

過半を超えている場合には該当しないことに留意する必要がある。

この場合において、組合契約に従い当該投資事業組合の財務及び営業又は事業

の方針の変更を行うことができる者6がいれば、その者の子会社に該当することと

なる。

なお、当該投資事業組合の組成が、独立企業要件、契約要件、対価要件及びその他の

支配要件のすべてを満たす場合、当該投資事業組合の組成は共同支配企業の形成に該当

する(企業会計基準第 21 号「企業結合に関する会計基準」第 37 項及び企業会計基準適

用指針第 10 号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」第 175

項)。当該共同支配企業に対し、出資者である企業は当該投資事業組合を支配していな

いため、通常の企業の場合と同様に、当該投資事業組合は出資者である当該企業の子会

社には該当しない。

Q3 連結会計基準第 6 項では、親会社及び子会社又は子会社が、他の企業の意思決定機

関を支配している場合における当該他の企業も、また、子会社とみなすものとしてい

る。具体的にどのような場合に、投資事業組合は親会社の子会社とみなされるか。

A 具体的な例として、以下のような場合、投資事業組合は親会社の子会社とみなされ

る。

(1) 親会社と子会社が一体となって投資事業組合を支配している場合

例えば、親会社と子会社(子会社となる投資事業組合を含む。)の有する業務

執行の権限を合算して投資事業組合に係る業務執行の権限の過半の割合を有する

こととなる場合(Q1 のAの 2(1)参照)や、親会社と子会社の有する業務執行の

権限を合算すると投資事業組合に係る業務執行の権限の 100 分の 40 以上、100 分

の 50 以下を有することとなり、かつ、親会社と子会社とを合わせて当該投資事業

組合を支配している一定の事実が認められる場合(Q1 のAの 2(2)参照)が該当

する。また、出資者である親会社と子会社が当該投資事業組合の業務執行の権限

を有していない場合であっても、緊密な者及び同意している者が有している業務

執行の権限が、当該投資事業組合の業務執行の権限の過半の割合を占め、かつ、

当該投資事業組合を支配している一定の事実が認められる場合(Q1 のAの 2(3)

参照)が該当する。

(2) 子会社 1 社で投資事業組合を支配している場合

6 これには、ある組合員が、財務及び営業又は事業の方針の変更を単独では行うことができない ものの、緊密な者及び同意している者の権利を合わせれば、これを行うことができる場合の当該 組合員を含む。

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例えば、子会社が 1 社で投資事業組合に係る業務執行の権限の過半の割合を有

している場合や、子会社が 1 社で投資事業組合に係る業務執行の権限の 100 分の

40 以上、100 分の 50 以下を有しており、かつ、当該投資事業組合を支配している

一定の事実が認められる場合が該当する。また、出資者である子会社が当該投資

事業組合に係る業務執行の権限を有していない場合であっても、緊密な者及び同

意している者が有している業務執行の権限が、当該投資事業組合の業務執行の権

限の過半の割合を占め、かつ、当該投資事業組合を支配している一定の事実が認

められる場合が該当する。

(3) 複数の子会社が一体となって支配している場合

例えば、子会社 2 社の所有する業務執行の権限を合算して投資事業組合に係る

業務執行の権限の過半の割合を有している場合や、子会社 2 社の所有する業務執

行の権限を合算すると投資事業組合に係る業務執行の権限の 100 分の 40 以上、100

分の 50 以下を有しており、かつ、子会社 2 社で合わせて当該投資事業組合を支配

している一定の事実が認められる場合が該当する。また、出資者である子会社 2

社がいずれも当該投資事業組合の業務執行の権限を有していない場合であっても、

緊密な者及び同意している者が有している業務執行の権限が、当該投資事業組合

の業務執行の権限の過半の割合を占め、かつ、当該投資事業組合を支配している

一定の事実が認められる場合が該当する。

Q4 連結会計基準第 14 項(1)では、子会社のうち、支配が一時的であると認められる企業

は、連結の範囲に含めないものとしている。子会社が投資事業組合である場合、具体的

にどのような場合が該当するか。

A 企業会計基準適用指針第 22 号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の

決定に関する適用指針」第 18 項では、直前連結会計年度において支配に該当しておら

ず、かつ、翌連結会計年度以降相当の期間にわたって支配に該当しないことが確実に

予定されている場合に、支配が一時的であるとして取り扱うものとしている。

このため、具体的には、例えば、直前連結会計年度末において企業が有する投資事

業組合の業務執行の権限が 100 分の 50 以下で、かつ、当該投資事業組合を支配してい

る一定の事実がなく支配に該当しない場合において、翌連結会計年度以降その有する

業務執行の権限が相当の期間にわたって 100 分の 50 以下であり、かつ、当該投資事業

組合を支配している一定の事実がなく支配に該当しないことが確実に予定されている

場合は、支配が一時的であると認められる。

なお、投資事業組合が直前連結会計年度以降に組成されている場合には、直前連結

会計年度において支配に該当しておらず、かつ、当連結会計年度又は翌連結会計年度

- 9 -

に解散が予定されているときであっても、当該投資事業組合の存続期間の大部分を支

配していることになるため、支配が一時的であることには該当しないことに留意する

必要がある。

Q5 連結会計基準第 14 項(2)では、子会社のうち、連結することにより利害関係者の判

断を著しく誤らせるおそれのある企業は、連結の範囲に含めないものとしている。子

会社が投資事業組合の場合にも該当するか。

A 投資事業組合が子会社に該当しても、連結の範囲に含めることにより、当該投資事

業組合を子会社とする出資者の利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがあると認

められる場合には、連結の範囲に含めないものとなるが、一般に、それは限定的であ

ると考えられる7。

投資事業組合に対する影響力基準の適用

Q6 連結財務諸表上、関連会社の判定基準である影響力基準は、投資事業組合に対して、

具体的にどのように適用されるか。

A 持分法会計基準第 4-2 項及び第 5 項により、連結財務諸表上、会社と同様に、組合

も持分法の対象とすべき関連会社の範囲に含まれ、投資事業組合についても、影響力

基準により関連会社と判定される。

1 持分法会計基準の定め

持分法会計基準第 5-2 項では、子会社以外の他の企業の財務及び営業又は事業の方

針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合とは、原則として次の場合を

いうものとしている。

(1) 子会社以外の他の企業の議決権の 100 分の 20 以上を自己の計算において所有し

ている場合

(2) 子会社以外の他の企業の議決権の 100 分の 15 以上、100 分の 20 未満を自己の計

7 なお、他の企業が子会社に該当しても、例えば、当該子会社がある匿名組合事業の営業者とな り当該匿名組合の事業を含む子会社の損益のほとんどすべてが匿名組合員に帰属し、当該子会社 及びその親会社には形式的にも実質的にも帰属せず、かつ、当該子会社との取引がほとんどない ような場合には、当該子会社を連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれが あると認められるときに該当するものと考えられる。

- 10 -

算において所有しているときであって、かつ、当該子会社以外の他の企業の財務

及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる一定の

事実が認められる場合

(3) 自己の計算において所有している議決権と、緊密な者(自己と出資、人事、資

金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容

の議決権を行使すると認められる者)及び同意している者(自己の意思と同一の

内容の議決権を行使することに同意している者)が所有している議決権とを合わ

せて、子会社以外の他の企業の議決権の 100 分の 20 以上を占めているときであっ

て、かつ、当該子会社以外の他の企業の財務及び営業又は事業の方針の決定に対

して重要な影響を与えることができる一定の事実が認められる場合

2 投資事業組合における具体的な適用

次の場合には、投資事業組合が子会社にあたる場合又は投資事業組合の財務及び営

業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかで

あると認められる場合8を除き、当該投資事業組合は業務執行者の関連会社に該当する。

(1) 当該投資事業組合に係る業務執行の権限の 100 分の 20 以上を自己の計算におい

て有している場合

(2) 当該投資事業組合に係る業務執行の権限の 100 分の 15 以上、100 分の 20 未満を

自己の計算において有している場合であって、かつ、次のいずれかの要件に該当す

る場合

① 当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方針の決定に重要な影響を与え

る契約が存在すること。

② 当該投資事業組合に対して重要な融資(債務の保証及び担保の提供を含む。)

又は出資を行っていること。

③ 当該投資事業組合の多くの投資先との間に、重要な投資育成や再生支援等、

営業上又は事業上の取引があること。

④ その他当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要

な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。これには、

例えば、当該投資事業組合の組成への関与を通じて、その後も重要な影響を与

えている場合などを含む。

(3) 自己の計算において有している当該投資事業組合に係る業務執行の権限(自己

の計算において有していない場合を含むが、自己の計算において有している割合が

100 分の 15 未満である場合を前提とする。)と緊密な者及び同意している者が有し

ている業務執行の権限とを合わせて、当該業務執行の権限の 100 分の 20 以上を占

8 この場合でも、個別財務諸表の処理は、そのまま連結財務諸表に取り込むこととなる(このよ うな取扱いについては、「金融商品会計に関するQ&A」Q71 も参照のこと)。

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めているときであって、かつ、上記(2)の①から④までのいずれかの要件に該当す

る場合

なお、持分法の適用において(非連結子会社の場合を含む。)、組合員の個別財務諸

表上、貸借対照表及び損益計算書双方について持分相当額を計上する方法(いわゆる

総額法)や、貸借対照表については持分相当額を純額で損益計算書については損益項

目の持分相当額を計上する方法(いわゆる折衷法)を採用している場合でも、それは

組合契約の内容の実態及び経営者の意図を考慮して、経済実態を適切に反映するため

に行われたものであり、また、連結財務諸表は個別財務諸表を基礎として作成される

ことから、連結財務諸表を作成する場合には、個別財務諸表の処理をそのまま取り込

むこととなる。

適用時期等

平成 18 年に公表された実務対応報告(以下「平成 18 年実務対応報告」という。)は、公

表日以後終了する連結会計年度に係る連結財務諸表及び中間連結会計期間に係る中間連結

財務諸表から適用する。これは、投資事業組合が、連結や持分法の対象とすべき子会社又は

関連会社の範囲に含まれるか否かの判定をすべき対象であることは連結会計基準等におい

て明らかであり、平成 18 年実務対応報告は、投資事業組合に対する支配力基準及び影響力

基準の適用について、原則として実務上の取扱いをより明確にするものであることによる

(なお、個別財務諸表に関する部分についても、同様に、公表日以後終了する事業年度に係

る財務諸表及び中間会計期間に係る中間財務諸表から適用する。)。

しかし、平成 18 年実務対応報告を適用することにより、これまで行ってきた会計処理と

異なることとなる場合には、これまでの会計処理が明らかに不合理であると認められる場合

を除き、会計基準の変更に伴う会計方針の変更として取り扱う。

平成 21 年に改正された実務対応報告(以下「平成 21 年改正実務対応報告」という。)は、

平成 20 年 12 月に公表された連結会計基準及び持分法会計基準が適用された連結会計年度及

び事業年度から適用する。

また、平成 23 年に改正された実務対応報告(以下「平成 23 年改正実務対応報告」という。)

の適用時期は、次のとおりとする。

(1) 平成 25 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用する。

(2) (1)の定めにかかわらず、平成 23 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事

業年度の期首から適用することができる。なお、その場合には、平成 23 年改正実

務対応報告と同時に改正された企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計

基準」、企業会計基準適用指針第 15 号「一定の特別目的会社に係る開示に関する

適用指針」(ただし、同適用指針第 4-4 項の対象となる改正を除く)及び企業会計

基準適用指針第 22 号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に

関する適用指針」についても同時に適用する必要がある。

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議 決

平成 18 年実務対応報告は、第 112 回企業会計基準委員会に出席した委員 11 名全員の賛成

により承認された。

平成 21 年改正実務対応報告は、第 173 回企業会計基準委員会に出席した委員 13 名全員の

賛成により承認された。

平成 23 年改正実務対応報告は、第 221 回企業会計基準委員会に出席した委員 11 名のうち

10 名の賛成により承認された。なお、平成 23 年改正実務対応報告の公表に反対した委員の

意見は、連結会計基準第 45-3 項に記載されている。

以 上

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