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監査基準報告書265_内部統制の不備に関するコミュニケーション.pdf

監査基準報告書265

監基報265

内部統制の不備に関するコミュニケーション

2 0 1 1 年 1 2 月 2 2 日

改正 2 0 1 5 年 5 月 2 9 日

改正 2 0 1 8 年 1 0 月 1 9 日

改正 2 0 1 9 年 6 月 1 2 日

改正 2 0 2 1 年 6 月 8 日

改正 2 0 2 1 年 8 月 1 9 日

最終改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

( 報 告 書 : 第 11号 )

項番号

Ⅰ 本報告書の範囲及び目的

1.本報告書の範囲 ..................................................................1

2.本報告書の目的 ..................................................................4

3.定義 ............................................................................5

Ⅱ 要求事項 ..........................................................................6

Ⅲ 適用指針

1.内部統制の不備を識別したかどうかの判断 .........................................A1

2.重要な不備 .....................................................................A5

3.内部統制の不備に関するコミュニケーション

(1) 監査役等との重要な不備に関するコミュニケーション ............................A12

(2) 経営者との内部統制の不備に関するコミュニケーション ..........................A19

(3) 重要な不備に関する書面又は電磁的記録によるコミュニケーションの内容 ..........A26

Ⅳ 適用

2023/8

監基報265

《Ⅰ 本報告書の範囲及び目的》

《1.本報告書の範囲》

1.本報告書は、財務諸表監査において識別した内部統制の不備に関して監査役若しくは監査役会、

監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)及び経営者と適切にコミュニケーショ

ンを行う際の実務上の指針を提供するものである。

本報告書は、内部統制システムの理解及び運用評価手続の立案と実施に関して、監査基準報告

書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」及び監査基準報告書330「評価したリスクに対応する

監査人の手続」の要求事項に追加的な責任を監査人に課すものではない。

監査基準報告書260「監査役等とのコミュニケーション」は、監査に関連して監査役等とコミュ

ニケーションを行う監査人の責任に関する要求事項と指針を提供している。

2.監査人は、監査基準報告書315において、重要な虚偽表示リスクを識別し評価する際、監査に関

連する内部統制システムを理解することが求められている。当該リスク評価の実施に際して、監

査人は、状況に応じた適切な監査手続を立案するため内部統制システムを検討するが、これは、内

部統制の有効性に対する意見を表明するためのものではない。監査人は、このリスク評価の過程

のみならず、監査の他の段階においても内部統制の不備を識別することがある。本報告書は、識別

した不備のうち、どのような不備について監査役等や経営者とコミュニケーションを行うことが

求められるかについて記載している。

3.本報告書は、本報告書で要求する事項に加えて、監査人が監査の過程で識別した内部統制に関す

る他の事項について、監査役等及び経営者とコミュニケーションを行うことを妨げるものではない。

《2.本報告書の目的》

4.本報告書における監査人の目的は、監査の過程で監査人が識別し、職業的専門家として、監査役

等及び経営者のそれぞれの注意を促すに値すると判断した内部統制の不備について、適切にコミ

ュニケーションを行うことである。

《3.定義》

5.本報告書における用語の定義は、以下のとおりとする。

(1) 「内部統制の不備」-内部統制の不備は、以下のいずれかの場合に存在する。

① 内部統制の整備及び運用が不適切であり、財務諸表の虚偽表示を適時に防止又は発見・是

正できない場合

② 財務諸表の虚偽表示を適時に防止又は発見・是正するのに必要な内部統制が存在しない場合

(2) 「重要な不備」-監査人が職業的専門家として、監査役等の注意を促すに値するほど重要と

判断した内部統制の不備又は不備の組合せをいう(A5項参照)。

《Ⅱ 要求事項》

6.監査人は、実施した監査手続の結果、発見した事項を検討し、内部統制の不備に該当するかどう

かを判断しなければならない(A1項からA4項参照)。

7.監査人は、内部統制の不備を識別した場合、実施した監査手続に基づいて、内部統制の不備が、

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監基報265

単独で又は複数組み合わさって重要な不備となるかどうかを判断しなければならない(A5項から

A11項参照)。

8.監査人は、監査の過程で識別した重要な不備を、適時に、書面又は電磁的記録により監査役等に

報告しなければならない(A12項からA18項参照)。

9.また、監査人は、適切な階層の経営者に、以下について適時に報告しなければならない(A19項

参照)。

(1) 重要な不備(経営者に直接報告することが適切ではない場合を除く。)

この報告は書面又は電磁的記録により行われ、その時期は監査役等への報告の前後いずれで

もよい(A14項、A20項及びA21項参照)。

(2) 監査の過程で識別したその他の内部統制の不備のうち、他の者により適切な階層の経営者に

報告されておらず、監査人が職業的専門家として、適切な階層の経営者の注意を促すに値する

と判断したもの(A22項からA25項参照)

10.監査人は、重要な不備を報告する際、以下を記載しなければならない。

(1) 不備の内容とそれによって見込まれる影響の説明(A26項参照)

(2) 監査役等及び経営者が、当該報告の前提を理解するための十分な情報

監査人は、特に以下について説明しなければならない(A27項及びA28項参照)。

① 監査の目的は、財務諸表に対する監査人の意見を表明することにある旨

② 監査には、財務諸表の作成に関連する内部統制の検討が含まれるが、これは、状況に応じた

適切な監査手続を立案するためであり、内部統制の有効性に対して意見を表明するためでは

ない旨

③ 報告する事項は、監査人が、監査の過程で識別し監査役等に報告するに値するほど重要と

判断した不備に限定される旨

《Ⅲ 適用指針》

《1.内部統制の不備を識別したかどうかの判断》(第6項参照)

A1.監査人は、内部統制の不備に該当するかどうかを判断するため、監査人の発見事項に関連する事

実と状況について適切な階層の経営者と協議することがある。この協議を通じて、監査人は、経営

者がそれまで気付いていなかった不備の存在について適時に経営者に注意を促すことができる。

発見事項について協議する適切な階層の経営者とは、関連する内部統制の領域に精通しており、

識別した内部統制の不備に対する是正措置を講じる権限を有する者である。状況によっては、監

査人が発見事項を経営者と直接協議することが適切でないことがある(例えば、発見事項が経営

者の誠実性や能力に関連しているような場合)(A20項参照)。

A2.監査人は、監査人の発見事項に関する事実と状況について経営者と協議する際、更なる検討のた

め、以下のような関連するその他の情報を入手することがある。

・ 不備の原因又は考えられる原因についての経営者の見解

・ 不備に起因して発生する可能性がある事象についての経営者の見解(例えば、関連するIT

を利用した内部統制によって防止されない虚偽表示)

・ 発見事項への対応についての経営者の暫定的な意向

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監基報265

《小規模企業に特有の考慮事項》

A3.小規模企業の統制活動における内部統制の本質は、大規模企業のものと同様であるが、運用形態

は様々である。さらに、小規模企業では、経営者自らが実施する内部統制があるため、特定の種類

の内部統制は必要ないと判断することがある。例えば、与信枠の付与や、重要な購買の承認を経営

者自らが行うことは、重要な勘定残高や取引に関して効果的な内部統制となり、より詳細な内部

統制の必要性が低下するか又は不要となることがある。

A4.また、小規模企業は、従業員が少数のため、適切な職務分離の実施ができないことが多い。しか

し、オーナー経営の小規模企業では、オーナー経営者(企業の所有者であり、かつ、日々の事業運

営に関与している者)は、大規模企業に比べより効果的な監督を実施することが可能な場合がある。

このような上位の経営者による監督は、経営者による内部統制の無効化の可能性が高いことを

考慮する必要がある。

《2.重要な不備》(第5項(2)及び第7項参照)

A5.内部統制の不備(単独又は複数組み合わさった不備)の程度は、実際に虚偽表示が発生したかど

うかだけでなく、虚偽表示の発生可能性及び潜在的な虚偽表示の影響の大きさによっても影響を

受ける。したがって、監査人が監査の過程において虚偽表示を識別しなかった場合でも、なお不備

が存在する場合がある。

A6.内部統制の不備又は不備の組合せが重要な不備となるかどうかの判断において、監査人の検討

事項には、例えば以下の事項が含まれる。

・ 不備が、将来において財務諸表の重要な虚偽表示をもたらす可能性

・ 関連する資産又は負債における不正の起こりやすさ

・ 公正価値に関する会計上の見積り等、見積金額の決定に関わる主観的判断の程度と複雑性

・ 不備の影響を受ける財務諸表の金額

・ 不備の影響を受ける勘定残高又は取引種類において発生した又は発生する可能性のある取引

量・件数

・ 財務報告プロセスにおける内部統制の重要性

例えば、以下のものが挙げられる。

- 包括的な監視活動(例えば、経営者による監督)

- 不正の防止・発見に係る内部統制

- 重要な会計方針の選択と適用に係る内部統制

- 関連当事者との重要な取引に係る内部統制

- 企業の通常の取引過程から外れた重要な取引に係る内部統制

- 期末の財務報告プロセスに係る内部統制(例えば、非経常的な仕訳入力)

・ 内部統制の不備から生じた事象の原因と頻度

・ 内部統制の複数の不備の組合せによる影響

A7.重要な不備の兆候には、例えば、以下のものが含まれる。

・ 統制環境に脆弱性があるという以下のような証拠がある。

- 経営者が経済的利害関係を有する重要な取引が、監査役等によって適切に調査されていな

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監基報265

いという兆しがあること。

- 重要かどうかを問わず、企業の内部統制によって防止されなかった経営者による不正が識

別されたこと。

- 以前に協議した重要な不備について、経営者が適切な是正措置を講じていないこと。

・ 通常整備されていると想定される企業のリスク評価プロセスが欠如している。

・ 企業のリスク評価プロセスが脆弱であるという証拠がある(例えば、企業のリスク評価プロ

セスによって識別されるであろうと監査人が予測した虚偽表示を経営者が識別していない。)。

・ 識別した特別な検討を必要とするリスクへの対応が十分でないという証拠がある(例えば、

当該リスクに対する内部統制が欠如している。)。

・ 企業の内部統制によって防止又は発見・是正されなかった重要な虚偽表示が監査手続によっ

て発見された。

・ 誤謬又は不正による重要な虚偽表示の修正を反映するため、以前に公表した財務諸表の修正

再表示又は訂正報告書が提出されている。

・ 経営者に財務諸表の作成責任を遂行する能力がないという証拠がある。

A8.内部統制は、単独で又は他の幾つかとの組合せで虚偽表示を有効に防止又は発見・是正できるよ

うに整備及び運用されることがある。例えば、売掛金に対する内部統制は、自動化された内部統制

と手作業による内部統制によって構成され、両者の組合せによって勘定残高の虚偽表示を防止又

は発見・是正できるように整備及び運用されることがある。

内部統制の不備は、単独では重要な不備とはならない場合であっても、同じ勘定残高や開示項

目、アサーション、又は内部統制システムの構成要素に影響を与える不備が複数ある場合、それら

の不備を組み合わせると、重要な不備になり、虚偽表示リスクが増加することがある。

A9.上場企業等の監査に関して、監査人は、監査の過程で識別した法令により求められている内部統

制の不備を、監査役等又は他の関係する者(例えば、規制当局)に報告することが必要な場合があ

る。法令が、それらの不備について特定の用語と定義を規定し、報告することを監査人に求めてい

る場合、監査人は、法令に従った報告の実施においては、当該用語と定義を用いることになる。

A10.法令によっては、報告が要求される内部統制の不備の種類について特定の用語が規定されてい

るが、当該用語の定義がない場合、監査人は、法令の要請に加えて、報告すべき事項の判断が必要

なことがある。その際、監査人は、本報告書の要求事項と適用指針を考慮することが適切と考える

ことがある。

A11.本報告書の要求事項は、法令によって特定の用語又は定義を使用することが要求されている場

合にも適用される。

《3.内部統制の不備に関するコミュニケーション》

《(1) 監査役等との重要な不備に関するコミュニケーション》(第8項参照)

A12.監査役等に重要な不備を書面又は電磁的記録により報告することは、当該事項の重要性を反映

し、監査役等がその監視責任を果たすのに役立つ。

A13.監査人は、書面又は電磁的記録による報告を行う時期を決定するに当たり、当該報告が、監査

役等の監視責任を果たすための重要な要素となるかどうかを考慮することがある。また、監査役

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監基報265

等が、法令等における内部統制に関連する特定の責任を果たすため、監査役等の監査報告書日の

前に監査人による報告を必要とする場合がある。その必要がない場合においても、重要な不備に

ついての監査人の書面又は電磁的記録による報告は、最終的な監査ファイルの一部を形成するた

め、適切な期限内に監査ファイルの最終的な整理を完了するまでに実施することになる。なお、監

査基準報告書230「監査調書」においては、監査ファイルの最終的な整理を完了する適切な期限は、

監査報告書日から、通常60日程度を超えないものとする旨が記載されている(監基報230第13項及

びA21項参照)。

A14.重要な不備の書面又は電磁的記録による報告の時期にかかわらず、監査人は、経営者(適切な

場合には監査役等)が重要な虚偽表示リスクをできるだけ低くするための是正措置を適時に講じ

られるよう、当該不備について、まず口頭で報告する場合がある。ただし、監査人は、口頭による

報告によって、本報告書が要求している重要な不備の書面又は電磁的記録により報告する責任が

免除されるわけではない。

A15.重要な不備の報告をどの程度詳細に行うかは、その状況に応じた監査人の職業的専門家として

の判断事項である。

どの程度詳細に報告を行うことが適切か判断する際に、監査人は例えば以下の事項を考慮する。

・ 企業の事業活動等

例えば、会社法上の大会社において要求される報告は、それ以外の企業において求められる

報告と異なることがある。

・ 企業の規模と複雑性

例えば、複雑な企業において求められる報告は、単純な事業を運営している企業において要

求される報告と異なることがある。

・ 監査人が識別した重要な不備の性質

・ 監査役等の構成

例えば、企業が属する産業又は不備の影響を受ける領域に関して多くの経験を有さない者が

監査役等に含まれる場合、報告を詳細に行うことが必要になる場合がある。

・ 特定の種類の内部統制の不備についての報告に関する法令で要求される事項

A16.経営者は、監査人が監査の過程で識別した重要な不備に既に気付いていたが、費用又は他の理

由から、それらを是正しないことを選択する場合がある。是正措置の実施に関わる費用と便益を

評価する責任は経営者が有し、それを監視する責任は監査役等が有する。経営者が当該不備を是

正するかどうかの判断に際し費用又は他の理由を考慮することがあるが、その場合であっても第

8項の要求事項は適用される。

A17.監査人が過年度の監査で監査役等及び経営者に重要な不備の報告を行ったとしても、是正措置

がいまだ講じられていなければ、監査人がその報告を繰り返す必要性がなくなるものではない。

以前に報告を行った重要な不備が是正されなかった場合、当年度の報告においては、過年度の報

告で行った説明を繰り返すこともあれば、以前に行った報告への言及のみ行うこともある。監査

人は、経営者(適切な場合には監査役等)に、重要な不備がいまだ是正されていない理由を質問す

ることがある。合理的な説明がなく是正されていない場合には、それ自体が重要な不備を示して

いることがある。

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監基報265

《小規模企業に特有の考慮事項》

A18.小規模企業の監査の場合、監査人は、大規模企業の場合より簡略的な方法で、監査役等とコミ

ュニケーションを行うことがある。

《(2) 経営者との内部統制の不備に関するコミュニケーション》(第9項参照)

A19.通常、適切な階層の経営者とは、内部統制の不備を評価し必要な是正措置を講じる責任と権限

を有する者のことをいう。

重要な不備の場合、監査役等へ報告を行うことが求められているため、適切な階層の経営者は、

最高経営責任者又は最高財務責任者(又はそれと同等の者)であることが多い。その他の場合、内

部統制の不備の影響を受ける領域に対してより直接的に関与しており、適切な是正措置を講じる

権限を有する管理者が適切な階層の経営者であることがある。

《経営者との重要な不備に関するコミュニケーション》(第9項(1)参照)

A20.識別した重要な不備によって経営者の誠実性や能力が問題となる場合がある。例えば、経営者

による不正又は意図的な違法行為に関する証拠となる可能性がある場合や、経営者の適切な財務

諸表の作成責任を遂行する能力に疑義が生じる場合が挙げられる。このような場合、当該不備に

ついて経営者に直接報告することが適切ではない場合がある。

A21.監査基準報告書250「財務諸表監査における法令の検討」は、違法行為を識別したか又は疑いを

抱いた場合(監査役等自身が違法行為に関与している場合を含む。)の報告に関する要求事項及び

適用指針を提供している(監基報250第22項から第28項参照)。監査基準報告書240「財務諸表監査

における不正」は、経営者が関与する不正を識別したか又は疑いを抱いた場合の監査役等とのコ

ミュニケーションに関する要求事項及び適用指針を提供している(監基報240第40項参照)。

《経営者とのその他の内部統制の不備に関するコミュニケーション》(第9項(2)参照)

A22.監査人は、監査の過程で、重要な不備ではないが、経営者の注意を促すに値するその他の内部

統制の不備を識別することがある。その他の内部統制の不備のうちのいずれが経営者の注意を促

すに値するかの判断は、個々の状況に応じた職業的専門家としての判断事項である。監査人は、こ

の判断において、当該不備の結果として財務諸表に虚偽表示が発生する可能性及び潜在的な虚偽

表示の影響の大きさを検討する。

A23.経営者の注意を促すに値するその他の内部統制の不備の報告は、書面又は電磁的記録である必

要はなく、口頭でもよい。監査人が発見事項に関する事実と状況について経営者と協議した場合、

監査人は、その他の不備に関する経営者への報告が当該協議において行われたとすることがある。

その場合には、正式に書面又は電磁的記録による報告を別途行う必要はない。

A24.監査人が、過年度に重要な不備以外の内部統制の不備について経営者に報告を行っており、経

営者が費用又は他の理由からそれらを是正することを選択しなかった場合、監査人は、当年度に

おいて報告を繰り返す必要はない。また、内部監査人や規制当局等の他の関係者が経営者に既に

報告を行っていた場合にも、当該報告を繰り返す必要はない。一方、経営者の交代があった場合

や、不備に関する監査人と経営者のそれまでの理解とは異なる新たな情報に監査人が気付いた場

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監基報265

合には、これらのその他の不備について監査人が再度報告を行うことが適切な場合がある。

ただし、以前に報告が行われたその他の内部統制の不備を経営者が是正しない場合には、監査

役等への報告が要求される重要な不備に該当する結果となることがある。そのような場合に重要

な不備に該当するかどうかは、個々の状況に応じた監査人の判断により決定される。

A25.監査役等は、監査人が経営者に報告を行ったその他の内部統制の不備の詳細又は概要について

報告するように監査人に要請することがある。また、監査人が、経営者に行ったその他の不備に関

するコミュニケーションについて監査役等に報告することが適切であると考えることもある。

いずれの場合も、監査人は、必要に応じて、監査役等に口頭若しくは書面又は電磁的記録で報告

する。

《(3) 重要な不備に関する書面又は電磁的記録によるコミュニケーションの内容》(第 10 項参照)

A26.重要な不備によって見込まれる影響を説明する際、監査人は、影響額を算定する必要はない。

監査人は、適切な場合、監査役等へ報告するために重要な不備を分類し集約することがある。ま

た、監査人は、不備に対する是正措置の提案、経営者の実際の対応又は対応策、及び経営者の対応

が実際に実施されているかどうかを検討するため監査人が何らかの手続を行ったか否かについて、

書面又は電磁的記録に記載することがある。

A27.監査人は、報告の前提として、以下の情報を追加で記載することが適切であると判断すること

がある。

・ 監査人が、内部統制についてより広範囲に監査手続を実施した場合、報告すべき不備を更に

識別した可能性があること、又は報告した不備の一部について実際には報告する必要がなかっ

たと判断した可能性があること。

・ 当該報告は監査役等のために提供されるものであり、他の目的には必ずしも適さないこと。

A28.法令によって、監査人による重要な不備の報告の書面又は電磁的記録の写しを適切な規制当局

に提出することが監査人又は経営者に要求されていることがある。その場合、監査人は、報告の書

面又は電磁的記録において、当該規制当局を明記することがある。

《Ⅳ 適用》

・ 本報告書(2011年12月22日)は、2012年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。

・ 本報告書(2015年5月29日)は、2015年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。

・ 本報告書(2018年10月19日)は、2019年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。

・ 本報告書(2019年6月12日)は、2020年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。ただし、2019年4月1日以後開始する

事業年度に係る監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間監査から早期適用すること

ができる。

・ 本報告書(2021年6月8日)は、2023年3月31日以後終了する事業年度に係る財務諸表の監査

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及び2022年9月に終了する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実施する。ただし、

それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実

施することを妨げない。

・ 本報告書(2021年8月19日)は、2021年9月1日から適用する。

監基報265

以 上

・ 本報告書(2022年10月13日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(2022年7月

21日改正)

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