監査基準報告書720周知文書第3号
「企業内容等の開示に関する内閣府令」の公表に伴う監査基準報告書720 「その他の記載内容に関連する監査人の責任」における取扱い(周知文書)
2 0 2 3 年 4 月 1 0 日
日 本 公 認 会 計 士 協 会
監査・保証基準委員会
(周知文書:第25号)
【本周知文書は、一般に公正妥当と認められる監査の基準を構成するものではなく、会員が遵守
すべき基準等にも該当しない。また、2023年4月10日時点の最新情報に基づいている。】
2023 年1月 31 日付けで「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」が
公布・施行された1。本改正府令では有価証券報告書等の「サステナビリティに関する考え方及び
取組」等、一部の開示に関して、有価証券報告書等に記載すべき重要な事項を記載した上で、当
該記載事項を補完する詳細な情報について他の公表書類を参照することができるとされている2。
当該改正府令に関連して、本周知文書は、有価証券報告書等において参照された他の公表書類
が、監査基準報告書 720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」(以下「監基報 720」とい
う。)の対象となるかどうかに関し、その取扱いを周知するものである。
《参照された他の公表書類に関する監基報 720 の取扱い》
監基報 720 の対象となるその他の記載内容は、財務諸表とその監査報告書を除く、企業の年次
報告書(例えば、有価証券報告書)に含まれる財務情報及び非財務情報である。今回の改正にお
いては、有価証券報告書等に含まれる情報であるかどうかに関して、参照された他の公表書類に
ついては「基本的には有価証券報告書等の一部を構成しない」という考え方が示されている3。し
たがって、当該他の公表書類は、監基報 720 の対象となるその他の記載内容ではなく、通読の対
象とはならないと考えられる。
《被監査会社が他の公表書類への参照を行う場合の考え方》
今回の改正において、上記の考え方に加えて、有価証券報告書の作成者である被監査会社が他
の公表書類への参照を行う場合に関して以下の考え方が併せて示されている。
・ 被監査会社は、投資家が真に必要とする情報を有価証券報告書に記載する必要があり、参照
1 金融庁ウェブサイト「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について。
https://www.fsa.go.jp/news/r4/sonota/20230131/20230131.html
2 上記ウェブページの別紙6「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」5-16-4 3 上記ウェブページの別紙1 「コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方(企業内容等の開示に関する内閣府令の一部
を改正する内閣府令等)」No.281 から No.283
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された他の公表書類はあくまでも補完情報である4。
・ 参照された他の公表書類に明らかに重要な虚偽の表示又は誤解を生ずるような表示があるこ
とを知りながら参照していた場合等においては、当該書類を参照する旨を記載したこと自体が
有価証券報告書等の虚偽記載等となり、被監査会社が責任を負うことがある5。
監査人には、経営者との協議を通じて監基報 720 の対象となる年次報告書を構成する文書を特
定することが求められる6。その際に上記の「参照された他の公表書類に関する監基報 720 の取扱
い」を伝達する場合には、「被監査会社が他の公表書類への参照を行う場合の考え方」について
も併せて伝達することが望ましい。また、当該取扱いが重要であると考える場合には、必要に応
じて監査役等とコミュニケーションを行う7。
以 上
【本件についての問合せ先】
担当部署:日本公認会計士協会 業務本部 監査グループ
E-mail :kansa@sec.jicpa.or.jp
4 脚注1のウェブページの別紙1 「コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方(企業内容等の開示に関する内閣府令の
一部を改正する内閣府令等)」No.254 から No.256
5 脚注1のウェブページの別紙6「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」5-16-4 6 監基報 720 第 12 項(1) 7 監査基準報告書 260「監査役等とのコミュニケーション」の A14 項
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