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企業会計基準適用指針第 17 号 払 込 資 本 を 増 加 さ せ る 可 能 性 の あ る 部 分 を 含 む 複合金融商品に関する会計処理

平成 19 年 4 月 25 日 改正平成 30 年 1 月 12 日 企業会計基準委員会

本適用指針は、2024年7月1日までに公表された次の会計基準等による修正が反映されてい

る。

・ 企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(2019年7月4日改正)

・ 移管指針「移管指針の適用」(2024年7月1日公表)

目 次 目 的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適用指針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

範 囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

用語の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

新株予約権の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1

2

2

3

4

自己新株予約権の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

11

新株予約権付社債の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

転換社債型新株予約権付社債の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その他の新株予約権付社債の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の場合・・・・・・・・・・・・・・

外貨建転換社債型新株予約権付社債の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・

社債と新株予約権を同時に募集し同時に割り当てる場合の会計処理・・・

適用時期等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

18

21

23

25

28

29

議 決・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 結論の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 経 緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 範 囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 用語の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 新株予約権の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

36

31

- 1 -

自己新株予約権の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 新株予約権付社債の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41

41

43

44

57

59

転換社債型新株予約権付社債の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その他の新株予約権付社債の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の場合・・・・・・・・・・・・・・

外貨建転換社債型新株予約権付社債の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・ 社債と新株予約権を同時に募集し同時に割り当てる場合の会計処理・・・ 設 例 [設例 1] 転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理(一括法) [設例 2] 取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理 -取得の対価が自社の株式の場合-(一括法) [設例 3-1] 取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理

-取得の対価が現金と自社の株式の場合①-(一括法)

[設例 3-2] 取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理

-取得の対価が現金と自社の株式の場合②-(一括法)

[設例 4] 外貨建転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理(一括法)

- 2 -

目 的

1. 本適用指針は、企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会

計基準」という。)における「Ⅶ.複合金融商品」のうち、「1.払込資本を増加させる可

能性のある部分を含む複合金融商品」を適用する際の指針を定める。

適用指針

範 囲 2. 本適用指針は、金融商品会計基準が適用される場合において、払込資本を増加させる可

能性のある部分を含む複合金融商品に適用する。また、本適用指針は、これに関連する新

株予約権及び自己新株予約権の会計処理についても取り扱っている。ただし、新株予約権

については、現金のみを対価として受け取り、付与されるものに限る。

なお、本適用指針では、会社法施行日前に発行の決議があったものについては適用しな

い。ただし、会社法施行日前に発行の決議があった新株予約権及び新株予約権付社債を、

会社法施行日後において取得した場合の自己新株予約権等については本適用指針を適用

する。

用語の定義

3. 本適用指針において、「転換社債型新株予約権付社債」とは、募集事項において、社債

と新株予約権がそれぞれ単独で存在し得ないこと及び新株予約権が付された社債を当該

新株予約権行使時における出資の目的とすること(会社法第 236 条第 1 項第 2 号及び第 3

号)をあらかじめ明確にしている新株予約権付社債であって、会社法の規定に基づき発行

されたものをいう。

新株予約権の会計処理

発行者側の会計処理

(発行時の会計処理)

4. 新株予約権を発行したときは、その発行に伴う払込金額(会社法第 238 条第 1 項第 3 号)

を、純資産の部に「新株予約権」として計上する。

(権利行使時の会計処理)

5. 新株予約権が行使された場合の会計処理は次のように行う。

(1) 新株を発行する場合

新株予約権が行使され、新株を発行する場合の会計処理は、当該新株予約権の発行

に伴う払込金額(会社法第 238 条第 1 項第 3 号)と新株予約権の行使に伴う払込金額

(会社法第 236 条第 1 項第 2 号)を、資本金又は資本金及び資本準備金に振り替える。

- 3 -

(2) 自己株式を処分する場合

新株予約権が行使され、自己株式を処分する場合の自己株式処分差額の会計処理は、

自己株式を募集株式の発行等の手続により処分する場合に準じて取り扱う(企業会計

基準第 1 号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」(以下「自己株式

等会計基準」という。)第 9 項、第 10 項及び第 12 項)。

自己株式処分差額を計算する際の自己株式の処分の対価は、当該新株予約権の発行

に伴う払込金額と新株予約権の行使に伴う払込金額との合計額とする。

なお、権利行使時に交付する株式の数に 1 株に満たない端数がある場合で、当該端数に

相当する金銭を交付するときは、当該端数部分についても(1)又は(2)の処理を行った後、

交付する金銭の額をその他資本剰余金から減額する。

(失効時の会計処理)

6. 新株予約権が行使されずに権利行使期間が満了し、当該新株予約権が失効したときは、

当該失効に対応する額を失効が確定した会計期間の利益(原則として特別利益)として処

理する。

取得者側の会計処理-新株予約権の発行者以外が取得者となる場合-

(取得時の会計処理)

7. 新株予約権を取得したときは、有価証券の取得として処理する。

(権利行使時の会計処理)

8. 新株予約権の権利を行使し、発行者の株式を取得したときは、当該新株予約権の保有目

的区分に応じて、売買目的有価証券の場合には権利行使時の時価で、その他有価証券の場

合には帳簿価額(移管指針第 9 号「金融商品会計に関する実務指針」(以下「金融商品会

計実務指針」という。)第 57 項(4))で株式に振り替える。

(譲渡時の会計処理)

9. 新株予約権に対する支配が他に移転したときは、その消滅を認識するとともに、移転し

た新株予約権の帳簿価額とその対価としての受取額との差額を当期の損益として処理す

る(金融商品会計基準第 11 項)。新株予約権を発行者に譲渡した場合(会社法第 236 条

第 1 項第 7 号)においても同様に処理する。

なお、新株予約権の発行者が一定の事由が生じたことを条件として当該新株予約権を取

得できることとする条項(取得条項)が付された新株予約権について、発行者が当該取得

条項に基づき自己新株予約権を取得した場合には、取得条項付の転換社債型新株予約権付

社債における転換社債型新株予約権付社債権者側の会計処理(第 24 項参照)に準じて処

理する。

- 4 -

(失効時の会計処理)

10. 新株予約権を行使せずに権利行使期間が満了し、当該新株予約権が失効したときは、当

該新株予約権の帳簿価額(金融商品会計実務指針第 91 項に基づき減損処理している場合

には、減損処理後の帳簿価額)を当期の損失として処理する。

自己新株予約権の会計処理

(取得時の会計処理)

11. 自己新株予約権を取得したときの取得価額は、取得した自己新株予約権の時価(取得し

た自己新株予約権の時価よりも支払対価の時価の方が、より高い信頼性をもって測定可能

な場合には、支払対価の時価)に取得時の付随費用を加算して算定する。

12. 新株予約権の発行者が一定の事由が生じたことを条件として当該新株予約権を取得で

きることとする条項(取得条項)が付された新株予約権について、発行者が当該取得条項

に基づき自己新株予約権を取得し、次のすべてを満たす場合には新株予約権が行使された

場合の会計処理(第 5 項参照)に準じて処理するが、それ以外の場合には、第 11 項のと

おり処理する。

(1) 取得条項に基づく取得の対価がすべて自社の株式であって、その金額が当該新株予約

権の目的である自社の株式の数に基づき算定された時価と行使に際して出資される財

産の時価との差額であること

(2) 取得条項に基づいて取得した際に消却することが募集事項等に示されており、かつ、

当該募集事項等に基づき取得と同時に消却が行われていること

(保有時の会計処理)

13. 自己新株予約権は、取得原価による帳簿価額を、純資産の部の新株予約権から原則とし

て直接控除する。なお、間接控除する場合には、純資産の部において新株予約権の直後に、

自己新株予約権の科目をもって表示する。

14. 自己新株予約権の帳簿価額が、対応する新株予約権の帳簿価額を超える場合において、

当該自己新株予約権の時価が著しく下落し、回復する見込みがあると認められないときは、

時価との差額(ただし、自己新株予約権の時価が対応する新株予約権の帳簿価額を下回る

ときは、当該自己新株予約権の帳簿価額と当該新株予約権の帳簿価額との差額)を当期の

損失として処理する。また、自己新株予約権が処分されないものと認められるときは、当

該自己新株予約権の帳簿価額と対応する新株予約権の帳簿価額との差額を当期の損失と

して処理する。

15. 連結財務諸表上、親会社が発行した新株予約権を親会社が保有している場合及び連結子

会社が発行した新株予約権を当該連結子会社が保有している場合は、それぞれの個別財務

諸表と同様、自己新株予約権として処理する。一方、親会社又は連結子会社が発行した新

株予約権をその他の連結会社が保有している場合は、連結会社相互間の債権と債務の相殺

消去(企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」第 31 項及び注 10(4))に

準じて処理する。

- 5 -

(消却時の会計処理)

16. 自己新株予約権を消却した場合、消却した自己新株予約権の帳簿価額とこれに対応する

新株予約権の帳簿価額との差額を、自己新株予約権消却損(又は自己新株予約権消却益)

等の適切な科目をもって当期の損益として処理する。

(処分時の会計処理)

17. 自己新株予約権を処分した場合、処分した自己新株予約権の帳簿価額と受取対価との差

額を、自己新株予約権処分損(又は自己新株予約権処分益)等の適切な科目をもって当期

の損益として処理する。

新株予約権付社債の会計処理

転換社債型新株予約権付社債の場合

(発行者側の会計処理)

18. 転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う払込金額は、次のいずれかの方法により会計

処理する。

(1) 転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う払込金額を、社債の対価部分と新株予約権

の対価部分に区分せず、普通社債の発行に準じて処理する(一括法)。

(2) 転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う払込金額を、社債の対価部分と新株予約権

の対価部分に区分した上で、社債の対価部分は普通社債の発行に準じて処理し、新株予

約権の対価部分は新株予約権の発行者側の会計処理(第 4 項参照)に準じて処理する(区

分法)。

19. 転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使されたときの会計処理は次

のように行う。

(1) 新株を発行する場合

新株予約権が行使され、新株を発行する場合において、発行時に一括法を採用して

いるときは、当該転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額を、資本金又は資本金及び

資本準備金に振り替える。[設例 1]

また、発行時に区分法を採用しているときは、当該転換社債型新株予約権付社債に

おける社債の対価部分(帳簿価額)と新株予約権の対価部分(帳簿価額)の合計額を、

資本金又は資本金及び資本準備金に振り替える。

(2) 自己株式を処分する場合

新株予約権が行使され、自己株式を処分する場合の自己株式処分差額の会計処理は、

自己株式を募集株式の発行等の手続により処分する場合に準じて取り扱う(自己株式

等会計基準第 9 項、第 10 項及び第 12 項)。

自己株式処分差額を計算する際の自己株式の処分の対価については、発行時に一括

法を採用している場合は、当該転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額とする。また、

発行時に区分法を採用している場合は、当該転換社債型新株予約権付社債における社

- 6 -

債の対価部分(帳簿価額)と新株予約権の対価部分(帳簿価額)の合計額とする。

なお、権利行使時に交付する株式の数に 1 株に満たない端数がある場合で、当該端数に

相当する金銭を交付するときは、新株予約権が行使された場合の会計処理(第 5 項なお書

き参照)に準じて処理する。

(取得者側の会計処理-新株予約権付社債の発行者以外が取得者となる場合-)

20. 転換社債型新株予約権付社債の取得価額は、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に

区分せず、普通社債の取得に準じて処理し、権利を行使したときは株式に振り替える(一

括法)。

その他の新株予約権付社債の場合

(発行者側の会計処理)

21. 転換社債型新株予約権付社債以外の新株予約権付社債(以下「その他の新株予約権付社

債」という。)の発行に伴う払込金額は、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分

した上で、社債の対価部分は普通社債の発行に準じて処理し、新株予約権の対価部分は新

株予約権の発行者側の会計処理に準じて処理する(第 4 項参照)(区分法)。

また、新株予約権が行使されたときの会計処理については、転換社債型新株予約権付社

債の発行時に区分法を採用している場合に準じて処理する(第 19 項参照)。

(取得者側の会計処理-新株予約権付社債の発行者以外が取得者となる場合-)

22. その他の新株予約権付社債の取得価額は、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区

分した上で、社債の対価部分は普通社債の取得に準じて処理し、新株予約権の対価部分は

新株予約権の取得者側の会計処理に準じて処理する(第 7 項参照)(区分法)。

取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の場合 (発行者側の会計処理)

23. 転換社債型新株予約権付社債の発行者が、一定の事由が生じたことを条件として、当該

転換社債型新株予約権付社債を取得できることとする条項(取得条項)が付された転換社

債型新株予約権付社債について、発行者が、当該取得条項に基づき、自社の株式の市場価

格が転換価格を上回る場合において当該転換社債型新株予約権付社債を取得するときの

発行者側の会計処理は次のように行う。

(1) 取得の対価が現金の場合

発行者が、当該取得条項に基づき、当該転換社債型新株予約権付社債を現金により

取得する場合において、発行時に一括法を採用しているときには、自己社債の取得に

準じて処理する。また、区分法を採用しているときには、取得の対価としての払出額

を発行時における払込金額の区分に準じて社債の対価部分と新株予約権の対価部分

に区分した上で(第 18 項(2)参照)、社債の対価部分は自己社債の取得に準じて処理

し、新株予約権の対価部分は自己新株予約権の取得に準じて処理する(第 11 項参照)。

- 7 -

なお、自己社債の取得に準じて処理する場合には、金融商品会計基準における有価

証券の会計処理に準ずる(ただし、満期保有目的の債券に分類することはできない。)。

また、発行者が、取得した転換社債型新株予約権付社債を取得と同時に消却した場

合には、取得した転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額とこれに対応する転換社債

型新株予約権付社債が消滅するため、繰上償還する場合に準じて処理する。

(2) 取得の対価が自社の株式の場合[設例 2]

① (ア)発行者が、当該取得条項に基づき、当該転換社債型新株予約権付社債に付され

た新株予約権の目的である自社の株式の数を交付することにより取得し、(イ)当該

取得条項に基づいて取得した際に消却することが募集事項等に示されており、かつ、

当該募集事項等に基づき取得と同時に消却が行われた場合

転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使されたときに準じて

処理する(第 19 項参照)。

② ①以外の場合

取得の対価となる自社の株式の時価と取得した転換社債型新株予約権付社債の

時価のうち、より高い信頼性をもって測定可能な時価に基づき、新株を発行する

ときは資本金又は資本金及び資本準備金を増加させ、自己株式を処分するときは

当該時価を自己株式の処分の対価として自己株式処分差額を計算し、自己株式を

募集株式の発行等の手続により処分する場合に準じて処理する。

その上で、発行時に一括法を採用しているときは、取得した転換社債型新株予

約権付社債を自己社債の取得に準じて処理(上記(1)参照)し、区分法を採用して

いるときには、当該時価を発行時における払込金額の区分に準じて(第 18 項(2)

参照)社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分し、社債の対価部分は自己

社債の取得に準じて(上記(1)参照)、新株予約権の対価部分は自己新株予約権の

取得に準じて(第 11 項参照)処理する。

(3) 取得の対価が現金と自社の株式の場合[設例 3-1][設例 3-2]

発行者が、当該取得条項に基づき、当該転換社債型新株予約権付社債を現金と自社

の株式を対価として取得する場合において、発行時に一括法を採用しているときは、

対価となる自社の株式の時価と取得した転換社債型新株予約権付社債の時価から対

価となる現金の額を控除した額のうち、より高い信頼性をもって測定可能な金額と、

対価となる現金の額の合計額に基づき、自己社債の取得に準じて処理する(上記(1)

参照)[設例 3-1]。また、区分法を採用しているときには、当該合計額を発行時に

おける払込金額の区分に準じて(第 18 項(2)参照)社債の対価部分と新株予約権の対

価部分に区分し、社債の対価部分は自己社債の取得に準じて(上記(1)参照)、新株

予約権の対価部分は自己新株予約権の取得に準じて(第 11 項参照)処理する。

ただし、取得の対価のうち現金の額が僅少である場合には、取得の対価が自社の株

式の場合(上記(2)参照)に準じて処理する。

また、次のすべてを満たす場合には、転換社債型新株予約権付社債に付された新株

予約権が行使されたときに準じて(第 19 項参照)処理する(一括法の場合)[設例

- 8 -

3-2]。なお、この場合において、取得した転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額

と対価となる現金の額との差額については、会社法の規定に基づき処理する。

① 取得条項に基づく取得の対価の金額は、当該取得条項に基づき、当該転換社債

型新株予約権付社債に付された新株予約権の目的である自社の株式の数に基づ

き算定された時価であること

② 当該取得条項に基づいて取得した際に消却することが募集事項等に示されてお

り、かつ、当該募集事項等に基づき取得と同時に消却が行われていること

③ 現金の交付がすべて社債部分の取得に充てられ、自社の株式の交付がすべて新

株予約権部分の取得に充てられるように、現金と自社の株式を対価とするそれぞ

れの部分があらかじめ明確にされ、これらの額が経済的に合理的な額と乖離して

いないこと

(転換社債型新株予約権付社債権者側の会計処理)

24. 転換社債型新株予約権付社債のうち、取得条項が付されたものについて、発行者が、当

該取得条項に基づき、発行者の株式の市場価格が転換価格を上回る場合において当該転換

社債型新株予約権付社債を取得するときの転換社債型新株予約権付社債権者側の会計処

理は次のように行う。

(1) 発行者による取得の対価が現金の場合

転換社債型新株予約権付社債の譲渡又は償還(以下「譲渡等」という。)として処

理する。したがって、譲渡等を行った転換社債型新株予約権付社債の消滅を認識する

とともに、当該転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額とその対価としての受取額と

の差額を当期の損益として処理する(金融商品会計基準第 11 項)。

(2) 発行者による取得の対価が発行者の株式の場合

転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権を行使した場合に準じて処理

する(第 20 項参照)。

(3) 発行者による取得の対価が現金と発行者の株式の場合

発行者により取得された転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額を、交付された現

金の額と発行者の株式の時価の比率により按分した上で、現金部分は上記(1)に準じ

て処理し、発行者の株式部分は上記(2)に準じて処理する。

外貨建転換社債型新株予約権付社債の場合 (発行者側の会計処理)

25. 外貨建転換社債型新株予約権付社債について、発行時に一括法を採用している場合の発

行者側における円換算の処理は次のように行う。[設例 4]

(1) 発行時の会計処理

発行時の円貨への換算は、発行時の為替相場による。

(2) 決算時の会計処理

決算時の円貨への換算は、決算時の為替相場による。また、決算時の換算によって

- 9 -

生じた換算差額は、当期の為替差損益として処理する(「外貨建取引等会計処理基準」

(以下「外貨基準」という。)一 2(2))。

(3) 新株予約権行使時の会計処理

新株予約権行使時に資本金又は資本金及び資本準備金に振り替える額の円貨への

換算は、当該権利行使時の為替相場による。また、権利行使時の換算によって生じた

換算差額は、当該権利行使時の属する会計期間の為替差損益として処理する。なお、

新株予約権行使時の為替相場については外貨基準注解 注 2 による。

26. 外貨建転換社債型新株予約権付社債について、発行時に区分法を採用している場合の発

行者側における円換算の処理は次のように行う。

(1) 外貨建社債の対価部分

外貨建社債の対価部分の発行時の円貨への換算は発行時の為替相場により、決算時

の円貨への換算は決算時の為替相場による(移管指針第 2 号「外貨建取引等の会計処

理に関する実務指針」(以下「外貨実務指針」という。)第 19-6 項)。また、新株

予約権行使時に資本金又は資本金及び資本準備金に振り替える額の円貨への換算は、

当該権利行使時の為替相場による。決算時及び新株予約権行使時の換算によって生じ

た換算差額は、当該会計期間の為替差損益として処理する。

(2) 外貨建新株予約権の対価部分

外貨建新株予約権の対価部分の発行時及び決算時の円貨への換算、並びに新株予約

権行使時に資本金又は資本金及び資本準備金に振り替える額の円貨への換算は、発行

時の為替相場による(外貨実務指針第 19-2 項及び第 19-3 項)。

(取得者側の会計処理)

27. 外貨建転換社債型新株予約権付社債の取得者側における円換算の処理は、外貨実務指針

第 19-9 項による。

社債と新株予約権を同時に募集し同時に割り当てる場合の会計処理 28. 社債と新株予約権を同時に募集し、かつ、両者を同時に割り当てる場合(かつての分離

型新株引受権付社債と同様の場合)の会計処理は、その他の新株予約権付社債と同様に、

発行者側及び取得者側ともに区分法により行う(第 21 項及び第 22 項参照)。

適用時期等 29. 平成 19 年に公表された本適用指針(以下「平成 19 年適用指針」という。)は、平成 19

年適用指針公表日以後に終了する事業年度及び中間会計期間から適用する。

なお、平成 19 年適用指針の適用により、実務対応報告第 16 号「会社法による新株予約

権及び新株予約権付社債の会計処理に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応報告第 16

号」という。)は廃止する。

29-2. 平成 30 年に改正された本適用指針(以下「平成 30 年改正適用指針」という。)の適用

時期は、平成 30 年に公表された実務対応報告第 36 号「従業員等に対して権利確定条件付

- 10 -

き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」(以下「有償新株予約権実務対応報告」

という。)と同様とする。

議 決 30. 平成 19 年適用指針は、第 127 回企業会計基準委員会に出席した委員 11 名全員の賛成に

より承認された。

30-2.平成 30 年改正適用指針は、第 376 回企業会計基準委員会に出席した委員 12 名全員の賛

成により承認された。

- 11 -

結論の背景

経 緯 (平成 19 年適用指針) 31. 払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品の会計処理については、こ

れまで、金融商品会計基準、金融商品会計実務指針、実務対応報告第 1 号「旧商法による

新株予約権及び新株予約権付社債の会計処理に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応

報告第 1 号」という。)、実務対応報告第 11 号「外貨建転換社債型新株予約権付社債の

発行者側の会計処理に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応報告第 11 号」という。)

及び実務対応報告第 16 号においてそれぞれ取り扱われてきた。

32. 平成 19 年適用指針は、「金融商品に係る会計基準」(企業会計審議会 平成 11 年 1 月

22 日)が平成 18 年 8 月 11 日に企業会計基準第 10 号として改正され、転換社債及び新株

引受権付社債に関する定めが新株予約権付社債に関する定めに改められたことなどから、

従前の実務対応報告第 16 号の内容を企業会計基準第 10 号の適用上の指針として新たに定

めたものである。また、実務対応報告第 16 号では取り扱われていなかった外貨建転換社

債型新株予約権付社債に関する取得者側及び発行時に区分法を採用している場合の発行

者側の会計処理についても明らかにしている。

33. さらに、平成 19 年適用指針では、会社法において、一定の事由が生じたことを条件と

して、新株予約権付社債の発行者が当該新株予約権付社債を取得できることとする条項

(取得条項)が付された新株予約権付社債を発行することが可能となったため、その会計

処理を取り扱っている。これは、実務対応報告第 16 号の公表後に、本件に関する質問が

多く寄せられたことに対応するものである。

(平成 30 年改正適用指針)

33-2. 平成 30 年改正適用指針は、企業がその従業員等に対して権利確定条件が付されている

新株予約権を付与する場合に、当該新株予約権の付与に伴い当該従業員等が一定の額の金

銭を企業に払い込む取引(当該取引において付与される新株予約権を「権利確定条件付き

有償新株予約権」という。以下同じ。)の会計処理等を有償新株予約権実務対応報告にお

いて明らかにしたことに伴い、必要と考えられる改正を行ったものである。

範 囲 34. 本適用指針では、新株予約権について、現金のみを対価として受け取り、付与されるも

のを適用範囲としている(第 2 項参照)。これは、平成 17 年 12 月 27 日公表の企業会計

基準第 8 号「ストック・オプション等に関する会計基準」(以下「ストック・オプション

会計基準」という。)で取り扱われていない新株予約権の会計処理を適用範囲とする趣旨

である。ストック・オプション会計基準では、企業がその従業員等に対してストック・オ

プションを付与する取引の他、企業が財貨又はサービスを取得するときの対価として自社

株式オプション(新株予約権)を付与する取引についても取り扱っているが、企業が現金

- 12 -

のみを取得するときの対価として自社株式オプション(新株予約権)を付与する取引は前

提としていない(ストック・オプション会計基準第 3 項)。したがって、当該取引の会計

処理については、本適用指針の定めによることとなる。

なお、有償新株予約権実務対応報告において、企業がその従業員等に対して権利確定条

件付き有償新株予約権を付与する場合に、当該権利確定条件付き有償新株予約権の付与に

伴い当該従業員等が一定の額の金銭を企業に払い込む取引が対象とされ、当該権利確定条

件付き有償新株予約権は、企業が従業員等から払い込まれる金銭の対価及び従業員等から

受ける労働や業務執行等のサービスの対価として付与するものと整理し、ストック・オプ

ション会計基準第 2 項(2)に定めるストック・オプションに該当するとされている。した

がって、当該実務対応報告の適用対象となる新株予約権は、本適用指針の適用範囲には含

まれないこととなる。また、敵対的買収防止策として一定の者に自社株式オプション(新

株予約権)が付与される取引のように、対価性のないことが明確である取引の場合には、

当該取引に関して費用を認識しないことがストック・オプション会計基準で示されている

(ストック・オプション会計基準第 33 項)ため、当該取引に本適用指針の定めは適用さ

れないこととなる。ただし、敵対的買収防止策として付与した自社株式オプション(新株

予約権)を消却する場合等に生じる自己新株予約権の会計処理については、本適用指針の

定めによることとなる。

また、本適用指針の範囲としていない会社法施行日前に発行の決議があった新株予約権

付社債及び新株予約権については、実務対応報告第 1 号及び実務対応報告第 11 号の定め

によることとなる。

用語の定義

35. 転換社債型新株予約権付社債について、社債と新株予約権がそれぞれ単独で存在し得な

いことをあらかじめ明確にしている場合(第 3 項参照)とは、かつての転換社債と経済的

実質が同一となるように、例えば、次のいずれかが募集事項に照らして明らかな場合であ

る。

(1) 新株予約権について取得事由を定めておらず、かつ、社債についても繰上償還を定め

ていないこと

(2) 新株予約権について取得事由を定めている場合には、新株予約権が取得されたときに

社債も同時に取得されること、また、社債について繰上償還を定めている場合には、社

債が繰上償還されたときに新株予約権も同時に消滅すること

新株予約権の会計処理

発行者側の会計処理

36. 新株予約権に関する表示について、平成 17 年 12 月 9 日公表の企業会計基準第 5 号「貸

借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」(以下「純資産会計基準」という。)の

適用前においては、かつての新株引受権付社債の会計処理を勘案し、その発行価額を仮勘

定として負債の部に計上することとしていたが、純資産会計基準の適用に伴い、その発行

- 13 -

に伴う払込金額を純資産の部に計上する(純資産会計基準第 4 項及び第 7 項)こととなっ

た(第 4 項参照)。

取得者側の会計処理-新株予約権の発行者以外が取得者となる場合-

37. 新株予約権証券は有価証券に該当するため、取得者側において、金融商品会計基準及び

金融商品会計実務指針の有価証券に関する定めにより認識・測定されることとなる。した

がって、新株予約権は、取得時に時価で測定し(金融商品会計実務指針第 29 項)、保有

目的の区分に応じて、売買目的有価証券又はその他有価証券として会計処理する(第 7 項

参照)。

なお、取得時の時価の算定については、新株予約権が株式に対するコール・オプション

としての性格を有するため、デリバティブ取引に対する評価方法に準じて行うことが適当

と考えられる。

自己新株予約権の会計処理

(取得時の会計処理)

38. 自己新株予約権の取得は、株主との資本取引ではなく、新株予約権者との損益取引であ

るが、自己新株予約権の取得時には、その後、当該自己新株予約権を消却するか処分する

かが必ずしも明らかではない。このため、時価に基づき取得価額を算定し、取得時には損

益を計上しないこととした(第 11 項参照)。

ただし、新株予約権の発行者が一定の事由が生じたことを条件として当該新株予約権を

取得できることとする条項(取得条項)が付された新株予約権について、発行者が当該取

得条項に基づき自己新株予約権を取得した場合で、当該取得時に自社の株式のみを交付す

ることがあらかじめ意図されているなど、一定の条件を満たす場合には、新株予約権が行

使されたときと同様に、当該帳簿価額を基礎として処理することとした(第 12 項参照)。

(保有時の会計処理)

39. 自己新株予約権は資産性を有するが、自らが発行した新株予約権を取得し、当該自己新

株予約権を資産の部に計上した場合、自己新株予約権とこれに対応する新株予約権の金額

が資産の部と純資産の部に両建て表示されることとなる。しかしながら、当該取引は自ら

が発行した新株予約権の買戻しであり、資産の部と純資産の部との両建て表示ではなく、

相殺表示する方が実態に即していると考えられる(第 13 項参照)。なお、直接控除した

結果、新株予約権の残高が負の値となった場合には、当該残高を負の値で表示することと

なる。

40. 親会社又は連結子会社が発行した新株予約権をその他の連結会社が保有している場合

について、連結会社相互間の債権と債務の相殺消去に準じて処理することとしたのは、新

株予約権が純資産の部における株主資本以外の項目であることを重視したものである(第

15 項参照)。

- 14 -

新株予約権付社債の会計処理

転換社債型新株予約権付社債の場合

41. 金融商品会計基準では、複合金融商品について、払込資本を増加させる可能性のある部

分を含む複合金融商品とその他の複合金融商品に区分して、それぞれ処理方法を定めてい

る。このうち前者、すなわち、新株予約権付社債のように契約の一方の当事者の払込資本

を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品は、払込資本を増加させる可能性のあ

る部分とそれ以外の部分の価値をそれぞれ認識することができるならば、それぞれの部分

を区分して処理することが合理的であり、その他の新株予約権付社債は払込資本を増加さ

せる可能性のある部分とそれ以外の部分が同時に各々存在し得ることから、その取引の実

態を適切に表示するため、それぞれの部分を区分して処理することが必要であるとしてい

る。

しかしながら、募集事項において、社債と新株予約権がそれぞれ単独で存在し得ないこ

と及び新株予約権が付された社債を当該新株予約権行使時における出資の目的とするこ

と(会社法第 236 条第 1 項第 2 号及び第 3 号)をあらかじめ明確にしている転換社債型新

株予約権付社債については、かつての転換社債と経済的実質が同一であり、それぞれの部

分を区分して処理する必要性は乏しいと考えられるため、区分して処理する方法に加え、

一体として処理する方法も認めている(金融商品会計基準第 112 項及び第 113 項)(第 18

項参照)。

なお、転換社債型新株予約権付社債を社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分す

る場合には、金融商品会計基準(注 15)1 によることとなるが、社債と新株予約権それぞ

れの払込金額が経済的に合理的な額と明らかに乖離する場合には、当該払込金額の比率で

配分する方法の適用は適当ではない。このような場合には、新株予約権付社債を区分する

他の方法を適用することとなる。

42. 会社法施行日前の商法(以下「旧商法」という。)では、転換社債型新株予約権付社債

について、社債の発行価額(旧商法第 341 条ノ 3 第 1 項第 1 号)と新株予約権の行使に際

して払い込むべき金額(旧商法第 341 条ノ 13 第 1 項)が同額でなければならず(旧商法

第 341 条ノ 3 第 2 項)、また、通常の新株予約権の行使と同様に、新株予約権の発行価額

と新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計が新株の発行価額とみなされる(旧

商法第 341 条ノ 15 第 5 項及び第 280 条ノ 20 第 4 項)こととされていた。

しかしながら、会社法ではこれらの定めが存在しないため、本適用指針では、新株予約

権が行使されたときに資本金又は資本金及び資本準備金に振り替える額について、発行時

に一括法を採用している場合は、当該転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額とし、また、

発行時に区分法を採用している場合は、当該転換社債型新株予約権付社債における社債の

対価部分(帳簿価額)と新株予約権の対価部分(帳簿価額)の合計額としている(第 19

項参照)。この結果、新株予約権が行使されたときには、一括法と区分法のいずれを採用

している場合にも損益が生じないこととなる。

- 15 -

その他の新株予約権付社債の場合

43. 金融商品会計基準では、新株予約権付社債のように契約の一方の当事者の払込資本を増

加させる可能性のある部分を含む複合金融商品について、払込資本を増加させる可能性の

ある部分とそれ以外の部分の価値をそれぞれ認識することができるならば、それぞれの部

分を区分して処理することが合理的であるとされている。さらに、個々の複合金融商品の

様態及び取引実態において、その他の新株予約権付社債は払込資本を増加させる可能性の

ある部分とそれ以外の部分が同時に各々存在し得ることから、その取引の実態を適切に表

示するため、それぞれの部分を区分して処理することが必要であるとされている(金融商

品会計基準第 112 項)。

したがって、その他の新株予約権付社債については、発行者側及び取得者側ともに区分

法を適用することとしている(第 21 項及び第 22 項参照)。これは、かつての新株引受権

付社債の会計処理について、分離型あるいは非分離型を区別することなく、発行者側及び

取得者側ともに区分法を適用していたことと整合的である。

なお、区分法を適用する場合には、金融商品会計基準(注 15)によることとなるが、社

債と新株予約権それぞれの払込金額が経済的に合理的な額と明らかに乖離するときには、

当該払込金額の比率で配分する方法の適用は適当ではない。このような場合には、新株予

約権付社債を区分する他の方法を適用することとなる。

取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の場合 (発行者側の会計処理)

44. 会社法では、取得条項付の新株予約権付社債を発行することができることとされた(会

社法第 236 条第 1 項第 7 号)。本適用指針では、転換社債型新株予約権付社債がかつての

転換社債と経済的実質が同一であることを前提に、発行者はこれを一括法と区分法のいず

れかの方法により会計処理することとしている(第 18 項参照)が、取得条項付の転換社

債型新株予約権付社債についても、これに付された新株予約権が転換社債型新株予約権付

社債権者により行使されたときに自社の株式が交付されるなど、かつての転換社債と経済

的実質が同一であることを前提に、発行者は一括法と区分法のいずれかの方法により会計

処理することができるものと考えている。

取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の会計処理については第 23 項のとおりであ

るが、転換社債型新株予約権付社債の発行者による当該転換社債型新株予約権付社債の取

得のうち、取得条項に基づかないものについては、自己社債の取得(区分法の場合は、加

えて自己新株予約権の取得)に準じて処理することとなる。

(取得の対価が現金の場合)

45. 転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、自社の株式の市場価格が

転換価格を上回る場合において現金を対価として当該転換社債型新株予約権付社債を取

得するときの発行者側の会計処理については、自己社債の取得(区分法の場合は、加えて

自己新株予約権の取得)に準じて処理することとした(第 23 項(1)参照)。この場合、取

- 16 -

得した転換社債型新株予約権付社債の取得価額は、その対価としての払出額に基づき算定

することとなり、取得時には損益が計上されないこととなる。ただし、その後、取得した

転換社債型新株予約権付社債を消却した場合には、当該帳簿価額と対応する転換社債型新

株予約権付社債の帳簿価額との差額が当期の損益として計上されることとなる。このため、

取得と同時に消却した場合には、繰上償還と経済的実質が同一であることから、これに準

じて処理することとなり(第 23 項(1)また書き参照)、取得した転換社債型新株予約権付

社債の帳簿価額とその対価としての払出額との差額を当期の損益として処理することと

なる。

46. 自己社債の会計処理は、次の理由から、金融商品会計基準における有価証券の会計処理

に準じて行うことが適当と考えた(第 23 項(1)なお書き参照)。このため、自己社債及び

対応する社債の表示については、金融資産と金融負債の貸借対照表における相殺表示(金

融商品会計実務指針第 140 項)に準じて行うことができるものと考えられる。

(1) 会社法では、自己新株予約権や自己新株予約権付社債と同様に、自己社債の取得又は

処分を行う場合が想定されているため、自己社債の取得によって法的に債務者が債務を

弁済した又は債務が免除されたとは言えず、金融負債(対応する社債)の消滅要件(金

融商品会計基準第 10 項)を満たしていない。

(2) 自己社債が金融資産の定義に当たらないとしても、その性質上、有価証券の会計処理

に準じて行うことが適切である。なお、有価証券は保有目的等により会計処理が異なる

が、自己社債を消却せずその償還期限まで保有する意義は見出せないことから、満期保

有目的の債券に分類することはできないこととした。

47. また、転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、自社の株式の市場

価格が転換価格以下の場合において現金を対価として当該転換社債型新株予約権付社債

を取得するときの発行者側の会計処理についても、自社の株式の市場価格が転換価格を上

回る場合と同様に、繰上償還又は自己社債の取得(区分法の場合は、加えて自己新株予約

権の取得)に準じて処理することとなる。

(取得の対価が自社の株式の場合)

48.

(ア)転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、自社の株式の市場価

格が転換価格を上回る場合において当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株予

約権の目的である自社の株式の数を交付することにより当該転換社債型新株予約権付社

債を取得し、(イ)当該転換社債型新株予約権付社債を取得した際に消却することが募集事

項等に示されており、かつ、当該募集事項等に基づき取得と同時に消却が行われたときに

は、転換社債型新株予約権付社債権者が当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株

予約権を行使することと経済的実質が同一であることから、本適用指針では、これらの会

計処理を整合させることとした。これは、従来、発行者が、自社の株式の市場価格が転換

価格を上回る場合において繰上償還条項に基づき繰上償還を行うことを明らかにするこ

とにより、転換社債権者が転換権を行使していた繰上償還権付転換社債と経済的実質が類

似しており、当該繰上償還権付転換社債に係る従来の会計処理とも整合的である。

- 17 -

したがって、上記の場合には、転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行

使されたときに準じて処理し(第 23 項(2)①参照)、この結果、一括法と区分法のいずれ

を採用している場合にも損益は計上されないこととなる。

49. 一方、転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、自社の株式の市場

価格が転換価格を上回る場合において自社の株式を交付することにより当該転換社債型

新株予約権付社債を取得するときであっても、第 23 項(2)①以外の場合には、転換社債型

新株予約権付社債権者が、当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権を行使

することと経済的実質が同一であるとはいえず、むしろ自己社債の取得(区分法の場合は、

加えて自己新株予約権の取得)に準じて処理することが適当であるものとした(第 23 項

(2)②参照)。

この結果、一括法と区分法のいずれを採用している場合にも取得時に損益は計上されな

いこととなるが、その後、取得した転換社債型新株予約権付社債を消却した場合には、当

該帳簿価額と対応する転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額との差額が当期の損益と

して計上されることとなる。

50. また、転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、自社の株式の市場

価格が転換価格以下の場合において当該転換社債型新株予約権付社債を取得するときは、

転換社債型新株予約権付社債権者が、当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株予

約権を行使することと経済的実質が同一であるとはいえないので、発行者は自己社債の取

得(区分法の場合は、加えて自己新株予約権の取得)に準じて処理することとなる。

(取得の対価が現金と自社の株式の場合)

51. 転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、自社の株式の市場価格が

転換価格を上回る場合において現金と自社の株式を対価として当該転換社債型新株予約

権付社債を取得するときには、①取得条項に基づく取得の対価の金額が、当該取得条項に

基づき、当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権の目的である自社の株式

の数に基づき算定された時価であり、②当該取得条項に基づいて取得した際に消却するこ

とが募集事項等に示されており、かつ、当該募集事項等に基づき取得と同時に消却が行わ

れていても、①と②のみでは、取得の対価が自社の株式のみの場合(第 23 項(2)①参照)

のように、当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使され自社の株式

を交付することと経済的実質が同一であるとまではいえず、むしろ自己社債の取得(区分

法の場合は、加えて自己新株予約権の取得)に準じて処理することが適当であると考えら

れる。

したがって、取得の対価が現金と自社の株式の場合における増加資本は、一括法と区分

法のいずれを採用している場合にも、取得の対価となる現金の額と自社の株式の時価に基

づき算定されることとなる。この結果、一括法と区分法のいずれを採用している場合にも

取得時に損益は計上されないこととなるが、その後、取得した転換社債型新株予約権付社

債を消却した場合には、当該帳簿価額と対応する転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額

との差額が当期の損益として計上されることとなる。

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ただし、取得の対価のうち現金の額が僅少である場合、その経済的実態は取得の対価が

自社の株式のみの場合と変わらないため、本適用指針では、これに準じて取り扱うものと

している(第 23 項(3)ただし書き参照)。

52. 前項①と②に加えて、③現金の交付がすべて社債部分の取得に充てられ、自社の株式の

交付がすべて新株予約権部分の取得に充てられるように、現金と自社の株式を対価とする

それぞれの部分があらかじめ明確にされ、これらの額が経済的に合理的な額と乖離してい

ない場合には、転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使されたときに準

じて処理することとした(一括法の場合)(第 23 項(3)また書き参照)。

審議の過程においては、前段の要件を満たしている場合で、当該転換社債型新株予約権

付社債を社債部分と新株予約権部分に区分して処理しているときには、現金のみが充てら

れる社債部分は当該現金による繰上償還と捉え、自社の株式のみが充てられる新株予約権

部分は新株予約権の行使と捉えるのが適当であり、また、同一の取引であれば一括法と区

分法は同様の考え方で行うことが適当であるので、前段の会計処理を行うことになるので

はないかという意見があった。一方で、現金と自社の株式を対価とする場合には、株式転

換権が行使された場合に自社の株式のみが交付される従来の転換社債とは異なるため、少

なくとも一括法において前段の会計処理は適当ではないという意見もあった。

本適用指針において定めた当該会計処理は、転換社債型新株予約権付社債において一括

法と区分法の双方が認められている金融商品会計基準を前提とした上で、国際的な会計基

準における取扱いとの関係などを考慮したものであるが、今後、仮に一括法と区分法の選

択適用自体が見直される場合には、当該会計処理についても再考する必要がある。

53. 一方、転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、自社の株式の市場

価格が転換価格以下の場合において現金と自社の株式を対価として当該転換社債型新株

予約権付社債を取得するときには、転換社債型新株予約権付社債権者が、当該転換社債型

新株予約権付社債に付された新株予約権を行使することと経済的実質が同一であるとは

いえないので、発行者は自己社債の取得(区分法の場合は、加えて自己新株予約権の取得)

に準じて処理することとなる。

(転換社債型新株予約権付社債権者側の会計処理)

54. 転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、発行者の株式の市場価格

が転換価格を上回る場合において当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約

権の目的である発行者の株式の数を交付することにより当該転換社債型新株予約権付社

債を取得するときは、転換社債型新株予約権付社債権者が、当該転換社債型新株予約権付

社債に付された新株予約権を行使することと経済的実質が同一である。これらを踏まえ、

本適用指針では、発行者による取得の対価が発行者の株式の場合の転換社債型新株予約権

付社債権者側の会計処理は、転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権を行使し

た場合に準ずることとした(第 24 項(2)参照)。

55. また、転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、発行者の株式の市

場価格が転換価格を上回る場合において現金と発行者の株式を交付することにより当該

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転換社債型新株予約権付社債を取得するとき、転換社債型新株予約権付社債権者は当該転

換社債型新株予約権付社債を現金が交付された部分と発行者の株式が交付された部分と

に区分した上で処理することとした(第 24 項(3)参照)。これは金融資産の消滅の認識に

おいて財務構成要素アプローチが採用されていることによる(金融商品会計基準第 57 項)。

56. 転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、発行者の株式の市場価格

が転換価格以下の場合において現金や発行者の株式を交付することにより当該転換社債

型新株予約権付社債を取得するときでも、取得の対価が社債金額その他合理的な額による

ときには、転換社債型新株予約権付社債権者は、発行者の株式の市場価格が転換価格を上

回る場合(第 24 項参照)と同様に処理することが適当と考えられる。

外貨建転換社債型新株予約権付社債の場合 57. 外貨実務指針には、かつての外貨建転換社債の発行及び換算について、次の 2 つの考え

方が示されている(外貨実務指針第 63 項)。

(1) 転換社債の発行を潜在的株式の発行と解する考え方

この考え方による場合、新株の発行価額を転換社債の発行時の為替相場により円換

算することになる(外貨基準一 2(1)②ただし書き及び外貨実務指針第 20 項)。

(2) 転換社債の転換による新株の発行を現物出資や相殺と解する考え方

この考え方による場合、転換社債の発行と転換による新株の発行をいったん切断し

て考え、新株の発行価額を転換時の為替相場により円換算することになる。

また、実務対応報告第 11 号においては、転換社債型新株予約権付社債はかつての転換

社債と経済的実質が同一と考えられるため、外貨建転換社債型新株予約権付社債の決算時

の円換算の処理については、かつての外貨建転換社債と同様、上記(1)の考え方に基づき、

外貨建転換社債型新株予約権付社債の発行時の為替相場により行うこととされている(実

務対応報告第 11 号 2)。

しかしながら、会社法においては上記(2)の現物出資の考え方によることが明らかにさ

れた(会社法第 284 条第 1 項)ため、本適用指針では、外貨建転換社債型新株予約権付社

債の決算時の円貨への換算は決算時の為替相場によることとし、新株予約権行使時の円貨

への換算はその権利行使時の為替相場によることとした(第 25 項(3)参照)。

58. なお、実務対応報告第 11 号において、外貨建転換社債型新株予約権付社債の発行に伴

う入金外貨額に本邦通貨による為替予約等が付されている場合には、振当処理を適用する

ことができるとされていた(実務対応報告第 11 号 2(1))が、本適用指針が適用される取

引については、振当処理が認められないこととなる点に留意する必要がある。これは、本

適用指針の適用により、当該外貨建転換社債型新株予約権付社債は決算時の為替相場によ

り換算され、発行後において為替変動リスクにさらされることになるため、将来の外貨建

転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う入金外貨額に係る為替予約等は、振当処理が認

められない予定取引に係る為替予約等に該当することとなるためである(外貨実務指針第

5 項)。

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社債と新株予約権を同時に募集し同時に割り当てる場合の会計処理 59. 社債と新株予約権を同時に募集し、かつ、両者を同時に割り当てる場合、社債と新株予

約権は別々に証券が発行されるので発行後は個別に流通することになるが、発行時におい

て両者は実質的に一体のものとみられるため、その経済的実質はその他の新株予約権付社

債と同一であると考えられる。したがって、発行者側及び取得者側ともに会計処理は区分

法により行うことが適当である(第 28 項参照)。

なお、社債と新株予約権を同時に募集していない場合又は両者を同時に割り当てていな

い場合でも、両者が実質的に一体のものとみられるときは、社債と新株予約権を個々に会

計処理せずに、それぞれの払込金額を合計した上で区分法を適用することに留意する必要

がある。例えば、社債と新株予約権を同時に募集していない場合とは、一部の割当てを時

間的にずらしているような場合であり、両者を同時に割り当てていない場合とは、一部の

社債と新株予約権の割当てを別々の者に行うような場合である。

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設 例

以下の設例は、本適用指針で示された内容について理解を深めるためのものであり、仮定と

して示された前提条件の記載内容は、経済環境や各企業の実情等に応じて異なることに留意す

る必要がある。

[設例 1]転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理(一括法)

1.前提条件

(1) 転換社債型新株予約権付社債の発行

額面総額:500,000 千円

払込金額:450,000 千円(割引発行)

期間:X1 年 4 月 1 日から X11 年 3 月 31 日(10 年間)

利率:0%

(2) 決算日は 3 月 31 日である。

(3) X3 年 4 月 1 日に、上記転換社債型新株予約権付社債のすべてについて新株予約権の行使

の請求があり、新株を発行した。

(4) 新株予約権の行使に際して出資をなすべき 1 株当たりの金額(転換価格)は 50 千円と

する。新株の発行時に出資された額はすべて資本金とする。

(5) 償却原価法の適用にあたっては、定額法によるものとする。

2. 会計処理

(1) 発行時(X1 年 4 月 1 日)

(単位:千円)

現金預金

450,000

社債

450,000

(2) 決算日(X2 年 3 月 31 日)

社債利息

5,000

社債

5,000

(3) 決算日(X3 年 3 月 31 日)

社債利息

5,000

社債

5,000

(4) 新株予約権行使時(X3 年 4 月 1 日)

社債

460,000

資本金

(注)460,000

(注) 権利行使により増加する資本金の額は、新株予約権が行使された転換社債型新株予

約権付社債の帳簿価額に基づき算定する。

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[設例 2]取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理-取得の

対価が自社の株式の場合-(一括法)

1.前提条件

(1) 取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行

額面総額:100,000 千円

払込金額:100,000 千円

期間:X1 年 4 月 1 日から X11 年 3 月 31 日(10 年間)

利率:0%

(2) 発行者は、取得条項に基づき、(1)の転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約

権の目的である自社の株式の数を交付することにより、(1)の転換社債型新株予約権付

社債を取得することができる。

(3) 発行者が取得した際に(1)の転換社債型新株予約権付社債を消却することが募集事項で

示されているものとする。

(4) 取得者(転換社債型新株予約権付社債権者)による新株予約権の行使、又は、発行者に

よる転換社債型新株予約権付社債の取得に際して、出資をなすべき 1 株当たりの金額(転

換価格)は 100,000 千円とする。

(5) 発行者は、X3 年 5 月 1 日に、取得条項に基づき、(1)の転換社債型新株予約権付社債を

取得し、その対価として新株(時価は 110,000 千円とする。)を発行した。また、取得

した転換社債型新株予約権付社債は、取得と同時に消却が行われた。

(6) 新株の発行時に出資された額はすべて資本金とする。

2. 会計処理 (単位:千円)

(1) 発行時(X1 年 4 月 1 日)

現金預金

100,000

社債

100,000

(2) 取得時(X3 年 5 月 1 日)

社債

(注 1)100,000

資本金

100,000

(注 1) 会社法上は、取得した転換社債型新株予約権付社債を帳簿価額 100,000 千円で計

上し、これを資本金(上記 1.(6)参照)とした上で、当該転換社債型新株予約権付

社債の消却を行うこととなる。

なお、発行者が取得した際に上記 1.(1)の転換社債型新株予約権付社債を消却することが

募集事項等で示されていない場合の会計処理は次のようになる。

(1) 発行時(X1 年 4 月 1 日)

現金預金

100,000

社債

100,000

(2) 取得時(X3 年 5 月 1 日)

自己社債

(注 2)110,000

資本金

110,000

(注 2) 取得した転換社債型新株予約権付社債を取得の対価となる自社の株式の時価

110,000 千円で計上し、これを資本金とする。

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[設例 3-1]取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理 -取得の対価が現金と自社の株式の場合①-(一括法)

1.前提条件

(1) 取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行

額面総額:100,000 千円

払込金額:100,000 千円

期間:X1 年 4 月 1 日から X11 年 3 月 31 日(10 年間)

利率:0%

(2) 発行者は、取得条項に基づき、現金と自社の株式を対価として、自社の株式の市場価格

が転換価格を上回った場合は、(1)の転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約

権の目的である自社の株式の数に基づき算定された時価をもって、転換価格以下の場合

は、社債金額をもって、当該転換社債型新株予約権付社債を取得することができる。

(3) 取得者(転換社債型新株予約権付社債権者)による新株予約権の行使、又は、発行者に

よる転換社債型新株予約権付社債の取得に際して、出資をなすべき 1 株当たりの金額(転

換価格)は 100,000 千円とする。

(4) 発行者は、X3 年 5 月 1 日に、取得条項に基づき、(1)の転換社債型新株予約権付社債を

取得し、その対価として現金(100,000 千円)と新株(時価は 10,000 千円とする。)を

交付した。

(5) 新株の交付に対応する額はすべて資本金とする。

2. 会計処理

(1) 発行時(X1 年 4 月 1 日)

(単位:千円)

現金預金

100,000

社債

100,000

(2) 取得時(X3 年 5 月 1 日)

自己社債

(注 1)110,000

現金

資本金

100,000

(注 2)10,000

(注 1) 取得の対価となる自社の株式の時価と現金の額の合計額に基づき、自己社債の取

得に準じて処理する。

(注 2) 取得の対価となる自社の株式の時価 10,000 千円が資本金の額となる(上記 1.(5)

参照)。

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[設例 3-2]取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理 -取得の対価が現金と自社の株式の場合②-(一括法)

1.前提条件

(1) 取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行

額面総額:100,000 千円

払込金額:100,000 千円

期間:X1 年 4 月 1 日から X11 年 3 月 31 日(10 年間)

利率:0%

(2) 発行者は、取得条項に基づき、現金と自社の株式を対価として、自社の株式の市場価格

が転換価格を上回った場合は、(1)の転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約

権の目的である自社の株式の数に基づき算定された時価をもって、転換価格以下の場合

は、社債金額をもって、当該転換社債型新株予約権付社債を取得することができる。

(3) 発行者が取得した際に、対価である現金がすべて社債部分の取得に充てられ、自社の株

式がすべて新株予約権部分の取得に充てられることが募集事項で示されているものと

する。また、発行者が取得した際に(1)の転換社債型新株予約権付社債を消却すること

が募集事項で示されているものとする。

(4) 取得者(転換社債型新株予約権付社債権者)による新株予約権の行使、又は、発行者に

よる転換社債型新株予約権付社債の取得に際して、出資をなすべき 1 株当たりの金額(転

換価格)は 100,000 千円とする。

(5) 発行者は、X3 年 5 月 1 日に、取得条項に基づき、(1)の転換社債型新株予約権付社債を

取得し、その対価として現金(100,000 千円)と新株(時価は 10,000 千円とする。)を

交付した。また、取得した転換社債型新株予約権付社債は、取得と同時に消却が行われ

た。

2. 会計処理

(1) 発行時(X1 年 4 月 1 日)

現金預金

100,000

社債

(2) 取得時(X3 年 5 月 1 日)

社債

(注 1)100,000

現金

(単位:千円)

100,000

100,000

(注 1) 転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使されたときに準じ、当

該転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額に基づいて処理する。

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[設例 4]外貨建転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理(一括法)

1.前提条件

(1) 新株予約権付社債の発行に伴い払い込まれた金銭の総額は 1,000 千ドル(平価発行、期

間 10 年)とする。

(2) 新株予約権の行使に際して出資をなすべき 1 株当たりの金額(転換価格)は 500 円とす

る。 なお、新株予約権の行使により交付される株式数は、社債の額面金額を換算(固

定)レート 210 円/ドルで円に換算した金額を、転換価格で除した数とする。新株の発

行時に出資された額はすべて資本金とする。

(3) 為替相場

発行日 212 円/ドル

最初の決算日 220 円/ドル

新株予約権行使時 215 円/ドル

(4) 社債利息については考慮しないものとする。

2.会計処理

(1) 発行時

(単位:千円)

現金預金

212,000

社債

212,000

(2) 最初の決算日

為替差損

8,000

社債

(注 1) 8,000

(注 1) 1,000 千ドル×(220 円/ドル-212 円/ドル)=8,000 千円

(3) 新株予約権行使時(当初に払い込まれた金銭の総額のうち 100 千ドル分の権利行使がな

されたと仮定)

社債

(注 2)22,000

資本金

(注 3)21,500

為替差益

500

(注 2) 権利行使に係る社債の帳簿価額

220,000 千円×100 千ドル/1,000 千ドル=22,000 千円

(注 3) 権利行使により資本金に振り替える額

100 千ドル×215 円/ドル(権利行使時の為替相場)=21,500 千円

以 上

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