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監査基準報告書900_監査人の交代.pdf

監査基準報告書 900

監査人の交代

監基報 900

2 0 1 1 年 1 2 月 2 2 日

改正 2 0 1 3 年 6 月 1 7 日

改正 2 0 1 5 年 5 月 2 9 日

改正 2 0 1 8 年 1 0 月 1 9 日

改正 2 0 1 9 年 6 月 1 2 日

改正 2 0 2 1 年 8 月 1 9 日

改正 2 0 2 2 年 6 月 1 6 日

改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

改 正 2 0 2 3 年 1 月 1 2 日

最終改正 2 0 2 4 年 9 月 2 6 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

(報告書:第 41 号)

項番号

Ⅰ 本報告書の範囲及び目的

1.本報告書の範囲 ................................................................... 1

2.監査人の責任 ..................................................................... 3

3.本報告書の目的 ................................................................... 4

4.定義 ............................................................................. 5

Ⅱ 要求事項

1.監査業務の引継 - 監査人予定者及び監査人 .......................................... 6

2.監査業務の引継 - 前任監査人 ..................................................... 13

3.相互確認 ........................................................................ 17

4.守秘義務 ........................................................................ 18

Ⅲ 適用指針

1.監査業務の引継 - 監査人予定者及び監査人 ......................................... A1

2.監査業務の引継 - 前任監査人 ..................................................... A7

3.相互確認 ....................................................................... A12

4.守秘義務 ....................................................................... A13

Ⅳ 適用

付録1 監査人予定者の指定に関する通知書の文例

付録2 監査人予定者が監査契約の締結前に取り交わす守秘義務についての確認書の文例

付録3 監査調書の閲覧に伴う守秘義務に関する承諾書の文例

監基報 900

《Ⅰ 本報告書の範囲及び目的》

《1.本報告書の範囲》

1.本報告書は、監査人の交代に際しての監査業務の引継に関する実務上の指針を提供するもので

ある。本報告書は、関連する職業倫理に関する規定と併せて適用される。

なお、監査基準報告書300「監査計画」には、初年度監査の開始前に実施する事項に関する追加

的な要求事項と指針、監査基準報告書510「初年度監査の期首残高」には、初年度監査の実施にお

ける期首残高に関する要求事項と指針、監査基準報告書210「監査業務の契約条件の合意」には、

監査業務の契約条件の合意に関する要求事項と指針が提供されている。

2.品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」に基づいて、監査事務所は、監査事

務所間の引継が適切に行われることを合理的に確保するため、前任の監査事務所となる場合及び

後任の監査事務所となる場合の双方についての方針及び手続を整備し運用する義務がある。本報

告書は、監査事務所が品質管理基準報告書第1号を遵守していることを前提としている。

また、前任及び後任の監査事務所の監査責任者は、監査基準報告書220「監査業務における品質

管理」において、本報告書に基づいて、監査事務所が定める監査業務の引継に関する方針及び手

続に準拠して、監査業務の十分な引継を行うことが求められている。

《2.監査人の責任》

3.監査人予定者及び監査人は、監査人の交代に際して、前任監査人から入手した情報を利用した

場合においても、監査契約の締結の可否の判断及び監査意見の表明について責任を負うものであ

る。監査人の期中交代に際して、前任監査人の監査手続の実施結果を利用した場合も、監査人は、

前任監査人の監査手続の実施結果の利用の可否並びにその程度、及び監査意見の表明について責

任を負っている。

《3.本報告書の目的》

4.本報告書における監査人の目的は、監査人の交代に当たって、監査人が職業的専門家としての

基準及び適用される法令等を遵守して適切に監査事務所間の引継を行うことにより、監査契約の

締結の可否の判断及び監査を実施する上で有用な情報を入手することである。

《4.定義》

5.本報告書における用語の定義は、以下のとおりとする。

(1) 「監査人予定者」-会社から前任監査人に代わって監査人となることを指定された者をいう。

(2) 「前任監査人」-前年度の財務諸表の監査報告書を提出したか、又は当年度の財務諸表の監

査に着手したものの監査報告書を提出していない別の監査事務所に属する退任した者(会社か

ら監査人交代の通知を受けた者を含む。)のことをいう。なお、前任監査人は、複数存在する場

合がある。

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監基報 900

《Ⅱ 要求事項》

《1.監査業務の引継 - 監査人予定者及び監査人》

6.監査人予定者及び監査人は、監査人の交代に際して、倫理規則に定める基本原則を遵守するた

め概念的枠組みアプローチを適用し(倫理規則R320.4項から第320.4 A4項参照)、基本原則の遵守

の阻害要因を識別しなければならない(A1項参照)。

7.監査人予定者は、会社に、前任監査人及び監査人予定者に対して監査人予定者の指定に関する

通知を書面又は電磁的記録で行うよう依頼しなければならない(A2項参照)。

8.監査人予定者及び監査人は、前任監査人に対して監査業務の引継を求めなければならない。監

査業務の引継は、主に、監査人予定者及び監査人による質問及び監査調書の閲覧によって実施さ

れる(A3項参照)。

9.監査人予定者は、監査契約の締結の可否を適切に判断するため、前任監査人に対して、監査契約

の締結の前に少なくとも次の事項の有無及び該当がある場合にはその内容を質問しなければなら

ない(A4項参照)。

(1) 経営者の能力、誠実性若しくは倫理観、又はこれらに対する経営者の取組若しくは実践につ

いての懸念

(2) 監査人の交代事由に関する前任監査人の見解

(3) 会計処理、表示及び監査手続に関する会社との間の重要な意見の相違

(4) 監査基準報告書240「財務諸表監査における不正」第40項に基づき、監査役等とのコミュニケ

ーションが求められている以下の不正又は不正の疑い

・ 経営者による不正又は不正の疑い

・ 内部統制において重要な役割を担っている従業員による不正又は不正の疑い

・ それ以外の者による財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある不正又は不正の疑い

(5) 監査基準報告書250「財務諸表監査における法令の検討」第22項に基づき、監査役等とのコミ

ュニケーションが求められている違法行為又はその疑いに関連する事項

(6) 監査基準報告書260「監査役等とのコミュニケーション」第16項に基づき、監査役等とのコミ

ュニケーションが求められている以下の事項

会計方針、会計上の見積り及び財務諸表の開示を含む、企業の会計実務の質的側面のうち

重要なものについての監査人の見解

・ 監査期間中に困難な状況に直面した場合はその状況

・ 監査の過程で発見され、経営者と協議したか又は経営者に伝達した重要な事項

・ 監査の過程で発見され、監査人が、職業的専門家としての判断において財務報告プロセス

に対する監査役等による監視にとって重要と判断したその他の事項

(7) 監査基準報告書265「内部統制の不備に関するコミュニケーション」第8項に基づき、監査役

等とのコミュニケーションが求められている内部統制の重要な不備

(8) 監査基準報告書550「関連当事者」第26項に基づき、監査役等とのコミュニケーションが求め

られている関連当事者に関連する重要な事項

(9) 監査基準報告書570「継続企業」第24項に基づき、監査役等とのコミュニケーションが求めら

れている継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況

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監基報 900

(10) 監査基準報告書450「監査の過程で識別した虚偽表示の評価」第11項及び第12項に基づき、

監査役等とのコミュニケーションが求められている未修正の虚偽表示(金融商品取引法監査の

場合は中間期における未修正の虚偽表示を含む。)及び同第4項に基づき集計した修正済みの虚

偽表示

(11) 期中交代の場合、既に発見している当期の財務諸表について未修正及び修正済みの虚偽表示

(12) 監査基準報告書706「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」

第11項に基づき、監査役等とのコミュニケーションが求められている重要な偶発事象、又は重

要な偶発債務となる可能性がある事象

10.監査人予定者は、法令等に従って、監査人の交代に関する手続が会社により適切に行われてい

るかどうか検討しなければならない。

11.監査人予定者は、前任監査人から監査業務の十分な引継を受けられない場合には、第三者への

問合せ、又は会社の経営者や監査役等の背景調査を行う等、他の方法により阻害要因に関する情

報を収集し(倫理規則R320.6項参照)、監査契約の締結に伴うリスクを低い水準に抑えることがで

きるか否かについて、より慎重に検討しなければならない(A5項参照)。

12.監査人予定者は、監査人の交代に際して、基本原則の遵守の阻害要因の重要性の程度を許容可

能な水準にまで軽減できないと判断した場合は、当該業務の契約を締結してはならない(A6項参

照。倫理規則R320.4項及び第320.4 A1項参照)。

《2.監査業務の引継 - 前任監査人》

13.前任監査人は、第7項で示す通知書を受け取った場合は、適時に、職業的専門家としての基準及

び適用される法令等に基づき、監査人予定者及び監査人が監査契約の締結の可否の判断及び監査

を実施する上で有用な情報を誠実かつ明確に提供しなければならない(倫理規則R320.7項参照)。

13-2.前任監査人は、前任監査人が監査契約の締結の辞退又は契約の解除を行った場合、監査人予

定者の要請に基づき、監査人予定者が監査契約の締結の可否を判断する前に知っておく必要があ

ると前任監査人が判断した違法行為又はその疑いに関する全ての事実と情報を監査人予定者に提

供しなければならない(倫理規則R360.22項及び第360.22 A1項参照)。

14.前任監査人は、不正リスクへの対応状況、監査基準報告書で監査役等とのコミュニケーション

が求められている事項等、前任監査人が監査の過程で識別した重要な事項を、監査人予定者及び

監査人に伝達しなければならない(A7項及びA8項参照)。

これには、前任監査人の監査意見に影響を及ぼした重要な虚偽表示、又は期中交代の場合は前

任監査人が監査意見に影響を及ぼす可能性があると判断した当期の財務諸表における重要な虚偽

表示に関わる情報又は状況が含まれる(監査に関する品質管理基準第十四 監査事務所間の引継

第1項参照)。

15.前任監査人は、監査人予定者及び監査人に対して以下の監査調書の閲覧の求めに応じなければ

ならない(A9項からA11項参照)。

・ 第14項に規定している項目に関連する監査調書

・ 期首残高に関連する監査調書

また、前任監査人は、監査調書の閲覧方法(複写の範囲を含む。)について、監査人予定者及び

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監基報 900

監査人と協議しなければならない。

なお、監査人予定者及び監査人による前任監査人の監査調書の閲覧に関して目的外の利用が制

限されていること等を明確にするため、前任監査人と監査人予定者及び監査人は、監査調書の閲

覧の前に「監査調書の閲覧に伴う守秘義務に関する承諾書」を取り交わさなければならない。

16.前任監査人は、監査人予定者及び監査人に対して監査業務の十分な引継を実施することができ

ない場合においても可能な範囲で監査業務の引継を実施しなければならない(A5項参照)。

また、前任監査人は、監査人予定者及び監査人と協議することについて会社から同意を得られ

ない場合、その事実を監査人予定者及び監査人に開示しなければならない。

《3.相互確認》

17.監査人予定者及び監査人と前任監査人は、実施した監査業務の引継の内容について、相互に確

認し、その記録をそれぞれ保管しなければならない(A12項参照)。

《4.守秘義務》

18.前任監査人、監査人予定者及び監査人は、業務上知り得た情報を他の者に漏洩し、又は自己若し

くは第三者の利益のために利用してはならない(倫理規則R114.1項参照)。

なお、守秘義務が解除される正当な理由に、監査業務の引継を行う場合が含まれており(倫理規

則第114.1 A1項(3)④参照)、あらかじめ監査契約書又は監査約款にその旨を明記しなければなら

ない。

19.監査人予定者及び監査人は、前任監査人から入手した情報について、監査契約の締結の可否の

判断及び円滑な監査業務の引継に役立てるために利用し、それ以外に利用してはならない。

20.監査人予定者は、監査契約を締結するか否かにかかわらず、監査契約の締結前に会社から得た

情報及び監査業務の引継に関して前任監査人から得た情報に対しても守秘義務を負い(倫理規則

R114.1項参照)、会社とその旨を文書で確認しなければならない(A13項参照)。

《Ⅲ 適用指針》

《1.監査業務の引継 - 監査人予定者及び監査人》

A1.倫理規則は、専門業務を実施するに際し、次の基本原則の遵守を求めている。

(1) 誠実性

(2) 客観性

(3) 職業的専門家としての能力及び正当な注意

(4) 守秘義務

(5) 職業的専門家としての行動

倫理規則R320.4項から第320.4 A4項では、監査人の交代を依頼された場合、これらの基本原則

を遵守するために概念的枠組みアプローチを適用することが求められている。概念的枠組みアプ

ローチに基づき、監査人予定者及び監査人は、基本原則の遵守に対する阻害要因を識別及び評価

し、当該阻害要因が許容可能な水準にないと判断する場合には、阻害要因を除去するか、又はセ

ーフガードを適用して許容可能な水準にまで軽減することになる(第6項参照)。

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監基報 900

A2.付録1に「監査人予定者の指定に関する通知書」の文例が示されている(第7項参照)。

なお、グループ監査において、グループ監査人と構成単位の監査人が同一法人又は同じネット

ワークに属する場合、グループ監査人が当該通知書を親会社からグループ単位で一括して入手し

ているときは、構成単位の監査人は、グループ監査人から監査人の交代に関する通知を受けるこ

ともある。

A3.前任監査人及び監査人予定者が会社から監査人予定者の指定に関する通知書を入手した時点か

ら監査業務の引継が開始される(倫理規則第320.5 A1項参照)。監査人予定者及び監査人は、適切

な引継(複数の前任監査人に引継を求めることが必要かどうかの判断を含む。)を実施することに

より、次の事項が可能となる(第8項参照)。

(1) 監査契約の締結に伴うリスクを低い水準に抑えることができるか否かを的確に判断すること。

(2) 会社に都合の良い監査意見を求めている兆候があるか否かを判断すること。

(3) 監査を効果的かつ効率的に実施すること。

A4.監査人予定者は、経営者の誠実性及び監査人の交代事由についての質問をする際、以下の項目

に留意する(第9項参照)。

・ 経営者から特定の監査報告書の記載内容(監査意見の類型を含む。)について不当なプレッシ

ャーを受けているか否か。

・ 会社に都合の良い監査意見を求めている兆候があるか否か。

A5.監査人予定者及び監査人は、次のような事由により、前任監査人から監査業務の十分な引継を

受けられない場合がある(第11項及び第16項参照)。

(1) 前任監査人が既に死亡している。

(2) 前任監査人が資格を喪失している。

(3) 前任監査人が業務上の行為について訴訟中である。

(4) 災害等により物理的に情報を提供できない状況にある。

(5) 前任監査人が監査人予定者及び監査人と協議することについて会社から同意を得られない。

A6.前任監査人が監査契約を継続しない理由に、基本原則の遵守が困難となる状況等職務上の事由

が存在する場合がある。このような場合、監査人予定者が関連する事実を十分に知る前に当該業

務の契約を締結するならば、職業的専門家としての能力及び正当な注意の原則の遵守を阻害する

要因を生じさせる可能性がある。

監査人交代の理由が、事実を十分に反映したものになっておらず、前任監査人と会社との間に

監査業務の契約の締結の可否に関する判断に影響を与える可能性のある意見の相違があることを

示唆することがある。このような場合、監査人予定者は、当該業務の契約を締結することが適当

か否かの判断をするに際し、前任監査人と直接意見を交換し、事実又は状況を確認した上で慎重

に判断する(第12項参照)。

《2.監査業務の引継 - 前任監査人》

A7.前任監査人が監査人予定者又は監査人に伝達する事項には、監査の過程で前任監査人が識別し

た以下の重要な事項が含まれる(監基報230のA8項参照)(第14項参照)。

・ 特別な検討を必要とするリスクを生ずる事項

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監基報 900

・ 監査手続を実施した結果重要な虚偽表示の可能性を示した事項

・ 当初の重要な虚偽表示リスクの評価やその対応を修正する必要を生じさせた事項

・ 監査手続の実施に重大な支障をきたした状況

・ 監査意見に影響を与えた(又はその可能性があった)事象

・ 強調事項を付した(又はその検討を行った)事項

また、これら事項のうち、貸借対照表項目や偶発事象に関する事項は、監査人予定者及び監査人

が監査する事業年度以降の財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるため、前任監査人は十分

な説明を付すことが適切である。

A8.前任監査人は、経営者又は監査役等に提出した監査実施結果を記載した報告書の写し、及び会

社から入手した経営者確認書を用いて、監査の過程で識別した重要な事項を監査人予定者又は監

査人に説明することが有用である。この場合、監査人予定者又は監査人からの求めに応じて、前

任監査人はこれらの写しを提供することがある(第14項参照)。

A9.品質管理基準報告書第1号第62JP項に従って、前任監査人となった場合に監査人予定者又は監

査人の閲覧に供する監査調書の範囲は、監査事務所の方針及び手続として定めることが求められ

ている。監査人予定者又は監査人の閲覧に供する監査調書の範囲には、リスク評価手続及びリス

ク対応手続の実施結果、第15項の重要な事項に関する監査調書が含まれる。例えば、識別したリ

スクの内容、実施した個々のリスク対応手続の結果とその結果の評価から導かれた結論を記載し

た監査調書、監査結果の取りまとめの監査調書(例えば、監査で識別した未修正の虚偽表示の一

覧や内部統制の不備の一覧等)が閲覧の対象となる(第15項参照)。

A10.引継の目的に関連しない監査調書は、前任監査人は、閲覧の対象に含めないことができる。例

えば、監査時間や報酬等の業務管理のための資料や、監査事務所が品質管理目的で使用している

各種チェックリスト等である(第15項参照)。

A11.付録3に、前任監査人と監査人予定者及び監査人との間で取り交わす「監査調書の閲覧に伴う

守秘義務に関する承諾書」の文例が示されている(第15項参照)。

《3.相互確認》

A12.監査人予定者及び監査人と前任監査人による相互確認は、監査人予定者及び監査人が監査業務

の引継に関する内容を記載した議事録を前任監査人に提供し、前任監査人がその内容を確認する

ことにより行われる(第17項参照)。

議事録には、監査業務の引継の際に行われた監査人予定者及び監査人による質問、それに対す

る前任監査人の回答、並びに監査人予定者及び監査人への閲覧に供した監査調書の範囲等が記載

される(第8項及び第9項参照)。

《4.守秘義務》

A13.付録2に、監査人予定者が会社との間で監査契約の締結前に守秘義務について確認するための

文例「監査人予定者が監査契約の締結前に取り交わす守秘義務についての確認書」が示されてい

る(第20項参照)。

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監基報 900

《Ⅳ 適用》

・ 本報告書(2011年12月22日)は、2012年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。なお、本報告書の適用開始後に行われ

る監査人の交代から、本報告書は適用される。

・ 本報告書(2013年6月17日)は、2013年10月1日以後に行われる監査人の交代から適用する。

・ 本報告書(2015年5月29日)は、2015年5月29日以後に行われる監査人の交代から適用する。

・ 本報告書(2018年10月19日)は、2019年4月1日以後に行われる監査人の交代から適用する。

・ 本報告書(2019年6月12日)は、2020年3月31日以後に行われる監査人の交代から適用する。

・ 本報告書(2021年8月19日)は、2021年9月1日から適用する。

・ 本報告書(2022年6月16日)は、2023年7月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査

及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用する。なお、公認

会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以後に開始する事

業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監

査から適用する。ただし、それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間

財務諸表の中間監査から適用することを妨げない。なおその場合、品質管理基準委員会報告書

第1号(2022年6月16日)、品質管理基準委員会報告書第2号「監査業務に係る審査」(2022年6

月16日)及び監査基準委員会報告書220(2022年6月16日)と同時に適用する。

・ 本報告書(2022年10月13日)のうち、倫理規則に関する事項は、2023年4月1日以後開始する

事業年度に係る財務諸表の監査から適用する。ただし、本報告書を、倫理規則(2022年7月25日

変更)と併せて2023年4月1日以後終了する事業年度に係る財務諸表の監査から早期適用する

ことを妨げない。なお、品質管理に関する事項は、2022年6月16日付け改正の品質管理基準委員

会報告書第1号「監査事務所における品質管理」、品質管理基準委員会報告書第2号「監査業務

に係る審査」及び監査基準委員会報告書220「監査業務における品質管理」と同時に適用する。

・ 本報告書(2023年1月12日)は、2024年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査

及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用する。また、公認

会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以後に開始する事

業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監

査から適用する。ただし、それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間

財務諸表の中間監査から適用することを妨げない。その場合、品質管理基準委員会報告書第1

号「監査事務所における品質管理」(2022年6月16日)、品質管理基準委員会報告書第2号「監査

業務に係る審査」(2022年6月16日)及び監査基準委員会報告書220「監査業務における品質管

理」(2022年6月16日)と同時に適用する。なお、2022年6月16日付けで改正された品質管理基

準に関する事項は、品質管理基準委員会報告書第1号(2022年6月16日)、品質管理基準委員会

報告書第2号(2022年6月16日)及び監査基準委員会報告書220(2022年6月16日)と同時に適

用する。さらに、本報告書(2022年10月13日及び2023年1月12日)のうち、倫理規則に関する事

項は、2023年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査から適用する。ただし、本報

告書を、倫理規則(2022年7月25日変更)と併せて2023年4月1日以後終了する事業年度に係る

財務諸表の監査から早期適用することを妨げない。

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監基報 900

・ 本報告書(2024年9月26日)のうち、企業会計審議会「四半期レビュー基準の期中レビュー基

準への改訂に係る意見書」(2024年3月27日公表)に関する事項は、2024年4月1日以後開始す

る事業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中

間監査から適用する。

以 上

・ 本報告書(2022 年 10 月 13 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 倫理規則(2022 年7月 25 日変更)

(修正箇所:第6項、第 11 項から第 13-2 項、第 18 項、第 20 項、A1 項及び A3 項)

- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(2022 年7月

21 日改正)

(上記以外の修正箇所)

・ 本報告書(2023 年1月 12 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 倫理規則(2022 年7月 25 日変更)

(修正箇所:第 12 項及び A1 項)

- 監査基準報告書 600「グループ監査における特別な考慮事項」(2023 年1月 12 日改正)

(上記以外の修正箇所)

・ 本報告書(2024 年9月 26 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 企業会計審議会「四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂に係る意見書」(2024 年

3月 27 日公表)

(修正箇所:第9項(10))

- 監査基準報告書 260「監査役等とのコミュニケーション」(2024 年9月 26 日改正)

(上記以外の修正箇所)

- 8 -

《付録1 監査人予定者の指定に関する通知書の文例》(A2 項参照)

監基報 900

×年×月×日

[前任監査人名]

○○監査法人

代表社員 ○○○○ 殿

[監査人予定者名]

□□監査法人

代表社員 ○○○○ 殿

[会社名]

○○○○株式会社

代表取締役 ○○○○

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、弊社の監査人の交代に際して、[監査人予定者名]□□監査法人を[前任監査人名]○○

監査法人に代わる監査人予定者として指定したことを通知いたします。

監査契約書(又は監査約款)により、監査業務の引継に必要とされる情報に関して、[前任監

査人名]○○監査法人の守秘義務は解除されております。そのため、□□監査法人による監査

契約の締結の可否の判断及び監査を実施する上で有用な情報を○○監査法人が提供することに

ついて、以下の事項を了解しております。

(1) □□監査法人が○○監査法人の監査調書の閲覧を行うこと。

(2) ○○監査法人は監査業務の引継に関する□□監査法人からの質問について、回答を行う

こと。

(3) 弊社の経営者、監査役及び監査役会(監査委員及び監査委員会、又は監査等委員及び監

査等委員会)とのコミュニケーションのために、○○監査法人が作成し弊社に提出した

書面又は電磁的記録(計画した監査の範囲とその実施時期の概要及び監査上の重要な発

見事項を記載した報告書並びに経営者確認書)の複写を、○○監査法人が□□監査法人

に提供すること。

なお、□□監査法人との引継に関して〇〇監査法人に発生する報酬は、弊社が負担すること

について了解しております。

また、本通知文書については、弊社の監査役に対しても写しを提供しております。

上記文例は、監査人が個人事務所の場合など、監査業務の引継の状況に応じて適宜修正の上使

用されることを予定している。

監査調書の複写を提供することを予定している場合は、適宜、(3)に加筆修正する。

敬 具

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《付録2 監査人予定者が監査契約の締結前に取り交わす守秘義務についての確認書の文

例》(A13 項参照)

監基報 900

守秘義務に関する確認書

[監査予定会社名]○○株式会社(以下「甲」という。)と[監査人予定者名]□□監査法人

(以下「乙」という。)は、甲乙間の監査契約の締結前に甲及び[前任監査人名]○○監査法人

(以下「丙」という。)が監査業務の引継のために乙に開示する秘密情報の取扱いに関し、次のと

おり確認する。

1.本確認書でいう秘密情報とは、甲及び丙が監査業務の引継のために乙に開示する情報の全て

であり、書面又は電磁的記録により開示又は提供するもののほか、口頭による説明を含むもの

とする。ただし、以下の情報は秘密情報から除くものとする。

(1) 甲又は丙から開示された時点で、既に公知となっていたもの

(2) 甲又は丙から開示された後で、乙の責に帰すべき事由によらず公知となったもの

(3) 甲又は丙から開示された時点で、既に乙が保有していたもの

(4) 守秘義務を負うことなく、第三者から正当に開示されたもの

2.乙は、正当な理由なく、業務上知り得た秘密情報を他の者に漏洩してはならず、これを甲と

の監査契約の締結の可否の判断及び監査契約締結後に実施する監査に役立てる目的のみに使用

するものとする。

3.甲乙間で監査契約を締結した場合には、本確認書に基づく守秘義務に代えて当該監査契約に

基づく守秘義務に係る条項を適用するものとする。一方、監査契約を締結しなかった場合にお

いては、本確認書に基づく守秘義務は将来にわたり存続するものとする。

4.乙は、本確認書に基づく守秘義務の履行を怠ったときは、甲に対しその損害を賠償するもの

とする。

×年×月×日

甲 (住 所)

○○○○株式会社

乙 (住 所)

□□監査法人

代表取締役 ○○○○

代 表 社 員 ○○○○

上記文例は、監査人が個人事務所の場合など、監査業務の引継の状況に応じて適宜修正の上使

用されることを予定している。

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《付録3 監査調書の閲覧に伴う守秘義務に関する承諾書の文例》(A11 項参照)

監基報 900

監査調書の閲覧に伴う守秘義務に関する承諾書

×年×月×日

(住 所)

〇〇監査法人[前任監査人名]

代表社員

公認会計

○○○○ 殿

(住 所)

□□監査法人[監査人予定者]

代表社員

公認会計

○○○○

【監査人予定者又は監査人】□□監査法人(以下「甲」という。)は、○○○○株式会社(以

下「会社」という。)による×年×月×日付け監査人予定者の指定に関する通知書に基づき、監

査業務の引継のために実施する甲による【前任監査人】○○監査法人(以下「乙」という。)の

監査調書の閲覧(甲の質問に対する乙の回答等、監査業務の引継のために行われる乙から甲への

その他の情報の提供を含む。以下同じ。)に関して、以下の事項を了解しております。

1. 甲による閲覧対象は、監査業務の引継に必要な範囲における、会社の×1 年×月×日に終了

した第○期事業年度に係る財務諸表及び連結会計年度に係る連結財務諸表(以下「財務諸表

等」という。)に係る監査調書とする。なお、甲は、乙が、会社法に基づく監査報告書につ

いては×年×月×日付けで提出しているが、金融商品取引法に基づく監査報告書について

は提出していないことを了解している。(注1)

2. 甲が乙の上記1.に記載した事業年度の監査調書の閲覧を行う目的は、会社及び乙の監査結

果に関する情報を入手することにより、甲の監査契約の締結の可否の判断及び監査契約締

結後に実施する監査に役立てることにある。甲は、監査調書の閲覧の結果を当該目的のため

のみに利用し、他の目的には利用しないものとする。

3. 乙の監査調書は、乙の職業的専門家としての判断、監査リスクの評価、重要性等に基づき作

成されており、これらは、甲による判断又は評価とは異なる可能性がある。そのため、乙は、

乙の監査調書に含まれる情報が甲の閲覧の目的に照らして、十分かつ適切であるかどうか

について保証するものではない。

4. 甲は、乙による会社の監査が、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準

拠して実施されたかどうかについて、法令等の要請に基づく場合を除き、乙の監査調書の閲

覧から得た情報を基に、第三者に対して、口頭若しくは書面又は電磁的記録のいずれによっ

ても論評しない。

5. 甲は、乙による会社の監査に関連する訴訟に係る支援業務契約の締結又は当該業務の提供

を行わない。

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監基報 900

6. 甲は、会社の×2 年×月×日に終了する第○期事業年度に係る財務諸表等に対する監査にお

いて、甲の実施する監査手続の種類、範囲及び実施時期の決定、並びに監査意見の表明に全

責任を負う。

7. 甲は、乙の監査調書の閲覧により入手した情報及び監査調書の複写について、甲の監査調書

の整理、管理及び保存に関する方針及び手続に準拠して保管する責任を負う。

8. 会社の監査に関連して作成された甲の監査調書の閲覧について第三者(9.の者を除く。)

から依頼があった場合、乙の監査調書から入手した情報及び監査調書の複写を第三者の閲

覧に供する場合には、甲は、甲が監査調書を閲覧に供する前に、乙に通知し了解を得なけれ

ばならない。(注2)また、甲は、甲の監査調書を当該第三者の閲覧に供するに当たり、当

該第三者から、閲覧の目的、守秘義務その他本書面又は電磁的記録に記載の事項を了解する

旨を記載した書面又は電磁的記録を、乙に代わって入手する。

9. 法令又は法令に基づく権限により、乙の監査調書から入手した情報及び監査調書の複写が

含まれる甲の監査調書の閲覧又は提出が求められ、提供した場合は、甲は直ちに乙に通知す

る。(注3)ただし、甲は、提供の要請や提供した旨の伝達を秘匿する旨の要請があり、当

該要請が合理的である場合においては、通知しないことができる。(注4)

以 上

(注1)監査の種類及び監査調書の閲覧の時期に応じて、記載を適宜変更する。

・ 金融商品取引法に基づく監査報告書提出後に監査調書の閲覧を行う場合

「なお、乙は、会社法に基づく監査報告書は×年×月×日付けで提出し、金融商品取引法

に基づく監査報告書については×年×月×日付けで提出しており、監査報告書の日付以

降は、いかなる監査手続も実施していないことを甲は了解している。」

・ 期中交代の場合

「甲による閲覧対象は、監査業務の引継に必要な範囲における、会社の×0年×月×日

に終了した第○期事業年度に係る財務諸表及び連結会計年度に係る連結財務諸表(以下

「財務諸表等」という。)、並びに×1年×月×日に終了する第○期事業年度に係る財務

諸表等に係る監査調書とする。なお、乙は会社法及び金融商品取引法に基づく監査報告

書は提出していないことを、甲は了解している。」

(注2)監査調書の閲覧を依頼する第三者には、会社の親会社の監査人(グループ監査人)などが想

定される。

(注3)日本公認会計士協会の会則に基づき同協会の質問又は調査に応じる場合が含まれる。

(注4)公認会計士法に基づく規制当局の求めに対する報告又は資料の提出等を行う場合が含まれる。

以 上

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