企業会計基準第 13 号 リース取引に関する会計基準
改正平成 19 年 3 月 30 日
企業会計基準委員会
平成 5 年 6 月 17 日
企業会計審議会第一部会
目 次 項 目 的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 会計基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 範 囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
3
3
用語の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ファイナンス・リース取引の分類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ファイナンス・リース取引の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
8
8
9
オペレーティング・リース取引の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
開 示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
ファイナンス・リース取引の表示 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ファイナンス・リース取引の注記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オペレーティング・リース取引の注記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
19
22
適用時期等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 議 決・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 結論の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 経 緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 用語の定義及びリース取引の分類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
28
23
35
38
ファイナンス・リース取引の会計処理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 開 示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ファイナンス・リース取引の表示及び注記・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適用時期等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
42
42
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目 的
1. 本会計基準は、リース取引に係る会計処理を定めることを目的とする。
2. 平成 19 年 3 月 30 日に、本会計基準を適用する際の指針を定めた企業会計基準適用指針
第 16 号「リース取引に関する会計基準の適用指針」が公表されているため、本会計基準
の適用にあたっては、当該適用指針も参照する必要がある。
会計基準
範 囲
3. 本会計基準は、リース取引に係る会計処理に適用する。
用語の定義
4. 「リース取引」とは、特定の物件の所有者たる貸手(レッサー)が、当該物件の借手(レッ
シー)に対し、合意された期間(以下「リース期間」という。)にわたりこれを使用収益
する権利を与え、借手は、合意された使用料(以下「リース料」という。)を貸手に支払
う取引をいう。
5. 「ファイナンス・リース取引」とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当
該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借手が、当
該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる経済的利
益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを
実質的に負担することとなるリース取引をいう。
6. 「オペレーティング・リース取引」とは、ファイナンス・リース取引以外のリース取引
をいう。
7. 「リース取引開始日」とは、借手が、リース物件を使用収益する権利を行使することが
できることとなった日をいう。
会計処理
ファイナンス・リース取引の分類
8. ファイナンス・リース取引は、リース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が
借手に移転すると認められるもの(以下「所有権移転ファイナンス・リース取引」という。)
と、それ以外の取引(以下「所有権移転外ファイナンス・リース取引」という。)に分類
する。
ファイナンス・リース取引の会計処理
9. ファイナンス・リース取引については、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を
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行う。
(借手側)
10. 借手は、リース取引開始日に、通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理により、リー
ス物件とこれに係る債務をリース資産及びリース債務として計上する。
11. リース資産及びリース債務の計上額を算定するにあたっては、原則として、リース契約
締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額
を控除する方法による。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利
息法により配分する。
12. 所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却費は、自己所有の固
定資産に適用する減価償却方法と同一の方法により算定する。また、所有権移転外ファイ
ナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却費は、原則として、リース期間を耐用年
数とし、残存価額をゼロとして算定する。
(貸手側)
13. 貸手は、リース取引開始日に、通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理により、所
有権移転ファイナンス・リース取引についてはリース債権として、所有権移転外ファイナ
ンス・リース取引についてはリース投資資産として計上する。
14. 貸手における利息相当額の総額は、リース契約締結時に合意されたリース料総額及び見
積残存価額の合計額から、これに対応するリース資産の取得価額を控除することによって
算定する。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利息法により配
分する。
オペレーティング・リース取引の会計処理
15. オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計
処理を行う。
開 示
ファイナンス・リース取引の表示
(借手側)
16. リース資産については、原則として、有形固定資産、無形固定資産の別に、一括してリー
ス資産として表示する。ただし、有形固定資産又は無形固定資産に属する各科目に含める
こともできる。
17. リース債務については、貸借対照表日後 1 年以内に支払の期限が到来するものは流動負
債に属するものとし、貸借対照表日後 1 年を超えて支払の期限が到来するものは固定負債
に属するものとする。
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(貸手側)
18. 所有権移転ファイナンス・リース取引におけるリース債権及び所有権移転外ファイナン
ス・リース取引におけるリース投資資産については、当該企業の主目的たる営業取引によ
り発生したものである場合には流動資産に表示する。また、当該企業の営業の主目的以外
の取引により発生したものである場合には、貸借対照表日の翌日から起算して 1 年以内に
入金の期限が到来するものは流動資産に表示し、入金の期限が 1 年を超えて到来するもの
は固定資産に表示する。
ファイナンス・リース取引の注記
(借手側)
19. リース資産について、その内容(主な資産の種類等)及び減価償却の方法を注記する。
ただし、重要性が乏しい場合には、当該注記を要しない。
(貸手側)
20. リース投資資産について、将来のリース料を収受する権利(以下「リース料債権」とい
う。)部分及び見積残存価額(リース期間終了時に見積られる残存価額で借手による保証
のない額)部分の金額(各々、利息相当額控除前)並びに受取利息相当額を注記する。た
だし、重要性が乏しい場合には、当該注記を要しない。
21. リース債権及びリース投資資産に係るリース料債権部分について、貸借対照表日後 5 年
以内における 1 年ごとの回収予定額及び 5 年超の回収予定額を注記する。ただし、重要性
が乏しい場合には、当該注記を要しない。
オペレーティング・リース取引の注記
(借手側及び貸手側)
22. オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は、貸借対
照表日後 1 年以内のリース期間に係るものと、貸借対照表日後 1 年を超えるリース期間に
係るものとに区分して注記する。ただし、重要性が乏しい場合には、当該注記を要しない。
適用時期等
23. 本会計基準は、平成 20 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度から適用す
る。ただし、平成 19 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度から適用(以下
「財務諸表に係る早期適用」という。)することができる。
24. 前項にかかわらず、四半期財務諸表に関しては、本会計基準は、平成 21 年 4 月 1 日以
後開始する連結会計年度及び事業年度に係る四半期財務諸表から適用する。ただし、平成
20 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度に係る四半期財務諸表から適用(以
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下「四半期財務諸表に係る早期適用」という。)することができる。
平成 20 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度(平成 21 年 4 月 1 日以後開
始する連結会計年度及び事業年度を除く。)において、四半期財務諸表に係る早期適用を
行わない場合、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る残高(通常の賃貸借取引に
係る方法に準じた会計処理による場合)が前年度末と比較して著しく変動しているときは、
当該四半期財務諸表において、「リース取引に係る会計基準」(企業会計審議会第一部会
平成 5 年 6 月 17 日。以下「改正前会計基準」という。)で必要とされていた注記(オペ
レーティング・リース取引に係る注記を除く。)を記載する。なお、「証券取引法等の一
部を改正する法律」第 3 条により施行が予定される金融商品取引法第 24 条の 4 の 7 の規
定の適用を受ける上場会社等のうち、内閣府令で定める事業を行う会社は、第 2 四半期の
四半期財務諸表では別途の対応を行うことが必要であると考えられる。
25. 第 23 項ただし書きに定める財務諸表に係る早期適用を行う場合、その中間連結会計期
間及び中間会計期間に係る中間連結財務諸表及び中間財務諸表には適用しないことがで
きる。なお、この場合であっても、年度の連結財務諸表及び財務諸表では、年度の期首か
ら本会計基準を適用する。また、早期適用を行う連結会計年度及び事業年度に係る年度の
連結財務諸表及び財務諸表においては、中間・年度の会計処理の首尾一貫性の注記は要し
ないものとし、中間連結財務諸表及び中間財務諸表には、本会計基準が適用されておらず、
改正前会計基準で必要とされていた注記がなされている旨を記載する。
26. 本会計基準を適用するにあたっては、日本公認会計士協会 会計制度委員会「リース取
引の会計処理及び開示に関する実務指針」、同会計制度委員会報告第 5 号「連結財務諸表
におけるリース取引の会計処理及び開示に関する実務指針」及び同会計制度委員会報告第
14 号「金融商品会計に関する実務指針」などの改廃を検討することが適当である。
議 決
27. 本会計基準は、第 125 回企業会計基準委員会に出席した委員 11 名全員の賛成により承
認された。なお、出席した委員は、以下のとおりである。
斎 藤 静 樹(委員長)
西 川 郁 生(副委員長)
石 井 泰 次
梅 山 勉
加 藤 厚
神 田 秀 樹
小宮山 賢
逆 瀬 重 郎
辻 山 栄 子
山 田 浩 史
- 5 -
米 家 正 三
- 6 -
結論の背景
経 緯
28. 我が国のリース取引に関する会計基準としては、平成 5 年 6 月に企業会計審議会第一部
会から改正前会計基準が公表されている。改正前会計基準では、ファイナンス・リース取
引については、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととされており、そ
の理由として、「リース取引に係る会計基準に関する意見書」(企業会計審議会第一部会
平成 5 年 6 月 17 日)では、「我が国の現行の企業会計実務においては、リース取引は、
その取引契約に係る法的形式に従って、賃貸借取引として処理されている。しかしながら、
リース取引の中には、その経済的実態が、当該物件を売買した場合と同様の状態にあると
認められるものがかなり増加してきている。かかるリース取引について、これを賃貸借取
引として処理することは、その取引実態を財務諸表に的確に反映するものとはいいがたく、
このため、リース取引に関する会計処理及び開示方法を総合的に見直し、公正妥当な会計
基準を設定することが、広く各方面から求められてきている。」と記載されている。
29. 改正前会計基準では、法的には賃貸借取引であるリース取引について、経済的実態に着
目し通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理を採用しており、これはファイナンス・
リース取引と資産の割賦売買取引との会計処理の比較可能性を考慮したものと考えられ
る。また、改正前会計基準は、リース取引をファイナンス・リース取引とオペレーティン
グ・リース取引に分類する点や、借手がリース資産を固定資産として計上する点など、国
際会計基準及び米国会計基準と平仄を合わせるものであった。
30. 一方、改正前会計基準では、ファイナンス・リース取引のうち所有権移転外ファイナン
ス・リース取引については、一定の注記を要件として通常の賃貸借取引に係る方法に準じ
た会計処理(以下「例外処理」という。)を採用することを認めてきた。現状では大半の
企業において、この例外処理が採用されている。
31. 企業会計基準委員会(以下「当委員会」という。)では、この例外処理の再検討につい
て、平成 13 年 11 月にテーマ協議会から提言を受け、平成 14 年 7 月より審議を開始した。
改正前会計基準に対する当委員会の問題意識は、主として次の点であった。
(1) 会計上の情報開示の観点からは、ファイナンス・リース取引については、借手
において資産及び負債を認識する必要性がある。特に、いわゆるレンタルと異な
り、使用の有無にかかわらず借手はリース料の支払義務を負い、キャッシュ・フ
ローは固定されているため、借手は債務を計上すべきである。
(2) 本来、代替的な処理が認められるのは、異なった経済的実態に異なる会計処理
を適用することで、事実をより適切に伝えられる場合であるが、例外処理がほぼ
すべてを占める現状は、会計基準の趣旨を否定するような特異な状況であり、早
急に是正される必要がある。
32. 審議の過程では、主として、我が国のリース取引は資金を融通する金融ではなく物を融
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通する物融であり、諸外国のファイナンス・リースと異なり賃貸借としての性質が強いこ
とを理由とし、例外処理を存続すべきとの意見も表明された。また、リース契約を通じた
ビジネスの手法が確定決算主義をとる税制と密接に関係してきたため、会計上の情報開示
の観点のみでは結論を得ることが難しい課題であった。
33. 当委員会では、4 年にわたりこのテーマを審議してきたが、その間、平成 16 年 3 月に
「所有権移転外ファイナンス・リース取引の会計処理に関する検討の中間報告」を公表し、
また、平成 18 年 7 月に試案「リース取引に関する会計基準(案)」、平成 18 年 12 月に
企業会計基準公開草案第 17 号「リース取引に関する会計基準(案)」を公表している。
審議の過程では、関係各方面からの意見聴取も行い、我が国のリース取引の実態を踏まえ
議論を行ってきたが、今般、改正前会計基準において認められていた例外処理を廃止する
との結論に至り、基準を改正することとした。
34. また、当委員会では国際会計基準審議会との間で行っている会計基準のコンバージェン
スに向けた共同プロジェクトにおいて、リース会計を短期的な検討項目として位置付けて
おり、この基準の改正が行われることにより、現状の国際会計基準第 17 号「リース」と
平仄が合い、国際的な会計基準間のコンバージェンスに寄与することとなる。
なお、国際会計基準審議会では、平成 18 年 7 月に現状のリース会計に係る国際会計基
準の改正を議題に加えている。そこでは、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・
リース取引の区別をすることなく、リース契約に係る使用権を資産計上していくことを基
礎に検討がなされる予定である。これは、米国財務会計基準審議会との共同プロジェクト
とされているが、最終的な基準の公表までには、相当程度の期間を要すると見込まれる。
用語の定義及びリース取引の分類
35. 用語の定義のうち第 4 項から第 6 項については、改正前会計基準における定義を変更し
ていない。また、リース取引の分類についても、ファイナンス・リース取引とオペレーティ
ング・リース取引に分類した上で、ファイナンス・リース取引について、所有権移転ファ
イナンス・リース取引と所有権移転外ファイナンス・リース取引に分類する改正前会計基
準の方法を変更していない(第 8 項参照)。
36. 第 5 項にいう「リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除すること
ができないリース取引に準ずるリース取引」とは、法的形式上は解約可能であるとしても、
解約に際し相当の違約金を支払わなければならない等の理由から、事実上解約不能と認め
られるリース取引をいう。
また、「借手が、当該契約に基づき使用する物件(リース物件)からもたらされる経済
的利益を実質的に享受する」とは、当該リース物件を自己所有するとするならば得られる
と期待されるほとんどすべての経済的利益を享受することをいい、「当該リース物件の使
用に伴って生じるコストを実質的に負担する」とは、当該リース物件の取得価額相当額、
維持管理等の費用、陳腐化によるリスク等のほとんどすべてのコストを負担することをい
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う。
37. 本会計基準では、リース取引開始日において、ファイナンス・リース取引の借手であれ
ばリース資産及びリース債務、あるいは貸手であればリース債権又はリース投資資産を計
上するものとしている(第 10 項及び第 13 項参照)。この「リース取引開始日」とは、借
手が、リース物件を使用収益する権利を行使することができることとなった日をいうもの
としている(第 7 項参照)。一般的には、当該リース物件に係る借受証に記載された借受
日がそれに該当する場合が多いものと考えられる。
会計処理
ファイナンス・リース取引の会計処理
(基本的な考え方)
38. 改正前会計基準では、ファイナンス・リース取引について、原則として通常の売買取引
に係る方法に準じて会計処理を行うこととしており、この基本的な考え方は本会計基準で
も変更していない(第 9 項参照)。なお、ファイナンス・リース取引は、リース物件の取
得と資金調達が一体として行われ、通常は利用期間と資金調達の期間が一致するため、通
常の売買取引と類似性を有するものの、まったく同じ会計処理になるわけではない。また、
ファイナンス・リース取引のうち所有権移転外ファイナンス・リース取引については、次
の点で、所有権移転ファイナンス・リース取引と異なる性質を有する。
(1) 経済的にはリース物件の売買及び融資と類似の性格を有する一方で、法的には賃
貸借の性格を有し、また、役務提供が組み込まれる場合が多く、複合的な性格を有
する。
(2) リース物件の耐用年数とリース期間は異なる場合が多く、また、リース物件の返
還が行われるため、物件そのものの売買というよりは、使用する権利の売買の性格
を有する。
(3) 借手が資産の使用に必要なコスト(リース物件の取得価額、金利相当額、維持管
理費用相当額、役務提供相当額など)を、通常、契約期間にわたる定額のキャッ
シュ・フローとして確定する。
したがって、所有権移転ファイナンス・リース取引と所有権移転外ファイナンス・リー
ス取引では、通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理を具体的に適用するにあたり、
リース資産の減価償却費の算定(第 12 項及び第 39 項参照)等で異なる点が生じる。
(借手におけるリース資産の償却)
39. 所有権移転ファイナンス・リース取引については、リース物件の取得と同様の取引と考
えられるため、自己所有の固定資産と同一の方法により減価償却費を算定することとした。
一方、所有権移転外ファイナンス・リース取引については、リース物件の取得とは異な
りリース物件を使用できる期間がリース期間に限定されるという特徴があるため、原則と
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して、リース資産の償却期間はリース期間とし、残存価額はゼロとしている(第 12 項参
照)。また、償却方法については、次の観点から、企業の実態に応じ、自己所有の固定資
産と異なる償却方法を選択することができるものとした。
(1) 所有権移転外ファイナンス・リース取引は、前項に記載のとおり、リース物件の
取得とは異なる性質も有すること
(2) 我が国では、これまで自己所有の固定資産について残存価額を 10 パーセントと
して定率法の償却率を計算する方法が広く採用されてきており、所有権移転外ファ
イナンス・リース取引に、自己所有の固定資産と同一の償却方法を適用することが
困難であること
(貸手における会計処理)
40. 所有権移転ファイナンス・リース取引の場合は、貸手は、借手からのリース料と割安購
入選択権の行使価額で回収するが、所有権移転外ファイナンス・リース取引の場合はリー
ス料と見積残存価額の価値により回収を図る点で差異がある。この差異を踏まえ、所有権
移転ファイナンス・リース取引で生じる資産はリース債権に計上し、所有権移転外ファイ
ナンス・リース取引で生じる資産はリース投資資産に計上することとした。この場合の
リース投資資産は、将来のリース料を収受する権利と見積残存価額から構成される複合的
な資産である。
41. リース債権は金融商品と考えられ、また、リース投資資産のうち将来のリース料を収受
する権利に係る部分については、金融商品的な性格を有すると考えられる。したがって、
これらについては、貸倒見積高の算定等などにおいて、企業会計基準第 10 号「金融商品に
関する会計基準」の定めに従う。
開 示
ファイナンス・リース取引の表示及び注記
(借手側)
42. ファイナンス・リース取引により生じたリース資産については、リース資産の合計額を
表す観点や、実務上の過重負担の回避などを考慮し、有形固定資産、無形固定資産の別に、
一括してリース資産として表示することを原則とした(第 16 項参照)。ただし、有形固
定資産又は無形固定資産に属する各科目に含めることも認めることとした。なお、例えば、
所有権移転ファイナンス・リース取引には有形固定資産又は無形固定資産に属する各科目
に含める方法を適用し、所有権移転外ファイナンス・リース取引には、有形固定資産、無
形固定資産の別に一括してリース資産として表示する方法を適用することも認められる。
43. 借手における注記としては、リース資産の内容と減価償却の方法を記載することとした
(第 19 項参照)。リース資産の内容について、勘定科目別に金額を注記することも考え
られるが、コスト・ベネフィットの観点から主な資産の種類等を記載することで足りるこ
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ととした。
(貸手側)
44. 貸手におけるリース債権及びリース投資資産については、一般的な流動固定の区分基準
に従い、当該企業の営業の主目的で生じたものであるか否かにより、流動資産に表示する
か、固定資産に表示するかを区分することとした(第 18 項参照)。
45. 貸手における注記としては、リース投資資産に含まれるリース料債権部分と見積残存価
額部分では性格が異なるため、各々の金額を記載することとした。また、リース料債権部
分と見積残存価額部分(各々、利息相当額控除前)とリース投資資産残高との関係を明ら
かにするために、受取利息相当額を注記することとした。さらに、リース債権及びリース
投資資産については、当該企業の主目的たる営業取引により生じたものである場合には流
動資産に表示されること、また、通常は回収が長期にわたることから、リース債権及びリー
ス投資資産に係るリース料債権部分について、貸借対照表日後 5 年以内における 1 年ごと
の回収予定額及び 5 年超の回収予定額をそれぞれ注記することとした(第 20 項及び第 21
項参照)。
適用時期等
46. 本会計基準は平成 20 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度から適用する
こととしているが、実務面での本会計基準の円滑な適用を図るため、四半期財務諸表に関
しては、本会計基準は、平成 21 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度に係
る四半期財務諸表から適用することとしている。
47. 第 23 項ただし書きに定める財務諸表に係る早期適用を行う場合、その中間連結会計期
間及び中間会計期間には適用しないことができることとし、この場合に、通常必要とされ
る中間・年度の会計処理の首尾一貫性の注記は要しないものとした。これは、当該中間連
結会計期間及び中間会計期間において、改正前会計基準で必要とされていた注記がなされ、
比較可能性が確保されているためである。
以 上
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