監査基準報告書501
特定項目の監査証拠
監基報501
2 0 1 1 年 1 2 月 2 2 日
改正 2 0 1 5 年 5 月 2 9 日
改正 2 0 1 9 年 6 月 1 2 日
改正 2 0 2 1 年 6 月 8 日
改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日
改正 2 0 2 3 年 1 月 1 2 日
最終改正 2 0 2 4 年 9 月 2 6 日
日 本 公 認 会 計 士 協 会
監査・保証基準委員会
( 報 告 書 : 第 19号 )
項番号
Ⅰ 本報告書の範囲及び目的
1.本報告書の範囲 ................................................................... 1
2.本報告書の目的 ................................................................... 2
Ⅱ 要求事項
1.棚卸資産 ......................................................................... 3
2.訴訟事件等 ....................................................................... 8
経営者確認書 .................................................................. 11
3.セグメント情報 .................................................................. 12
Ⅲ 適用指針
1.棚卸資産
(1) 実地棚卸の立会 ................................................................ A1
(2) 期末日以外の日における実地棚卸 ................................................ A9
(3) 実地棚卸の立会を実施することが実務的に不可能な場合 ........................... A12
(4) 第三者の保管と管理下にある棚卸資産 ........................................... A15
2.訴訟事件等
(1) 訴訟事件等の網羅性 ........................................................... A17
(2) 企業の顧問弁護士とのコミュニケーション ....................................... A21
3.セグメント情報 ................................................................. A26
経営者が用いた方法や手順の理解 ............................................... A27
Ⅳ 適用
監基報501
《Ⅰ 本報告書の範囲及び目的》
《1.本報告書の範囲》
1.本報告書は、監査基準報告書330「評価したリスクに対応する監査人の手続」、監査基準報告書
500「監査証拠」及びその他の関連する監査基準報告書等に準拠して十分かつ適切な監査証拠を入
手するために、棚卸資産、企業が当事者となっている訴訟事件等(訴訟、賠償請求、更正、査定及
び賦課並びにこれらに準ずる事象をいう。以下「訴訟事件等」という。)、及びセグメント情報につ
いて、財務諸表監査において監査人が特に考慮すべき事項に関する実務上の指針を提供するもの
である。
《2.本報告書の目的》
2.本報告書における監査人の目的は、以下の事項について十分かつ適切な監査証拠を入手するこ
とである。
(1) 棚卸資産の実在性と状態
(2) 企業が当事者となっている訴訟事件等の網羅性
(3) 適用される財務報告の枠組みに準拠したセグメント情報の表示と開示
《Ⅱ 要求事項》
《1.棚卸資産》
3.監査人は、棚卸資産が財務諸表において重要である場合には、以下の手続によって、棚卸資産の
実在性と状態について十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。
(1) 実務的に不可能でない限り、以下の目的で、実地棚卸の立会を実施すること(A1項からA3項
参照)。
① 実地棚卸結果を記録し管理するための経営者による指示と手続を評価すること(A4項参照)。
② 実施されている棚卸手続を観察すること(A5項参照)。
③ 棚卸資産を実査すること(A6項参照)。
④ テスト・カウントを実施すること(A7項及びA8項参照)。
(2) 企業の最終的な在庫記録が実際の実地棚卸結果を正確に反映しているかどうかを判断するた
めに、当該記録に対して監査手続を実施すること。
4.監査人は、実地棚卸が期末日以外の日に実施される場合には、実地棚卸日と期末日の間における
棚卸資産の増減が適切に記録されているかどうかについて監査証拠を入手するため、第3項で要
求される手続に加えて、監査手続を実施しなければならない(A9項からA11項参照)。
5.監査人は、予期し得ない事態により実地棚卸の立会を実施することができない場合には、代替的
な日に一部について実地棚卸又はその立会を実施するとともに、その間の取引に対して監査手続
を実施しなければならない。
6.監査人は、実地棚卸の立会を実施することが実務的に不可能な場合には、棚卸資産の実在性と状
態について十分かつ適切な監査証拠を入手するため、代替的な監査手続を実施しなければならない。
監査人は、代替的な監査手続を実施できない場合には、監査基準報告書705「独立監査人の監査
報告書における除外事項付意見」に従って、監査範囲の制約に関する限定意見を表明するか又は
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監基報501
意見を表明してはならない(A12項からA14項参照)。
7.監査人は、第三者が保管し、管理している棚卸資産が財務諸表において重要である場合には、以
下のいずれか又は両方の手続を実施することによって、棚卸資産の実在性と状態について十分か
つ適切な監査証拠を入手しなければならない。
(1) 棚卸資産の数量及び状態に関して、第三者に対して確認を実施すること(A15項参照)。
(2) 実査、又は個々の状況において適切な他の手続を実施すること(A16項参照)。
《2.訴訟事件等》
8.監査人は、重要な虚偽表示リスクを生じさせる、企業が当事者となっている訴訟事件等を識別で
きるように、監査手続を立案し実施しなければならない。この場合の監査手続には、以下の手続が
含まれる(A17項からA19項参照)。
(1) 経営者(必要に応じて法務担当者を含む企業内部の他の者)への質問
(2) 取締役会の議事録及び必要に応じて監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会
(以下「監査役等」という。)の議事録の閲覧、並びに企業と顧問弁護士との間の文書の閲覧
(3) 法務関連費用の検討(A20項参照)
9.監査人は、識別した訴訟事件等に関する重要な虚偽表示リスクを評価する場合、又は実施した監
査手続によって重要な訴訟事件等が存在する可能性があると判断した場合には、他の監査基準報
告書等が要求している手続と組み合わせて、企業の顧問弁護士と直接コミュニケーションをしな
ければならない。監査人は、経営者によって作成され監査人によって発送される質問書によって、
企業の顧問弁護士と直接コミュニケーションをしなければならない。
監査人は、法令等又は各法律専門家団体により、企業の顧問弁護士が監査人と直接コミュニケ
ーションをすることが禁止されている場合には、代替的な監査手続を実施しなければならない
(A21項からA25項参照)。
10.監査人は、以下のいずれにも該当する場合には、監査基準報告書705に従って、監査範囲の制約
に関する限定意見を表明するか又は意見を表明してはならない。
(1) 監査人が企業の顧問弁護士とコミュニケーションをすることを経営者が許諾しない場合、又
は企業の顧問弁護士が質問書への適切な回答を拒否している場合若しくは禁止されている場合
(2) 代替的な監査手続から十分かつ適切な監査証拠を入手できない場合
《経営者確認書》
11.監査人は、経営者に、財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき、既に認識されている又
は潜在的な訴訟事件等が全て監査人に示され、適用される財務報告の枠組みに準拠して処理され
開示されている旨の経営者確認書を提出するように求めなければならない。
《3.セグメント情報》
12.監査人は、以下の手続によって、適用される財務報告の枠組みに準拠してセグメント情報が表示
及び開示されているかどうかについて、十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない(A26
項参照)。
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(1) セグメント情報を決定する際に経営者が用いた方法や手順を理解すること(A27項参照)。
① 当該方法や手順によって作成される情報が、適用される財務報告の枠組みに準拠した開示
となり得るかどうかを評価すること。
② 適切な場合には、当該方法や手順の適用状況を検証すること。
(2) 状況に応じて、分析的手続又はその他の監査手続を実施すること。
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《Ⅲ 適用指針》
《1.棚卸資産》
《(1) 実地棚卸の立会》(第3項(1)参照)
A1.経営者は、通常、財務諸表の作成の基礎とするため、及び該当する場合には企業の棚卸資産の継
続記録の信頼性を確保するため、少なくとも年に一度実施する棚卸資産の実地棚卸の手続を策定
している。
A2.実地棚卸の立会には、以下の手続がある。
・ 棚卸資産の実在性を確かめ、かつ、状態を評価するために棚卸資産を実査し、テスト・カウン
トを実施すること。
・ 実地棚卸結果を記録して管理するために、経営者が定めた指示と手続の実施に関する遵守状
況を観察すること。
・ 実施されている棚卸手続の信頼性に関する監査証拠を入手すること。
これらの手続は、監査人のリスク評価の結果及び計画したアプローチ並びに実施した特定の手
続にもよるが、内部統制の運用評価手続や実証手続として利用される。
A3.実地棚卸の立会を計画する際には(又は本報告書の第3項から第7項に従った監査手続を立案
して実施する際には)、例えば、以下の事項を検討する。
・ 棚卸資産に関係する重要な虚偽表示リスク
・ 棚卸資産に対する内部統制の内容
・ 実地棚卸に対する十分な手続の策定及び適切な指示書の発行
・ 実地棚卸の実施時期
・ 企業による棚卸資産の継続記録の有無
・ 棚卸資産が保管されている拠点(適切な立会対象拠点を決定するためには、それぞれの拠点
における棚卸資産の重要性及び重要な虚偽表示リスクを考慮する。)
・ 監査人の利用する専門家の業務を利用する必要性(監査人が十分かつ適切な監査証拠を入手
するために専門家の業務を利用する場合には、監査基準報告書620「専門家の業務の利用」を適
用する。)
《経営者による指示と手続に対する評価》(第3項(1)①参照)
A4.実地棚卸の結果を記録して管理することに対する経営者による指示と手続を評価する際には、
例えば以下の事項に対処しているかどうかを評価することが含まれる。
・ 適切な内部統制の適用(例えば、使用された実地棚卸の記録用紙の回収、未使用の実地棚卸の
記録用紙の取扱い、及びカウントと再カウント手続)
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・ 仕掛品の進捗度、滞留品、陳腐化品又は破損品、及び預り品などの第三者が所有する棚卸資産
の正確な識別
・ 数量の見積りのために適用された手続(例えば、山積みされた石炭の量を見積もるような場合)
・ 基準日前後の棚卸資産の保管場所の移動及び入出庫に係る内部統制
監基報501
《実施されている棚卸手続の実施状況の観察》(第3項(1)②参照)
A5.例えば、実地棚卸の実施前後及び実施中における棚卸資産の移動に係る内部統制に関するもの
など、実施されている棚卸手続の実施状況を観察することは、監査人が経営者の指示や実地棚卸
手続が適切にデザインされ業務に適用されているという監査証拠を入手することに役立つ。
また、監査人は、後日、棚卸資産の移動に関する会計処理について監査手続を実施するために、
棚卸資産の移動明細などのカット・オフ情報の写しを入手することがある。
《棚卸資産の実査》(第3項(1)③参照)
A6.実地棚卸の立会時に棚卸資産を実査することは、監査人が棚卸資産の実在性を確かめること(た
だし、必ずしもその所有権を確かめることはできない。)に役立つとともに、例えば、陳腐化品、
破損品、又は老朽品を識別することにも役立つ。
《テスト・カウントの実施》(第3項(1)④参照)
A7.例えば、経営者の実地棚卸記録から抽出した品目を実物在庫と照合し、反対に、実物在庫から抽
出した品目を経営者の実地棚卸記録と照合してテスト・カウントを実施することによって、経営者
の実地棚卸記録の網羅性及び正確性についての監査証拠を入手する。
A8.監査人によるテスト・カウントの結果を記録することに加えて、経営者が完了した実地棚卸記録
の写しを入手することは、監査人が当該企業の最終在庫記録が実際の実地棚卸の結果を正確に反
映しているかどうかを判断するために後に実施する監査手続に役立つ。
《(2) 期末日以外の日における実地棚卸》(第4項参照)
A9.実務上の理由により、実地棚卸が期末日以外の日に実施されることがある。これは、経営者が年
次の実地棚卸によって棚卸数量を決定するか、又は継続記録を実施しているかにかかわらず、行
われる場合がある。
どちらの場合であっても、棚卸資産の増減に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性に基づ
き、期末日以外の日に実地棚卸を実施することが監査上適切であるかどうかが判断される。
期末日前に実証手続を実施する場合には、監査基準報告書330第21項及び第22項を適用する。
A10.棚卸資産の継続記録が維持されている場合には、経営者は、企業の継続記録に記載されている
棚卸数量の情報の信頼性を確かめるために、実地棚卸又はその他の検証を実施することがある。
経営者又は監査人が、継続記録と実際の実地棚卸数量に差異を識別する場合がある。これは、棚
卸資産の増減に係る内部統制が有効に運用されていないことを示唆していることがある。
A11.実地棚卸日における棚卸資産の金額と最終在庫記録の金額との間の変動が適切に記録されてい
るかどうかについて監査証拠を入手するための監査手続を立案する場合に考慮する関連事項には、
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以下のようなものがある。
・ 継続記録が適切に修正されているかどうか。
・ 企業の継続記録の信頼性
・ 実地棚卸時に入手した情報と継続記録との間に著しい差異がある場合の理由
監基報501
《(3) 実地棚卸の立会を実施することが実務的に不可能な場合》(第6項参照)
A12.実地棚卸の立会が実務的に不可能な場合がある。これは、例えば、棚卸資産が監査人の安全を
脅かす可能性のある事業所に保管されている場合など、棚卸資産の性質及び保管場所などの要因
による。
しかしながら、監査人にとって単に不都合であるということだけでは、立会が実務的に不可能
であるという監査人の決定の十分な理由とはならない。さらに、監査基準報告書200「財務諸表監
査における総括的な目的」のA47項において説明されているように、監査手続に伴う困難さ、時間、
又は費用の問題自体は、監査人が、代替手続がない監査手続を省略する又は心証を形成するに至
らない監査証拠で足りるとする十分な理由とはならない。
A13.立会が実務的に不可能な場合には、例えば、実地棚卸日以前に取得又は購入した特定の棚卸資
産品目について、実地棚卸日後に販売されたことを示す記録や文書を閲覧するなどの代替的な監
査手続によって、実地棚卸日現在の棚卸資産の実在性及び状態についての十分かつ適切な監査証
拠を入手することができることがある。
A14.しかしながら、代替的な監査手続を実施することによって、棚卸資産の実在性及び状態につい
ての十分かつ適切な監査証拠を入手することができない場合もある。このような場合、監査基準
報告書705第12項に従い、財務諸表に及ぼす影響を考慮して、監査範囲の制約に関する限定意見を
表明するか又は意見を表明しない。
《(4) 第三者の保管と管理下にある棚卸資産》
《確認》(第7項(1)参照)
A15.確認を実施する場合には、監査基準報告書505「確認」を適用する。
《他の監査手続》(第7項(2)参照)
A16.例えば、第三者の信頼性及び客観性について疑義が生じる情報を入手した場合など、状況に応
じて、監査人は、第三者の確認の代わりに又は追加して、他の監査手続を実施することが適切であ
るかどうかを検討することがある。
他の監査手続には以下のようなものがある。
・ 実務上可能な場合には、監査人が、第三者による棚卸資産の実地棚卸に立会を行うこと、又は
他の監査人が立会を行う手配をすること。
・ 棚卸資産の実地棚卸が適切に行われ適切な保全手続が講じられていることを確かめるために、
第三者の内部統制の適切性に関して、他の監査人の監査報告書又は受託会社監査人の報告書を
入手すること。
・ 倉庫証券など第三者が保管する棚卸資産に関する文書を閲覧すること。
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・ 棚卸資産が担保に供されている場合には、他の関係者に対する確認を要求すること。
《2.訴訟事件等》
《(1) 訴訟事件等の網羅性》(第8項参照)
A17.企業が当事者となっている訴訟事件等は、財務諸表に重要な影響を及ぼすことがあり、財務諸
表において、開示又は処理が求められることがある。
A18.第8項で特定した手続に加えて、例えば、企業及び企業環境を理解する一環として実施したリ
スク評価手続により入手した情報を利用するなど、他の関連する手続によって、監査人が、企業が
当事者となっている訴訟事件等に気付くことがある。
A19.重要な虚偽表示リスクを生じさせる訴訟事件等を識別するために入手した監査証拠は、評価又
は測定など、訴訟事件等に関するその他の考慮事項についての監査証拠を提供することがある。
監査人が財務諸表における会計上の見積り又は開示が要求される訴訟事件等を検討する場合に
は、監査基準報告書540「会計上の見積りの監査」を適用する。
《法務関連費用の検討》(第8項(3)参照)
A20.監査人は、法務関連費用を検討する際に、状況に応じて訴訟費用に関わる請求書などの関連す
る原始証憑を検討することが適切であると判断することがある。
《(2) 企業の顧問弁護士とのコミュニケーション》(第9項及び第 10 項参照)
A21.企業の顧問弁護士との直接のコミュニケーションは、監査人が、重要となる可能性がある訴訟
事件等があるかどうか、及び法務関連費用を含む財務上の影響に関する経営者の見積りが合理的
であるかどうかについて、十分かつ適切な監査証拠を入手することに役立つ。
A22.監査人は、一般的な質問書によって、企業の顧問弁護士との直接のコミュニケーションを求め
る場合がある。
この目的のために、一般的な質問書では、企業の顧問弁護士が気付いている全ての訴訟事件等
について、当該訴訟事件等の結果等に関する評価及び関連費用を含む財務上の影響に関する見積
りとともに、監査人に知らせることを依頼する。
A23.企業の顧問弁護士による一般的な質問書への適切な回答が期待できない場合(例えば、当該顧
問弁護士が所属する専門家団体がこのような質問書への回答を禁止している場合)、監査人は特定
の質問書によって直接にコミュニケーションをすることを求めることがある。
この場合の特定の質問書には、以下の事項が含まれる。
(1) 訴訟事件等のリスト
(2) 入手可能な場合には、識別した訴訟事件等のそれぞれについての結果に対する経営者の評価、
及び関連費用を含む財務上の影響に関する経営者の見積り
(3) 企業の顧問弁護士が、経営者の評価の合理性を確認し、さらに顧問弁護士が当該リストを不
完全又は不正確のものと考える場合には監査人に詳細な情報を提供するように依頼すること
A24.監査人は、訴訟事件等の結果の見込みに関して協議するために、企業の顧問弁護士と面談する
ことが必要であると判断することもある。これには、例えば以下のような場合がある。
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監基報501
・ 監査人が、当該案件が特別な検討を必要とするリスクであると判断する場合
・ 当該案件が複雑な場合
・ 経営者と企業の顧問弁護士の間に見解の不一致がある場合
通常、このような面談は、経営者の許可を必要とし、企業の担当者が同席して行われる。
A25.監査人は、監査基準報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」第49項に基づき、監
査報告書日には財務諸表に対する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手した日よ
りも前の日付を付してはならないとされている。
監査報告書日までの訴訟事件等の状況についての監査証拠は、関連事項の扱いに責任がある法
務担当者を含む、経営者への質問によって入手されることがある。個々の状況により、監査人は、
企業の顧問弁護士から更新された情報を入手することが必要な場合がある。
《3.セグメント情報》(第 12 項参照)
A26.適用される財務報告の枠組みに基づき、企業は、財務諸表にセグメント情報の開示が要求され、
又は任意に開示することがある。
セグメント情報の表示と開示に対する監査人の責任は、全体としての財務諸表に関連している。
したがって、監査人は、単独で表示されるセグメント情報に対する意見の表明に必要な監査手続
の実施は要求されていない。
《経営者が用いた方法や手順の理解》(第 12 項(1)参照)
A27.状況に応じて、経営者がセグメント情報を決定する際に用いた方法や手順を理解し、当該方法
や手順によって作成される情報が、適用される財務報告の枠組みに準拠した開示となり得るかど
うかを理解する場合に関連すると考えられる事項の例として、以下のものがある。
・ セグメント間の売上、振替及び配賦、並びにセグメント間の金額の消去
・ 予算やその他の予測値(例えば営業利益率から算出した利益)との比較
・ セグメント間の資産と費用の配分
・ 前年度との継続性、及び継続性の変更に関する開示の妥当性
《Ⅳ 適用》
・ 本報告書(2011年12月22日)は、2012年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以
後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。
・ 本報告書(2015年5月29日)は、2015年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以
後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。
・ 本報告書(2019年6月12日)は、2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用す
る。
・ 本報告書(2021年6月8日)は、2023年3月31日以後終了する事業年度に係る財務諸表の監査
及び2022年9月に終了する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実施する。ただし、
それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実
施することを妨げない。
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監基報501
・ 本報告書(2023年1月12日)は、2024年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監査
及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用する。また、公認
会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以後に開始する事
業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監
査から適用する。ただし、それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間
財務諸表の中間監査から適用することを妨げない。その場合、品質管理基準委員会報告書第1
号「監査事務所における品質管理」(2022年6月16日)、品質管理基準委員会報告書第2号「監査
業務に係る審査」(2022年6月16日)及び監査基準委員会報告書220「監査業務における品質管
理」(2022年6月16日)と同時に適用する。
以 上
・ 本報告書(2022年10月13日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。
- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(2022年7月
21日改正)
・ 本報告書(2023 年1月 12 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。
- 監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」(2023年1月12日改正)
・ 本報告書(2024年9月26日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。
- 監査基準報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」(2024年9月26日改正)
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