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企業会計基準第 30 号

時価の算定に関する会計基準

2 0 1 9 年 7 月 4 日

企業会計基準委員会

本会計基準は、2024 年 7 月 1 日までに公表された次の会計基準等による修正が反映されて

いる。

 企業会計基準第 24 号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基

準」(2020 年 3 月 31 日改正)

 「法令等の改正に伴う企業会計基準等の修正について」(2022 年 7 月 1 日公表)

 移管指針「移管指針の適用」(2024 年 7 月 1 日公表)

目 次

目 的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 会計基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 Ⅰ.範 囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 Ⅱ.用語の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 Ⅲ.時価の算定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 1.時価の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

2.時価の算定単位・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

3.時価の算定方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(1)評価技法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(2)インプット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

(3)資産又は負債の取引の数量又は頻度が著しく低下している場合等・・・・・ 13

(4)負債又は払込資本を増加させる金融商品の時価・・・・・・・・・・・・・ 14 Ⅳ.適用時期等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 1.適用時期・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

2.経過措置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

3.その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 Ⅴ.議 決・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 結論の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 経 緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 開発にあたっての基本的な方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

- 1 -

Ⅰ.範 囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 Ⅱ.用語の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 Ⅲ.時価の算定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 1.時価の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31

2.時価の算定単位・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

3.時価の算定方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36

(1)評価技法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36

(2)インプット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

(3)資産又は負債の取引の数量又は頻度が著しく低下している場合等・・・・・ 39

(4)負債又は払込資本を増加させる金融商品の時価・・・・・・・・・・・・・ 44 Ⅳ.適用時期等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 1.適用時期・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45

2.経過措置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46

本会計基準の公表による他の会計基準等についての修正

- 2 -

目 的

1. 本会計基準は、本会計基準の範囲(第 3 項参照)に定める時価の算定について定めるこ

とを目的とする。

2. 2019 年 7 月に、本会計基準を適用する際の指針を定めた企業会計基準適用指針第 31 号

「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(以下「適用指針」という。)が公表されてい

る。本会計基準の適用にあたっては、適用指針も参照する必要がある。

会計基準

Ⅰ.範 囲 3. 本会計基準は、次の項目の時価に適用する。

(1) 企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基準」と

いう。)における金融商品

(2) 企業会計基準第 9 号「棚卸資産の評価に関する会計基準」(以下「棚卸資産会計基

準」という。)におけるトレーディング目的で保有する棚卸資産

Ⅱ.用語の定義 4. 本会計基準における用語の定義は、次のとおりとする。

(1) 「市場参加者」とは、資産又は負債に関する主要な市場又は最も有利な市場におい

て、次の要件のすべてを満たす買手及び売手をいう。

① 互いに独立しており、関連当事者(企業会計基準第 11 号「関連当事者の開示に

関する会計基準」(以下「関連当事者会計基準」という。)第 5 項(3))ではないこ

② 知識を有しており、すべての入手できる情報に基づき当該資産又は負債につい

て十分に理解していること

③ 当該資産又は負債に関して、取引を行う能力があること

④ 当該資産又は負債に関して、他から強制されるわけではなく、自発的に取引を

行う意思があること

(2) 「秩序ある取引」とは、資産又は負債の取引に関して通常かつ慣習的な市場におけ

る活動ができるように、時価の算定日以前の一定期間において市場にさらされている

ことを前提とした取引をいう。他から強制された取引(例えば、強制された清算取引

や投売り)は、秩序ある取引に該当しない。

(3) 「主要な市場」とは、資産又は負債についての取引の数量及び頻度が最も大きい市

場をいう。

(4) 「最も有利な市場」とは、取得又は売却に要する付随費用を考慮したうえで、資産

- 3 -

の売却による受取額を最大化又は負債の移転に対する支払額を最小化できる市場を

いう。

(5) 「インプット」とは、市場参加者が資産又は負債の時価を算定する際に用いる仮定

(時価の算定に固有のリスクに関する仮定を含む。)をいう。インプットには、相場価

格を調整せずに時価として用いる場合における当該相場価格も含まれる。

インプットは、次の観察可能なインプットと観察できないインプットにより構成さ

れる。

① 「観察可能なインプット」とは、入手できる観察可能な市場データに基づくイ

ンプットをいう。

② 「観察できないインプット」とは、観察可能な市場データではないが、入手で

きる最良の情報に基づくインプットをいう。

(6) 「活発な市場」とは、継続的に価格情報が提供される程度に十分な数量及び頻度で

取引が行われている市場をいう。

Ⅲ.時価の算定 1.時価の定義 5. 「時価」とは、算定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われると想定した場合

の、当該取引における資産の売却によって受け取る価格又は負債の移転のために支払う価

格をいう。

2.時価の算定単位 6. 資産又は負債の時価を算定する単位は、それぞれの対象となる資産又は負債に適用され

る会計処理又は開示による。

7. 前項の定めにかかわらず、次の要件のすべてを満たす場合には、特定の市場リスク(市

場価格の変動に係るリスク)又は特定の取引相手先の信用リスク(取引相手先の契約不履

行に係るリスク)に関して金融資産及び金融負債を相殺した後の正味の資産又は負債を基

礎として、当該金融資産及び金融負債のグループを単位とした時価を算定することができ

る。なお、本取扱いは特定のグループについて毎期継続して適用し、重要な会計方針にお

いて、その旨を注記する。

(1) 企業の文書化したリスク管理戦略又は投資戦略に従って、特定の市場リスク又は特

定の取引相手先の信用リスクに関する正味の資産又は負債に基づき、当該金融資産及

び金融負債のグループを管理していること

(2) 当該金融資産及び金融負債のグループに関する情報を企業の役員(関連当事者会計

基準第 5 項(7))に提供していること

(3) 当該金融資産及び金融負債を各決算日の貸借対照表において時価評価しているこ

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(4) 特定の市場リスクに関連して本項の定めに従う場合には、当該金融資産及び金融負

債のグループの中で企業がさらされている市場リスクがほぼ同一であり、かつ、当該

金融資産及び金融負債から生じる特定の市場リスクにさらされている期間がほぼ同

一であること

(5) 特定の取引相手先の信用リスクに関連して本項の定めに従う場合には、債務不履行

の発生時において信用リスクのポジションを軽減する既存の取決め(例えば、取引相

手先とのマスターネッティング契約や、当事者の信用リスクに対する正味の資産又は

負債に基づき担保を授受する契約)が法的に強制される可能性についての市場参加者

の予想を時価に反映すること

3.時価の算定方法 (1)評価技法

8. 時価の算定にあたっては、状況に応じて、十分なデータが利用できる評価技法(そのア

プローチとして、例えば、マーケット・アプローチやインカム・アプローチがある。)を用

いる。評価技法を用いるにあたっては、関連性のある観察可能なインプットを最大限利用

し、観察できないインプットの利用を最小限にする。

9. 時価の算定にあたって複数の評価技法を用いる場合には、複数の評価技法に基づく結果

を踏まえた合理的な範囲を考慮して、時価を最もよく表す結果を決定する。

10. 時価の算定に用いる評価技法は、毎期継続して適用する。当該評価技法又はその適用(例

えば、複数の評価技法を用いる場合のウェイト付けや、評価技法への調整)を変更する場

合は、会計上の見積りの変更(企業会計基準第 24 号「会計方針の開示、会計上の変更及び

誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「企業会計基準第 24 号」という。)第 4 項(7))とし

て処理する。この場合、企業会計基準第 24 号第 18 項並びに企業会計基準第 12 号「四半

期財務諸表に関する会計基準」第 19 項(4)及び第 25 項(3)の注記を要しないが、当該連結

会計年度及び当該事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表において変更

の旨及び変更の理由を注記する(企業会計基準適用指針第 19 号「金融商品の時価等の開

示に関する適用指針」第 5-2 項(3)②)。

(2)インプット

11. 時価の算定に用いるインプットは、次の順に優先的に使用する(レベル 1 のインプット

が最も優先順位が高く、レベル 3 のインプットが最も優先順位が低い。)。

(1) レベル 1 のインプット

レベル 1 のインプットとは、時価の算定日において、企業が入手できる活発な市場

における同一の資産又は負債に関する相場価格であり調整されていないものをいう。

当該価格は、時価の最適な根拠を提供するものであり、当該価格が利用できる場合に

- 5 -

は、原則として、当該価格を調整せずに時価の算定に使用する。

(2) レベル 2 のインプット

レベル 2 のインプットとは、資産又は負債について直接又は間接的に観察可能なイ

ンプットのうち、レベル 1 のインプット以外のインプットをいう。

(3) レベル 3 のインプット

レベル 3 のインプットとは、資産又は負債について観察できないインプットをいう。

当該インプットは、関連性のある観察可能なインプットが入手できない場合に用いる。

12. 前項のインプットを用いて算定した時価は、その算定において重要な影響を与えるイン

プットが属するレベルに応じて、レベル 1 の時価、レベル 2 の時価又はレベル 3 の時価に

分類する。なお、時価を算定するために異なるレベルに区分される複数のインプットを用

いており、これらのインプットに、時価の算定に重要な影響を与えるインプットが複数含

まれる場合、これら重要な影響を与えるインプットが属するレベルのうち、時価の算定に

おける優先順位が最も低いレベルに当該時価を分類する。

(3)資産又は負債の取引の数量又は頻度が著しく低下している場合等

13. 資産又は負債の取引の数量又は頻度が当該資産又は負債に係る通常の市場における活

動に比して著しく低下していると判断した場合、取引価格又は相場価格が時価を表してい

るかどうかについて評価する。

当該評価の結果、当該取引価格又は相場価格が時価を表していないと判断する場合(取

引が秩序ある取引ではないと判断する場合を含む。)、当該取引価格又は相場価格を時価を

算定する基礎として用いる際には、当該取引価格又は相場価格について、市場参加者が資

産又は負債のキャッシュ・フローに固有の不確実性に対する対価として求めるリスク・プ

レミアムに関する調整を行う。

(4)負債又は払込資本を増加させる金融商品の時価

14. 負債又は払込資本を増加させる金融商品(例えば、企業結合の対価として発行される株

式)については、時価の算定日に市場参加者に移転されるものと仮定して、時価を算定す

る。

15. 負債の時価の算定にあたっては、負債の不履行リスクの影響を反映する(適用指針[設例

7])。負債の不履行リスクとは、企業が債務を履行しないリスクであり、企業自身の信用リ

スクに限られるものではない。また、負債の不履行リスクについては、当該負債の移転の

前後で同一であると仮定する。

Ⅳ.適用時期等 1.適用時期 16. 本会計基準は、2021 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用

- 6 -

する。

17. 前項の定めにかかわらず、2020 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期

首から本会計基準を適用することができる。また、2020 年 3 月 31 日以後終了する連結会

計年度及び事業年度における年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から本会計基

準を適用することができる。なお、これらのいずれかの場合には、本会計基準と同時に改

正された金融商品会計基準及び棚卸資産会計基準についても同時に適用する必要がある。

18. 前項の適用にあたって、第 20 項の定めに従い遡及適用をした場合には、適用した連結

会計年度及び事業年度の翌年度に係る四半期(又は中間)連結財務諸表及び四半期(又は

中間)個別財務諸表においては、その比較情報である適用初年度に係る四半期(又は中間)

連結財務諸表及び四半期(又は中間)個別財務諸表について、第 20 項に該当する定めを当

該年度の期首に遡って適用する。

2.経過措置 19. 本会計基準の適用初年度においては、本会計基準が定める新たな会計方針を将来にわた

って適用する。この場合、その変更の内容について注記する。

20. ただし、前項の定めにかかわらず、時価の算定にあたり観察可能なインプットを最大限

利用しなければならない定めなどにより、本会計基準の適用に伴い時価を算定するために

用いた方法を変更することとなった場合で、当該変更による影響額を分離することができ

るときは、会計方針の変更に該当するものとし、当該会計方針の変更を過去の期間のすべ

てに遡及適用することができる。また、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及

適用した場合の累積的影響額を、適用初年度の期首の利益剰余金及びその他の包括利益累

計額又は評価・換算差額等に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用することも

できる。これらの場合、企業会計基準第 24 号第 10 項に定める事項を注記する。

3.その他 21. 本会計基準の適用により、実務対応報告第 25 号「金融資産の時価の算定に関する実務

上の取扱い」は廃止する。

Ⅴ.議 決 22. 本会計基準は、第 411 回企業会計基準委員会に出席した委員 14 名全員の賛成により承

認された。なお、出席した委員は以下のとおりである。

小賀坂 敦(委員長)

川 西 安 喜(副委員長)

広 瀬 英 明

矢 農 理恵子

熊 谷 五 郎

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熊 田 勝

小 出 篤

五反田屋 信明

塩 谷 公 朗

丹 昌 敏

徳 賀 芳 弘

平 井 直 樹

湯 川 喜 雄

渡 部 仁

- 8 -

結論の背景

経 緯 23. 我が国においては、金融商品会計基準等において、公正価値に相当する時価(公正な評

価額)の算定が求められているものの、算定方法に関する詳細なガイダンスは定められて

いない。一方、国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)は、公

正価値測定についてほぼ同じ内容の詳細なガイダンスを定めている(国際財務報告基準

(IFRS)においては IFRS 第 13 号「公正価値測定」(以下「IFRS 第 13 号」という。)、米国

会計基準においては Accounting Standards Codification(FASB による会計基準のコード

化体系)の Topic 820「公正価値測定」(以下「Topic 820」という。))。

当委員会は、2010 年に公正価値測定について国際的な整合性を図ることを提案する公開

草案を公表したものの、国際的に整合性を図る取組み全体の方針を検討する中で、最終化

をするに至らず、その後検討は中断されていた。

一方で、IFRS 第 13 号又は Topic 820 で要求されている公正価値に関する開示の多くは

日本基準で定められていないことなどから、特に金融商品を多数保有する金融機関におい

て国際的な比較可能性が損なわれているのではないかとの意見が聞かれており、2016 年 8

月に当委員会が公表した中期運営方針において、日本基準を国際的に整合性のあるものと

するための取組みに関する今後の検討課題の 1 つとして時価に関するガイダンス及び開示

を取り上げていた。

これらの状況を踏まえ、当委員会は、2018 年 3 月に開催された第 381 回企業会計基準委

員会において、金融商品の時価に関するガイダンス及び開示に関して、国際的な会計基準

との整合性を図る取組みに着手する旨を決定し検討を開始した。

当委員会では、検討を重ねたうえで、2019 年 1 月に企業会計基準公開草案第 63 号「時

価の算定に関する会計基準(案)」等を公表して広く意見を求めた。本会計基準は、公開草

案に対して寄せられた意見を踏まえて検討を行い、公開草案の内容を一部修正したうえで

公表するに至ったものである。

開発にあたっての基本的な方針 24. 当委員会では、本会計基準の開発にあたっての基本的な方針として、統一的な算定方法

を用いることにより、国内外の企業間における財務諸表の比較可能性を向上させる観点か

ら、IFRS 第 13 号の定めを基本的にすべて取り入れることとした。なお、相場価格を調整

せずに時価として用いる場合における当該相場価格もインプットに含まれる旨をインプ

ットの定義に記載したように(第 4 項(5)参照)、市場関係者の理解に資すると考えられる

ものについては、IFRS 第 13 号の表現を一部見直しているが、IFRS 第 13 号の内容と異な

る定めを設けることを意図したものではない。

ただし、これまで我が国で行われてきた実務等に配慮し、財務諸表間の比較可能性を大

- 9 -

きく損なわせない範囲で、個別項目に対するその他の取扱いを定めることとした。

25. また、IFRS 第 13 号では公正価値という用語が用いられているが、本会計基準では代わ

りに時価という用語を用いている。これは、我が国における他の関連諸法規において時価

という用語が広く用いられていること等を配慮したものである。

Ⅰ.範 囲 26. 国際的な会計基準では、公正価値の測定及び開示の首尾一貫性を高めるために、公正価

値の測定が求められる(又は認められる)項目のうち、一部の項目を除いてすべての公正

価値の測定及び開示に対して IFRS 第 13 号又は Topic 820 が適用され、金融商品のみなら

ず固定資産等の公正価値測定も当該基準の範囲に含まれている。

ここで、金融商品については、国際的な会計基準と整合させることにより国際的な企業

間の財務諸表の比較可能性を向上させる便益が高いものと判断し、会計基準の範囲に含め

ることとした(第 3 項(1)参照)。そのため、例えば、年金資産については、その額を期末

における時価により計算することとされており(企業会計基準第 26 号「退職給付に関す

る会計基準」第 22 項)、金融商品が年金資産を構成する場合には、当該金融商品の時価の

算定に本会計基準が適用される。

一方、金融商品以外の資産及び負債について、時価の算定が求められる主要な項目とし

ては、賃貸等不動産の時価の開示(企業会計基準第 20 号「賃貸等不動産の時価等の開示に

関する会計基準」)や企業結合における時価を基礎とした取得原価の配分(企業会計基準第

21 号「企業結合に関する会計基準」第 28 項)が挙げられる。賃貸等不動産については時

価の開示が求められるものの、貸借対照表には時価で計上されず損益にも影響を及ぼさな

いこと、また企業結合における時価を基礎とした取得原価の配分については当初認識時の

みの処理であり、毎期時価の算定が求められるわけではないことなどから、金融商品に比

して国際的に整合性を図る必要性は高くないと考えられる。これらを含む金融商品以外の

資産及び負債を本会計基準の範囲に含めた場合の整合性を図るためのコストと便益を考

慮し、原則として、金融商品以外の資産及び負債は本会計基準の範囲に含めないこととし

た。

27. ただし、棚卸資産会計基準におけるトレーディング目的で保有する棚卸資産については、

売買目的有価証券と同様に毎期時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益

とする処理が求められており(棚卸資産会計基準第 15 項)、時価の算定についても金融商

品と整合性を図ることが適切と考えられることから、本会計基準の範囲に含めている(第

3 項(2)参照)。

他方で、これに類似する実務対応報告第 38 号「資金決済法における暗号資産の会計処

理等に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告第 38 号」という。)における暗号資産に

ついては、現時点では、取引が最も活発に行われている暗号資産取引所又は暗号資産販売

所における取引価格等を決定することは困難であると考えられることから、通常使用する

- 10 -

自己の取引実績の最も大きい暗号資産取引所又は暗号資産販売所における取引価格を市

場価格として使用するとしており(実務対応報告第 38 号第 49 項)、現時点で見直す必要

性は乏しいと考えられるため、本会計基準の範囲に含めないこととした。

28. 本会計基準は、本会計基準の範囲(第 3 項参照)に含まれる時価をどのように算定すべ

きかを定めるものであり、どのような場合に資産、負債又は払込資本を増加させる金融商

品を時価で算定すべきかを定めるものではない。

どのような場合に時価で算定すべきかについては、他の会計基準の定めに従う。例えば、

市場価格のない株式等については、時価評価しないこととされている(金融商品会計基準

第 19 項)。

Ⅱ.用語の定義 29. 本会計基準では、IFRS 第 13 号における用語の定義のうち、必要と考えられるものにつ

いて、本会計基準の用語の定義に含めている(第 4 項参照)。

30. 関連当事者は市場参加者ではない(第 4 項(1)①参照)としているが、関連当事者との取

引が市場における条件で行われたという証拠を有している場合には、当該関連当事者との

取引の価格を時価算定のインプットとして用いることができる。

Ⅲ.時価の算定 1.時価の定義 31. 時価を算定する目的は、現在の市場環境の下で、時価の算定日における市場参加者間の

秩序ある取引が行われると想定した場合の、当該取引における資産の売却によって受け取

る価格又は負債の移転のために支払う価格(第 5 項参照)を見積ることである。本会計基

準では、本会計基準の定義する時価について、次の基本的な考え方を示している(第 5 項

及び第 8 項参照)。

(1) 時価の算定は、市場を基礎としたものであり、対象となる企業に固有のものではな

い。

(2) 時価は、直接観察可能であるかどうかにかかわらず、算定日における市場参加者間

の秩序ある取引が行われると想定した場合の出口価格(資産の売却によって受け取る

価格又は負債の移転のために支払う価格)であり、入口価格(交換取引において資産

を取得するために支払った価格又は負債を引き受けるために受け取った価格)ではな

い。

なお、時価の定義における出口価格の概念は、IFRS 第 13 号及び Topic 820 におい

て採用されているものであり、本会計基準の範囲に含まれる項目の時価の定義につい

て国際的に整合性を図る観点から、本会計基準においても採用することとした。

(3) 同一の資産又は負債の価格が観察できない場合に用いる評価技法には、関連性のあ

る観察可能なインプットを最大限利用し、観察できないインプットの利用を最小限に

- 11 -

する。

ただし、観察可能なインプット(レベル 1 のインプット及びレベル 2 のインプット)

のみを使用することによっても時価を適切に算定することにはならず、観察可能なイ

ンプットを調整する必要がある状況があるため、インプットの観察可能性のみがイン

プットを選択する際に適用される唯一の判断規準ではなく、観察可能なインプットの

うち関連性のあるものを最大限利用することとしている。

(4) 時価を算定するにあたっては、市場参加者が資産又は負債の時価を算定する際の仮

定を用いるが、資産の保有や負債の決済又は履行に関する企業の意図は反映しない。

2.時価の算定単位 32. 資産又は負債の時価を算定する単位は、それぞれの対象となる資産又は負債に適用され

る会計処理又は開示によるとしており(第 6 項参照)、時価の算定が個々の資産又は負債

を対象とするのか、あるいは資産又は負債のグループを対象とするのかについては、個々

の会計処理又は開示を定める会計基準による。金融商品については、通常、個々の金融商

品が時価の算定の対象となる。

33. 第 7 項の定めは、金融資産及び金融負債のグループの管理について、市場リスク又は信

用リスクのいずれかに対する金融資産及び金融負債を相殺した後の正味の資産又は負債

を基礎として行っている場合に、例外的な取扱いを認めるものである。この場合、金融資

産及び金融負債のグループを単位とした時価は、市場参加者が算定日において正味の資産

又は負債の時価を算定する方法と整合的に算定する。

34. 本会計基準第 7 項の定めは、金融資産と金融負債の貸借対照表における相殺表示(移管

指針第 9 号「金融商品会計に関する実務指針」第 140 項)には適用されない。グループを

単位として算定した時価の調整をグループ内の個々の金融資産及び金融負債の時価に配

分する場合には、状況に応じた合理的な方法を毎期継続して適用する。

35. 第 7 項の定めを特定の市場リスクに適用するにあたっては、特定の市場リスクに対する

金融資産及び金融負債を相殺した後の正味の資産又は負債について、買気配と売気配の間

の適切な価格を適用する。

3.時価の算定方法 (1)評価技法

36. 時価の算定にあたっては、単一の評価技法が適切となる場合(例えば、同一の資産又は

負債に関する活発な市場における相場価格を用いて資産又は負債の時価を算定する場合)

もあるが、複数の評価技法が適切となる場合もある。

なお、適切な評価技法は状況によって異なる可能性があり、評価技法の適切性を一律に

判断することは困難であるため、評価技法のレベルを設けていない。

- 12 -

(2)インプット

37. インプットが観察可能となる可能性のある市場としては、例えば、取引所市場、ディー

ラー市場、ブローカー市場、相対市場等がある。

38. インプットの入手可能性及びその主観性が評価技法の選択に影響を及ぼす可能性があ

る(第 8 項参照)が、時価を分類するレベル(第 12 項参照)は、評価技法に用いるインプ

ットのレベルに基づくものであり、評価技法に基づくものではない。

(3)資産又は負債の取引の数量又は頻度が著しく低下している場合等

39. 資産又は負債の取引の数量又は頻度が著しく低下している場合等の定めについては、観

察可能な市場が通常存在しない資産又は負債には適用しない。

40. 資産又は負債の取引の数量又は頻度が当該資産又は負債に係る通常の市場における活

動に比して著しく低下したと判断した場合には、取引価格又は相場価格が時価を表してい

るかどうかについての評価(第 13 項参照)が必要である。取引の数量又は頻度が低下した

のみでは、取引価格又は相場価格が時価を表していないとも当該市場の取引が秩序あるも

のではないともいえない。

41. リスク・プレミアムに関する調整(第 13 項参照)は、現在の市場環境の下で、時価の算

定日における市場参加者の秩序ある取引を反映するものであり、その算定の困難さのみで

は、リスク・プレミアムに関する調整を行わない十分な根拠とはならない。

42. 資産又は負債の取引の数量又は頻度が著しく低下している場合には、評価技法の変更又

は複数の評価技法の利用が適切となる可能性がある。

43. 資産又は負債の取引の数量又は頻度が著しく低下している場合であっても、時価の算定

にあたっては、時価の定義(第 5 項参照)に基づき、算定日における事実及び状況を考慮

する。時価の算定は、市場を基礎としたものであり、対象となる企業に固有のものではな

いため、資産の保有あるいは負債の決済又は履行に関する企業の意図は、時価を算定する

際に考慮しない。

(4)負債又は払込資本を増加させる金融商品の時価

44. 負債の不履行リスクが当該負債の移転の前後で同一であるとの仮定(第 15 項参照)は

現実的なものではないが、負債を引き受ける企業(譲受人)の信用リスクを特定しなけれ

ば、市場参加者である譲受人の特性を企業がどのように仮定するかによって、当該負債の

時価が大きく異なる可能性があるため、当該仮定を定めている。

Ⅳ.適用時期等 1.適用時期 45. 公開草案では、早期に国際的な整合性を図ることが望ましいと考えられることから、

2020 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することを提案

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し、また、審議の過程で財務諸表の作成やその監査に向けた相応の準備期間を要するとの

意見が聞かれたことから、2021 年 3 月 31 日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年

度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用することも認めることを提案してい

た。しかしながら、こうした提案に対して、システムの開発やプロセスの整備及び運用ま

でを含めると十分な準備期間が必要であるとの意見や、具体的な実務の運用を検討するた

めにより時間を要するとの意見が寄せられたことから、2021 年 4 月 1 日以後開始する連結

会計年度及び事業年度の期首から適用することとした(第 16 項参照)。

ただし、速やかに適用することへの一定のニーズがあると想定されることから、2020 年

4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から、また、2020 年 3 月 31 日以

後終了する連結会計年度及び事業年度における年度末に係る連結財務諸表及び個別財務

諸表から本会計基準を早期適用することができることとした(第 17 項参照)。

2.経過措置 46. 本会計基準では、次の会計基準等に定める特定の経過的な取扱い(企業会計基準第 24 号

第 6 項(1))を定めている。

(1) 本会計基準の適用初年度においては、原則として将来にわたって適用することとし

た(第 19 項参照)。これは、IFRS 第 13 号や米国財務会計基準書(SFAS)第 157 号「公

正価値測定」が原則として将来にわたって適用するとした際の理由(公正価値を測定

するために用いた方法の変更は新たな事象の発生又は新たな情報の入手による公正

価値測定の変更と不可分であるため、会計上の見積りの変更と同様の取扱いとしたこ

と)は、本会計基準においても同様であると考えられるためである。

(2) ただし、例えば、時価の算定にあたり観察可能なインプットを最大限利用しなけれ

ばならない定めなど、従来の時価算定の内容を実質的に変更する新たな定めの適用に

伴い時価を算定するために用いた方法を変更する場合は、比較可能性の観点からは遡

及適用する方が有用である可能性があるため、その影響額が分離可能なときには、当

該部分については遡及適用することができるとした(第 20 項参照)。

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本会計基準の公表による他の会計基準等についての修正

本会計基準により、当委員会が公表した会計基準等については、次の修正を行う(下線は追

加部分、取消線は削除部分を示す。)。

企業会計基準第 21 号「企業結合に関する会計基準」

第 14 項

「時価」とは、公正な評価額をいう。通常、それは観察可能な市場価格をいい、市場価

格が観察できない場合には、合理的に算定された価額をいう。ただし、金融商品及びトレ

ーディング目的で保有する棚卸資産については、算定日において市場参加者間で秩序ある

取引が行われると想定した場合の、当該取引における資産の売却によって受け取る価格又

は負債の移転のために支払う価格とする(企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計

基準」(以下「金融商品会計基準」という。)第 6 項及び企業会計基準第 9 号「棚卸資産の

評価に関する会計基準」第 4 項)。

第 64-3 項 第 2 段落

また、子会社に対する支配を喪失した場合の残存の投資に係る会計処理についても、国

際的な会計基準との差異は存在するが、この会計処理については、事業分離等会計基準や

企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)

等の他の会計基準にも影響する横断的な論点であることに加え、段階取得の検討経緯(第

88 項から第 93 項参照)を踏まえると、実務における段階取得の適用状況をまず検証すべ

きという意見もある。これらの点を踏まえ、今後、段階取得の適用状況の調査を含む、企

業結合に係る実態調査を適切な時期に始めることとし、そのうえで、我が国の会計基準を

取り巻く状況も踏まえて、会計処理の検討に着手する時期を判断することとした。

第 102 項

識別可能資産及び負債の時価について、平成 20 年改正会計基準では、平成 15 年会計基

準と同様に、企業結合日時点での時価を基礎にして算定することとした(第 28 項参照)。

時価は、強制売買取引や清算取引ではなく、いわゆる独立第三者間取引に基づく公正な評

価額であり、通常、それは観察可能な市場価格に基づく価額であるが、市場価格が観察で

きない場合には、合理的に算定された価額が時価となる。したがって、対象資産及び負債

に関して観察可能な市場価格がある場合には、その市場価格が通常最も客観的な評価額で

あり、企業結合日時点の時価となると考えられる。そのような典型例としては、市場性の

ある有価証券が考えられる。

(削 除)

実務対応報告第 6 号「デット・エクイティ・スワップの実行時における債権者側の会計処理に

- 15 -

関する実務上の取扱い」

2. デット・エクイティ・スワップ実行時における債権者側の会計処理

(3) 取得した株式の取得時の時価

取得した株式の取得時の時価は、取得した株式に市場価格がある場合には、「市場価格

に基づく価額」であり、取得した株式に市場価格がない場合には、「合理的に算定された価

額」である(金融商品会計基準第 6 項、金融商品実務指針第 47 項)算定日において市場参

加者間で秩序ある取引が行われると想定した場合の、当該取引における資産の売却によっ

て受け取る価格とする(金融商品会計基準第 6 項)。

「合理的に算定された価額」当該時価を算定するにあたっては、市場参加者が算定日に

おいて当該資産又は負債の時価を算定する際に考慮する当該資産又は負債の特性を考慮

する(企業会計基準適用指針第 31 号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」第 4 項

(1))ために、債権放棄額や増資額などの金融支援額の十分性(例えば、実質的な債務超過

を回避したと考えられるかどうか。)、債務者の再建計画等の実行可能性(例えば、近い将

来に完了することが予想されるかどうか。)、株式の条件(例えば、優先株式の場合は配当

や償還の条件、普通株式への転換の条件など)等、市場参加者が考慮する要因を適切に考

慮したうえで、金融商品実務指針第 54 項に掲げられる方法によって時価を算定する(注1)。

この場合、本実務対応報告が対象とするデット・エクイティ・スワップについては、債務

者が財務的に困難な場合に債務者の再建の一手法として行われており、債権者が取得する

債務者の発行した株式の時価は、消滅した債権に関する直前の決算期末(中間期末を含む) の帳簿価額(注 2)を上回らないと想定される。すなわち、実行時点において利益が発生する のは、極めて例外的な状況に限られることとなる。

(注1) 当初認識(消滅の認識における新たな資産の計上も含む。)における時価(金融商品実

務指針第 29 項及び第 37 項参照)には、「市場価格に基づく価額」と「合理的に算定され

た価額」とがあるが、本実務対応報告において「合理的に算定された価額」は、金融商品

実務指針第 54 項によるものとした。なお、この時価の算定は、市場価格のない株式等の

減損処理における発行会社の財政状態の悪化の判断や回復可能性の判定(金融商品実務

指針第 92 項参照(これに係る金融商品会計 Q&A Q33 及び Q34 も参照のこと。))とは異な

ることに留意する必要がある。

(注 2) 債権放棄後、債権の一部についてデット・エクイティ・スワップが実行された場合で、

残った債権の回収可能性が直前の決算期末(中間期末を含む)に比べ大きく改善されない

ようなケースでは、単に債権放棄後の帳簿価額をさすのではなく、消滅した当該債権の一

部分の取得原価又は償却原価に、直前の決算期末(中間期末を含む)の当該債権全体の帳

簿価額(帳簿価額については、「(2)取得した株式の取扱い」を参照のこと。)を取得原価

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又は償却原価で除した比率を乗じた金額として考えることが適当である。

また、市場価格のない株式については、「合理的に算定された価額」の算定が困難な場

合、取得した株式の取得時の時価を直接的に算定する方法に代えて、適切に算定された実

行時の債権の時価を用いて、当該株式の時価とを算定することも考えられる。ただし、こ

の場合にも、当該時価は、消滅した債権に関する直前の決算期末(中間期末を含む)の帳

簿価額(注 2)を上回らないと想定され、実行時点では、利益が発生しないこととなる。

なお、債権の消滅時に、債権者が取得する債務者の発行した株式の時価を合理的に測定

できない場合には、その時価はゼロとして譲渡損益を計算し、その当初計上額もゼロとす

ることとなると考えられる(この考え方については、金融商品実務指針第 38 項参照)。こ

こで、時価を合理的に測定できない場合とは、当該株式又は債権の「市場価格に基づく価

額」(金融商品実務指針第 48 項参照)がなく、かつ、当該株式又は債権の「合理的に算定

された価額」(金融商品実務指針第 54 項参照)もない場合をいうものと考えられる。また、

債権切捨てと実質的に同様の効果となる場合(例えば、債権放棄の代わりに債権者がデッ

ト・エクイティ・スワップに応じる場合)には、取得する債務者の発行した株式の時価は

ゼロに近くなると考えられる。

以 上

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