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No.112_20010417.pdf

「子会社株式等に対する投資損失引当 金に係る監査上の取扱い」 の公表について

監査委員会から答申のありました「子会社株式等 に対する投資損失引当金に係る監査上の取扱い」が、 去る平成13年4月17日の理事会において承認されま したのでお知らせいたします。本報告は、平成12年 11月14日付けの会長からの諮問「市場価格のない子 会社株式及び関連会社株式に対する投資損失引当金 等の評価性引当金の計上の可否について、また、計 上が可能であるとした場合の当該引当金に係る監査 上の取扱いについて検討されたい。」に対する答申で あります。

本報告は、子会社株式及び関連会社株式(以下「子 会社株式等」という。)に対して、投資損失引当金等 の科目で評価性引当金を計上する場合の会計処理及 び当面の監査上の取扱いを取りまとめたものであり ます。

なお、本報告では、従来の投資損失引当金計上の

実態に鑑み、記載は主として市場価格のない子会社 株式等について行っておりますが、市場価格のある 子会社株式等や特定のプロジェクトのために設立さ れた子会社等以外の会社の株式についても一定の要 件に該当する場合は、市場価格のない子会社株式等 と同様に取り扱うことといたしました。

また、本報告の公表に先立ち、協会では、去る平 成12年10月11日付けでリサーチ・センター審理情報 〔№14〕「市場価格のない子会社株式及び関連会社 株式に対する投資損失引当金等に係る当面の監査上 の取扱い」を公表して当面の監査上の取扱いを提示 しておりましたが、本報告は、当該審理情報の考え 方を踏まえ、今後適用することとなる実務指針とし て作成したものであります。 最後に、本報告は、関係各方面との意見調整を経 たものであることを申し添えます。 (常務理事 伊藤 大義)

監査委員会報告第71号

子会社株式等に対する投資損失引当金に係る 監査上の取扱い

1.はじめに

企業会計審議会が平成11年1月22日付けで公表した「金融商品に係る会計基準」及び

当協会が平成12年1月31日付けで公表した会計制度委員会報告第14号「金融商品会計

平 成 13 年4月17日

日本公認会計士協会

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関する実務指針(中間報告)」により、有価証券の会計処理が明らかにされたことに伴い、

当協会は平成12年7月6日付けで、監査委員会報告第22号「子会社又は関係会社の株式

及びこれらに対する債権評価の取扱い」を廃止した。

しかしながら、同報告で計上が認められていた市場価格のない子会社株式及び関連会

社株式(以下「子会社株式等」という。)に対する投資損失引当金等の評価性引当金は、

我が国の会計実務慣行として定着しているため、「金融商品に係る会計基準」適用後にお

いても、その計上を認めるべきであるとする実務上の要請がある。そこで、監査委員会

で子会社株式等に対する投資損失引当金の計上の可否について検討し、計上する場合に

おける監査上の取扱いを公表することとした。

2.当面の監査上の取扱い

次に述べる会計処理に従って、市場価格のない子会社株式等に対して投資損失引当金

を計上している場合には、当面、監査上妥当なものとして取り扱うことができるものと

する。

なお、本報告に従って投資損失引当金を計上している場合には、その計上基準を重要

会計方針に注記する必要がある。

(1) 引当金を計上できる場合

次のいずれかの場合に該当するときには、投資損失引当金を計上することができる。

なお、「金融商品に係る会計基準」等により減損処理の対象となる子会社株式等につい

ては、投資損失引当金による会計処理は認められないことに留意する。

① 子会社株式等の実質価額が著しく低下している状況には至っていないものの、実質

価額がある程度低下したときに、健全性の観点から、これに対応して引当金を計上す

る場合

ただし、この場合には、実質価額の回復可能性が客観的に確実であるにもかかわら

ず引当金を計上する等、過度に保守的な会計処理とならないように留意する必要があ

る。

② 子会社株式等の実質価額が著しく低下したものの、会社はその回復可能性が見込め

ると判断して減損処理を行わなかったが、回復可能性の判断はあくまでも将来の予測

に基づいて行われるものであり、その回復可能性の判断を万全に行うことは実務上困

難なときがあることに鑑み、健全性の観点から、このリスクに備えて引当金を計上す

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る場合

例えば、回復可能性の判断の根拠となる再建計画等が外部の要因に依存する度合い

が高い場合等が挙げられる。

(2) 引当金の計上額

子会社等の財政状態が悪化し、その株式の実質価額が低下した場合には、その低下

に相当する額を投資損失引当金に計上する。

なお、実質価額算定の基礎となる発行会社の財政状態とは、一般に公正妥当と認め

られる会計基準に準拠して作成した財務諸表を基礎に、原則として、資産等の時価評

価に基づく評価差額等を加味して算定したものをいう。ただし、資産等の時価評価に

よる影響額に重要性がない場合には、時価評価前の財務諸表によることができる。

(3) 引当金の取崩し

① 引当金計上後、上述(1)①のケースにおいて、子会社等の財政状態が更に悪化して

株式の実質価額が著しく低下した場合、又は上述(1)②のケースにおいて、株式の実

質価額の回復可能性が見込めないこととなった場合には、引当金を取り崩し、当該子

会社株式等を減損処理する。

② 子会社等の財政状態が改善し、株式の実質価額が回復した場合には、回復部分に見

合う額の投資損失引当金を取り崩す。

ただし、子会社等の事業計画等により財政状態の改善が一時的と認められる場合に

は、当該投資損失引当金を取り崩してはならない。

3.市場価格のない子会社株式等以外の株式の取扱い

(1) 市場価格のある子会社株式等

本報告は、従来の投資損失引当金計上の実態に鑑み、市場価格のない子会社株式等

について記載しているが、市場価格のある子会社株式等についても、市場価格がある

程度以上下落している場合には、下落期間及び実質価額等を考慮して同様に取り扱う

ものとする。

(2) 特定のプロジェクトのために設立された会社等の株式

本報告は、特定のプロジェクトのために設立された会社や事業投資会社等で、当該

会社の経営に参画すること等により、子会社等と同程度に株式の実質価額の回復可能

性等を判定できる会社の株式について準用する。

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4.適 用

本報告は、平成13年4月1日以後開始する事業年度から適用する。なお、平成13年4

月1日前に開始する事業年度から本報告を適用することができる。

以  上

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