This is a cache of https://search.satorifactory.jp/kaikeidata/handbook/%e6%9c%9f%e4%b8%ad%e3%83%ac%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc%e5%9f%ba%e6%ba%96%e5%a0%b1%e5%91%8a%e6%9b%b8%e7%ac%ac%ef%bc%92%e5%8f%b7%e7%8b%ac%e7%ab%8b%e7%9b%a3%e6%9f%bb%e4%ba%ba%e3%81%8c%e5%ae%9f%e6%96%bd%e3%81%99%e3%82%8b%e6%9c%9f%e4%b8%ad%e8%b2%a1%e5%8b%99%e8%ab%b8%e8%a1%a8%e3%81%ab%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%ac%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc/%e6%9c%9f%e4%b8%ad%e3%83%ac%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc%e5%9f%ba%e6%ba%96%e5%a0%b1%e5%91%8a%e6%9b%b8%e7%ac%ac%ef%bc%92%e5%8f%b7%e7%8b%ac%e7%ab%8b%e7%9b%a3%e6%9f%bb%e4%ba%ba%e3%81%8c%e5%ae%9f%e6%96%bd%e3%81%99%e3%82%8b%e6%9c%9f%e4%b8%ad%e8%b2%a1%e5%8b%99%e8%ab%b8%e8%a1%a8%e3%81%ab%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%ac%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc.pdfminer. It is a snapshot of the page at 2025-11-14T17:51:09.908+0900.
期中レビュー基準報告書第2号独立監査人が実施する期中財務諸表に対するレビュー.pdf

期中レビュー基準報告書第2号

独立監査人が実施する期中財務諸表に対するレビュー

2 0 2 4 年 3 月 2 8 日

改正 2 0 2 4 年 9 月 2 6 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

(報告書:第 45 号)

項番号

Ⅰ 本報告書の範囲及び目的

1.本報告書の範囲 ................................................................. 1

(1) 品質管理の基準との関係 ....................................................... 5

(2) 期中レビュー業務 ............................................................. 6

(3) 適用時期 .................................................................... 10

2.本報告書の目的 ................................................................ 11

3.定義 .......................................................................... 14

Ⅱ 要求事項

1.本報告書に準拠した期中レビュー業務の実施 ...................................... 16

(1) 関連する要求事項の遵守 ...................................................... 17

2.職業倫理に関する規定 .......................................................... 19

3.職業的専門家としての懐疑心及び判断 ............................................ 20

4.業務レベルの品質管理 .......................................................... 22

(1) 期中レビュー契約締結後の情報の入手 .......................................... 24

(2) 職業倫理に関する規定の遵守 .................................................. 25

(3) 審査 ........................................................................ 27

(4) 期中レビュー業務上の判断の相違 .............................................. 29

(5) 品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス .............................. 30

5.期中レビュー契約の新規の締結及び更新 .......................................... 31

(1) 期中レビュー契約の新規の締結及び更新に影響を及ぼす要因 ...................... 31

(2) 期中レビュー契約の新規の締結及び更新の前提条件 .............................. 32

(3) 法令等により期中レビュー報告書の用語が規定されている場合の追加的な考慮事項 .. 35

(4) 期中レビュー業務の契約条件に関する合意 ...................................... 38

(5) 期中レビュー業務の契約条件の変更の受諾 ...................................... 40

6.期中レビュー計画 .............................................................. 43

7.経営者及び監査役等とのコミュニケーション ...................................... 44

i

レ基報2

8.期中レビュー業務の実施 ........................................................ 48

(1) 期中レビュー業務における重要性 .............................................. 48

(2) 内部統制を含む、企業及び企業環境の理解 ...................................... 50

(3) 手続の立案及び実施 .......................................................... 53

(4) 期中財務諸表と基礎となる会計記録との調整 .................................... 64

(5) 重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付いた場合の追加的な手

続 ............................................................................ 65

(6) 比較情報に係る期中レビュー手続 .............................................. 66

(7) 虚偽表示の評価 .............................................................. 68

(8) その他の記載内容に関連する監査人の責任 ...................................... 69

9.後発事象 ...................................................................... 75

10.経営者確認書 .................................................................. 77

(1) 経営者確認書の日付及び経営者確認書が対象とする期間 .......................... 82

11.実施した手続から入手した証拠の評価 ............................................ 83

(1) 期中レビュー報告書に及ぼす影響の評価 ........................................ 85

12.期中財務諸表に対する監査人の結論の形成と報告 .................................. 86

(1) 期中財務諸表に適用される財務報告の枠組みの考慮 .............................. 86

(2) 期中レビュー報告書 .......................................................... 89

13.期中レビュー調書 ............................................................. 139

Ⅲ 適用指針

1.本報告書の範囲 ................................................................ A1

(1) 期中レビュー業務 ............................................................ A4

2.本報告書の目的 ................................................................ A8

3.定義 ......................................................................... A11

(1) 限定的保証-十分かつ適切な証拠という表現の利用 ............................. A11

4.本報告書に準拠した期中レビュー業務の実施 ..................................... A13

5.経営者及び監査役等とのコミュニケーション ..................................... A14

(1) 期中レビュー業務に関してコミュニケーションを行う事項 ....................... A21

(2) 第三者への提示 ............................................................. A23

6.期中レビュー業務の実施 ....................................................... A24

(1) 期中レビュー業務における重要性 ............................................. A24

(2) 内部統制を含む、企業及び企業環境の理解 ..................................... A30

(3) 手続の立案及び実施 ......................................................... A35

(4) 期中財務諸表と基礎となる会計記録との調整 ................................... A54

(5) 追加的な手続の実施 ......................................................... A55

(6) 虚偽表示の評価 ............................................................. A60

(7) その他の記載内容に関連する監査人の責任 ..................................... A63

7.経営者確認書 ................................................................. A66

ii

レ基報2

8.実施した手続から入手した証拠の評価 ........................................... A71

(1) 期中レビュー範囲の制約 ..................................................... A72

9.期中財務諸表に対する監査人の結論の形成と報告 ................................. A74

(1) 期中レビュー報告書 ......................................................... A74

10.期中レビュー調書 ............................................................. A98

(1) 調書の適時性 ............................................................... A98

付録1 経営者確認書の記載例

付録2 期中財務諸表に対する期中レビュー報告書の文例

iii

レ基報2

《Ⅰ 本報告書の範囲及び目的》

《1.本報告書の範囲》

1.本報告書は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が年度の財務諸表の監査を実施する監査人

(以下「年度の監査人」という。)が行う期中財務情報に係るレビューについて公表した国際レ

ビュー業務基準(ISRE)2410「事業体の独立監査人が実施する期中財務情報のレビュー」(2008

年2月改訂)を基礎とし、企業会計審議会が 2024 年3月 27 日に公表した期中レビュー基準に準

拠するように作成されている。また、本報告書の基礎としている ISRE 2410 は明瞭性プロジェク

トによる改訂が行われていないことから、既に明瞭性プロジェクトによる改訂が行われている

レビュー業務実務指針 2400「財務諸表のレビュー業務」を参考に明瞭化を行っている。なお、

本報告書は、年度の監査人が行う期中レビューに関する実務の指針であり、年度の監査人であ

れば年度の財務諸表監査において品質管理基準を遵守していると考えられることから、品質管

理等に関連する規定等については、原則としてレビュー業務実務指針 2400 における要求事項の

みを取り込んでいる。また、本報告書は、期中レビュー基準の実務の指針としての位置付けと

なることから、期中レビュー基準に別途の定めがあるものについては、期中レビュー基準に従

い、所要の修正を行っている。

2.本報告書は、以下に関する実務上の指針を提供するものである(A1 項参照)。

(1) 年度の監査人が期中レビュー業務を実施する場合の責任

(2) 期中レビュー報告書の様式及び記載内容

3.本報告書は、期中レビューを実施する場合に適用される。ただし、金融商品取引法の規定に基

づき、中間財務諸表に対して期中レビューを実施する場合には適用しない(A2 項及び A3 項参照)。

4.本報告書は、完全な一組の財務諸表以外に個別の財務諸表及び財務諸表項目等を対象として

期中レビュー業務を実施する場合にも適用される。その場合には、状況に応じて適宜読み替え

て適用することが必要になる。また、過去財務情報以外の期中レビュー業務は本報告書の適用

対象ではない。

《(1) 品質管理の基準との関係》

5.本報告書は、監査人が、期中レビューの実施に当たって、独立性を含む職業倫理に関する規

定及び品質管理の基準を遵守していることを前提にしている。独立性を含む職業倫理に関する

規定は、公認会計士法・同施行令・同施行規則、日本公認会計士協会が公表する会則、倫理規

則及びその他の倫理に関する規定をいう。品質管理の基準は、企業会計審議会により公表され

た「監査に関する品質管理基準」並びに日本公認会計士協会が公表した品質管理基準報告書第

1号「監査事務所における品質管理」、品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」及び

監査基準報告書 220「監査業務における品質管理」をいう。

《(2) 期中レビュー業務》

6.期中レビュー業務は、限定的保証業務である(A4 項及び A5 項参照)。

7.期中レビュー業務では、想定利用者の期中財務情報に対する信頼性を高めるため、監査人は、

期中財務諸表が、適用される財務報告の枠組みに準拠して適正に表示されていない(準拠性の

- 1 -

レ基報2

枠組みの場合は、準拠して作成されていない)と信じさせる事項が、全ての重要な点において

認められなかったかどうかに関し、結論を表明する。監査人の結論は、監査人が得た限定的保

証に基づいて表明されるものであり、財務諸表監査の場合に年度の監査人が得る合理的な保証

とは異なる。このような監査人の結論を期中レビュー報告書の利用者が適切に理解できるよう

に、期中レビュー報告書には、期中レビュー業務の性質が記載される。

8.監査人は、本報告書の要求事項に準拠して表明される期中財務諸表全体に対する結論の基礎

として十分かつ適切な証拠を入手するために、主として質問及び分析的手続を実施する。

9.監査人は、期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付

いた場合には、本報告書に準拠して期中財務諸表に対する結論を表明できるように、個々の状

況において必要と考える追加的な手続を立案し実施する(A6 項及び A7 項参照)。

《(3) 適用時期》

10.本報告書の適用時期は以下のとおりである。

・ 本報告書(2024 年3月 28 日)は、2024 年4月1日以後開始する期中財務諸表に係る会計

間の期中財務諸表に対する期中レビューから適用する。

《2.本報告書の目的》

11.本報告書の目的は、監査人が被監査会社の期中レビュー業務を実施する場合における監査人

の職業的専門家としての責任並びにその場合の期中レビューの報告書の様式及び内容に関する

基準を定め、指針を提供することである。本報告書では一貫して「監査人」という用語を用い

ているが、これは、監査人が監査機能を発揮するという意味ではなく、期中レビューを年度の

監査人が実施することを前提としていることを意味する。

12.本報告書に準拠して実施する期中レビュー業務における監査人の目的は、以下のとおりである。

(1) 全体としての期中財務諸表に重要な虚偽表示がないかどうかについて、主として質問及び

分析的手続を実施することにより限定的保証を得て、期中財務諸表が、適用される財務報告

の枠組みに準拠して、適正に表示されていない(準拠性の枠組みの場合は、作成されていな

い)と監査人に信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかったかどうかに関し、

結論を表明できるようにすること。

(2) 本報告書の要求事項に従って、全体としての財務諸表について結論を表明するとともに、

コミュニケーションを行うこと。

13.本報告書は、監査人が限定的保証を得ることができず、かつ、期中レビュー報告書における

限定付結論ではその状況において不十分な場合には、監査人に対して期中レビュー報告書の結

論を不表明とするか、又は期中レビュー契約を解除することを求めている(A8 項から A10 項参

照)。

《3.定義》

14.監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」付録5「監査基準

- 2 -

レ基報2

報告書及び関連する公表物の用語集」には、監査基準報告書等の業務に関連する報告書及び実務

指針等の一貫した適用と解釈に役立つように、本報告書で定義された用語のほか、本報告書で

使用されるその他の用語の説明が含まれている。例えば、「経営者」及び「ガバナンスに責任を有

する者」という用語は、監査基準報告書(序)で定義されている。なお、本報告書では、会社法

の機関を前提に、原則として監査人のコミュニケーションの対象は監査役若しくは監査役会、

監査等委員会又は監査委員会を想定しており、「ガバナンスに責任を有する者」を「監査役等」

と記載している。

15.本報告書における用語の定義は、以下のとおりとする。

(1) 「分析的手続」-財務データ相互間又は財務データと非財務データとの間に存在すると推

定される関係を分析・検討することによって、財務情報を評価することをいう。分析的手続

には、他の関連情報と矛盾する、又は監査人の推定値と大きく乖離する変動や関係について

の必要な調査も含まれる。

(2) 「保証業務リスク」-主題情報に重要な虚偽の表示がある場合に監査人が不適切な結論を

報告する可能性をいう。本報告書では、監査人が、期中財務諸表の重要な虚偽表示を看過し

て誤った結論を表明する可能性をいう。

(3) 「一般目的の財務諸表」-一般目的の財務報告の枠組みに準拠して作成される財務諸表を

いう。

(4) 「一般目的の財務報告の枠組み」-広範囲の利用者に共通する財務情報に対するニーズを

満たすように策定された財務報告の枠組みをいう。監査基準報告書 200「財務諸表監査におけ

る総括的な目的」第 12 項(13)において、財務報告の枠組みには、適正表示の枠組みと準拠性

の枠組みがあることが示されている。

(5) 「質問」-期中レビュー手続の手法の一つ。監査人が財務又は財務以外の分野に精通して

いる企業内外の関係者に情報を求める手続をいう。

(6) 「限定的保証業務」-結論を表明する基礎として、監査人が保証業務リスクを個々の業務

の状況において受入可能な水準に抑えるが、保証業務リスクの水準が、合理的保証業務に比

べてより高く設定される保証業務をいう。

期中財務諸表の限定的保証業務の結論は、実施した手続及び入手した証拠に基づいて、期

中財務諸表に重要な虚偽表示があると監査人に信じさせる事項が認められたかどうかを記載

する形式で表明される。限定的保証業務で実施される手続の種類、時期及び範囲は、合理的

保証業務で必要な手続と比較して限定的であるが、監査人の職業的専門家としての判断にお

いて、意味のある保証水準を得るように計画される。意味のある保証水準は、想定利用者に

とって、期中財務諸表の信頼性を少なくともある程度高める保証水準である(A11 項及び A12

項参照)。

(7) 「監査人」-年度の財務諸表の監査を実施する監査人であり、業務執行責任者又は業務チ

ームの他のメンバー、場合によっては監査事務所を含めて使用される。業務執行責任者に要

求される事項又は業務執行責任者の責任を特に表す場合には、監査人ではなく、業務執行責

任者が使用される。

(8) 「職業的専門家としての判断」-個々の専門業務の状況に応じた適切な措置について十分

- 3 -

レ基報2

な情報を得た上で判断を行う際に、監査、保証業務及び会計の基準並びに職業倫理に関する

規定に照らして、関連する知識及び経験を適用することをいう。

(9) 「特別目的の財務諸表」-特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成される財務諸表を

いう。

(10) 「特別目的の財務報告の枠組み」-特定の利用者の財務情報に対するニーズを満たすよう

に策定された財務報告の枠組みをいう。財務報告の枠組みには、適正表示の枠組みと準拠性

の枠組みがある。

(11) 「期中財務諸表」-期中会計期間を対象に作成される財務情報(完全な一組の財務諸表よ

り簡略化された要約財務諸表を含む。)をいう。

(12) 「業務執行責任者」-監査事務所に選任された、専門業務(本報告書では期中レビュー業

務)の実施の責任者、すなわち、専門要員のうち、専門業務とその実施及び発行する報告書

に対する責任を負う社員等をいう。

(13) 「業務チーム」-個々の期中レビュー業務を実施する全ての社員等及び専門職員並びに当

該業務において期中レビュー手続を実施する他の全ての者から構成される。監査人の利用す

る外部の専門家は含まない。

(14) 「業務ファイル」-紙媒体、電子媒体等に記録された特定の専門業務(本報告書では期中

レビュー業務)に関する調書を取りまとめたファイルをいう。

(15) 「除外事項付結論」-限定付結論、否定的結論又は結論の不表明をいう。

(16) 「初年度期中レビュー業務」-監査人が初めて締結する期中レビュー契約に基づく業務で

あり、以下のいずれかの場合がある。

① 期中レビューの対象となる期中会計期間の直前の年度又は期中会計期間の財務諸表が監

査又は期中レビューされていない場合

② 期中レビューの対象となる期中会計期間の直前の年度又は期中会計期間の財務諸表が前

任者によって監査又は期中レビューされている場合

(17) 「前任者」-前任監査人又は前任の業務実施者をいう。なお、前任の業務実施者とは、期

中レビューの対象となる期中会計期間の直前の年度又は期中会計期間の財務諸表に係る期中

レビュー報告書を提出したか、又は期中レビューの対象となる期中会計期間の財務諸表に係

る期中レビュー業務に着手したものの期中レビュー報告書を提出していない別の監査事務所

に属する当該期中レビューを実施した者のことをいう。前任の業務実施者は、複数存在する

場合がある。

(18) 「調書」-実施した手続、入手した証拠及び監査人が到達した結論の記録をいう。

(19) 「保証業務の技能及び技法」-業務の計画、証拠の収集、証拠の評価、コミュニケーショ

ン及び結論の報告に当たって、監査人により発揮される技能及び技法をいい、特定の保証業

務における主題又はその測定若しくは評価における専門性(本報告書では財務報告に関する

専門性)とは区別される。

- 4 -

レ基報2

《Ⅱ 要求事項》

《1.本報告書に準拠した期中レビュー業務の実施》

16.本報告書を適用するに当たり、監査人は、本報告書の目的を理解して、要求事項を適切に適

用するため、適用指針を含め、本報告書を全体として理解しなければならない(A13 項参照)。

《(1) 関連する要求事項の遵守》

17.監査人は、本報告書の要求事項のうち個々の期中レビュー業務に関連するものは全て遵守し

なければならない。個々の期中レビュー業務に関連しているとは、特定の期中レビュー業務に

ついて、本報告書の取り扱う状況が存在している場合をいう。

18.監査人は、個々の期中レビュー業務に関連する本報告書の全ての要求事項を遵守しない限り、

監査人の期中レビュー報告書上で本報告書に準拠した旨を記載してはならない。

《2.職業倫理に関する規定》

19.監査人は、職業倫理に関する規定を遵守しなければならない。

《3.職業的専門家としての懐疑心及び判断》

20.監査人は、期中財務諸表において重要な虚偽表示となる状況が存在する可能性のあることを

認識し、職業的専門家としての懐疑心を保持して期中レビュー業務を計画し実施しなければな

らない。

21.監査人は、期中レビュー業務の実施において職業的専門家としての判断を行わなければなら

ない。

《4.業務レベルの品質管理》

22.業務執行責任者は、十分な時間が与えられていることを含め、個々の業務の状況において、

保証業務の技能及び技法並びに財務報告に係る適性及び適切な能力を有しなければならない。

23.業務執行責任者は、以下に関して全体的な責任を負わなければならない。

(1) 業務執行責任者が担当する個々の期中レビュー業務の品質の管理及び達成、並びに期中レ

ビュー業務の全過程を通じた十分かつ適切な関与

(2) 職業的専門家としての基準及び適用される法令等に準拠した期中レビュー業務の指揮、監

督、計画及び実施

(3) 状況に応じた適切な期中レビュー報告書の発行

(4) 期中レビュー業務が、以下を含む監査事務所の品質管理の方針又は手続に準拠して実施さ

れていること。

① 契約の新規の締結及び更新に関する監査事務所の方針又は手続に準拠して実施されてい

ること、及び、経営者の誠実性を検討することを含め、契約の新規の締結及び更新に関し

て到達した結論が適切であること。

② 期中レビュー業務を実施するための十分かつ適切な業務運営に関する資源が、業務チー

ムに適時に割り当てられているか、又は利用可能であるかについて、期中レビュー業務の

- 5 -

レ基報2

内容及び状況、監査事務所の方針又は手続並びに業務中に発生する可能性のある変更を考

慮して判断すること。

③ 職業的専門家としての基準及び適用される法令等に準拠して期中レビュー業務を実施し、

適切な期中レビュー報告書の発行が可能となるように、業務チームが全体として、期中レ

ビュー業務を実施するための十分な時間を含む、保証業務の技能及び技法並びに財務報告

上の専門知識を含む、適切な適性及び能力を有していること。

④ 調書の作成及び査閲が適切に行われること。

⑤ 監査事務所の品質管理の方針又は手続において審査が求められている場合は、審査を受

けること。その場合、業務執行責任者は以下の事項を行わなければならない。

・ 審査担当者が選任されていることを確かめること。

・ 審査担当者に協力すること及び業務チームの他のメンバーにその責任を伝達すること。

・ 期中レビュー業務中に識別した重要な事項(審査中に識別された事項を含む。)につい

て、審査担当者と討議すること。

・ 審査が完了した日以降を期中レビュー報告書日とすること。

《(1) 期中レビュー契約締結後の情報の入手》

24.業務執行責任者は、期中レビュー契約の新規の締結又は更新の前に監査事務所が認識してい

れば契約の締結を辞退する原因となるような情報に業務チームが気付いた場合、監査事務所及

び業務執行責任者が必要な対応をとることができるように、監査事務所に当該情報を速やかに

報告しなければならない。

《(2) 職業倫理に関する規定の遵守》

25.業務執行責任者は、業務の全ての局面において、必要に応じて質問等を行うことにより、業

務チームのメンバーが監査事務所の定める職業倫理の遵守に関する方針又は手続を遵守してい

ない形跡がないかについて留意しなければならない。

業務執行責任者は、監査事務所の品質管理システム等を通じて業務チームのメンバーが職業

倫理に関する規定を遵守していないことに気付いたときには、適切な者へ専門的な見解の問合

せを行うなどの適切な対応をとらなければならない。

26.業務執行責任者は、監査事務所の定める独立性の保持のための方針又は手続を遵守するとと

もに、業務チームのメンバーがこれを遵守していることを確かめなければならない。そのため

に業務執行責任者は、以下を実施しなければならない。

(1) 独立性を阻害する状況や関係を識別して評価するために、監査事務所又は適切な場合には

ネットワーク・ファームから関連する情報を入手する。

(2) 独立性の保持のための方針又は手続への違反に関する情報を入手した場合には、実施する

期中レビュー業務にとって、当該違反が独立性を阻害する要因となっていないかどうかを判

断するために、その情報を検討する。

(3) 独立性を阻害する要因を識別した場合には、これを除去するための対応策を講じるか、又

は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用する。また、適切で

- 6 -

レ基報2

あると考えられる場合には、期中レビュー契約を解除する。なお、業務執行責任者は、適切

な対応によっても問題を解決できないときには、監査事務所に速やかに報告する。

《(3) 審査》

27.監査人は、結論の表明に先立ち、自らの結論が一般に公正妥当と認められる期中レビューの

基準に準拠して適切に形成されていることを確かめるため、結論の表明に関する審査を受けな

ければならない。この審査は、品質管理の方針及び手続に従った適切なものでなければならない。

28.審査を実施する際には、審査担当者は以下を実施しなければならない。

(1) 以下の情報を通読し、理解する。

① 業務チームから提供される、期中レビュー業務と企業の性質及び状況

② 監査事務所から提供される、監査事務所の品質管理システムのモニタリング及び改善プ

ロセスにより識別された不備の情報、特に業務チームが行った重要な判断を含む領域に関

係する、又は影響を与える可能性のある不備

(2) 業務執行責任者及び必要な場合には業務チームの他のメンバーと、期中レビュー業務の計

画、実施及び報告における、重要な事項及び重要な判断を討議する。

(3) (1)及び(2)で得られた情報に基づき、業務チームが行った重要な判断に関する選択された

調書を査閲及び評価する。

① 期中レビュー業務の種類に応じた重要な判断の根拠。なお、業務チームによる職業的専

門家としての懐疑心が保持及び発揮されているかどうかを含む。

② 調書は、到達した結論を裏付けるかどうか。

③ 到達した結論が適切かどうか。

(4) 我が国における独立性に係る職業倫理に関する規定を遵守していると業務執行責任者が判

断した根拠を評価する。

(5) 専門性が高く、判断に困難が伴う事項や見解が定まっていない事項又は期中レビュー業務

上の判断の相違がある事項について必要に応じて適切な専門的な見解の問合せが行われたか、

及び当該専門的な見解の問合せから生じた結論を評価する。

(6) 業務執行責任者の重要な判断及び到達した結論が、期中レビュー業務の内容及び状況を踏

まえて適切であるかを業務執行責任者が判断する根拠が得られるよう、業務執行責任者の関

与が期中レビュー業務の全過程を通じて十分かつ適切であると判断した根拠を評価する。

(7) 期中財務諸表及び期中レビュー報告書を検討する。

《(4) 期中レビュー業務上の判断の相違》

29.業務チームは、チーム内で、又はチームと審査担当者若しくは専門的な見解の問合せの助言

者を含む監査事務所の品質管理システムにおいて活動を実施する者との間で、期中レビュー業

務上の判断の相違が生じた場合、監査事務所の方針又は手続に従って期中レビュー業務上の判

断の相違に対処し、これを解決しなければならない。

また、期中レビュー報告書は、期中レビュー業務上の判断の相違が解決しない限り、発行して

はならない。

- 7 -

レ基報2

《(5) 品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス》

30.監査事務所の品質管理システムは、以下の事項に関するモニタリング及び改善プロセスを定

めることを含む。

(1) 品質管理システムの整備及び運用について、関連性及び信頼性が高くかつ適時性を有する

情報を提供すること。

(2) 不備が適時に改善されるように、識別された不備に対応する適切な措置を講じること。

業務執行責任者は、監査事務所又は他のネットワーク・ファームから伝達された品質管理シ

ステムのモニタリング及び改善プロセスからの情報及び当該情報が担当する期中レビュー業務

に影響を与えているかどうかを考慮しなければならない。

《5.期中レビュー契約の新規の締結及び更新》

《(1) 期中レビュー契約の新規の締結及び更新に影響を及ぼす要因》

31.監査人は、以下のいずれかに該当する場合には、期中レビュー契約を新規に締結又は更新し

てはならない。

(1) 当該期中レビュー業務に合理的な目的があると判断できない。

(2) 期中レビュー業務が状況において適切であると判断できない。

(3) 監査人が、独立性を含む職業倫理に関する規定を遵守できないと考える理由がある。

(4) 個々の業務の状況に関する監査人の予備的な理解の結果、期中レビュー業務の実施に必要

な情報が入手できない、又は信頼できない可能性が高い。

(5) 経営者の誠実性に疑念を抱かせる情報があり、期中レビュー業務の適切な実施に影響を及

ぼす可能性がある。

(6) 経営者が期中レビュー業務の契約条件において監査人の作業の範囲に制約を課しており、

その制約により、監査人が財務諸表に対する結論を表明しないことになると判断している。

《(2) 期中レビュー契約の新規の締結及び更新の前提条件》

32.監査人は、期中レビュー契約を新規に締結又は更新する前に、以下の事項を実施しなければな

らない。

(1) 期中財務諸表の作成に当たり適用される財務報告の枠組みが受入可能であるかどうかを判

断すること。特別目的の期中財務情報の場合は、期中財務諸表の作成目的と想定利用者を理

解することを含む。

(2) 以下の責任を有することを認識し理解していることについて経営者の合意を得ること。

① 適用される財務報告の枠組みに準拠して期中財務諸表を適正に表示すること。準拠性の

枠組みの場合は、期中財務諸表を作成すること。

② 不正か誤謬かを問わず、重要な虚偽表示のない期中財務諸表を作成するために経営者が

必要と判断する内部統制を整備及び運用すること。

③ 以下を監査人に提供すること。

ア.経営者が期中財務諸表の作成に関連すると認識している記録や証憑書類等の全ての情報

イ.監査人が期中レビュー業務の目的に関連して経営者に追加的に依頼する情報

- 8 -

レ基報2

ウ.監査人が証拠を入手するために必要と判断した、企業構成員への制限のない質問や面

談の機会

33.監査人は、期中レビュー契約の新規の締結及び更新の前提条件として、第 32 項のいずれかが

満たされていない場合には、経営者と当該事項を協議しなければならない。監査人は、第 32 項

の前提条件が満たされない場合には、期中レビュー業務を新規に締結又は更新してはならない。

34.期中レビュー契約の締結後、第 32 項の前提条件のいずれかが満たされていない状況を監査人

が識別した場合、監査人は、経営者及び必要に応じて監査役等と当該事項を協議し、以下を判

断しなければならない。

(1) 当該事項を解決できるかどうか。

(2) 期中レビュー業務の継続が適切かどうか。

(3) 期中レビュー業務の継続が適切である場合、期中レビュー報告書において当該事項を記載

するかどうか。また、記載する場合、どのように記載するか。

《(3) 法令等により期中レビュー報告書の用語が規定されている場合の追加的な考慮事項》

35.期中レビュー報告書が第 91 項及び第 92 項の要求事項を満たしている場合にのみ、期中レビュ

ー報告書において本報告書に準拠している旨を記載することができる。

36.法令等に従って期中レビュー業務が実施される場合、関連する法令等により、期中レビュー

報告書について、本報告書の要求事項と著しく異なる様式や用語が規定されていることがある。

この場合、監査人は、期中レビュー業務から得られる保証について誤解が生じる可能性があるか

どうか、誤解が生じる可能性があるときには、期中レビュー報告書に追加的な説明を記載するこ

とによって、そのような可能性を軽減できるかどうかを評価しなければならない(A95 項参照)。

37.監査人は、このような誤解が生じる可能性を、期中レビュー報告書に追加的な説明を記載す

ることによっても軽減できないと判断した場合、法令等により要求されていない限り、期中レ

ビュー契約を締結してはならない。このような法令等に準拠して実施される期中レビュー業務

は、本報告書に準拠したものではない。したがって、監査人は、期中レビュー報告書に、本報告

書に準拠して実施された期中レビュー業務であることを示すような記載を行ってはならない

(A95 項参照)。

《(4) 期中レビュー業務の契約条件に関する合意》

38.監査人は、期中レビュー業務の実施に先立ち、期中レビュー業務の契約条件について経営者

と合意しなければならない。

39.期中レビュー業務の契約条件の合意された内容として、以下の事項を期中レビュー契約書又

は他の適切な形式による合意書に記載しなければならない。

(1) 期中財務諸表の想定される用途と配布先及び該当する場合には利用又は配布制限

(2) 期中財務諸表の作成において適用される財務報告の枠組み

(3) 期中レビュー業務の目的及び範囲

(4) 監査人の責任

(5) 第 32 項(2)に記載されている内容を含む、経営者の責任

- 9 -

レ基報2

(6) 期中レビュー業務は監査でない旨、及び監査人は期中財務諸表に対する監査意見を表明し

ない旨

(7) 期中レビュー報告書の想定される様式及び内容並びに状況により想定された様式及び内容

と異なる場合がある旨

(8) 監査人が期中レビュー業務の実施に当たり口頭で説明を受けた事項及び会計記録等に内在

するアサーションを確認するために、経営者確認書を提供することに合意すること。

《(5) 期中レビュー業務の契約条件の変更の受諾》

40.監査人は、正当な理由がない限り、期中レビュー業務の契約条件の変更に合意してはならない。

41.監査人は、期中レビュー業務の完了前に、業務を保証業務以外の業務に変更することを依頼

された場合、正当な理由があるかどうかを判断しなければならない。

42.期中レビュー業務の契約条件が期中レビュー業務の実施過程で変更された場合、監査人と経

営者は、変更後の契約条件について合意し、それを期中レビュー契約書において記載しなけれ

ばならない。

《6.期中レビュー計画》

43.監査人は、期中レビュー計画を、年度の財務諸表の監査の監査計画の中で策定することがで

きる。年度の財務諸表の監査を実施する過程において、期中レビュー計画の前提とした重要な

虚偽表示リスクの評価を変更した場合や特別な検討を必要とするリスクがあると判断した場合

には、その変更等が期中レビュー計画に与える影響を検討し、必要であれば適切な修正をしな

ければならない。

《7.経営者及び監査役等とのコミュニケーション》

44.監査人は、期中レビューの過程において、職業的専門家として経営者及び監査役等の注意を

喚起するのに値すると判断した全ての重要な事項について、経営者及び監査役等に適時にコミ

ュニケーションを行わなければならない(A14 項から A18 項及び A21 項から A23 項参照)。

45.期中レビューの結果、期中財務諸表が、適用される財務報告の枠組みにおいて要求されてい

る事項に照らして、重要な点において、適正に表示していないと信じさせる事項が認められる

場合(準拠性の枠組みの場合には、準拠して作成していないと認められる場合)には、監査人

は、適切な階層の経営者等にその事項を速やかに伝達し、適切な対応を求めなければならない。

また、経営者が合理的な期間内に適切に対処しないと監査人が判断した場合には、監査人は監

査役等に報告しなければならない(A19 項参照)。

46.経営者が合理的な期間内に適切に対処しないと監査人が判断した場合には、監査人は以下を

検討しなければならない。

(1) 除外事項付結論を表明するかどうか。

(2) 期中レビュー契約を解除する可能性

(3)年度の財務諸表の監査業務を辞任する可能性

47.期中レビューを実施した結果、不正又は違法行為等の存在に気が付いた場合には、監査人は、

- 10 -

レ基報2

適切な階層の経営者に速やかに報告しなければならない(A20 項参照)。

《8.期中レビュー業務の実施》

《(1) 期中レビュー業務における重要性》

48.監査人は、重要性の基準値を決定し、この重要性の基準値を手続の立案及び当該手続から得

た結果の評価に適用しなければならない(A24 項から A28 項及び A32 項参照)。

49.監査人は、期中レビュー業務の実施過程において、当初決定した重要性の基準値を改訂すべ

き情報を認識した場合には、重要性の基準値を改訂しなければならない(A29 項参照)。

《(2) 内部統制を含む、企業及び企業環境の理解》

50.監査人は、重要な虚偽表示が生じる可能性の高い期中財務諸表の領域を識別し、当該領域に

関する手続を立案する基礎を得るため、内部統制を含む、企業及び企業環境並びに適用される

財務報告の枠組みを理解しなければならない(A30 項及び A31 項参照)。

51.監査人は、以下の事項を理解しなければならない(A32 項、A33 項、A44 項及び A46 項参照)。

(1) 企業に関連する産業、規制等の外部要因(適用される財務報告の枠組みを含む。)

(2) 企業の事業活動等

① 事業運営

② 所有とガバナンスの構造

③ 既存又は計画中の投資

④ 組織構造や資本関係と資金調達の方法

⑤ 企業目的と戦略

(3) 企業の会計システム及び会計記録

(4) 企業の会計方針の選択と適用

52.当期において初めて監査人に選任され、過去において年度財務諸表に関する監査を実施して

いない監査人は、期中レビューの計画と実施のために、内部統制を含む、企業及び企業環境を

理解しなければならない(A34 項参照)。

《(3) 手続の立案及び実施》

53.監査人は、期中財務諸表に対する結論の基礎として十分かつ適切な証拠を入手するに当たり、

以下が可能となるように、主として財務及び会計に関する事項に責任を有する者への質問及び

分析的手続を立案して実施しなければならない(A35 項から A40 項、A44 項、A46 項、A49 項及び

A50 項参照)。

(1) 開示を含む、期中財務諸表における全ての重要な項目に対応すること。

(2) 重要な虚偽表示が生じる可能性の高い期中財務諸表の領域に重点を置くこと。

54.監査人による経営者、及び必要な場合にはその他の企業構成員への質問には、以下の事項を

含めなければならない(A41 項から A45 項参照)。

(1) 経営者が、適用される財務報告の枠組みにおいて要求される、重要な会計上の見積りを行

う方法

- 11 -

(2) 関連当事者及び関連当事者取引(当該取引の目的を含む。)の識別

(3) 以下の事項を含む、期中財務諸表に影響を及ぼす、重要かつ通例でない取引若しくは事象、

又は複雑な取引若しくは事象が存在するかどうか。

① 企業の事業活動又は事業運営上の重要な変化

② 財務及び借入の契約又は財務制限条項を含む、期中財務諸表に著しい影響を及ぼす契約

レ基報2

条件の重要な変更

③ 重要な仕訳入力又は期中財務諸表に対するその他の重要な修正

④ 期中会計期間末日近くで発生又は認識された重要な取引

⑤ 当年度及び過年度の未修正の虚偽表示

⑥ 関連当事者との取引又は関係が与える影響又は見込まれる影響

(4) 以下の事実、疑い又は申立ての存在

① 企業に影響を及ぼす不正又は違法行為

② 税金や年金に関する法令など、期中財務諸表の重要な金額及び開示の決定に直接影響を

及ぼすものとして一般的に認識されている法令への違反

(5) 期中会計期間末日の翌日から期中レビュー報告書日までの間に発生し、期中財務諸表の修

正又は期中財務諸表における開示が要求される事象を、経営者が識別して対応したかどうか。

(6) 継続企業の前提に関して経営者が行った評価

(7) 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在するかどうか。

(8) 期中財務諸表(開示を含む。)に影響を及ぼす、又は影響を及ぼす可能性のある重要な約定、

契約上の義務又は偶発債務

(9) 期中会計期間における金銭的対価を伴わない重要な取引又は重要な無償取引

(10) 重要な会計方針又は表示方法の変更(会計基準等の改正に伴う会計方針又は表示方法の変

更を含む。)があるか(変更がある場合には、その内容、理由及び適切に遡及適用されている

か等)。

(11) 期中財務諸表に重要な影響を及ぼすと認められる事項に気が付いた場合には、当該事項の

内容が期中財務諸表において適切に会計処理及び開示されているか。

(12) 訴訟事件等の有無

55.監査人は、分析的手続を立案する際に、会計システムと会計記録からのデータが、分析的手

続を実施する目的において適切かどうかを考慮しなければならない(A46 項から A48 項参照)。

《① 特定の状況に対する手続》

《ア.関連当事者》

56.監査人は、期中レビュー業務期間中、経営者が従来識別していない又は監査人に開示してい

ない関連当事者との関係又は関連当事者との取引を示唆する可能性がある契約又はその他の情

報に留意しなければならない。

57.監査人は、期中レビュー業務の実施過程で企業の通常の取引過程から外れた重要な取引を識

別した場合には、以下の事項について経営者に質問しなければならない。

(1) 当該取引の内容

- 12 -

レ基報2

(2) 関連当事者が関与し得るかどうか。

(3) 当該取引の事業上の合理性(又はその欠如)

《イ.継続企業》(A51 項及び A52 項参照)

58.期中レビュー業務には、継続企業の前提の検討が含まれる。監査人は、継続企業の前提に関

して経営者が行った評価の検討に当たって、経営者の評価期間と同じ期間を対象としなければ

ならない。この場合、経営者の評価期間は、適用される財務報告の枠組みで要求される期間又

は法令に規定される期間となる。

59.監査人は、経営者が継続企業の前提についての評価を前会計期間(期中レビューの対象とな

る期中会計期間の直前の年度又は期中会計期間をいう。)から変更したかどうかを質問しなけれ

ばならない。監査人は、期中レビュー業務の実施過程で、継続企業の前提に重要な疑義を生じ

させるような事象又は状況に気付いた場合には、合理的な期間について経営者が行った評価及

び対応策並びにその内容の検討に際し、以下を実施しなければならない。

なお、合理的な期間や評価方法については会計基準等によることが原則であり、適用される

会計基準等の中でこれらが明示されていない場合については、例えば、期中レビュー基準報告

書第1号第 27 項から第 31 項の考え方が参考になる。

(1) 継続企業の前提の評価に関連する経営者の対応策、その実行可能性、及びその対応策が当

該事象又は状況を解消し、又は改善するものであるかどうかについて、経営者に質問する。

(2) 経営者の回答が、以下に対して十分な基礎を提供しているかを検討する。

① 継続企業の前提の評価が、適用される財務報告の枠組みにおいて要求されている場合は、

継続企業を前提として期中財務諸表を作成することが適切であるかどうか。

② 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるかどうか。認められる場合は、適

用される財務報告の枠組みにおいて要求されている事項に照らして、期中財務諸表に重要

な虚偽表示が存在するか、又は期中財務諸表利用者の判断を誤らせることになるかどうか

について結論付ける。

(3) 期中レビュー業務の結果として気付いた全ての関連する情報を踏まえて、経営者の回答を

検討する。

60.監査人は、前会計期間の決算日において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような

事象又は状況が存在し、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められた場合には、当該

事象又は状況の変化並びにこれらに係る経営者の評価及び対応策の変更について質問しなけれ

ばならない。

61.監査人は、前会計期間の決算日において、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認めら

れなかったものの、期中財務諸表に係る当会計期間において、継続企業の前提に重要な疑義を

生じさせるような事象又は状況を認めた場合には、経営者に対し、経営者による評価及び対応

策を含め継続企業の前提に関する開示の要否について質問しなければならない。

62.これらの質問の結果、監査人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められると判

断した場合には、継続企業の前提に関する事項について、期中財務諸表において、一般に公正

妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、適正に表示されていない(準拠性の枠組みの場

- 13 -

レ基報2

合は、作成されていない)と信じさせる事項が認められないかどうかに関し、追加的な質問や

関係書類の閲覧等の追加的な手続を実施して、検討しなければならない。

《ウ.構成単位の監査人の利用》(A53 項参照)

63.監査人は、構成単位の監査人によって行われた期中レビュー等の結果を利用する場合には、

当該構成単位の監査人が関与した期中財務諸表等の重要性及び構成単位の監査人の品質管理の

状況等に基づく信頼性の程度を勘案して、構成単位の監査人の実施した期中レビュー等の結果

を利用する程度及び方法を決定しなければならない(「期中レビュー基準」第二 実施基準 13

参照)。構成単位の監査人の実施した期中レビュー等の重要な事項について、その結果を利用で

きない場合がある。この場合において、更に当該事項について、重要な期中レビュー手続を追

加して実施できなかった場合には、重要な期中レビュー手続が実施できなかった場合に準じて、

結論の表明の適否を判断しなければならない(「期中レビュー基準」第三 報告基準 10 参照)。

《(4) 期中財務諸表と基礎となる会計記録との調整》(A54 項参照)

64.監査人は、期中財務諸表とその基礎となる会計記録との一致又は調整に関する証拠を入手し

なければならない。

《(5) 重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付いた場合の追加的な手

続》(A55 項から A59 項参照)

65.監査人は、期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付

いた場合には、追加的な質問や関係書類の閲覧等の追加的な手続を実施して当該事項の有無を

確かめ、その事項の結論への影響を考慮しなければならない(「期中レビュー基準」第二 実施

基準 8参照)。

《(6) 比較情報に係る期中レビュー手続》

66.監査人は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準で要求されている比較情報が期中財

務諸表に含まれているかどうか、並びに当該情報が適切に表示及び分類されているかどうかを

判断しなければならない。

監査人は、この判断に当たって、以下の事項を検討しなければならない。

(1) 比較情報が、前事業年度の期中会計期間及び前事業年度に表示された金額並びにその他の

開示(訂正報告書が提出されている場合には、訂正後の金額及びその他の開示)と一致して

いるかどうか、又は、修正再表示された場合、修正再表示された金額及びその他の開示が妥

当かどうか。

(2) 比較情報に適用した会計方針又は表示方法が当期中会計期間に適用した会計方針又は表示

方法と一致しているかどうか、また、会計方針又は表示方法の変更があった場合には、当該

変更が適切に処理され、その表示及び開示が妥当かどうか。

67.監査人は、期中レビューの実施の過程において比較情報に重要な虚偽表示が存在する可能性

があることに気付いた場合、追加的な質問等の期中レビュー手続を実施しなければならない。

- 14 -

レ基報2

《(7) 虚偽表示の評価》(A60 項から A62 項参照)

68.監査人は、気が付いた未修正の虚偽表示について、期中財務諸表に対し、個別に又は集計し

て重要であるかどうかを評価しなければならない。

《(8) その他の記載内容に関連する監査人の責任》(A63 項から A65 項参照)

69.監査人は、期中レビューを行った期中財務諸表との重要な相違を識別するため、その他の記

載内容を通読しなければならない。

70.監査人は、その他の記載内容を通読することにより重要な相違を識別した場合、期中レビュ

ーを行った期中財務諸表又はその他の記載内容を修正する必要があるかどうかを判断しなけれ

ばならない。

71.期中レビューを行った期中財務諸表に修正が必要であるが、経営者が修正することに同意し

ない場合、監査人は除外事項付結論を表明しなければならない。

72.その他の記載内容に修正が必要であるが、経営者が修正することに同意しない場合、監査人

は、監査役等に当該事項を報告するとともに、以下のいずれかを行わなければならない。

(1) 期中レビュー報告書にその他の事項区分を設け、重要な相違について記載する。

(2) 期中レビュー報告書を発行しない。

(3) 可能な場合、期中レビュー契約を解除する。

73.監査人は、重要な相違を識別するためにその他の記載内容を通読する際に、明らかな事実の

重要な虚偽記載に気付いた場合、経営者と当該事項について協議しなければならない。

74.監査人は、その他の記載内容に事実の重要な虚偽記載が存在すると判断したが、経営者がそ

れを修正又は訂正することに同意しない場合、監査役等にその他の記載内容に関する監査人の

懸念を知らせるとともに、適切な措置を講じなければならない。

《9.後発事象》

75.監査人は、期中財務諸表において、修正又は開示すべき後発事象があるかどうかについて経

営者に質問しなければならない。

76.監査人は、期中レビュー報告書日後に、期中財務諸表に関していかなる期中レビュー手続を

実施する義務も負わない。

しかしながら、監査人は、期中レビュー報告書日後に、もし期中レビュー報告書日現在に気

付いていたとしたら、期中レビュー報告書を修正する原因となった可能性のある事実(事後判

明事実)を知るところとなった場合には、必要な手続を実施しなければならない(監査基準報

告書 560「後発事象」参照)。

なお、事後判明事実によって、期中財務諸表が訂正され、当該期中財務諸表に対する期中レ

ビューが実施されず、期中財務諸表利用者の訂正前の期中財務諸表等に対する結論への依拠を

防止することが必要と判断する場合には、期中財務諸表の利用者によるレビュー報告書への依

拠を防ぐための適切な措置を講じなければならない。

- 15 -

レ基報2

《10.経営者確認書》

77.監査人は、経営者に対して、期中レビュー契約書において記載されたとおり、その責任を果

たした旨の経営者確認書を提出するように要請しなければならない。経営者確認書には、以下

の事項を含めなければならない(A66 項から A68 項参照)。

(1) 期中レビュー契約書において合意したとおり、経営者が、適用される財務報告の枠組みに

準拠して期中財務諸表を作成し適正に表示する責任(準拠性の枠組みの場合、作成する責任)

を果たした旨、及び期中財務諸表の作成に関連すると認識している又は期中レビュー業務に

関連して監査人が依頼した全ての情報及び情報を入手する機会を監査人に提供した旨

(2) 全ての取引が記録され、期中財務諸表に反映されている旨

(3) 経営者が、未修正の虚偽表示の与える影響が個別にも集計しても全体としての期中財務諸

表に対して重要性がないと判断している旨

経営者確認書には、未修正の虚偽表示の要約を記載するか又は添付することを求めなけれ

ばならない。

78.監査人は、経営者が以下の事項を監査人に開示した旨を経営者確認書に記載するように要請

しなければならない(A67 項参照)。

(1) 期中レビュー契約書において合意したとおり、経営者が期中財務諸表の作成に関連すると

認識している又は期中レビューに関連して監査人が依頼した全ての情報及び情報を入手する

機会を監査人に提供した旨

(2) 全ての取引が記録され、期中財務諸表に反映されている旨

(3) 不正を防止し発見する内部統制を整備及び運用する責任は、経営者にあることを承知して

いる旨

(4) 不正による期中財務諸表の重要な虚偽表示の可能性に対する経営者の評価を監査人に示し

た旨

(5) 以下の企業に影響を与える不正又は不正の疑いがある事項に関する情報が存在する場合、

当該情報を監査人に示した旨

① 経営者による不正又は不正の疑い

② 内部統制において重要な役割を担っている従業員による不正又は不正の疑い

③ 上記以外の者による期中財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある不正又は不正の疑い

(6) 従業員、元従業員、投資家、規制当局又はその他の者から入手した期中財務諸表に影響す

る不正の申立て又は不正の疑いがある事項に関する情報を監査人に示した旨

(7) 期中財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき、既に認識されている違法行為又は

その疑いを全て監査人に示した旨

(8) 未修正の虚偽表示の与える影響が個別にも集計しても全体としての期中財務諸表に対して

重要性がないと判断している旨(当該未修正の虚偽表示の要約は経営者確認書に記載するか

又は添付することを求めなければならない。)

(9) 期中財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき、既に認識されている又は潜在的な

訴訟事件等を、全て監査人に示した旨及び一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準

拠して適正に処理し開示した旨

- 16 -

レ基報2

(10) 会計上の見積りを行う際に使用した重要な仮定が合理的であると判断している旨

(11) 関連当事者の名称、認識している全ての関連当事者との関係及び関連当事者との取引を監

査人に示した旨並びに当該関係及び取引を一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準

拠して適切に処理している旨

(12) 期中会計期間末日後に発生し、かつ、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準により

期中財務諸表の修正又は期中財務諸表における開示が要求される全ての事象を、適切に修正

又は開示した旨

79.前項に掲げた事項に加えて、その他の事項について経営者確認書を入手する必要があると判

断した場合、当該確認事項についての経営者確認書を提出するように要請しなければならない

(A67 項参照)。

80.監査人が確認を要請した事項の全部又は一部について経営者から確認を得られない場合、監

査人は以下の事項を実施しなければならない(A66 項参照)。

(1) 当該事項について経営者と協議すること。

(2) 経営者の誠実性を再評価し、口頭、書面又は電磁的記録による陳述の信頼性及び証拠全体

の証明力に及ぼす影響を評価すること。

(3) 本報告書に従って、期中レビュー報告書の結論への影響を判断することを含め、適切な措

置を講じること。

81.監査人は、以下のいずれかに該当する場合には、期中財務諸表に対する結論を不表明とする

か、又は現実的な対応として可能であれば、期中レビュー契約を解除するか、いずれかを選択

しなければならない。

(1) 監査人が、経営者の誠実性について深刻な疑義があり、経営者確認書に信頼性がないと判

断した場合

(2) 第 77 項により要求される事項について経営者から確認が得られない場合

《(1) 経営者確認書の日付及び経営者確認書が対象とする期間》

82.経営者確認書の日付は、期中レビュー報告書日より後であってはならない。経営者確認書は、

期中レビュー報告書が対象とする全ての期間に対する全ての期中財務諸表を対象とするもので

なければならない(A69 項参照)。

《11.実施した手続から入手した証拠の評価》

83.監査人は、実施した手続から十分かつ適切な証拠を入手したかどうかを評価しなければなら

ない。十分かつ適切な証拠を入手していない場合には、監査人は期中財務諸表に対する結論を

形成できるよう、個々の状況に照らして監査人が必要と判断するその他の手続を実施しなけれ

ばならない(A71 項参照)。

84.監査人が結論の形成のための十分かつ適切な証拠を入手できない場合には、監査人は、経営

者及び必要な場合には監査役等と当該制約が期中レビュー業務の範囲に及ぼす影響について協

議しなければならない(A72 項及び A73 項参照)。

- 17 -

レ基報2

《(1) 期中レビュー報告書に及ぼす影響の評価》

85.監査人は、期中レビュー報告書に及ぼす影響を判断するために、実施した手続から入手した

証拠を評価しなければならない(A71 項参照)。

《12.期中財務諸表に対する監査人の結論の形成と報告》

《(1) 期中財務諸表に適用される財務報告の枠組みの考慮》

86.期中財務諸表に対する結論を形成する際に、監査人は以下を実施しなければならない。

(1) 期中財務諸表において、適用される財務報告の枠組みについて適切に記述されているかど

うかを評価する。

(2) 適用される財務報告の枠組みの要求事項及び実施した手続の結果と照らし、以下の事項を

検討する。

① 期中財務諸表の名称を含め、期中財務諸表で使用されている用語は適切であるかどうか。

② 経営者が採用した重要な会計方針が、期中財務諸表において適切に開示されているかどう

か。

③ 経営者が採用した会計方針が、適用される財務報告の枠組みに準拠しており、かつ適切

であるかどうか。

④ 経営者の行った会計上の見積りが合理的であるかどうか。

⑤ 期中財務諸表において表示された情報が目的適合性、信頼性及び比較可能性を有し、か

つ理解可能なものであるかどうか。

⑥ 重要な取引や会計事象が期中財務諸表に及ぼす影響について、期中財務諸表の利用者が

理解するために適切な開示がなされているかどうか(A77 項参照)。

87.監査人は、以下の影響を考慮しなければならない。

(1) 期中レビュー業務の実施過程で識別された当年度及び過年度の未修正の虚偽表示の全体と

しての期中財務諸表に対する影響

(2) 経営者の判断に偏向が存在する兆候等、企業の会計実務の質的側面

88.期中財務諸表が適正表示の枠組みに準拠して作成されている場合、監査人は以下の影響も考

慮しなければならない。

(1) 適用される枠組みに準拠した期中財務諸表の全体的な表示、構成及び内容

(2) 関連する注記を含む期中財務諸表が、全体として、基礎となる取引や会計事象を適正に表

しているかどうか。

《(2) 期中レビュー報告書》

89.期中財務諸表に対する監査人の結論は、無限定の結論か除外事項付結論であるかを問わず、

期中財務諸表に適用される財務報告の枠組みに応じた適切な様式で表明されなければならない。

《① 全般的事項》(A74 項から A76 項、A95 項及び A96 項参照)

90.期中レビュー報告書は、書面又は電磁的記録によらなければならず、基本的に「監査人の結

論」、「結論の根拠」、「経営者及び監査役等の責任」、「監査人の責任」という四つの区分に分け

- 18 -

レ基報2

て記載し(「期中レビュー基準」第三 報告基準 3参照)、それぞれ見出しを付けなければな

らない。これらの区分に分けて記載される事項以外に表題、日付、宛先、監査事務所の所在地

及び署名等も期中レビュー報告書に記載しなければならない(監査基準報告書 700「財務諸表に

対する意見の形成と監査報告」第 48 項参照)。

付録2には、期中レビュー報告書の文例を示している。

《ア.監査人の結論》

91.監査人は、適正性に関する結論を表明する場合には、経営者の作成した期中財務諸表につい

て、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及び

キャッシュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点におい

て認められなかったかどうかに関する結論を表明しなければならない(「期中レビュー基準」第

三 報告基準 5(1)参照)。なお、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される期

中財務諸表については、当該期中財務諸表が当該会計の基準に準拠して、上記と同様に適正に

表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかったかどうかに関す

る結論を表明しなければならない。

92.監査人は、準拠性に関する結論を表明する場合には、作成された期中財務諸表が、当該期中

財務諸表の作成に当たって適用された会計の基準に準拠して作成していないと信じさせる事項

が全ての重要な点において認められなかったどうかに関する結論を表明しなければならない。

監査人は、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される期中財務諸表について、

準拠性に関する結論を表明する場合には、適正性に関する結論の表明に準じて行うものとする。

《イ.結論の根拠》

93.監査人は、期中レビュー報告書に、一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠

して期中レビューを行ったこと、期中レビューの結果として入手した証拠が結論の表明の基礎

を与えるものであることを記載しなければならない(「期中レビュー基準」第三 報告基準 5

(2)参照)。また、これらに加えて、監査人の責任に関し、期中レビュー報告書の「期中財務諸

表の期中レビューにおける監査人の責任」の区分に記載がある旨、及び監査人は我が国におけ

る職業倫理に関する規定に従って会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理

上の責任を果たしている旨を記載しなければならない。

「一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準」の表現については、前項で述べたこと

と同様の趣旨により、「我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準」とい

う表現を用いる。

《ウ.経営者及び監査役等の責任》

94.経営者には、期中財務諸表の作成責任があること、期中財務諸表に重要な虚偽表示がないよ

うに内部統制を整備及び運用する責任があること、継続企業の前提に関する評価を行い必要な

開示を行う責任があること、監査役等には、財務報告プロセスを監視する責任があることを記

載しなければならない(「期中レビュー基準」第三 報告基準 5(3)参照)。

- 19 -

レ基報2

95.期中財務諸表が特別目的の期中財務諸表の場合には、以下の事項を含める。

(1) 期中財務諸表の作成目的及び想定利用者(作成目的の記載によって想定利用者が明確であ

る場合を除く。)又はこれらの情報について記載している特別目的の期中財務諸表の注記への

参照

(2) 経営者が、特別目的の期中財務諸表の作成において財務報告の枠組みの選択肢を有する場

合、期中財務諸表に対する経営者の責任の区分において、経営者は適用される財務報告の枠

組みが状況に照らして受入可能なものであることを判断する責任を有する旨

96.継続企業の前提に関する評価を行い必要な開示を行う責任としては、経営者は、継続企業を

前提として期中財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、財務報告の枠組みに

基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合は当該事項を開示する責任を有する

旨を記載しなければならない(監基報 700 第 34 項(2)参照)。

97.監査役等には財務報告プロセスを監視する責任があることについては、監査役等の責任とし

て、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役(監査委員会の場合は執行役及び取締役)

の職務の執行を監視する旨を記載しなければならない(監基報 700 第 35 項参照)。

《エ.監査人の責任》

98.監査人の責任は独立の立場から期中財務諸表に対する結論を表明することにあること、期中

レビューは質問、分析的手続その他の期中レビュー手続からなり、年度の財務諸表の監査に比

べて限定的な手続となること、継続企業の前提に関する経営者の評価を検討すること、監査役

等と適切な連携を図ることを記載しなければならない(「期中レビュー基準」第三 報告基準

5(4)参照)。

99.継続企業の前提の評価に関する監査人の責任としては、以下を記載しなければならない(監

基報 700 第 39 項(2)④参照)。

(1) 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関

して重要な不確実性が認められると判断した場合には、入手した証拠に基づき、期中財務諸

表において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、適正に表示されてい

ない(準拠性の枠組みの場合は、作成されていない)と信じさせる事項が認められないかど

うか結論付けること。

(2) 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合、期中レビュー報告書において

期中財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する期中財務諸表

の注記事項が適切でない場合は、期中財務諸表に対して除外事項を付した限定付結論又は否

定的結論を表明すること。

(3) 監査人の結論は、期中レビュー報告書日までに入手した証拠に基づいているが、将来の事

象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性があること。

100.監査役等と適切な連携を図ることに関する監査人の責任については、以下を記載しなければ

ならない。

(1) 監査人は、監査役等に対して、計画した期中レビューの範囲とその実施時期、期中レビュ

ー上の重要な発見事項について報告を行うこと(監基報 700 第 40 項(1)参照)。

- 20 -

レ基報2

(2) 上場企業の期中レビューの場合、監査人は、監査役等に対して、独立性についての我が国

における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合

理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策又は阻害要因を許容可能な水

準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行うこ

と(A78 項参照。監基報 700 第 40 項(2)参照)。

101.監査人の責任としては、更に以下を記載しなければならない。

(1) 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠して実

施する期中レビューの過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保

持すること(監基報 700 第 39 項(1)参照)。

(2) 表示及び注記事項の検討

期中財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会

計の基準に準拠していないと信じさせる事項が認められないかどうかとともに、関連する注

記事項を含めた期中財務諸表の表示、構成及び内容、並びに期中財務諸表が基礎となる取引

会計事象を適正に表示していない(準拠性の枠組みの場合は、作成していない)と信じさ

せる事項が認められないかどうかを評価すること(監基報 700 第 39 項(2)⑤参照)。

(3) 構成単位に対する期中レビュー手続を実施する場合の監査人の責任(監基報 700 第 39 項(3)

参照)

① グループ期中財務諸表に対する結論表明の基礎となる、グループ内の構成単位の財務情

報に関する証拠を入手すること。

② グループ期中財務諸表の期中レビューの指揮、監督及び査閲をすること。

③ グループ監査責任者として単独で結論の表明を行うこと。

《オ.利害関係》

102.公認会計士法の規定(第 25 条第2項及び第 34 条の 12 第3項参照)により期中レビュー報告

書に利害関係の有無を記載することが求められているため、期中レビュー報告書の末尾に「利

害関係」という見出しを付した上で利害関係の有無について記載しなければならない。

なお、当該利害関係の記載に連結子会社を含めなければならない。

《② 除外事項付結論》

103.期中財務諸表が、全ての重要な点において、適用される財務報告の枠組みに準拠して、適正

に表示される(準拠性の枠組みの場合は、作成される)ために、期中財務諸表に重要な修正を

要請する事項を識別したが経営者が期中財務諸表を修正しない場合には、監査人は、限定付結

論又は否定的結論を表明しなければならない。

《ア.結論に関する除外》(A79 項参照)

104.監査人は、経営者の作成した期中財務諸表について、一般に公正妥当と認められる企業会計

の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を重要な点にお

いて適正に表示していない(準拠性の枠組みの場合は、作成していない)と信じさせる事項が

認められ、その影響が無限定の結論を表明することができない程度に重要ではあるものの、期

- 21 -

レ基報2

中財務諸表全体に対して否定的結論を表明するほどではないと判断したときには「限定付結論」

の区分において除外事項を付した限定付結論を表明し、「限定付結論の根拠」の区分において、

修正すべき事項、可能であれば当該事項が期中財務諸表に与える影響及びこれらを踏まえて除

外事項を付した限定付結論とした理由を記載しなければならない(「期中レビュー基準」第三

報告基準 6参照)。

上記、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績

及びキャッシュ・フローの状況を重要な点において適正に表示していない(準拠性の枠組みの

場合は、作成していない)と信じさせる事項が認められるかどうかの判断に当たっては、年度

の財務諸表の監査と同様、①経営者が採用した会計方針が、一般に公正妥当と認められる企業

会計の基準に準拠して継続的に適用されているかどうか、②経営者の採用した会計方針の選択

及び適用方法が会計事象や取引を適切に反映するものであるかどうか、③期中財務諸表の表示

方法が適切であるかどうか、について検討しなければならない。

当該影響額の記載を行う場合は、年度の財務諸表の監査における影響額の記載に準じて記載

しなければならない。

また、除外した不適切な事項及び財務諸表に与えている影響を踏まえて除外事項を付した限

定付結論とした理由も併せて記載しなければならない。

限定付結論が表明された期中レビュー報告書の例は本報告書の付録2に示している。

《イ.否定的結論》(A80 項参照)

105.監査人は、経営者の作成した期中財務諸表について、一般に公正妥当と認められる企業会計

の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を重要な点にお

いて適正に表示していない(準拠性の枠組みの場合は、作成していない)と信じさせる事項が

認められる場合において、その影響が期中財務諸表全体として虚偽表示に当たるとするほどに

重要であると判断したときには、否定的結論を表明し、「結論の根拠」の区分に、その理由を記

載しなければならない(「期中レビュー基準」第三 報告基準 7参照)。

否定的結論が表明された期中レビュー報告書の文例は本報告書の付録2に示している。

《③ 期中レビュー範囲の制約》

106.監査人が重要な期中レビュー手続が実施できない場合には、監査人は、書面又は電磁的記録

により、適切な階層の経営者及び監査役等に期中レビューが完了できない理由を伝えるととも

に、結論の表明の適否を検討しなければならない(A81 項参照)。

《ア.経営者による期中レビュー範囲の制約》

107.経営者が、期中レビュー範囲の制約を課しており、その制約により監査人が期中レビューを

完了できないことになる可能性について監査人に予備的知識がある場合には、監査人は期中レ

ビュー契約を受け入れてはならない。

108.期中レビュー契約を受け入れた後で、経営者が期中レビューの範囲に制約を課した場合には、

監査人はその制約を取り除くように要請しなければならない。それを経営者が拒否した場合に

- 22 -

レ基報2

は、監査人は期中レビューを完了できず、結論を表明することはできない。その場合には、監

査人は、書面又は電磁的記録により、適切な階層の経営者及び監査役等に期中レビューを完了

できない理由を報告しなければならない。その場合であっても、監査人は、期中財務諸表が、

全ての重要な点において、適用される財務報告の枠組みに準拠して、適正に表示される(準拠

性の枠組みの場合は、作成される)ために重要な修正を要請する事項を識別した場合には、監

査人は第 45 項及び第 46 項の指針に従って、その事項を報告しなければならない。

109.監査人は、監査人に期中レビュー報告書を発行する要請があるかどうかを含め、法律及び規

則上の責任について考慮しなければならない。こうした要請がある場合には、監査人は結論を

表明せず、期中レビューを完了できない理由を期中レビュー報告書に記載しなければならない。

ただし、期中財務諸表が、全ての重要な点において、適用される財務報告の枠組みに準拠して、

適正に表示される(準拠性の枠組みの場合は、作成される)ために重要な修正を要請する事項

を識別した場合には、監査人はその事項についても期中レビュー報告書上で報告しなければな

らない。

《イ.その他の範囲の制約》

《期中レビュー範囲の制約》

110.監査人は、期中財務諸表に対して行う期中レビューの結論の表明に当たり、当該結論を表明

するための基礎を得るために期中レビュー計画を策定し、期中レビュー手続を実施するが、期

中レビューの状況によっては、重要な期中レビュー手続を実施できない場合がある。この場合、

監査人は期中レビュー範囲の制約を受けたことになる。

監査人は、重要な期中レビュー手続を実施できなかったことにより、無限定の結論を表明で

きない場合において、その影響が期中財務諸表全体に対する結論の表明ができないほどではな

いと判断したときは、除外事項を付した限定付結論を表明し、「結論の根拠」の区分に、実施で

きなかった期中レビュー手続、当該事実が影響する事項及びこれらを踏まえて除外事項を付し

た限定付結論とした理由を記載しなければならない(「期中レビュー基準」第三 報告基準 8

参照)。

111.監査人は、重要な期中レビュー手続を実施できなかったことにより、無限定の結論の表明が

できない場合において、その影響が期中財務諸表全体に対する結論の表明ができないほどに重

要であると判断したときは、結論を表明してはならず、別に区分を設けて、期中財務諸表に対

する結論を表明しない旨及びその理由を記載しなければならない(「期中レビュー基準」第三

報告基準 9参照)。

112.期中レビュー範囲の制約を受け、重要な期中レビュー手続を実施できない場合には、無限定

の結論を表明することはできないが、その影響が期中財務諸表全体に対する結論の表明ができ

ないほどではないと判断したときには、「限定付結論」の区分に除外事項を付した限定付結論を

表明し、期中レビュー範囲の制約に係る除外事項として、次の事項を「限定付結論の根拠」の

区分に記載しなければならない。

・ 実施できなかった期中レビュー手続

・ 期中財務諸表に対する結論において当該事実が影響する事項

- 23 -

レ基報2

・ 上記を踏まえて除外事項を付した限定付結論とした理由

ここでいう当該事実が影響する事項については、除外事項に係る期中財務諸表に計上されて

いる項目の金額又は注記事項の金額は分かるが、期中レビュー範囲の制約によりその適正性又

は準拠性を判断する基礎が入手できないことから、最終的な金額的影響額を算定することは通

常困難である。したがって、期中レビュー範囲の制約の事実が影響する事項の金額的影響額の

記載は、期中財務諸表に計上されている項目の金額又は注記事項の金額を記載しなければなら

ない。

また、実施できなかった期中レビュー手続及び期中財務諸表に与えている影響を踏まえて除

外事項を付した限定付結論とした理由も併せて記載しなければならない。

限定付結論が表明された期中レビュー報告書の文例は本報告書の付録2に示している。

113.期中財務諸表に計上されていない事項又は注記されていない事項で、何らかの会計処理又は

開示が必要と判断されるものについて期中レビュー範囲の制約があるため、当該取扱いの判断

ができない場合は、その旨を記載しなければならない(A82 項参照)。

《④ 結論の不表明》

114.重要な期中レビュー手続を実施できないことにより期中レビュー範囲の制約を受けた場合に、

その影響が期中財務諸表全体に対する結論の表明ができないほどに重要と判断したときは、結

論を表明しない旨を「結論の不表明」の区分に記載し、結論を表明しない理由を「結論の不表

明の根拠」の区分に記載しなければならない。この場合であっても、「結論の不表明」の区分に

おいて、期中財務諸表について期中レビューを行った旨を記載しなければならない。

また、「監査人の責任」の区分において、以下の事項を記載しなければならない。

「監査人の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠

して実施した期中レビューに基づいて、期中レビュー報告書において独立の立場から期中財務

諸表に対する結論を表明することにある。

しかしながら、本報告書の「結論の不表明の根拠」に記載されているとおり、当監査法人は、

期中財務諸表に対する結論の表明の基礎となる証拠を入手することができなかった。」

結論の不表明の期中レビュー報告書の文例は本報告書の付録2に示している。

115.期中レビュー業務の実施において、①経営者から、期中レビューの範囲について制約を課さ

れた場合、②質問事項について十分な知識を有し、責任をもって回答できる適切な役職者が不

在等により、十分な質問が実施できなかった場合、③火災等による焼失又は司法当局による証

拠資料の押収等によって、重要な会計帳簿や会計記録を閲覧できなかった場合、又は十分な分

析的手続を実施できなかった場合は、結論の表明の適否を判断しなければならない。

116.重要な偶発事象等の将来の帰結が予測し得ない事象又は状況について、期中財務諸表に与え

る当該事象又は状況の影響が複合的かつ多岐にわたる場合には、重要な期中レビュー手続を実

施できなかった場合に準じて、結論の表明ができるか否かを慎重に判断しなければならない

(「期中レビュー基準」第三 報告基準 11 参照)。

- 24 -

レ基報2

《⑤ 継続企業の前提》(A83 項から A85 項参照)

117.監査人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合には、次のとおり結論

の表明及び期中レビュー報告書の記載を行わなければならない(「期中レビュー基準」第三 報

告基準 12 参照)。

(1) 継続企業の前提に関する事項が期中財務諸表に適切に記載されていると判断して、無限定

の結論を表明する場合には、当該継続企業の前提に関する事項について期中レビュー報告書

に記載しなければならない。

(2) 継続企業の前提に関する事項が期中財務諸表に適切に記載されていないと判断した場合は、

当該不適切な記載についての除外事項を付した限定付結論又は否定的結論を表明し、その理

由を記載しなければならない。

118.前項の継続企業の前提に関する手続の記載の前提となる注記において、継続企業の前提に重

要な疑義を生じさせるような事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策が記載される

こととなっているが、対応策の期間が経営者の評価期間より短い場合、具体的に対応策が提示

されていない期間において、なぜ事業活動を継続することができると評価したのかについての

具体的な評価内容等が記載されているかどうか検討しなければならない。

119.極めてまれな状況ではあるが、重要な不確実性が複数存在し、それが期中財務諸表に及ぼす

可能性のある影響が複合的かつ多岐にわたる場合には、監査人は、結論を表明しないことが適

切と考えることがある。この場合、監査人は、結論の表明ができるか否かを慎重に判断しなけ

ればならない。また、経営者の対応策及び具体的に対応策が提示されていない期間についての

経営者の評価内容等が、注記の内容として不十分と考えられる場合、監査人は、限定付結論又

は否定的結論を表明することについて慎重に検討しなければならない。

120.重要な不確実性について期中財務諸表に適切な注記がなされている場合、監査人は無限定の

結論を表明し、期中財務諸表における注記事項について注意を喚起するために、期中レビュー

報告書に「継続企業の前提に関する重要な不確実性」という見出しを付した区分を設け、継続

企業の前提に関する重要な不確実性が認められる旨及び当該事項は監査人の結論に影響を及ぼ

すものではない旨を記載しなければならない。

121.監査人は、継続企業の前提が成立していないことが一定の事実をもって明らかな場合で、期中

財務諸表が継続企業の前提に基づいて作成されているときは、否定的結論を表明しなければなら

ない。

《⑥ 追記情報》(A86 項及び A87 項参照)

122.監査人は、次に掲げる強調すること又はその他説明することが適当と判断した事項は、期中

レビュー報告書にそれらを区分した上で、情報として追記しなければならない。

(1) 会計方針の変更

(2) 重要な偶発事象

(3) 重要な後発事象

(4) 監査人が結論を表明した期中財務諸表を含む開示書類における当該期中財務諸表の表示と

その他の記載内容との重要な相違

- 25 -

レ基報2

《ア.強調事項区分》

123.監査人は、結論の類型にかかわらず、期中財務諸表に表示又は開示されている事項について、

利用者が期中財務諸表を理解する基礎として重要であるため、当該事項を強調し利用者の注意

を喚起する必要があると判断することがある。そのような場合、監査人が、当該事項について

期中財務諸表の重要な虚偽表示が含まれる可能性が高くないという十分かつ適切な証拠を入手

したときは、期中レビュー報告書に強調事項区分を設けなければならない。当該区分は、期中

財務諸表に表示又は開示された情報のみを記載するものでなければならない。

124.監査人は、監査人の結論区分の次に、「強調事項」又は他の適切な見出しを付して強調事項

区分を設けなければならない。その場合には、以下に従って記載しなければならない。

(1) 当該区分に、期中財務諸表における記載箇所と関連付けて、強調する事項を明瞭に記載す

る。

(2) 強調事項は監査人の結論に影響を及ぼすものではないことを記載する。

《イ.その他の事項区分》

125.監査人は、期中財務諸表に表示又は開示されていない事項について、期中レビュー業務、監

査人の責任又は期中レビュー報告書についての利用者の理解に関連するため期中レビュー報告

書において説明する必要があると判断した場合、「その他の事項」区分を設けなければならない。

ただし、法令等によって期中レビュー報告書に記載することが禁止されていない事項でなけれ

ばならない。

《ウ.特別目的の期中財務諸表に対する期中レビューの場合の追記情報》

126.監査人は、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される期中財務諸表に対する期

中レビュー報告書には、会計の基準、期中財務諸表の作成の目的及び想定される主な利用者の

範囲を記載するとともに、期中レビュー報告書の利用者の注意を喚起するため、当該期中財務

諸表は特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して作成されており、他の目的には適合し

ないことがある旨を、「強調事項」区分を設け、記載しなければならない。

また、期中レビュー報告書が特定の者のみによる利用を想定しており、当該期中レビュー報

告書に配布又は利用の制限を付すことが適切であると考える場合には、適切な見出しを付して

その旨を記載しなければならない。

《⑦ その他の報告責任》

127.監査人は、期中財務諸表に対する期中レビュー報告書において、本報告書に基づく監査人の

責任に加えて、その他の報告責任についても記載することが求められることがある。そのよう

な場合には、その他の報告責任については、「法令等が要求するその他の事項に対する報告」又

はその区分の内容から見て適切な他の見出しを付して、期中レビュー報告書上、「期中財務諸表

の期中レビュー」の見出しを付した区分の次に別の区分を設けなければならない(A88 項から

A90 項参照)。

- 26 -

レ基報2

《⑧ 期中レビュー報告書日》

128.期中レビュー報告書には、監査人が、期中財務諸表に対する結論表明の基礎となる十分かつ

適切な証拠を入手した日よりも前の日付を付してはならない。なお、以下の点について、期中

財務諸表に対する結論表明の基礎となる十分かつ適切な証拠を入手しなければならない(A91 項

から A94 項参照)。

(1) 適用される財務報告の枠組みに準拠して、関連する注記を含む全ての期中財務諸表が作成

されていること。

(2) 認められた権限を持つ者が、当該期中財務諸表に対して責任を認めたこと。

《⑨ 比較情報》

《ア.対応数値》

129.比較情報が対応数値として表示される場合、監査基準報告書 710「過年度の比較情報-対応

数値と比較財務諸表」に準じて期中財務諸表に対する結論を記載することとなるが、第 130 項、

第 131 項及び第 133 項に記載されている場合を除き、期中財務諸表に対する結論において対応数

値に言及してはならない(A97 項参照)。

130.以前に発行した前事業年度の同期中会計期間の期中レビュー報告書において除外事項付結論

(すなわち、限定付結論、否定的結論又は結論の不表明)が表明されている場合又は以前に発

行した前事業年度の監査報告書において貸借対照表関連の項目を原因とする除外事項付意見が

表明されている場合で、かつ当該期中レビュー報告書における除外事項付結論又は当該監査報

告書における除外事項付意見の原因となった事項が未解消のとき、監査人は、当期中に係る期

中財務諸表に対して除外事項付結論を表明しなければならない。

この場合、監査人は、期中レビュー報告書の除外事項付結論の根拠区分において、以下のい

ずれかを記載しなければならない。

① 当該事項が当期中の数値に及ぼす影響又は及ぼす可能性のある影響が重要である場合、除

外事項付結論の原因となった事項の説明において、当期中の数値と比較情報の両方に及ぼす

影響について記載する。

② 上記以外の場合には、当期中の数値と比較情報との比較可能性の観点から、未解消事項が

及ぼす影響又は及ぼす可能性のある影響を勘案した結果、除外事項付結論が表明されている

旨を記載する。

131.監査人は、以前に無限定の結論が表明されている期中財務諸表や無限定適正意見が表明され

ている前事業年度の貸借対照表に重要な虚偽表示が存在するという証拠を期中レビュー手続に

より入手したが、比較情報が適切に修正再表示されていない又は開示が妥当ではない場合、期

中財務諸表に対する結論において、当該期中財務諸表に含まれる比較情報について限定付結論

又は否定的結論を表明しなければならない。

132.前事業年度の同期中会計期間に係る期中財務諸表について前任者が期中レビューしている又

は前事業年度の財務諸表について前任者が監査をしており、期中レビュー報告書において前任

者により比較情報の期中レビュー又は監査が行われている旨及びその結論又は意見を記載する

ことが法令等によって禁止されておらず、かつ監査人がそれを記載することにした場合、監査

- 27 -

レ基報2

人は、期中レビュー報告書のその他の事項区分に、以下の事項を記載しなければならない。

(1) 前事業年度の同期中会計期間に係る期中財務諸表が前任者により期中レビューされた旨又

は前事業年度の財務諸表が前任者により監査された旨

(2) 前任者が表明した期中財務諸表に対する結論の類型及び除外事項付結論が表明された場合

にはその理由、又は前任者が表明した監査意見の類型及び除外事項付意見が表明された場合

にはその理由

(3) 前任者の期中レビュー報告書又は監査報告書の日付

133.前事業年度の同期中会計期間に係る期中財務諸表について期中レビューが実施されていない

場合又は前事業年度の財務諸表について監査が実施されていない場合、監査人は、期中レビュ

ー報告書のその他の事項区分に、その旨を記載しなければならない。

《イ.比較期中財務諸表》

134.比較情報が比較期中財務諸表として表示される場合、監査人は、期中財務諸表の表示期間に

含まれるそれぞれの年度に関して結論を表明しなければならない。

135.当事業年度の期中レビュー業務に関連して前事業年度の財務諸表に対して結論を表明する場

合において、前事業年度の財務諸表に対する結論が、以前に表明した結論と異なる場合には、

監査人は、その他の事項区分で、結論が異なる理由を記載しなければならない。

136.前事業年度の同期中会計期間に係る期中財務諸表について前任者が期中レビューしている又

は前事業年度の財務諸表について前任者が監査をしている場合、前事業年度の財務諸表に対す

る前任者の期中レビュー報告書又は監査報告書が当事業年度の期中財務諸表とともに再発行さ

れる場合を除き、監査人は当事業年度の期中財務諸表に対する結論に加えて、その他の事項区

分に、以下の事項を記載しなければならない。

(1) 前事業年度の財務諸表は、前任者により期中レビュー又は監査された旨

(2) 前任者が表明した結論又は監査意見の類型及び除外事項付結論又は意見が表明されていた

場合にはその理由

(3) 前任者の期中レビュー報告書又は監査報告書の日付

137.監査人は、前任者が以前に無限定の結論又は無限定意見を表明した前事業年度の財務諸表に

影響を及ぼす重要な虚偽表示が存在すると判断する場合、当該虚偽表示について適切な階層の

経営者及び必要に応じて監査役等に報告するとともに、前任者を含め三者間で協議するよう求

めなければならない。

前事業年度の財務諸表が訂正され、前任者が、訂正された前事業年度の財務諸表に対して新

しい期中レビュー報告書又は監査報告書を発行することに同意する場合、監査人は、当事業年

度の期中財務諸表のみに結論を表明しなければならない。

138.前事業年度の同期中会計期間に係る期中財務諸表について期中レビューが実施されていない

場合又は前事業年度の財務諸表について監査が実施されていない場合、監査人は、期中レビュ

ー報告書のその他の事項区分に、その旨を記載しなければならない。

- 28 -

レ基報2

《13.期中レビュー調書》

139.期中レビュー調書は、本報告書及び関連する法令等の要求事項に準拠して期中レビューを実

施した証拠を提供するとともに、期中レビュー報告書を発行するための基礎を得たことを示す

十分かつ適切な記録となる。

監査人は、経験豊富な監査人が、以前に当該期中レビュー業務に関与していなくとも以下の

事項を理解できるように、適時に調書を作成しなければならない(A98 項参照)。

(1) 本報告書及び適用される法令等に準拠して実施した手続の種類、時期及び範囲

(2) 手続を実施した結果、及び当該結果に基づいて形成された監査人の結論

(3) 期中レビュー業務の実施過程で生じた重要な事項、その結論及びその際になされた職業的

専門家としての重要な判断

(4) 職業倫理に関する規定の遵守に関して識別された問題及びその問題の解決方法

(5) 期中レビュー業務に適用される独立性の遵守に関する結論及びそれらの結論を裏付ける監

査事務所の適切な者との討議

(6) 期中レビュー契約の新規の締結及び更新に関して到達した結論

(7) 期中レビュー業務の期間中に行われた専門的な見解の問合せの内容及び範囲並びに得られた

見解

140.監査人は、本報告書に準拠して実施した手続の種類、時期及び範囲の文書化において、以下

の事項を記録しなければならない。

(1) 手続を実施した者及びその完了日

(2) 査閲をした者、査閲日及び査閲の対象

141.監査人は、期中レビュー業務の実施過程で生じた重要な事項の内容、当該事項に対する期中

レビュー手続の実施に関して、経営者、監査役等及びその他の者と実施した協議についても文

書化しなければならない。

142.監査人は、期中レビュー業務の実施過程において、期中財務諸表に影響を及ぼす重要な事項

に関する発見事項と矛盾した情報を識別した場合には、監査人がどのようにその矛盾した情報

に対応したかについて、文書化しなければならない。

143.審査担当者は、審査を実施した期中レビュー業務に関して、以下の事項を文書化しなければ

ならない。

(1) 審査に係る監査事務所の方針で求められる手続が実施されたこと。

(2) 期中レビュー報告書日以前に審査が完了したこと。

(3) 審査担当者が、業務チームが行った重要な判断とその結論が適切でないと判断した事項が

なかったこと。

144.監査人は、監査人の期中レビュー報告書日後、適切な期限内に、業務ファイルにおける調書

を整理し、業務ファイルの最終的な整理についての事務的な作業を完了しなければならない

(A98 項参照)。

145.監査人は、業務ファイルの最終的な整理が完了した後、その保存期間が終了するまで、いか

なる調書であっても、削除又は廃棄してはならない。

146.業務ファイルの最終的な整理が完了した後に、既存の調書の修正又は新たな調書の追加が必

- 29 -

レ基報2

要となった場合には、その修正や追加の内容にかかわらず、監査人は、以下の事項を文書化し

なければならない。

(1) 修正又は追加が必要となった具体的理由

(2) 修正又は追加を実施した者及び実施日並びにそれらを査閲した者及び査閲日

《Ⅲ 適用指針》 《1.本報告書の範囲》(第2項及び第3項参照)

A1.期中レビュー業務の実施に当たって、監査人は、法令等により、本報告書に規定された要求

事項とは異なる事項を遵守するよう要求されることがある。そのような状況において、本報告

書が有用であることもあるが、その場合でも、関連する法令上の義務又は職業的専門家として

の義務のいずれも全て遵守する責任が監査人にはある。

A2.本報告書は、年度の監査人による期中レビューについて適用される。

ただし、本報告書は、監査人が、被監査会社の期中財務諸表以外の過去財務諸表をレビュー

する場合に、必要に応じて適宜読み替えて適用される。

A3.監査人は、年度の財務諸表の監査を実施することにより、内部統制を含む、企業及び企業環

境を理解する。監査人が期中レビューを実施する場合には、この理解は期中レビューの過程で

行われる質問により更新され、監査人が行うべき質問と適用すべき分析的手続及びその他の期

中レビュー手続に重点をおくことが可能になる。監査人でない業務実施者が期中財務諸表のレ

ビューを実施する場合には、レビュー業務実務指針 2400 に準拠してレビューを実施する。当該

業務実施者は、通常、監査人と同様には内部統制を含む、企業及び企業環境を理解していない

ため、業務実施者は、レビューの目的達成のために、異なる質問と手続を行う場合がある。

《(1) 期中レビュー業務》(第6項から第9項参照)

A4.期中レビュー業務は、種類、規模又は財務報告の複雑性の程度が異なる様々な企業の期中財

務諸表を対象に実施されることがある。

A5.期中レビュー業務は、様々な状況で実施される。例えば、契約の条件に基づいて行われる財務

報告や資金調達のために行われる財務報告について、レビュー業務が任意で要請されることもあ

る。

A6.期中レビュー業務の目的は監査基準に準拠して実施される年度の財務諸表監査の目的とは異

なる。期中レビューは、監査意見を表明するための基礎を提供するものではない。

A7.期中レビューは、監査とは異なり、期中財務諸表には重要な虚偽表示がないという合理的な

保証を得ることを目的とするものではない。期中レビューは主として財務及び会計に関する事

項に責任を有する者への質問、分析的手続及びその他の期中レビュー手続から構成されている。

期中レビューにより期中財務諸表に影響する重要な事項を識別する可能性はあるが、監査にお

いて必要となる全ての証拠を提供するものではない。

《2.本報告書の目的》(第 13 項参照)

A8.監査人は、以下のいずれにも該当する場合には、期中レビュー報告書において期中財務諸表

- 30 -

レ基報2

に対する結論を表明しないこととされている。

(1) 現実的な対応として、期中レビュー契約を解除できない場合

(2) 監査人が、十分かつ適切な証拠を入手できないために、期中財務諸表に対する結論を形成

できず、かつ未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが期中財務諸表に及ぼす可能性の

ある影響が、重要かつ広範であると監査人が判断する場合

A9.期中レビュー業務においては、以下を原因として、十分かつ適切な証拠を入手できない場合

がある(期中レビュー範囲の制約)。

(1) 企業の管理の及ばない状況

(2) 監査人の作業の種類又は実施時期に関する状況

(3) 経営者による期中レビュー範囲の制約

A10.本報告書は、監査人が、業務契約を締結する前又は業務の実施中に期中レビュー範囲の制約

に気付いた場合の要求事項と指針を提供している。

《3.定義》

《(1) 限定的保証-十分かつ適切な証拠という表現の利用》(第 15 項(6)参照)

A11.限定的保証業務における保証水準は、想定利用者が必要とする情報等を含む業務の状況に基

づいた職業的専門家としての判断による。

A12.十分かつ適切な証拠は、監査人の結論を裏付ける限定的保証を得るために必要である。証拠

の十分性とは、証拠の量的尺度をいい、必要とされる証拠の量は、重要な虚偽表示が生じる可

能性及び証拠の質によって影響を受ける。証拠の適切性とは、証拠の質的尺度をいい、結論の

表明の基礎となる証拠の適合性と証明力をいう。

証拠は、累積的な性質のものであり、主として期中レビュー業務の実施過程で実施した期中

レビュー手続から入手する。

《4.本報告書に準拠した期中レビュー業務の実施》(第 16 項参照)

A13.本報告書は、期中レビュー業務に関係する法令等に優先するものではない。法令等の規定が

本報告書と異なる場合において、法令等のみに準拠して実施された期中レビュー業務は、本報

告書に準拠したものにはならないことがある。

《5.経営者及び監査役等とのコミュニケーション》(第 44 項から第 47 項参照)

A14.本報告書に基づいて行われる監査役等とのコミュニケーションは、監査役等と期中レビュー

対象となる期中財務諸表との関係、特に、監査役等が当該期中財務諸表の作成を監視する責任

を有するかどうかを勘案して行われる。

A15.期中レビュー業務では、監査人は以下の方法により経営者及び監査役等とコミュニケーショ

ンを行う。

(1) 監査人が期中レビュー手続を実施する過程で行う質問

(2) 期中レビュー業務に関連した事項を理解し、効果的な連携をもたらすような関係を構築す

るための有効な双方向のコミュニケーション

- 31 -

レ基報2

A16.コミュニケーションの適切な時期は、個々の業務の状況によって様々であり、コミュニケー

ションを行う事項の重要性とその内容、並びに経営者及び監査役等が講じることが予想される

措置により影響を受ける。例えば、期中レビュー期間中に直面した困難な状況に対処するため

に経営者及び監査役等が監査人を支援できる場合には、速やかにコミュニケーションを行うこ

とが適切なことがある。

A17.国によっては、法令等により、監査人が一定の事項をガバナンスに責任を有する者にコミュ

ニケーションすることが制限されている場合がある。例えば、法令等により、違法行為又はそ

の疑いのある行為について、適切な機関による調査を害するおそれのあるコミュニケーション

やその他の行為の実施を明確に禁止していることがある。そのような監査人の守秘義務とコミ

ュニケーションの義務の間に複雑な対立がある状況においては、監査人は法律専門家に助言を

求めることを検討することがある。

A18.一組の要約財務諸表から構成される期中財務諸表は、完全な一組の年度の財務諸表に含まれ

る全ての情報を含んでいるとは限らないが、年度の報告書日以後の財政状態と経営成績の変化

を理解するための重要な事象や変化についての説明を提示する場合がある。これは、上場して

いる企業の場合のように、期中財務諸表の利用者が直近の監査済財務諸表を入手できることを

前提としている。そうでない状況では、監査人は、期中財務諸表は直近の監査済財務諸表と併

せて読むべきであるという記述を期中財務諸表にする必要性について経営者と協議する。こう

した記述がない場合、監査人は、直近の監査済財務諸表への言及がないという状況において期中

財務諸表の利用者の判断を誤らせるかどうか及び期中レビュー報告書に与える影響を検討する。

A19.監査役等への報告は、適時に行われる必要があり、口頭若しくは書面又は電磁的記録で行わ

れる。いずれの方法によるかは、内容、影響度や重要性等、又は報告の時期によっても異なる。

口頭で報告が行われる場合にも、監査人はその内容を記録する。

A20.どの階層の経営者に報告するかは、共謀の可能性や経営者の関与等にも留意して決定する必

要がある。監査人は監査役等に報告する必要性を検討するとともに、期中レビューに与える影

響を検討する。

《(1) 期中レビュー業務に関してコミュニケーションを行う事項》

A21.本報告書により経営者及び必要に応じて監査役等にコミュニケーションを行う事項には、以

下が含まれることがある。

・ 期中レビュー契約書又はその他の適切な形式による合意書に記載されている期中レビュー

業務における監査人の責任

・ 例えば以下のような期中レビュー業務上の重要な発見事項

会計方針、会計上の見積り及び財務諸表の開示を含む、企業の会計実務の質的側面のう

ち重要なものについての監査人の見解

- 実施した手続に基づく重要な発見事項。これには、監査人が本報告書に基づき追加的な

手続の実施が必要と判断した状況が含まれる。

監査人は、特定の取引又は事象に関連する事実と状況について監査役等に質問し、監査

役等の理解が監査人と同じであるという確認が必要になることがある。

- 32 -

レ基報2

- 除外事項付結論につながる可能性のある事項

- 期中レビュー業務期間中に直面した以下のような困難な状況

① 想定していた情報又は証拠が入手できないこと。

② 経営者が監査人に制約を課すこと。

これらの困難な状況は、経営者及び監査役等が対処しなかった場合には、期中レビュー

範囲の制約となり、除外事項付結論の表明又は期中レビュー契約の解除につながることが

ある。

A22.経営者は、ガバナンスに関する事項について監査役等から報告を求められることがある。経

営者による報告は、監査人が監査役等とのコミュニケーションを行うかどうかの判断には影響

を与えないが、コミュニケーションの方法や時期に影響を与えることがある。

《(2) 第三者への提示》

A23.監査役等は、監査人からのコミュニケーションのための文書の写しを、例えば、銀行や規制

当局等の第三者に提示しようとする場合があるが、第三者への提示は、不適切となるか又は制

限されていることがある。

監査役等とのコミュニケーションのために作成した文書が第三者に提示される場合、監査人

は、例えば、当該文書に以下の事項を記載することにより、それが第三者を念頭に置いて作成

されていないことを当該第三者に知らせることが重要である。

(1) 書面又は電磁的記録によるコミュニケーションは、監査役等及び該当する場合にはグルー

プ経営者とグループ監査チームによる利用のみのために作成されており、第三者が依拠すべ

きものではないこと。

(2) 監査人は第三者に対して何ら責任を負わないこと。

(3) 第三者への提示又は配布は制限されていること。

《6.期中レビュー業務の実施》

《(1) 期中レビュー業務における重要性》(第 48 項参照)

A24.期中財務諸表の作成と表示における重要性の概念については、一般的には、以下のように考

えられている。

・ 脱漏を含む虚偽表示は、個別に又は集計すると、当該期中財務諸表の利用者の経済的意思

決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

・ 重要性の判断は、それぞれの状況を考慮して行われ、虚偽表示の金額又は内容による影響

を受ける。

・ ある事項に関する重要性の判断は、期中財務諸表の一般的な利用者が有する財務情報に対

する共通のニーズを勘案して行われる。財務情報の利用者には様々なニーズがあるものの、

ごく限られた特定の利用者にしか影響を及ぼさないであろう事項に関する虚偽表示は考慮さ

れない。

A25.適用される財務報告の枠組みにおいて重要性の概念が説明されている場合には、監査人が期

中レビュー業務の重要性の基準値を決定する際に参考となる。説明がされていない場合には、

- 33 -

レ基報2

A68 項に記載された一般的な説明が参考となる。

A26.監査人の重要性の決定は、職業的専門家としての判断事項であり、想定される期中財務諸表

の利用者が有する財務情報に対するニーズについての監査人の認識によって影響を受ける。

監査人は、通常、期中財務諸表の利用者として以下を想定している。

・ 事業活動、経済活動及び会計に関する合理的な知識を有し、真摯に期中財務諸表上の情報

を検討する意思を有している。

・ 期中財務諸表が重要性を考慮して作成、表示及び期中レビューされることを理解している。

・ 見積り、判断及び将来事象の考慮に基づく金額の測定には、不確実性が伴うものであるこ

とを認識している。

・ 期中財務諸表上の情報に基づいて合理的な経済的意思決定を行う。

特別目的の期中財務諸表の期中レビュー業務の場合、このような重要性の判断は、想定され

る期中財務諸表の利用者の財務情報に対するニーズを勘案して行われることになる。

A27.期中財務諸表全体において何が重要であるかに関する監査人の判断は、提供する保証水準が

合理的保証であるか限定的保証であるかにかかわらず、同一である。

A28.期中財務諸表が利用される状況には様々なケースがあることから、期中レビュー業務におけ

る重要性の決定は、年度の財務諸表のレビュー業務よりも複雑となる場合がある。期中財務諸

表が単独で利用される場合は、期中レビュー業務における重要性の基準値は、対象とする期中

財務諸表の数値を用いて決定する。一方、期中財務諸表が年度の財務諸表との関連で利用され

ている場合には、年度の財務諸表の数値を用いて期中レビュー業務における重要性を決定する

ことが適切な場合がある。

《① 期中レビュー業務の進捗に伴う改訂》(第 49 項参照)

A29.監査人が決定した重要性の基準値は、以下のような事項の結果として、期中レビュー業務の

実施過程において改訂が必要になることがある。

・ 期中レビュー業務の実施過程において生じた状況の変化(例えば、企業の主要な事業を処

分する決定など)

・ 新たな情報又は本報告書に準拠した期中レビュー手続を実施した結果更新された企業及び

企業環境に関する監査人の理解(例えば、期中レビュー業務の実施過程において、企業の実

績が、重要性の基準値を当初決定する際に利用した期末の業績予測と大幅に乖離する可能性

が高まった場合など)

《(2) 内部統制を含む、企業及び企業環境の理解》(第 50 項から第 52 項参照)

A30.監査基準報告書 315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」で求められているように、財務

諸表を1年又はそれ以上の年度にわたり監査している監査人は、年度財務諸表の作成に係る内

部統制を含む、企業及び企業環境を監査の実施のために十分な程度に理解している。期中レビ

ューの計画に際し、監査人はこの理解を更新する。監査人はまた、期中財務諸表の作成に係る

内部統制は、年度財務諸表に係る内部統制とは異なる可能性があるため、当該内部統制を十分

に把握し理解する。

- 34 -

レ基報2

A31.監査人は、内部統制を含む、企業及び企業環境の理解を活用して質問、分析的手続及びその

他の期中レビュー手続を決定し、質問の対象又は分析的手続及びその他の期中レビュー手続の

実施対象となる特定の事象、取引若しくはアサーションを識別する。

A32.内部統制を含む、企業及び企業環境の理解を更新するために監査人が実施する手続には、通

常以下が含まれる(第 48 項参照)。

・ 当期の期中財務諸表に影響する可能性のある事項を監査人が識別できるように、必要な範

囲で、前年度の監査に関する監査調書並びに当年度の期中会計期間及びそれに対応する前年

度の期中会計期間の期中レビューに関する期中レビュー調書を閲覧する。

・ 前年度の財務諸表監査において識別された、経営者による内部統制の無効化のリスクを含

む特別な検討を必要とするリスクを考慮する。

・ 直近の年度の財務諸表及び比較可能な前期の期中財務諸表を通読する。

・ 実施すべき手続の内容と範囲を決定し、虚偽表示を評価するのに役立つように、期中財務

諸表に適用される財務報告の枠組みを参照して、重要性の基準値を検討する。この重要性の

基準値の決定に当たっては、期中レビューが年度の監査を前提として実施されるものである

ため、年度の監査に係る重要性の基準値を上限とする。

・ 前年度の財務諸表について、修正された重要な虚偽表示及び識別されたが未修正の重要で

ない虚偽表示の内容を検討する。

・ 内部統制の重要な不備など、継続的に重要となる可能性のある重要な会計及び開示上の事

項を検討する。

・ 当年度の財務諸表に関して実施された監査手続の結果を検討する。

・ 内部監査の結果及びそれに対する経営者の対応を検討する。

・ 不正により期中財務諸表に重要な虚偽表示が発生する可能性に関し、経営者に評価結果を

質問する。

・ 企業の事業活動の変化による影響に関して経営者に質問する。

・ 内部統制の重要な変更及びその変更が期中財務諸表に与える潜在的な影響に関して経営者

に質問する。

・ 期中財務諸表の作成プロセス、及び期中財務諸表と一致又は調整後に一致し作成の基礎と

なる会計記録の信頼性について経営者に質問する。

A33.監査人は、必要に応じて期中レビュー手続を構成単位ごとに立案し、期中レビューを依頼す

る構成単位の監査人に伝達する場合がある。検討すべき要因には、構成単位の期中財務諸表に

おける重要性及び虚偽表示リスク並びに財務諸表の作成に係る内部統制が集中化又は分散化さ

れている程度に関する監査人の理解が含まれる。

A34.過去において年度財務諸表に関する監査を実施していない監査人は、本報告書に準拠して期

中レビューを実施するに当たり、内部統制を含む、企業及び企業環境の理解をすることにより、

質問、分析的手続及びその他の期中レビュー手続の実施に重点を置くことが可能になる。監査

人は、これらを理解する一環として、通常、前任者に質問を行い、実務的に可能である場合に

は、前年度の監査及び前任者が実施した当年度の期中レビューの調書を査閲する。その際、監

査人は、修正された重要な虚偽表示及び前任者が集計した未修正の虚偽表示の内容、経営者に

- 35 -

レ基報2

よる内部統制の無効化のリスクを含む特別な検討を必要とするリスク、内部統制の重要な不備

などの継続的に重要となる可能性のある重要な会計及び開示上の事項を検討する。

《(3) 手続の立案及び実施》(第 53 項参照)

A35.監査人が、全体としての期中財務諸表に対する結論の基礎として十分かつ適切な証拠を得る

ために必要であると考えて計画する手続の種類、時期及び範囲は、以下の事項によって影響を

受ける。

(1) 本報告書の要求事項

(2) 適用される法令等が要求する追加の報告責任

A36.期中レビューにおいては、通常、実査、観察又は確認による会計記録の検証は求められてい

ない。期中レビューにおいて実施する手続は、通常、財務及び会計に関する事項に責任を有す

る者への質問、分析的手続及びその他の期中レビュー手続に限定されており、期中財務諸表に

関連する重要な会計上の問題に関して入手した情報を裏付ける関連情報を入手することは要求

されていない。内部統制を含む、企業及び企業環境に関する監査人の理解、前年度の監査に関

するリスク評価、及び重要性に関する監査人の検討は、期中財務諸表にも関係するため、行う

べき質問と適用すべき分析的手続及びその他の期中レビュー手続の内容及び範囲に影響する。

A37.監査人がグループ期中財務諸表の期中レビューを行う場合は、実施する手続の種類、時期及

び範囲は、グループ期中財務諸表レベルで本報告書に記載された期中レビューの目的が達成さ

れるように計画される。

A38.質問及び分析的手続並びに特定の状況に対応する手続の立案と実施に関連する本報告書の要

求事項は、監査人が本報告書に明記された目的を達成できるように設定されている。

期中レビュー業務は様々な状況で実施されるため、監査人が、その他の手続の立案と実施が

効果的又は効率的であると判断することがある。例えば、監査人は、企業を理解する過程で重

要な契約に気付いた場合には、当該契約書の通読を実施することがある。

A39.監査人がその他の手続の実施が必要であると考えたとしても、全体としての期中財務諸表に

関して限定的保証を得るという監査人の目的は変わるものではない。

《① 重要な又は通例でない取引》

A40.監査人は、期中レビュー業務で特に留意を必要とする、重要な又は通例でない取引を識別す

るために、会計記録の閲覧の実施を検討することがある。

《② 質問》(第 51 項、第 53 項及び第 54 項参照)

A41.期中レビュー業務において、質問は、監査人がその状況において適切と考える場合、経営者

及びその他の企業構成員に情報を求める手続を含んでいる。監査人は、適切な場合には、質問

を非財務データの入手にまで広げることがある。経営者の回答を評価することは、質問のプロ

セスにおいて不可欠である。

A42.質問は、個々の業務の状況に応じて、以下に関する質問を含むことがある。

・ 期中財務諸表に含まれる情報と開示に影響を及ぼす、株主総会、取締役会及び監査役等の

- 36 -

レ基報2

決議と、該当する場合にはその他の会議の議事録

・ 既に実施した又は実施が予定されている規制当局とのコミュニケーション

・ その他の期中レビュー手続の実施過程で生じている事項

監査人は、識別した矛盾に関する追加の質問を実施する際に、その他の期中レビュー手続

の結果と、企業及び企業が属する産業の知識と理解を踏まえ、経営者の回答の合理性と整合

性を考慮する。

A43.質問を通じて入手した証拠は、経営者の意思に関する証拠の主要な情報源となることが多い。

一方、経営者の意思を裏付ける利用可能な情報は限られていることがある。このような場合、

経営者がその意思を実行に移した過去の実績、特定の行動方針の選択に関して経営者が説明し

た理由、及び特定の行動方針を遂行するための経営者の能力を理解することにより、質問によ

り入手した証拠を裏付ける関連情報を入手できることがある。

経営者の回答の評価における職業的専門家としての懐疑心の保持は、監査人が期中財務諸表

に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項があるかどうかを評価する上で重

要である。

A44.質問の実施は、監査人が企業及び企業環境を理解し又はそれを更新する際に有用である。こ

れにより、重要な虚偽表示が生じる可能性の高い期中財務諸表の領域を識別することができる。

A45.監査人は、不正を含む、企業の違法行為について、法令や職業倫理に関する規定による追加

の責任を有することがある。例えば、倫理規則では、以下の要求事項が定められている。

(1) 違法行為又はその疑いに対処すること。これには以下を含む。

・ 経営者や監査役等との当該事項についてのコミュニケーション

・ 追加的な対応が必要かどうかの検討

(2) 違法行為又はその疑いを監査人(例えば、グループ監査責任者)に伝達すること(倫理規

則 R360.31 項から第 360.35 A1 項参照)。

(3) 違法行為又はその疑いについて文書化すること。

これらの追加の責任を遵守することによって、監査人は、本報告書に準拠した業務に関連す

る詳細な情報(例えば、経営者や監査役等の誠実性に関する情報)を入手することがある。

《③ 分析的手続》(第 51 項、第 53 項及び第 55 項参照)

A46.期中レビュー業務においては、分析的手続の実施は、以下の事項に関して有用である。

・ 重要な虚偽表示が生じる可能性が高い期中財務諸表の領域を識別可能にすることを含む、

監査人による企業及び企業環境の理解又はその更新

・ 期中財務諸表において、想定される傾向、推定値又は一般的な状況との不整合又は不一致

の識別(例えば、期中財務諸表と主要な業績評価指標を含む主要データとの整合性の程度)

・ 既に実施したその他の質問又はその他の分析的手続を補強する証拠の提供

・ 監査人が期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付

いた場合の追加的な手続。

これには、例えば、期中財務諸表の表示科目又は開示に含まれる財務情報に関する証拠を入

手するために実施する、事業部、支店又は他の構成単位との間の、月次収益と月次原価の比較

- 37 -

レ基報2

分析がある。

A47.多様な手法が分析的手続を実施するために利用される。これらの手法は、単純な比較の実施

から統計的手法を用いた複雑な分析の実施まで多岐にわたる。

監査人は、例えば、財務データ相互間又は財務データ以外のデータと財務データとの間に存

在すると推定される関係を分析すること、並びに、異常な、又は想定される傾向や推定値と異

なる関係及び個別項目を識別する観点から推定値との整合性を評価することによって、期中財

務諸表の基礎となる財務情報を評価するために、分析的手続を適用することがある。

監査人は、計上された金額又は当該金額から算定された比率と、関連する情報源から入手し

た情報から監査人が算定した推定値とを比較する。個々の業務の状況に応じて、監査人が推定

値を算定するため用いることが多い情報の情報源には、例えば以下が含まれる。

・ 既知の変化を考慮に入れた、比較可能な過年度の財務情報

・ 予測された営業及び財務成績に関する情報、例えば、予算や見込み(期中又は年次のデー

タに基づく推定を含む。)

・ 期中における財務情報の要素間の関係

・ 企業が属する業界の情報(例えば、売上総利益の情報、又は企業の売掛金回転率について

の業界平均や同程度の規模の同業他社との比較)

・ 財務情報と、関連する非財務情報との関係(例えば、給与と従業員数)

A48.監査人は、企業及び企業環境の理解に基づいて、分析的手続に利用されるデータが、当該手

続の目的のために適切かどうかを考慮する。これは、データの性質及び情報源、並びにデータ

を入手する状況によって影響を受ける。以下の考慮事項が関連することがある。

・ 利用可能な情報の情報源

例えば、情報は、企業外部の独立した情報源から入手される場合、より信頼できることが

ある。

・ 利用可能な情報の比較可能性

例えば、市場に関する一般的なデータは、特定領域の製品を生産して販売する企業のデー

タと比較できるようにするため、調整が必要となることがある。

・ 利用可能な情報の性質及び目的適合性

例えば、予算が達成すべき目標ではなく予想される結果として策定されているかどうか。

・ 情報の作成に関する知識と経験、並びに、網羅性、正確性及び正当性を確保するように整

備された関連する内部統制

例えば、予算情報の編成、実績との比較検討及び見直しについての内部統制

《④ 初年度期中レビュー業務の期首残高》(第 53 項参照)

A49.初年度期中レビュー業務の場合、監査人は、期首残高に関して以下を目的として質問及び分

析的手続を行うことになる。通常は、期中財務諸表に対する質問及び分析的手続の一環として

行うことが多い。

(1) 期首残高に当年度の期中財務諸表に重要な影響を及ぼす虚偽表示が含まれているかどうか。

(2) 期首残高に適用した適切な会計方針が当年度の期中財務諸表に継続して適用されているか

- 38 -

レ基報2

どうか、又は会計方針の変更が適用される財務報告の枠組みに準拠して適切に処理され、そ

の表示及び開示が妥当かどうか。

A50.前年度の財務諸表が前任者によって監査されており、前任者の監査意見が除外事項付意見の

場合(又は前年度の期中財務諸表が前任者によって期中レビューされており、前任者の結論が

除外事項付結論の場合)、監査人は、通常、本報告書の第 50 項及び第 51 項に従って当年度の重

要な虚偽表示が生じる可能性の高い財務諸表(又は期中財務諸表)の領域を識別する際、除外

事項付意見(又は除外事項付結論)の原因となった事項の及ぼす影響を考慮する。

《⑤ 特定の状況に対する手続》

《ア.継続企業の前提に関する評価》(第 58 項参照)

A51.継続企業の前提の下では、企業は予測し得る将来にわたって事業を継続することが想定され

ている。一般目的の期中財務諸表は、経営者に当該企業の清算若しくは事業停止の意図がある

か、又はそれ以外に現実的な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき作成される。

特別目的の期中財務諸表は、継続企業の前提が関連する財務報告の枠組みに準拠して作成され

ることもあれば、そうでない場合もある(例えば、一部の国においては、税務目的で作成され

た期中財務諸表には継続企業の前提が必ずしも関係しないこともある。)。継続企業の前提に基

づくことが適切な場合、企業の資産及び負債は、通常の事業活動において回収又は返済できる

ものとして計上されている。

A52.継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は、前事業年度末において既

に存在している場合や、経営者への質問若しくは他の期中レビュー手続の結果、識別される場

合もある。これらの事象又は状況を識別した場合には、監査人は、資産の流動化、借入、債務

の見直し、支出の削減又は延期、増資などの行動計画について経営者に質問する。また、監査

人は経営者の対応策の実行可能性、及びこれらの対応策が状況を改善するものであるかどうか

について経営者に質問する。しかしながら、経営者の対応策の実行可能性やこれらの対応策が

状況を改善するものであるかどうかの裏付けとなる情報を入手することは、通常、監査人には

要求されない。

《イ.構成単位の監査人の利用》(第 63 項参照)

A53.監査人がグループ期中レビュー業務を行う場合は、期中レビュー業務において実施する手続

の種類、時期及び範囲は、グループ期中財務諸表レベルで本報告書に記載された期中レビュー

業務の目的が達成されるように計画される。

《(4) 期中財務諸表と基礎となる会計記録との調整》(第 64 項参照)

A54.監査人は、期中財務諸表を以下の資料と照合することで、期中財務諸表がその基礎となる会

計記録と一致するか又は当該記録との調整の証拠を入手する。

(1) 総勘定元帳などの関連する会計記録

(2) 基礎となる会計記録(例えば、試算表など)と期中財務諸表金額の一致又は調整の記録若

しくは明細表

- 39 -

レ基報2

《(5) 追加的な手続の実施》(第 65 項参照)

A55.監査人が、期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に気付

いた場合には、本報告書に従って追加的な手続が要求される。

A56.期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に関して実施する

追加的な手続は、状況に応じて様々であり、監査人の職業的専門家としての判断に係る事項で

ある。

A57.追加的な手続によって、重要な虚偽表示の可能性は高くないと結論付けるか、それとも重要

な虚偽表示が存在すると判断するための証拠の入手が求められる。追加的な手続の種類、時期

及び範囲に関する監査人の判断は、以下が指針となる。

・ 監査人が既に実施した手続の結果に関する評価から得られた情報

・ 期中レビュー業務の実施過程全体にわたって得られた企業及び企業環境に関する監査人の

最新の理解

・ 期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項に対処するため

必要となる、証拠により形成される心証の程度に関する監査人の見解

A58.追加的な手続は、期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認められる事項

に関して、監査人が結論を形成できるようにするための、十分かつ適切な証拠の入手に重点を

置く。追加的な手続は、以下が含まれる。

・ 追加の質問又は分析的手続

例えば、より詳細に実施したり、影響を受けた勘定や取引の金額又は開示に重点を置いて、

質問又は分析的手続を実施する。

・ その他の種類の手続

A59.以下は、追加的な手続の必要性の評価及び追加的な手続が必要であると認められる場合の対

応例を示している。

・ 期中レビュー業務における質問及び分析的手続の実施過程で、売掛金に関する分析の結果、

重要な金額の滞留売掛金について、貸倒引当金が設定されていないことが判明した。

・ その結果、期中財務諸表上の売掛金残高に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認め

られるため、監査人は、貸倒引当金の設定の必要がある回収不能の売掛金の有無について、

経営者に質問を行う。

・ 経営者の回答に応じて、当該回答に関する監査人の評価は、以下となることがある。

(1) 売掛金残高に重要な虚偽表示が存在する可能性が高くないと監査人が結論付けることが

できる。この場合、これ以上の追加的な手続は必要ない。

(2) 当該事項により、期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在すると監査人が判断できる。

これ以上の追加的な手続は必要なく、監査人は、全体としての期中財務諸表に重要な虚

偽表示があるという結論を形成する。

(3) 売掛金残高に実際に虚偽表示が存在すると監査人が判断する十分かつ適切な証拠はない

が、依然として監査人は売掛金残高に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認めてい

る。この場合、追加的な手続の実施が必要である。例えば、回収不能の売掛金を識別する

- 40 -

レ基報2

ために、貸借対照表日後に当該勘定に対して受領した金額の分析を経営者に要請する。追

加的な手続の結果を評価することで、監査人は上記の(1)又は(2)の状態になり得ることが

ある。そうでない場合、監査人は、以下のいずれかが求められる。

① 監査人が上記の(1)か(2)に到達するまで、追加的な手続の実施を継続する。

② 監査人が、当該事項により全体としての期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可

能性が高くないと結論付けるか、それとも当該事項により全体としての期中財務諸表に

重要な虚偽表示があると判断することができなかった場合は、期中レビュー範囲の制約

が存在し、監査人は、期中財務諸表に対する無限定の結論を形成できない。

《(6) 虚偽表示の評価》(第 68 項参照)

A60.第 68 項に記載のとおり虚偽表示の評価を行うのは、期中レビューは、監査業務とは異なり、

期中財務諸表には重要な虚偽表示がないという合理的な保証を得ることを目的とするものでな

いものの、虚偽表示に気が付いたが修正されない場合に、期中財務諸表が、適用される財務報

告の枠組みに準拠して、適正に表示されていない(準拠性の枠組みの場合は、作成されていな

い)と信じさせる事項が、全ての重要な点において認められなかったどうかについて判断する

ためである。

A61.監査人は、虚偽表示が修正されない場合は、職業的専門家として当該未修正の虚偽表示の重

要性について評価する。監査人は、虚偽表示の内容、原因及び金額、その虚偽表示が過年度又

は当年度の期中のいずれの期間に発生したものか並びにその虚偽表示が将来の期中財務諸表又

は年度の財務諸表に与える潜在的な影響などの事項を検討する。

A62.監査人は、期中財務諸表情報に重要な影響を与えないことが明らかであると想定されるため

集計する必要がないと判断する虚偽表示の金額を定める場合がある。その際、監査人は、重要

性の基準値の決定には金額的及び質的な検討を伴うとともに、ごく少額の虚偽表示であっても

期中財務諸表に重要な影響を与える場合があることを考慮する。

《(7) その他の記載内容に関連する監査人の責任》(第 69 項から第 74 項参照)

A63.経営者が期中財務諸表よりも財務的な業績をよく見せる利益の業績評価指標に言及している

場合があるが、こうした業績評価指標は、過度に強調されていたり、明確に定義されず期中財

務諸表との間の調整内容が曖昧であることがあるため、利用者に誤解を生じさせる可能性がある。

A64.監査人は、経営者と協議するに際し、その他の記載内容及び監査人の質問に対する経営者の

回答の妥当性、判断又は意見の相違が合理的であるか、並びに明らかな事実の虚偽記載を解決

するために、適切な資格のある第三者(例えば、経営者の利用する専門家又は顧問弁護士)と

相談するように経営者に依頼するかどうかを検討する。

A65.第 74 項の適切な措置には、法律専門家に助言を求めることが含まれる。

《7.経営者確認書》(第 77 項から第 82 項参照)

A66.経営者確認書は期中レビュー業務における証拠の重要な情報源となることから、監査人が要

請した確認事項に経営者が変更を加える、又は経営者からの確認が得られない場合、一つ又は

- 41 -

レ基報2

複数の重要な問題が存在する可能性があることに対して監査人の注意を喚起することがある。

また、口頭ではなく書面又は電磁的記録による陳述を要請することによって、多くの場合、当

該事項をより厳密に検討することを経営者に促すことになり、結果として陳述の質が高まる。

A67.監査人は、本報告書で要求される確認事項に加えて、期中財務諸表に関するその他の確認事

項を要請することが必要と判断することがある。例えば、監査人が、期中財務諸表に対する結

論(無限定か又は除外事項付かを問わない。)を形成する際に、期中財務諸表に含まれる一定の

項目又は開示に関する十分な証拠を入手するために、経営者確認書において確認することが重

要と考える場合である。

なお、その他の確認事項には、例えば、以下に関する陳述が含まれる。

会計方針の選択及び適用が適切であるかどうか。

・ 以下の事項が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して認識、測定、表示又

は開示されているかどうか。

- 資産及び負債の帳簿価額又は分類に影響を及ぼす可能性のある経営計画又は経営者の意思

- 負債(偶発債務を含む。)

- 資産の所有権又は支配、資産に対する制約及び担保に供されている資産

- 期中財務諸表に影響を及ぼす可能性のある法令及び契約上の合意事項(違法行為、契約

不履行を含む。)

・ 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を識別した場合、経営者の

対応策及び当該対応策の実行可能性

・ 財務諸表(期中財務諸表を含む。)の作成に係る内部統制の不備に関して、経営者が気付

いた全ての事項を監査人に伝達した旨

A68.経営者は、経営者確認書に、経営者が知り得る限りにおいて確認したという旨の記述を含め

ることがある。監査人は、経営者確認書に含まれる事項についての適切な責任と知識を有する

者によって陳述が行われているという心証を得ている場合、そのような文言を受け入れるのは

合理的である。

A69.経営者確認書は必要な証拠である。したがって、経営者確認書の日付より前に結論を表明す

ることはできず、その結果、期中レビュー報告書日を経営者確認書の日付より前にすることは

できない。さらに、監査人は、期中レビュー報告書日までに発生した期中財務諸表の修正又は

期中財務諸表での開示を要する可能性のある事象を考慮するため、経営者確認書の日付は、通

常、期中レビュー報告書の日付とする。

A70.監査人は企業の事業又は産業に特有の事項に関連する、適切なその他の確認事項が含まれた

経営者確認書を入手する。経営者確認書の記載例は本報告書の付録1に示している。

《8.実施した手続から入手した証拠の評価》(第 83 項から第 85 項参照)

A71.監査人は、主な手続である質問及び分析的手続と特定の状況に対応する手続から入手予定で

あった証拠を入手できないことがある。このような場合、監査人は、実施した手続から入手し

た証拠は期中財務諸表に対する結論を形成するには十分かつ適切ではないと考え、以下を行う

ことがある。

- 42 -

レ基報2

・ 実施する作業を拡大する。

・ 状況に照らして監査人が必要と判断する他の手続を実施する。

上記の方法がいずれも実務的でない場合、監査人は、結論を形成できる十分かつ適切な証拠

を入手することができない。この場合、監査人は、本報告書に準拠して、結論への影響の検討

を行うか、又は、期中レビュー業務の実施時に重要な事項に関する監査人の質問に対する経営

者の回答が入手できないような場合には、期中レビュー業務の継続の検討を行う。

このような状況は、監査人が、期中財務諸表に重要な虚偽表示が存在する可能性が高いと認

められる事項に気付いている場合(第 65 項参照)以外においても、生じることがある。

《(1) 期中レビュー範囲の制約》

A72.監査人が特定の手続を実施できない場合においても、その他の手続の実施により十分かつ適

切な証拠を入手できる場合には、期中レビュー範囲の制約とはならない。

A73.経営者による期中レビュー範囲の制約により、例えば、重要な虚偽表示が生じる可能性の高

い期中財務諸表の領域や期中レビュー契約の更新についての検討など、ほかに検討すべき事項

が生じる場合がある。

《9.期中財務諸表に対する監査人の結論の形成と報告》

《(1) 期中レビュー報告書》

《① 全般的事項》(第 90 項参照)

A74.適用される財務報告の枠組みが国際会計基準審議会が公表する国際会計基準ではないときに

は、財務報告の枠組みを設定している国を特定する。

A75.国によっては、法令等により、監査人の結論に記載の要求事項とは異なる監査人の結論に関

する記載方法を定めている場合がある。法令等により定められた記載をする場合であっても、

本報告書に記載された監査人の結論に至る責任が変わるものではない。

A76.監査事務所の所在地については、我が国の場合、監査事務所の所在地として、例えば、監査

責任者が執務する事業所の都市名又は登記されている事業所名を記載する(監基報 700 の A66-

2JP 項参照)。

《ア.準拠性の枠組みが利用される場合の考慮事項》(第 86 項参照)

A77.本報告書に基づき、監査人が、期中レビュー業務の新規契約の締結時に準拠性の枠組みが受

入可能であると判断した場合には、当該準拠性の枠組みに準拠して作成された財務諸表が利用

者に誤解を与えると業務実施者が判断することは極めてまれである。

《イ.監査人の責任》(第 100 項参照)

A78.上場企業の場合に適用される監査人の独立性に関するコミュニケーションについての要求事

項は、その他の企業、特に、事業内容、事業規模又は事業体の属性により利害関係者が広範囲

に及ぶため、社会的影響度が高い事業体にも適用される場合がある。上場企業ではないが、監

査人の独立性に関するコミュニケーションが適切となることがある企業の例示としては、金融

- 43 -

機関及び保険会社等を挙げることができる(監査基準報告書 260「監査役等とのコミュニケーシ

レ基報2

ョン」の A32 項参照)。

《② 除外事項付結論》

《ア.結論に関する除外》(第 104 項参照)

A79.第 104 項の影響の記載について、「可能であれば記載しなければならない」とされているの

は、期中レビュー手続が質問、分析的手続その他の期中レビュー手続に限定されていること、

及び適時性の要請による時間的制約に鑑み、場合によっては、影響の算出が困難な場合がある

ことが想定されるための配慮であるものと考えられる。

《イ.否定的結論》(第 105 項参照)

A80.第 105 項で規定する否定的結論を表明する場合には、「否定的結論」の区分において、当該

不適切な事項の期中財務諸表に与える影響の重要性に鑑み、期中財務諸表は適正に表示してい

ない(準拠性の枠組みの場合は、作成していない)と信じさせる事項が認められた旨を記載し、

また、「否定的結論の根拠」の区分において、否定的結論の理由を記載する。当該理由には、除

外した不適切な事項に加え、もし影響額の算定が可能である場合においては、当該事項が期中

財務諸表に与えている影響の記載が含まれることに留意する。当該事項が期中財務諸表に与え

ている影響の記載については、期中レビューの性格、適時性の要請による時間的制約を考慮し、

算定が可能である場合のみ記載を求めることとした。

《③ 期中レビュー範囲の制約》

A81.期中レビュー範囲の制約は、通常、監査人が期中レビューを完了する妨げとなる(第 106 項

参照)。

A82.監査人は、監査範囲の制約により、直近の年度の財務諸表監査に限定付適正意見を表明して

いる場合がある。監査人は、範囲の制約が存在しているかどうか、存在している場合にはそれ

が期中レビュー報告書に与える影響を検討する(第 113 項参照)。

《④ 継続企業の前提》(第 117 項から第 121 項参照)

A83.第 117 項の記載は、具体的に対応策が提示されていない期間が生じている場合に重要な不確

実性が認められる場合もあることから、重要な不確実性が認められる理由において記載される

ことになると考えられる。

A84.「期中レビュー基準」には、監査基準及び中間監査基準の報告基準における継続企業の前提

の項に規定されている「意見の不表明」に相当する規定は置かれていない。これについては、

「四半期レビュー基準の改訂に関する意見書 四半期レビュー基準の改訂について」(2009 年6

月 30 日 企業会計審議会)二 2に記載されているとおり、理論的には、経営者が評価及び対

応策を示さないときには、監査人は、重要な期中レビュー手続を実施できなかったとして結論

の表明ができない場合があり得るが、質問及び分析的手続等を基本とする限定された期中レビ

ュー手続に基づく消極的形式による結論の表明であること、及び開示の要否や注記の根拠とな

- 44 -

レ基報2

る証拠資料及び対応策の合理性等に関する証拠資料を入手する必要がないこと等を踏まえ、結

論の不表明となる場合が非常に限定されることになるということを示していると考えられる。

したがって、通常は、期中財務諸表に経営者の対応策及び具体的に対応策が提示されていない

期間についての経営者の評価内容等が、重要な不確実性を反映し適切に注記される場合には、

期中レビュー報告書に継続企業の前提に関する事項を記載し、無限定の結論が表明されること

となる。

A85.継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関する重要な不確実性につ

いて、過去の監査又は期中レビュー報告書に「継続企業の前提に関する重要な不確実性」区分

を設けて記載している場合がある。重要な不確実性が引き続き認められ、期中財務諸表におけ

る注記が適切な場合、監査人は引き続き「継続企業の前提に関する重要な不確実性」区分を設

けて継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関する重要な不確実性に

ついて当期中財務諸表に係る期中レビュー報告書に記載する。

《⑤ 追記情報》(第 122 項から第 126 項参照)

A86.特別目的の期中財務諸表は、想定されていない目的に利用されることがある。例えば、規制

当局は、特定の企業に対して、特別目的の期中財務諸表を公表することを要求することがある。

監査人は、想定されていない利用者の誤解を避けるため、期中財務諸表が特別目的の財務報告

の枠組みに準拠して作成されており、したがって、他の目的には適合しないことがある旨を期

中レビュー報告書に記載し、その利用者に対する注意を喚起することが重要である。さらに、

一般目的の財務報告の枠組み(例えば、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計

の基準)と異なる旨を記載する場合もある。

A87.一般目的の期中財務諸表が、特定の利用者の財務情報に対するニーズを満たすと特定の利用

者が判断する場合には、一般目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された期中財務諸表が特

定の目的に利用される場合がある。この場合の期中レビュー報告書は特定の利用者を想定して

いるため、監査人は、その他の事項区分を設け、期中レビュー報告書は特定の利用者のみを対

象としており、当該期中レビュー報告書が特定の利用者以外に配布又は利用されてはならない

旨を記載する必要があると判断することがある。

《⑥ その他の報告責任》(第 127 項参照)

A88.国によっては、監査人は、本報告書における監査人の報告責任に加え、その他の事項につい

て報告責任を有する場合がある。例えば、監査人は、期中レビュー業務の実施中に特定の事項

に気付いた場合、当該事項を報告することが求められている場合がある。また、監査人は、特

定の事項(会計帳簿と会計記録の適切性など)について追加的に特定の手続を実施し報告する

ことが求められていたり、結論を表明することが求められていたりすることがある。

特定の国における期中レビュー業務の基準は、その国における特定の追加的な報告責任に関

する監査人の責任に関する指針を提供していることがある。

A89.関連する法令等により、これらのその他の報告責任について、期中レビュー報告書の中で報

告することを監査人に要求又は容認していることもあれば、別の報告書で報告することを要求

- 45 -

レ基報2

又は容認していることもある。

A90.これらのその他の報告責任は、本報告書に基づく期中財務諸表に対する監査人の報告責任か

ら明確に区分するため、期中レビュー報告書において別個の区分を設けて記載する。この区分

には、その他の報告責任の区分の内容を示す見出しを付すことがある。国によっては、追加の

報告責任は、期中レビュー業務における期中レビュー報告書とは別の報告書において記載され

ることがある。

《⑦ 期中レビュー報告書日》(第 128 項参照)

A91.期中レビュー報告書日は、監査人がその日付までに気付き、かつその日付までに発生した事

象や取引の影響を検討したことを、利用者に知らせるものである。

A92.監査人の結論は期中財務諸表を対象としており、期中財務諸表に対する責任は経営者にある。

監査人は、関連する注記を含む全ての期中財務諸表が作成され、認められた権限を持つ者が、

当該期中財務諸表に対して責任を受け入れたという証拠を入手するまでは、十分かつ適切な証

拠を入手したと判断することはできない。

A93.国によっては、法令等によって、関連する注記を含む全ての期中財務諸表が作成されたと判

断する責任を有する個人又は機関(例えば、取締役)が定められ、必要な承認プロセスが規定

されている場合がある。その場合、当該承認に関する証拠を、期中レビュー報告書日以前の日

付において入手することになり、当該日付が期中財務諸表の承認日となる。

一方、承認プロセスが法令等によって規定されていない国もある。その場合、監査人は、関

連する注記を含む全ての期中財務諸表が作成されたと判断する権限を有する特定の個人又は機

関を識別するため、企業の経営と統治の構造を考慮して、企業が期中財務諸表の作成及び確定

に当たって従う手続を検討することになる。

A94.我が国では、株主総会又は取締役会による期中財務諸表の最終承認が要求されていることが

あるが、そのような最終承認は、監査人が期中財務諸表に対する結論を表明するために必要な

ものではない。本報告書においては、期中財務諸表の承認日は、経営者確認書において、認め

られた権限を持つ者が、関連する注記を含む全ての期中財務諸表が作成されたと判断し、当該

期中財務諸表に対して責任を認めた日付をいう。

《⑧ 法令等により期中レビュー報告書の様式又は用語が規定されている場合》(第 36 項、第 37

項及び第 90 項参照)

A95.本報告書に準拠して期中レビュー業務が実施されている場合の期中レビュー報告書の様式や

用語に一貫性が保たれていることにより、期中レビュー業務が本報告書に準拠して実施されて

いることを容易に認識でき、期中レビュー業務の信頼性を高める。

法令等により要求される事項と本報告書との間の差異が、期中レビュー報告書の様式又は文

言のみに関連しており、本報告書第 90 項に記載の事項が期中レビュー報告書に含まれる場合に

は、期中レビュー報告書において、本報告書に準拠している旨を記載することができる。した

がって、この場合、監査人は、期中レビュー報告書で使用する様式や文言が、法令等により期中

レビュー報告書に関して要求される事項によって規定されている場合であっても、本報告書の要

- 46 -

レ基報2

求事項を遵守したと判断される。

法令等により要求される事項と本報告書が整合している場合、本報告書において使用される

期中レビュー報告書の様式と文言を採用することにより、期中レビュー報告書の利用者は、本

報告書に準拠して実施されている期中レビュー業務の期中レビュー報告書であることを容易に

認識することができる。

法令等が、本報告書の要求事項と著しく異なる期中レビュー報告書の様式又は文言を記載し

ている場合の状況は、本報告書における関与先との期中レビュー契約の新規の締結及び更新に

関する要求事項で扱われている。

《⑨ 本報告書と他のレビュー基準に準拠して実施される期中レビュー業務に対する期中レビュ

ー報告書》(第 90 項参照)

A96.監査人が、本報告書の要求事項に加えて、他のレビュー基準(国際レビュー業務基準や特定

の国のレビュー基準。ただし、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基

準を除く。)を遵守する場合には、期中レビュー報告書において、本報告書と他のレビュー基準

の両方に準拠して期中レビュー業務を実施した旨を記載することができる。

しかしながら、本報告書と他のレビュー基準の要求事項の間に不整合があり、それにより、

監査人が異なる結論を形成する、又は、本報告書では強調事項区分として記載することが要求

されている特定の状況において、他のレビュー基準では強調事項区分として記載しないことに

なる場合には、本報告書と他のレビュー基準の両方に言及するのは適切ではない。この場合、

期中レビュー報告書は、準拠した関連する基準(本報告書又は他のレビュー基準のいずれかの

基準)のみに準拠している旨を記載する。

《⑩ 比較情報》(第 129 項参照)

A97.期中財務諸表の比較情報には、前事業年度に対応する期中会計期間に係る期中損益計算書並

びに前事業年度に対応する期中会計期間に係る期中キャッシュ・フロー計算書及び前事業年度

に係る貸借対照表が含まれる。

《10.期中レビュー調書》

《(1) 調書の適時性》(第 139 項及び第 144 項参照)

A98.品質管理基準報告書第1号では、監査事務所に、調書を期中レビュー報告書提出日後に適時

に整理するという品質目標を設定することを要求している。調書の最終的な整理を完了する期

限は、通常、期中レビュー報告書の日付から、60 日程度を超えないものとされている(品基報

第1号の A83 項参照)。

・ 本報告書(2024 年9月 26 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 保証業務実務指針(序)「レビュー業務実務指針、保証業務実務指針及び専門業務実務指

針並びに関連する公表物の体系及び用語」(2024 年9月 26 日改正) (修正箇所:第1項及び A3 項)

以 上

- 47 -

- 監査基準報告書 260「監査役等とのコミュニケーション」(2024 年9月 26 日改正) - 監査基準報告書 700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」(2024 年9月 26 日改正)

(上記以外の修正箇所)

レ基報2

- 48 -

《付録1 経営者確認書の記載例》(A70 項参照)

以下の経営者確認書は標準様式とすることを意図するものではない。経営者確認書は企業ごと

及び期中会計期間ごとに異なる。以下の記載例は、適正表示の枠組みを前提に作成している。

レ基報2

○○監査法人

指 定 社 員 業務執行社員

公認会計士 ○○○○殿(注1)

×年×月×日

○○株式会社

代表取締役 (署名 ) (若しくは記名押印又は電子署名) 財務・経理担当取締役 (署名 ) (若しくは記名押印又は電子署名)

本確認書は、当社の×年×月×日から×年×月×日までの連結会計年度の期中連結会計期間 (×年×月×日から×年×月×日まで)の期中連結財務諸表(注2)が、[適用される財務報告 の枠組み(注3)]に準拠して、適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点にお いて認められないかどうかについて貴監査法人が結論を表明するに際して提出するものです。 私たちは、下記のとおりであることを確認します(注4)。

なお、貴監査法人によって実施された期中レビューが、年度の財務諸表の監査に比べ限定さ

れた手続によって行われていることについても承知しております。

期中連結財務諸表 1.私たちは、×年×月×日付けの(×年×月期に係る)期中レビュー契約書(注5)に記載 されたとおり、[適用される財務報告の枠組み(注3)]に準拠して期中連結財務諸表を作成 する責任(継続企業の前提に基づき期中連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか を評価し、継続企業に関する必要な開示を行う責任を含む。)を果たしました。期中連結財務 諸表は、[適用される財務報告の枠組み(注3)]に準拠して財政状態、経営成績及びキャッ シュ・フローの状況を適正に表示しております。

2.不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない期中連結財務諸表を作成するために、経営者が 必要と判断する内部統制を整備及び運用する責任は経営者にあることを承知しております。 3.会計上の見積りについて適用される財務報告の枠組みに照らして合理的な認識、測定及び 注記を達成するために、使用した見積手法、データ及び重要な仮定並びに関連する注記事項 は適切であると判断しております。

4.関連当事者との関係及び取引は、[適用される財務報告の枠組み(注3)]に準拠して適切

に処理しております(注6)。

5.期中連結会計期間末日後本確認書の日付までに発生した期中連結財務諸表に重要な影響を

及ぼす事象は、全て計上又は注記されております(注6)。

6.期中連結財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき、既に認識されている又は潜在

- 49 -

レ基報2

的な訴訟事件等は全て、[適用される財務報告の枠組み(注3)]に準拠して適切に処理又は 注記されております(注6)。

7.未修正の虚偽表示が及ぼす影響は、個別にも集計しても期中連結財務諸表全体に対して重 要ではないものと判断しております。未修正の虚偽表示の一覧は、本確認書に添付されてお ります(注6)(注7)。

8.監査人が記載することが適切であると判断したその他の確認事項(注8)

提供する情報 9.貴監査法人に以下を提供いたしました。

(1) 記録、文書及びその他の事項等、期中連結財務諸表の作成に関連すると認識している全て

の情報を入手する機会

(2) 本日までに開催された株主総会及び取締役会の議事録並びに重要な稟議書 (3) 貴監査法人から要請のあった期中レビューのための追加的な情報 (4) 証拠を入手するために必要であると貴監査法人が判断した、当社グループの役員及び従業

員への制限のない質問や面談の機会

10.全ての取引は会計記録に適切に記録され、期中連結財務諸表に反映されております。 11.不正による期中連結財務諸表の重要な虚偽表示の可能性に対する経営者の評価を貴監査法

人に示しております。

12.当社及び連結子会社に影響を及ぼす不正又は不正の疑いがある事項に関して、以下の全ての

情報を貴監査法人に提供いたしました。 - 経営者による不正又は不正の疑い - 内部統制において重要な役割を担っている従業員による不正又は不正の疑い - 上記以外の者による期中連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある不正又は不正

の疑い

13.従業員、元従業員、投資家、規制当局又はその他の者から入手した期中連結財務諸表に影 響を及ぼす不正の申立て又は不正の疑いがある事項に関する全ての情報を貴監査法人に提供 いたしました。

14.期中連結財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき違法行為又は違法行為の疑いに

関して認識している全ての事実を貴監査法人に提示いたしました。

15.期中連結財務諸表を作成する場合にその影響を考慮すべき訴訟事件等(注7)又はそれら

の可能性に関して認識している全ての事実を貴監査法人に提示いたしました。

16.関連当事者の名称、並びに認識された全ての関連当事者との関係及び関連当事者との取引

を貴監査法人に提示いたしました。

17.監査人が記載することが適切であると判断したその他の確認事項(注8) 18.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以 上 (注1)① 監査人が無限責任監査法人の場合で指定証明であるときには、上記の記載例とする。

② 監査人が無限責任監査法人の場合で指定証明でないときには、以下とする。

○○監査法人

業務執行社員 公認会計士 ○○○○殿

- 50 -

レ基報2

③ 監査人が有限責任監査法人の場合は、以下とする。

○○有限責任監査法人 指定有限責任社員 業 務 執 行 社 員

公認会計士 ○○○○殿

④ 監査人が公認会計士の場合には以下とし、確認書本文中の「貴監査法人」を「貴

殿」とする。

○○○○ 公認会計士事務所

公認会計士 ○○○○ 殿

(注2)期中レビュー対象会社が期中財務諸表を作成している場合は、確認書本文中の「期中連

結財務諸表」を「期中財務諸表」、「当社及び連結子会社」を「当社」とする。

(注3)適用される財務報告の枠組みの名称を具体的に記載する。

(注4)監査基準報告書 580「経営者確認書」の A4 項から A6 項に該当する場合には、以下のいず

れかの文言への修正を考慮する。

・ 私たちが知り得る限りにおいて、下記のとおりであることを確認します。

・ 私たちは、適切な情報を入手するために必要であると考えた質問を行った上で、下

記のとおりであることを確認します。

・ 私たちは、適切な情報を入手するために必要であると考えた質問を行った上で、私

たちが知り得る限りにおいて、下記のとおりであることを確認します。

(注5)期中レビュー契約において、監査契約と同時に一体として締結している場合は、「期中レ

ビュー契約書」を「監査及び期中レビュー契約書」とする。

(注6)該当する事項がない場合には、その旨を記載する等適宜修正する。

(注7)経営者が重要性がないものと判断し経営者確認書に記載又は添付する未修正の虚偽表示

には、以下を含める必要がある。

① 当期中連結財務諸表の数値に含まれる未修正の虚偽表示

② 比較情報に含まれる未修正の虚偽表示

③ 前期末の未修正の虚偽表示が当期中連結財務諸表の数値において修正(又は解消)

されたことを原因として比較可能性が損なわれていることによる影響

なお、継続監査の場合で、当期の期中レビューにおいて、比較情報に新たに発見した

虚偽表示がなかったときは、②の比較情報に含まれる未修正の虚偽表示については、一

覧の添付に代えて、前期の経営者確認書を参照することにより重要性がないことを確認

する方法や過去の年度の連結財務諸表及び期中連結財務諸表の訂正が必要となるような

重要な事実はない旨を確認する方法もある。

これらの記載に当たっては、監査基準報告書 580 を参照することが有用である。

(注8)その他追加項目の確認事項(期中レビュー全般に共通する事項)の記載に当たっては、

監査基準報告書 580 を参照することが有用である。

(注9)訴訟事件等とは、訴訟、賠償請求、更正、査定及び賦課並びにこれらに準ずる事象をい

う。

- 51 -

レ基報2

《付録2 期中財務諸表に対する期中レビュー報告書の文例》(第 90 項参照)

文例

レビュー対象

財務報告の枠組み

結論の類型

文例1 完全な一組の期中財務諸表

文例2 完全な一組の期中財務諸表

文例3 完全な一組の期中財務諸表

文例4 完全な一組の期中財務諸表

文例5 完全な一組の期中財務諸表

文例6

会社法大会社(金融商品取 引法非適用)が作成する期 首から6か月間に係る完全 な一組の期中財務諸表

一般目的 適正表示

一般目的 適正表示

一般目的 適正表示

一般目的 適正表示

一般目的 適正表示

特別目的 準拠性

無限定の結論

除外事項付結論: 財務諸表の重要な虚偽表示による 限定付結論

除外事項付結論: 監査人が十分かつ適切な証拠を入 手できないことによる限定付結論

除外事項付結論: 財務諸表の重要な虚偽表示による 否定的結論

除外事項付結論: 監査人が財務諸表の複数の要素に ついて十分かつ適切な証拠を入手 できないことによる結論の不表明

無限定の結論

- 52 -

レ基報2

<文例1>

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の期

中連結財務諸表の期中レビューである。

・ 期中連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠

して作成されている。

・ 期中レビュー契約書において、本報告書第 32 項(2)の期中連結財務諸表に対する経営者の

責任が記載されている。

独立監査人の期中連結財務諸表に対する期中レビュー報告書

×年×月×日

○○株式会社

取締役会 御中

○○監査法人

○○事務所(注1) 指 定 社 員 業務執行社員 指 定 社 員 業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

(注2)

監査人の結論

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの連結会計年度の期 中連結会計期間(×年×月×日から×年×月×日まで)に係る期中連結財務諸表、すなわち、期中 連結貸借対照表、期中連結損益計算書、期中連結包括利益計算書、期中連結キャッシュ・フロー計 算書及び注記について期中レビューを行った。

当監査法人(注3)が実施した期中レビューにおいて、上記の期中連結財務諸表が、我が国にお いて一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、○○株式会社及び連結子会社の×年 ×月×日現在の財政状態並びに同日をもって終了する期中連結会計期間の経営成績及びキャッシ ュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められな かった。

監査人の結論の根拠

当監査法人(注3)は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠 して期中レビューを行った。期中レビューの基準における当監査法人(注3)の責任は、「期中連 結財務諸表の期中レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人(注3)は、我 が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査 人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人(注3)は、結論の表明の基礎とな る証拠を入手したと判断している。

期中連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会(注4)の責任

- 53 -

レ基報2

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して期中連 結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示の ない期中連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び 運用することが含まれる。

期中連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき期中連結財務諸表を 作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会 計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任 がある。

監査役及び監査役会(注4)の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務

の執行を監視することにある(注5)。

期中連結財務諸表の期中レビューにおける監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した期中レビューに基づいて、期中レビュー報告書において独立

の立場から期中連結財務諸表に対する結論を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に従って、期中レビ ューの過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施す る。 ・ 主として経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者等に対する質問、分析的手続そ の他の期中レビュー手続を実施する。期中レビュー手続は、我が国において一般に公正妥当と認 められる監査の基準に準拠して実施される年度の財務諸表の監査に比べて限定された手続であ る。

・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して 重要な不確実性が認められると判断した場合には、入手した証拠に基づき、期中連結財務諸表に おいて、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、適正に表示さ れていないと信じさせる事項が認められないかどうか結論付ける。また、継続企業の前提に関す る重要な不確実性が認められる場合は、期中レビュー報告書において期中連結財務諸表の注記事 項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する期中連結財務諸表の注記事項が適切でな い場合は、期中連結財務諸表に対して限定付結論又は否定的結論を表明することが求められてい る。監査人の結論は、期中レビュー報告書日までに入手した証拠に基づいているが、将来の事象 や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 期中連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会 計の基準に準拠していないと信じさせる事項が認められないかどうかとともに、関連する注記事 項を含めた期中連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに期中連結財務諸表が基礎となる取引 や会計事象を適正に表示していないと信じさせる事項が認められないかどうかを評価する。 ・ 期中連結財務諸表に対する結論表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する証 拠を入手する。監査人は、期中連結財務諸表の期中レビューに関する指揮、監督及び査閲に関し て責任がある。監査人は、単独で監査人の結論に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会(注4)に対して、計画した期中レビューの範囲とその実施時

期、期中レビュー上の重要な発見事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会(注4)に対して、独立性についての我が国における職業倫理に 関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及

- 54 -

び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減す るためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。(注6)

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定に

より記載すべき利害関係はない。

レ基報2

(注1)事業所の都市名を記載する場合は、「○○県□□市」のように記載する(第 90 項参照)。

(注2)① 監査人が無限責任監査法人の場合で、指定証明でないときには、以下とする。

以 上

○○監査法人

○○県□□市(注1)

代 表 社 員 業務執行社員

業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

② 監査人が有限責任監査法人の場合は、以下とする。

○○有限責任監査法人

○○事務所(注1)

指 定 有 限 責 任 社 員 業 務 執 行 社 員 指 定 有 限 責 任 社 員 業 務 執 行 社 員 ③ 監査人が公認会計士の場合には、以下とする。

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

○○○○ 公認会計士事務所

○○県□□市(注1)

公認会計士 ○○○○

○○○○ 公認会計士事務所

○○県□□市(注1)

公認会計士 ○○○○

(注3)監査人が公認会計士の場合には、「私」又は「私たち」とする。

(注4)「監査役及び監査役会」は、会社の機関設計に応じて修正する(第 90 項参照)。

指名委員会等設置会社の場合は「監査委員会」、監査等委員会設置会社の場合は「監査等

委員会」とする。

(注5)「監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務

の執行を監視することにある。」の下線部分は、会社の機関設計に応じて下記のように修

正する。

・ 指名委員会等設置会社の場合

「監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の

- 55 -

レ基報2

職務の執行を監視することにある。」

・ 監査等委員会設置会社の場合

「監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執

行を監視することにある。」

(注6)上場企業又は上場企業ではないが上場企業の場合に適用される監査人の独立性に関する

コミュニケーションについての要求事項が適用される企業の期中連結財務諸表の期中レ

ビューの場合のみ記載する事項であるため、それ以外の企業の場合は削除する(第 100 項

(2)参照)。ただし、新規上場のための有価証券届出書等の場合には記載を行う。

(注7)期中レビュー報告書の作成に当たっては、以下の監査基準報告書及び監査基準報告書実

務指針の取扱いを参照することとする。

・ 監査基準報告書 560「後発事象」

・ 監査基準報告書 700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」

・ 監査基準報告書 705「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」

・ 監査基準報告書 706「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項

区分」

・ 監査基準報告書 710「過年度の比較情報−対応数値と比較財務諸表」 ・ 監査基準報告書 700 実務指針第1号「監査報告書の文例」

- 56 -

レ基報2

<文例1-2>

継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められ、期中連結財務諸表における注記が適切

な場合の無限定の結論を表明する場合 継続企業の前提に関する重要な不確実性

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年×月×日から×年×月 ×日までの期中連結会計期間に期中純損失○○百万円を計上しており、×年×月×日現在にお いて期中連結貸借対照表上○○百万円の債務超過の状況にあることから、継続企業の前提に重 要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関す る重要な不確実性が認められる。なお、当該事象又は状況に対する対応策及び重要な不確実性 が認められる理由については当該注記に記載されている。期中連結財務諸表は継続企業を前提 として作成されており、このような重要な不確実性の影響は期中連結財務諸表に反映されてい ない。

当該事項は、当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない。

<文例1-3>

追記情報(強調事項)を記載する場合

強調事項

注記事項××に記載されているとおり、・・・・・・・・・。 当該事項は、当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない。

<文例1-4>

前連結会計年度の期中連結会計期間に係る期中連結財務諸表及び前連結会計年度の連結財務

諸表について前任監査人がそれぞれ期中レビュー及び監査を実施しており、監査人が期中レビ

ュー報告書において、前任監査人により比較情報の期中レビュー及び監査が行われている旨及

びその結論を記載する場合

その他の事項

会社の×1年3月 31 日をもって終了した前連結会計年度の期中連結会計期間に係る期中連結 財務諸表及び前連結会計年度の連結財務諸表は、それぞれ、前任監査人によって期中レビュー 及び監査が実施されている。前任監査人は、当該期中連結財務諸表に対して×0年8月×日付 けで無限定の結論を表明しており、また、当該連結財務諸表に対して×1年6月×日付で無限 定適正意見を表明している。

- 57 -

レ基報2

<文例2>(第 104 項参照)

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の期

中連結財務諸表の期中レビューである。

・ 期中連結財務諸表に重要な虚偽表示があるが、その影響が広範ではないと認められ、期中

連結財務諸表を全体として虚偽表示に当たるとするほどではないと判断した場合

限定付結論

当監査法人は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの連結会計年度の期中連結 会計期間(×年×月×日から×年×月×日まで)に係る期中連結財務諸表、すなわち、期中連結 貸借対照表、期中連結損益計算書、期中連結包括利益計算書、期中連結キャッシュ・フロー計算 書及び注記について期中レビューを行った。

当監査法人が実施した期中レビューにおいて、上記の期中連結財務諸表が、「限定付結論の根 拠」に記載した事項の期中連結財務諸表に及ぼす影響を除き、我が国において一般に公正妥当と 認められる企業会計の基準に準拠して、○○株式会社及び連結子会社の×年×月×日現在の財政 状態並びに同日をもって終了する期中連結会計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を 適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。

限定付結論の根拠

会社は、・・・・・・・・・・・・・について、・・・・・・・・・・・・・の計上を行ってい な い 。 我 が 国 に お い て 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 め ら れ る 企 業 会 計 の 基 準 に 準 拠 し て い れ

ば ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ を 計 上 す る こ と が 必 要 で あ る 。 当 該 事 項 は 、 期 中 連 結 財 務 諸 表 に お け る・・・・の・・・・に影響を与えており、結果として、営業利益、経常利益及び税金等調整前 期中純利益はそれぞれ○○百万円過大に、期中純利益は○○百万円過大に表示されている(注 1)。この影響は・・・・・・・である(注2)。したがって、期中連結財務諸表に及ぼす影響は 重要であるが広範ではない。

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠して期 中レビューを行った。期中レビューの基準における当監査法人の責任は、「期中連結財務諸表の 期中レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫 理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他 の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、限定付結論の表明の基礎となる証拠を入手した と判断している。

(注1)期中連結財務諸表に及ぼしている影響の記載は、当該影響額を記載することができる場

合に記載する。

(注2)「・・・」には、重要ではあるが広範ではないと判断し、否定的結論ではなく限定付結論

とした理由を、期中財務諸表利用者の視点に立って分かりやすく具体的に記載する。広

範性の判断の記載に当たっては、監査基準報告書 700 実務ガイダンス第1号「監査報告

書に係るQ&A(実務ガイダンス)」Q1-6「除外事項の重要性と広範性及び除外事項

の記載上の留意点」を参照する。

- 58 -

レ基報2

<文例3>(第 112 項参照)

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の期

中連結財務諸表の期中レビューである。

・ 期中レビュー範囲の制約(火災)があり、売掛金及び貸倒引当金について十分かつ適切な

証拠を入手することができなかったが、期中連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は、重

要ではあるが広範ではないと認められ、期中連結財務諸表全体に対する結論の表明ができな

いほどではないと判断した場合

限定付結論

当監査法人は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの連結会計年度の期中連 結会計期間(×年×月×日から×年×月×日まで)に係る期中連結財務諸表、すなわち、期中 連結貸借対照表、期中連結損益計算書、期中連結包括利益計算書、期中連結キャッシュ・フロ ー計算書及び注記について期中レビューを行った。

当監査法人が実施した期中レビューにおいて、上記の期中連結財務諸表が、「限定付結論の根 拠」に記載した事項の期中連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響を除き、我が国において一 般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、○○株式会社及び連結子会社の×年× 月×日現在の財政状態並びに同日をもって終了する期中連結会計期間の経営成績及びキャッシ ュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認めら れなかった。

限定付結論の根拠

20XX 年×月×日の△△支店の火災の結果、会社は、売掛金に関する記録を焼失させ、これら の記録は現在復元中である。このため、当監査法人は、期中連結財務諸表に含まれる売掛金○ ○百万円及び貸倒引当金○○百万円に関する記録を入手することができなかった。したがっ て、当監査法人は、これらの金額に修正が必要となるかどうかについて判断することができな かった。この影響は・・・・・・・である(注)。したがって、期中連結財務諸表に及ぼす可能 性のある影響は重要であるが広範ではない。

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠して 期中レビューを行った。期中レビューの基準における当監査法人の責任は、「期中連結財務諸表 の期中レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職 業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としての その他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、限定付結論の表明の基礎となる証拠を 入手したと判断している。

(注)「・・・」には、重要ではあるが広範ではないと判断し、結論の不表明ではなく限定付結論

とした理由を、期中財務諸表利用者の視点に立って分かりやすく具体的に記載する。広範性の

判断の記載に当たっては、監査基準報告書 700 実務ガイダンス第1号「監査報告書に係るQ&

A(実務ガイダンス)」Q1-6「除外事項の重要性と広範性及び除外事項の記載上の留意点」

を参照する。

- 59 -

レ基報2

<文例4>(第 105 項参照)

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の期

中連結財務諸表の期中レビューである。

・ 期中連結財務諸表に重要な虚偽表示があり、その影響が広範であると認められ、期中連結

財務諸表を全体として虚偽表示に当たると判断した場合

否定的結論

当監査法人は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの連結会計年度の期中連結 会計期間(×年×月×日から×年×月×日まで)に係る期中連結財務諸表、すなわち、期中連結 貸借対照表、期中連結損益計算書、期中連結包括利益計算書、期中連結キャッシュ・フロー計算 書及び注記について期中レビューを行った。

当監査法人が実施した期中レビューにおいて、上記の期中連結財務諸表が、「否定的結論の根 拠」に記載した事項の期中連結財務諸表に及ぼす影響の重要性に鑑み、我が国において一般に公 正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、○○株式会社及び連結子会社の×年×月×日現 在の財政状態並びに同日をもって終了する期中連結会計期間の経営成績及びキャッシュ・フロー の状況を重要な点において適正に表示していないと信じさせる事項が認められた。

否定的結論の根拠

会社は・・・・・・・・・・・・・について、・・・・・・・・・・の計上を行っていない。

我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠していれば・・・・・・・を

計上する必要がある。この結果、営業利益、経常利益及び税金等調整前期中純利益はそれぞれ○ ○百万円過大に、期中純利益は○○百万円過大に表示されている(注)。

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠して期 中レビューを行った。期中レビューの基準における当監査法人の責任は、「期中連結財務諸表の 期中レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫 理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他 の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、否定的結論の表明の基礎となる証拠を入手した と判断している。

(注)期中連結財務諸表に及ぼしている影響の記載は、当該影響額を記載することができる場合

に記載する。

- 60 -

レ基報2

<文例5>(第 114 項参照)

文例の前提となる状況

・ 一般目的の財務報告の枠組み及び適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の期

中連結財務諸表の期中レビューである。

・ 監査人は、・・・に関して十分かつ適切な証拠を入手することができず、未発見の虚偽表示

がもしあるとすれば、それが期中連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は、重要かつ広範

であると認められるため、期中連結財務諸表全体に対する結論の表明のための基礎を得るこ

とができなかったと判断した場合

結論の不表明

当監査法人は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの連結会計年度の期中連結 会計期間(×年×月×日から×年×月×日まで)に係る期中連結財務諸表、すなわち、期中連結 貸借対照表、期中連結損益計算書、期中連結包括利益計算書、期中連結キャッシュ・フロー計算 書及び注記について期中レビューを行った。

当監査法人が実施した期中レビューにおいて、上記の期中連結財務諸表が、「結論の不表明の 根拠」に記載した事項の期中連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響の重要性に鑑み、○○株式 会社及び連結子会社の×年×月×日現在の財政状態並びに同日をもって終了する期中連結会計期 間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての 重要な点において認められなかったかどうかについての結論を表明しない。

結論の不表明の根拠

当監査法人は、(実施できなかった重要な期中レビュー手続及び結論の表明を行えない理由を

具体的に記載する)・・・・・・・・・・・・・ことができなかった。

期中連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 (文例1と同じ)

期中連結財務諸表の期中レビューにおける監査人の責任

監査人の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠して 実施した期中レビューに基づいて、期中レビュー報告書において独立の立場から期中連結財務諸 表に対する結論を表明することにある。しかしながら、本報告書の「結論の不表明の根拠」に記 載されているとおり、当監査法人は期中連結財務諸表に対する結論の表明の基礎となる証拠を入 手することができなかった。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会 社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしてい る。

- 61 -

レ基報2

<文例6>

文例の前提となる状況

・ 会社法の大会社(金融商品取引法非適用)により、特別目的の財務報告の枠組み及び準拠

性の枠組みに準拠して作成された、期首から6か月間に係る完全な一組の期中財務諸表のレ

ビュー業務である。

・ 期中財務諸表は、○○株式会社の経営者が、取引先である□□株式会社に、期首から6か

月間に係る期中財務諸表を提出するために作成されており、期中貸借対照表、期中損益計算

書、重要な会計方針に係る事項に関する注記、担保提供資産に関する注記、偶発債務に関す

る注記から構成されている。会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認められ

る企業会計の基準に準拠し、期中貸借対照表及び期中損益計算書の表示は会社計算規則に準

じて作成し、重要な会計方針、担保提供資産及び偶発債務に関する注記は、それぞれ、会社

計算規則第101条、第103条第1項第1号及び第5号に準じて作成することが要請されている。

・ 経営者は、特別目的の期中財務諸表の作成において財務報告の枠組みの選択肢を有してい

ない(第95項参照)。

・ レビュー契約書において、本報告書第32項(2)の財務諸表に対する経営者の責任が記載され

ている。

・ 監査人は、入手した証拠に基づいて、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事

象又は状況に関連する重要な不確実性は存在しないと判断している。

・ レビュー報告書の配布及び利用が制限されている。

・ 監査人は、期中財務諸表のレビュー業務に加えて、法令等が要求するその他の報告責任を

有しない。

・ 注記Xには以下の記載がある。

本期中財務諸表は、取引先である□□株式会社に、×年×月×日から×年×月×日まで

の6か月間の期中財務諸表を提出するために作成されている。

本期中財務諸表は、会計処理に関しては我が国において一般に公正妥当と認められる企 業会計の基準に準拠し、期中貸借対照表及び期中損益計算書の表示は会社計算規則に準じ て作成され、開示される注記項目の内容は同規則第 101 条、第 103 条第1項第1号及び第 5号に準じて作成されている。

本 期 中 財 務 諸 表 の 作 成 に 当 た り 採 用 し た 重 要 な 会 計 方 針 は 、 以 下 の と お り で あ

る。・・・。

- 62 -

独立監査人の期中財務諸表に対する期中レビュー報告書

○○株式会社

取締役会 御中

○○監査法人

レ基報2

×年×月×日

○○事務所(注1) 指 定 社 員 業務執行社員 指 定 社 員 業務執行社員

公認会計士 ○○○○

公認会計士 ○○○○

監査人の結論

当監査法人(注3)は、○○株式会社の×年×月×日から×年×月×日までの6か月間の期中財 務諸表、すなわち、期中貸借対照表、期中損益計算書、重要な会計方針及びその他の注記について 期中レビューを行った。

当監査法人(注3)が実施した期中レビューにおいて、上記の期中財務諸表が、注記Xに記載さ れた会計の基準に準拠して作成されていないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められ なかった。

(注2)

監査人の結論の根拠

当監査法人(注3)は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に準拠 して期中レビューを行った。期中レビューの基準における当監査法人(注3)の責任は、「期中財 務諸表の期中レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人(注3)は、我が国 における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の 倫理上の責任を果たしている。当監査法人(注3)は、結論の表明の基礎となる証拠を入手したと 判断している。

強調事項-期中財務諸表作成の基礎並びに配布及び利用制限(注6)

注記Xに記載されているとおり、期中財務諸表は、□□株式会社へ提出するために、注記 X に記 載された会計の基準に準拠して作成されており、したがって、それ以外の目的には適合しないこと がある。当該事項は、当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない。

本報告書は、〇〇株式会社及び□□株式会社のみを利用者として想定しており、〇〇株式会社及

び□□株式会社以外に配布及び利用されるべきものではない。

期中財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会(注4)の責任

経営者の責任は、注記Xに記載された会計の基準に準拠して期中財務諸表を作成することにあ る。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない期中財務諸表を作成するために経営者が 必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

期中財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき期中財務諸表を作成する ことが適切であるかどうかを評価し、継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事

- 63 -

レ基報2

項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会(注4)の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務

の執行を監視することにある(注5)。

期中財務諸表の期中レビューにおける監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した期中レビューに基づいて、期中レビュー報告書において独立

の立場から期中財務諸表に対する結論を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる期中レビューの基準に従って、期中レビ ューの過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施す る。 ・ 主として経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者等に対する質問、分析的手続そ の他の期中レビュー手続を実施する。期中レビュー手続は、我が国において一般に公正妥当と認 められる監査の基準に準拠して実施される年度の財務諸表の監査に比べて限定された手続であ る。

・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して 重要な不確実性が認められると判断した場合には、入手した証拠に基づき、期中財務諸表におい て、注記Xに記載された会計の基準に準拠して作成されていないと信じさせる事項が認められな いかどうか結論付ける。また、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、期 中レビュー報告書において期中財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性 に関する期中財務諸表の注記事項が適切でない場合は、期中財務諸表に対して限定付結論又は否 定的結論を表明することが求められている。監査人の結論は、期中レビュー報告書日までに入手 した証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる 可能性がある。

・ 期中財務諸表の表示及び注記事項が、注記Xに記載された会計の基準に準拠して作成されてい

ないと信じさせる事項が認められないかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会(注4)に対して、計画した期中レビューの範囲とその実施時

期、期中レビュー上の重要な発見事項について報告を行う。

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員(注3)との間には、公認会計士法の規定により記載すべき

利害関係はない。

以 上

(注1)(注2)(注3)(注4)(注5)<文例1>と同じ

(注6)特別目的の枠組みに関する注意喚起は、強調事項であることを示す適切な見出しを付し

て記載し(第 126 項参照)、監査人の結論と適切に関連付けられるように監査人の結論の

根拠の区分の後に記載することが適切である(監査基準報告書 706「独立監査人の監査報

告書における強調事項区分とその他の事項区分」の A16 項参照)。

(注7)<文例1>と同じ

- 64 -

以 上