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監査基準報告書505_確認.pdf

監査基準報告書505

確認

監基報 505

2 0 1 1 年 1 2 月 2 2 日

改正 2 0 1 3 年 6 月 1 7 日

改正 2 0 1 5 年 5 月 2 9 日

改正 2 0 2 1 年 6 月 8 日

改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

最終改正 2 0 2 4 年 9 月 2 6 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

(報告書:第 20 号)

項番号

Ⅰ 本報告書の範囲及び目的

1.本報告書の範囲 ................................................................... 1

2.監査証拠を入手する確認手続 ....................................................... 2

3.本報告書の目的 ................................................................... 4

4.定義 ............................................................................. 5

Ⅱ 要求事項

1.確認手続 ......................................................................... 6

2.確認依頼の送付に対する経営者の不同意 ............................................. 7

3.確認手続の結果

(1) 確認依頼への回答の信頼性 ....................................................... 9

(2) 未回答 ........................................................................ 11

(3) 十分かつ適切な監査証拠を入手するために積極的確認に対する回答が必要である場合 .. 12

(4) 確認差異 ...................................................................... 13

4.消極的確認 ...................................................................... 14

5.入手した証拠の評価 .............................................................. 15

Ⅲ 適用指針

1.確認手続

(1) 確認又は依頼すべき情報の決定 .................................................. A1

(2) 適切な確認回答者の選定 ........................................................ A2

(3) 確認依頼の立案 ................................................................ A3

(4) 確認依頼の再発送等 ............................................................ A7

2.確認依頼の送付に対する経営者の不同意

i

監基報 505

(1) 経営者が同意しないことの合理性 ................................................ A8

(2) 重要な虚偽表示リスクの評価に及ぼす影響 ........................................ A9

(3) 代替的な監査手続 ............................................................. A10

3.確認手続の結果

(1) 確認依頼への回答の信頼性 ..................................................... A11

(2) 信頼性のない回答 ............................................................. A17

(3) 未回答 ....................................................................... A18

(4) 十分かつ適切な監査証拠を入手するために積極的確認の回答が必要である場合 ....... A20

(5) 確認差異 ....................................................................... A21

4.消極的確認 ..................................................................... A23

5.入手した証拠の評価 ............................................................. A24

Ⅳ 適用

ii

監基報 505

《Ⅰ 本報告書の範囲及び目的》

《1.本報告書の範囲》

1.本報告書は、監査基準報告書330「評価したリスクに対応する監査人の手続」及び監査基準報告書

500「監査証拠」の要求事項に従った監査証拠を入手するため、監査人による確認手続の利用に関

する実務上の指針を提供するものである。本報告書は、監査基準報告書501「特定項目の監査証拠」

で扱われる訴訟事件等に関連して実施する顧問弁護士等に対する確認には対応していない。

1-2.本報告書には、監査における不正リスク対応基準(以下「不正リスク対応基準」という。)に準

拠して監査を実施する際に遵守が求められる要求事項と関連する適用指針(項番号の冒頭に「F」

が付されている。)が含まれている(監査基準報告書200「財務諸表監査における総括的な目的」第

21項(3)参照)。

《2.監査証拠を入手する確認手続》

2.監査基準報告書500は、監査証拠の証明力は、情報源及び種類により影響を受け、入手される状

況により異なることを示している(監基報500のA5項参照)。監査基準報告書500はまた、監査証拠

に適用される以下の一般的な考え方を記載している(監基報500のA31項参照)。

・ 監査証拠は、企業から独立した情報源から入手した場合には、より証明力が強い。

・ 監査人が直接入手した監査証拠は、間接的に又は推論に基づいて入手する監査証拠よりも、証

明力が強い。

・ 監査証拠は、紙媒体、電子媒体又はその他の媒体にかかわらず、文書化されたものの方が、証

明力が強い。

したがって、監査の状況にもよるが、監査人が確認回答者から直接受領する確認により入手した

監査証拠は、一般的には企業が内部的に作成した証拠よりも証明力が強い。

本報告書は、監査人が適合性と証明力のある監査証拠を入手するため、確認手続を立案し実施す

る際に適用される。

3.他の監査基準報告書は、例えば、以下のように監査証拠としての確認の重要性について記載して

いる。

・ 監査基準報告書330は、監査人は、評価した財務諸表全体レベルの重要な虚偽表示リスクに応

じて、全般的な対応を立案し実施するとともに、評価したアサーション・レベルの重要な虚偽表

示リスクに応じて、実施するリスク対応手続の種類、時期及び範囲を立案し実施することを要求

している(監基報330第4項及び第5項参照)。さらに、監査基準報告書330は、監査人に、関連

するアサーションを識別していない(重要な虚偽表示リスクを識別していない)が重要性のある

取引種類、勘定残高又は注記事項に対する実証手続を立案し実施すること、並びに、評価した重

要な虚偽表示リスクの程度にかかわらず、重要な取引種類、勘定残高又は注記事項に対しても、

実証手続を立案し実施することを要求している(監基報330第17項参照)。また、監査人は、確認

手続を実証手続として実施すべきかどうかを考慮することも要求されている(監基報330第18項

参照)。

・ 監査基準報告書330は、評価した重要な虚偽表示リスクの程度が高いほど、より確かな心証が

得られる監査証拠を入手することを監査人に要求している(監基報330第6項(2)参照)。そのた

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監基報 505

め、監査人は、監査証拠の量を増やすことや、より適合性が高く、より証明力の強い監査証拠を

入手したり、その両方を行うことがある。例えば、監査人は、第三者から直接的に提供される証

拠の入手や、異なる複数の情報源から補強する証拠の入手に、より重点を置くことがある。監査

基準報告書330はまた、確認により、不正又は誤謬による特別な検討を必要とするリスクに対応

する証明力の強い監査証拠を入手できることがあることを示している(監基報330のA52項参照)。

・ 監査基準報告書240「財務諸表監査における不正」は、監査人が、評価したアサーション・レ

ベルの不正による重要な虚偽表示リスクに対応して、裏付けとなる追加的な情報を入手するた

め、確認手続を立案することがあると示している(監基報240のA35項参照)。

・ 監査基準報告書500は、確認のような企業から独立した情報源から入手した情報が、会計記録

の中に存在する証拠や経営者による陳述を裏付けている場合、監査人はより確かな心証を得る

ことがあると示している(監基報500のA8項及びA9項参照)。

《3.本報告書の目的》

4.本報告書における監査人の目的は、適合性と証明力のある監査証拠を入手するため、確認に関

する監査手続を立案し実施することである。

《4.定義》

5.本報告書における用語の定義は、以下のとおりとする。

(1) 「確認」-紙媒体、電子媒体又はその他の媒体により、監査人が確認の相手先である第三者

(確認回答者)から文書による回答を直接入手する監査手続をいう。

(2) 「積極的確認」-確認回答者が、確認依頼の情報に同意するか、又は不同意かを示したり、依

頼された情報を提供することにより、監査人に直接回答する方法をいう。

(3) 「消極的確認」-確認回答者が確認依頼で提供された情報に同意しない場合にのみ、監査人に

直接回答する方法をいう。

(4) 「未回答」-確認回答者が積極的な確認依頼に対して回答しない場合や回答が不十分な場合、

又は確認依頼が配達不能で返送された場合をいう。

(5) 「確認差異」-確認依頼した情報や企業の記録に含まれる情報と確認回答者の提供した情報

との間にある差異をいう。

《Ⅱ 要求事項》

《1.確認手続》

6.監査人は、確認手続を利用する場合、確認手続に関連して以下のような事項について管理しなけ

ればならない。

(1) 確認又は依頼すべき情報の決定(A1項参照)

(2) 適切な確認回答者の選定(A2項参照)

(3) 確認依頼の立案(確認依頼の宛先が適切であり、監査人に直接返送する旨や回答に当たって

の留意事項を含む。)(A3項からA6項参照)

(4) 確認回答者への依頼状の送付(該当する場合には再発送等の依頼を含む。)(A7項参照)

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監基報 505

《2.確認依頼の送付に対する経営者の不同意》

7.経営者が監査人の確認依頼の送付に同意しない場合、監査人は、以下の手続を行わなければなら

ない。

(1) 経営者が同意しない理由について質問し、その正当性と合理性に関する監査証拠を求めるこ

と(A8項参照)。

(2) 不正リスクを含む、関連する重要な虚偽表示リスクに関する監査人の評価及びその他の監査

手続の種類、時期及び範囲に及ぼす影響を評価すること(A9項参照)。

(3) 適合性と証明力のある監査証拠を入手するため立案した代替的な監査手続を実施すること

(A10項参照)。

8.監査人は、確認依頼の送付に経営者が同意しないことに合理性がないと結論付けた場合又は代

替的な監査手続から適合性と証明力のある監査証拠を入手できなかった場合、監査基準報告書260

「監査役等とのコミュニケーション」第16項に従い、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は

監査委員会に報告しなければならない。また、監査人は、監査基準報告書705「独立監査人の監査

報告書における除外事項付意見」に従い、監査の継続と監査意見に対する影響を判断しなければな

らない。

《3.確認手続の結果》

《(1) 確認依頼への回答の信頼性》

9.監査人は、確認依頼への回答の信頼性について疑義を抱く場合、疑義を解消するため、追加の監

査証拠を入手しなければならない(A11項からA16項参照)。

10.監査人は、確認依頼への回答に信頼性がないと判断した場合、不正リスクを含む、関連する重要

な虚偽表示リスクに関する評価及び関連するその他の監査手続の種類、時期及び範囲に及ぼす影

響を評価しなければならない(A17項参照)。

《(2) 未回答》

11.未回答の場合はそれぞれの状況に応じて、監査人は、適合性と証明力のある監査証拠を入手する

ための代替的な監査手続を実施しなければならない(A18項及びA19項参照)。

F11-2.監査人は、不正リスクに対応する手続として積極的確認を実施したが未回答の場合、代替的

な監査手続により十分かつ適切な監査証拠を入手できるか否か慎重に判断しなければならない。

代替的な監査手続を実施する場合において、監査証拠として企業及び当該企業の子会社等が作成

した情報のみを利用するときは、当該情報の信頼性についてより慎重に判断しなければならない

(A19-2項からFA19-4項参照)。

《(3) 十分かつ適切な監査証拠を入手するために積極的確認に対する回答が必要である場合》

12.代替的な監査手続を実施しても、十分かつ適切な監査証拠が入手できず、積極的確認に対する回

答が必要であると監査人が判断する場合がある。監査人は、そのような場合、監査基準報告書705

に従い、監査の継続と監査意見に対する影響を判断しなければならない(A20項参照)。

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監基報 505

《(4) 確認差異》

13.監査人は、確認差異が虚偽表示の兆候を示しているか否かを判断するために、当該事項を調査し

なければならない(A21項及びA22項参照)。

《4.消極的確認》

14.消極的確認から入手する監査証拠は、積極的確認から入手する監査証拠と比べ証明力が弱い。し

たがって、監査人は、以下の全てに該当しない限り、アサーション・レベルで評価した重要な虚偽

表示リスクに対応するための単独の実証手続として、消極的確認を利用してはならない(A23項参

照)。

(1) 監査人が、重要な虚偽表示リスクを低いと評価し、アサーションに関連する内部統制の運用

状況の有効性に関して十分かつ適切な監査証拠を入手したこと。

(2) 消極的確認の対象となる項目の母集団は、多数の少額で同種な勘定残高、取引又は条件から

構成されていること。

(3) 確認差異の割合が非常に低く予想されていること。

(4) 消極的確認の相手先が確認依頼を無視するであろう状況や条件の存在を監査人が認識してい

ないこと。

《5.入手した証拠の評価》

15.監査人は、確認手続の結果、適合性と証明力のある監査証拠が入手できたか、又は追加的な監査

証拠の入手が必要であるかについて、評価しなければならない(A24項及びA25項参照)。

《Ⅲ 適用指針》

《1.確認手続》

《(1) 確認又は依頼すべき情報の決定》(第6項(1)参照)

A1.確認手続は、勘定残高とその明細に関する情報を確認するために実施されることが多いが、企業

と第三者との間の合意、契約又は取引に係る条件や付帯契約のような一定の条件の有無を確認す

るために実施されることがある。

《(2) 適切な確認回答者の選定》(第6項(2)参照)

A2.確認依頼は、確認すべき情報に精通していると監査人が考える確認回答者に送付すると、その回

答はより適合性と証明力のある監査証拠となる。例えば、金融機関の場合、確認の対象となる取引

や取決めに精通している担当部署又は担当責任者等に送付することが適切なことがある。

《(3) 確認依頼の立案》(第6項(3)参照)

A3.確認の回答率や、回答内容及び回答から得られる監査証拠の証明力は、確認依頼の立案内容によ

って直接影響を受けることがある。

A4.確認依頼を立案する場合に検討する要素には、以下が含まれる。

・ 対応するアサーション

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監基報 505

・ 不正リスクを含む、特定の識別した重要な虚偽表示リスク

・ 確認状の構成と表現

・ 監査業務等における過去の経験

・ コミュニケーションの方法(例えば、紙媒体、電子媒体又はその他の媒体の選択等)

・ 経営者による確認回答者に対する監査人への回答の承諾又は協力依頼(確認状に経営者が確

認への回答を承諾している旨を記載することにより、回答が得やすくなる場合がある。)

・ 依頼された情報を確認回答者が確認又は提供する権限と能力(例えば、支店単位で回答を求め

るか、全社単位で回答を求めるかなど)

A5.積極的確認は、確認回答者が与えられた情報に同意を示すか、確認回答者に情報の提供を求める

ことにより、全ての場合に監査人へ回答するよう確認回答者に求めている。積極的確認への回答

は、通常、証明力のある監査証拠を提供すると期待されている。しかし、確認回答者が情報の正確

性を検討せずに確認依頼に回答するリスクは存在する。監査人は、このリスクを抑えるために、確

認依頼に金額(又は情報)を記載せず、確認回答者に金額の記入や他の情報の提供を依頼する積極

的確認を利用することがある。他方、このようなブランクの確認依頼を利用すると、確認回答者に

追加作業が要求されるため、回答率がより低くなることがある。

A6.確認状が適切な宛先に送付されることを確かめるため、確認状の送付前に、宛先の一部又は全部

の妥当性をテストすることがある。

《(4) 確認依頼の再発送等》(第6項(4)参照)

A7.監査人は、確認依頼した回答を合理的期間内に入手できなかった場合、確認依頼を再発送又は追

加送付することがある。例えば、監査人は、当初の宛先の正確性を検討した上で、再発送等のフォ

ローアップをすることがある。

《2.確認依頼の送付に対する経営者の不同意》

《(1) 経営者が同意しないことの合理性》(第7項(1)参照)

A8.確認依頼の送付に経営者が同意しない場合、監査証拠を入手できなくなるため、監査人は経営者

に不同意の理由について質問することが必要である。一般的な不同意の理由には、確認回答者と

の法的な紛争や現在継続中の交渉の存在が想定され、確認依頼の時期によっては、その解決に影

響することがある。監査人は、不正又は誤謬を明らかにできる監査証拠を入手する機会を経営者

が制限しようとするリスクがあるため、当該理由の正当性と合理性に関して監査証拠を求めるこ

とが必要である。

《(2) 重要な虚偽表示リスクの評価に及ぼす影響》(第7項(2)参照)

A9.監査人は、第7項(2)の評価により、監査基準報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」

第36項に従い、アサーション・レベルの重要な虚偽表示リスクの評価を修正して、計画した監査手

続も変更することが適切であると結論付けることがある。例えば、経営者が確認しないよう要請

することに合理性がない場合、監査基準報告書240第23項において評価が求められている不正リス

ク要因を示唆することがある。

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監基報 505

《(3) 代替的な監査手続》(第7項(3)参照)

A10.代替的な監査手続は、本報告書のA18項及びA19項に記載している未回答に対する適切な監査手

続と同様であることがあり、また、監査人は、第7項(2)におけるリスク評価結果を考慮すること

もある。

《3.確認手続の結果》

《(1) 確認依頼への回答の信頼性》(第9項参照)

A11.監査基準報告書500のA31項は、監査証拠を企業の外部から得られる場合であっても、入手する

状況によって証明力に影響することについて記載している。全ての回答には、入手を妨害された

り、改竄又は不正に係る何らかのリスクがあり、当該リスクは、回答が紙媒体、電子媒体又はその

他の媒体によるかに関係なく存在している。回答の信頼性について疑義がある状況としては、以

下が含まれる。

・ 監査人が回答を間接的に受け取った場合

・ 当初想定した確認回答者以外の者が回答したと疑われる場合

A12.ファクシミリや電子メールなどによって電子的に受領した回答は、回答者の属性と権限を明ら

かにすることが困難であり、改竄が発見困難となることがあるため、信頼性についてのリスクに

関連している。監査人と回答者が確認依頼の送付及び回答に利用する電子的なプロセスが信頼で

きる環境にある場合、これらのリスクを軽減することができる。当該プロセスが信頼でき、適切に

管理されていると監査人が心証を得た場合、回答の信頼性は高まる。電子的な確認プロセスは、例

えば、暗号化、電子署名、ウェブサイトの信頼性を検討する手続などを利用して、電子媒体で情報

の送り手を特定する様々な技術を組み込んでいることがある。

A13.確認回答者が第三者に確認依頼への回答作業を委託している場合、監査人は、以下のリスクに

対応する手続を実施することがある。

(1) 回答が適切な情報源から得られていない可能性があること。

(2) 回答者が回答権限を持っていない可能性があること。

(3) 第三者との情報伝達の完全性が確保されない可能性があること。

A14.監査人は、監査基準報告書500第10項により、監査証拠として利用する情報の信頼性に関する疑

義を解消するため、監査手続の変更又は追加が必要であるかを判断することを求められている。

監査人は、確認回答者と連絡を取ることにより、確認依頼への回答の情報源と内容を確かめるこ

とがある。例えば、確認回答者が電子メールで回答する場合、監査人は、確認回答者が実際に回答

を送信したかどうかを、確認回答者に電話により確かめることがある。回答が間接的に監査人に

返送された場合(例えば、確認回答者が誤って監査人ではなく企業を宛先とした場合等)、監査人

は確認回答者に、直接監査人に文書により回答するよう依頼することがある。

A15.確認依頼への口頭による回答は、それだけでは監査人への直接の文書による回答ではないため、

確認の定義には該当しない。したがって、確認依頼への口頭による回答を入手した際、監査人は、

状況に応じて、文書により監査人に直接回答するよう確認回答者に依頼することがある。監査人

は、文書による回答を受領しなかった場合、第11項に従い、口頭による回答の情報を裏付ける他の

監査証拠を入手する。

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監基報 505

A16.確認依頼への回答には、その利用に際して責任を限定する文言を含んでいることがあるが、そ

のような文言は、監査証拠としての回答の信頼性を必ずしも損ねるわけではない。

《(2) 信頼性のない回答》(第 10 項参照)

A17.監査人は、回答に信頼性がないと結論付ける場合、監査基準報告書315第36項に従って、アサー

ション・レベルの重要な虚偽表示リスクの評価を修正し、必要に応じて、計画した監査手続を修正

することがある。例えば、信頼性のない回答は、監査基準報告書240第23項に従って不正リスクを

評価する際の不正リスク要因を示すことがある。

《(3) 未回答》(第 11 項参照)

A18.監査人が実施する代替的な監査手続の例示には、以下のものが含まれる。

・ 売掛金残高に関しては、回収状況の検討、出荷書類との突合、及び期末近くの売上取引の調査

・ 買掛金残高に関しては、支払状況の検討、又は納品書等の記録の調査

A19.代替的な監査手続の種類及び範囲は、検討の対象となっている勘定とアサーションによって影

響を受ける。確認依頼への未回答は、以前に識別されていなかった重要な虚偽表示リスクを示唆

することがある。そのような状況では、監査人は、監査基準報告書315第36項に従い、アサーショ

ン・レベルでの重要な虚偽表示リスクの評価を修正して、必要に応じて計画した監査手続を修正

することがある。例えば、確認への回答が予想よりも多い場合又は少ない場合には、以前に識別さ

れていなかった不正リスク要因を示唆することがあり、監査人は監査基準報告書240第23項に従っ

て評価する。

A19-2.不正リスク対応基準に準拠して監査を実施する際に遵守が求められる要求事項と関連する適

用指針は、不正リスク対応基準が適用されない監査業務においても、業務の状況に応じて、参考と

なることがある(第F11-2項参照)。

FA19-3.不正リスクに対応する手続として積極的確認を実施したが未回答の場合、監査人は、代替的

な監査手続に移行する前に、その理由について慎重に検討し、例えば、以下の方法により、回答の

入手に努めることになる。(第F11-2項参照)

・ 確認回答者への回答の督促の実施

・ 確認依頼の再発送又は追加送付(A7項参照)

また、未回答の理由の検討には、企業の担当者に未回答の理由を質問し、不正リスク要因を示唆

していないかどうかを検討することが含まれる。

FA19-4.監査証拠の証明力は、一般的に、企業から独立した情報源から入手した場合にはより強くな

る。したがって、監査人は、代替的な監査手続を実施する場合において、企業及び当該子会社又は

企業の影響力が及ぶ関連当事者の作成した情報を利用する場合にはより慎重に判断することが求

められている。一方で、企業内部又は企業の影響力が及ぶ範囲で作成された情報であっても、情報

の作成と管理に関する内部統制が有効な場合には、必要な監査証拠を入手できることがある

(FA11-2項及び監基報500のA31項参照)。

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監基報 505

《(4) 十分かつ適切な監査証拠を入手するために積極的確認の回答が必要である場合》(第 12 項参照)

A20.状況によって、監査人は、アサーション・レベルで評価した重要な虚偽表示リスクを識別し、

それについて十分かつ適切な監査証拠を入手するため、積極的確認の回答を必要とする場合があ

る。そのような状況には、以下の場合がある。

・ 経営者のアサーションを裏付けるための利用可能な情報が、企業外部でのみ入手可能である

場合

・ 経営者が内部統制を無効化するリスク、又は従業員や経営者が関与した共謀のリスクなど、特

定の不正リスク要因があり、監査人が企業から入手する監査証拠に依拠できない場合

《(5) 確認差異》(第 13 項参照)

A21.確認の回答により生じた確認差異は、財務諸表における虚偽表示又は虚偽表示の可能性を示唆

していることがある。監査人は、虚偽表示が識別された場合、監査基準報告書240第34項に従って、

当該虚偽表示が不正の兆候であるかどうかを評価する必要がある。確認差異は、類似の取引を行

っている確認回答者からの回答、又は類似の特性を持つ勘定に対する回答の質の判断に当たって

の参考となることがある。確認差異はまた、企業の財務報告に係る内部統制の不備を示唆してい

ることもある。

A22.確認差異は必ずしも虚偽表示を意味するとは限らない。例えば、監査人は、確認の回答におけ

る差異が、確認手続の時期(基準日の設定)、測定、又は事務処理上の誤りなどに起因していると

結論付けることがある。

《4.消極的確認》(第 14 項参照)

A23.消極的確認の回答を受領しなかったとしても、想定した確認回答者が確認依頼を受領したこと

や、確認状に記載した情報の正確性が検討されたことを明白に示しているわけではない。したが

って、確認回答者が消極的確認に回答しなかったことは、積極的確認の回答と比べて、証明力が弱

い監査証拠としかなり得ない。確認回答者はまた、確認依頼に記載されている情報が確認回答者

にとって不利な場合は同意しない旨の回答をする可能性が高く、反対に、有利な情報が記載され

ている場合は回答しない傾向がある。例えば、銀行預金勘定の保有者は、当該勘定残高が確認依頼

に過小に記載されている場合、回答する可能性が高いが、当該残高が過大に記載されている場合、

回答する可能性は小さい。したがって、銀行預金勘定の保有者への消極的確認状の送付は、当該残

高が過小に表示されているかを検討する場合には有用な手続であるが、監査人が過大表示に関す

る証拠を求めている場合には有効ではないことが多い。

《5.入手した証拠の評価》(第 15 項参照)

A24.個々の確認依頼の結果を評価する場合、監査人は、当該結果を次のように分類することがある。

(1) 確認差異がなく確認状に記載した情報に同意する旨を示す、適切な確認回答者による回答

(2) 信頼性がないと考えられる回答

(3) 未回答

(4) 確認差異がある回答

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監基報 505

A25.監査人が確認結果を評価することは、実施した他の監査手続を考慮に入れて、監査人が監査基

準報告書330第25項及び第26項に従って、十分かつ適切な監査証拠を入手したかどうか、又は追加

の監査証拠の入手が必要かどうかを結論付けるのに有用である。

《Ⅳ 適用》

・ 本報告書(2011年12月22日)は、2012年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。

・ 本報告書(2013年6月17日)は、2014年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用す

る。

・ 本報告書(2015年5月29日)は、2015年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日以

後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。

・ 本報告書(2021年6月8日)は、2023年3月31日以後終了する事業年度に係る財務諸表の監査

及び2022年9月に終了する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実施する。ただし、

それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実

施することを妨げない。

以 上

・ 本報告書(2022 年 10 月 13 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(2022 年7月

21 日改正)

・ 本報告書(2024 年9月 26 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 監査基準報告書 260「監査役等とのコミュニケーション」(2024 年9月 26 日改正)

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