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監査基準報告書300_監査計画.pdf

監査基準報告書300

監査計画

監基報300

2 0 1 1 年 1 2 月 2 2 日

改正 2 0 1 9 年 6 月 1 2 日

改正 2 0 2 1 年 6 月 8 日

改正 2 0 2 2 年 6 月 1 6 日

改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

最終改正 2 0 2 3 年 1 月 1 2 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

( 報 告 書 : 第 12号 )

項番号

Ⅰ 本報告書の範囲及び目的

1.本報告書の範囲 ...................................................................1

2.本報告書の目的 ...................................................................3

Ⅱ 要求事項

1.監査チームの主要メンバーの参画 ...................................................4

2.監査契約に係る予備的な活動 .......................................................5

3.計画活動 .........................................................................6

4.監査調書 ........................................................................11

5.初年度監査における追加的な考慮事項 ..............................................12

Ⅲ 適用指針

1.監査計画の機能と時期 ............................................................A1

2.監査チームの主要メンバーの参画 ..................................................A4

3.監査契約に係る予備的な活動 ......................................................A5

4.計画活動

(1) 監査の基本的な方針 ............................................................A8

(2) 詳細な監査計画 ...............................................................A12

(3) 監査期間中における計画の修正 .................................................A15

(4) 指揮、監督及び監査調書の査閲 .................................................A16

5.監査調書 .......................................................................A17

6.初年度監査における追加的な考慮事項 .............................................A21

Ⅳ 適用

付録 監査の基本的な方針を策定する際の考慮事項

1.監査業務の特徴

i

2.報告の目的、監査の実施時期及びコミュニケーションの内容

3.重要な要素、予備的な活動及び他の業務からの情報

4.監査チームの編成

監基報300

ii

監基報300

《Ⅰ 本報告書の範囲及び目的》

《1.本報告書の範囲》

1.本報告書は、財務諸表の監査計画に関する実務上の指針を提供するものである。本報告書にお

ける監査計画は、継続監査を前提としている。

初年度監査に関しては、追加的な考慮事項を別途記載している。

2.監査計画には、監査業務に対する監査の基本的な方針の策定と詳細な監査計画の作成が含まれ

る。監査基準報告書220「監査業務における品質管理」に従った個々の監査業務における品質管理

は、当報告書における適切な監査計画と組み合わせて、監査を実施する上で様々な利点があり、

例えば以下の事項が可能となる(A0項からA3項参照)。

・ 監査の重要な領域に対して監査人が適切な注意を払うこと。

・ 潜在的な問題を適時に識別し解決すること。

・ 監査業務を適切に管理し、その結果、効果的かつ効率的な方法で監査を実施すること。

・ リスクに対応するために、適切な能力及び適性を有する監査チームメンバーを選任し、作業

を適切に割り当てること。

・ 監査チームメンバーに対する指揮、監督及び作業の査閲を適切に行うこと。

・ 必要に応じて、構成単位の監査人の作業や専門家の業務と連携すること。

《2.本報告書の目的》

3.本報告書における監査人の目的は、効果的かつ効率的な方法で監査を実施するために、監査を

計画することである。

《Ⅱ 要求事項》

《1.監査チームの主要メンバーの参画》

4.監査責任者と監査チームの主要メンバーは、監査計画の策定に参画しなければならない。これ

には、監査チーム内の討議を計画し参加することを含む(A4項参照)。

《2.監査契約に係る予備的な活動》

5.監査人は、当年度の監査の開始に当たって、監査契約に係る予備的な活動として、以下を実施

しなければならない(A5項からA7項参照)。

(1) 監査契約の新規の締結及び更新の可否に関して、監査基準報告書220で要求される手続(監

基報220第22項から第24項参照)

(2)独立性を含む関連する職業倫理に関する規定の遵守状況の評価に関して、監査基準報告書220

で要求される事項(監基報220第16項から第21項参照)

(3) 監査の契約条件の十分な理解に関して、監査基準報告書210「監査業務の契約条件の合意」

で要求される事項(監基報210第7項から第9項参照)

《3.計画活動》

6.監査人は、詳細な監査計画を作成するための指針となるように、監査業務の範囲、監査の実施

- 1 -

監基報300

時期及び監査の方向性を設定した監査の基本的な方針を策定しなければならない。

7.監査人は、監査の基本的な方針を策定する際、監査基準報告書220に従って入手した情報を考慮

するとともに以下の事項を実施しなければならない(A8項からA11項参照)。

(1) 監査業務の範囲に影響を及ぼす事項を識別すること。

(2) 監査の実施時期及び必要なコミュニケーションの内容を計画するために、監査報告の目的を

明確にすること。

(3) 監査人の職業的専門家としての判断により、監査チームの作業に重要な影響を及ぼす要素を

考慮すること。

(4) 監査契約に係る予備的な活動の結果を考慮すること(企業に対し監査以外の業務を行ってい

る場合にはその業務から得られた知識の考慮も含む。)。

(5) 監査の実施に必要な監査チームメンバーの能力、時期及び人数を明確にすること。

8.監査人は、以下の事項を含む詳細な監査計画を作成しなければならない(A12項参照)。

(1) 監査チームのメンバーへの指揮、監督及び作業の査閲の内容、時期及び範囲(A16項参照)

(2) 監査基準報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」により計画するリスク評価手続

の種類、時期及び範囲

(3) 監査基準報告書330「評価したリスクに対応する監査人の手続」により計画するアサーショ

ン・レベルのリスク対応手続の種類、時期及び範囲

(4) 他の監査基準報告書等における要求事項により計画する監査手続(A12項からA14項参照)

9.監査人は、監査期間中必要に応じて、監査の基本的な方針及び詳細な監査計画を見直し修正し

なければならない(A15項参照)。

9A.監査責任者は、監査の基本的な方針及び詳細な監査計画を査閲しなければならない。

10.削除

《4.監査調書》

11.監査人は、以下の事項を監査調書に記載しなければならない(A17項からA20項参照。監査基準

報告書230「監査調書」第7項から第10項及びA6項参照)。

(1) 監査の基本的な方針

(2) 詳細な監査計画

(3) 監査の基本的な方針又は詳細な監査計画について監査期間中に行われた重要な変更の内容

及びその理由(監基報220第30項、A91項及びA92項における監査チームのメンバーへの指揮、監

督及び作業の査閲の内容、時期及び範囲の重要な変更を含む。)

《5.初年度監査における追加的な考慮事項》

12.監査人は、初年度監査の開始前に、以下の事項を実施しなければならない(A21項参照)。

(1) 監査契約の締結の可否に関して、監査基準報告書220で要求される事項(監基報220第22項か

ら第24項参照)

(2) 監査人の交代が行われる場合には、職業倫理に関する規定及び監査基準報告書900「監査人

の交代」で要求される前任監査人からの引継

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監基報300

《Ⅲ 適用指針》

A0. 監査基準報告書220は、個々の監査業務における品質管理に対する監査人の特定の責任及び監

査責任者の関連する責任に関する実務上の指針を提供するものである。監査基準報告書220の要

求事項に従って入手した情報は本報告書に関係している。例えば、監査基準報告書220に従い、監

査責任者は、監査業務の内容及び状況を考慮した上で、十分かつ適切な資源が監査チームに割り

当てられているか、又は利用可能であるかを判断することが要求されている。そのような判断は

本報告書第7項に記載のとおり、基本的な方針の下で業務を実施するために必要な資源の内容、

時期及び範囲を明確にすることに関係している。

《1.監査計画の機能と時期》(第2項参照)

A1.計画活動、すなわち監査計画に係る活動の内容と範囲は、企業の規模や複雑性、監査チームの

主要なメンバーの当該企業における過去の経験及び監査期間中に発生した状況の変化により異

なる。監査計画の作成の際に監査人は、プロジェクト管理の技法やツールを利用することがある。

監査基準報告書220のA73項及びA74項は、そのような技法やツールが業務の品質を管理する際に

どのように監査チームに役立つかについて記載している。

A2.監査計画の策定は、監査期間全体、すなわち、前年度の監査の終了直後、又は前年度の監査の

最終段階から始まり、当年度の監査の終了まで継続する連続的かつ反復的なプロセスである。し

かしながら、監査計画には、リスク対応手続の実施前に完了することが必要な一定の活動と監査

手続の実施時期について考慮することが含まれる。例えば、重要な虚偽表示リスクの識別と評価

の実施前に、以下の事項を考慮しておく必要がある。

・ リスク評価手続として実施する分析的手続

・ 企業に適用される法令及び企業がこれをどのように遵守しているかについての全般的な理解

・ 監査上の重要性の決定

・ 専門家の業務の利用の程度の決定

・ その他のリスク評価手続の実施

A3.監査人は、個々の監査業務における品質を管理し達成するために、監査計画の内容について経

営者と協議することがある。例えば、立案した監査手続の一部について、企業の従業員の業務と

連携することが含まれる。これらの協議が行われたとしても、監査の基本的な方針及び詳細な監

査計画に係る責任が監査人にあることに変わりはない。

監査の基本的な方針又は詳細な監査計画について協議を行う場合には、監査の有効性を損なわ

ないための配慮が必要である。例えば、実施する詳細な監査手続の種類及び時期についての経営

者との協議は、監査手続を容易に予測されることにより、監査の有効性を阻害してしまうことが

ある。

《2.監査チームの主要メンバーの参画》(第4項参照)

A4.監査経験や洞察力を十分に有する監査責任者及び監査チームの主要メンバーが監査計画の策定

に参画することによって、監査計画のプロセスの有効性と効率性を高めることができる。なお、

監査基準報告書315第16項及び第17項には、財務諸表の重要な虚偽表示の生じやすさについての

- 3 -

監査チーム内の討議に関する指針を記載している。また、監査基準報告書240「財務諸表監査にお

ける不正」第14項には、不正による財務諸表の重要な虚偽表示の可能性についての監査チーム内

の討議における重点項目に関する指針を記載している。

監基報300

《3.監査契約に係る予備的な活動》(第5項参照)

A5.監査人は、当年度の監査の開始に当たって、第5項に記載した監査契約に係る予備的な活動を

実施することにより、監査基準報告書220に従った個々の監査業務における品質の管理及び達成

に影響を及ぼす可能性のある事象又は状況を識別し評価することが可能となる。

A6.監査人は、監査契約に係る予備的な活動を実施することによって、例えば、以下の事項を考慮

した監査計画を策定することが可能となる。

・ 必要とされる独立性と監査遂行能力を保持していること。

・ 監査契約の更新に影響を及ぼす経営者の誠実性に問題がないこと。

・ 監査の契約条件について企業との間に誤解がないこと。

A7.当年度の監査業務における監査契約の更新の可否及び独立性を含む関連する職業倫理に関する

規定により要求される事項についての当初の検討は、他の重要な監査業務の実施に先立って完了

する。したがって、継続監査においては、前年度の監査の終了直後又は前年度の監査の最終段階

からこの検討手続を開始することとなる。

《4.計画活動》

《(1) 監査の基本的な方針》(第6項から第7項参照)

A8.リスク評価手続の完了により、監査の基本的な方針の策定プロセスには以下の事項が含まれる

ことがある。

(1) 特定の監査の領域に配置すべき業務運営に関する人的資源、テクノロジー資源又は知的資源

の内容

例えば、重要な虚偽表示リスクの程度が高い領域への豊富な経験を有する監査チームメンバ

ーの配置や、複雑な事項に対処するための専門家の利用

(2) 特定の監査の領域に配分すべき資源

例えば、複数の事業所の実地棚卸の立会に配置する監査チームメンバーの人数、グループ監

査における構成単位の監査人への指揮、監督及びその作業の査閲の内容及び範囲、重要な虚偽

表示リスクの程度が高い領域に配分すべき監査時間が含まれる。

(3) 資源を配置すべき時期

例えば、期中の監査の段階又は特定の基準日に配置することが含まれる。

(4) 資源についての指揮、監督又は利用の方法

例えば、監査チーム内で指示及び報告のために討議を実施する時期、監査責任者や監督機能

を有する監査補助者が実施する監査調書の査閲等の方法(往査先での実施又は監査事務所での

実施など)、監査業務に係る審査の時期が含まれる。

A8A.監査基準報告書220には業務運営に関する資源や監査チームのメンバーへの指揮、監督及び作

業の査閲を含む監査業務の実施に係る要求事項や適用指針が含まれている。

- 4 -

A9.付録には、監査の基本的な方針を策定する際の考慮事項を例示している。

A10.監査の基本的な方針の策定により、監査の基本的な方針で識別した事項に対応する詳細な監

査計画の作成に着手することが可能となる。その際、監査人は、監査の目的を達成するために、

監査チームメンバーの経験、能力、監査時間等の効率的な利用を検討する。

監査の基本的な方針と詳細な監査計画とは、必ずしも別個の、又は前後関係が明確なプロセス

ではなく、一方に修正が生じれば他方にも修正が生じることがある、相互に密接に関連するもの

監基報300

である。

《小規模企業に特有の考慮事項》

A11.小規模企業の監査は、小規模な監査チームで実施することがある。こうした場合、監査チーム

メンバー間のコミュニケーションは容易である。また、監査の基本的な方針の策定は、複雑かつ

時間を要するものではなく、企業の規模、監査の複雑性及び監査チームの大きさによって様々で

ある。

例えば、前年度の監査において識別された検討事項に関する簡潔な様式であっても、当年度に

おいてオーナー経営者との協議に基づいて更新されており、第7項に記載した事項を含むのであ

れば、当年度の監査の基本的な方針の文書として用いることができる。

《(2) 詳細な監査計画》(第8項参照)

A12.詳細な監査計画は、監査の基本的方針より詳細で、監査チームメンバーが実施すべき監査手続

の種類、時期及び範囲を含むものである。

これらの監査手続の計画は、監査の進捗に応じて監査期間にわたり詳細な監査計画として作成

される。例えば、リスク評価手続の計画は監査の初期の段階で作成され、また、リスク対応手続

の種類、時期及び範囲に係る計画はリスク評価手続の結果に基づき作成される。

ただし、監査人は、全てのリスク対応手続に係る詳細な監査計画を作成する前であっても、一

部の取引種類、勘定残高及び注記事項に関するリスク対応手続を実施することがある。

A13.注記事項には広範囲かつ詳細な情報が含まれることから、注記事項に関連するリスク評価手

続及びリスク対応手続の種類、時期及び範囲の決定は重要である。さらに、特定の注記事項には、

総勘定元帳や補助元帳以外から入手した情報が含まれる可能性があるため、評価されたリスク及

びそれに対応するための手続の種類、時期及び範囲に影響を及ぼすことがある。

A14.監査の初期段階において注記事項を検討することによって、監査人は、取引種類、事象及び勘

定残高と同様の方法で、注記事項への対応について適切に注意を払い、適切な監査時間を計画す

ることができる。初期段階での検討は、監査人が監査に影響する以下の事項を判断するのに役立

つことがある。

・ 企業環境、事業活動又は財務状況の変化の結果として必要となる重要な注記事項の追加又は

変更(例えば、重要な企業結合によって必要となるセグメントの識別及びセグメント情報の記

載の変更)

・ 適用される財務報告の枠組みの改正に伴う重要な注記事項の追加又は変更

・ 特定の注記事項に対する監査手続における監査人の利用する専門家の関与の必要性(例えば、

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年金その他の退職給付債務に関する注記事項)

・ 監査人が監査役等と協議することが想定される注記事項に関する事項(監査基準報告書260

「監査役等とのコミュニケーション」のA13項参照)

監基報300

《(3) 監査期間中における計画の修正》(第9項参照)

A15.監査人は、予期しない出来事が生じた場合、状況が変化した場合、又は監査手続の実施結果が

想定した結果と異なった場合には、改訂されたリスク評価の結果に基づき、監査の基本的な方針

及び詳細な監査計画並びにこれらに基づき計画したリスク対応手続の種類、時期及び範囲を修正

することが必要な場合がある。

監査手続を計画した時点での利用可能な情報と著しく異なる情報に監査人が気付いた場合が

これに該当する。例えば、内部統制の運用評価手続から入手した監査証拠とは矛盾する監査証拠

を実証手続の実施過程で入手した場合である。

《(4) 指揮、監督及び監査調書の査閲》(第8項参照)

A16.監査基準報告書220第29項から第31項では、監査チームのメンバーへの指揮、監督及び作業の

査閲の内容、時期及び範囲に関する監査責任者の責任を取り扱っている。

《5.監査調書》(第 11 項参照)

A17.監査の基本的な方針の監査調書は、個々の監査業務における品質の管理において主要な決定

事項を記録するものであり、重要な事項を監査チームメンバーに伝達するための手段である。例

えば、監査人は、監査の基本的な方針、すなわち監査の全体的な範囲、実施時期及び実施に関す

る主要な決定事項などを簡潔な様式により文書化することがある。

A18.詳細な監査計画の監査調書は、計画したリスク評価手続並びに評価したリスクに対応して計

画したアサーション・レベルにおけるリスク対応手続の種類、時期及び範囲を記録するものであ

る。また、監査手続の実施に先立って監査手続の計画の適切性を査閲及び承認するための記録と

しても有用である。

監査人は、標準的な監査手続書又は監査完了チェックリストを個々の監査業務の状況を反映す

るために必要な修正を加えた上で使用することもある。

A19.監査の基本的な方針及び詳細な監査計画に対する重要な変更、これに伴う監査手続の種類、時

期及び範囲に対する変更の記録は、重要な変更が行われた理由及び最終的な監査の基本的な方針

と詳細な監査計画を採用した理由を説明する。これには、監査期間中に発生した重要な変更への

適切な対応についても反映させる。

A19A.監査基準報告書220に従った監査チームのメンバーへの指揮、監督及び作業の査閲の内容に

関する監査調書は、計画した指揮、監督及び査閲の内容、時期及び範囲の重要な変更の記録とな

ることもある。

《小規模企業に特有の考慮事項》

A20.小規模企業のための監査の基本的な方針の監査調書は、A11項に記載したとおり、簡潔な様式

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を利用することがある。

また、詳細な監査計画の監査調書として、内部統制(監基報315第25項(1)参照)をほとんど有

していない小規模企業を前提にした標準的な監査手続書又は監査完了チェックリストを監査人

によるリスク評価を含む監査業務の状況に応じた修正を加えた上で使用することがある。

監基報300

《6.初年度監査における追加的な考慮事項》(第 12 項参照)

A21.監査計画の目的は、初年度監査、継続監査のいずれにおいても同じである。しかし、初年度監

査においては、監査人は、通常、継続監査とは異なり、監査計画の策定時に考慮できる企業にお

ける過去の経験がないため、計画活動をより広く実施することがある。

初年度監査において、監査人が、監査の基本的な方針の策定及び詳細な監査計画の作成に当た

って追加で考慮する事項には、以下が含まれることがある。

・ 前任監査人との引継(例えば、前任監査人の監査調書の閲覧)

・ 監査人としての選任に関して経営者と協議した主要な問題(例えば、会計基準、監査基準及

び報告に関する基準の適用)、監査役等へのこれらの問題に関する伝達並びにこれらの問題が

監査の基本的な方針及び詳細な監査計画に与える影響

・ 期首残高に関して十分かつ適切な監査証拠を入手するために必要な監査手続(監査基準報告

書510「初年度監査の期首残高」参照)

・ 初年度監査において監査事務所がデザイン及び適用しているその他の対応(例えば、監査事

務所の品質管理システムによっては、適切な権限を付与した監査責任者以外の社員に、重要な

監査手続の開始前に監査の基本的な方針を検討させたり、監査報告書の発行前に報告書の査閲

に関与させたりすることがある。)

《Ⅳ 適用》

・ 本報告書(2011年12月22日)は、2012年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日

以後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。

・ 本報告書(2019年6月12日)は、2020年4月1日以後開始する事業年度に係る監査及び同日

以後開始する中間会計期間に係る中間監査から適用する。ただし、2019年4月1日以後開始す

る事業年度に係る監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間監査から早期適用する

ことができる。

・ 本報告書(2021年6月8日)は、2023年3月31日以後終了する事業年度に係る財務諸表の監

査及び2022年9月に終了する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実施する。ただ

し、それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査か

ら実施することを妨げない。

・ 本報告書(2022年6月16日)は、2023年7月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監

査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用する。なお、公

会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以後に開始する

事業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中

間監査から適用する。ただし、それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る

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監基報300

中間財務諸表の中間監査から適用することを妨げない。なおその場合、品質管理基準委員会報

告書第1号「監査事務所における品質管理」(2022年6月16日)、品質管理基準委員会報告書第

2号「監査業務に係る審査」(2022年6月16日)及び監査基準委員会報告書220(2022年6月16

日)と同時に適用する。

・ 本報告書(2023年1月12日)は、2024年4月1日以後開始する事業年度に係る財務諸表の監

査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から適用する。また、公

会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては、2024年7月1日以後に開始する

事業年度に係る財務諸表の監査及び同日以後開始する中間会計期間に係る中間財務諸表の中

間監査から適用する。ただし、それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る

中間財務諸表の中間監査から適用することを妨げない。その場合、品質管理基準報告書第1号

(2022年6月16日)、品質管理基準報告書第2号(2022年6月16日)及び監査基準報告書220

(2022年6月16日)と同時に適用する。なお、2022年6月16日付けで改正された品質管理基準

に関する事項は、品質管理基準委員会報告書第1号「監査事務所における品質管理」(2022年6

月16日)、品質管理基準委員会報告書第2号「監査業務に係る審査」(2022年6月16日)及び監

査基準委員会報告書220「監査業務における品質管理」(2022年6月16日)と同時に適用する。

以 上

・ 本報告書(2022年10月13日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(2022年7月

21日改正)

・ 本報告書(2023 年1月 12 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」(2023年1月12日改正)

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監基報300

《付録 監査の基本的な方針を策定する際の考慮事項》(第6項、第7項、A8 項から A11 項参照)

本付録は、監査人が個々の監査業務における品質を管理する際に考慮することがある事項の例

を示している。これらの考慮事項の多くは、監査の基本的な方針及び詳細な監査計画にも影響を

与えることがある。本例示は、多くの監査業務に適用可能な事項を広範囲に扱ったものである。

また、他の監査基準報告書等によって要求されている事項もあるが、全てがあらゆる監査業務に

関連しているとは限らず、また必ずしも網羅されているとはいえない。

《1.監査業務の特徴》

・ 他の財務報告の枠組みとの必要な調整を含む、監査される財務情報の作成の基となる財務報

告の枠組み

・ 規制当局によって義務付けられているような産業特有の報告事項

・ 想定される監査対象範囲(グループ監査のために監査の作業を実施することが想定される構

成単位を含む。)と構成単位の監査人が関与する範囲

・ 連結の範囲を決定する親会社と企業又は事業単位との支配従属関係

・ 企業の属する業界の特性(例えば、専門知識の必要性)

・ 監査の対象となる財務情報の通貨換算の必要性

・ グループ監査のために実施する監査の作業に加えて、法令、規制又はその他の理由により財

務諸表監査を実施する必要性

・ 企業の内部監査機能の有無、有している場合は、監査の目的に照らして内部監査人の作業を

利用する領域及び利用の程度

・ 企業による委託会社の利用状況及び当該業務に係る内部統制のデザイン又は運用に関する監

査証拠の入手方法

・ 過年度の監査で入手した監査証拠の利用可能性(例えば、リスク評価手続や運用評価手続に

より入手した監査証拠)

・ 監査手続の実施におけるITの影響(例えば、データやコンピュータ利用監査技法(CAAT)

の利用可能性)

・ 期中の財務情報のレビュー業務と監査業務の実施時期や範囲の調整及びこれから得られた情

報が監査業務に与える影響

・ 企業の従業員の対応可能性やデータの利用可能性

《2.報告の目的、監査の実施時期及びコミュニケーションの内容》

・ 企業の報告に関する日程(例えば、期中と最終段階)

・ 実施する監査手続の種類、時期及びカバレッジに関して経営者及び監査役等との間で協議を

行うための体制

・ 発行すべき報告書及び文書又は口頭によるその他の報告の内容や時期についての経営者及び

監査役等との協議(例えば、監査報告書、マネジメントレター及び監査役等とのコミュニケー

ション)

・ 監査実施期間において、監査業務の遂行状況に関して期待されるコミュニケーションについ

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監基報300

ての経営者との協議

・ グループ監査のために実施する監査の作業に関連して想定されるコミュニケーションの種類

と時期についての構成単位の監査人との協議

・ 監査チーム内のコミュニケーションで期待される内容とその実施時期(例えば、実施した監

査の作業に関する監査調書の査閲の実施時期)

・ 第三者に対して予想される報告の有無(例えば、監査に関連して生じる全ての法的又は契約

上の報告責任)

《3.重要な要素、予備的な活動及び他の業務からの情報》

・ 監査基準報告書320「監査の計画及び実施における重要性」に従った監査上の重要性の決定

及び適用のある場合には以下の事項

- 監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」に従った構成単位の手続実

施上の重要性の決定と構成単位の監査人への通知(監基報600第35項及び第36項参照)

- 重要な取引種類、勘定残高又は注記事項についての暫定的な識別

・ 重要な虚偽表示リスクの程度が高い可能性のある領域の予備的な識別

・ 識別した財務諸表全体レベルでの重要な虚偽表示リスクが、監査チームメンバーに対する指

示、監督及び監査調書の査閲に与える影響

・ 監査証拠を入手し評価する際に、職業的懐疑心を保持する必要性を監査チームメンバーに周

知徹底する方法

・ 適用される財務報告の枠組みの改正(重要な注記事項の追加又は変更を含む。)

・ 内部統制の有効性の評価を含む過年度の監査結果(例えば、識別した内部統制の不備及びそ

の不備に対する改善措置)

・ 監査に影響を与える可能性のある事項に関して、企業に他のサービスを提供している監査事

務所の職員との協議

・ 適用される財務報告の枠組みで要求される注記事項を識別し、作成するために経営者が使用

するプロセス。注記事項には、総勘定元帳や補助元帳以外から入手した情報を含む注記事項も

含まれる。

・ 適切な内部統制の整備及び運用についての経営者の責任(例えば、このような内部統制に関

しての適切な文書)

・ 内部統制に依拠することがより効率的になる一定の取引量の有無

・ 企業が事業を円滑に遂行する上での内部統制の重要性

・ 企業に影響を与える重要な事業展開(例えば、ITや業務プロセスの変更及び主要な経営者

の交代並びに買収、合併及び事業の売却)

・ 重要な産業の情勢(例えば、産業の規制の変更及び報告事項の新設)

会計基準の変更のような、財務報告の枠組みにおける重要な変更

・ その他重要な関連する情勢(例えば、企業に影響を与える法律の変更)

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《4.監査チームの編成》

・ 監査業務において利用可能な人的資源、テクノロジー資源及び知的資源(例えば、監査チー

ムメンバーの割当)と、監査チームメンバーへの作業の割当て(重要な虚偽表示リスクの程度

が高い可能性のある領域への適切な経験を有する監査チームメンバーの配置を含む。)

・ 重要な虚偽表示リスクの程度が高い可能性のある領域への監査時間の配分

監基報300

以 上

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