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監査基準報告書501_実務指針第1号訴訟事件等に関わる顧問弁護士への質問書に関する実務指針.pdf

監査基準報告書 501 実務指針第1号

訴訟事件等に関わる顧問弁護士への質問書に関する実務指針

監基報 501 実1

2 0 0 2 年 7 月 2 9 日

改正 2 0 1 8 年 2 月 1 9 日

最終改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

(実務指針:第7号)

項番号

Ⅰ 本実務指針の適用範囲

1.適用範囲........................................................................1

2.背景............................................................................4

3.定義............................................................................9

Ⅱ 訴訟事件等のリスクの識別と評価

1.重要な虚偽表示リスクの識別と評価................................................11

2.企業及び企業環境並びに企業の内部統制システムの理解..............................14

(1) 企業及び企業環境..............................................................15

(2) 内部統制......................................................................17

Ⅲ 訴訟事件等のリスクに関連する手続

1.訴訟事件等を識別する手続........................................................21

2.顧問弁護士への質問書の送付

(1) 顧問弁護士への質問書の送付の意義..............................................24

(2) 顧問弁護士への質問書の送付に際しての留意事項 ..................................30

(3) 顧問弁護士からの回答の分析及び評価 ............................................55

(4) 金融商品取引法に基づく監査報告書の日付現在における訴訟事件等への対応 ..........62

(5) 企業が訴訟等を提起している場合の取扱い ........................................65

Ⅳ 適用 .............................................................................67

【付録1】顧問弁護士への質問書(白紙送付方式)の様式(例示)

【付録2】顧問弁護士への質問書(要約書添付方式)の様式(例示)

2023/8

監基報 501 実1

《Ⅰ 本実務指針の適用範囲》

《1.適用範囲》

1.本実務指針は、企業が当事者となっている訴訟事件等について重要な虚偽表示リスクの識別と

評価を行うとともに、訴訟事件等の網羅性について十分かつ適切な監査証拠を入手するに当たり、

関連する監査基準報告書の要求事項を適切に適用するために留意する事項を、顧問弁護士(特定

案件の担当弁護士を含む。以下同じ。)への質問書の送付を中心に適用指針として取りまとめた

ものである。

2.本実務指針の適用に際し関連する監査基準報告書は、主に以下のとおりである。

・監査基準報告書 250「財務諸表監査における法令の検討」

・監査基準報告書 315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」

・監査基準報告書 330「評価したリスクに対応する監査人の手続」

・監査基準報告書 501「特定項目の監査証拠」

・監査基準報告書 540「会計上の見積りの監査」

なお、適用に際しては、本実務指針に記載されている監査基準報告書のみでなく、個々の監査

業務に関連する全ての監査基準報告書と併せて理解することが求められている(監査基準報告書

200「財務諸表監査における総括的な目的」第 17 項から第 19 項及び第 21 項参照)。

3.本実務指針は、監査基準報告書に記載された要求事項を遵守するに当たり、当該要求事項及び

適用指針と併せて適用するための指針を示すものであり、新たな要求事項は設けていない。

《2.背景》

4.監査の過程において、訴訟事件や様々な紛争又はこれらに起因する損害賠償等が財務諸表に重

要な影響を及ぼすことが予測される場合、監査人は、監査の目的を達成するために、これらの事

項について法律的な観点から評価・検討が行われる。しかしながら、通常、監査人は法律的専門

知識を有することは期待されていないため、多くの場合、監査人は、顧問弁護士等とのコミュニ

ケーションなどの手続を実施し、専門家としての意見を入手することにより、監査上の判断を行

う上での有力な情報としている。

5.我が国企業の経営環境に照らすと、訴訟事件等の法律的事象を起因として、企業が損失を被る

危険性がある。経営者にはこうした訴訟事件等によるリスクを的確に把握し、適時・適切な対応

措置を採るための内部統制を構築する責務がある。

6.すなわち、訴訟事件等によるリスクの会計的評価、例えば、弁済すべき債務の認識、偶発損失

引当金の設定、財務諸表での注記等による情報の開示などは、財務諸表の作成責任者である経営

者によって行われるものである。一方、監査人は、訴訟事件等によるリスクに対する会計的評価

の妥当性を判断するに当たり、まず、当該リスクに対する企業の内部統制を評価した上で、当該

リスクに対する経営者の判断・評価の妥当性を検討することとなる。

7.したがって、訴訟事件等に係る顧問弁護士への質問書の送付も、当該リスクに対する企業の内

部統制に関する監査人の評価結果を踏まえて実施することとなる。

8.また、連結財務諸表主体の観点からは、顧問弁護士への質問書の送付も親会社のみならず、連

結子会社並びに持分法が適用される非連結子会社及び関連会社(以下「連結グループ会社」とい

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う。)を対象とし、監査人が必要と認めた場合に実施することとなる。

《3.定義》

9.本実務指針において対象とする訴訟事件等とは、下記(1)から(4)に示す範囲の事象をいうもの

監基報 501 実1

とする。

(1) 訴訟

① 現に裁判上で係争中の事件

訴訟の多くは、給付訴訟、すなわち、金銭若しくはその代替物の給付、又は動産・不動産

等の特定物の引渡しや明渡しを相手方に請求する訴訟として提起される。また、給付訴訟は、

損害賠償請求等と行為の差止め・履行請求とに分類される。前者は請求金額が訴状に記載さ

れているのに対して、後者は一定の行為の作為・不作為の請求であって、訴状に金額は記載

されない。

② 未確定の係争案件

裁判所からの訴状の送達は完了しているが、被告が争うか否かの意思決定をしていないた

め和解等が成立する余地が残されており、係争事件となるか否かが未確定の状態にあるもの

をいう。

下記(2)から(4)の事象は、それらが裁判所に提訴され、上記①、②に該当する場合には、本

項にいう訴訟に含まれることになる。

(2) 賠償請求等

賠償請求等とは、訴訟の形態をとらずに、不法行為や債務不履行等を原因として金銭の支払

いその他の給付を請求することをいう。

(3) 更正、査定及び賦課

更正、査定及び賦課(以下「更正等」という。)は、通常、国又は地方公共団体等の公的機関

から、行政上のペナルティ等として金銭の支払いを課される場合をいう。

上記(2)、(3)いずれの場合も、その支払いの原因となる事実について、裁判所や一定の機関

(例えば、租税については不服審判所等)で争うことができるため、その負担が確定するまで

の間は訴訟に準ずる事象となる。

上記(1)、(2)及び(3)を以下「訴訟等」という。

(4) 近い将来明らかに訴訟等が提起される可能性が高い事象(以下「訴訟等に準ずる事象」とい

う。)

ある事象に関して訴訟等を提起すると見込まれる者(潜在的請求者)がその意思を外部に表

明しており、その事実を企業が認知している場合や、類似の事象について既に他社で訴訟等と

なっているような場合をいい、訴訟等になる可能性が高いとみなし得る事象をいう。

10.本実務指針において、訴訟事件等のリスクとは、「訴訟事件等の帰結として発生する一定の給

付や行為を履行すべき負担発生のリスク」をいう。

ここに、一定の給付を履行すべき負担とは損害賠償義務等に基づく金銭の支払いや金銭以外

の財産(動産・不動産)の引渡し義務等をいい、また、一定の行為を履行すべき負担とは特定

の行為の作為・不作為を余儀なくされることをいう。

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監基報 501 実1

《Ⅱ 訴訟事件等のリスクの識別と評価》

《1.重要な虚偽表示リスクの識別と評価》

11.監査基準報告書 540 第 15 項により、監査人は監査基準報告書 315 で要求される重要な虚偽表

示リスクの識別と評価において(監基報 315 第 30 項及び第 33 項参照)、会計上の見積りの不確

実性の程度の評価が求められている。また、評価された重要な虚偽表示リスクに応じて、実施す

るリスク対応手続の種類、時期及び範囲を立案し実施することが求められている(監基報 330 第

5項参照)。

12.訴訟事件等は、損失の発生可能性や企業が被ることとなる損失の程度・範囲、訴訟事件等に関

連する会計上の見積りに関して、高度に法律上の専門的な判断が求められる場合があることや、

一般的に案件ごとの個別性が強いため画一的な尺度で判断することが困難なケースがある。その

ため、訴訟事件等に関しては、一般的に会計上の見積りの不確実性の程度が大きく、会計上の見

積りに関する重要な虚偽表示リスクが高くなることが多い。

13.上記のような訴訟事件等の性質に鑑み、訴訟事件等に関連する重要な虚偽表示リスクの識別と

評価に当たっての留意事項として以下が考えられる。

(1) 訴訟事件等を起因とする損害賠償等の損失が未確定である状況が存在するか。

訴訟事件等については、判決の確定、和解又はその他当事者間での合意・契約等による解決

が未だなされておらず、訴訟事件等を起因とする損失負担の発生がいまだ確定していないとい

う状況が存在するため、監査人は、企業にどのような訴訟事件等が存在し、それが現在どのよ

うな状況にあるのかを具体的に把握し確認することが重要である。

なお、損害賠償等による損失が確定している場合には、必要な会計上の手当てが行われるた

め、ここでの対象とはならない。

(2) 訴訟事件等が提起される原因となる事象がいつ発生したのか。

訴訟事件等の原因となった事象の発生時期はいつか(過去のどの事業年度に発生したのか、

当事業年度中に発生したのか、当事業年度の終了後なのか)を明確にすることが重要である。

長期にわたって継続している訴訟事件等についてはその推移に留意する。また、当該訴訟事件

等の発生が当事業年度終了後であるならば、その事象を後発事象として取り扱うこととするか

否か、又は財務諸表の修正を必要とするか注記等による開示事項とするか等に留意する。

(3) 企業にとって不利な結果となる可能性はどの程度か。

訴訟事件等が決着を見て、その結果、企業が損害賠償等や一定の行為の差止め等の履行を余

儀なくされることとなる可能性を監査人は検討することが重要である。

例えば、現在、企業の収益獲得の中心となっている主力製品の製造方法に関して、特許権の

侵害に当たるとして製造の差止め請求訴訟を提起され、係争中であるとした場合、裁判の審理

が進み結審が近くなってきたときに、その結果(勝訴すると見込むか否か、その根拠など)を

どのように想定するか、また、万一敗訴した場合には、どのような方策(控訴・上告するか、

判決を受け入れるか)を採る方針なのかといった点等についての企業の予測や見込みに関する

検討をいう。

(4) 企業が被ることとなる損失の程度・範囲又はその金額の見積りは合理的か。

企業の訴訟事件等について何らかの決着がつき、損害賠償等や一定の行為の差止め等の履行

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を余儀なくされたことから、その結果として損失の発生が予想される場合、監査人は、当該損

失がどのような範囲で、またどの程度の金額となるかについての経営者が使用した仮定の合理

性を検討することが重要である。

企業が被ることとなる損失の程度・範囲、金額に係る会計上の見積りにおいて経営者が使用

した仮定は、訴訟事件等の状況に変動を生ずる事実の発生が事業年度のどの時点で生じたのか

によって実務的には大きな影響を受けることに留意する。

(5) 企業が被ることとなる損失に対する会計処理又は財務諸表での開示は適切か。

企業が被ることとなる損失の発生の可能性を企業が評価・測定し、その結果に基づいて企業

が計上した訴訟損失引当金等の妥当性又は当該事実に関する財務諸表の注記等での開示の妥

当性を検討することが重要である。

《2.企業及び企業環境並びに企業の内部統制システムの理解》

14.監査基準報告書 315 第 18 項から第 26 項及び監査基準報告書 540 第 12 項により、監査人は企

業及び企業環境並びに企業の内部統制システムの理解が求められている。企業及び企業環境を理

解する一環として実施したリスク評価手続によって、監査人は、企業が当事者となっている訴訟

事件等に気づくことがある(監基報 501 の A18 項参照)。

訴訟事件等のリスクに関連する企業及び企業環境並びに企業の内部統制システムの理解に当

たっては、以下の事項に留意する。

《(1) 企業及び企業環境》

15.訴訟事件等のリスクに影響を与える企業及び企業環境としては、例えば、以下のような要因が

考えられる。これらの理解を通じて、企業の営む事業の特性や事業環境に訴訟事件等が提起され

やすい性質があるかどうかについて留意する。

・ 経営者の経営理念や経営方針

・ 訴訟、クレームに対する経営者の態度

・ 過去から訴訟事件等が多く発生する企業の体質

・ 企業の営む事業の持つ特性、すなわち、もともと訴訟事件等の発生の頻度が比較的高い事業

を営んでいる場合

・ 企業の属する業界の経済情勢や景気動向

・ 取扱製品等に影響を与える技術変化

・ 法令等の規制が強い業界であるか等

16.訴訟事件等のリスクは企業活動の様々な面に潜在しており、例えば、次の事項が挙げられる。

・ 営業面・・・営業債権・債務に関する係争

・ 生産面・・・特許、ノウハウ等の利用、製造物責任

・ 人事面・・・雇用・労働、セクシャル・ハラスメント問題

・ 物流面・・・運送上の事故・トラブル

・ 財務面・・・取引先等への貸付金等の返済に関する紛争

・ その他・・・環境問題、独占禁止法違反、税務問題(税務更正・移転価格問題等)

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《(2) 内部統制》

17.訴訟事件等のリスクをその発生部署で適切に認識・把握し、経営者等に報告するための管理組

織及びその管理責任部署が職務分掌規程、組織規程、決裁権限規程等において明確に定められて

いる場合には、監査人は、これらを対象にリスク評価手続を実施することが考えられる。これら

の理解を通じて、訴訟事件等のリスクに対する管理組織が、人員面、担当者の専門的能力、訴訟

事件等に関する報告状況等の観点から、目的に照らして適切な組織となっているかに留意するこ

とになる。

18.具体的には、法務部等の担当部署が、訴訟事件等のリスクに対する情報を収集・整理し、かつ

現実に訴訟事件等として生起した事象については、必要に応じ適切な顧問弁護士に依頼する等の

措置を講じているか、また、こうした情報の収集・整理の結果や経緯(発生した時期、内容等訴

訟事件等となった経緯及びその後の相手先との交渉過程等)並びに、当該事象に対する企業とし

ての対応の基本方針、対応策等を記載した記録(以下「訴訟事件等の管理資料」という。)を作成

し、規程に従って経営者に対する報告を行い、又は承認を得ているかどうかは、訴訟事件等のリ

スクの網羅性の観点から、監査人の重要な検討事項となることが多い。

19.訴訟事件等のリスクに対する内部統制が連結グループ会社をカバーする適切なものとなってい

るかどうかについても留意する。

20.監査人は、経営者がリスク管理担当部署からの報告等を基礎として、適切な訴訟事件等のリス

クに対する判断・評価を下し、会計処理や注記等の必要性に関する方針や意思決定を行い、利害

関係者に対する適切な情報開示に努めているか、経営者の訴訟事件等のリスクに係る会計処理・

開示に対する姿勢・方針を理解することが適切である。その過程において、必要に応じ弁護士等

の外部専門家の意見を参考として訴訟事件等のリスクへの対処方針を決定しているかを理解す

る。

《Ⅲ 訴訟事件等のリスクに関連する手続》

《1.訴訟事件等を識別する手続》

21.監査基準報告書 501 第8項では、重要な虚偽表示リスクを生じさせる、企業が当事者となって

いる訴訟事件等を識別できるように、経営者への質問、取締役会の議事録等の閲覧及び法務関連

費用の検討などの監査手続を立案し、実施することが求められている。また、監査基準報告書 315

第 13 項では、重要な虚偽表示リスクを識別し評価するための基礎を得るために、経営者への質

問、分析的手続、観察及び記録や文書の閲覧などの手続を実施することが求められている。

22.これらの手続の具体的な例示は、次のとおりである。

(1) 企業における訴訟事件等のリスクの一般的な発生可能性を調査し、訴訟事件等について、そ

の把握・報告に関する企業の組織図・管理体制及び関連諸規程等の文書を閲覧し、質問により

補足して理解する。

(2) 訴訟事件等のリスクの評価及び処理(会計処理及び注記等による開示を含む。)に関する方

針について経営者又は担当役員に質問する。

(3) 訴訟事件等の管理方法の状況及び実態について関連する訴訟事件等の管理資料を閲覧し、記

載内容が適切であり、また、記録が適時に更新されていることを確かめる。併せて法務責任者

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又は担当役員に質問し、訴訟事件等のリスクに対する内部統制の有効性を評価する。

(4) 顧問弁護士との契約リストを入手し、企業と顧問弁護士とのコミュニケーションの状況、新

規契約締結の有無や解約の状況等を把握する。特に、期中において依頼先顧問弁護士が契約を

解除している場合や、依頼先顧問弁護士が交替している場合には、企業又は必要に応じて当該

顧問弁護士に対する質問により、その理由を確かめる。

(5) 訴訟事件等に関する企業と顧問弁護士との間の通信文書や請求書等、監査上必要と認める文

書を閲覧する。

(6) 訴訟事件等の管理資料に基づき当該リスクに対する経営者の評価・判断が適切に形成され、

記録されているかを質問し、また関連する文書により確かめる。

23.なお、重要な虚偽表示リスクを生じさせる訴訟事件等を識別するために入手した監査証拠は、

評価又は測定など、訴訟事件等に関するその他の考慮事項についての監査証拠を提供することが

ある点に留意する(監基報 501 の A19 項参照)。

《2.顧問弁護士への質問書の送付》

《(1) 顧問弁護士への質問書の送付の意義》

《① 顧問弁護士への質問書の送付が必要となる場合》

24.監査基準報告書 501 第9項により、監査人は、識別した訴訟事件等に関する重要な虚偽表示リ

スクを評価する場合又は実施した監査手続によって重要な訴訟事件等が存在する可能性がある

と判断した場合には、企業の顧問弁護士と直接コミュニケーションすることが求められている。

25.企業の顧問弁護士とのコミュニケーションの手段として、顧問弁護士への質問書の送付及び顧

問弁護士との面談がある(監基報 501 の A21 項から A25 項参照)。

《② 顧問弁護士から入手した情報の監査証拠としての位置付け》

26.質問書の送付に対する顧問弁護士からの回答は、経営者から提供された訴訟事件等の情報に関

して、監査人が外部から得られる重要な監査証拠であって、法務担当責任者など企業内部から入

手した証拠によって代替されるものではないと考えられる。

27.企業の顧問弁護士から受領した文書は、監査人が、訴訟事件等に関する企業の会計処理及び情

報開示の妥当性を確かめるための主たる手段となると考えられる。そのため、監査人は、訴訟事

件等のリスクに対する経営者の方針や処理の適否を判断するに当たり、顧問弁護士へ送付した質

問書に対する回答を有力な監査証拠として利用し、当該リスクに係る監査上の評価を行うことが

適切である。

《③ 訴訟事件等の網羅性の検証》

28.企業が監査人に提示した訴訟事件等の管理資料が、企業にとって重要な訴訟事件等の全てを網

羅していることを確かめることも、顧問弁護士への質問書の送付の重要な目的の一つであること

に留意する。

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監基報 501 実1

《④ 顧問弁護士への質問書の送付に関する回答内容の評価とその監査証拠としての採用に関す

る判断責任》

29.もとより、訴訟事件等の状況に対する法律的判断は顧問弁護士の専門職務である。監査人は、

法律的事象に関する専門家ではないが、訴訟事件等のリスクに対する経営者の見解と顧問弁護士

の見解とを比較考量の上、企業の財務諸表に対して監査意見を表明するに当たって当該リスクが

財務諸表に与える影響が適切に反映されているか否かを判断することは監査人の責任であるこ

とに留意する。

《(2) 顧問弁護士への質問書の送付に際しての留意事項》

《① 質問書の送付の対象及び範囲の決定における基本的考え方》

30.監査人は、企業の訴訟事件等のリスクに対する内部統制の有効性の評価結果を基礎として、過

去の訴訟事件等の発生頻度等を斟酌し、訴訟事件等の管理資料に記載されている訴訟事件等の性

質、内容、そのリスクの大きさ等を勘案の上、顧問弁護士への質問書の送付の対象及び範囲を決

定する。

31.質問書の送付の対象となるのは、原則として本実務指針第9項に記載した訴訟事件等のうち、

企業が顧問弁護士に相談依頼又は訴訟代理人として選任している訴訟事件等である。

32.監査人が、質問書の送付の対象を選定する際の判断基準は、訴訟事件等のリスクがもたらす損

失の大きさによる。

この場合、損失額が見積り可能であるならば、その見積金額が判断基準となるが、それが合理

的に見積もれない場合には、通常は、当該訴訟事件等の性質やそれが影響を及ぼすと想定される

事実関係を考慮して判断する。なお、金額的重要性の判断に当たっては、重要性の基準値との整

合性を考慮することが重要である。

また、一件当たりの重要性は低いが、類似の訴訟事件等が多数あり、総体としては重要となる

事象については、質問書の送付の対象とすることが適切である。

33.顧問弁護士への質問書の送付の対象及び範囲の決定に当たっては、連結グループ会社の観点か

ら実施することに留意する。

34.企業の規模等によっては、訴訟事件等に関する内部統制の評価手続を実施するより、質問書の

送付という実証手続を実施する方が監査上の効率性が高いと監査人が判断した場合には、全ての

顧問弁護士に質問書を送付する方法を採用することも考えられる。

35.訴訟事件等のリスクに対する内部統制が有効であった場合でも、重要な訴訟事件等について専

門家の判断・見解を必要とする場合には、顧問弁護士への質問書の送付を通常は省略しない。企

業の訴訟事件等のリスクに対する内部統制に関する監査人の評価が低い場合には、全ての顧問弁

護士に対して質問書の送付を検討することが適切である。

36.顧問弁護士への質問書の記載内容・質問方法は必ずしも画一化されたものではなく、当該訴訟

事件等の状況に応じて最も的確な回答が得られるよう、監査人の判断を踏まえて選択・実施する

ことが重要である。

37.訴訟事件等に関する回答書において回答を求める主な事項は、次のとおりである。

(1) 訴訟事件等の原因となる事実とそれが発生した時期ないし経過期間

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監基報 501 実1

(2) 訴訟事件等の状況(内容、性質、争点、相手方との交渉等の推移等)

(3) 訴訟事件等に対する会社の対応方針(法廷で争うか、和解を考慮するか等)

(4) 訴訟事件等を起因として損失が発生する可能性の程度(潜在的請求者等に請求される可能性

など、会社としての訴訟事件等のリスクの程度に関する予想、決着の時期・結果等に関する見

込み)

(5) 予想される損失の見積金額等(会計処理や情報開示に関する会社としての方針や見解等)

38.監査基準報告書 501 の A22 項及び A23 項では、一般的な質問書(第 39 項(1)参照)又は特定の

質問書(第 39 項(2)及び(3)参照)によって企業の顧問弁護士との直接のコミュニケーションを

求めることがあるとしている。

39.質問書の送付の方法としては、以下の方法が考えられる。

(1) 質問依頼書には質問事項に関する記載を行わず、訴訟事件等の内容はもとより、訴訟事件等

に該当する事象の有無についての回答を含む一切の記載・記述を顧問弁護士に任せることによ

り、顧問弁護士による回答を得る方法(以下「白紙送付方式」という。)。

(2) 訴訟事件等の管理資料に記載された全ての訴訟事件等又は当該管理資料に記載された事象

の中から監査人が重要であると判断して選定した訴訟事件等について、企業にその内容、経緯、

現状及びこれに対する経営者の説明、評価及び判断を要約して記載した文書(以下「訴訟事件

等の要約書」という。)の作成を求め、この要約書を質問書に添付するか、又は、この要約書の

内容等を顧問弁護士への質問書に記載(転記)する方法(以下「要約書添付方式」という。)。

(3) 質問対象とする訴訟事件等案件名称のみを記載し、回答書に「訴訟事件等の要約書」に記載

する主な事項に示す内容に関する顧問弁護士自身の見解等の記載を依頼する方法(「案件名リ

スト方式」という。)。

(4) 企業に重要な訴訟事件等がないと判断される場合でも、訴訟事件等の網羅性を検証するため

に、顧問弁護士への質問書に訴訟事件等はない旨を記載し、その記載に対して顧問弁護士の回

答を得る方法。

《② 質問書の作成に当たっての具体的留意事項》

40.顧問弁護士への質問書の送付先の選定日現在において、企業が把握している訴訟事件等の管理

資料の提出を求め、その内容を検討し、また必要に応じて法務部門の責任者等に質問を行う。

なお、期中において解決済みとなった訴訟事件等に関して、解決に伴う金銭の支払等の履行義

務が完了しているかなど、解決内容やその後の状況を追加的に把握しておく必要がある場合にも、

質問書の送付の対象とすることがある。

41.質問書の送付の対象を重要性がある訴訟事件等に限定する場合で、質問先となった事象の担当

顧問弁護士が同時に質問書の送付の対象外の事案も担当しているときには、企業が当該顧問弁護

士に相談依頼又は訴訟代理人として選任している全ての訴訟事件等を記載した一覧表(以下「依

頼案件リスト」という。)を入手し、質問書の送付の対象として選定した案件以外の案件について

把握し、企業が当該顧問弁護士へ依頼している案件の網羅性が確認できるような態勢としておく

ことが重要である。

なお、必要と認める場合には、質問書の送付の対象とした訴訟事件等の選定基準を説明する文

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監基報 501 実1

書を質問書の別紙として添付することも考えられる(付録2「記載上の注意」(エ)参照)。

42.質問回答書に顧問弁護士が署名・押印と共に記載する日付(回答日)は、顧問弁護士が回答を

求められた項目に対する回答の作成に当たり、いつの時点の事実等を前提として、いつの時点で

自己の見解を形成したのかを意味する日付(回答基準日)を予定している。しかし、実務的には

回答書の作成・発送のための事務手続中に訴訟事件等に大きな進展があることも想定され、この

ような場合には回答基準日と回答日とが一致しない場合もあり得る。

このような場合には、必要に応じ質問回答書の回答日とは別個に回答基準日を設けることが考え

られる(付録1「記載上の注意」(ア)及び(イ)、並びに付録2「記載上の注意」(イ)及び(ウ)参照)。

43. 訴訟事件等に関して、企業内部限り又は企業及び顧問弁護士限りの機密情報として扱われてお

り、監査人に情報を提供しない事象が存在していないか、監査の実施過程において十分留意する。

44. その他、顧問弁護士への質問書の送付に当たっては、監査基準報告書 500「監査証拠」に記載

されている事項に留意する。

《③ 質問書の送付の時期及び対象とする期間》

45. 顧問弁護士への質問書の送付の主な目的は、監査人が、企業の財務諸表に重要な影響を及ぼす

訴訟事件等の内容を網羅的かつ正確に把握することにあるため、通常、顧問弁護士への質問書は、

期末日後で、監査報告書の日付前の適切な時点で発送することとなると考えられる。

46.しかしながら、質問書の送付の対象となる訴訟事件等の性質、内容、状況等の個別的事情によ

っては、顧問弁護士への質問書の送付を期中に行うことも考えられる。例えば、特定の訴訟事件

の審理の進捗状況いかんによっては、これに対する会計上の手当ての要否を検討する必要がある

ため、期中において顧問弁護士への質問書の送付を実施する場合が考えられる。

47.期首に存在していた訴訟事件等の推移・顛末及びその後当期の監査報告書の日付までの間に発

生した訴訟事件等を質問書の送付の対象とする必要があるため、顧問弁護士への質問書の送付の

対象とする期間は、事業年度の期首から監査人の監査報告書日前の適切な日になると考えられる。

ここに適切な日とは、監査報告書日付に可能な限り近接しており、質問書の発送・回収等を合理

的に実施できる期間が確保できる日をいう。

《④ 顧問弁護士への質問書の発送・回収管理》

48.監査人は、質問書の記載内容又はそれに添付される訴訟事件等の要約書、依頼案件リスト等の

記載内容を確認の上、自らの管理の下で封印、投函することに留意する。

49.発送した質問書は管理番号を付し、発送先名、発送日、回収日、督促日、摘要等を記載したコ

ントロール・シートを作成し、発送から回収までを記録することに留意する。

50.回収期限経過後においても回答が未到着である場合には、企業に督促を依頼することに留意する。

51.発送した質問書は、通常、全件回収する。

《⑤ 質問書の様式》

52.各監査事務所は、本実務指針に記載された事項等を参考にして、顧問弁護士への質問書の様式

を作成することが望ましい。なお、参考として白紙送付方式及び要約書添付方式の様式例を本実

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監基報 501 実1

務指針の付録としたが、質問書の送付の対象とする訴訟事件等の内容その他の個別的事情を勘案

して、必要な修正を加えて利用することが考えられる。

《⑥ 「要約書添付方式」を採用する場合の留意事項》

53.訴訟事件等の要約書に記載する主な事項は、第 37 項の訴訟事件等に関する回答書において回

答を求める主な事項(1)~(5)に係る経営者の見解である。

なお、訴訟事件等の要約書においては、これらの項目については可能な限り経営者の見解等を

記載するよう会社に依頼することが適切であるが、訴訟事件等に対する会社の対応方針・訴訟事

件等を起因として損失が発生する可能性の程度・予想される損失の見積金額等については、質問

書の送付の対象となる訴訟事件等の個別的事情によっては、経営者も的確な記載に窮する場合が

生ずることも想定される。このような場合には、訴訟事件等の要約書への記載に代えて、当該項

目について顧問弁護士の見解の記載を依頼する文言を質問書に含めることも考えられる。

54.顧問弁護士へ回答を依頼する事項は、次のとおりである。

(1) 質問書の送付先の顧問弁護士が関与している訴訟事件等のうち、質問書の送付の対象とし

て選定した重要な訴訟事件等の全てが、質問書又は質問書に添付されている訴訟事件等の要約

書に正確に記載されているか。

(2) 質問書又は要約書に記載されている内容、特に、当該訴訟事件等を起因として損失が発生

する可能性の程度及び予想される損失の見積金額等に対する経営者の判断や見解に対して、顧

問弁護士はどのような見解を有しているか (そのような見解に至った理由・根拠も含む。)。

(3) 顧問弁護士は、企業から訴訟事件等として相談又は依頼されているが、質問書又は訴訟事

件等の要約書又は依頼案件リストに記載されていない事象がある場合には、その旨及び当該事

象の内容

(4) 未払又は未請求の報酬等、その他追加して質問する必要があると認められる事項

《(3) 顧問弁護士からの回答の分析及び評価》

《① 質問書への回答がない場合又は回答を拒否された場合》

55.監査基準報告書 501 第 10 項に従い、質問書の送付先の顧問弁護士から回答がない場合又は回

答を拒否された場合、通常、監査人は訴訟事件等の重要性を勘案して、当該顧問弁護士と面談す

る等の代替的な監査手続を実施し、代替的な監査手続により十分かつ適切な監査証拠が入手でき

ない場合は、監査基準報告書 705「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」に従って、

監査範囲の制約に関する限定意見を表明するか意見を表明しない。

《② 回答に何らかの条件又は留保事項が付されている場合》

56.顧問弁護士から回答を入手した場合であっても、その回答に何らかの条件又は留保事項が付さ

れている場合、通常、監査人は顧問弁護士が付した条件又は留保の意味や内容を慎重に検討し、

必要があれば経営者又は当該顧問弁護士と協議する。

57.監査人は、その結果に応じて企業の訴訟事件等に係る当該条件等が、監査意見に及ぼす影響を

判断する。

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監基報 501 実1

《③ 経営者の見解と相違する旨の回答内容である場合》

58.監査基準報告書 501 の A24 項には、企業の顧問弁護士と面談する必要があると判断することが

ある場合として、経営者と企業の顧問弁護士の間に見解の不一致がある場合が挙げられている。

したがって、質問書の回答に記載された顧問弁護士の見解が企業の見解と相違する場合には、監

査人はその相違点について慎重に検討し、必要があれば当該顧問弁護士又は企業の経営者と面談

して協議する等により、当該相違点の具体的内容を十分理解することが重要である。

59.必要と認める場合には、監査人自身が独自に法律専門家(監査人自身が依頼する弁護士又は当

該問題に詳しい学識経験者等)の見解を入手することがある。その場合は、監査基準報告書 620

「専門家の業務の利用」に従うことに留意する。

《④ 回答に質問書に該当のない事項が記載されている場合》

60.質問書に本来記載されるべきもので、当該記載がない旨指摘されたものがある場合、当該記載

事項の内容を検討し、必要がある場合には再度顧問弁護士へ質問書を送付し、その訴訟事件等の

リスクを評価することが適切である。

61.また、通常、監査人は企業に質問書に記載されなかった理由を質問し、その回答を吟味するこ

とにより監査上の判断を行うとともに、企業の内部統制に改善の余地がある場合には、経営者に

その旨を報告し、改善を求める。

《(4) 金融商品取引法に基づく監査報告書の日付現在における訴訟事件等への対応》

62.監査基準報告書 501 の A25 項では、「監査報告書日までの訴訟事件等の状況についての監査証

拠は、関連事項の扱いに責任がある法務担当者を含む、経営者への質問によって入手されること

がある。個々の状況により、監査人は、企業の顧問弁護士から更新された情報を入手することが

必要な場合がある。」とされている。特に、会社法監査と金融商品取引法監査が共に適用になる企

業においては、現行の監査実務上、両者の監査報告書の日付が異なるため、通常、監査人は金融

商品取引法による監査意見の表明時に顧問弁護士への質問書について追加的な対応を行う。

63.監査人が実施する手続には、例えば、次の手続が含まれる。

(1) 会社法の監査報告書日以降の適切な基準日を設定して、改めて質問書を送付する。

(2) 会社法監査時に送付する質問書に、あらかじめ会社法の監査報告書日後、金融商品取引法の

監査報告書日までの間における変動状況に関して顧問弁護士からの追加的情報提供の依頼文

を挿入しておく。

64.この方法によった場合の追加的情報の具体的入手方法としては、文書による回答、電話等によ

る連絡、直接面談等が考えられるが、監査人が最も適切と考える方法により追加的情報を入手す

ることが重要である。また、顧問弁護士から文書による回答を求める場合には、監査実務の便宜

上、金融商品取引法監査の監査報告書の日付に可能な限り近接した日までに回答書を入手し、そ

の後の期間については、必要に応じて電話等による追加的な手続を実施することがある。

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監基報 501 実1

《(5) 企業が訴訟等を提起している場合の取扱い》

65.本実務指針においては、企業に損失が発生する要因としての観点から訴訟事件等のリスクを捉

え、それに対する顧問弁護士への質問書の送付の在り方について記載しているが、逆に、債権の

取立・回収に関する訴訟事件や特許権等の侵害に対する訴訟等のように、企業が他人に対して訴

訟等を提起している場合がある。

この場合も、企業は訴訟事件等のリスクと同様に管理を行う必要があるが、監査人としても、

その事象の金額的重要性が高い場合には、通常、顧問弁護士への質問書の送付を同様に実施する。

この質問書の送付は、債権等の回収可能性や特許権の侵害による賠償請求等に関する証拠資料の

入手又は財務諸表における訴訟事件等の状況に関する注記等の情報開示の必要性から行うこと

が多い。

66.なお、債権の回収に係る訴訟事件や特許申請など日常業務的な事項に関する案件で、財務諸表

に及ぼす影響が乏しいと認められる事象については、質問書送付の対象外とすることがある。

《Ⅳ 適用》

・ 本報告は、2002 年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度(以下「会計年度等」とい

う。)に係る監査から適用する。なお、同日前に開始する会計年度等で 2002 年4月1日以後に

終了する会計年度等に係る監査について、本報告を適用することを妨げない。

・ 「監査委員会報告第 73 号「訴訟事件等に係わるリスク管理体制の評価及び弁護士への確

認に関する実務指針」の改正について」(2018 年2月 19 日)は 2018 年4月1日以後開始す

会計年度等に係る監査から適用する。なお、同日前に開始する会計年度等に係る監査につ

いて、本実務指針を適用することを妨げない。

以 上

・ 本実務指針(2022 年 10 月 13 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映している。

- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(2022 年7月

21 日改正)

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【付録1】顧問弁護士への質問書(白紙送付方式)の様式(例示)

監基報 501 実1

No.

年 月 日

〒 -

(住 所)

(氏 名)

殿

(住 所)

(会社名)

(責任者名)

(印)

訴訟事件等に関する質問書の送付の件

拝 啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、当社の会計監査に当たり、 監査事務所は、 年 月 日から 年 月 日ま

での事業年度及び同日以降現在に至るまでの期間における訴訟事件等に関し、下記に関する事項の

回答を求めております。

つきましては、ご多忙中のところ誠に恐縮に存じますが、回答欄(余白不足の場合は別紙)にご

記入、ご捺印の上、同封の返信用封筒にて、 年 月 日までに直接、 監査事務所宛

にご返送くださいますようお願い申し上げます。

なお、監査人は、 年 月 日(会社法)及び 年 月 日(金融商品取引法)にそれぞれ監査

証明を行う予定となっておりますので、本状ご回答日(又は回答基準日(「記載上の注意」(ア)参照))以

降監査証明予定日までの間に、別紙に該当する係争事件等についての新しい事実が発生した場合又

は別途に新たな係争事件等が発生した場合には、至急、下記監査人宛にご通知賜りますようお願い

申し上げます。

敬 具

連絡先: 監査法人 担当者 電話 ( )

メールアドレス

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監基報 501 実1

1.貴殿が当社より相談を受けている訴訟事件等又は代理人として関与している訴訟事件等につい

て、それぞれの訴訟事件等の下記事項に関する貴殿の見解等を、「訴訟事件等に関する回答書」

に質問事項の(1)から(4)の各項目の分類に従って記載してください。

① 訴訟事件等の原因となる事実とそれが発生した時期ないし経過期間

② 訴訟事件等の状況(内容、性質、争点、相手方との交渉等の推移等)

③ 訴訟事件等に対する対応方針(法廷で争うか、和解を考慮するか等)

④ 訴訟事件等を起因として損失が発生する可能性の程度(潜在的請求者等に請求される可能性

など訴訟事件等のリスクの程度に関する予想、決着の時期・結果等に関する見込み)

⑤ 予想される損失の見積金額等

2. 年 月 日現在の当社の未払報酬額及びその内容を記載してください。

3.回答書の作成に当たっては、別紙にご記入の上、当該「訴訟事件等に関する回答書」に添付し

てご返送いただいても結構です。

<記載上の注意>

(ア) 本実務指針第42項の回答基準日を設ける場合には「訴訟事件等に関する質問書の送付の件」の「記」3の次に下記

ⅰの文言を、また、「訴訟事件等に関する回答書」「(5) 未払報酬額の内容」の次に下記ⅱの文言をそれぞれ追加す

る。

ⅰ 「訴訟事件等に関する質問書の送付の件」への追加文言

4.「訴訟事件等に関する回答書」の(6)回答基準日は本質問書に対する貴殿の見解・回答の形成

日(有効日付)であり、実際に文書としての回答書を作成又は送付された日(回答日)と一致

しない場合もあり得ますが、可能な限り同一日又は近接した日となりますようお願いいたしま

す。

ⅱ 「訴訟事件等に関する回答書」への追加文言

(6) 回答基準日

上記は○○○株式会社(回答依頼人)からの依頼に基づき、本職が回答すべきものと認める

事項の全てについて 年 月 日現在で作成しております。

(イ) 本実務指針第42項にも記載のとおり、回答基準日は必ずしも必要ではないが、規模の大きな法律事務所では、回答

書の発送事務手続上その記載が有効であることが多い。

以 上

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訴訟事件等に関する回答書

監基報 501 実1

監査事務所 御中

当法律事務所が、現在(会社名) より相談を受けている訴訟事件等又は代理

人として関与している訴訟事件等について、下記のとおり回答します。

(1) 現在係争中の訴訟事件

(2) 訴訟事件ではないが賠償請求等を受けている事項

(3) 請求を受けている国等からの更正・査定・賦課

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(4) 今後、訴訟、賠償請求等又は更正、査定若しくは賦課が提起されるか、これらに準ずる事象が

発生する可能性がある事項

監基報 501 実1

(5) 未払報酬額の内容

年 月 日現在の未払報酬額

内容( )

年 月 日

法律事務所

弁 護 士 印

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【付録2】顧問弁護士への質問書(要約書添付方式)の様式(例示)

監基報 501 実1

No.

年 月 日

〒 -

(住 所)

(氏 名)

殿

(住 所)

(会社名)

(責任者名)

(印)

訴訟事件等に関する質問書の送付の件

拝 啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、当社の会計監査に当たり、 監査事務所は、 年 月 日から 年 月 日ま

での事業年度及び同日以降現在に至るまでの期間における訴訟事件等に関し、下記に関する事項の

回答を求めております。

つきましては、ご多忙中のところ誠に恐縮に存じますが、回答欄(余白不足の場合は別紙)にご

記入、ご捺印の上、同封の返信用封筒にて、 年 月 日までに直接、 監査事務所宛

にご返送くださいますようお願い申し上げます。

なお、監査人は、 年 月 日(会社法)及び 年 月 日(金融商品取引法)にそれぞれ監査

証明を行う予定となっておりますので、本状ご回答日(又は回答基準日(「記載上の注意」(イ)参照))以

降監査証明予定日までの間に、別紙に該当する係争事件等についての新しい事実が発生した場合、

又は別途に新たな係争事件等が発生した場合には、至急、下記監査人宛にご通知賜りますようお願

い申し上げます。

敬 具

連絡先: 監査法人 担当者 電話 ( )

メールアドレス

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監基報 501 実1

1.貴殿が当社より相談を受けている訴訟事件等又は代理人として関与している訴訟事件等のうち、

当社の監査人が貴殿の見解等の入手を要望している案件につき、別紙「訴訟事件等に関する質問

事項」の各項に記載した当社の見解に対する貴殿の意見(例えば、当社の見解に同意できるか否

か、相違する場合にはその理由及び貴殿の見解など)を、「訴訟事件等に関する回答書」の「(1)

質問事項に対する見解」に質問事項の(1)から(4)の各項目の分類に従って記載してください。

2.上記1で質問事項の対象とした訴訟事件等を除き、当社が貴殿に相談又は訴訟代理人としての

関与を依頼しております全ての訴訟事件等を別添の「依頼案件リスト」に記載してあります。

貴殿が当社より相談を受けている訴訟事件等又は代理人として関与している訴訟事件等で、別

添の「依頼案件リスト」に記載されていない事項がある場合には、その旨と記載されていない案

件名を「訴訟事件等に関する回答書」の「(2)訴訟事件等で質問事項に記載されていない事項」に

記載してください。

3. 年 月 日現在の当社の未払報酬額及びその内容を記載してください。

4.回答書の作成に当たっては、当該訴訟事件等について、「訴訟事件等に関する質問事項」記載

内容に沿って貴見をご記入ください(「記載上の注意」(ア)参照)。

なお、これらの事項を別紙にご記入の上、当該「訴訟事件等に関する回答書」に添付してご返

送いただいても結構です。

5.回答書のご返送に当たっては、「訴訟事件等に関する質問事項」も添付してご返送ください。

<記載上の注意>

(ア) 訴訟事件等の要約書に記載する主な事項のうち、一部の記載を省略している場合(本実務指針第53項参照)には、

下記のうちの回答を依頼する事項を補足記載する。

① 当社は裁判所の判決を受ける方針か、又は和解の方針か。

② 裁判所の判決を受けることとした場合、勝訴又は敗訴の可能性

③ 敗訴又は和解の場合の推定賠償額等

(イ) 本実務指針第42項の回答基準日を設ける場合には「訴訟事件等に関する質問書の送付の件」の「記」4の次に下記

ⅰの文言を、また、「訴訟事件等に関する回答書」「(3) 未払報酬額の内容」の次に下記ⅱの文言をそれぞれ追加す

る。

ⅰ 「訴訟事件等に関する確認の件」への追加文言

5.「訴訟事件等に関する回答書」の(4)回答基準日は本質問書に対する貴殿の見解・回答の形成

日(有効日付)であり、実際に文書としての回答書を作成又は送付された日(回答日)と一致

しない場合もあり得ますが、可能な限り同一日又は近接した日となりますようお願いいたしま

す。

ⅱ 「訴訟事件等に関する回答書」への追加文言

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監基報 501 実1

(4) 回答基準日

上記は○○○株式会社(回答依頼人)からの依頼に基づき、本職が回答すべきものと認める

事項の全てについて 年 月 日現在で作成しております。

(ウ) 本実務指針第42項にも記載のとおり、回答基準日は必ずしも必要ではないが、規模の大きな法律事務所では、回答

書の発送事務手続上その記載が有効であることが多い。

(エ) 必要と認める場合には、本質問書の対象とする訴訟事件等の選定基準の記載を行うこともできる。この場合には、

例えば、以下の文言を「訴訟事件等に関する質問書の送付の件」の「記」に追加記載する。

「本質問書の対象とする訴訟事件等の選定基準」

訴訟事件等による当社に対する賠償請求額が×××百万円未満の事件等については、本質問

書の対象事項とはしておりませんので、記載の必要はありません。

なお、訴訟事件等の選定基準の記載を行う場合、「一件当たりの重要性は低いが、類似の訴訟事件等が多数あり、

総体としては重要となる事象(本実務指針第32項参照)」に該当するものとして選定した訴訟事件等が質問書の対象

となっている際には上記の記載文言との整合性を欠くことになるので、その旨の補足的説明を追加記載することが

必要となる点に留意する。

(オ) 同一の弁護士に対して回答依頼する項目・件数が多数に上るような場合などには、「訴訟事件等に関する回答書」を

本例に示したような「訴訟事件等に関する質問事項」とは別紙として作成する方法に代えて、例えば、「訴訟事件等に関

する質問事項」の「(1) 現在係争中の訴訟事件」以下の各項目の分類に従い、一案件ごとに質問事項と、これに対する回

答を対照式で記載することができるような書式(対照式)を用いるなど、回答する弁護士の回答作業上の負担を軽減

するような工夫をすることが有用である。

(カ) 上記(オ)の対照式を用いた場合には、「訴訟事件等に関する回答書」の(2)、(3)の各項目への回答を記載するための場

所又は用紙の配慮が必要となる。

以 上

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訴 訟 事 件 等 に 関 す る 質 問 事 項

(下記の記載内容は当社の見解であります。)

監基報 501 実1

(1) 現在係争中の訴訟事件

(2) 訴訟事件ではないが賠償請求等を受けている事項

(3) 請求を受けている国等からの更正・査定・賦課

(4) 今後、訴訟、賠償請求等又は更正、査定若しくは賦課が提起されるか、これらに準ずる事象が

発生する可能性がある事項

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訴訟事件等に関する回答書

監基報 501 実1

監査事務所 御中

当法律事務所が、現在(会社名) より相談を受けている訴訟事件等又は代理

人として関与している訴訟事件等について、下記のとおり回答します。

(1) 質問事項に対する見解

(2) 訴訟事件等で質問事項に記載されていない事項(該当ある場合)

(3) 未払報酬額の内容

年 月 日現在の未払報酬額

内容( )

年 月 日

法律事務所

弁 護 士 印

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