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及び適用する対応の整備及び運用に関する責任を明確にするための単位であり、品基報第 1 号
で用いられている概念とは必ずしも同一ではない。サブ・プロセスとは、プロセスをさらに細
分化した単位である。プロセス・オーナーとは、当該プロセスやサブ・プロセスにおける対応
の整備及び運用に関する一次的な責任者(責任部門)である。デザイン及び適用する対応の立
案に当たっては、一次的な責任者(責任部門)を明確にすることが重要である。
43.様式1の品質リスクは、想定したモデル事務所の性質及び状況並びに実施する業務内容及び
状況等を踏まえた上で、品質管理システムの構成要素のうち、ガバナンス及びリーダーシップ
については「監査法人の組織的な運営に関する原則(監査法人のガバナンス・コード)」(令
和5年3月 24 日改訂 監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会)、監査事務所の
業務運営に関する資源のテクノロジー資源については IT 委員会実務指針第4号「公認会計士業
務における情報セキュリティの指針」(2020 年 10 月 23 日 日本公認会計士協会)及び「内部
統制報告制度に関する事例集」(平成 23 年3月 金融庁総務企画局)の事例 4-2、それ以外に
ついては「品質管理のシステムに関するレビュー手続書(QCP300)」(2022 年6月 15 日 日本
公認会計士協会)等を参考にして作成している。なお、本実務ガイダンスにおいては、ガバナ
ンス及びリーダーシップ、監査事務所の業務運営に関する資源のほか、品基報第2号「監査業
務に係る審査」に係るものについては、対応を含めて、詳細に例示を作成している。
44.ネットワークが全てのネットワーク・ファームに共通する追加的な品質目標や品質リスクを
要求事項としていない場合、品基報第1号で示されている品質目標や既に識別し評価した品質
リスクに紐付けて対応を定める方法と、別個に品質目標や品質リスクを追加して対応を定める
方法があると考えられる。
《(3) 品質リスクに対処するために構築すべき対応のデザイン及び適用状況の把握》
45.評価した品質リスクに対処するために構築すべき対応の内容、時期及び範囲は、品質リスク
に対する評価の根拠、すなわち想定される発生可能性及び一つ又は複数の品質目標の達成に与
える影響に基づく(品基報第1号の A49 項参照)。
46.監査事務所がデザインし適用する対応は、監査事務所レベル又は業務レベルのいずれかで運
用されることがある。他方、そのような対応に関する責任が監査事務所レベル及び業務レベル
の双方で共有されることもある(品基報第1号の A50 項参照)。品基報第1号の A50 項に、監査
事務所レベル及び業務レベルの両方のレベルで運用する対応を監査事務所がデザインし適用す
る例の記載がある。
47.多くの専門要員を有する、又は地理的に分散している監査事務所の方が、監査事務所全体で
の一貫性を達成するために正式に文書化された方針又は手続を整備する必要性が高いことがあ
る(品基報第1号の A51 項参照)。
48.既存の品質管理システムに関する規程、慣行及びその遵守状況等を踏まえ、対応の整備状況
を把握し、記録・保存する。特に、暗黙裡に実施されている監査事務所内の決まり事等がある
場合には、それを明文化しておくことが重要である。
49.品質管理システムの整備状況を、様式1を利用するなどして、記録し、可視化することで、
把握された不備への対応及び是正すべき点が明確となる。