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に業務チーム及び審査担当者が従うべき職業倫理に関する規定をいい、公認会計士法・同施行令・
同施行規則、日本公認会計士協会が公表する会則、倫理規則及びその他の倫理に関する規定から
構成される。なお、「職業倫理に関する規定」と表記することもある。合意された手続業務に関連
する我が国における職業倫理に関する規定は、業務実施者が客観性を含む基本原則を遵守するこ
とを要求している。この基本原則は、偏向、利益相反又は他者による不当な影響を理由として、業
務実施者が職業的専門家としての判断又は事業上の判断を損なわないことを要求している。した
がって、業務実施者を対象とする合意された手続業務に関連する我が国における職業倫理に関す
る規定は、少なくとも、合意された手続業務を実施する際に業務実施者が客観的であることを要
求する。
A14.合意された手続業務においては、客観性の原則に基づき利益相反の回避が求められるが、法令
又は契約条件に基づく場合を除き、業務対象に責任を負う者に対する独立性は要求されない。し
かしながら、各国の倫理規程、法令、その他の職業的専門家としての要求事項又は合意された手
続業務の業務対象に関する契約、プログラム若しくは取決めは、独立性に関する要求事項を規定
することがある。
《(2) 違法行為》
A15a.法令又は職業倫理に関する規定に以下が定められていることがある。
(1) 業務実施者が識別した違法行為又はその疑いへの対処を事業体の外部の適切な当局に報告す
る義務
(2) 状況に応じて事業体の外部の適切な当局に報告する責任
A15b.業務実施者は、企業の違法行為について、法令や職業倫理に関する規定による追加の責任を
有することがある。例えば、我が国における倫理規則は、以下の要求事項が定められている。
(1) 違法行為又はその疑いに対処すること。これには以下を含む。
・ 経営者や統治責任者との当該事項についての特定のコミュニケーション
・ 追加的な対応が必要かどうかの判断
(2) 業務実施者が所属している監査事務所が財務諸表監査業務を提供している場合、違法行為又
はその疑いを監査人に伝達すること。
(3) 違法行為又はその疑いについて文書化すること。
また、国によっては、法令や職業倫理に関する規定により、特定の合意された手続業務につい
て、業務実施者が追加的な手続を実施し、追加的な対応を講じることが求められていることがあ
る。法令等により、業務実施者が一定の事項を経営者や統治責任者にコミュニケーションを行う
ことが制限されている場合や、違法行為又はその疑いのある行為について、企業に注意喚起する
ことを含め、適切な当局による調査を害するおそれのあるコミュニケーションやその他の行為を
明確に禁止している場合がある。例えば、マネーロンダリングに関する法令に従って、業務実施者
が適切な当局に違法行為又はその疑いを報告することが求められている場合がある。このような
状況では、業務実施者が検討する事項は複雑であり、業務実施者が法律専門家に助言を求めるこ
とが適切と考えることがある。
A16.業務実施者が識別した違法行為又はその疑いを事業体の外部の適切な当局に対して報告するこ