
監基報265
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《小規模企業に特有の考慮事項》
A18.小規模企業の監査の場合、監査人は、大規模企業の場合より簡略的な方法で、監査役等とコミ
ュニケーションを行うことがある。
《(2) 経営者との内部統制の不備に関するコミュニケーション》(第9項参照)
A19.通常、適切な階層の経営者とは、内部統制の不備を評価し必要な是正措置を講じる責任と権限
を有する者のことをいう。
重要な不備の場合、監査役等へ報告を行うことが求められているため、適切な階層の経営者は、
最高経営責任者又は最高財務責任者(又はそれと同等の者)であることが多い。その他の場合、内
部統制の不備の影響を受ける領域に対してより直接的に関与しており、適切な是正措置を講じる
権限を有する管理者が適切な階層の経営者であることがある。
《経営者との重要な不備に関するコミュニケーション》(第9項(1)参照)
A20.識別した重要な不備によって経営者の誠実性や能力が問題となる場合がある。例えば、経営者
による不正又は意図的な違法行為に関する証拠となる可能性がある場合や、経営者の適切な財務
諸表の作成責任を遂行する能力に疑義が生じる場合が挙げられる。このような場合、当該不備に
ついて経営者に直接報告することが適切ではない場合がある。
A21.監査基準報告書250「財務諸表監査における法令の検討」は、違法行為を識別したか又は疑いを
抱いた場合(監査役等自身が違法行為に関与している場合を含む。)の報告に関する要求事項及び
適用指針を提供している(監基報250第22項から第28項参照)。監査基準報告書240「財務諸表監査
における不正」は、経営者が関与する不正を識別したか又は疑いを抱いた場合の監査役等とのコ
ミュニケーションに関する要求事項及び適用指針を提供している(監基報240第40項参照)。
《経営者とのその他の内部統制の不備に関するコミュニケーション》(第9項(2)参照)
A22.監査人は、監査の過程で、重要な不備ではないが、経営者の注意を促すに値するその他の内部
統制の不備を識別することがある。その他の内部統制の不備のうちのいずれが経営者の注意を促
すに値するかの判断は、個々の状況に応じた職業的専門家としての判断事項である。監査人は、こ
の判断において、当該不備の結果として財務諸表に虚偽表示が発生する可能性及び潜在的な虚偽
表示の影響の大きさを検討する。
A23.経営者の注意を促すに値するその他の内部統制の不備の報告は、書面又は電磁的記録である必
要はなく、口頭でもよい。監査人が発見事項に関する事実と状況について経営者と協議した場合、
監査人は、その他の不備に関する経営者への報告が当該協議において行われたとすることがある。
その場合には、正式に書面又は電磁的記録による報告を別途行う必要はない。
A24.監査人が、過年度に重要な不備以外の内部統制の不備について経営者に報告を行っており、経
営者が費用又は他の理由からそれらを是正することを選択しなかった場合、監査人は、当年度に
おいて報告を繰り返す必要はない。また、内部監査人や規制当局等の他の関係者が経営者に既に
報告を行っていた場合にも、当該報告を繰り返す必要はない。一方、経営者の交代があった場合
や、不備に関する監査人と経営者のそれまでの理解とは異なる新たな情報に監査人が気付いた場