
監基報300
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A9.付録には、監査の基本的な方針を策定する際の考慮事項を例示している。
A10.監査の基本的な方針の策定により、監査の基本的な方針で識別した事項に対応する詳細な監
査計画の作成に着手することが可能となる。その際、監査人は、監査の目的を達成するために、
監査チームメンバーの経験、能力、監査時間等の効率的な利用を検討する。
監査の基本的な方針と詳細な監査計画とは、必ずしも別個の、又は前後関係が明確なプロセス
ではなく、一方に修正が生じれば他方にも修正が生じることがある、相互に密接に関連するもの
である。
《小規模企業に特有の考慮事項》
A11.小規模企業の監査は、小規模な監査チームで実施することがある。こうした場合、監査チーム
メンバー間のコミュニケーションは容易である。また、監査の基本的な方針の策定は、複雑かつ
時間を要するものではなく、企業の規模、監査の複雑性及び監査チームの大きさによって様々で
ある。
例えば、前年度の監査において識別された検討事項に関する簡潔な様式であっても、当年度に
おいてオーナー経営者との協議に基づいて更新されており、第7項に記載した事項を含むのであ
れば、当年度の監査の基本的な方針の文書として用いることができる。
《(2) 詳細な監査計画》(第8項参照)
A12.詳細な監査計画は、監査の基本的方針より詳細で、監査チームメンバーが実施すべき監査手続
の種類、時期及び範囲を含むものである。
これらの監査手続の計画は、監査の進捗に応じて監査期間にわたり詳細な監査計画として作成
される。例えば、リスク評価手続の計画は監査の初期の段階で作成され、また、リスク対応手続
の種類、時期及び範囲に係る計画はリスク評価手続の結果に基づき作成される。
ただし、監査人は、全てのリスク対応手続に係る詳細な監査計画を作成する前であっても、一
部の取引種類、勘定残高及び注記事項に関するリスク対応手続を実施することがある。
A13.注記事項には広範囲かつ詳細な情報が含まれることから、注記事項に関連するリスク評価手
続及びリスク対応手続の種類、時期及び範囲の決定は重要である。さらに、特定の注記事項には、
総勘定元帳や補助元帳以外から入手した情報が含まれる可能性があるため、評価されたリスク及
びそれに対応するための手続の種類、時期及び範囲に影響を及ぼすことがある。
A14.監査の初期段階において注記事項を検討することによって、監査人は、取引種類、事象及び勘
定残高と同様の方法で、注記事項への対応について適切に注意を払い、適切な監査時間を計画す
ることができる。初期段階での検討は、監査人が監査に影響する以下の事項を判断するのに役立
つことがある。
・ 企業環境、事業活動又は財務状況の変化の結果として必要となる重要な注記事項の追加又は
変更(例えば、重要な企業結合によって必要となるセグメントの識別及びセグメント情報の記
載の変更)
・ 適用される財務報告の枠組みの改正に伴う重要な注記事項の追加又は変更
・ 特定の注記事項に対する監査手続における監査人の利用する専門家の関与の必要性(例えば、