
監基報 450
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A8.監査の過程で集計した虚偽表示が監査基準報告書 320 に従って決定した重要性の基準値に近づ
いている場合、未発見の虚偽表示と監査の過程で集計した虚偽表示の合計が、重要性の基準値を
上回るリスクを監査上許容可能な低い水準に抑えられないことがある。未発見の虚偽表示が存在
する原因には、サンプリングリスクとノンサンプリングリスクがある (監基報 530 第4項(2)及び
(3)参照)。
A9.監査人は、経営者に対して、監査人が識別した虚偽表示の原因を理解するため取引種類、勘定残
高又は注記事項の調査や、実際に発生した虚偽表示の金額を確定するための手続の実施、及び財
務諸表への適切な修正を要請することがある。
監査人は、例えば、サンプルにおいて識別した虚偽表示から母集団全体の虚偽表示を推定した
とき、経営者にその虚偽表示の調査を要請することがある。
《4.虚偽表示に関するコミュニケーション及び修正》(第7項及び第8項参照)
A10.適切な階層の経営者に対して適時に虚偽表示に関するコミュニケーションを実施することは、
経営者が取引種類、勘定残高及び注記事項について虚偽表示があるかどうかを評価し、虚偽表示
であることに同意するかどうかを監査人に伝え、必要な措置を講ずることが可能になるため、重
要である。
通常、適切な階層の経営者とは、虚偽表示を評価し、必要な措置を講ずる責任と権限を有する者
をいう。
A11.監査人によって報告されたものを含め、全ての虚偽表示を修正することにより、経営者は、正
確な会計帳簿と会計記録を維持することができ、さらに、過年度において重要でなかった未修正
の虚偽表示の累積的な影響に起因する将来における財務諸表の重要な虚偽表示リスクを抑えるこ
とができる。
A12.監査基準報告書 700 は、監査人に、財務諸表が全ての重要な点において、適用される財務報告
の枠組みに準拠して作成され表示されているかどうか評価することを求めている。この評価には
経営者が虚偽表示を修正しない理由を把握し、経営者のバイアスの兆候等企業の会計実務の質的
側面を検討することが含まれる(監基報 700 第 12 項参照)。
《5.未修正の虚偽表示が及ぼす影響の評価》(第9項及び第 10 項参照)
A13.監査基準報告書 320 に従った監査人の重要性の基準値の決定は、通常、期中で行われるため、
企業の業績の見込みに基づくこととなる。したがって、監査人は、未修正の虚偽表示を評価する
前に、監査基準報告書 320 に従って決定した重要性の基準値を実績値に基づき改訂することが必
要となる場合がある。
A14.監査基準報告書 320 には、監査人が、監査の進捗に伴い、重要性の基準値(設定している場合、
特定の取引種類、勘定残高又は注記事項に対する重要性の基準値)を改訂すべき情報を認識した
場合の指針が記載されている(監基報 320 第 11 項参照)。監査人が未修正の虚偽表示が与える影
響を評価する前に、通常、重要性の基準値の改訂は行われる。
監査基準報告書 320 に従って決定した重要性の基準値について監査人が検討した結果(第9項
参照)、重要性の基準値が当初設定した金額を下回る額に改訂された場合、監査意見の基礎となる