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お、構成単位の監査人に要求する事項及び監査スケジュール等を更新した指示書を送る場
合がある。
なお、十分かつ適切な監査証拠を入手できなかった場合には、グループ財務諸表の監査意見に
与える影響を評価しなければならない(監基報 600 第 44 項)。
2.既に決算日を迎えた企業の監査対応
本文書発出時点で、既に決算日を迎えた企業においては、新型コロナウイルス感染症に起因す
る事業活動の縮小や停止、将来キャッシュ・フローの悪化、将来の課税所得の見積りの下振れの可
能性等の影響について、監査対象事業年度において会計処理を行うか、又は翌事業年度の会計処
理として取り扱うか、慎重な検討が必要となることがある。この場合、決算日現在において新型コ
ロナウイルス感染症に起因してどのような影響がどの程度生じているかを見積もり、その程度を
勘案して、当事業年度の会計処理に反映させるかどうかを検討することに留意する。
なお、翌事業年度に会計処理を行う場合であっても、その影響の程度に応じて当事業年度の開
示後発事象に関わる注記事項として取り扱うかどうか検討することに留意する(監査基準報告書
560「後発事象」及び監査基準報告書 560 実務指針第1号「後発事象に関する監査上の取扱い」)。
3.内部統制監査
上場会社に関しては、内部統制監査への影響も検討する必要がある。内部統制監査に関しては、
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策により事業活動に甚大な影響を及ぼしている地域が、経
営者の評価範囲内にある拠点である場合に次のようなことが考えられる。
経営者の評価手続が実施できない場合は、災害等、やむを得ない事情による評価範囲の制約に
該当し、この取扱いに従った対応をとることになると考えられる(「財務報告に係る内部統制の評
価及び監査に関する実施基準」Ⅱ3(6)評価範囲の制約)。この場合、経営者は当該事実の及ぼす影
響を把握した上で、当該範囲を除外して、財務報告に係る内部統制の評価結果を表明することが
できる。監査人は、当該内部統制報告書の記載内容及びやむを得ない事情により内部統制の評価
ができなかった範囲の影響を判断し、内部統制報告書に対して内部統制監査意見を表明すること
になる。
すなわち、監査人は、①経営者による評価が、やむを得ない事情を除き、全体として適切に実施
されていること、かつ、②やむを得ない事情により、十分な評価手続を実施できなかったことが財
務報告の信頼性に重要な影響を及ぼすまでには至っていないことを確認できた場合には、監査報
告書に追記情報として経営者が十分な評価手続を実施できなかった範囲及びその理由を記載して、
無限定適正意見を表明することとされている(同実施基準Ⅲ5(2))。したがって、監査人は、被監
査会社の状況を十分に検討し、必要な監査手続の実施可能性を踏まえ、適切に対応する必要があ
る。
4.監査スケジュールの延長等
十分かつ適切な監査証拠を入手するための監査手続の進捗状況によっては、今後の監査スケジ
ュールを再度検討し、監査報告書の提出日を見直す必要がある点に留意が必要である。また、被監