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の再提出を依頼し、再提出された PDF を吟味する。
(2) 被監査会社がその業務プロセスにおいて証憑を PDF に変換して保存している
ケース
リモートワークが導入される以前から、企業は紙媒体の証憑を PDF 変換して証
跡としてサーバーに保管したり、シェアードサービス会社に PDF 変換したデータ
を送って情報システムに入力又は照合を行ったりしている場合がある。リモート
ワークの導入によって同様のプロセスを構築した企業もあると考えられる。通常、
このようなケースでの PDF への変換プロセスの統制は企業の内部統制として組
み込まれている。
この場合、監査人は入手した PDF の真正性を確かめるために、以下の点に留意
し、必要に応じて重要な虚偽表示リスク及び発見リスクの評価の見直しを検討す
る。
① 監査人は、リスク評価手続において被監査会社の PDF への変換プロセス(内
部統制を含む。)のデザイン及びこれらが業務に適用されているかどうかを評
価し、必要に応じて運用評価手続の実施を検討する。
② PDF への変換プロセスに関する運用評価手続を行う場合には、PDF への変換
時において、故意又は不注意により PDF と原本の不一致が生じていないことを
確かめる必要がある。なお、故意に基づく改竄は PDF への変換前と変換後のそ
れぞれの段階で行われる可能性があることに留意し、被監査会社がどのように
改竄を発見・防止するように対応しているのかについて理解する。
③ 内部統制に対する無効化リスクを考慮することは依然として必要であり、運
用評価の結果が有効であった場合であっても原本の確認が完全には不要にな
らないことに留意する。
(3) 被監査会社が取引先等外部から PDF を入手しているケース
リモートワークが導入される以前から、企業は電子契約サービスを利用した電
子契約書の作成や、取引先から取引書類の入手を PDF で行っている場合がある。
リモートワークの導入によって同様のプロセスを構築した企業もあると考えら
れる。このようなケースでは、電子契約サービスシステムや取引先において PDF
への変換が行われている。なお、PDF に電子署名等をつけることによって改竄防
止が図られている場合がある。
この場合、監査人は入手した PDF の真正性を確かめるために、以下の点に留意
する。
① 監査人は、リスク評価手続において被監査会社が原始証憑として PDF を入手
することの可否を判断するプロセスに含まれる内部統制のデザイン及びこれ