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資産の実在性と状態を確かめるために実地棚卸の立会を実施することが要求されて
いる(監基報 501 第3項)。なお、ここにいう実地棚卸の立会とは、企業が実地棚卸
を行う現場に監査人が赴き、実地棚卸の実施状況を確かめるとともに棚卸資産の実在
性と状態を確かめることを意図しているものと考えられる。
しかしながら、例えば、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策の影響等、被監
査会社からの実地棚卸の立会の取りやめの要請や棚卸資産の所在国の政府による入
国制限措置等の様々な理由により、実地棚卸の立会を行うことが実務的に不可能な例
外的な場合が想定される。
このような場合、監査人は、遠隔地から実地棚卸に立ち会うため、リモート棚卸立
会の実施を検討することがある。この場合、近時の撮影技術及び画像処理技術並びに
画像情報の送信技術を活用して、監査人及び被監査会社が実地棚卸の実況及び必要な
情報を送受信することにより、遠隔地から実地棚卸の立会を実施できることがある。
・ リモート棚卸立会の代表的な方法としては、例えば、電話回線又はインターネッ
トを経由して、被監査会社が実施する実地棚卸の状況をビデオカメラにより撮影し
て監査人に実況を送信する方法がある。
・ リモート棚卸立会を行う場合、監査人は、被監査会社から受信した実地棚卸の状
況又は棚卸資産の数量及び状態の実況に関して、電話回線又はインターネット経由
により、被監査会社とのコミュニケーションを適時に行い、疑問を解消し、是正の
要否に関する協議及び必要に応じた再確認を行う。
・ リモート棚卸立会において実況の送受信及び必要なコミュニケーションを行う
場合、実地棚卸の場所・対象資産等の状況によっては、ビデオカメラの内蔵された
スマートフォンのような携帯電話機を活用することで十分に可能な場合があり、大
掛かりな撮影及び送信機具は必ずしも必要ではないことがある。
・ リモート棚卸立会においては、被監査会社の撮影者がビデオカメラを所持し、棚
卸資産の所在地の実地棚卸の状況や棚卸資産の数量及び状態を隈なく撮影して監
査人に送信することが考えられる。
本周知文書においては、被監査会社が棚卸資産の所在地において実地棚卸を行い、
監査人が遠隔地において立会を行うことを想定している。