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このような確認回答における複数者の関与は、確認回答者に適切な内容の回答
を行うように牽制を与える上で重要であると考えられる。
なお、電子メールによる確認回答においては、当該回答が適切に上席者等によ
り承認されたものであるかどうかを電子メール本文上で判別することは通常困
難である。このため、確認回答について上席者等が関知していることを証する手
段について、あらかじめ確認依頼状において明確にしておくことが適切であると
考えられる。例えば、確認回答者が監査人に対し回答するに当たって、上席者を
CC:に含めることや、確認回答者による回答後、上席者が当該メールへの返信
により監査人に対し承認の旨を表明することが考えられる。
(例2)確認回答先への電話確認
監査人は、回答が適切な情報源から得られていないリスク及び確認回答者が回
答権限をもっていないリスクに対応するために、確認依頼に当たって、確認回答
者が実在し、適切な回答権限を有しているかについて、また、確認状が適切な宛
先に送付されるかどうかについて確かめるため、確認状の送付前に、宛先の一部
又は全部の妥当性をテストすることがあるとされており(監基報 505 の A6 項)、
例えば、確認回答者に電話により確かめることが想定される。なお、可能な場合
には、被監査会社から入手した確認回答者への直通電話ではなく、所属する組織
の大代表に架電の上、当該回答者への取次を依頼することにより、当該回答者が、
被監査会社から通知された確認回答先の組織(会社・部署)に実在することを確
かめることが考えられる。
なお、確認回答の送信元の電子メールアドレスがグループメールアドレスとな
っている場合は、回答者個人が特定されず、回答が適切な情報源から得られてい
ないリスク及び確認回答者が回答権限をもっていないリスクはより高まること
となるため、グループメールアドレスを使用した確認回答者が誰なのか特定する
とともに、確認回答先の組織において適切な回答権限を有していることについて
確かめることを考慮することがある。ただし、確認回答者である会社が、確認に
対する回答専用の電子メールアドレスとしてグループメールアドレスを設定し
ている旨を、被監査会社等に正式に通知した場合のように、個人の電子メールア
ドレスよりもグループメールアドレスの方が、信頼性が高いこともある。
また、監査人は、確認回答者が実際に回答を送信したかどうかを、確認回答者
に電話により確かめることがあるとされている(監基報 505 の A14 項)。
なお、過年度に電話確認を実施した確認回答者に再度確認回答を求める場合等、
回答が適切な情報源から得られていないリスク及び確認回答者が回答権限をも
っていないリスクが許容可能な低い水準にあると判断される場合には、電話確認
や後述するドメインの適切性の検討を省略することができることがあると考え
られる。