
監基報 520
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(2) 利用可能な情報の比較可能性(例えば、市場に関する一般的なデータは、特定領域の製品を
生産して販売する企業のデータと比較できるようにするため、調整が必要となることがある。)
(3) 利用可能な情報の性質及び目的適合性(例えば、予算が達成すべき目標ではなく予想される
結果として策定されているかどうか。)
(4) 網羅性、正確性及び正当性を確保するように整備された情報の作成に関する内部統制(例え
ば、予算の編成、実績との比較検討及び見直しについての内部統制)
A12.監査人は、評価したリスクに対応する分析的実証手続を実施するに当たって、利用する情報の
作成に関する内部統制があれば、当該内部統制の運用評価手続の実施を検討することがある。当
該内部統制が有効である場合、一般的にその情報の信頼性は高くなり、監査人は、結果として分
析的実証手続においてより強い心証を得ることができる。非財務情報に関する内部統制の運用状
況の有効性の検討は、多くの場合、その他の運用評価手続と一緒に行われる。例えば、企業は請
求書発行に係る内部統制を販売数量の記録に係る内部統制と合わせて構築することがある。この
場合、監査人は請求書発行に係る内部統制と一緒に販売数量の記録に係る内部統制の運用評価手
続を行うことがある。また、監査人はその情報について既に監査手続を実施しているかどうかを
確かめることがある。監査基準報告書500は、分析的実証手続のために利用される情報について実
施すべき監査手続の決定に関する要求事項と指針を提供している(監基報500第9項参照)。
A13.監査人が分析的実証手続を、企業の期末の財務諸表について実施する場合も、期中に実施し、
さらに残余期間についても実施することを計画している場合も、A11項(1)からA11項(4)に記載さ
れている事項を検討する。監査基準報告書330は、期中に実施する実証手続についての要求事項と
指針を提供している(監基報330第21項及び22項参照)。
《(3) 推定が十分に高い精度であるかどうかについての評価》(第4項(3)参照)
A14.他の虚偽表示と集計した場合に重要な虚偽表示となることがある虚偽表示を識別するために、十
分に高い精度で推定を行うことができるかどうかについての監査人の評価は、以下の事項を含む。
・ 分析的実証手続において推定する結果に関する予測の正確性(例えば、監査人は、研究開発
費や広告宣伝費のような裁量により支出できる費用の比較よりも、売上総利益率の期間比較に
おいて、より高い一貫性を期待することがある。)
・ 情報を細分化できる程度(例えば、分析的実証手続は、企業の財務諸表全体に適用するより
も、個別の事業部門に関する財務情報や多角的な企業の構成単位の財務諸表に適用する方がよ
り効果的である場合がある。)
・ 財務情報と非財務情報の両方の利用可能性(例えば、監査人は、予算や見込みなどの財務情
報と、生産数量や販売数量などの非財務情報が、分析的実証手続を立案するために利用可能で
あるかどうかを考慮することがある。当該情報が利用可能である場合、監査人は、A11項及びA12
項において記載されているような情報の信頼性も検討することがある。)
《(4) 計上された金額と推定値との許容可能な差異》(第4項(4)参照)
A15.推定値との差異について、追加的な調査をせずに許容可能とするかどうかの監査人の判断は、
個別に、又は他の虚偽表示と集計した場合に重要な虚偽表示となる可能性を考慮に入れて行われ