
監基報530
- 4 -
A5.監査人は、監査サンプリングの立案に当たって、特定の達成すべき目的と、その目的を達成す
るための監査手続の最適な組合せを考慮する。
監査人は、入手すべき監査証拠の性質と、当該監査証拠に関連する可能性のある内部統制の逸
脱若しくは虚偽表示の発生の状況又はその他の特徴について考慮して、想定される内部統制の逸
脱又は虚偽表示の定義を明確にするとともに適切な母集団を設定する。
監査基準報告書500で求められているとおり、監査サンプリングを実施する場合、監査人は、サ
ンプルを抽出する母集団の網羅性に関する監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
A6.第5項で要求している監査手続の目的の考慮には、監査手続の目的に関連する状況のみを網羅
的に内部統制の逸脱の評価又は虚偽表示の推定の対象にするために、何が内部統制の逸脱又は虚
偽表示になるかを明確に理解することが含まれる。
例えば、売掛金の実在性を確かめるための確認手続においては、確認基準日前に行われた顧客
の支払を会社が確認基準日直後に入金処理した場合、確認先から残高がゼロの回答を得たとして
も、これを虚偽表示とみなさない。
また、得意先勘定間の転記誤りがあったとしても、売掛金の残高合計に影響を与えない。した
がって、当該転記誤りが不正リスクの評価又は貸倒引当金の妥当性等の他の領域に重要な影響を
及ぼすことがあるとしても、売掛金の実在性を確かめる監査手続に係るサンプルのテスト結果の
評価においては、虚偽表示と考えることは適切でない。
A7.監査人は、母集団の特性を考慮するに当たり、内部統制の運用評価手続において、内部統制の
理解に基づいて、又は母集団から少数の項目を抽出して実施した検討結果に基づいて、内部統制
からの逸脱率を予想し(以下、「予想逸脱率」という。)決定する。これは、監査サンプリングを
立案し、サンプル数を決定するために行われる。例えば、監査人は、予想逸脱率が受け入れられ
ないほど高い場合、通常、運用評価手続を実施しない。同様に、詳細テストにおいては、監査人
は、母集団に含まれる虚偽表示額を予想し(以下、「予想虚偽表示額」という。)決定する。予想
虚偽表示額が高い場合、詳細テストの実施時には、精査又はサンプル数の拡大が適切となること
がある。
A8.監査人は、サンプルを抽出する母集団の特性を考慮するに当たり、階層化又は金額単位抽出法
が適切であると判断することがある。
階層化及び金額単位抽出法に関しては、付録1に記載されている。
A9.統計的サンプリング又は非統計的サンプリングのいずれの手法を用いるかは、監査人の判断に
より決定されるが、抽出されるサンプル数自体は、統計的サンプリング又は非統計的サンプリン
グの選択を決定付ける判断基準とはならない。
《(2) サンプル数》(第6項参照)
A10.監査人が許容できるサンプリングリスクは、必要とされるサンプル数に影響を与える。監査人
が許容できるサンプリングリスクが低ければ低いほど、より多くのサンプル数が必要となる。
A11.サンプル数は、統計的手法を適用することによって、又は職業的専門家としての判断によって
決定される。サンプル数の決定に影響を与える諸要因が、付録2と付録3に記載されている。こ