
- 1 -
《Ⅰ はじめに》
《1.検討の経緯》
1.2018 年3月 30 日に企業会計基準委員会から、企業会計基準第 29 号「収益認識に関する会計基
準」(以下「収益認識会計基準」という。)及び企業会計基準適用指針第 30 号「収益認識に関する
会計基準の適用指針」(以下「収益認識適用指針」という。)が公表され、原則として、2021 年4
月1日以降開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されることとなった。
また、収益認識会計基準及び収益認識適用指針の適用により、以下の企業会計基準、企業会計基
準適用指針及び実務対応報告は廃止されることとなった。
(1) 企業会計基準第 15 号「工事契約に関する会計基準」(以下「工事契約会計基準」という。)
(2) 企業会計基準適用指針第 18 号「工事契約に関する会計基準の適用指針」(以下「工事契約適
用指針」という。)
(3) 実務対応報告第 17 号「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い」
2.工事契約会計基準においては、進捗部分について成果の確実性が認められるか否かにより工事
進行基準又は工事完成基準によって工事契約に係る収益及びその原価が認識されるが、収益認識
会計基準においては、履行義務の充足のパターンに従い収益の認識方法が定められている。
3.監査・保証実務委員会実務指針第 91 号「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」は、
工事契約会計基準及び工事契約適用指針に従い工事進行基準により工事収益及び工事原価の認識
を行っている企業の財務諸表の監査において、関連する監査基準報告書の要求事項を適切に適用
するために留意する事項を実務指針として取りまとめた。
今般、工事契約会計基準及び工事契約適用指針が廃止されることに伴い、工事契約会計基準及
び工事契約適用指針の適用が多い建設業及び受注制作のソフトウェア業について、収益認識会計
基準及び収益認識適用指針を適用した場合の企業の財務諸表の監査において留意すべき事項等を
整理するとともに、監査・保証実務委員会 91 号への影響について調査・研究を行った。
本実務ガイダンスは、この調査・研究の成果であり、監査実務を行う上での今後の参考に資する
べく、監査・保証実務委員会 91 号を見直し、今般、実務ガイダンスとして公表するものである。
4.本実務ガイダンスに関連する監査基準報告書は、主に以下のとおりである。
・ 監査基準報告書 540「会計上の見積りの監査」
また、このほか、以下の監査基準報告書が本実務ガイダンスの適用に際しては関連する。
・ 監査基準報告書 240「財務諸表監査における不正」
・ 監査基準報告書 315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」
・ 監査基準報告書 330「評価したリスクに対応する監査人の手続」
なお、監査基準報告書 200「財務諸表監査における総括的な目的」では、本実務ガイダンスに記
載されている監査基準報告書のみでなく、個々の監査業務に関連する全ての監査基準報告書と併
せて理解することが求められている(監査基準報告書 200「財務諸表監査における総括的な目的」
第 17 項から第 19 項及び第 21 項参照)。
本実務ガイダンスは、一般に公正妥当と認められる監査の基準を構成するものではなく、会員
が遵守すべき基準等にも該当しない。また、2021 年9月 16 日時点の最新情報に基づいている。