
監基報 550
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・ 従業員による内部通報の記録がある場合、当該記録の閲覧
A33.監査人は、リスク評価手続の結果によっては、関連当事者との関係及び関連当事者との取引に
係る企業の内部統制の運用評価手続を実施せず、監査証拠を入手することが適切であると判断す
ることがある。一方、関連当事者との関係及び関連当事者との取引に伴う重要な虚偽表示リスク
について、実証手続のみでは十分かつ適切な監査証拠を入手できないことがある。例えば、企業と
その子会社等との間のグループ内取引が多数あり、その膨大な取引情報を、統合されたシステム
において、電子的な方法により開始、記録、処理、報告するような場合、監査人は、当該取引に伴
う重要な虚偽表示リスクを許容可能な低い程度に抑えることができる有効な実証手続を立案でき
ないと判断することがある。この場合、内部統制の運用状況の有効性に関して、十分かつ適切な監
査証拠を入手することを求める監査基準報告書330第7項(2)の要求事項に基づいて、関連当事者
との関係及び関連当事者との取引の記録の網羅性と正確性に係る内部統制を評価することが含ま
れる。
《(1) 経営者が従来識別していない又は監査人に開示していない関連当事者との関係又は関連当事
者との重要な取引の識別》
《新たに識別した関連当事者に係る情報の監査チームへの伝達》(第 21 項(1)参照)
A34.新たに識別した関連当事者を監査チーム内に迅速に伝達することによって、他のメンバーが、
既に実施したリスク評価手続の結果と当該手続から導いた結論が影響を受けるかどうかを、重要
な虚偽表示リスクを再評価する必要があるかどうかを含めて判断することができる。
《新たに識別した関連当事者又は関連当事者との重要な取引に関する実証手続》(第 21 項(3)参照)
A35.新たに識別した関連当事者又は関連当事者との重要な取引について監査人が実施する実証手続
の例には、以下の手続が含まれる。
・ 新たに識別した関連当事者と企業との関係の内容について質問する。これには、企業とその事
業についての重要な情報を有すると考えられる、企業外部の者(例えば、顧問弁護士、代理人、
コンサルタント、保証人、又はその他の緊密な事業上の関係を有する者)への質問(質問するこ
とが適切であり、かつ法令又は倫理規則で禁止されていない場合)が含まれる。
・ 新たに識別した関連当事者との取引についての会計記録を分析する。コンピュータ利用監査技
法の利用は、このような分析を容易にすることがある。
・ 新たに識別した関連当事者との取引の取引条件を検証し、かつ、適用される財務報告の枠組み
に準拠して当該取引が適切に処理され、開示されているかどうかを評価する。
《経営者による意図的な非開示》(第 21 項(5)参照)
A36.経営者が関連当事者又は関連当事者との重要な取引を監査人に意図的に開示していないと懸念
される場合、監査基準報告書240の要求事項と適用指針を参照する。また、監査人は、監査人の質
問に対する経営者の回答や監査人に対する経営者の陳述の信頼性を再度評価する必要があるかど
うかを考慮することもある。