
監基報560
- 7 -
《(2) 経営者の監査人に対する責任》(第9項参照)
A10. 監査業務の契約条件に従い、経営者は、監査報告書日の翌日から財務諸表の発行日までの間に
知るところとなった、財務諸表に影響を及ぼす可能性のある事実を監査人に通知する責任を有す
る。(監査基準報告書210「監査業務の契約条件の合意」のA24項参照)
《(3) 二重日付》(第 11 項(1)参照)
A11.第11項(1)に記載された状況において、監査人が、事後判明事実の影響による財務諸表の修正又
は開示に限定して対応する日付を追加的に記載するために監査報告書を訂正する場合、差替前の財
務諸表に対する監査報告書日は変更されない。これは、差替前の財務諸表に対する監査の作業が完
了した時点を利用者に知らせるためである。
一方、当初の監査報告書日の後の監査人の手続は、財務諸表の事後的な修正部分に限定されてい
ることを利用者に知らせるために、監査報告書に追加の日付が含められる。
以下は、追加される日付の記載例である。
「○年○月○日(監査報告書日)、ただし注記Yについては○年○月○日(注記Yに記載された
修正又は開示に限定して実施した監査手続の完了日)」
《(4) 監査報告書への依拠を防ぐための監査人の措置》(第 12 項(2)参照)
A12.監査人は、財務諸表を発行しないように経営者に通知し、経営者がこの要請に同意したとして
も、追加の法令上の義務を果たすことが必要な場合がある。
A13.第三者に財務諸表を発行しないよう経営者に通知したにもかかわらず、経営者が財務諸表を発
行した場合、当該財務諸表に対する監査報告書への依拠を防ぐために監査人が講じる措置は、監査
人の法令上の権利及び義務によって決まる。これは監査役等への報告、適切な場合には株主総会で
の意見陳述、監査契約の解除等を含む。このため、監査人は、法律専門家に助言を求めることが有
益と考えることがある。
《5.財務諸表が発行された後に監査人が知るところとなった事実》
《(1) 財務諸表が発行された後に入手したその他の記載内容の影響》(第 13 項参照)
A14. 監査人の監査報告書日より後に入手したその他の記載内容に対する義務については、監査基準
報告書720に規定されている。監査人は、財務諸表が発行された後に、当該財務諸表に関していか
なる監査手続を実施する義務も負わないが、監査基準報告書720は、監査報告書日より後にその他
の記載内容を入手した場合の要求事項を規定している。
《(2) 監査報告書への依拠を防ぐための監査人の措置》(第 16 項参照)
A15.監査人が、以前に発行された財務諸表に対する監査報告書への依拠を防ぐための措置を講じる
ように事前に通知したにもかかわらず、経営者が必要な対応を行っていないと監査人が判断した場
合に監査人が講じる措置は、監査人の法令上の権利及び義務によって決まる。これは監査役等への
報告、適切な場合には株主総会での意見陳述、監査契約の解除等を含む。このため、監査人は、法
律専門家に助言を求めることが有益と考えることがある。