監査基準報告書 580 周知文書第1号

新型コロナウイルス感染症に関連する監査に係る周知文書(その5-2)

2 0 2 1 年 4 月 2 3 日

改正 2 0 2 2 年 1 0 月 1 3 日

日 本 公 認 会 計 士 協 会

監査・保証基準委員会

(周知文書:第 15 号)

2020 年5月に、当協会は会社法の監査意見の形成に当たり、監査意見及び経営者確

認書に関する留意点を「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(その

5)」として公表し、紙媒体により経営者確認書を入手する場合に、日付と署名又は記

名のある経営者確認書を改竄不能な PDF 等で入手し、後日、署名又は記名捺印のある経

営者確認書の原本を紙媒体によって入手する方法を示した。

今般、これに加えて、「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(そ

の5-2)」として、電子形式によって経営者確認書の原本を入手する場合の留意点を

示すこととした。

本周知文書は新型コロナウイルス感染症の拡大防止下における取扱いを示すもので

あり、今後も状況の変化等により追加して留意すべき事項が生じた場合には、改めて周

知する。

本周知文書は、一般に公正妥当と認められる監査の基準を構成するものではなく、会

員が遵守すべき基準等にも該当しない。また、2021 年4月 23 日時点の最新情報に基づ

いている。

1.媒体

監査基準報告書 580「経営者確認書」においては、経営者確認書を入手する場合、

紙やデジタル等どのような媒体を用いるかについて特に定めがない。

経営者確認書は、経営者が監査人に提出する書面による陳述をいい、監査人を宛先

とする書簡という(監基報 580 第6項及び第 14 項)とされるが、書面又は書簡とは

文書化されたもの、書かれたものを意図しており、紙媒体によることを強制するもの

ではない。したがって、2.において後述する本人識別性及び非改竄性が確保されて

いれば電子形式により経営者確認書を入手することができ、その場合には改めて紙媒

体により経営者確認書を入手する必要はないと考えられる。

2.経営者確認書を電子形式で入手する場合の留意点

上記1.に記載のとおり、PDF 等電子形式で経営者確認書を入手する場合には、以

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下に示すとおり経営者確認書に記された提出者である経営者本人が記載内容につい

て承知したものであること(本人識別性)及び作成後に記載内容の変更が生じていな

いこと(非改竄性)が確保されていること等に留意する必要がある。

 本人識別性

電子証明及び電子認証業務に関する法律(以下「電子署名法」という。)第2条

及び第3条に該当し得る電子署名(ローカル署名型・リモート署名型・事業者署名

型)を付した PDF 等によって経営者確認書を入手することによって、本人識別性が

確保できる。

 非改竄性

電子署名を付すほか、例えば、PDF 等、内容の変更に制約がある電子形式ファイ

ルで経営者確認書を入手することで非改竄性を確保することができる。

ただし、利用される電子署名が電子署名法第3条に示された要件を満たすもので

あるかどうか、情報を入手して検討することが必要となる。

 その他の留意点

経営者確認書の授受において用いられているメールアドレス等に関して通例で

ない状況が識別されていないかどうか等についても考慮する。また、電子形式で入

手された経営者確認書が原本であることを明らかにし、事後に否認されるリスクに

対応するため、その文中に、例えば「経営者確認書を電子形式で発行しており、そ

の記載内容は紙媒体等、他の形式によって記載された内容に優先する」等の文言を

記載することが考えられる。

以 上

・ 本周知文書(2022 年 10 月 13 日改正)は、次の公表物の公表に伴う修正を反映

している。

- 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」

(2022 年7月 21 日改正)

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