
- 4 -
した日、又は特定取締役、特定監査役及び会計監査人の間で合意により定めた日があるときはそ
の日、のいずれか遅い日までに、同条第1項第3号においては、連結計算書類の全部を受領した
日から4週間を経過した日(特定取締役、特定監査役及び会計監査人の間で合意により定めた日
がある場合にあっては、その日)までに会計監査報告の内容を通知しなければならないと定めら
れている。
新型コロナウイルス感染症の影響により、往査が制限され、テレワーク等の通常と異なる監査
環境においては、以下の点に留意が必要となる。
ア.計算書類等をいつ入手したか(すなわち、受領日)を明確にするほか、受領した計算書類等
を特定する必要がある。紙での計算書類等の受渡しができない可能性もあることから、メー
ルベースでいつ受領したかの日付の特定及び受領した計算書類等の特定は重要である。
イ.時間的物理的制約がある中では、まず計算書類及びその附属明細書の監査報告書を提出し、
その後連結計算書類の監査報告書を提出することが適切である場合がある。例えば、連結計
算書類の監査報告書の提出日を遅らせることで、海外の構成単位の監査人からの回答等が得
られ、除外事項付意見を回避して無限定適正意見を表明できる場合がある。
2
ウ.十分な監査期間を確保するという会社計算規則第 130 条の趣旨を踏まえ、取締役及び監査役
等と適切なコミュニケーションをとった上で、正当な注意を払って監査報告書の発行日を決定
する必要がある。(監査基準第二 一般基準3)
なお、現時点において除外事項付意見の可能性がある場合には、株主総会延期等によって回避しう
る可能性について被監査会社と十分に協議することにより、慎重に対応する必要がある点に留意する。
(3) 除外事項の記載に当たっての留意点
十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかったことによる限定付適正意見の場合、重要
ではあるが広範ではないと判断し、意見不表明ではなく限定付適正意見とした理由を、財務諸表利
用者の視点に立って分かりやすく具体的に記載する必要がある点に留意が必要である。(「監査基準
の改訂について」(2019 年(令和元年)9月3日)二1、監査基準第四 報告基準 五1及び監基報 705
第 19 項(2)参照)
通常は、未発見の虚偽表示について、以下を記載することにより、監査人の判断の根拠が説明され
ていると考えられる(監査基準報告書 700 実務ガイダンス第1号Q1-6)。
・ 財務諸表のどの勘定残高、取引種類又は注記事項に関連するのか。
・ 未発見の虚偽表示はどのようなアサーションに関連するのか。
・ なぜ、重要な手続が実施できず十分かつ適切な監査証拠を入手できなかったのか。除外事項付意
見の形成において、監査人は未発見の虚偽表示の金額的影響のみならず質的な要素を含め様々な
2
定款で定めがある場合には、連結計算書類のウェブ開示が可能である(会社計算規則第 134 条第4項)。
(2020 年5月 15 日追記)なお、2020 年5月 15 日付けで「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」(法
務省令第 37 号)が公布、同日から施行され(http://www.moj.go.jp/content/001319873.pdf
)、計算書類のうち、株主資
本等変動計算書又は個別注記事項に加えて、施行日より6か月以内に招集の手続が開始される定時株主総会においては、
会計監査報告に無限定適正意見が付されている等の一定の条件を満たす場合に限り、貸借対照表及び損益計算書並びに監
査報告書もウェブ開示が可能とされた。