
- 2 -
準用される第7条第1項参照)に企業が提出することとされています。
事実関係調査のための体制構築等の対応を行った場合における一般的なケースでは、進行年度
の有価証券報告書等の提出期限までに全ての調査が完了し、訂正すべき内容が確定しているため、
当該提出期限までに過年度の有価証券報告書等の訂正報告書を提出した上で、進行年度の有価証
券報告書等を提出することとなります(あるべきスケジュール)(注3)。
一方、延長後の有価証券報告書等の提出期限までに事実関係の調査が完了しない場合、当該提
出期限の時点では訂正すべき内容が確定していない状況であると考えられるため、事実関係の調
査が完了し、訂正すべき内容が確定した時点で、企業は、過年度の有価証券報告書等の訂正報告書
を提出することになると考えられます(注4)。
以上の取扱いに関して、監査人は、企業と適時にコミュニケーションを行い、企業が適切な対応
を行うよう促すことが期待されます。
なお、本取扱いにつきましては、関係者と協議済みであることを申し添えます。
最後に、新規の株式公開企業が増加傾向にありますが、監査法人・公認会計士には、資本市場の
ゲートキーパーとして、職業的懐疑心を発揮するとともに、企業の「不正を見抜く力の向上」が強
く期待されていることに改めて留意をお願いいたします(注5)。
(注1)監査基準前文「監査基準の改訂について(平成 14 年)」三9(2)②及び会計監査についての
情報提供の充実に関する懇談会「会計監査に関する情報提供の充実について― 通常とは異なる
監査意見等に係る対応を中心として ―」(平成 31 年 1 月 22 日公表)参照
(注2)金融商品取引法第 193 条の3第1項においては、監査証明を行うにあたって、特定発行者
における法令違反等事実を発見した時は適切な措置をとるべき旨を当該特定発行者に遅滞なく
通知することが求められています。また、同条第2項においては、法令違反等事実に係る法令違
反の是正その他の措置をとるべき期間を経過しても特定発行者が適切な措置を取らず、かつ、
法令違反等事実が特定発行者の財務計算に関する書類の適正性の確保に重大な影響を及ぼすお
それがあり、当該重大な影響を防止するために必要があると認めるときは当局に当該事項に関
する意見を申し出ることが求められています。
(注3)「金融商品取引法においては、過年度の財務諸表に対して重要な事項等を発見した場合、訂
正報告書の提出が求められていることから、一般的には、訂正報告書を提出せずに、過去の虚偽
表示を、当年度の財務諸表における比較情報を修正再表示することにより解消することはでき
ないと考えられている。」(監査基準報告書 300 実務ガイダンス第1号「監査ツール(実務ガイ
ダンス)」第 70 項及び【新起草方針に基づく改正版】「監査基準委員会報告書第 63 号『過年度
の比較情報-対応数値と比較財務諸表』」の前書参照)
(注4)進行年度の有価証券報告書等については、関係当局に照会を行った上で必要な対応を行う
ことが考えられます。
(注5)「会計監査の在り方に関する懇談会(令和3事務年度)」論点整理-会計監査の信頼性確保に
向けて-(令和3年 11 月 12 日)
以 上