
監基報 800
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満たすように財務報告の規則を設定している場合が挙げられる。そのような財務報告の枠組みは、
反証がない限り、当該特定種類の企業が作成する特別目的の財務諸表のための財務報告の枠組み
として受入可能なものであると推定される。
A7.A6項に記載している認知されている会計基準設定主体により公表された財務報告の基準が法令
等によって補完されている場合、監査基準報告書210に基づいて、監査人は、財務報告の基準と
法令等による追加的な要求事項との間で不整合が生じていないかを判断することが求められて
いる。さらに、監査基準報告書210第14項は、不整合が生じている場合に監査人が実施すべき措
置も記載している。
A8.適用される財務報告の枠組みは、契約書において財務報告に関する取決めとして定められる等、
A6項及びA7項に記載された財務報告の基準や法令以外のもので構成されていることがある。その
場合、監査人は、財務報告の枠組みが、受入可能な財務報告の枠組みが通常示す特性(監基報210
の付録参照)を示しているかどうかを検討し、当該枠組みが個々の監査業務において受入可能な
ものであるかどうかを判断する。特別目的の財務報告の枠組みにおける各特性の相対的な重要性
は、個々の業務において職業的専門家としての判断に基づき決定される。例えば、売却日におけ
る企業の純資産価値算定が目的の場合、売手と買手は、回収不能売掛金に対して非常に保守的に
引当金を見積もることがある。このような財務情報は一般目的の財務報告の枠組みに準拠して作
成された財務情報と比較すると中立性という特性に欠けるが、両者のニーズにとって適切である
と売手と買手が合意することがある。
《3.監査の計画と実施における考慮事項》(第8項参照)
A9.監査人は、監査基準報告書200に従い、(1) 財務諸表監査業務に関連する職業倫理に関する規
定(独立性に関連するものを含む。)及び(2) 監査基準、法令により準拠が求められる場合は不
正リスク対応基準、及び監査実務指針のうち個々の監査業務に関連するものは全て遵守すること
が求められている。また、監査人は、特定の監査基準報告書がその監査業務に全く関連しない場
合、一定の条件の下で要求される事項であり、その監査業務に条件が合致しないため、要求事項
がその監査業務に関連しない場合、又は不正リスク対応基準に基づく要求事項であり、その監査
業務に不正リスク対応基準が適用されないため、要求事項がその監査業務に関連しない場合を除
いて、監査基準報告書に記載された要求事項を遵守することが求められている。監査人は、例外
的な状況において、監査基準報告書の関連する要求事項の趣旨を達成するため、当該要求事項に
代えて代替的な監査手続を実施することが必要と判断する場合がある(監基報200第13項、第17
項、第21項及び第22項参照)。
A10.監査人は、特別目的の財務諸表に対する監査において、監査基準報告書の要求事項の適用に
際して特別な考慮が必要なことがある。例えば、監査基準報告書320「監査の計画及び実施にお
ける重要性」第2項では、一般的に、ある事項に関する重要性の判断は、財務諸表の一般的な利
用者が有する財務情報に対する共通のニーズを勘案して行われるとされている。しかし、特別目
的の財務諸表に対する監査の場合、このような判断は、想定利用者の財務情報に対するニーズを
勘案して行われることになる。
A11.特別目的の財務諸表の場合、例えば契約書において定められている財務報告に関する取決め