
監基報 805
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いずれかを表明することが求められている。
(1) 適正表示の枠組みに準拠して作成された完全な一組の財務諸表に対して無限定意見を表明す
る場合、法令等が別に規定していない限り、監査意見は、「財務諸表が、[適用される財務報告の
枠組み]に準拠して、…を全ての重要な点において適正に表示している」と記載する。
(2) 準拠性の枠組みに準拠して作成された完全な一組の財務諸表に対して無限定意見を表明する
場合、監査意見は、「財務諸表が、全ての重要な点において、[適用される財務報告の枠組み]に
準拠して作成されている」と記載する。
A9.認知されている会計基準設定主体が設定する完全な一組の財務諸表の作成に関する一般目的の
財務報告の枠組みを基礎としている場合等、適用される財務報告の枠組みに、個別の財務表又は
財務諸表項目等のみを作成する場合の表示又は注記事項に関する明示的な規定がないことがある。
このような場合を含め、監査人は、以下のような要因を考慮して、適用される財務報告の枠組み
に照らして、適正性に関する意見又は準拠性に関する意見のいずれが適切であるかを判断する。
・ 基礎とした財務報告の枠組みは、適正表示の枠組みか、準拠性の枠組みか。
・ 基礎とした財務報告の枠組みは、明示的又は黙示的に、完全な一組の財務諸表を作成すること
を適正性の条件としているか。
・ 個別の財務表又は財務諸表項目等は、基礎とした財務報告の枠組みで求められている関連す
る全ての要求事項(関連する注記事項に関する要求事項を含む。)に準拠して作成することが求
められているか。
・ 個別の財務表又は財務諸表項目等に適用される財務報告の枠組みにおいて、適正表示の達成
のために、具体的に要求されている以上の開示を行うことが求められているか。
想定される意見の様式に関する監査人の判断は、職業的専門家としての判断に係る事項である。
ただし、個別の財務表又は財務諸表項目等に対して適正性に関する意見を述べることが適切かど
うかについては状況に照らして慎重に判断することが必要である。特に、伝達される情報が限定
される財務諸表項目等に対する監査の場合は、準拠性に関する意見が適切であることが多い。
《3.監査の計画と実施における考慮事項》(第9項参照)
A10.個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査の計画及び実施において、各監査基準報告書が
関連するかについては、慎重な検討が必要となる。監査の対象が財務諸表項目等のみの場合であ
っても、監査基準報告書240「財務諸表監査における不正」、同550「関連当事者」及び同570「継続
企業」等の監査基準報告書は原則として関連する。これは、適用される財務報告の枠組みの下で、
不正、関連当事者取引の影響又は継続企業の前提に基づく会計処理の不適切な適用により、財務
諸表項目等に虚偽表示が生じることがあるためである。
A11.監査基準報告書260「監査役等とのコミュニケーション」では、監査人はガバナンスの構造に応
じてコミュニケーションを行うことが適切な者を判断することが求められている。監査基準報告
書260では、ガバナンスに責任を有する全ての者が経営にも関与している場合についても記載して
おり、状況に応じて要求事項に従ったコミュニケーションを行う。完全な一組の一般目的の財務
諸表に加えて、個別の財務表又は財務諸表項目等が作成されている場合、個別の財務表又は財務
諸表項目等作成の監視責任を有する者が、一般目的の財務諸表作成の監視責任を有する者と同じ