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2.内部統制監査における留意事項
(1) 内部統制の基本的枠組みの改訂について
① 改訂内部統制基準及び内部統制実施基準における改訂点
「リスクの評価と対応」においては、不正に関するリスクを考慮することの重要性が明示さ
れ、「情報と伝達」においては、情報の信頼性を確保するためのシステムの有効性についての
重要性が明示された。また、「ITへの対応」では、サイバーリスクの高まり等を踏まえたセ
キュリティの確保の重要性が明示された。さらに、経営者又は経営者以外の者によって内部統
制を無視又は無効ならしめる行為に対する適切な内部統制の例も示された。
② 内部統制監査上の留意事項
改訂内部統制基準及び内部統制実施基準では、内部統制報告書において「財務報告に係る内
部統制を整備及び運用する際に準拠した一般に公正妥当と認められる内部統制の枠組み」を
記載することを経営者に求めており(改訂内部統制基準Ⅱ4.(3)③)、多くの経営者は、内部
統制報告書において、内部統制を整備及び運用する際に準拠した内部統制の枠組みとして改
訂内部統制基準及び内部統制実施基準を参照することになる。
したがって、監査人は、改訂後の内部統制の基本的枠組みに準拠して、経営者が内部統制の
整備及び運用並びに評価を行っているかについて留意する。
特に、全社的な内部統制の評価に当たっては、内部統制の基本的な要素ごとに例示されてい
る 42 項目が広く実務に利用されているが、監査人は、これらの評価項目が今回の改訂を踏ま
え、必要に応じて、適切に見直しが行われているかについて確認することが重要である。
(2) 経営者による内部統制の評価範囲の決定について
① 改訂内部統制基準及び内部統制実施基準における改訂点
数値基準を機械的に適用すべきでないことが強調されるとともに、全社的な内部統制のう
ち良好でない項目がある場合には関連する事業拠点を評価範囲に含める必要がある旨が記載
され、トップ・ダウン型のリスク・アプローチが再確認されている。
② 内部統制監査上の留意事項
トップ・ダウン型のリスク・アプローチが適切に適用されるためには、全社的な内部統制の
評価が適切に実施されることが肝要である。監査人は、全社的な内部統制が、被監査会社の連
結集団の規模に応じて十分かつ適切に整備及び運用されているか、その実態の把握に努める
ことに留意する。
特に、連結集団を構成する個々の会社単位で全社的な内部統制を評価することのみではな
く、企業集団全体の観点から全社的な内部統制の整備及び運用状況の評価を適切に実施して
いるかという点についても留意する。例えば、小規模な子会社については、当該子会社での全
社的な内部統制を評価するだけでなく、親会社による子会社に対する管理体制など、当該子会
社の内部統制の一部を補完するような全社的な内部統制が、企業集団において適切に整備及
び運用されているかを評価すること等が挙げられる。
また、評価範囲の決定方法及び根拠が、トップ・ダウン型のリスク・アプローチに基づき、
改訂内部統制基準Ⅱ4.(4)を踏まえ、内部統制報告書に適切に記載されているかにも留意す
る。