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タイゼーションであれ、デジタライゼーションであれ、業務処理に用いる情報を
電子形式にし、遠隔地からアクセス可能とすることがリモートワークの大前提で
あるが、中長期的には、従前の業務処理を単に電子化していくというデジタイゼ
ーションでなく、従前の在り方に捉われず、効率化の観点から業務プロセスの見
直しを図るといったデジタライゼーションに取組の重点を置く動きが高まるも
のと考えられる。「Ⅳ.1.業務処理の電子化の推進並びに業務プロセス及び内部
統制の見直し」で既述のとおり、例えば、遠隔地からの情報の閲覧、検索、調査
や複数者が同時にアクセスすることが可能であるといった電子形式情報の特性
を考慮して、情報の一元化や、承認者・関与者の業務処理内容の標準化や業務処
理のタイミングの見直しを行うことは、業務処理の効率化に寄与するものと思わ
れる。また、OCR の利用によりテキストデータ化して、電子システムに取り込む
ことで、業務処理システム間の情報の自動連携を通じた転記の正確性を担保しつ
つ、業務処理の自動化・効率化を図ることが考えられる。なお、紙媒体から PDF
形式に変換された情報の利用について、業務処理の電子化には一定程度有用であ
るものの、システム間の情報の連携による自動化・業務処理の効率化という観点
からは、テキストデータ化されたデータ形式情報の方がその有用性は高いものと
考えられる。
また、リモートワークを実施する上で、情報の守秘の必要性の程度に応じて、
ハードウエア(PCやスマートフォン、タブレット等のITデバイス)の支給貸
与方式に代えて、BYOD 方式により従業員個人の所有するITデバイスを使用し
てリモートワークを行い、機器購入に関して有効かつ効率的な情報投資を図るこ
とも考えられる。なお、BYOD 方式による場合には特に、情報の守秘の必要性の程
度に応じて情報セキュリティを備えて運用する必要があるため、例えば、情報の
守秘の必要性が高い情報については、仮想デスクトップ(Virtual Desktop
Infrastructure)の整備等も考えられる。
このような業務プロセスの見直しと並行した業務処理の電子化の動向につい
て、今後、企業が取り組んでいくことを公認会計士等は理解し、これに対応して
監査の電子的手法の導入を検討していくことが重要であると考えられる。
(2) リモートワークに伴うモニタリングの在り方の見直し
リモートワークに伴う業務プロセスの電子化・自動化は、業務プロセスの簡素
化・可視化を通じて現場レベルの単純作業に対する遠隔地からの管理を可能とす
る。前述の「リモートワークを俯瞰した論点・課題(提言)」においても、連結グ
ループのシステム共通化は、親会社による一元的なデータ管理を通じ、内部監査
等によるグループ会社各社へのデータ分析手法の導入を容易にし、グループガバ
ナンス体制の高度化に資する可能性があることが示されている。
例えば、内部監査機能について内部監査人協会が提唱している三つのラインモ