「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確 保するための体制に関する内閣府令」の取扱いに関 する留意事項について
(内部統制府令ガイドライン)
令和5年6月 金融庁企画市場局
このガイドラインは、財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための
体制に関する内閣府令の適用に当たり、留意すべき事項(制定・発出時点において最適
と考えられる法令解釈・運用等)及び審査の基準・目安等を示したものである。
第一章 総則
1-1 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣
府令(平成19年内閣府令第62号。以下「内部統制府令」という。)第1条第2項の金融商
品取引法第 193 条の2第2項の規定による内部統制報告書の監査証明には、同法第 24 条の4の5の規定に基づき提出する訂正内部統制報告書の監査証明を含まないことに留
意する。
3-1 内部統制府令第3条の財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するた
めに必要な体制には、会社が業務を委託している場合におけるその委託業務も含まれる。
なお、委託先が国若しくは地方公共団体又はそれらに準ずる機関の場合には、この限り
でない。
第二章 財務報告に係る内部統制の評価
4―1 内部統制府令第1号様式記載上の注意(4)又は第2号様式記載上の注意(4)に規定
する最高財務責任者については、次の点に留意する。
1 会社が、会社内部における役職のいかんにかかわらず、財務報告に関し代表者に準
ずる責任を有する者を定めている場合における当該者をいい、単に財務を担当してい
る者は、含まない。
2 会社が、最高財務責任者を定めていない場合には、「 内 部 統 制 報 告書 の 最 高財
務責任者 の役職氏名 」への記載 は要しな い。
4-2 内部統制府令第1号様式記載上の注意(6)のb又は第2号様式記載上の注意(7)の
bに規定する「財務報告に係る内部統制を整備及び運用する際に準拠した基準の名称」
には、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する基準」その他の準拠した基準
の具体的な名称を記載する。
4-3 内部統制府令第1号様式記載上の注意(7)のc又は第2号様式記載上の注意(8)の
cに規定する「財務報告に係る内部統制の評価手続の概要」には、会社の行った手続の
うち、評価範囲内における統制上の要点(財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制
上の要点をいう。)の選定など財務報告に係る内部統制の評価結果に重要な影響を及ぼ
す手続の概要を簡潔に記載することに留意する。
4-4 内部統制府令第1号様式記載上の注意(7)のd又は第2号様式記載上の注意(8)の
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dに規定する「財務報告に係る内部統制の評価の範囲」の記載については、次の点に留
意する。
1 財務報告に係る内部統制の評価範囲としては、会社並びに連結子会社及び持分法適
用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を財
務報告に係る内部統制の評価範囲とした旨を記載する。
2 当該評価範囲を決定した手順、方法、根拠等としては、財務報告に対する金額的及
び質的影響並びにその発生可能性を考慮し、全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定した旨などを記載するものと
する。なお、次の事項についても、決定した事由を含めて、併せて記載することに留
意する。
(1) 会社が複数の事業拠点を有する場合において、財務報告に係る内部統制の評価
の対象とする重要な事業拠点を選定する際に利用した指標及びその一定割合
(2) 当該重要な事業拠点において、財務報告に係る内部統制の評価の対象とする業
務プロセスを識別する際に選定した会社の事業目的に大きく関わる勘定科目
(3) 財務報告に係る内部統制の評価の対象に個別に追加した事業拠点及び業務プロ
セス
4-5 内部統制府令第1号様式記載上の注意(8)のc又は第2号様式記載上の注意(9)の cの規定により、開示すべき重要な不備の内容及びそれが事業年度の末日までに是正さ
れなかった理由を記載している場合において、当該開示すべき重要な不備の是正に向け
ての方針、当該方針を実行するために検討している計画等があるときは、その内容を併
せて記載することができる。
4-6 内部統制府令第1号様式記載上の注意(3)又は第2号様式記載上の注意(3)に規定 する「代表者の役職氏名」及び内部統制府令第1号様式記載上の注意(4)又は第2号様 式記載上の注意(4)に規定する「最高財務責任者の氏名」については、内部統制報告書 提出日現在のものを記載することに留意する。
5-1 内部統制府令第5条第3項に規定する「当該連結子会社の財務報告に係る内部統
制に重要な変更があった場合」には、合併等による組織、決算方法及び取扱品目の大幅
な変更等が該当することに留意する。
第三章 財務報告に係る内部統制の監査
6-1 監査法人が作成する内部統制監査報告書に係る内部統制府令第6条第1項第6号
に規定する「明示すべき利害関係」には、当該内部統制監査に係る業務を執行した社員
と被監査会社等との間の利害関係をも含むことに留意する。
6-2 内部統制府令第6条第1項第6号に規定する「明示すべき利害関係」の記載につ
いては、公認会計士法(昭和23年法律第103号)第25条第2項及び公認会計士法施行規
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則(平成19年内閣府令第81号)第12条の規定により記載すべき内容を記載することに留
意する。
7-1 内部統制府令第7条に規定する内部統制監査報告書は財務諸表等の監査証明に関
する内閣府令(昭和32年大蔵省令第12号。以下「監査証明府令」という。)第3条第1
項に規定する監査報告書と合わせて作成するとは、財務諸表監査における監査報告書の
次に内部統制監査報告書を付加する形式によることをいう。
7-2 7-1の場合において、当該会社の連結財務諸表に対する監査報告書と内部統制
監査報告書が合わせて作成されているときは、当該会社の財務諸表に対する監査報告書
に対して、内部統制監査報告書を合わせて作成する必要がないことに留意する。
7-3 内部統制府令第7条の規定に基づいて、財務諸表監査における監査報告書と内部
統制監査報告書が合わせて作成されている場合には、当該統合された監査報告書及び内
部統制監査報告書は、有価証券報告書の連結財務諸表(連結財務諸表を作成していない
場合にあっては、財務諸表)のみに添付することとし、内部統制報告書には添付しない
ことに留意する。
8―1 内部統制府令第8条に規定する内部統制監査に関する事項の概要の記載は、監査
証明府令第1号様式において、内部統制監査に係る概要を内書きする形式により行うこ
とができる。
8-2 従事者、監査日数その他監査に関する事項のうち、財務諸表監査に係る部分と内
部統制監査に係る部分を明確に区分して記載することが困難である場合には、監査契約、
監査計画等に基づいて合理的に区分した上で記載することができる。この場合には、そ
の旨を併せて記載することに留意する。
11-1 内部統制府令第11条第1項第4号に定める「補助者」とは、監査契約書に補助者
として掲名されている者及び当該監査に従事する者であって監査意見の形成に重要な影
響を与える者をいうものとする。
11-2 監査証明をしようとする内部統制報告書に係る連結会計年度の各期首において、
非連結子会社又は関連会社に対する投資について持分法を適用することを被監査会社が
決定していない場合の当該監査証明に係る特別の利害関係については、内部統制府令第
11条第1項第6号及び第2項第6号から第9号までに規定する関係のうち、持分法適用
会社に係る関係は、適用がないものとして取り扱うものとする。
11の2-3 内部統制府令第11条の2第3項第4号に規定する「訂正の対象となる内部統
制報告書に当該開示すべき重要な不備の記載がない理由」の記載については、訂正報告
書に記載している開示すべき重要な不備に関し、訂正の対象となる内部統制報告書にお
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ける「評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項」が適切であったかどうか、当該
開示すべき重要な不備が当該評価の範囲とされていたかどうかを記載することに留意す
る。
第四章 外国会社の財務報告に係る内部統制
12-1 内部統制府令第12条の規定の適用を受ける外国会社の作成する内部統制報告書に
ついて、内部統制府令第2号様式の【表紙】に相当する部分については、同様式に従っ
て作成することに留意する。
12-2 内部統制府令第12条第1項及び第2項の規定により、外国会社がその本国又は本
国以外の本邦外地域(以下「本国等」という。)において開示している財務報告に係る
内部統制を評価した報告書(これに類する書類を含む。以下同じ。)を内部統制報告書
として提出することとする場合は、当該外国会社から、これらの規定の適用の必要性に
ついて申出があり、かつ、これらの規定に規定する「公益又は投資者保護に欠けること
がない」ことが確認できる資料の提出があることを条件とする。
「金融庁長官が公益又は投資者保護に欠けることがないものとして認めるとき」に関
し、次に掲げる全ての要件を満たす場合における内部統制報告書の用語、様式及び作成
方法については、外国会社の本国等における用語、様式及び作成方法によるものとする。
1 外国会社が本国等の法令等に基づき使用している財務報告に係る内部統制を評価し
た報告書の用語、様式及び作成方法が、本邦における内部統制報告書の用語、様式及
び作成方法に従ったものであること又はこれと同等であると認められること(例えば、
米国において要請されている内部統制報告書の用語、様式及び作成方法に従ったもの
であることが考えられる。)。
なお、本国等における用語、様式及び作成方法により作成した内部統制報告書につ
いて、公認会計士又は監査法人の監査証明に代えて、金融商品取引法第193条の2第
2項第1号に規定する監査証明に相当する証明を受ける場合には、当該証明を行う者
が、あらかじめ公認会計士法第34条の35第1項に基づく外国監査法人等の届出を行っ
ていることが求められることに留意すること。
2 本国等の法令等において、財務報告に係る内部統制を評価した報告書の不提出や虚
偽記載等に関し、財務報告に係る内部統制を評価した報告書の提出会社に対する監督
を行う本国等の行政機関その他これに準ずるもの(以下「海外監督当局」という。)
による検査及び訂正命令並びに罰則等が規定されており、当該本国等の海外監督当局
により、財務報告に係る内部統制を評価した報告書の提出会社に対する適切な監督が
行われていること。
3 証券監督者国際機構(IOSCO)における多国間情報交換枠組み等の当局間による協
議・協力及び情報交換に関する覚書において、監督上必要な情報を取得することが可
能となっているなど、本国等の海外監督当局と金融庁による情報交換が可能となって
いること。
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17-3 内部統制府令第17条第3項第4号に規定する「訂正の対象となる内部統制報告書
に当該開示すべき重要な不備の記載がない理由」の記載については、11の2-3に準じ
て記載することに留意する。
第五章 雑則
18-1 内部統制府令第18条の規定の適用を受ける会社の作成する内部統制報告書につい
て、内部統制府令第1号様式の【表紙】に相当する部分については、同様式に従って作
成することに留意する。
18-2 内部統制府令第18条の規定の適用を受ける会社の作成する内部統制報告書につい
て、内部統制府令第20条第2号に掲げる事項は、内部統制府令第1号様式の「4【付記
事項】」に記載することに留意する。
21-1 内部統制府令第21条の規定による内部統制監査報告書は、内部統制府令第6条に
規定する事項を記載すること、及び日本語で作成することに留意する。ただし、内部統
制府令第6条第1項第1号ロを「財務報告に係る有効な内部統制が維持されているかど
うかについての意見」と読み替えて適用するものとする。
21-2 内部統制府令第21条第2項第2号に掲げる事項は、内部統制府令第6条第1項第
5号に掲げる事項として記載することに留意する。
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