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なお、会計方針の変更は、一つの会計事象等について複数の会計処理が認められている場
合に、その範囲内で第 6 項の要件が満たされているときに行われるものであるが、それに加
えて、変更後の会計処理が類似の会計事象等に対して適用されている会計処理と首尾一貫し
たものであることにも留意する必要があると考えられる。
会計方針の変更の具体的な範囲
18. 我が国では、従来から日本公認会計士協会 監査委員会報告第 77 号「追加情報の注記につ
いて」において、企業会計基準第 24 号で取り扱っている会計上の見積りの変更(企業会計基
準第 24 号第 4 項(7))のほか、会計処理の対象となる会計事象等の重要性が増したことに伴
う本来の会計処理の原則及び手続への変更や、会計処理の対象となる新たな事実の発生に伴
う新たな会計処理の原則及び手続の採用については、会計方針の変更に該当しないものとさ
れている。国際的な会計基準においても同様の取扱いが示されていることから、企業会計基
準第 24 号においても、これまでの取扱いを踏襲することとした。
会計処理の対象となる会計事象等の重要性が増したことに伴う本来の会計処理の原則及び
手続への変更(第 8 項(1)参照)は、従来、会計処理の対象となる会計事象等の重要性が乏し
かったため、本来の会計処理によらずに簡便な会計処理を採用していたが、当該会計事象等
の重要性が増したことにより、本来の会計処理へ変更する場合をいう。例えば、ある項目に
対する会計方針を現金基準から発生基準へ変更する場合が該当する。重要性が増した会計事
象等に対する現金基準の適用は一般に公正妥当と認められた会計処理にあたらないので、当
該変更は会計方針の変更には該当しない(企業会計基準第 24 号第 4 項(5))。この場合、従
前の重要性の判断に誤りがない限り、過去の財務諸表に遡及的に処理を行う必要はなく、変
更の影響額は関連する費用又は収益に含めて処理することになると考えられる。
会計処理の対象となる新たな事実の発生に伴う新たな会計処理の原則及び手続の採用(第
8 項(2)参照)に該当する場合には、例えば、新規事業を開始することに伴って新たに取得し
た有形固定資産の経済的便益の消費パターンが、既存事業における有形固定資産の経済的便
益の消費パターンと異なることが予測される場合に、新たに取得した有形固定資産の減価償
却方法として、既存事業の有形固定資産の減価償却方法とは異なる方法を採用する場合など
がある。
なお、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項のうち、連結又は持分法の適用の
範囲に関する変動(第 8 項(3)参照)についても、財務諸表の作成にあたって採用した会計処
理の原則及び手続に該当しないため、会計方針の変更には該当しないことを明示した。
19. 会計方針の変更と表示方法の変更との区分は、表示方法の変更が、会計処理の変更に伴う
ものであったかどうかにより判断することとしている(第 7 項参照)。このため、例えば、
ある収益取引について営業外収益から売上高に表示区分を変更する場合、資産及び負債並び
に損益の認識又は測定について何ら変更を伴うものではないときは、表示方法の変更として
取り扱うこととした。