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の引当金又は準備金の計上を義務付けているという国策的事情がある。また、これら
特別の法令は、一般法たる会社法に対し、特別法の関係に立つものである。
このような特殊性から、財務諸表等規則第54条の3及び会社計算規則第119条では、
負債と認められない特別法上の引当金又は準備金は、負債の部の次に別の区分を設け
て表示する方法を規定している。
特別の法令により特に規定される引当金又は準備金であっても、注解18の要件を満
たすものについては、いわゆる負債性引当金として負債の部に計上することが必要で
あることは、これらの規定においても明確なものである。一方で、注解18の要件を満
たさない、いわゆる利益留保性の引当金については、負債の部に計上することは望ま
しくないと考えられる。
また、財務諸表等規則第67条及び会社計算規則第53条においては、純資産の部の項
目として計上することが適当であると認められるものは、純資産として計上すること
ができると規定されており、本来負債ではなく、利益留保の性格を有する特別法上の
引当金又は準備金については、純資産の部に計上することを容認する旨の規定である
と解釈されている。したがって、特別法上の引当金又は準備金は、純資産の部に計上
することも含めて検討する必要がある。
このような観点から、特別な法令によって計上することが強制されている引当金又
は準備金については、監査上以下のように取り扱う。
(1)注解 18 の引当金の要件を満たす引当金又は準備金
特別の法令によって計上することが強制されている引当金又は準備金のうち、注
解18の引当金の要件を満たすものについては、負債の部に計上する。
(2)注解 18 の引当金の要件を満たさない、いわゆる利益留保性引当金
注解18の引当金の要件を満たさないが、特別法によって計上することが強制され
ている引当金又は準備金(利益留保性引当金)については、特別法で規定する表示
箇所に計上することになるが、特別法に表示箇所に係る規定がない場合は、純資産
の部に計上することが望ましい。
負債の部に計上する特別法上の引当金又は準備金は、注解18の要件を満たすもので
あるため、その繰入れ及び取崩しを損益計算書において計上するが、利益留保性引当
金は上記に説明したように本来は会計上の損益としては認められず特殊な状況下で
止むを得ないものとしてその計上が容認されているものである。特別法上の引当金又
は準備金の計上に際しては、適切な開示が行われているかどうかについて慎重に判断
する必要がある。
3.引当金に関する事項
引当金については、1(1)に記載したとおり、注解18に示されている。現在の日
本における会計慣行は、注解18をよりどころとして運用されており、本指針において