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株式が通常の自己株式と異なり自益権や共益権を有することから、同列に取り扱うべき
でないとする考え方を考慮するものである。
64. 検討の結果、総額法により当該株式を純資産の部から控除する会計処理との整合性を
考慮し、「通常の自己株式と同様に発行済株式総数からの控除対象とする方法」による
こととした。
65. また、信託の保有する株式は通常の自己株式と異なる性質を有することから、信託が
保有する株式を控除対象とする自己株式に含めている旨を注記するとともに、これを控
除しないとした場合の 1 株当たり情報を算定することができるように、自己株式に含め
た信託の保有する期末の株式数、帳簿価額及び 1 株当たり当期純利益の算定上、控除す
る自己株式に含めた信託の保有する株式の期中平均株式数を注記することとした。
65-2. 前項に関連し、平成 26 年 3 月に改正された財務諸表等規則において、財務諸表提出
会社が連結財務諸表を作成している場合には、1 株当たり当期純損益金額及び潜在株式調
整後 1 株当たり当期純利益金額に関する注記並びに自己株式に関する注記を記載するこ
とを要しない(財務諸表等規則第 95 条の 5 の 2 第 3 項、第 95 条の 5 の 3 第 4 項及び第
107 条第 2 項)とされたことから、個別財務諸表における 1 株当たり情報に関する注記及
び自己株式に関する注記の取扱い(第 17 項及び第 18 項参照)について開示の要否が明
確でないという意見が聞かれた。
この財務諸表等規則の改正を踏まえ、1 株当たり情報に関する注記及び自己株式に関す
る注記が個別財務諸表において開示されない中で、第 17 項に定めた注記及び第 18 項に
定めた注記のみの開示を求める趣旨ではないことを明らかにするため、平成 27 年改正の
本実務対応報告では、1 株当たり情報に関する注記を記載する場合には第 17 項に定めた
注記を、連結株主資本等変動計算書又は個別株主資本等変動計算書の注記事項として自
己株式の種類及び株式数に関する事項、並びに配当に関する事項を記載する場合には第
18 項に定めた注記を記載することとした。
66. 信託の保有する株式は、本実務対応報告においては 1 株当たり情報の算定上、控除対
象の自己株式に含めることとしたが、当該株式は将来従業員等への交付に伴い 1 株当た
り情報の算定の分母に含められることになることから、潜在株式に該当するか否かが論
点となる。この点について、企業会計基準第 2 号「1 株当たり当期純利益に関する会計基
準」では、ワラントや転換証券あるいはストック・オプションといった、保有者が普通
株式を取得できる権利若しくは普通株式への転換請求権又はこれに準ずる権利が付され
た証券又は契約を主に潜在株式として想定していることから、本実務対応報告において
は当該株式を潜在株式として取り扱わないこととした。
67. なお、平成 25 年公表の本実務対応報告の公開草案に対して寄せられたコメントの中
には、本実務対応報告に定めている取引の概要の注記に関して、注記が必要とされる項
目を列挙すべきとの意見があった。この点については、検討の結果、本実務対応報告の
対象とする取引には多様なスキームが想定されることから、一律に詳細な注記事項を定