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額とすることになると考えられる。
44. また、前期以前に行った資産の帳簿価額の切下げの会計処理については、切放し法
(前期以前に計上した損失処理額の戻入れを、当期に行わない方法をいう。)と洗替え
法(前期以前に計上した損失処理額の戻入れを、当期に行う方法をいう。)の 2 つの方
法があるが、これまでの我が国の会計基準では、損失の発生の可能性の高さによって
切放し法と洗替え法のいずれを採用するかを決定すべきという考え方がある一方で、
将来に損失を繰り延べないために行われる会計処理において、いったん費用処理した
金額を戻し入れることは適切ではないという考え方がある。
ここで、活発な市場が存在しない暗号資産の場合、現時点において、その取引形態
や価格形成の仕組みが現状において明らかではないことから、期末日における処分を
前提として処分見込価額(ゼロ又は備忘価額を含む。)まで簿価を切り下げた後には、
保守的に切放し法のみを認めることとした(第 7 項参照)。
(4)活発な市場の判断規準
45. 我が国の会計基準において、市場は、「市場には、公設の取引所及びこれに類する市
場のほか、随時、売買・換金等を行うことができる取引システム等も含まれる」とさ
れており(企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」(注 2))、「取引所及び
店頭において取引が行われていなくても、随時、売買・換金等を行う取引システム(例
えば、金融機関・証券会社間の市場、ディーラー間の市場、電子媒体取引市場)が流
通性を確保する上で十分に整備されている場合には、そこで成立する取引価格を市場
価格とすることができる」とされている(金融商品実務指針第 51 項)。よって、随時
に、売買・換金を行うことができる暗号資産取引所や暗号資産販売所は、ここでいう
市場に含まれ得ると考えられる。
46. また、我が国の会計基準においては、「活発な市場」の状況について、例えば、棚卸
資産会計基準第 3 項において「売却には、通常の販売のほか、活発な市場が存在する
ことを前提として、棚卸資産の保有者が単に市場の価格の変動により利益を得ること
を目的とするトレーディングを含む。」との定めがある。また、金融商品実務指針第 53
項②では、市場(取引所若しくは店頭)において取引がなされていても実際の売買事
例が極めて少ない金融資産又は市場価格が存在しない金融資産については、活発な市
場における市場価格がないものに該当するとしている。
47. これらの定めにおいて、「活発な市場」の定義は行われていないが、国際的な会計基
準においては「活発な市場」の判断規準についての考え方が示されていることから、
これらを参考に、暗号資産交換業者又は暗号資産利用者の保有する暗号資産について、
継続的に価格情報が提供される程度に暗号資産取引所又は暗号資産販売所において十
分な数量及び頻度で取引が行われている場合をいうこととした(第 8 項参照)。
なお、「継続的に価格情報が提供される程度に暗号資産取引所又は暗号資産販売所に