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(平成 23 年改正会計基準の公表)
49-3. 平成 23 年改正会計基準では、「連結財務諸表制度における子会社及び関連会社の範囲の
見直しに係る具体的な取扱い」三における一定の要件を満たす特別目的会社についての定
めは、資産の譲渡者のみに適用されることとする改正を行っている。
同取扱いは、資産流動化法上の特定目的会社については、事業内容が資産の流動化に係
る業務(資産対応証券の発行により得られる金銭により資産を取得し、当該資産の管理、
処分から得られる金銭により資産対応証券の元本や金利、配当の支払を行う業務)及びそ
の附帯業務に限定されており、かつ、事業内容の変更が制限されているため、特定目的会
社の議決権の過半数を自己の計算において所有している場合等であっても、当該特定目的
会社は出資者等から独立しているものと判断することが適当であることから設けられたも
のと考えられている。
特別目的会社について、このような取扱いが設けられているのは、実質的な支配関係の
有無に基づいて子会社の判定を行う支配力基準が広く採用されていることを前提に、通常
は支配していないと考えられる形態をあらかじめ整理したものと考えられる。
また、資産の流動化を目的として一定の要件の下で設立された特別目的会社が子会社に
該当し連結対象とされた場合には、譲渡者の個別財務諸表では資産の売却とされた取引が、
連結財務諸表では資産の売却とされない処理となり、不合理ではないかという指摘にも対
応したものといわれている。
49-4. しかしながら、同取扱いについては、その設定当初に比べ、特別目的会社を利用した取
引が拡大するとともに複雑化・多様化していることから、企業集団の状況に関する利害関
係者の判断を誤らせるおそれがあるのではないかなどの指摘を背景に、平成 19 年 3 月に、
当面の対応として、同取扱いの定めにより出資者等の子会社に該当しないものと推定され
た特別目的会社(開示対象特別目的会社)について、その概要や取引金額等の開示を行う
ことを定めた企業会計基準適用指針第 15 号を公表している。
また、平成 19 年 8 月に国際会計基準審議会(IASB)と共同で公表した会計基準のコンバ
ージェンスに関する「東京合意」も踏まえ、平成 21 年 2 月に、連結財務諸表における特別
目的会社の取扱い及びそれに関する開示についての論点のほか、支配の定義と支配力基準
の適用や、連結対象となる企業、支配が一時的な子会社についての検討をまとめた「連結
財務諸表における特別目的会社の取扱い等に関する論点の整理」(以下「論点整理」とい
う。)を公表した。これには、IASB から平成 20 年(2008 年)12 月に公表された公開草案
第 10 号「連結財務諸表」に関する検討も含められていた。
49-5. その後、この論点整理に寄せられたコメントの検討及び IASB で開発中の連結財務諸表に
関する会計基準とのコンバージェンスの検討を進めてきたが、IASB の作業計画が当初の予
定よりも延期されたことを契機に、短期的に特別目的会社の取扱いを改善することとし、
平成 22 年 9 月に、企業会計基準公開草案第 44 号「連結財務諸表に関する会計基準(案)」
等を公表した。平成 23 年改正会計基準は、公開草案に対して寄せられた意見を参考にさら