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Q17:複数の投資事業組合等を経由して投資がなされる場合には、監査上、どのような
点に留意が必要でしょうか。
A:投資事業組合では、他の投資事業組合を投資先とする例が多くみられます。複数の組
合等の事業体を経由してある企業への投資がなされる場合、最終的な投資先を子会社又
は関連会社とする必要がないかを、監査上、検討する必要があります。
子会社には、会社のみならず、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれ
らに相当するものを含む。)も該当し、また、親会社及び子会社又は子会社が、他の企
業を支配している場合における当該他の企業(いわゆる孫会社)も、その子会社とみな
されます(実務対応報告第20号Q3参照)。
また、実務対応報告第20号では、留意事項として、「出資者の子会社に該当しない他
の会社や組合、財団法人・社団法人などの公益法人、特定非営利活動法人(NPO法人)
などの事業体や個人を介在させている場合であっても、当該出資者が当該投資事業組合
の財務及び営業又は事業の方針を決定しているときには、当該投資事業組合は当該出資
者の子会社に該当する。」とされています(実務対応報告第20号Q1 3(2)参照)。
複数の投資事業組合等を経由して投資が行われている可能性がある場合には、監査上、
企業が出資している投資事業組合の投資勘定の投資先の情報を企業に聴取するとともに
合理的な監査証拠を入手する必要があり、当該企業が投資勘定の内容を把握していない
場合には、組合員としての権利の行使により、内容を把握することを求める必要があり
ます(民法第673条、投資事業有限責任組合契約に関する法律第16条、商法第539条)。
なお、複数の投資事業組合等を経由して投資が行われている可能性がある場合で、最
終的な投資先が判明しない場合には、監査範囲の限定に当たる可能性があるため留意す
る必要があります。
Q18:「緊密な者」又は「同意している者」が業務執行の権限を保有しているか否かを判
断する上では、監査上、どのような点に留意すべきでしょうか。
A:「緊密な者」及び「同意している者」の判定については、適用指針に準拠することと
なります。
また、実務対応報告第20号では、「ここで、「緊密な者」とは、自己と出資、人事、
資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより、自己の意思と同一の内容の
業務執行の権限を行使すると認められる者をいう。緊密な関係の有無については、両者
の関係に至った経緯、両者の関係状況の内容、過去の業務執行の権限の行使の状況、自
己の商号との類似性等を踏まえ、実質的に判断する。さらに、緊密な者には、これまで
自己と関係がない場合でも、自己と投資事業組合、緊密な者に該当すると考えられる者
との関係状況からみて、自己の意思と同一の内容の業務執行の権限を行使すると認めら
れる者を含み、また、企業以外に、出資者である会社の役員若しくは使用人である者、
又はこれらであった者など、当該出資者である会社の意向に沿って当該投資事業組合の
業務執行の権限を行使すると認められる個人を含むことに留意する必要がある。」、
「また、「同意している者」とは、自己の意思と同一の内容の業務執行の権限を行使す
ることに同意していると認められる者(個人を含む。)をいう。」とされています(実
務対応報告第20号Q1 2(2)①参照)。
以下のようなケースの場合は、業務執行組合員が、企業の「緊密な者」及び「同意し
ている者」となる可能性があるため、監査上、留意する必要があります。
(1) 企業の代表権のある役員やその他の役員(これらであったものを含む。)が設立
した会社又は組合が、企業が投資する投資事業組合の業務執行者又は資金拠出者と
なる例