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実務上、投資事業組合に対する支配力基準の適用にあたっては、次のように取り扱
われることとなる。
(1) 出資者(出資以外の資金の拠出者を含む。)が投資事業組合の業務執行の権限の
100 分の 40 以上を有していない場合でも、出資額(又は資金調達額)の総額の半
分を超える多くの額を拠出している場合や投資事業から生ずる利益又は損失の半
分を超える多くの額を享受又は負担する場合等には、当該投資事業組合の業務執
行の権限の過半の割合を有する者が当該出資者の緊密な者に該当することが多い
と考えられ、この場合には、当該投資事業組合は当該出資者の子会社に該当する
(ただし、当該業務執行の権限の過半の割合を有する者が当該投資事業組合の財
務及び営業又は事業の方針を決定していないことが明らかであると認められる場
合(Q2 参照)を除く。)。
(2) 出資者の子会社に該当しない他の会社や組合、財団法人・社団法人などの公益
法人、特定非営利活動法人(NPO 法人)などの事業体や個人を介在させている場合
であっても、当該出資者が当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方針を決
定しているときには、当該投資事業組合は当該出資者の子会社に該当する。
なお、移管指針第 9 号「金融商品会計に関する実務指針」第 132 項において、民法
上の任意組合などの組合等への出資については、原則として、組合等の財産の持分相
当額を出資金(金融商品取引法第 2 条第 2 項に基づいて有価証券とみなされるものに
ついては有価証券)として計上し、組合等の営業により獲得した損益の持分相当額を、
有限責任の範囲内で、当期の損益として計上することになるとされている。このため、
投資事業組合については、当該組合の財務諸表に基づいて、当該組合に対する出資等
に対応する数値が個別財務諸表に反映されていても、このことと子会社に該当し連結
の範囲に含まれることとは別個に判断すべきであり、子会社に該当するか否かは、あ
くまでも支配力基準によって判定することに留意する必要がある(日本公認会計士協
会 監査・保証実務委員会実務指針第 88 号「連結財務諸表における子会社及び関連会
社の範囲の決定に関する監査上の留意点についてのQ&A」Q12 参照)。
ただし、投資事業組合が商法上の匿名組合として組成される場合、通常、営業者が
当該投資事業組合の財務及び営業又は事業の方針を決定しているが、匿名組合事業は
営業者の個別財務諸表に反映されていることから、営業者においては当該匿名組合を
子会社とする必要はないこととなる
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このように、商法上の匿名組合として組成される場合、通常、営業者が当該投資事業組合の財
務及び営業又は事業の方針を決定しているため、基本的には、匿名組合員が当該匿名組合を連結
することはない。しかし、当該匿名組合に関して、営業者が匿名組合員の緊密な者と認められ、
かつ、匿名組合員が当該匿名組合を支配している一定の事実が認められる場合には、匿名組合事
業が営業者の個別財務諸表に反映されているが、匿名組合は当該匿名組合員の子会社に該当し連
結の範囲に含まれることとなる。
なお、営業者及び匿名組合が、いずれも匿名組合員の子会社に該当する場合において、当該匿
名組合の事業を含む営業者の損益のほとんどすべてが匿名組合員に帰属するようなときは、同様