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A 有限責任事業組合は、有限責任事業組合契約によって成立する組合をいい(有限責
任事業組合法第 2 条)、組合員の有限責任が法的に担保されている(有限責任事業組合
法第 15 条)など、民法上の組合を活用して事業活動を行うにあたっての限界に対応す
るために創設されたものである。すなわち、組合員の有限責任により組合財産の分配
規制が設けられているものの、組合財産は民法第 668 条等の準用(有限責任事業組合
法第 56 条)により組合員間の共有となり、民法上の組合と同様に、その持分及び持分
から生じる損益は直接的に組合員に帰属する。このため、現行の会計基準等のもとで
は、当該有限責任事業組合への出資は、民法上の組合等への出資と同様に、移管指針
第 9 号「金融商品会計に関する実務指針」(以下「金融商品会計実務指針」という。)
第 132 項により会計処理を行うことが適当であると考えられる。
具体的には、有限責任事業組合の財産の持分相当額を出資金(意思決定及び業務執
行に係る関与の度合いにより、金融商品取引法第 2 条第 2 項に基づいて有価証券とみ
なされるものについては有価証券)として計上し、当該有限責任事業組合の営業によ
り獲得した損益の持分相当額を、有限責任の範囲内で、当期の損益として計上するこ
とになる。
ただし、有限責任事業組合への出資についても、他の組合等への出資と同様に、そ
の契約内容の実態及び経営者の意図を考慮して、経済実態を適切に反映する会計処理
及び表示を選択することとなる(金融商品会計実務指針第 308 項)。具体的には、有限
責任事業組合は、出資の価額を限度とするものの、共同で営利を目的とする事業を営
むための有限責任事業組合契約により組成され(有限責任事業組合法第 2 条及び第 3
条第 1 項)、原則として総組合員の同意により業務執行が決定される(有限責任事業組
合法第 12 条)ことから、経済実態を適切に反映するように、組合財産のうち持分割合
に相当する部分を出資者の資産及び負債等として貸借対照表に計上し、損益計算書に
ついても同様に処理することも考えられる。また、状況によっては貸借対照表につい
て持分相当額を純額で、損益計算書については損益項目の持分相当額を計上する方法
も認められるものと考えられる。
なお、総組合員間の同意により出資比率と異なる損益分配を行うことを定めた場合
(有限責任事業組合法第 33 条)には、当該損益分配の比率を考慮のうえ、損益の持分
相当額を調整することになる。
また、Q2 にあるように、有限責任事業組合が出資者の子会社又は関連会社となる場
合があるが、この場合においても、出資金又は有価証券として計上する場合には、個
別財務諸表上、取得原価ではなく、持分相当額をもって貸借対照表価額とすることに
留意する必要がある(この点については、移管指針第 12 号「金融商品会計に関するQ
&A」(以下「金融商品会計Q&A」という。)Q71 の投資事業組合の処理を参照のこ
と。)。