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こうした中、近時、国際的な会計基準間の相違点が縮小傾向にあるため、国際財務報告基
準又は米国会計基準に準拠して作成された在外子会社の財務諸表を基礎としても、我が国
の会計基準の下での連結財務諸表が企業集団の財務状況の適切な表示を損なうものではな
いという見方や、それらに基づく財務諸表の利用であれば実務上の実行可能性が高いとい
う見方を踏まえ、本実務対応報告では、これまでの取扱いを見直すものの、当面の間、連結
決算手続上、国際財務報告基準又は米国会計基準に準拠して作成された財務諸表を利用す
ることができるものとした
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。
その場合であっても、上記当面の取扱いにおいて示した項目は、連結上の当期純損益に重
要な影響を与える場合には修正しなければならないものとした
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。これは、当該項目は、国
際財務報告基準又は米国会計基準に準拠した会計処理が、我が国の会計基準に共通する考
え方
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と乖離するものであり、一般に当該差異に重要性があるため、修正なしに連結財務諸
表に反映することは合理的でなく、その修正に実務上の支障は少ないと考えられたことに
よる。また、連結上の当期純損益に重要な影響を与える場合としたのは、財務報告において
提供される情報の中で、特に重要なのは投資の成果を示す利益情報と考えられることによ
る。
本実務対応報告の公表及び改正の経緯
1997 年(平成 9 年)12 月 8 日に公表された日本公認会計士協会 監査委員会報告第 56 号
「親子会社間の会計処理の統一に関する当面の監査上の取扱い」(2012 年(平成 24 年)3 月
に監査・保証実務委員会実務指針第 56 号「親子会社間の会計処理の統一に関する監査上の
取扱い」として改正されている。以下「監査・保証実務委員会実務指針第 56 号」という。)
において、「在外子会社の会計処理についても、本来、企業集団として統一されるべきもの
であるが、その子会社の所在地国の会計基準において認められている会計処理が企業集団
として統一しようとする会計処理と異なるときは、当面、親会社と子会社との間で統一する
必要はないものとする。なお、在外子会社が採用している会計処理が明らかに合理的でない
と認められる場合には、連結決算手続上で修正する必要があることに留意する。」とされて
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したがって、今後の当面の取扱いにおいては、在外子会社の財務諸表が、所在地国で公正妥
当と認められた会計基準に準拠して作成されている場合には、連結決算手続上、国際財務報告
基準又は米国会計基準に準拠して修正することとなる。むろん、原則的な取扱いとするための
修正を行う場合には、これまでと同様に、所在地国で公正妥当と認められた会計基準に準拠し
て作成されている在外子会社の財務諸表を利用することは可能である。
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2013 年(平成 25 年)に改正された連結会計基準では、従来の「少数株主損益調整前当期純
利益」を「当期純利益」として表示し、「親会社株主に帰属する当期純利益」を区分して内訳表
示又は付記することとされた。ただし、親会社株主に帰属する当期純利益が特に重要であるこ
とに変更はない。
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我が国の会計基準に共通する考え方としては、当期純利益を測定する上での費用配分、当期
純利益と株主資本との連繋及び投資の性格に応じた資産及び負債の評価などが挙げられる。