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でも、株式が引き換えられないときには、通常、株主は損益を認識しないこと、また、
株式が引き換えられた場合でも、個々の株主が、投資先の事業に連続性があるかどうか
を判断することが可能かどうかなどの問題があると考えられる。
129. また、現行の金融商品会計基準の適用においては、子会社株式又は関連会社株式の売却に
より持分比率が減少し、子会社株式又は関連会社株式に該当しなくなった場合(子会社株式
又は関連会社株式からその他有価証券)には、帳簿価額をもって変更後の区分に振り替える
ことから、子会社又は関連会社である被結合企業の株式が当該被結合企業を含む結合後企業
の株式と引き換えられたことによって、結合後企業が子会社や関連会社に該当しないことと
なっても、交換損益は認識されないのではないかという意見がある。
しかしながら、株主が同一の株式を売却し持分比率が減少した場合と、投資先の企業が
他の企業又は事業を受け入れたことに伴い持分比率が減少した場合とは、必ずしも同じ状
況ではないため、同じ会計処理を行う必要はないものと考えられる。本会計基準では、子
会社又は関連会社の企業結合により、被結合企業の株式が当該被結合企業を含む結合後企
業の株式と引き換えられたことによって、子会社株式又は関連会社株式に該当しなくなっ
た場合には、異種の資産と引き換えられたものとみなして、交換損益を認識するものとし
た。
子会社や関連会社以外の投資先を被結合企業とした企業結合の場合
130. 企業結合前に被結合企業の株主が結合企業の株式を有していないものとすると、企業結合
により、被結合企業の株主の結合後企業に対する持分比率は、従来の被結合企業に対する持
分比率より減少する。このため、被結合企業がその株主の子会社や関連会社以外の投資先で
あった場合、当該株主にとって結合後企業の株式は、引き続き、子会社株式や関連会社株式
に該当しないこととなる(その他有価証券からその他有価証券。なお、本項から第 135 項に
あるその他有価証券には、売買目的有価証券の場合は含まないものとする。)。
131. 本会計基準では、被結合企業がその株主の子会社や関連会社以外の投資先であった場合に
おいて、当該企業結合が被結合企業の株主にとって投資の継続にあたるかどうかにつき、被
結合企業が関連会社であった場合(第 125 項参照)と同様に、企業結合により被結合企業を
含む結合後企業の株式と引き換えられたことによっても、これまでの被結合企業の株式(そ
の他有価証券)への投資の性格が同じと考えられるかどうかによって判断することを考えて
いる。
この場合、企業結合によって持分比率が減少しても、被結合企業の株主は、当該被結合
企業を含む結合後企業の株式(その他有価証券)の保有を通じた投資を行っている。それ
は、売買目的有価証券(金融投資)と子会社株式及び関連会社株式(事業投資)との中間
的な性格を有するものとしてとらえられており(金融商品会計基準第 75 項)、当該企業結
合によって、企業が事前に考えていた当該投資の成果が期待されていたような結果になっ
たとは必ずしも言えないため、交換損益を認識しないことが考えられる。