企業会計基準委員会
企業会計基準適用指針第 10
2024 9
企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に
関する適用指針
- -
1
企業会計基準適用指針第 10
企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指
2005 年(平成 17 12 27
改正 2006 年(平成 18 年)12 22
改正 2007 年(平成 19 年)11 15
改正 2008 年(平成 20 年)12 26
改正 2013 年(平成 25 年) 9 13
改正 2019 年(平成 31 年) 1 16
最終改正 2024 9 13
企業会計基準委員
適用指針は、2024 11 1 日までに公表された次の会計基準等による修正が反映されている。
2024 年次改善プロジェクトによる企業会計基準等の修正について」2024 11 1 日公表)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
適用指針
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
.範
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
Ⅱ.用語の定義
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
取得の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
1.取得の会計処理の概
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
2.取得企業の決定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
取得企業の決定規準の考え方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
3.本適用指針で取り扱う取得とされた組織再編の形式ごとの会計処
・・・・・・・
34
4.得とされた吸収合併、吸収分割、事業譲受及び現物出資の会計処理
・・・・・
35
5.取得原価の算定方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
36
(1)取得原価の算定方法の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
36
(2)支払対価が現金以外の場合の取得の対価の算定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
37
(3)支払対価が取得企業の株式の場合の取得の対価の算定
・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
(4)(削 除)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
(5)支払対価が現金の場合の取得の対価の算定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
44
- -
2
(6)支払対価が自社以外の株式(例えば親会社株式)の場合の取得の対価の算定
・・・・・・
45
(7)取得が複数の取引により達成された場合(段階取得)の取得の対価の算定
・・・・・・・・
46
(8)条件付取得対価の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
47
(9)(削 除)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
48
(10)株式交付費の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
49
(11)吸収合併存続会社が新株予約権等を交付したときの会計処理
・・・・・・・・・・・・・
50
6.取得原価の配分方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
51
(1)取得原価の配分方法の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
51
(2)識別可能資産及び負債の範囲
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
52
(3)識別可能資産及び負債への取得原価の配分額の算定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
53
(4)取得原価の配分額の算定における簡便的な取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
54
(5)価が一義的に定まりにくい資産への配分額の特例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
55
(6)無形資産への取得原価の配分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
58
(6-2)ースに係る使用権資産及びリース負債への取得原価の配分・
61-2
(7)企業結合に係る特定勘定への取得原価の配分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
62
(8)退職給付に係る負債への取得原価の配分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
67
(9)被取得企業においてヘッジ会計が適用されていた場合の取得原価の配
・・・・・・・・
68
(10)取得原価の配分における暫定的な会計処理の対象となる科目
・・・・・・・・・・・・・・
69
(11)暫定的な会計処理の確定処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
70
(12)取得企業の税効果会計
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
71
(13)のれんの会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
76
(14)負ののれんの会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
78
7.取得企業の増加資本の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
79
(1)新株を発行した場合の会計処
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
79
(2)自己株式を処分した場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
80
(3)取得企業の株式以外の財産を交付した場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
81
(4)子会社が親会社株式を交付した場合(いわゆる三角合併などの場合)の会計処理
・・・・・
82
8.吸収合併消滅会社の最終事業年度の会計処
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
83
9.逆取得となる吸収合併の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
84
(1)吸収合併存続会社(被取得企業)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・
84
(2)結合後企業の連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
85
- -
3
(3)結合後企業が連結財務諸表を作成しない場合の注記事項の算定基礎
・・・・・・・・・・
86
10.逆取得となる吸収分割又は現物出資の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
87
(1)吸収分割承継会社又は現物出資の受入会社被取得企業)の個別財務諸表上の会計処理
・・
87
(2)収分割会社又は現物出資会(取得企業)の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・
88
11.分離元企業の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
89
(1)移転した事業に係る適正な帳簿価額の算定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
89
(2)事業分離に要した支出額の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
91
(3)受取対価の時価
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
92
12.分離先企業における企業結合が取得とされた場合の分離元企業の会計処理
・・・
95
(1)受取対価が現金等の財産のみである場合(事業譲渡などの分離元企業の会計処理
・・・
95
(2)受取対価が分離先企業の株式のみである場合(会社分割など)の分離元企業の会計処・・
97
(3)受取対価が現金等の財産と分離先企業の株式である場合の分離元企業の会計処理
・・・・
104
(4)分離元企業の税効果会計
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
107
13.取得とされた株式交換の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
110
(1)株式交換完全親会社の個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
110
(2)株式交換完全子会社の個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
115-2
(3)株式交換完全親会社の連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
116
(4)株式交換日が株式交換完全子会社の決算日以外の日である場合の取扱・・・・・・・・
117
14.逆取得となる株式交換の会計処理(株式交換完全子会社が取得企業となる場合)
117-2
(1)株式交換完全親会社(被取得企業)の個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・
117-2
(2)株式交換完全子会社(取得企業)の個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・
118-3
(3)株式交換後の連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
119
15.取得とされた株式移転の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
120
(1)株式移転設立完全親会社の個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
120
(2)株式移転完全子会社(取得企業又は被取得企業)の個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・
123-2
(3)株式移転設立完全親会社の連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
124
Ⅳ.共同支配企業の形成の判定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
175
1.共同支配企業の形成の判定規準
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
175
(1)共同支配企業の形成の判定規準の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
175
(2)一般投資企業が含まれる場合における共同支配企業の形成の判
・・・・・・・・・・・
176
2.独立企業要件の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
177
- -
4
3.契約要件の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
178
(1)共同支配となる契約等の要件
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
178
(2)株主間の事前承認規
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
179
4.対価要件の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
180
5.その他の支配要件の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
181
Ⅴ.共同支配企業の形成の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
182
1.共同支配企業の形成の会計処理の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
182
2.本適用指針で取り扱う共同支配企業の形成と判定された組織再編の形式ごとの
会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
183
3.共同支配企業の形成と判定された合併吸収合併の会計処理
・・・・・・・・・
184
(1)吸収合併存続会社(共同支配企業)の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
184
(2)合併会社の株主(共同支配投資企業)の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
189
(3)合併会社の株主(一般投資企業)の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
191
4.共同支配企業の形成と判定された会社分割(吸収分割又は共同新設分割)の会計処理
・・・・・
192
(1)吸収分割承継会社等(共同支配企業の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
192
(2)吸収分割会社等(共同支配投資企業)の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
196
(3)吸収分割会社等(一般投資企業)の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
199
Ⅵ.共通支配下の取引等の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
200
1.共通支配下の取引等の会計処理の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
200
2.通支配下の取引の範囲
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
201
3.共通支配下の取引等に係る対
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
203
(1)本適用指針における共通支配下の取引等に係る対価の前提
・・・・・・・・・・・・・・・
203
(2)完全親子会社関係にある組織再編において対価が支払われない場の会計処・・・・・・
203-2
4.本適用指針で取り扱う共通支配下の取引等の組織再編の形式ごとの会計処
・・
204
5.親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
205
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
205
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
208
6.子会社が親会社を吸収合併する場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
209
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
209
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
212
- -
5
7.子会社が親会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
(会社分割の対価が親会社株式のみの場合)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
214
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
214
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
217
8.子会社が親会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の会計処理
・・・
218
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
218
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
222
9.親会社が子会社に事業譲渡により事業を移転する場合の会計処理
(事業譲渡の対価が現金等の財産のみの場合)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
223
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
223
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
225
10.親会社が子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
(会社分割の対価が子会社株式のみの場合
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
226
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
226
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
229
11.親会社が子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
(会社分割の対価が子会社株式と現金等の財産の場合)
・・・・・・・・・・・・・
230
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
230
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
232
12.親会社が子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の会計処理
・・・
233
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
233
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
235
13.親会社が子会社を株式交換完全子会社とする場合の会計処理
・・・・・・・・・・
236
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
236
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
237
(3)株式交換直前に子会社(株式交換完全子会社)が自己株式を保有している場合の取扱い
・・
238-2
14.親会社と子会社が株式移転設立完全親会社を設立する場合の会計処理
・・・・・
239
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
239
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
240
(3)株式移転直前に子会社(株式移転完全子会社)が自己株式を保有している場合の取扱い
241-2
15.同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併の会計処理
(合併対価が現金等の財産のみである場合
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
242
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
242
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
245
- -
6
16.同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併の会計処理
(合併対価が吸収合併存続会社の株式のみである場合)
・・・・・・・・・・・・・
246
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
246
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
249
17.同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併の会計処理
(合併対価が吸収合併存続会社の株式と現金等の財産である場合
・・・・・・・・
250
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
250
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
253
18.同一の株主(個人)により支配されている企業同士の吸収合併の会計処理
・・・
254
18-2.子会社が他の子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
・・・
254-2
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
254-2
(2)吸収分割会社である子会社の連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・
254-4
19.子会社が他の子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の会計処理
255
20.単独で株式移転設立完全親会社を設立した場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・
258
21.単独で新設分割設立子会社を設立した場合の会計処
・・・・・・・・・・・・・
260
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
260
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
262
22.単独で分割型の会社分割が行われた場合の会計処
・・・・・・・・・・・・・・・
263
(1)新設分割会社の個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
263
(2)新設分割設立会社の個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
264
Ⅶ.結合当事企業の株主に係る会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
265
1.被結合企業の株主に係る会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
265
(1)受取対価の時価
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
265
(2)受取対価が現金等の財産のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処理
・・・・・・・
268
(3)受取対価が結合企業の株式のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処
・・・・・
271
(4)受取対価が現金等の財産と結合企業の株式である場合の被結合企業の株主に係る会計処理
282
2.結合企業の株主に係る会計処
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
285
(1)結合企業の株主に係る会計処理の考え方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
285
(2)子会社を結合企業とする企業結合の場合
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
286
(3)関連会社を結合企業とする企業結合の場合
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
289
(4)子会社や関連会社以外の投資先を結合企業とする企業結合の場
・・・・・・・・・・・
292
- -
7
3.分割型の会社分割における吸収分割会社及び新設分割会社の株主
に係る会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
294
(1)受取対価が新設分割設立会社又は吸収分割承継会社の株式のみである場合の
新設分割会社又は吸収分割会社の株主に係る会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
294
(2)受取対価が現金等の財産と新設分割設立会社又は吸収分割承継会社の株式である場合の
新設分割会社又は吸収分割会社の株主に係る会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
296
4.現金以外の財産の分配を受けた場合の株主に係る会計処理
・・・・・・・・・・・・
297
5.いわゆる三角合併などにおける結合当事企業の株主に係る会計処理
・・・・・・・・
298
Ⅷ.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
301
1.借対照表における表示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
301
共同支配企業への投資の表示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
301
2.益計算書における表示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
303
(1)企業結合に係る特定勘定の取崩益の表示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
303
(2)段階取得に係る損益の表示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
305-2
3.注記事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
306
(1)企業結合に関する注記事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
306
(2)事業分離に関する注記事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
317
4.企業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益計算書への
影響の概算額の開示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
326
(1)基本的な考え方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
326
(2)前提条件の例示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
327
Ⅸ.適用時期等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
331
.議
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
333
結論の背景
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
334
検討の経緯
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
334
Ⅰ.取得の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
354
1.取得企業の決定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
354
結合後企業に支配株主が存在する場合の取得企業の決定の考え方
・・・・・・・・・・・・
354
2.取得原価の算定方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
355
(1)支払対価が取得企業の株式の場合の取得の対価の算定
・・・・・・・・・・・・・・・・・
355
(2)吸収合併存続会社が新株予約権等を交付したときの会計処理
・・・・・・・・・・・・
・・
361
- -
8
3.取得原価の配分方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
362
(1)識別可能資産及び負債への取得原価の配分額の算定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
362
(2)取得原価の配分額の算定における簡便的な取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
363
(3)時価が一義的に定まりにくい資産への配分額の特例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
364
(4)無形資産への取得原価の配分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
365
(5)無形資産の認識要件を満たさないものの例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
368
(6)いわゆるブランドの取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
370
(6-2)リースに係る使用権資産及びリース負債への取得原価の配分・・・
371-2
(7)企業結合に係る特定勘定への取得原価の配分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
372
(8)企業結合に係る特定勘定に計上できる費用又は損失の範囲・・・・・・・・・・・・・・
374
(9)取得の対価の算定に反映されている場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
375
(10)企業結合日以後の企業結合に係る特定勘定の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
377
(11)取得原価の配分における暫定的な会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
378
(12)繰延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分
・・・・・・・・・・・・・・・・・
378-3
(13)繰延税金資産に対する取得原価の配分額の確定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
379
(14)のれんの会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
380
4.取得企業の増加資本の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
384
(1)新株を発行した場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
384
(2)自己株式を処分した場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
388
(3)取得企業の株式又は現金以外(例えば親会社株式)を対価とする場合の会計処理
・・・・
389
5.吸収合併消滅会社の最終事業年度の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
391
6.分離元企業の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
392
(1)分離元企業における受取対価の時価
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
392
(2)分離元企業における移転損益の認識
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
394
(3)分離元企業の連結財務諸表上においてパーチェス法が適用されることにより計上される
のれん
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
396
(4)分離元企業の税効果会計
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
398
7.取得とされた株式交換及び株式移転の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
404
(1)株式交換完全親会社等の税効果会計の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
404
(2)株式交換完全親会社等が新株予約権付社債を承継する場合等の結合当事企業の
個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
404-2
(3)株式移転設立完全親会社の個別財務諸表上の子会社株式(取得企業株式)の取得原価の
算定の簡便的な取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
404-3
- -
9
Ⅱ.取得以外の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
407
1.結合当事企業から引き継ぐ資産及び負債に含み損益がある場合の取扱い
・・
407
2.吸収合併存続会社等が新株を発行した場合の増加資本の会計処理
・・・・・・・
408
3.吸収分割承継会社等が新株を発行した場合の増加資本の会計処理
・・・・・・・
409
4.吸収合併存続会社が自己株式を処分した場合の増加資本の会計処理
・・・・・・
410
5.吸収合併消滅会社が保有していた当該会社の自己株式及び抱合せ株式の消滅の
会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
411
Ⅲ.共同支配企業の形成の判定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
420
1.共同支配企業の形成の判定要件
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
420
(1)共同支配企業に対する各企業の議決権比率が相違している場合の取扱い
・・・・・・・・
421
(2)一般投資企業が含まれる場合における共同支配企業の形成の判定・・・・・・・・・・
422
2.独立企業要件の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
423
3.契約要件の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
424
(1)共同支配となる契約等の要件
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
424
(2)契約上の取決めの形
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
428
4.対価要件の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
429
5.その他の支配要件の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
430
Ⅳ.共同支配企業の形成の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
431
1.共同支配投資企業の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
431
2.共同支配投資企業の子会社が共同支配企業に投資している場合の会計処理
・・・
434
Ⅴ.共通支配下の取引等の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
435
1.通支配下の取引の範囲
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
435
2.共通支配下の取引と非支配株主との取引
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
437
2-2.完全親子会社関係にある組織再編において対価が支払われない場合
の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
437-2
3.親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
438
4.親会社が子会社から受け入れる資産及び負債の修正処理
・・・・・・・・・・・・・
439
5.子会社が親会社を吸収合併する場合の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・
440
(1)個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
440
(2)連結財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
441
6.子会社が親会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
・・・・・・・・
442
- -
10
7.子会社が親会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の会計処理
・・・
443
8.親会社が子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
・・・・・・・・
444
(1)社(吸収分割会社)における個別財務諸表上の会計処理
・・・・・・・・・・・・・
444
(2)子会社(吸収分割承継会社等)における個別財務諸表上会計処理
・・・・・・・・・・・
445
9.親会社が子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の会計処理
・・・
446
9-2.子会社が他の子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
・・・
447-2
9-3.株式交換等の直前に子会社(株式交換完全子会社等)
自己株式を保有している場合の取扱い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
447-3
10.共通支配下の取引等により発生したのれんの会計処
・・・・・・・・・・・・・
448
.開
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
451
1.企業結合に係る特定勘定の表
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
451
2.連結財務諸表を作成しない場合の逆取得に係る注記事項
・・・・・・・・・・・・
453
3.企業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益計算書への
影響の概算額の開示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
454
Ⅶ.適用時期等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
458
2019 年(平成 31 年)改正の本適用指針の公表による他の会計
基準等についての修正
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
461
- -
11
[設例 4]
取得原価の算定-段階取得(取得が複数の取引により達成された場合の会計処理
取得企業が被取得企業の株式を保有していた場合
[設例 5]
取得原価の算定-条件付取得対価の会計処理
[設例 6]
取得原価の配分-時価が一義的に定まりにくい資産への配分額
[設例 7]
取得原価の配分-被取得企業においてヘッジ会計が適用されていた場合
[設例 8]
取得原価の配分-暫定的な会計処理
[設例 9]
取得企業の増加資本の会計処理-新株の発行と自己株式の処分を併用した場合
[設例 10]
逆取得となる吸収合併の会計処理
[設例 11]
分離元企業の会計処理(受取対価:分離先企業の株式のみ)
-分離先企業が新たに子会社となる場合
[設例 11-1]
事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を保有していない場合
-吸収分割による場合
[設例 11-2]
事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を保有していない場合
-共同新設分割による場合
[設例 11-3]
事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式をその他有価証券として
保有していた場合(段階取得)
[設例 11-4]
子会社が他の子会社に吸収分割により事業を移転する場合
[設例 12]
分離元企業の会計処理(受取対価:分離先企業の株式のみ)
-分離先企業が関連会社となる場合
[設例 12-1]
事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を保有していない場合
[設例 12-2]
事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式をその他有価証券として
保有していた場合
[設例 12-3]
事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を関連会社株式として
保有していた場合
[設例 13]
分離元企業の会計処理(受取対価:現金等の財産と分離先企業の株式の場合)
-分離先企業が関連会社である場合
[設例 14]
取得-株式交換完全親会社の会計処理
[設例 14-1]
株式交換前に完全子会社となる企業の株式を保有していない場合
[設例 14-2]
株式交換前に完全子会社となる企業の株式をその他有価証券として
保有していた場合(段階取得)
[設例 14-3]
株式交換前に完全子会社となる企業の株式を、株式交換完全親会社と
その子会社がいずれもその他有価証券として保有していた場合(段階取得)
[設例 15]
取得-株式移転設立完全親会社の会計処理
- -
12
[設例 18]
共同支配企業の形成-子会社同士の合併の会計処理
[設例 19]
共同支配企業の形成-会社分割(共同新設分割)の会計処理
[設例 20]
親会社が子会社を吸収合併した場合の会計処理
-買収により取得した子会社を合併した場合
[設例 21]
親会社が子会社を吸収合併した場合の会計処理
-過年度に親会社が子会社に資産を売却している場合
[設例 22]
子会社が親会社を吸収合併した場合の会計処理
[設例 23]
同一の株主(個人)により支配されている企業同士の合併の会計処理
[設例 24]
会社分割により子会社が親会社に事業を移転する場合の会計処理
[設例 25]
分割型の会社分割により子会社が親会社に事業を移転する場合の会計処理
[設例 26]
事業譲渡又は会社分割により親会社が子会社に事業を移転する場合の会計処理
[設例 26-1]
移転に係る対価が現金等の財産のみである場合
[設例 26-2]
移転に係る対価が子会社株式のみである場合
[設例 26-3]
移転に係る対価が子会社株式と現金等の財産である場
-分離元企業が受け取った現金等の財産の移転前に付された適正な帳簿価額が、
移転事業に係る株主資本相当額を上回る場合
[設例 26-4]
移転に係る対価が子会社株式と現金等の財産である場
-分離元企業が受け取った現金等の財産の移転前に付された適正な帳簿価額が、
移転事業に係る株主資本相当額を下回る場合
[設例 27]
株式交換により親会社が子会社を株式交換完全子会社とする場合の会計処理
[設例 28]
株式移転により親会社と子会社が株式移転設立完全親会社を設立する場合の会計処理
[設例 29]
同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併の会計処理
[設例 29-1]
合併の対価が現金等の財産のみである場合
[設例 29-2]
合併の対価が子会社株式のみである場合
[設例 29-3]
合併の対価が子会社株式と現金等の財産である場合
-結合当事企業の株主(親会社)が受け取った現金等の財産の移転前に付され
適正な帳簿価額が、吸収合併消滅会社の適正な帳簿価額による株主資本の額を
上回る場合(1)
[設例 29-4]
合併の対価が子会社株式と現金等の財産である場合
-結合当事企業の株主(親会社)が受け取った現金等の財産の移転前に付された
適正な帳簿価額が、吸収合併消滅会社の適正な帳簿価額による株主資本の額を
上回る場合(2)
- -
13
[設例 29-5]
子会社とその子会社との合併(子会社と孫会社との合併)
[設例 30]
被結合企業の株主に係る会計処理-受取対価が結合企業の株式のみの場合
[設例 31]
被結合企業の株主に係る会計処理-受取対価が現金等の財産と結合企業の株式の場合
[設例 32]
取得とされた吸収合併の取得企業(吸収合併存続会社)の税効果会計
[設例 33]
取得とされた株式移転における株式移転設立完全親会社の税効果会計
[設例 35]
共通支配下の取引における吸収合併存続会社の税効果会計
[設例 36]
事業分離日の属する事業年度の前期末の分離元企業における繰延税金資産の回収可能
(投
資が継続する場合)
[設例 37]
事業分離日の分離元企業における税効果会計の適用(投資が継続する場合)
付録:フローチャート
共同支配企業の形成の判定(第 175 項関係)
- -
14
1. 本適用指針は企業会計基準第 21 企業結合に関する会計基準以下「企業結合
会計基準」という。及び企業会計基準第 7 「事業分離等に関する会計基準」(以下
業分離等会計基準」という。) 2 つの会計基準を適用する際の指針を定めることを目的
とする(第 334 項から第 336 項参照)。
なお、本適用指針は、2005 年( 平成 17 年)12 27 日に公表された企業会計基準適用指
針第 10 「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」について、2006
年(平成 18 年)及び 2007 年(平成 19 年)に所要の改正を行ったものである(第 338-2
及び第 338-3 参照)。
また、2008 年(平成 20 年)及び 2013 年(平成 25 年)に企業結合会計基準及び事業分
離等会計基準を改正したことに伴い、本適用指針についても改正を行っている(第 338-4
及び第 338-5 参照)
1-2. 2019 年(平成 31 年)に改正された本適用指針では、2019 年(平成 31 年)に企業結合会
計基準を改正したことに伴い、所要の改正を行った。また、結合当事企業の株主に係る会
計処理に関する適用指針の記載について事業分離等会計基準の記載と整合性を図るなどの
改正を行った(第 338-6 項参照)。
2. 本適用指針の構成は、原則として、企業結合の会計上の分類(取得、共同支配企業の
形成、共通支配下の取引)ごと、かつ、代表的な組織再編の形式(合併、会社分割、事業
譲渡・譲受、株式交換、株式移転等)ごとに個別財務諸表上及び連結財務諸表上の会計処
理を示している(第 334 項参照)。
適用指針
Ⅰ.範
3. 本適用指針は、企業結合会計基準及び事業分離等会計基準が適用される連結財務諸表
及び個別財務諸表について適用する。
Ⅱ.用語の定義
4. 本適用指針における用語の定義は、企業結合会計基準及び事業分離等会計基準におけ
る用語の定義と同様とする。
5. 前項の他に、本適用指針では、以下の用語を定義する。
(1) 吸収合併存続会社」とは、吸収合併後存続する会社をいう会社法第 749 条第 1 )。
(2) 「吸収合併消滅会社」とは、吸収合併により消滅する会社をいう(会社法第 749 条第
- -
15
1 項第 1 )。
(3) 「新設合併設立会社」とは、新設合併により設立する会社をいう(会社法第 753 条第
1 )。
(4) 「新設合併消滅会社」とは、新設合併により消滅する会社をいう(会社法第 753 条第
1 項第 1 )。
(5) 「吸収分割承継会社」とは、吸収分割において、ある会社が事業に関して有する権利
義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社をいう(会社法第 757 )。
(6) 「吸収分割会社」とは、吸収分割において、事業に関して有する権利義務の全部又は
一部をある会社に承継させる会社をいう(会社法第 758 条第 1 )。
(7) 「新設分割設立会社」とは、新設分割により設立する会社をいう(会社法第 763 )。
(8) 「新設分割会社」とは、新設分割をする会社をいう(会社法第 763 条第 5 )。
(9) 「株式交換完全親会社」とは、株式交換において、ある株式会社の発行済株式の全部
を取得する会社をいう(会社法 767 )。
(10)「株式交換完全子会社」とは、株式交換において、発行済株式の全部を取得される株
式会社をいう(会社法第 768 条第 1 項第 1 )。
(11)「株式移転設立完全親会社」とは、株式移転により設立する株式会社をいう(会社法
773 条第 1 項第 1 )。
(12)「株式移転完全子会社」とは、株式移転において、株式移転設立完全親会社に発行済
株式の全部を取得させる株式会社をいう(会社法第 773 条第 1 項第 5 )。
(13)「吸収合併存続会社等」とは、吸収合併存続会社及び新設合併設立会社をいう。
(14)「吸収合併消滅会社等」とは、吸収合併消滅会社及び新設合併消滅会社をいう。
(15)「吸収分割承継会社等」とは、吸収分割承継会社及び新設分割設立会社をいう。
(16)「吸収分割会社等」とは、吸収分割会社及び新設分割会社をいう。
(17)「株式交換完全親会社等」とは、株式交換完全親会社及び株式移転設立完全親会社を
いう。
(18)「株式交換完全子会社等」とは、株式交換完全子会社及び株式移転完全子会社をいう。
6. (以下、 28 項まで削除)
.取得の会計処理
1.取得の会計処理の概要
29. パーチェス法では、被取得企業から受け入れる資産及び負債の取得原価を原則として、
対価として交付する現金及び株式等の時価とする。
30. パーチェス法は、取得企業の観点から企業結合をみるもので、取得企業は企業結合日
において被取得企業が企業結合日前に認識していなかったものも含めて、受け入れた資産
及び引き受けた負債のうち識別可能なものに取得原価を配分する。取得原価と取得原価の
- -
16
配分額との差額がのれん(又は負ののれんであり、のれんについては 20 年以内のその効
果の及ぶ期間にわたり、合理的な方法により規則的に償却する。
31. 取得企業は、被取得企業の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を企業結合日から
損益計算書及びキャッシュ・フロー計算書に取り込むことになる。
なお、企業結合日とは、被取得企業若しくは取得した事業に対する支配が取得企業に移
転した日、又は結合当事企業の事業のすべて若しくは事実上すべてが統合された日(企業
結合会計基準 15 項)をいい、会社法における組織再編の効力が発生する日と同じ日とな
る。本適用指針では、企業結合日を、合併の場合には合併期日、会社分割の場合には分割
期日、株式交換の場合には株式交換日、株式移転の場合には株式移転日と記載している。
31-2. 企業結合に適用すべき会計基準として、企業結合会計基準及び企業会計基準第 22 号「
結財務諸表に関する会計基準」(以下「連結会計基準」という。)があ。従来、企業結合
会計基準は、合併、株式交換・株式移転、会社分割、事業譲渡・譲受、現物出資等に対し
て適用され、連結会計基準は、現金を対価とした子会社株式の取得に対して適用されるも
のとされていた
2008 年(平成 20 年)改正の企業結合会計基準及び連結会計基準において、企業結合に
該当する取引はすべて企業結合会計基準が適用されることとされたため、現金を対価とす
る子会社株式の取得についても連結会計基準に定めのない企業結合及び事業分離等に関す
る事項については、連結財務諸表上、企業結合会計基準及び事業分離等会計基準並びに本
適用指針の定めに従って会計処理及び注記をすることとなる
なお、企業とは、会社及び会社に準ずる事業体をいう(企業結合会計基準 4 及び事
業分離等会計基準第 2-2 項)が、本適用指針では、企業が株式会社の場合を前提としてお
り、それ以外の場合においては、株式会社の場合に準じて取り扱う。
2.取得企業の決定
取得企業の決定規準の考え方
連結会計基準の考え方の利用
32. 取得企業を決定するためには、連結会計基準の考え方を用いることとされている(企
業結合会計基準 18 )。これには、結合後企業に支配株主が存在するとき、当該株主に
より企業結合前から支配されていた結合当事企業(子会社)を取得企業とすることも含ま
れる(第 354 項参照)
総体としての株主が占める相対的な議決権比率の大きさ
32-2主な対価の種類が株式である企業結合の場合、総体としての株主が占める相対的な議決
権比率の大きさ(企業結合会計基準第 20 (1))についても、一般に組織再編は様々な形
態をとることが考えられる(企業結合会計基準第 80 項)ことから、他の要素とともに総合
的に勘案することによって、取得企業を最終的に決定することとなる。
- -
17
また、当該議決権比率の判断にあたっては、潜在株式の存在についても考慮しなければ
ならないとされているが、権利行使の可能性がないと見込まれる場合には、これを考慮し
ないことが適切と考えられる。
最も大きな議決権比率を有する株主の存在
32-3企業結合会計基準第 20 (2)では、ある株主又は株主グループ以外には重要な議決権比
率を有していない場合を前提としているが、これは、関連会社にあたる程度にまで議決権
比率を有しているような株主又は株主グループが他には存在しない場合が該当する
株式の交換条件
32-4ある結合当事企業が他の結合当事企業の企業結合前における株式の時価を超えるプレミ
アムを支払う場合(企業結合会計基準第 20 (5))とは、例えば、株式の交換比率の算定
にあたり、企業結合の主要条件が合意された日などの企業結合前における株式の市場価格
(株価)に加えて、支配する対価としてプレミアムが反映されている場合が該当する
会社分割の場合の取扱い
32-5組織再編の形式が会社分割(共同新設分割又は吸収分割)の場合には取得企業として
は、分離先企業における分離元企業から移転された事業自体を指すことがある。
33. (削 除)
3.本適用指針で取り扱う取得とされた組織再編の形式ごとの会計処理
34. 本適用指針では、取得とされた企業結合を大きく 2 つに分けて整理している。
(1) 企業又は事業の直接取得
ある結合当事企業が他の結合当事企業又は事業を直接取得する組織再編の形式には、
合併、会社分割、事業譲受及び現物出資が含まれる。
(2) 企業の間接取
ある結合当事企業が他の結合当事企業の株式の取得を通じて他の結合当事企業を間
接取得する組織再編の形式には株式交換及び株式移転が含まれ(株式移転の場合
は、株式移転設立完全親会社を経由した株式の取得)。
このような企業又は事業の直接取得と間接取得、あるいは、組織再編の形式の相違は、
原則として、連結財務諸表上の会計処理には影響しないものの個別財務諸表上の会計処
理には影響がある。
このため、適用指針では、代表的な組織再編の形式として次の 3 つを取り上げ、それ
ぞれの会計処理を示している。
吸収合併、吸収分割、事業譲受及び現物出資(第 35 項から第 88 項参照)
なお、吸収分割による企業結合が取得とされた場合の吸収分割会社(分離元企業)
- -
18
の会計処理は、 89 項から第 108 項にて示している
また、共同新設分割が取得とされた場合の新設分割設立会社の会計処理は単独新
設分割により設立された複数の新設分割設立会社が、その設立直後に合併したものと
みなして会計処理する。具体的には、最初に単独新設分割の会計処理を行い(新設分
割設立会社の会計処理は第 261 項( 227 項)参照お、設分割会社の会計処理
は第 260 項( 226 項)参照)次に、取得企業とされた新設分割設立会社が他の新
設分割設立会社を被取得企業として合併の会計処理を行うことになる。
株式交換(第 110 項から第 119 項参照)
株式移転(第 120 項から第 126 項参照)
4.取得とされた吸収合併、吸収分割、事業譲受及び現物出資の会計処理
本適用指針における取得企業の取扱い
35. 36 項から第 83 項までの定めは、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社、事業譲受
会社及び現物出資の受入会社が取得企業となる場合を前提としている。なお、「逆取得」
の会計処理は第 84 項から第 88 項にて示している。
5.取得原価の算定方法
(1)取得原価の算定方法の概要
36. 被取得企業(吸収合併消滅会社)又は取得した事業(会社分割、事業譲受又は現物出
資により移転された事業)の取得原価は、原則として、取得の対価(支払対価)となる財
の企業結合日における時価で算定するとされている(企業結合会計基準 23 項)。
(2)支払対価が現金以外の場合の取得の対価の算定
37. 「支払対価が現金以外の資産の引渡し、負債の引受け又は株式の交付の場合には、支
払対価となる財の時価と被取得企業又は取得した事業の時価のうち、より高い信頼性をも
って測定可能な時価で算定する(企業結合会計基準第 23 とされている。支払対価が
取得企業の株式の交付の場合には、第 38 項から第 43 項に従い、取得の対価を算定する。
(3)支払対価が取得企業の株式の場合の取得の対価の算定
38. 支払対価として取得企業の株式が交付された場合の取得の対価は、原則として、当該
株式の企業結合日における時価により算定する。
なお、非公開企業同士の株式の交換において、企業結合会計上の測定値として妥当と認
められる時価純資産が算定されている場合( 357 項参照)には、被取得企業から受け入
れた識別可能資産及び負債の企業結合日の時価を基礎とした正味の評価額をもって評価す
ることもできる
39. 前項(なお書きを除く。)において、株式の交換比率を算定する目的で算定された価
- -
19
額であっても、被取得企業又は取得した事業の時価や取得の対価となる財の時価に適切に
調整しており、かつ企業結合日までに重要な変動が生じていないと認められる場合には、
取得の対価とすことができる。
40. (削 除)
41. (削 除)
(4)(削 除)
42. (削 除)
43. (削 除)
(5)支払対価が現金の場合の取得の対価の算
44. 支払対価が現金の場合には、取得の対価は現金の支出額とするとされている(企業結
合会計基準第 84 項)。
(6)支払対価が自社以外の株式(例えば親会社株式)の場合の取得の対価の算
45. 支払対価が自社以外の株式(例えば親会社株式の場合の取得の対価は、 38 項に準
じて算定する。
(7)取得が複数の取引により達成された場合(段階取得)の取得の対価の算定
個別財務諸表上の会計処理
46. 取得が複数の取引により達成された場合以下「段階取得」という。)、個別財務諸
表上、支配を獲得するに至った個々の取引ごとの原価の合計額をもって、被取得企業の取
得原価とする(企業結合会計基準 25 (1))とされている。
例えば、取得企業(吸収合併存続会社)の株式が交付され、取得企業が吸収合併前に
被取得企業の株式を保有していた場合の取得の対価は、取得企業が交付する取得企業の株
式の時価(第 38 項参照)合併期日の被取得企業の株式の帳簿価額(移管指針第 9 「金
融商品会計に関する実務指針」(以下「金融商品会計実務指」という。) 57 (4)
を合算して算定される[設例 4
なお、企業結合日直前の被取得企業の株式の帳簿価額については、以下の点に留意する
必要がある。
(1) 被取得企業の株式をその他有価証券に分類し、期末に時価による評価替えを行ってい
ても、被取得企業の株式の帳簿価額は、時価による評価前の価額となる。ただし、その
他有価証券の評価差額の会計処理として部分純資産直入法を採用しており当該有価証
券について評価差損を計上している場合には、時価による評価後の価額となる
(2) 被取得企業の株式に対して投資損失引当金を計上している場合には当該金額を控除
した価額となる
- -
20
(3) 被取得企業の株式を企業結合日前に減損処理している場合には、減損処理後の帳簿価
額を基礎とする
連結財務諸表上の会計処理
46-2. 段階取得の場合、連結財務諸表上、支配を獲得するに至った個々の取引すべての企業結
合日における時価をもって、被取得企業の取得原価を算定する。なお、当該被取得企業の
取得原価と、支配を獲得するに至った個々の取引ごとの原価の合計額との差額は、当期の
段階取得に係る損益として処理する(企業結合会計基準第 25 (2))とされている。
例えば、取得企業(吸収合併存続会社)の株式が交付され、取得企業が吸収合併直前に
被取得企業の株式を保有していた場合の取得の対価は、取得企業が交付する取得企業の株
式の時価(第 38 項参照)と吸収合併直前の被取得企業の株式の時価(第 38 項に準じて算
定)を合算して算定され、吸収合併直前の被取得企業の株式の帳簿価額と合併期日の時価
との差額は、当期の段階取得に係る損益として処理される。また、これに見合う金額は、
個別財務諸表において計上されたのれん(又は負ののれん)の修正として処理される[設
4
投資会社が持分法適用関連会社と企業結合した場合には、支配を獲得するに至った個々
の取引ごとの原価は持分法による評価額を指す(企業結合会計基準第 25 (2)なお書き
ため、その場合には、企業結合日直前の被取得企業の株式(関連会社株式)の持分法によ
る評価額と企業結合日の時価との差額は、当期の段階取得に係る損益とし、これに見合う
金額は、のれん(又は負ののれん)の修正として処理される。なお、企業結合日直前の個
別財務諸表上の関連会社株式の帳簿価額と持分法による評価額との差額は、のれん(又は
負ののれん)の修正として処理される設例 4
また、持分法による評価額には、関連会社株式に含めて処理されているのれんの未償却
残高、未実現損益に関する修正額が含まれる
(8)条件付取得対価の会計処理
47. 条件付取得対価の会計処理は、次のように行うものとされている。
(1) 将来の業績に依存する条件付取得対価[設例 5
条件付取得対価(企業結合会計基準( 2))が企業結合契約締結後の将来の業績に依
存する場合(企業結合会計基準( 3)において、追加的に対価が交付される又は引き
渡されるときには、条件付取得対価の交付又は引渡しが確実となり、その時価が合理的
に決定可能となった時点で、支払対価を取得原価として追加的に認識するとともに、
れんを追加的に認識する又は負ののれんを減額する(企業結合会計基準第 27 (1))。
一方、対価の一部が返還されるときには、件付取得対価の返還が確実となり、その
時価が合理的に決定可能となった時点で、返還される対価の金額を取得原価から減額す
- -
21
るとともに、のれんを減額する又は負ののれんを追加的に認識する(企業結合会計基準
27 (1))。
追加的に認識する又は減額するのれん又は負ののれんは企業結合日時点で認識又
減額されたものと仮定して計算し、追加認識又は減額する事業年度以前に対応する償却
額及び減損損失額は損益として処理する(企業結合会計基準( 4))。
なお、条件付取得対価は、その追加的な交付若しくは引渡し又は返還が企業結合日後
に行われるものに限定されるものと解される
(2) 特定の株式又は社債の市場価格に依存する条件付取得対価[設例 5
「特定の株式又は社債の特定の日又は期間の市場価格に応じて当初合意した価額に維
持するために、取得企業が追加で株式又は社債を交付する条項がある場合等」(企業結
合会計基準 ( 5))、「条件付取得対価が特定の株式又は社債の市場価格に依存する
合には、条件付取得対価の交付又は引渡しが確実となり、その時価が合理的に決定可
となった時点で、次の処理を行う」(企業結合会計基準 27 (2))とされている。
追加で交付可能となった条件付取得対価を、その時点の時価に基づき認識する。
企業結合日現在で交付している株式又は社債をその時点の時価に修正し、当該修正
により生じた社債プレミアムの減少額又はディスカウントの増加額を将来にわた
て規則的に償却する。
(9)(削 除)
48. (削 除)
(10)株式交付費の取扱い
49. 企業結合の際の株式の交付に伴い発生する費用(登録免許税、証券会社への業務委託
手数料等)は、企業結合の対価というよりは、支払対価の種類に影響される財務的な活
動としての性格が強い支出と考えられるため、取得原価には含めず、別途、株式交付費
として会計処理する。
(11)吸収合併存続会社が新株予約権等を交付したときの会計処理
50. 吸収合併が取得とされた場合において、吸収合併存続会社が、新株予約権等を交付し
たときの会計処理は次のように行う。
(1) 吸収合併消滅会社の株主に対して、当該吸収合併消滅会社株式と引き換えに、吸収
合併存続会社の新株予約権を交付したときは取得の対価として処理するこのとき、
吸収合併存続会社が交付した新株予約権に付すべき帳簿価額は、合併期日の時価(第
38 項に準じて算定)による
(2) 吸収合併消滅会社の新株予約権者に対して、吸収合併消滅会社の新株予約権と引き
換えに、吸収合併存続会社の新株予約権又は現金を交付したときは、当該新株予約権
- -
22
又は現金は取得原価に含める( 361 参照)。新株予約権に付すべき帳簿価額は、
原則として、合併期日の時価による。ただし、吸収合併消滅会社の新株予約権者に対
して、吸収合併存続会社の新株予約権を交付する際に交付した新株予約権の時価と吸
収合併消滅会社が付していた新株予約権の帳簿価額との差異が重要でないと見込まれ
るときには、吸収合併存続会社は、当該帳簿価額をもって交付した新株予約権の帳簿
価額とすることができる。
これらの取扱いは、吸収合併以外の取得とされた組織再編についても適用する。
6.取得原価の配分方法
(1)取得原価の配分方法の概要
51. 取得原価(第 36 項参照)は、被取得企業から受け入れた資産及び引き受けた負債のう
ち企業結合日において識別可能なもの(識別可能資産及び負債)に対して、その企業結合
日における時価を基礎として配分し、取得原価と取得原価の配分額との差額はのれん(又
は負ののれん)とするとされている(企業結合会計基準第 28 から第 31 )(第 448
参照)。
(2)識別可能資産及び負債の範囲
52. 識別可能資産及び負債の範囲は、「被取得企業の企業結合日前の貸借対照表において計
上されていたかどうかにかかわらず、企業がそれらに対して対価を支払って取得した場合、
原則として、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準の下で認識され
るものに限定する」(企業結合会計基準 99 )とされている。
(3)識別可能資産及び負債への取得原価の配分額の算定
53. 識別可能資産及び負債への取得原価の配分額は、企業結合日における次の時価を基礎
として、算定するとされている(企業結合会基準第 102 及び第 103 )(第 362 項参
照)。
(1) 観察可能な市場価格に基づく価額
(2) (1)がない場合には、合理的に算定された価額
合理的に算定された価額による場合には、市場参加者が利用するであろう情報や前提
等が入手可能である限り、それらに基礎を置くこととし、のような情報等が入手でき
ない場合には見積りを行う企業が利用可能な独自の情報や前提等に基礎を置くもの
されている。
合理的に算定された価額は、一般に、コストアプローチマーケットアプローチ、
インカム・アプローチなどの見積方法が考えられ、資産の特性等により、れらのアプ
ローチを併用又は選択して算定することとな(企業会計基準適用指針第 6 「固定資
産の減損に係る会計基準の適用指針」(以下「減損会計適用指針」という。)第 28
- -
23
(2))。
なお、金融商品、退職給付に係る負債など個々の識別可能資産及び負債については、
一般に公正妥当と認められる企業会計の基準において示されている時価等の算定方法
が利用されることとなる。
(4)取得原価の配分額の算定における簡便的な取扱い
54. 前項にかかわらず、次のいずれの要件も満たす場合には、被取得企業の適正な帳簿価
額を基礎として取得原価の配分額を算定できる(第 363 参照)。
(1) 被取得企業が、企業結合日の前日において、一般に公正妥当と認められる企業会計の
基準に従って資産及び負債の適正な帳簿価額を算定していること
(2) (1)の帳簿価額と企業結合日の当該資産又は負債の時価との差異が重要でないと見
まれること
(5)時価が一義的に定まりにくい資産への配分額の特例
55. 受け入れた資産に大規模工場用地や近郊が開発されていない郊外地のように時価が一
義的には定まりにくい資産が含まれ、これを評価することにより、負ののれんが多額に発
生することが見込まれる場合には、「その金額を当該固定資産等に合理的に配分した評価額
も、ここでいう合理的に算定された時価であると考える(企業結合会計基準第 103 )と
されている。
したがって、当該資産に対する取得原価の配分額は、負ののれんが発生しない範囲で評
価した額とすることができる。ただし、企業結合条件の交渉過程で取得企業が利用可能な
独自の情報や前提など合理的な基礎に基づき当該資産の価額を算定しており、それが取得
の対価の算定にあたり考慮されている場合には、その価額を取得原価の配分額とする(第
364 項参照)。[設例 6
(6)無形資産への取得原価の配分
56. (削 除)
57. (削 除)
法律上の権利
58. 企業結合会計基準第 29 項にいう「法律上の権利」とは、特定の法律に基づく知的財産権
(知的所有権)等の権利をいう。特定の法律に基づく知的財産権(知的所有権)等の権利
には、産業財産権(特許権、実用新案権、商標権、意匠権)、著作権、半導体集積回路配
置、商号、営業上の機密事項、植物の新品種等が含まれる。
分離して譲渡可能な無形資産
- -
24
59. 企業結合会計基準第 29 項にいう「分離して譲渡可能な無形資産」とは、受け入れた資産を
譲渡する意思が取得企業にあるか否かにかかわらず、企業又は事業と独立して売買可能な
ものをいい、そのためには、当該無形資産の独立した価格を合理的に算定できなければな
らない(第 367 項参照)
59-2. 特定の無形資産に着目して企業結合が行われた場合など、企業結合の目的の1つが
定の無形資産の受入れであり、その無形資産の金額が重要になると見込まれる場合には、
当該無形資産は分離して譲渡可能なものとして取り扱う。したがって、このような場合に
は、企業結合会計基準第 28 項及び第 29 項により、当該無形資産を識別可能資産として、
取得原価を配分することとなる(第 367-2 項参照)。
60. (削 除)
61. (削 除)
(6-2)リースに係る使用権資産及びリース負債への取得原価の配分
61-2. リースに係るリース負債は、当該リースが企業結合日現在で新規のリースであった
のように残りの借手のリース料(企業会計基準第 34 リースに関する会計基準」(以下
「リース会計基準」という。 19 項)の現在価値を基礎として取得原価の配分額を算
することができる。
この場合、リースに係る使用権資産は、リース負債に次の金額を加減した金額を基礎と
して使用権資産への取得原価の配分額を算定する。
(1) リースの条件が市場の条件と比較して有利又は不利になる場合における市場と異
なる条件の影響
(2) 借地権の設定に係る権利金等(企業会計基準適用指針第 33 号「リースに関する会
計基準の適用指針」(以下「リース適用指針」という。)第 4 (9))が識別されて
る場合における当該権利金等の時価
61-3. リース適用指針第 22 項に定める少額リースについては、取得原価を配分しないことが
できる。
また、業結合日において残りの借手のリース期間が 12 か月以内であるリースについて
は、取得原価を配分しないことができる。この場合、企業結合日後に計上した費用につい
て、損益計算書において区分して表示していないとき、リース適用指針第 100 (1)の短期
リースに係る費用の発生額に含めて注記する
(7)企業結合に係る特定勘定への取得原価の配分
62. 「取得後に発生することが予測される特定の事象に対応した費用又は損失であって、
の発生の可能性が取得の対価の算定に反映されている場合には、負債として認識する(企
業結合会計基準 30 )とされている(第 372 項参照)。
当該負債(以下「企業結合に係る特定勘定という。の計上は、次項及び第 64 を満
- -
25
たしている場合に限られる。なお、認識の対象となった事象が貸借対照表日後 1 年内に発
生することが明らかなものは流動負債として表示する(第 451 項参照)
企業結合に係る特定勘定に計上できる費用又は損失の範囲
63. 「取得後に発生することが予測される特定の事象に対応した費用又は損失」(前項参
照)は、企業結合日において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(ただし、当該
企業結合に係る特定勘定に適用される基準を除く。)の下で認識される識別可能負債に該
当しないもののうち、企業結合日後に発生することが予測され、被取得企業に係る特定の
事象に対応した費用又は損失(ただし、識別可能資産への取得原価の配分額に反映されて
いないものに限る。)をいう(第 374 項参照)
取得の対価の算定に反映されている場合
64. 「取得の対価の算定に反映されている場合」(第 62 項参照)とは、次のいずれかの
件を満たしている場合をいう( 375 項参照)。
(1) 当該事象及びその金額が契約条項等(結合当事企業の合意文書)で明確にされている
こと
(2) 当該事象が契約条項等で明確にされ、当該事象に係る金額が取得の対価(株式の交換
比率など)の算定にあたり重視された資料に含まれ、当該事象が反映されたことにより、
取得の対価が減額されていることが取得企業の取締役会議事録等により確認できるこ
(3) 当該事象が取得の対価の算定にあたって考慮されていたことが企業結合日現在の事
業計画等により明らかであり、かつ当該事象に係る金額が合理的に算定されると(
だし、この場合には、のれんが発生しない範囲で評価した額に限る。
65. (削 除)
企業結合日以後の企業結合に係る特定勘定の会計処理
66. 企業結合に係る特定勘定は、認識の対象となった事象が発生した事業年度又は当該事
象が発生しないことが明らかになった事業年度に取り崩すことになる。ただし、企業結合
日以後、引当金又は未払金など、他の負債としての認識要件を満たした場合には、企業結
合に係る特定勘定から他の適当な負債科目に振り替えることが必要になる(第 377 項参照)
また、当該事象が発生しないことが明らかになった場合の取崩額は、原則として、特別
利益に計上する(第 303 項参照)。
(8)退職給付に係る負債への取得原価の配分
67. 確定給付制度による退職給付に係る負債は、企業結合日において、受け入れた制度ご
とに退職給付に関する会計基準2012 年( 平成 24 年)5 に企業会計基準第 26 号「 退
- -
26
職給付に関する会計基準」に改正されている。)に基づいて算定した退職給付債務及び年
金資産の正味の価額を基礎として取得原価を配分する。したがって、被取得企業における
未認識項目は取得企業に引き続がれない。
退職給付債務については、原則として、企業結合日において受け入れる従業員等の分に
ついて、企業結合日の計算基礎により数理計算をするが、企業結合日前の一定日における
被取得企業が計算した退職給付債務を基礎に、取得企業が適切に調整して算定した額を用
いることができる。
なお、被取得企業の退職給付制度について、制度の改訂が予定されている場合であって
も、退職給付債務に関する測定は、企業結合日における適切な諸条件に基づいて行う。ま
た、企業結合により、被取得企業の従業員に関する退職一時金や早期割増退職金の支払予
定額が取得の対価の算定に反映されているときなど、第 63 及び 64 項の要件のすべて
を満たしている場合には、「企業結合に係る特定勘定」として取得原価の配分の対象とな
る。
(9)被取得企業においてヘッジ会計が適用されていた場合の取得原価の配分
68. 被取得企業でヘッジ会計を適用していたか否かにかかわらず、受け入れた金融資産又
は引き受けた金融負債(デリバティブを含むは、企業会計基準第 10 「金融商品に関
する会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)に従って算定した時価を基礎とし
て取得原価を配分する。したがって、被取得企業においてヘッジ会計が適用されており、
繰延ヘッジ損失及び繰延ヘッジ利益が計上されていても、取得企業はそれらを引き継ぐこ
とはできない。
取得企業において、受け入れた資産又は引き受けた負債に対してヘッジ会計を適用する
場合は、企業結合日において新たにヘッジ指定を行うこととする。キャッシュ・フローを
固定するヘッジ取引とする場合には、企業結合日に取得原価が配分されたデリバティブの
時価相当額を前受利息等に振り替え、ヘッジ対象が損益として実現する期間の損益として
処理する。[設例 7]
(10)取得原価の配分における暫定的な会計処理の対象となる科目
69. 取得原価の配分は、企業結合日以後 1 年以内に行わなければならないとされ(企業結
合会計基準第 28 項)、また「企業結合日以後の決算において、配分が完了していなかっ
た場合は、その時点で入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行い、その
後追加的に入手した情報等に基づき配分額を確定させる」(企業結合会計基( 6))と
れている。
暫定的な会計処理の対象となる項目は、繰延税金資産及び繰延税金負債のほか(第 73
項参照)、土地、無形資産、偶発債務に係る引当金など、実務上、取得原価の配分額の算
定が困難な項目に限られる。[設例 8
- -
27
ただし、企業結合日以後最初に到来する取得企業の決算日までの期間が短い場合など、
被取得企業から受け入れた識別可能資産及び負債への取得原価の配分額が確定しない場合
(被取得企業の適正な帳簿価額の算定が企業結合日以後最初に到来する取得企業の決算に
は間に合わない場合等)も想定されるので、このような場合には、被取得企業から受け入
れた資産及び引き受けた負債のすべてを暫定的な会計処理の対象とすることができる(第
378 項参照)。
(11)暫定的な会計処理の確定処理
70. 暫定的な会計処理の確定により取得原価の配分額を見直した場合には、企業結合日に
おけるのれん(又は負ののれん)の額も取得原価が再配分されたものとして会計処理を行
う。
なお、取得原価の配分は、企業結合日以後 1 年以内に行わなければならないとされてい
(企業結合会計基準 28 項)このため暫定的な会計処理の確定が、企業結合年度で
はなく企業結合年度の翌年度において行われた場合には、企業結合年度に当該確定が行わ
れたかのように、会計処理を行う。この場合において、企業結合年度の翌年度の財務諸表
と併せて企業結合年度の財務諸表を表示するときには、当該企業結合年度の財務諸表に暫
定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを反映させる(企業結合会計基準
( 6)。[設例 8
(12)取得企業の税効果会計
繰延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分
71. 組織再編の形式が、事業を直接取得することとなる合併、会社分割等の場合には、取
得企業は、企業結合日において、被取得企業又は取得した事業から生じる一時差異等(取
得原価の配分額(繰延税金資産及び繰延税金負債を除く。)と課税所得計算上の資産及び
負債の金額との差額並びに取得企業に引き継がれる被取得企業の税務上の繰越欠損金等)
に係る税金の額を、将来の事業年度において回収又は支払が見込まれない額を除き、繰延
税金資産又は繰延税金負債として計上する。繰延税金資産及び繰延税金負債は、暫定的な
会計処理の対象とする。[設例 32]
72. のれん(又は負ののれん)は取得原価の配分残余であるため、のれん(又は負ののれ
ん)に対する税効果は認識しない(第 378-3 項参照)。
繰延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分額の確定
73. 企業結合日に認識された繰延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分額の見直
しは、次の場合がある。
(1) 暫定的な会計処理の対象としていた識別可能資産及び負債の取得原価への配分額の
見直しに伴うも
- -
28
(2) 将来年度の課税所得の見積りの変更等による繰延税金資産の回収見込額の見直し
よるもの
(1)及び(2)のいずれの場合も、第 70 項に従い会計処理する。
ただし、(2)については、その見直し内容が明らかに企業結合年度における繰延税金資
産の回収見込額の見直しと考えられる場合や企業結合日に存在していた事実及び状況に
関して、その後追加的に入手した情報等に基づき繰延税金資産の回収見込額の見直しを行
う場合に限る(第 379 及び第 379-2 )。[ 32
74. 前項(2)繰延税金資産の回収見込額の修正は企業結合日と取得企業の事業年度と
関係から、具体的には次のように処理することになる。
(1) 企業結合日が取得企業の事業年度期首の場合
企業結合日の 1 年後(企業結合年度末)に繰延税金資産への取得原価の配分額を確定
し、その額が企業結合日の繰延税金資産への取得原価の配分額となる。
企業結合年度の中間会計期間末又は四半期会計期間末においては、その時点で入手可
能な合理的な情報等に基づき計上する。これは基本的に「暫定的な会計処理」(第 69
項参照)として取り扱う。
(2) 企業結合日が取得企業の事業年度の期首の翌日以降の場合
企業結合年度の中間会計期間又は四半期会計期間末及び企業結合年度末において
は、その時点で入手可能な合理的な情報等に基づき計上する。これは基本的に「暫定的
な会計処理」( 69 項参照)として取り扱う。
企業結合日から 1 年を経過した日(実務上は、1 年経過後最初に到来する中間会計期
間末、四半期会計期間末又は事業年度末において業結合日における繰延税金資産
への取得原価の配分額が確定する。企業結合日において計上した繰延税金資産の額を
正する場合は前項に従い会計処理する。
(3) (削 除)
繰延税金資産の回収可能性
75. 繰延税金資産の回収可能性は、取得企業の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所
等により判断し(企業会計基準適用指針第 26 「繰延税金資産の回収可能性に関する適
用指針」(以下「回収可能性適用指針」という。)第 6 項)、企業結合による影響は、企
業結合年度から反映させる。
将来年度の課税所得の見積額による繰延税金資産の回収可能性を過去の業績等に基づい
て判断する場合には、企業結合年度以後、取得した企業又は事業に係る過年度の業績等を
取得企業の既存事業に係るものと合算した上で課税所得を見積る。[設例 32
(13)のれんの会計処
76. 「のれんは、資産に計上し20 年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、額法その他
- -
29
の合理的な方法により規則的に償却する」(企業結合会計基準第 32 項)とされている。
のれんの償却にあたり、次の事項に留意する必要がある( 380 項から第 382-2 項及び
448 項参照)。
(1) のれんの償却開始時期は、企業結合日となる。なおみなし取得日(第 117 及び第
121 また書き参照による場合には、当該みなし取得日が四半期首であるときには、
償却開始は四半期首からであり四半期末であるときには翌四半期首からとなる。
(2) のれんを企業結合日に全額費用処理することはできない(ただし(4)の場合を除く。
(3) のれんの償却額は販売費及び一般管理費に計上することとし、減損処理以外の事由で
のれんの償却額を特別損失に計上することはできない。
(4) 「のれんの金額に重要性が乏しい場合には、当該のれんが生じた事業年度の費用とし
て処理することができる」(企業結合会計基準第 32 項)とされている。当該費用の表示
区分は販売費及び一般管理費とする。
(5) 関連会社と企業結合したことにより発生したのれんは、持分法による投資評価額に含
まれていたん(2008 年(平成 20 年)12 26 日に改正された企業会計基準第 16
「持分法に関する会計基準」(以下「持分法会計基準」という。)第 11 項)の未償却
部分と区別せず、企業結合日から新たな償却期間にわたり償却する。
(6) のれんの償却期間及び償却方法は、企業結合ごとに取得企業が決定する。
77. のれんの未償却残高は、減損処理の対象となる(「固定資産の減損に係る会計基準」
(以下「減損会計基準」という。 及び 8.特に、次の場合には、企業結合年度に
おいても減損の兆候が存在すると考えられるときがあるとされている(企業結合会計基準
109 )。
(1) 取得原価のうち、のれんやのれん以外の無形資産に配分された金額が相対的に多額に
なる場合
(2) 被取得企業の時価総額を超えて多額のプレミアムが支払われた場合や、取得時に明ら
かに識別可能なオークション又は入札プロセスが存在していた場合
なお、のれんの減損損失を認識すべきであるとされた場合には、減損損失として測定さ
れた額を特別損失に計上することになる。
在外子会社株式の取得等により生じたのれんの会計処理
77-2. 在外子会社株式の取得等により生じたのれんは、外子会社等の財務諸表項目が外国通
貨で表示されている場合には、当該外国通貨で把握し、決算日の為替相場により換算する。
なお、当該外国通貨で把握されたのれんの当期償却額については、当該在外子会社等の他
の費用と同様に換算することとなる(外貨建取引等会計処理基準三)(第 382-2 項参照)
(14)負ののれんの会計処理
78. 負ののれんの会計処理にあたり、次の事項に留意する必要がある。
- -
30
(1) 負ののれんは、原則として、特別利益に計上する(企業結合会計基準第 48 項)。
(2) 関連会社と企業結合したことにより発生した負ののれんは、連結会計基準第 64 項な
お書きにより、持分法による投資評価額に含まれていたのれん(持分法会計基準第 11
項)の未償却部分と相殺しのれん(又は負ののれん)が新たに計算される
7.取得企業の増加資本の会計処理
(1)新株を発行した場合の会計処理
79. 企業結合の対価として、取得企業が新株を発行した場合には、払込資本(資本金又は
資本剰余金)の増加として会計処理する。
なお、増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、
会社法の規定に基づき決定する(第 384 、第 385 、第 408 項及び第 409 項参照)。
また、増加すべき株主資本の額は、第 38 項の取得の対価の算定に準じて算定する。
(2)自己株式を処分した場合の会計処理
80. 企業結合の対価として、取得企業が自己株式を処分した場合(新株の発行を併用した
場合を含む。以下同じ。)には、増加すべき株主資本の額(自己株式の処分の対価の額。
新株の発行と自己株式の処分を同時に行った場合には、新株の発行と自己株式の処分の対
価の額。)から処分した自己株式の帳簿価額を控除した額を払込資本の増加(当該差額が
マイナスとなる場合にはその他資本剰余金の減少)として会計処理する(第 388 項参照)
[設例 9
なお、増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、
会社法の規定に基づき決定するまた、増加すべき株主資本の額は 38 項の取得の対価
の算定に準じて算定する。
(3)取得企業の株式以外の財産を交付した場合の会計処理
81. 企業結合の対価として、取得企業が自社の株式以外の財産を交付した場合には、当該
交付した財産の時価と企業結合日の前日における適正な帳簿価額との差額を損益に計上す
る(第 389 項参照)
(4)子会社が親会社株式を交付した場合(いわゆる三角合併などの場合)の会計処
82. 子会社が親会社株式を支払対価として他の企業と企業結合する場合(いわゆる三角合
併などの場合)には、次のように会計処理する(第 390 参照)。
(1) 個別財務諸表上の会計処理
前項に準じて会計処理を行う。
(2) 連結財務諸表上の会計処理
個別財務諸表において計上された損益を、連結財務諸表上は資本取引として自己株式
- -
31
処分差額に振り替え、企業会計基準第 1 「自己株式及び準備金の額の減少等に関する
会計基準」以下「自己株式等会計基準」という。 9 項、第 10 項及び第 12 項の定め
に従って処理する。
8.吸収合併消滅会社の最終事業年度の会計処理
83. 吸収合併が取得とされた場合の吸収合併消滅会社の最終事業年度の財務諸表は、吸収
合併消滅会社が継続すると仮定した場合の適正な帳簿価額による(第 391 項参照)。
9.逆取得となる吸収合併の会計処理
(1)吸収合併存続会社(被取得企業)の個別財務諸表上の会計処理
増加資本の会計処理
(自社の株式を交付した場合の会計処理)
84. 企業結合が合併の形式をとる場合において、取得企業が法律上存続する会社(吸収合
併存続会社)と異なる場合吸収合併存続会社の個別財務諸表では、吸収合併消滅会社(取
得企業)の資産及び負債を合併直前の適正な帳簿価額により計上し(企業結合会計基準第
34 項)、当該資産及び負債の差額を次のように会計処理する。[設例 10
なお、吸収合併存続会社が受け入れた自己株式(吸収合併消滅会社が保有していた吸収
合併存続会社株式)は、吸収合併消滅会社における適正な帳簿価額により、吸収合併存続
会社の株主資本からの控除項目として表示する。
(1) 新株を発行した場合の会計処理(第 408 項参照)
株主資本項目の取扱い
原則的な会計処理
吸収合併消滅会(取得企業)の合併期日の前日の適正な帳簿価額による株主資
本の額を払込資本資本金又は資本剰余金)として処理する。増加すべき払込資本
の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、会社法の規定に基
き決定する。なお、抱合せ株式等がある場合には、第 84-2 項による。
また、吸収合併消滅会社の合併期日の前日の適正な帳簿価額による株主資本の額
がマイナスとなる場合及び抱合せ株式等の会計処理(第 84-2 項参照)により株主
資本の額がマイナスとなる場合には、払込資本をゼロとし、その他利益剰余金の
イナスとして処理する。
認められる会計処理
合併の対価として吸収合併存続会社(被取得企業が新株のみを発行している場
合には、吸収合併消滅会社の合併期日の前日の資本金、資本準備金、その他資本
余金、利益準備金及びその他利益剰余金の内訳科目(ただし、積立目的の趣旨は同
じであるが、吸収合併存続会社と吸収合併消滅会社の間でその名称が形式上異なる
場合に行う積立金の名称変更を除く。を、合せ株式等の会計処理(第 84-2 項参
- -
32
照)を除き、そのまま引き継ぐことができる当該取扱いは、吸収合併消滅会社
適正な帳簿価額による株主資本の額がマイナスとなる場合も同様である。
また、吸収合併の手続とともに、株主資本の計数の変動手続会社法第 447 条か
ら第 452 条)が行われ、その効力が合併期日に生じる場合には、合併期日において
企業の意思決定機関で定められた結果に従い株主資本の計数を変動させることが
できる。なお、株主資本の計数の変動に際しては、資本剰余金と利益剰余金の混
とならないように留意する必要がある(自己株式等会計基準 19 )。
株主資本以外の項目の取扱い
吸収合併存続会(被取得企業)は、吸収合併消滅会社(取得企業)の合併期日の
前日の評価・換算差額等及び新株予約権の適正な帳簿価額を引き継ぐ。したがって、
例えば、吸収合併消滅会社のその他有価証券評価差額金や土地再評価差額金の適正な
帳簿価額もそのまま引き継ぐことになる。
(2) 自己株式を処分した場合の会計処理(第 410 項参照)
株主資本項目の取扱いにおける原則的な会計処理
吸収合併存続会(被取得企業)は、吸収合併消滅会社(取得企業)の合併期日の
前日の適正な帳簿価額による株主資本の額から処分した自己株式の帳簿価額を控
した差額を払込資本の増加(当該差額がマイナスとなる場合にはその他資本剰余金の
減少)として会計処理する。なお、抱合せ株式等がある場合には、 84-3 項による。
株主資本項目の取扱いにおける認められる会計処理
合併の対価として吸収合併存続会社(被取得企業)自己株式を処分した場合には、
吸収合併消滅会社の合併期日の前日の株主資本の構成をそのまま引き継ぎ処分した
自己株式の帳簿価額をその他資本剰余金から控除する(第 410 項参照)なお、抱合
せ株式等がある場合には、第 84-3 項による。
なお、株主資本以外の項目については、(1)②に準じて会計処理する。
(抱合せ株式等の会計処理)
84-2. 逆取得となる吸収合併において新株を発行した場合次の株式(抱合せ株式等)の額に
ついては、(1)又は(2)の処理を行う。
・吸収合併消滅会社等が保有していた当該会社の自己株式
・吸収合併存続会社が保有する吸収合併消滅会社株式(抱合せ株式)
(1) 株主資本項目の取扱いにおける原則的な会計処理( 84 (1)①ア参照)を行う場
合、当該抱合せ株式等の額については、払込資本から減額する。
(2) 株主資本項目の取扱いにおける認められる会計処理(第 84 (1)①イ参照)を行う
場合、当該抱合せ株式等の額については、その他資本剰余金から減額する(第 411
参照)
- -
33
84-3. 逆取得となる吸収合併において自己株式を処分した場合、抱合せ株式等(第 84-2 項参
)の額については、(1)又は(2)の処理を行う。
(1) 株主資本項目の取扱いにおける原則的な会計処理(第 84 (2)①参照)を行う場合
当該抱合せ株式等の額については、第 84 (2)①の差額から減額する。
(2) 株主資本項目の取扱いにおける認められる会計処理(第 84 (2)参照)を行う場
合、当該抱合せ株等の額については、その他資本剰余金から減額する(第 411 項参
)。
(吸収合併消滅会社の新株予約権者に新株予約権等を交付した場合の会計処理)
84-4. 吸収合併存続会社は、吸収合併消滅会社における新株予約権の適正な帳簿価額を引き
いだうえで、合併期日において、次のように処理する(第 361 項参照)
(1) 吸収合併消滅会社の新株予約権者に対して吸収合併存続会社等の新株予約権を交付
する場合
吸収合併存続会社が交付した新株予約権は吸収合併消滅会社から引き継いだ新株予
約権の適正な帳簿価額を付す。
(2) 吸収合併消滅会社等の新株予約権者に対して現金を交付する場合
吸収合併消滅会社から引継いだ新株予約権の適正な帳簿価額と交付した現金との
差額は、新株予約権消却損益等、適切な科目をもって、損益に計上する。
会計処理方法の統一
84-5. 吸収合併存続会社と吸収合併消滅会社との間で会計処理方法に違いがある場合には
一の環境下で行われた同一の性質の取引等については会計処理方法の変更に準じて、適切
と考えられる方法に統一する。会計処理方法の統一は、日本公認会計士協会 監査・保
委員会実務指針 56 「親子会社間の会計処理の統一に関する監査上の取扱い」に準じ
て行う。
なお、退職給付に係る負債に係る会計基準変更時差異の費用処理年数が吸収合併存続会
社と吸収合併消滅会社の間で異なっていても、当該差異は「同一の環境下で行われた同一
の性質の取引等」には該当せず、会計処理方法の統一は求められないと解される。したが
って、企業結合後においても各結合当事企業が採用していた費用処理年数をそのまま引き
継ぐものとする
84-6. 会計処理方法の統一のための会計処理の変更は、原則として、吸収合併存続会社(結合
後企業)が行い、合併期日に会計処理方法を変更する。
会計処理方法の統一は、吸収合併存続会社又は吸収合併消滅会社が合併計画の中で合併
期日前に行うことも正当な理由に基づく会計方針の変更として認められる
複数の会計処理方法を統一する必要がある場合には、原則として、同一の事業年度に行
- -
34
うこととする。同一の事業年度に会計処理方法を統一できない場合には、その旨及び理由
を開示する。
企業結合(合併)に要した支出額の会計処理
84-7. 株式交付費を含む合併に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として処理する
(2)結合後企業の連結財務諸表上の会計処理
85. 84 項の逆取得となる吸収合併が行われた後に、結合後企業が連結財務諸表を作成す
る場合には、吸収合併存続会社を被取得企業としてパーチェス法を適用する。具体的には、
吸収合併消滅会社(取得企業)の合併期日の前日における連結財務諸表上の金額(吸収合
併消滅会社が連結財務諸表を作成していない場合には個別財務諸表上の金額をいう。に、
次の手順により算定された額を加算する。[設例 10
(1) 取得原価の算
36 項(取得原価の算定方法の概要)と同様原則として取得の対となる財の
企業結合日における時価で算定する。体的な算定方法は、 37 項から第 50 項に準じ
る。
ただし、取得の対価となる財の時価は、吸収合併存続会社(被取得企業の株主が合
併後の会(結合後企業)に対する実際の議決権比率と同じ比率を保有するのに必要な
数の吸収合併消滅会社(取得企業の株式を、吸収合併消滅会社(取得企業)が交付し
たものとみなして算定する(企業結合会計基準( 1))。
なお、吸収合併消滅会社取得企業)吸収合併直前に吸収合併存続会社(被取得企
業)の株式を保有していた場合には、合併期日の吸収合併存続会社の株式の時価と吸収
合併消滅会社が交付したものとみなされた株式の時価を合算して取得の対価を算定し、
吸収合併直前の吸収合併存続会社の株式の帳簿価額と合併期日の時価との差額は、当期
段階取得に係る損益として処理されることとなる(第 46-2 項参照)
投資会社である吸収合併消滅会社取得企業)持分法適用関連会社である吸収合併
存続会社(被取得企業)と合併した場合には、吸収合併直前の被取得企業の株式(関連
会社株式)の持分法による評価額と合併期日の時価との差額は、当期の段階取得に係る
損益とし、これに見合う金額は、のれん(又は負ののれん)の修正として処理される。
なお合併期日直前の個別財務諸表上の関連会社株式の帳簿価額と持分法による評価額
との差額は、のれん(又は負ののれん)の修正として処理される(第 46-2 項参照)
(2) 取得原価の配
吸収合併存続会(被取得企業)から受け入れた資産及び引き受けた負債の会計処理
は第 51 項から第 78 項に準じて処理する
(3) 増加すべき株資本の会計処理
(1)で算定された取得の対価を払込資本に加算する。ただし、連結財務諸表上の資本
- -
35
金は吸収合併存続会社(被取得企業の資本金とし、これと合併直前の連結財務諸表上
の資本金吸収合併消滅会社の資本金)が異なる場合には、その差額を資本剰余金に振
り替える。
(3)結合後企業が連結財務諸表を作成しない場合の注記事項の算定基礎
86. 逆取得となる吸収合併が行われた後に、結合後企業が連結財務諸表を作成しない場合
には、 85 項に準じて算定された額を基礎として、ーチェス法を適用したとした場合に
個別貸借対照表及び個別損益計算書に及ぼす影響額を注記する(企業結合会計基準 50
項)。
10.逆取得となる吸収分割又は現物出資の会計処理
(1)吸収分割承継会社又は現物出資の受入会社(被取得企業)の個別財務諸表上の
会計処理
増加資本の会計処理
(自社の株式を交付した場合の会計処理)
87. 企業結合が吸収分割又は現物出資による子会社化の形式をとる場合(逆取得となる場
合)、吸収分割承継会社又は現物出資の受入会社(被取得企業)の個別財務諸表上は、吸
収分割会社又は現物出資会社(取得企業)の資産及び負債の移転直前の適正な帳簿価額に
より計上し、当該資産及び負債の差額を次のように会計処理する。なお、吸収分割承継会
社又は現物出資の受入会社が受け入れた自己株式(吸収分割会社又は現物出資会社(取得
企業)から移転された吸収分割承継会社株式又は現物出資の受入会社株式)は、吸収分割
会社又は現物出資会社(取得企業)における適正な帳簿価額により、吸収分割承継会社又
は現物出資の受入会社(被取得企業)の株主資本からの控除項目として表示する。
(1) 新株を発行した場合の会計処理(第 409 項参照)
移転事業に係る株主資本相当額の取扱い
吸収分割承継会社等に移転された(又は吸収分割会社等が移転した)事業に係る資
産及び負債の移転直前の適正な帳簿価額による差額から②の移転事業に係る評価
算差額等及び新株予約権を控除した額(以下「移転事業に係る株主資本相当額」とい
う。)を払込資本(資本金又は資本剰余金)として処理する。増加すべき払込資本の
内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、会社法の規定に基づき決
定する。なお、抱合せ株式等がある場合には、第 84-2 項に準じて処理する。
また、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスになる場合及び抱合せ株式等の会
計処理(第 84-2 項参照)により株主資本の額がマイナスとなる場合には、払込資本
をゼロとし、その他利益剰余金のマイナスとして処理する。
移転事業に係る評価・換算差額等の取扱い
吸収分割承継会社等に移転された(又は吸収分割会社等が移転した)事業に係る評
価・換算差額等及び新株予約権(以下「移転事業に係る評価換算差額等という。
- -
36
については、吸収分割会社又は現物出資会社の移転直前の適正な帳簿価額を引き継ぐ。
したがって移転された事業にその他有価証券や土地再評価差額法に基づき再評価
した土地が含まれ、吸収分割会社等が当該その他有価証券や土地を時価又は再評価額
をもって分割期日の前日の貸借対照表価額としている場合には、吸収分割承継会社等
は、分割期日の前日のその他有価証券及び土地の貸借対照表価額並びにその他有価証
券評価差額金及び土地再評価差額金もそのまま引き継ぐことになる。
(2) 自己株式を処分した場合の会計処理
逆取得となる吸合併における自己株式の原則的な会計処理(第 84 (2)①参照)
準じて処理するなお、抱合せ株式等がある場合には、第 84-3 項に準じて処理する。
会計処理方法の統一
87-2. 吸収分割承継会社又は現物出資の受入会社(被取得企業)と吸収分割会社又は現物出
会社(取得企業)から移転される事業の間で会計処理方法に違いがある場合には、同一の
環境下で行われた同一の性質の取引等については会計処理方法の変更に準じて、適切と考
えられる方法に統一する。具体的な会計処理方法の統一は第 84-5 及び第 84-6 項に準じ
て行う。
分割期日の前日までの結合当事企業間の取引の会計処理
87-3. 分割期日又は現物出資の給付の前日までの吸収分割承継会社又は現物出資の受入会
社(被取得企業)と吸収分割会社又は現物出資会社(取得企業)の間の取引は、原則とし
て、第三者間取引として取り扱う。
会社分割又は現物出資に要した支出額の会計処理
87-4. 会社分割又は現物出資に要した支出額(株式交付費を含む。)は、発生時の事業年度の
費用として会計処理する。
(2)吸収分割会社又は現物出資会社(取得企業)の会計処理
88. 企業結合が吸収分割又は現物出資による子会社化の形式をとる場合(逆取得に該当す
る場合)の吸収分割会社又は現物出資会社(取得企業)の個別財務諸表上及び連結財務諸
表上の会計処理は、第 98 項及び第 99 項に従う。
11.分離元企業の会計処理
(1)移転した事業に係る適正な帳簿価額の算
89. 分離元企業において、事業分離により移転した事業に係る資産及び負債の帳簿価額は、
事業分離日の前日において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠した適正な
帳簿価額のうち、移転する事業に係る金額を合理的に区分して算定する(事業分離等会計
- -
37
基準第 10 項)。
なお、適正な帳簿価額には、時価(又は再評価額)をもって貸借対照表価額としている
場合の当該価額及び対応する評換算差額等の各内訳科目(その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益及び土地再評価差額金)の額が含まれることに留意する必要がある。
90. 前項の適正な帳簿価額の算定にあたり、投資が継続しているとみる場合には、次のよ
うに事業分離が行われないものと仮定して、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準
を適用することとなる。
(1) 延税金資産の回収可能性
移転する事業に係る繰延税金資産の回収可能性を検討するにあたり、収益力に基づく
一時差異等加減算前課税所得等により判断する場合には、事業分離が行われないもの
仮定した場合の将来年度の一時差異等加減算前課税所得の見積額による(第 107 項参照)
(2) 固定資産の減損処理
移転する事業に係る固定資産の減損の検討にあたり、将来キャッシフローを見積
る場合には、事業分離が行われないものと仮定した場合の経済的残存使用年数による。
(3) 退職給付に係る負債
移転する事業に係る退職給付に係る負債は、退職給付制度の終了の例外として、事業
分離が行われないものと仮定した場合の適正な帳簿価額による。
(2)事業分離に要した支出額の会計処理
91. 事業分離に要した支出額は、分離元企業において、発生時の事業年度の費用として処
理する(事業分離等会計基準第 11 項)。
ただし、個別財務諸表上、分離先企業から交付された株式等の取得原価は、取得の対価
に付随費用を加算して算定する。付随費用の取扱いについては金融商品会計実務指針に従
う。
(3)受取対価の時価
92. 移転損益を認識する場合の受取対価となる財の時価は、受取対価が現金以外の資産等
の場合には、受取対価となる財の時価と移転した事業の時価のうち、より高い信頼性をも
って測定可能な時価で算定することとなる(事業分離等会計基準第 12 項)。
93. 市場価格のある分離先企業の株式が受取対価とされる場合には、受取対価となる財の
時価は、事業分離日の株価を基礎にして算定する(事業分離等会計基準第 13 項)
94. 分離先企業の株式などの受取対価又は移転した事業のいずれについても、市場価格が
ないこと等により公正な評価額を合理的に算定することが困難と認められる場合には、次
のいずれかを用いて算定された額を受取対価の額とすることができる( 393 項参照)。
(1) 事業分離日の前日における分離先企業の識別可能な資産及び負債の時価に基づく正
味の評価額のうち、受取対価相当額
(2) 事業分離日の前日における移転した事業に係る分離元企業の識別可能な資産及び負
債の時価に基づく正味の評価額
- -
38
この場合、識別可能な個々の資産及び負債の時価について、市場価格がないこと等によ
り公正な評価額を合理的に算定することが困難と認められる場合には、該当する資産及び
負債について、その適正な帳簿価額を用いることができる。
12.分離先企業における企業結合が取得とされた場合の分離元企業の
会計処理
(1)受取対価が現金等の財産のみである場合(事業譲渡など)の分離元企業の
会計処理
子会社を分離先企業として行われた事業分離の場合
95. 分離元企業の子会社に事業分離し、その対価として現金等の財産のみを受け取った場
合には、共通支配下の取引として取り扱う事業分離等会計基準第 14 )( 223 項及び
225 項参照)。
なお、分離元企業の会計処理において、現金等の財産とは、移転した事業と明らかに異
なる資産が該当し、分離先企業の株式は含まれない(この点については、事業分離等会計
基準第 10 (1)を参照のこと)これには、分離先企業の支払能力に左右されない資産や、
分離先企業の支払能力の影響を受けるものの、代金回収条件が明確かつ妥当であり、回収
が確実と見込まれる資産が含まれる。ただし、分割比率等に端数があるために生じた交付
金は現金等の財産に含めないこととする。また、利益配当の代替としての交付金の部分は、
受取対価には含まれない。
子会社以外を分離先企業として行われた事業分離の場合
96. 分離元企業の子会社以外に事業分離し、その対価として現金等の財産のみを受け取っ
た場合には、分離元企業は次の処理を行う(事業分離等会計基準第 15 項及び第 16 項)。
(1) 個別財務諸表上の会計処理
分離元企業が受け取った現金等の財産は、原則として、時価基づき計上し、移転事
業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)との差額は、移転損益として認識する。
ただし、一般的な売却や交換と同じように、次のような分離元企業の重要な継続的関
与によって、分離元企業が移転した事業に係る成果の変動性を従来と同様に負ってい
場合には、移転損益を認識することはできないことに留意する必要がある(本適用指針
において、移転損益を認識するとしている場合には、同様の留意が必要となる。(事業
分離等会計基準 10 項及び第 76 )。
移転した事業に対し買戻しの条件が付されている場合
移転した事業からる財貨又はサービスの長期購入契約により当該事業のほと
んどすべてのコスト(当該事業の取得価額相当額を含む。)を負担する場合
(2) 連結財務諸表上の会計処理
分離元企業の関連会社に事業を移転したことにより認識された移転損益は持分法会
- -
39
計基準における未実現損益の消去に準じて処理する
(2)受取対価が分離先企業の株式のみである場合(会社分割など)の分離元企業の
会計処理
97. 会社分割等、事業分離の対価として分離先企業の株式のみを受け取った場合には、当
該分離先企業に対する分離元企業の株式の持分比率等により、分離先企業は次のように分
類される。
(1) 事業分離により分離先企業が子会社となる場合(第 98 から 99 参照)
(2) 事業分離により分離先企業が関連会社となる場合(第 100 項から第 102 項参照)
(3) 事業分離により分離先企業が共同支配企業の形成となる場合(第 196 項及び第 197
参照)
(4) 事業分離により分離先企業が(1)から(3)以外となる場合(第 103 項参照)
なお、(1)の場合には、分離先企業の企業結合が分離元企業を取得企業とする「逆取得」
に該当することとなる。
97-2. 資産を移転し移転先の企業の株式を受け取る場合(事業分離に該当する場合を除く。
において、移転元の企業の会計処理は、事業分離における分離元企業の会計処理に準じて
行う(事業分離等会計基準第 31 項)。このため、実務対応報告第 6 号「デット・エクイテ
ィ・スワップの実行時における債権者側の会計処理に関する実務上の取扱い」にかかわら
ず、移転先の企業が子会社又は関連会社となる場合及び共通支配下の取引には、本適用指
針の定めが優先して適用される
分離先企業が子会社となる場合
(事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を保有していない場合)
98. 事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を保有していない場合には、分離元企業
は次の処理を行う(事業分離等会計基準第 17 項)。[設例 11-1]
(1) 個別財務諸表上の会計処理
分離元企業が受け取った分離先企業の株式(子会社株式)の取得原価は移転事業に
係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)基づいて算定する。したがって、分離元企
業は、移転損益を認識しない。分離先企業の株式の取得原価の算定にあたっては、移転
事業に係る株主資本相当額から移転事業に係る繰延税金資産及び繰延税金負債を控除
する(第 108 (2)参照)ことに留意する必要がある。
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスの場合には、当該マイナスの金額を
「組織再編により生じた株式の特別勘定」等、適切な科目をもって負債に計上す(第
394 項参照)
(2) 連結財務諸表上の会計処理
子会社(分離先企業)に係る分離元企業(親会社)の持分の増加額(②イの金額
- -
40
移転した事業に係る分離元企業(親会社)の持分の減少額(①アの金額)との差額は、
親会社の持分変動による差額とのれん(又は負ののれん)に区分して会計処理する。
親会社の持分変動による差額の計上
次のアとイの差額を親会社の持分変動による差額とし、事業分離日の属する事業年
度に資本剰余金に計上する。(連結会計基準第 30 項及び同( 9)
移転した事業に係る分離元企業(親会社)の持分の減少額(移転事業に係る株
資本相当額に移転した事業に係る減少した親会社の持分比率を乗じた額)
分離元企業(親会社)の事業が移転されたとみなされる額移転した事業の事業
分離直前の時価に移転した事業に係る減少した親会社の持分比率を乗じた額)
なお、親会社の持分変動による差額は、子会社株式(分離先企業の株式)の取得原
価とこれに対応する分離元企業(親会社)の持分との差額として算定することもでき
る。
のれん(又は負ののれん)の計上
次のアとイの差額をのれん(又は負ののれん)とし、 72 項及び 76 項から第 78
並びに移管指針第 4 「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(以
下「 資本連結実務指針」という。 40 項に準じて会計処理する(第 396 項及び第 397
項参照)
分離先企業に対して投資したとみなされる額(子会社となる分離先企業(被取得
企業)の事業分離直前の時価に事業分離により増加する親会社の持分比率を乗じた
額であり、①イの金額と同額となる。
これに対応する分離先企業の事業分離直前の資本(子会社となる分離先企業(被
取得企業)の企業結合日における識別可能資産及び負債の時価に事業分離に関して
生じた親会社の持分比率を乗じた額)
ただし、共同新設分割による子会社の設立のように、子会社となる分離先企業の個
別財務諸表上被取得企業の事業を取得し、れん(又は負ののれん)が計上されて
いる場合には分離先企業(子会社)の個別財務諸表に計上されているのれん(又は
負ののれん)を連結財務諸表上もそのまま計上することができるなお、この方法に
よる場合ののれ(又は負ののれんの額と、②の方法により算定されたのれん(又
は負ののれん)との差額が、非支配株主持分の金額に影響を与えることになる。[
11-2]
(事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を保有していた場合)
99. 事業分離により分離先企業が新たに分離元企業の子会社となる場合において、分離元
企業が事業分離前に分離先企業の株式をその他有価証券(売買目的有価証券の場合を含む。
以下同じ。)又は関連会社株式として保有していた場合には、前項に準じて処理するが、
次の点に留意する。[設例 11-3]
- -
41
(1) 個別財務諸表上の会計処理
分離元企業が追加的に受け取った分離先企業の株式の取得原価は、移転事業に係る株
主資本相当額( 87 (1)①参照)に基づいて算定する(事業分離等会計基準第 18
(1))。
また、分離元企業の個別財務諸表上、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスの場
合には、まず、事業分離前から保有していた分離先企業の株式の帳簿価額を充て、これ
を超えることとなったマイナスの金額を「組織再編により生じた株式の特別勘定」等、
適切な科目をもって負債に計上する(第 394 項参照)。
(2) 連結財務諸表上の会計処理
分離元企業の連結財務諸表上のれん(又は負ののれんについては次の①と②の
差額として算定する(親会社の持分変動による差額については、 98 (2)①に準じて
処理する。(事業分離等会計基準第 18 (2))。
分離先企業に対して投資したとみなされる額
98 (2)②アに相当する金額に、事業分離前に分離元企業が保有していた分離先企
業の株式の事業分離日の時価を加算して算定する。なお、その時価と適正な帳簿価額と
の差額(その他有価証券としていた場合)はその持分法による評価額との差額(関連
会社株式としていた場合)は、当期の段階取得に係る損益として処理される(第 46-2
項参照)
これに対応する分離先企業の事業分離直前の資本(第 98 (2)②イに相当する金額と
なる。
なお、分離元企業が事業分離前に分離先企業の株式を子会社株式として保有しており、
事業分離により分離先企業の株式(子会社株式)を追加取得した場合には、共通支配下の
取引として取り扱う(事業分離等会計基準 19 )( 226 項及び第 229 項参照)
分離先企業が関連会社となる場合
(事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を保有していない場合)
100. 業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を保有していない場合には、分離元企業は
次の処理を行う(事業分離等会計基準第 20 項)。[設例 12-1]
(1) 個別財務諸表上の会計処理
分離元企業が受け取った分離先企業の株式(関連会社株式)の取得原価は、移転事業
に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)に基づいて算定する。したがって、分離元
企業は、移転損益を認識しない。分離先企業の株式の取得原価の算定にあたっては
転事業に係る株主資本相当額から移転事業に係る繰延税金資産及び繰延税金負債を控
除する(第 108 (2)参照)ことに留意する必要がある。
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスの場合には、 98 (1)なお書きに
準じて処理する
- -
42
(2) 連結財務諸表上の会計処理
連結財務諸表の作成にあたり、関連会社(分離先企業)に対する持分法適用において、
関連会社に係る分離元企業(投資会社)持分の増加額と、移転した事業に係る分離元
企業の持分の減少額との間に生る差額は、原則として、持分変動差額とのれ(又
負ののれん)に区分して会計処理する。ただし、持分変動差額とのれ(又は負ののれ
ん)のいずれかの金額に重要性が乏しいと考えられる場合には、重要性のある他の金額
に含めて処理することができる
なお、持分法適用において連会社に係る分離元企業の持分の増加額は、持分法会
計基準及び移管指針第 7 号「持分法会計に関する実務指針」(以下「持分法実務指針
という。に従い、関連会社(分離先企業)に対する投資に対応する分離先企業の事業
分離直前の資本(分離先企業の事業分離直前の資本(原則として、部分時価評価法の原
則法により、資産及び負債を時価評価した後の評価差額を含む。)に事業分離により増
加する分離元企業の持分比率を乗じた額であり、②イに相当する金額)として算定さ
る。
持分変動差額の計上
次のアとイの差額を持分変動差額とし、原則として事業分離日の属する事業年度の
特別損益に計上する。
移転した事業に係る分離元企業の持分の減少額(移転事業に係る株主資本相当額
に移転した事業に係る減少した分離元企業の持分比率を乗じた額)
分離元企業の事業が移転されたとみなされる額移転した事業の事業分離直前の
時価に移転した事業に係る減少した分離元企業の持分比率を乗じた額
のれん(又は負ののれん)の計上
次のアとイの差額をのれん(又は負ののれん)として、 72 項及び 76 項から第
78 項に準じて処理する
分離先企業に対して投資したとみなされる額分離先企業の事業分離直前の時価
事業分離により増加する分離元企業の持分比率を乗じた額であり①イの金額と
同額となる。
これに対応する分離先企業の事業分離直前の資本(関連会社に係る分離元企業の
持分の増加額)
(事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式(その他有価証券)を保有していた場合)
101. 業分離により分離先企業が新たに分離元企業の関連会社となる場合において、分離元
企業が事業分離前に分離先企業の株式を有していた場合(事業分離前に分離先企業の株式
をその他有価証券として保有していた場合)には、前項に準じて処理する。[設例 12-2]
ただし、分離元企業の個別財務諸表上、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスの場
合には、第 99 (1)また書きに準じて処理する。
- -
43
また、分離元企業の連結財務諸表上、のれん(又は負ののれん)については、次の(1)
(2)の差額として算定する(持分変動差額については、前項(2)①に準じて処理する。)
(事業分離等会計基準第 21 項)
(1) 分離先企業に対して投資したとみなされる額(前(2)②アに相当する金額に、事
分離前に分離元企業がその他有価証券として保有してい離先企業の株式の帳簿価
額を加算した金額)
(2) これに対応する分離先企業の事業分離直前の資本(その取引ごとに対応する分離先企
業の資本の合計額)
なお、この(2)の額は、持分法会計基準及び持分法実務指針に従い、その取引ごとに
対応する分離先企業の資本(原則として、部分時価評価法の原則法により、取得日ごと
に資産及び負債を時価評価した後の評価差額を含む。)に増加する分離元企業の持分比
率を乗じた額の合計として算定される。
(事業分離前に分離元企業が分離先企業の株式(関連会社株式)を保有していた場合)
102. 業分離前に分離元企業が分離先企業の株式を関連会社株式として有しており、事業分
離により分離先企業の株式(関連会社株式)を追加取得し場合には、第 100 項に準じて
処理する(事業分離等会計基準 22 項)。[設例 12-3]
分離先企業が子会社、関連会社及び共同支配企業以外となる場合
103. 業分離により分離先企業が子会社、関連会社及び共同支配企業以外となる場合(分離
先企業の株式がその他有価証券に分類される場合)には、分離元企業の個別財務諸表上、
原則として、移転損益を認識する。また、当該分離先企業の株式の取得原価は、移転した
事業に係る時価又は当該分離先企業の株式の時価のうち、より高い信頼性をもって測定可
能な時価に基づいて算定する(事業分離等会計基準第 23 項)。
(3)受取対価が現金等の財産と分離先企業の株式である場合の分離元企業の会計処理
分離先企業が子会社となる場合
104. 会社へ事業分離する場合や事業分離により分離先企業が新たに子会社となる場合にお
いて、その対価として現金等の財産(第 95 項参照)と分離先企業の株式を受け取った場合
には、共通支配下の取引又はこれに準じて取り扱う(事業分離等会計基準 24 項)(第
230 項及び第 232 項参照)。なお、事業分離前に分離先の企業の株式を保有していた場合
には、第 99 に準じて処理する(事業分離等会計基準第 24 (2)なお書き)。
分離先企業が関連会社となる場合
105. 連会社へ事業分離する場合や事業分離により分離先企業が新たに関連会社となる場合
において、その対価として現金等の財産と分離先企業の株式を受け取った場合、分離元企
- -
44
業は次の処理を行う(事業分離等会計基準 25 項)。[設例 13]
(1) 個別財務諸表上の会計処理
分離元企業で受け取った現金等の財産は、原則として、時価により計上する。の結
果、当該時価が移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)を上回る場合には、
原則として、当該差額を移転利益として認識(受け取った分離先企業の株式の取得原
はゼロとする。)し、下回る場合には、当該差額を受け取った分離先企業の株式の取得
原価とする。
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスの場合、受け取った現金等の財産の
時価と等しい金額については、移転利益に計上し、マイナスとなる移転事業に係る株主
資本相当額については、まず、事業分離前から保有している分離先企業の株式の帳簿価
額を充て、これを超えることとなったマイナスの金額を「組織再編により生じた株式の
特別勘定」等、適切な科目をもって負債に計上する(第 395 項参照)
(2) 連結財務諸表上の会計処理
事業分離により分離先企業が新たに関連会社となる場合や関連会社に事業を移転
たことにより認識された移転利益は、分法会計基準における未実現損益の消去に準じ
て処理する。また、関連会社に係る分離元企業の持分の増加額と移転した事業に係る分
離元企業の持分の減少額との間に生じる差額は、 100 項から第 102 項に準じ、原則
して、のれん(又は負ののれん)と持分変動差額に区分して処理する。
分離先企業が子会社、関連会社及び共同支配企業以外となる場合
106. 会社、関連会社及び共同支配企業以外へ事業分離した後も引き続き分離先企業が子会
社、関連会社及び共同支配企業以外である場合や事業分離により分離先企業が子会社、関
連会社及び共同支配企業以外となる場合(分離先企業の株式がその他有価証券に分類され
る場合)において、その対価として現金等の財産と分離先企業の株式を受け取った場合、
分離元企業は、原則として、移転損益を認識する。
また、当該分離先企業の株式の取得原価は、移転した事業に係る時価又は当該分離先企
業の株式の時価のうち、より高い信頼性をもって測定可能な時価に基づいて算定する(事
業分離等会計基準第 26 項)なお、その時価が移転した事業に係る時価の場合、当該分離
先企業の株式の取得原価は、当該移転した事業に係る時価と対価として受け取った現金等
の財産の時価との差額として算定する
(4)分離元企業の税効果会
分離元企業の繰延税金資産の回収可能性
107. 業分離日の属する事業年度の前期末(事業分離日の前日における仮決算を含む。)に
おいて、分離元企業から移転する事業に係る資産及び負債の一時差異に対して計上する繰
延税金資産の回収可能性は、次のように判断する。
- -
45
(1) 分離元企業における事業分離日以後の将来年度の収益力に基づ一時差異等加減算
前課税所得等により判断し、分離先企業の将来年度の収益力に基づく一時差異等加減
前課税所得等は勘案しない(第 399 項参照)
(2) ただし、投資が継続しているとみる場合には、事業分離が行われないものと仮定した
移転する事業に係る将来年度の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等を勘案
して判断する。
具体的には、事業分離が行われないものと仮定したときの分離元企業の将来年度の収
益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等の見積額を、移転する事業に係る額と残存
する事業に係る額とに区分し、移転する事業に係る一時差異等加減算前課税所得等を基
礎として回収可能性の判断を行う。また、移転する事業において一時差異等加減算前課
税所得等と相殺し切れなかった将来減算一時差異が生じ、残存する事業では相殺後に
時差異等加減算前課税所得等の残余が生じている場合には、原則としてこれらを相殺す
ることにより移転する事業に係る繰延税金資産の回収可能性を判断する。
なお、分離元企業に残存する事業に係る資産及び負債の一時差異に対して計上する繰
延税金資産の回収可能性については、事業分離を考慮した実際の分離元企業における
来年度の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等により判断する(第 400 項参照)
[設例 36
分離元企業の繰延税金資産及び繰延税金負債の計上額
108. 離元企業において、事業分離により移転する事業に係る資産及び負債が、分離先企業
の株式など現金以外の受取対価と引き換えられ、新たに貸借対照表上、当該受取対価が計
上される場合において、これらの金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額(税務上の
帳簿価額)との間に生じる差額(一時差異)に対する税効果会計の適用については、次の
ように取り扱う
(1) 原則として、業分離日以後最初に到来する事業年度末に適用する。たがって、
末に繰延税金資産及び繰延税金負債が計上され、その差額を期首と期末で比較した増
額が法人税等調整額として計上されることとなる(第 401 項参照)
(2) ただし、投資が継続しているとみる場合には、移転損益を認識せず、業分離日に
いて移転する繰延税金資産及び繰延税金負債(移転した事業に係る資産及び負債の一
差異及び当該事業分離に伴い新たに生じた一時差異(税務上の移転損益相当額)に関
る繰延税金資産及び繰延税金負債の適正な帳簿価額であって繰延税金資産については
107 (2)に準じて回収可能性があると判断されたもの。下同じ。の額を、離先
企業の株式の取得原価に含めずに、分離先企業の株式等に係る一時差異に対する繰延
金資産及び繰延税金負債として計上する(第 402 項参照)[設例 37]
この場合、当該分離先企業の株式等に係る一時差異に対する繰延税金資産については
従来の事業に係る投資が継続しているものとみて、事業分離日において移転する繰延
- -
46
金資産を置き換えるものであるため、回収可能性適用指針第 15 項から第 32 項に従って
判断した分類に応じて、(分類 1に該当する企業に加え、分類 2に該当する企(回
収可能性適用指針第 28 項に従って(分類 2に該当するものとして取り扱われる企業を
含む。及び分類 3に該当する企業回収可能性適用指針第 29 項に従って(分類 3
に該当するものとして取り扱われる企業を含む。)についても、その回収可能性がある
と判断できるものとする。このように取り扱う場合であっても、当該分離先企業の株式
等に係る一時差異に対する繰延税金資産については、事業分離後に事業分離日におい
移転する繰延税金資産の額以上に計上されることはないものとする。また、事業分離後、
分離元企業が分類 4に該当する企業回収可能性適用指針第 28 項に従って(分類 2
に該当するものとして取り扱われる企業及び同第 29 項に従って(分類 3に該当するも
のとして取り扱われる企業を除く。)となった場合には、翌期における解消額に係る繰
延税金資産の額を除き、当該繰延税金資産の回収可能性はないものと判断し、(分類 5
に該当する企業となった場合には、当該繰延税金資産の回収可能性はないものと判断
ることに留意する必要がある。
109. (削 除)
13.取得とされた株式交換の会計処理
(1)株式交換完全親会社の個別財務諸表上の会計処理
子会社株式の取得原価の算定
110. 式交換完全親会社が取得する株式交換完全子会社株式の取得原価は、取得の対価に付
随費用を加算して算定する。付随費用の取扱いは、金融商品会計実務指針に従う。取得の
対価の具体的な算定は、第 37 項から第 50 項に準じて行う。[設例 14
ただし、株式交換完全親会社が作成する連結財務諸表において、みなし取得日に株式交
換が行われたものとして会計処理する場合(第 117 項参照)には、個別財務諸表上も 38
項における企業結合日をみなし取得日と読み替えることとする。
また、株式交換完全親会社が、株式交換日の前日に株式交換完全子会社となる企業の株
式を保有していた場合、株式交換日の前日の適正な帳簿価額により、子会社株式に振り替
える(第 46 項参照)
株式交換完全親会社が新株予約権付社債を承継する場合等の取扱い
110-2.株式交換に際して、株式交換完全親会社が株式交換完全子会社の新株予約権者に新株
予約権を交付する場合、又は株式交換完全親会社が新株予約権付社債を承継する場合には
50 項に準じて、当該新株予約権又は新株予約権付社債の時価を子会社株式の取得原価
に加算するとともに、同額を新株予約権又は新株予約権付社債として純資産の部又は負債
の部に計上する(第 404-2 参照)
増加資本の会計処理
- -
47
(株式交換完全親会社が新株を発行した場合の会計処理)
111. 業結合の対価として、株式交換完全親会社が新株を発行した場合には、払込資本(資
本金又は資本剰余金)の増加として会計処理する
なお、増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、
会社法の規定に基づき決定する
また、増加すべき株主資本の額は、第 110 項の取得の対価の算定に準じて処理する。
(株式交換完全親会社が自己株式を処分した場合の会計処理)
112. 業結合の対価として、株式交換完全親会社が自己株式を処分した場合には増加すべ
き株主資本の額(自己株式の処分の対価の額。新株の発行と自己株式の処分を同時に行っ
た場合には、新株の発行と自己株式の処分の対価の額。)から処分した自己株式の帳簿価
額を控除した額を払込資本の増加(当該差額がマイナスとなる場合にはその他資本剰余金
の減少)として会計処理する( 388 項参照)。
なお、増加すべき払込資本の内訳項(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金は、
会社法の規定に基づき決定する
また、増加すべき株主資本の額は、第 110 項の取得の対価の算定に準じて算定する。
(株式交換完全親会社が自社の株式以外の財産を交付した場合の会計処理
113. 業結合の対価として、株式交換完全親会社が株式交換完全子会社の株主に対して、株
式交換完全親会社の株式以外の財産を交付した場合は、当該交付した財産の時価と企業結
合日の前日における適正な帳簿価額との差額を株式交換日において、株式交換完全親会社
の損益に計上する。
(子会社が親会社の株式を対価として株式交換した場合の会計処理)
114. 会社が親会社株式を支払対価として他の企業と株式交換を行う場合には、次のように
会計処理する。
(1) 個別財務諸表上の会計処理
前項に準じて会計処理を行う。
(2) 連結財務諸表上の会計処理
個別財務諸表において計上された損益を、連結財務諸表上は資本取引として自己株式
処分差額に振り替え、自己株式等会計基準第 9 、第 10 項及び第 12 項の定めに従って
処理する。
株式交換完全親会社の税効果会計
115. 式交換完全親会社が受け入れた子会社株式(株式交換完全子会社の株式)に係る一時
差異(取得のときから生じていものに限る。)に関する税効果は認識しない( 404
- -
48
参照)。
ただし、予測可能な期間に当該子会社株式を売却する予定がある場合(一部売却で売却
後も子会社又は関連会社にとどまる予定の場合には売却により解消する部分の一時差異に
限る。)、又は売却その他の事由により当該子会社株式がその他有価証券として分類され
ることとなる場合には、当該一時差異に対する税効果を認識する。
なお、株式交換後に当該子会社株式に生じた一時差異は、通常の税効果会計の取扱いに
よる。
(2)株式交換完全子会社の個別財務諸表上の会計処理
115-2.株式交換に際して、株式交換完全親会社が株式交換完全子会社の新株予約権者に新株
予約権を交付する場合、又は株式交換完全親会社が新株予約権付社債を承継する場合には
株式交換日の前日に株式交換完全子会社で付していた適正な帳簿価額による新株予約権
又は新株予約権付社債の額を利益に計上する(第 404-2 項参照)
(3)株式交換完全親会社の連結財務諸表上の会計処理
投資と資本の消去
116. 式交換による企業結合が取得とされた場合の資本連結手続は、連結会計基準に従い、
次の(1)(2)を相殺消去する(連結会計基準第 23 項)また、両者の消去差額であるのれ
ん(又は負ののれん)は、第 72 項及び 76 項から第 78 項に準じて会計処理する。[設例
14]
(1) 株式交換完全親会社の投資
株式交換完全親会社の投資は、 37 項から第 50 項に準じて算定する。
なお、株式交換完全親会社が、株式交換日の前日に株式交換完全子会社となる企業
株式を保有していた場合、株式交換日の時価に基づいて子会社株式に振り替えて取得原
価に加算し、その時価と適正な帳簿価額との差額は、当期の段階取得に係る損益として
処理される( 46-2 項参照[設例 14-2[設例 14-3
投資会社が持分法適用関連会社と企業結合した場合には、株式交換日の前日被取得
企業の株式(関連会社株式)の持分法による評価額と株式交換日の時価との差額は
期の段階取得に係損益としこれに見合う金額は、のれん(又は負ののれん)の修正
として処理される。なお、株式交換日の前日の個別財務諸表上の関連会社株式の帳簿価
額と持分法による評価額との差額はれん又は負ののれん)の修正として処理され
る(第 46-2 項参
(2) 株式交換完全子会社の資本
株式交換完全子会社の資本は、取得原価の配分方法(第 51 項から第 78 項参照)に準
じて算定された識別可能資産及び負債の差額とする。
- -
49
(4)株式交換日が株式交換完全子会社の決算日以外の日である場合の取扱い
117. 式交換日が株式交換完全子会社の決算日以外の日である場合には、連結会計基準 (
5)に従い、株式交換日の前後いずれかの決算日(みなし取得日)に株式交換が行われたも
のとみなして会計処理することができる。この場合、第 38 項の企業結合日をみなし取
日と読み替えるただし、みなし取得日は、企業結合の主要条件が合意されて公表された
日以降としなければならない。
14.逆取得となる株式交換の会計処理(株式交換完全子会社が取得企業
となる場合)
(1)株式交換完全親会社(被取得企業)の個別財務諸表上の会計処理
増加資本の会計処理
(株式交換完全親会社が新株を発行した場合の会計処理)
117-2業結合の対価として、株式交換完全親会社が新株を発行した場合には、払込資本(資
本金又は資本剰余の増加として会計処理する。
なお、増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、
会社法の規定に基づき決定する
また、増加すべき株主資本の額は、 118 項の株式交換完全子会社株式(取得企業株式)
の取得原価に準じて算定する。
(株式交換完全親会社が自己株式を処分した場合の会計処理)
117-3.逆取得となる吸収合併における自己株式の原則的な会計処理( 84 (2)①参照)に
準じて処理する
子会社株式の取得原価の算定
118. 織再編が株式交換の形式をとる場合において、逆取得となるとき(株式交換完全親会
社が被取得企業となり、株式交換完全子会社が取得企業となるとき)には、株式交換完
親会社の個別財務諸表上、当該株式交換完全親会社が取得する株式交換完全子会社株式(取
得企業株式)の取得原価は、株式交換日の前日における株式交換完全子会社(取得企業)
の適正な帳簿価額による株主資本の額に基づいて算定する(企業結合会計基準 36 )。
株式交換完全親会社が新株予約権付社債を承継する場合等の取扱い
118-2.株式交換に際して、株式交換完全親会社(被取得企業)が株式交換完全子会社(取得
企業)の新株予約権者に新株予約権を交付する場合、又は株式交換完全親会社(被取得企
業)が新株予約権付社債を承継する場合には、株式交換完全親会社は、株式交換完全子会
社(取得企業)の株式交換日の前日における適正な帳簿価額による株主資本の額(第 118
項参照)に、株式交換完全子会社(取得企業)で認識された新株予約権の消滅に伴う利益
- -
50
又は新株予約権付社債の承継に伴う利益の額(税効果調整後)を加算して、子会社株式の
取得原価を算定する。また、株式交換完全親会社(被取得企業)は、株式交換日の前日に
株式交換完全子会社(取得企業)で付されていた適正な帳簿価額により新株予約権又は新
株予約権付社債の適正な帳簿価を純資産の部又は負債の部に計上する(第 404-2 項参照)
(2)株式交換完全子会社(取得企業)の個別財務諸表上の会計処理
118-3.株式交換に際して、株式交換完全親会社(被取得企業)が株式交換完全子会社(取得
企業)の新株予約権者に新株予約権を交付する場合、又は株式交換完全親会社(被取得企
業)が新株予約権付社債を承継する場合、株式交換完全子会社(取得企業)、株式交換
日の前日に付していた適正な帳簿価額による新株予約権又は新株予約権付社債の額を利
益に計上する( 404-2 項参照)
118-4.株式交換に際して、株式交換完全子会社(取得企業)が株式交換日の前日に株式交換
完全親会社被取得企業)となる企業の株式を保有していた場合、株式交換完全親会社(被
取得企業)の株式を株式交換日の前日の適正な帳簿価額により、取得原価とする。
(3)株式交換後の連結財務諸表上の会計処理
119. 式交換完全子会社(取得企業)は、株式交換完全親会社(被取得企業)を被取得企業
としてパーチェス法を適用する。具体的には、株式交換日の前日における株式交換完全子
会社(取得企業)の連結財務諸表上の金額(連結財務諸表を作成していない場合には個別
財務諸表上の金額)に、次の手順により算定された額を加算する。
(1) 取得原価の算
36 項(取得原価の算定方法の概要)と同様原則として取得の対価となる財の
企業結合日における時価で算定する。具体的な算定方法は、 37 項から第 50 項に準じ
る。
ただし、取得の対価となる財の時価は、株式交換完全親会(被取得企業)の株主が
結合後企(株式交換完全親会社)に対する実際の議決権比率と同じ比率を保有するの
に必要な数の株式交換完全子会(取得企業)の株式を、株式交換完全子会社(取得企
業)が交付したものとみなして算定する(企業結合会計基準( 1))。
なお株式交換完全子会社(取得企業)が株式交換日の前日に株式交換完全親会社(被
取得企業)となる企業の株式を保有していた場合には、株式交換日の時価に基づく額を
取得原価に加算し、その時価と適正な帳簿価額との差額は、当期の段階取得に係る損益
として処理され(第 46-2 項参照)
投資会社が持分法適用関連会社と企業結合した場合には、株式交換日の前日被取
企業の株式(関連会社株式)の持分法による評価額と株式交換日の時価との差額は、
期の段階取得に係損益とし、これに見合う金額は、のれん(又は負ののれんの修正
として処理される。なお、株式交換日の前日の個別財務諸表上の関連会社株式の帳簿価
- -
51
額と持分法による評価額との差額は、のれん(又は負ののれん)の修正として処理され
る(第 46-2 項参
(2) 取得原価の配
株式交換完全親会社(被取得企業)となる企業から受け入れた資産及び引き受けた負
債の会計処理は 51 項から第 78 項に準じて処理する。
(3) 増加すべき株資本の会計処理
(1)で算定された取得の対価を払込資本に加算する。
ただし、連結財務諸表上の資本金は株式交換完全親会社(被取得企業)の資本金とし
これと株式交換直前の連結財務諸表上の資本(株式交換完全子会社の資本金が異な
る場合には、その差額を資本剰余金に振り替える。
15.取得とされた株式移転の会計処理
(1)株式移転設立完全親会社の個別財務諸表上の会計処理
子会社株式の取得原価の算定
120. 式移転による共同持株会社の設立の形式をとる企業結合が取得とされた場合には、取
得企業の決定規準に従い、いずれかの株式移転完全子会社を取得企業として取り扱う。
121. 式移転設立完全親会社が受け入れた株式移転完全子会社株式(取得企業株式及び被取
得企業株式)の取得原価は、それぞれ次のように算定する。[設例 15
(1) 子会社株式(取得企業株式)
原則的な取扱
株式移転日の前における株式移転完全子会社(取得企業)の適正な帳簿価額によ
株主資本の額に基づいて算定する。
簡便的な取扱
株式移転日の前日における株式移転完全子会社(取得企業)の適正な帳簿価額によ
る株主資本の額と、直前の決算日に算定された当該金額との間に重要な差異がないと
認められる場合には、株式移転設立完全親会社が受け入れた子会社株式(取得企業株
式)の取得原価は株式移転完全子会社(取得企業)の直前の決算日に算定された適
正な帳簿価額による株主資本の額により算定することができる(第 404-3 項参照
(2) 子会社株式(被取得企業株式)
被取得企業株式の取得原価については、取得の対価に付随費用を加算して算定する。
付随費用の取扱いは、金融商品会計実務指針に従う。取得の対価の具体的な算定方法は、
37 項から第 50 項に準じる。
ただし、取得の対価となる財の時価は、株式移転完全子会社(被取得企業の株主が
株式移転設立完全親会社(結合後企業に対する実際の議決権比率と同じ比率を保有す
るのに必要な数の株式移転完全子会社(取得企業)の株式を、株式移転完全子会社(取
得企業)が交付したものとみなして算定する
- -
52
また、株式移転設立完全親会社が作成する連結財務諸表において、みなし取得日に株
式移転が行われたものとして会計処理する場(第 126 項参照)には、個別財務諸表上
も第 38 項における企業結合日をみなし取得日と読み替えることとする。
株式移転設立完全親会社が新株予約権付社債を承継する場合等の取扱い
121-2. 株式移転に際して、株式移転設立完全親会社が株式移転完全子会社(取得企業又は被
取得企業)の新株予約権者に新株予約権を交付する場合、又は株式移転設立完全親会社が
新株予約権付社債を承継する場合には、株式移転設立完全親会社は、株式移転完全子会社
株式(取得企業株式又は被取得企業株式)の取得原価を次のように算定する(第 404-2
参照)
(1) 子会社株式(取得企業株式)
原則的な取扱い(第 121 (1)①参照)
121 (1)①により算定された子会社株式の取得原価に株式移転完全子会社(取
得企業)で認識された新株予約権の消滅に伴う利益又は新株予約権付社債の承継に伴
う利益の額(税効果調整後)を加算する。また、株式移転設立完全親会社は、株式移
転日の前日に株式移転完全子会(取得企業)で付されていた新株予約権又は新株予
約権付社債の適正な帳簿価額を純資産の部又は負債の部に計上する。
簡便的な取扱い(第 121 (1)②参照)
121 (1)②により子会社株式の取得原価を算定する場合であっても、株式移
完全子会社(取得企業)で認識された新株予約権の消滅に伴う利益又は新株予約権付
社債の承継に伴う利益の額(税効果調整後)を株式移転完全子会社(取得企業)の直
前の決算日に算定された適正な帳簿価額による株主資本の額に加算する。
(2) 子会社株式(被取得企業株式)
121 (2)により算定された子会社株式の取得原価に、当該新株予約権又は新株予
約権付社債の時価を加算するとともに、同額を新株予約権又は新株予約権付社債として
純資産の部又は負債の部に計上する(第 50 項参照)
株式移転設立完全親会社の増加資本の会計処
122. 式移転設立完全親会社の増加すべき株主資本は、払込資本(資本金又は資本剰余金)
とし、増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、
会社法の規定に基づき決定する
株式移転設立完全親会社の増すべき株主資本の額は第 121 項の取得の対価の算定に準
じる。
株式移転設立完全親会社の税効果会計
123. 式移転設立完全親会社が受け入れた子会社株式(取得企業及び被取得企業の株式)に
- -
53
係る一時差異(取得のときから生じていたものに限る。に関する税効果の取扱いは 115
項に準じる。[設例 33
(2)株式移転完全子会社(取得企業又は被取得企業)の個別財務諸表上の会計処理
123-2. 株式移転に際して、株式移転設立完全親会社が株式移転完全子会社(取得企業又は被
取得企業)の新株予約権者に新株予約権を交付する場合又は株式移転設立完全親会社が
新株予約権付社債を承継する場合、株式移転完全子会社は株式移転日の前日に付して
た適正な帳簿価額による新株予約権又は新株予約権付社債の額を利益に計上する
404-2 項参照)
123-3. 株式移転に際して、株式移転完全子会社(取得企業)が株式移転日の前日に他の株式
移転完全子会社(被取得企業)となる企業の株式を保有していた場合、株式移転日の前日
の適正な帳簿価により、取得原価とする
(3)株式移転設立完全親会社の連結財務諸表上の会計処理
投資と資本の消去
124. 株式移転による企業結合が取得とされた場合の資本連結の手続は、会計基準に従い、
次の(1)①と②及び(2)①と②をそれぞれ相殺消去する(連結会計基準第 23 )。また、(2)
の消去差額であるのれん(又は負ののれん)は、 72 項及び 76 項から第 78 項に準じて
会計処理する。[設例 15
(1) 株式移転完全子会社(取得企業)に関する会計処理
株式移転設立完全親会社の取得企業に対する投資
株式移転設立完全親会社の投資は、第 121 (1)により算定された子会社株式の
得原価とする。
株式移転完全子会社(取得企業)の資本
株式移転完全子会社(取得企業)の資本は取得企業の適正な帳簿価額による株
資本とする。
両者はいずれも取得企業の適正な帳簿価額を基礎とした金額のため、消去差額は生じ
ない。
(2) 株式移転完全子会社(被取得企業)に関する会計処理
株式移転設立完全親会社の被取得企業に対する投資
株式移転設立完全親会社の投資は、第 37 項から第 50 項に準じて算定する
なお、株式移転完全子会社取得企業)株式移転日の前日に他の株式移転完全子
会社(被取得企業)なる企業の株式を保有していた場合、株式移転日の時価に基づ
く額を取得原価に加算し、その時価と適正な帳簿価額との差額は、当期の段階取得に
係る損益として処理される(第 46-2 項参照)
投資会社である取得企業が持分法適用関連会社である被取得企業と企業結合した
- -
54
場合には、株式移転日の前日の被取得企業の株式(関連会社株式の持分法による評
価額と株式移転日の時価との差額は、当期の段階取得に係る損益とし、これに見合う
金額は、のれん(又は負ののれん)の修正として処理され。な株式移転日の前
日の個別財務諸表上の関連会社株式の帳簿価額と持分法による評価額との差額を、
れん(又は負ののれん)の修正として処理される(第 46-2 項参照
株式移転完全子会社(被取得企業)の資本
株式移転完全子会社(被取得企業)の資本は、取得原価の配分(第 51 項から第 78
項参照)に準じて算定された識別可能資産及び負債の差額とする。
株式移転完全子会社(取得企業)の資産及び負債の引継ぎ
125. 結財務諸表上、株式移転設立完全親会社は株式移転完全子会社(取得企業)の資産及
び負債の適正な帳簿価額を、原則として、そのまま引き継ぐ。ただし、株式移転完全子会
社(取得企業)が連結財務諸表を作成している場合には、株式移転完全子会社の連結財務
諸表上の帳簿価額で受け入れる[設例 15
ただし、連結財務諸表上の資本金は株式移転設立完全親会社の資本金とし、これと株式
移転直前の株式移転完全子会社(取得企業)の資本金が異なる場合には、その差額を資本
剰余金に振り替える。
株式移転日が株式移転完全子会社(被取得企業)の決算日以外の日である場合の取扱い
126. 117 項(株式交換日が株式交換完全子会社の決算日以外の日である場合の取扱い)と
同様に取り扱う
127. (以下、第 174 項まで削除)
Ⅳ.共同支配企業の形成の判定
1.共同支配企業の形成の判定規準
(1)共同支配企業の形成の判定規準の概要
175. 業結合のうち、次の要件のすべてを満たすものは共同支配企業の形成と判定するとさ
れている(企業結合会計基準 37 )。[付録:フローチャート参照]
(1) 共同支配投資企業となる企業は、複数の独立した企業から構成されているこ(以下
「独立企業要件」という。(第 177 項参照)
(2) 共同支配投資企業となる企業が共同支配となる契約等を締結していること(以下「契
約要件」という。(第 178 項及び第 179 項参照)
(3) 企業結合に際して支払われた対価のすべてが、原則として、議決権のある株式である
こと(以下「対価要件」という(第 180 項参照)
(4) (1)から(3)以外に支配関係を示す一定の事実が存在しないこと(以下「その他の支配
- -
55
要件」という。(第 181 項参照)
(3)の対価要件については、共同支配投資企業となる企業に支払われた対価を前提とした
定めであり、一般投資企業( 176 項参照)に対するものは含まれない。
(2)一般投資企業が含まれる場合における共同支配企業の形成の判定
176. 同支配投資企業となる企業の有する議決権の合計が、共同支配企業となる結合後企業
の議決権の過半数を占めており、かつ、共同支配投資企業となる企業が 175 項の要件
すべてを満たす場合には、共同支配企業へ投資する企業の中に次のいずれかに該当する企
業(以下「一般投資企業」という。)が含まれていても、当該企業結合は共同支配企業の
形成に該当するものとして取り扱う(第 422 項参照)。
(1) 共同支配となる契約等を締結していない共同支配企業へ投資する企業
(2) 共同支配となる契約等を締結し、共同支配企業へ投資する企業の役割が契約書に明示
されていても事実上、共同支配企業の重要な役割を担っていないと認められる当該企
業(第 178 (1)参照)
2.独立企業要件の取扱い
177. 同支配企業の形成の判定にあたり、共同支配企業へ投資する企業とその子会社、緊密
な者及び同意している者は単一企業とみなす(緊密な者及び同意している者については、
企業会計基準適用指針第 22 「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に
関する適用指針」第 8 項を参照のこと。)(第 423 項参照)。
したがって、共同支配企業へ投資する企業がこれらの者のみから構成されている場合に
は、共同支配企業の形成には該当しない。
3.契約要件の取扱い
(1)共同支配となる契約等の要件
178. 同支配企業の形成の判定にあたり、契約要件を満たすためには、契約等は文書化され
ており、次のすべてが規定されていなければならない(第 424 項及び第 428 項参照)。
(1) 共同支配企業の事業目的が記載され、当該事業遂行における各共同支配投資企業の重
要な役割分担が取り決められていること( 425 項参照)
なお、各共同支配投資企業の重要な役割分担が契約書に記載されていても、実態が伴
っていない場合には本要件を満たしたことにはならない。
(2) 共同支配企業の経営方針及び財務に係る重要な経営事項の決定は、すべての共同支配
投資企業の同意が必要とされていること( 426 項参照)
重要な経営事項とは、一般に取締役会及び株主総会の決議事項とされるものをいい、
例えば、予算及び事業計画、重要な人事、多額の出資、多額の資金調達・返済、第三者
のための保証、株式の譲渡制限、取引上重要な契約、重要資産の取得・処分、事業の
- -
56
大又は撤退等があげられる。
なお、ある重要な経営事項の決議の際に賛成しなくとも積極的に反対しない限りは、
その決議事項につき賛成したものとみなすこととしている場合には、原則として、「す
べての共同支配投資企業の同意が必要とされていること」に該当せず、本要件を満たし
たことにはならない。ただし、共同支配企業の経営への関与の仕方が他の共同支配投資
企業となる企業と異ならないと認められるような場合(例えば、ある重要な経営事項の
決議に係る上記の取扱いが当該共同支配投資企業の役割((1)参照)とは関連性の薄い
経営事項に限定されている場合など)には、本要件を満たしたものとして取り扱う(第
427 項参照)
(2)株主間の事前承認規定
179. 要な経営事項を共同支配企業の意思決定機関で決議する前に、すべての共同支配投資
企業の事前承認が必要である旨規定されている場合には、 178 (2)要件を満たすも
のとして取り扱う。
4.対価要件の取扱い
180. 共同支配企業の形成の判定にあたり「議決権のある株式」(企業結合会計基準第 37
(1))( 175 (3)参照)とは株主総会において、 178 (2)に規定されている重要な
経営事項に関する議決権が制限されていない株式をいう。
したがって、一般に、共同支配企業となる結合後企業が、企業結合の対価として、共同
支配投資企業となるすべての企業に対し、議決権に関して同一の権利内容を有する株式を
交付していない場合には、共同支配企業の形成には該当しないことになる(第 429 参照)
なお、企業結合の対価として、議決権のある株式以外の財産が交付された場合であって
も、それが次に掲げる現金等の財産のときは、対価要件を満たしたものとして取り扱う。
(1) 企業結合比率の端数調整のための現金
(2) 株主からの買取請求権に基づく現金
また、最終事業年度の配当金見合いの合併交付金等は取得の対価に該当しないため、当
該交付金等が交付された場合にも、対価要件を満たしたものとして取り扱う。
180-2. 対価要件の判定の前提として、同時に次の要件のすべてが満たされていなければなら
ないとされている(企業結合会計基準( 7))( 429-2 項参照)
(1) 企業結合が単一の取引で行われるか、又は、原則として1 事業年度内に取引が完
する。
(2) 交付株式の議決権の行使が制限されない。
なお、議決権については、第 180 項を参照のこと。
(3) 企業結合日において対価が確定している。
(4) 交付株式の償還又は再取得の取決めがない。
- -
57
(5) 株式の交換を事実上無効にするような結合当事企業の株主の利益となる財務契約が
ない。
なお、これには、交付株式を担保とする貸付保証契約や一方の結合当事企業の株主に
実質的に一定の利回りを保証するような契約等が含まれる。
(6) 企業結合の合意成立日前 1 年以内に、当該企業結合を目的とし自己株式を受け入れ
ていない。
ここで、企業結合の合意成立日とは、企業結合に関する契約書を承認する株主総会に
おいて議決権を行使できる株主が確定する日をいう。なお、企業結合目的として自己
株式を受け入れるとは、自己株式の受入れを当該企業結合の目的としていることが内部
文書等により明らかな場合をいう。
また、一方の結合当事企業が他の結合当事企業の株式受け入れる行為も同様に取り
扱う。
5.その他の支配要件の取扱い
181. 同支配企業の形成の判定にあたり、次のいずれにも該当しない場合には、その他の支
配要件を満たしたものとされる(企業結合会計基準( 8))( 430 項参照)。
(1) いずれかの結合当事企業の役員若しくは従業員である者又はこれらであった者が
合後企業の取締役会その他これに準ずる機関(重要な経営事項の意思決定機関を事
上支配していること
事実上支配しているかどうかについては、構成員の過半数を占めているかどうかが重
要な判断要素として考えられるため、企業結合日において、次のすべての人数等を勘案
して判定するただし、企業結合日において構成員の変更が予定されている場合や構成
員の間に緊密な関係がある場合などには、それらについても加味して判定する。
委員会設置会社の場合には、取締役の人数。お、結合後企業に執行役会等、重要
な経営事項に関する意思決定機関が設置された場合には、その構成員の人数。
以外の会社の場合、取締役の人数。なお、結合後企業に常務会、経営会議等、重
要な経営事項の意思決定機関が設置された場合には、その構成員の人数。
ただし、いずれかの企業の役員等が代表取締(又は代表執行役)や常勤取締役(又
は執行役)の大半を占めるなど、重要な経営事項の意思決定機関において、主として
務執行に携わる役員の割合が大幅に異なる場合には、その実態を踏まえて判定する。
(2) 重要な財務及び営業の方針決定を支配する契約等により結合当事企業のうち、いず
れかの企業が他の企業より有利な立場にあること
例えば、次のような株式が企業結合日に存在する場合には、保有者の属性、潜在株
又は種類株式の発行の経緯及び現実的な議決権の行使可能性等を踏まえ当該株式の存
在と効果を考慮して、本要件を実質的に判定する。
共同支配投資企業となる企業のうち、特定の企業に発行している潜在株式
- -
58
拒否権を行使できる株式(会社法第 108 条第 1 項第 8 号)
(3) 企業結合日後 2 年以内にいずれかの結合当事企業が投資した大部分の事業を処分する
予定があること
「大部分の事業を処分」に該当するかどうかは、共同支配企業の売上、利益及びキャ
ッシュ・フロー並びに資産及び負債に与える影響を勘案して判断する。なお、企業結合
日後 2 年以内にいずれかの共同支配投資企業となる企業の大部分の事業関連会社に
転する予定がある場合又は大部分の事業を分離して関連会社とする予定がある場合に
は、大部分の事業の処分に該当するものとして取り扱う。
また、処分する予定」とは、いずれかの共同支配投資企業となる企業が投資した大
部分の事業を処分する計画が、企業結合の一環として、あらかじめ、該企業の取締役
会等の意思決定機関で決定されている場合をいう。
.共同支配企業の形成の会計処理
1.共同支配企業の形成の会計処理の概要
182. 同支配企業の形において、共同支配企業は、共同支配投資企業から移転する資産及
び負債を、移転直前に共同支配投資企業において付されていた適正な帳簿価額により計上
する(企業結合会計基準 38 )。
182-2. 共同支配企業の形成において、共同支配企業に事業を移転した共同支配投資企業は次
の会計処理を行(企業結合会計基準第 39 項)
(1) 個別財務諸表上、当該共同支配投資企業が受け取った共同支配企業に対する投資の取
得原価は、移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定する。
(2) 連結財務諸表上共同支配投資企業は、共同支配企業に対する投資について持分法を
適用する。
2.本適用指針で取り扱う共同支配企業の形成と判定された組織再編の
形式ごとの会計処理
183. 本適用指針では、代表的な組織再編の形式として次の 2 つを取り上げ、それぞれの会計
処理を示している。
(1) 合併(吸収合併)(第 184 項から第 191 項参照)
(2) 会社分割(吸収分割又は共同新設分割)(第 192 項から第 199 項参照)
3.共同支配企業の形成と判定された合併(吸収合併)の会計処理
(1)吸収合併存続会社(共同支配企業)の会計処理
資産及び負債の会計処理
184. 会社を異にする子会社同士の吸収合併による共同支配企業の形成にあたり、吸収合併
- -
59
存続会社(共同支配企業)は、移転された資産及び負債を企業結合日の前日における吸収
合併消滅会社の適正な帳簿価額により計上する(企業結合会計基準 38 (第 407 項参
照)。[設例 18
増加資本の会計処理
(新株を発行した場合の会計処理)
185. 収合併存続会社(共同支配企業)は、合併期日の前日における吸収合併消滅会社の純
資産の部の各項目を次のように処理する(第 408 項参照)。なお、吸収合併存続会社が受
け入れた自己株式(吸収合併消滅会社が保有していた吸収合併存続会社株式)は、吸収合
併消滅会社における適正な帳簿価額により、吸収合併存続会社の株主資本からの控除項目
として表示する(第 84 項なお書き参照)。また、抱合せ株式等がある場合には、 84-2
項に準じて処理する。
(1) 株主資本項目の取扱い
原則的な会計処理
吸収合併存続会社は吸収合併消滅会社の合併期日の前日の適正な帳簿価額による
株主資本の額を払込資本資本金又は資本剰余金)とし会計処理する。増加すべき
払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金は、会社法の規定
に基づき決定する。
なお、吸収合併消滅会社の合併期日の前日の適正な帳簿価額による株主資本の額が
マイナスの場合及び抱合せ株式等の会計処理(第 84-2 参照)により株主資本の額
がマイナスとなる場合には、込資本をゼロとし、その他利益剰余金のマイナスとし
て処理する。
認められる会計処理
合併が共同支配企業の形成と判定される場合には、合併の対価は原則として自社の
株式のみであり、吸収合併存続会社は、吸収合併消滅会社の合併期日の前日の資本金、
資本準備金、その他資本剰余金、利益準備金及びその他利益剰余金の内訳科目(ただ
し、積立目的の趣旨は同じであるが吸収合併存続会社と吸収合併消滅会社の間でそ
の名称が形式上異なる場合に行う積立金の名称変更を除く。)を、抱合せ株式等の会
計処理(第 84-2 項参照)を除き、そのまま引き継ぐことができる。当該取扱いは、
吸収合併消滅会社の適正な帳簿価額による株主資本の額がマイナスとなる場合も
様である。
また、吸収合併の手続とともに、株主資本の計数の変動手続会社法第 447 条から
452 条)が行われ、その効力が合併期日に生じる場合には、合併期日において、
社の意思決定機関で定められた結果に従い株主資本の計数を変動させることができ
る。なお、株主資本の計数の変動に際しては資本剰余金と利益剰余金の混同となら
ないように留意する必要がある(自己株式等会計基準第 19 )。
- -
60
(2) 株主資本以外の項目の引継ぎ
吸収合併存続会社は吸収合併消滅会社の合併期日の前日の評価換算差額等及び新
株予約権の適正な帳簿価額を引継ぐ。したがって例えば、収合併消滅会社のその
他有価証券評価差額金や土地再評価差額金の適正な帳簿価額もそのまま継ぐこと
になる。
(自己株式を処分した場合の会計処理)
186. 収合併存続会社(共同支配企業)は、合併期日の前日における吸収合併消滅会社の純
資産の部の各項目をのように処理する。なお、抱合せ株式等がある場合には、 84-3
項に準じて処理する。
(1) 株主資本項目の取扱いにおける原則的な会計処理
吸収合併消滅会社の合併期日の前日の適正な帳簿価額による株主資本の額から処分
した自己株式の帳簿価額を控除した額を払込資本の増加(当該差額がマイナスとなる場
合にはその他資本剰余金の減少)として会計処理する。
(2) 株主資本項目の取扱いにおける認められる会計処理
吸収合併消滅会社の合併期日の前日の株主資本の構成をそのまま引き継ぎ処分した
自己株式の帳簿価額をその他資本剰余金から控除する(第 410 項参照)
なお、株主資本以外の項目については、前項(2)に準じて会計処理する。
吸収合併存続会社(共同支配企業)のその他の会計処理
187. 収合併存続会社(共同支配企業)の個別財務諸表におけるその他の会計処理は、逆取
得となる吸収合併の会計処理(第 84-4 項から第 84-7 項参照)に準じて会計処理する。
結合当事企業の中に一般投資企業が含まれている場合の取扱い
188. る企業結合が共同支配企業の形成と判定された場合において、吸収合併消滅会社の株
主の中に一般投資企業(第 176 項参照)が含まれているときは、共同支配企業が一般投
企業から取得した事業(資産及び負債)に対して、パーチェス法を適用する。
(2)合併会社の株主(共同支配投資企業)の会計処理
個別財務諸表上の会計処理
189. ある企業の子会社と他の企業との吸収合併が共同支配企業の形成と判定された場合の合
併会社の株主(合併前の親会社)の個別財務諸表上の会計処理は、次のように行う。
(1) 当該子会社が吸収合併存続会社(結合企業)の場合
当該子会社株式の適正な帳簿価額を、そのまま共同支配企業株式へ振替処理する。
(2) 当該子会社が吸収合併消滅会社(被結合企業)の場合
結合後企業の株式(共同支配企業株式)の取得原価は、引き換えられた被結合企業の
- -
61
株式(子会社株式)に係る移転直前の適正な帳簿価額に基づいて算定する。したがって、
合併会社の株主の個別財務諸表上、交換損益は認識されない
連結財務諸表上の会計処理
190. 結財務諸表上、これまで連結していた子会社については、共同支配企業の形成時点の
持分法による投資評価額にて共同支配企業株式へ振替処理し、持分法を適用する(企業結
合会計基準第 39 (2))(第 431 項から第 433 項参照)。[設例 18]
(3)合併会社の株主(一般投資企業)の会計処理
191. 合併会社の株主のうち、一般投資企業(第 176 項参照)の共同支配企業の形成時(企業
結合時)の会計処理は、結合当事企業の株主の会計処理に従う。
4.共同支配企業の形成と判定された会社分割(吸収分割又は共同新設分
割)の会計処理
(1)吸収分割承継会社等(共同支配企業)の会計処理
資産及び負債の会計処理
192. 同支配企業の形成にあたり、吸収分割承継会社等(共同支配企業)は、移転された資
産及び負債を分割期日の前日における適正な帳簿価額により計上する(企業結合会計基準
38 項)(第 407 項参照)。[設例 19
増加資本の会計処理
(新株を発行した場合の会計処理)
193. 収分割承継会社等(共同支配企業)は、移転された資産及び負債の差額を次のように
会計処理する( 409 項参照)。
(1) 移転事業に係る株主資本相当額の取扱い
移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)払込資(資本金又は資本剰
余金)として処理する。増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はそ
他資本剰余金)は、会社法の規定に基づき決定する。
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスとなる場合には、払込資本をゼロと
し、その他利益剰余金のマイナスとして処理する。
(2) 移転事業に係る評価・換算差額等の取扱い
移転事業に係る評価・換算差額等(第 87 (1)②参照)については、吸収分割会社
の移転直前の適正な帳簿価額をそのまま引き継ぐ。
したがって、移転された事業にその他有価証券や土地再評価法に基づき再評価した土
地が含まれ、吸収分割会社等が当該その他有価証券や土地を時価又は再評価額をもっ
分割期日の前日の貸借対照表価額としている場合には、吸収分割承継会社等は、分割
- -
62
日の前日のその他有価証券及び土地の貸借対照表価額並びにその他有価証券評価差額
金及び土地再評価差額金もそのまま引き継ぐことになる。
(自己株式を処分した場合の会計処理)
193-2. 会社分割の対価として吸収分割承継会社等が自己株式を処分した場合には、第 186
(1)に準じて会計処理する。
吸収分割承継会社等(共同支配企業)のその他の会計処理
194. 収分割承継会社等(共同支配企業)の個別財務諸表におけるその他の会計処理は、逆
取得となる吸収分割又は現物出の会計処理 87 項なお書き及び 87-2 項から 87-4
項参照)に準じて会計処理する
投資企業の中に一般投資企業が含まれている場合の取扱い
195. る企業結合が共同支配企業の形成と判定された場合において、吸収分割会社等の中に
一般投資企業( 176 項参照)が含まれているときは、共同支配企業が一般投資企業から
取得した事業(資産及び負債)に対して、パーチェス法を適用する。
(2)吸収分割会社等(共同支配投資企業)の会計処理
個別財務諸表上の会計処理
196. 収分割会社等(共同支配投資企業)は、移転した事業に係る株主資本相当額に基づい
て吸収分割承継会社等に対する投資(共同支配企業株式)の取得原価を算定することとさ
れている(企業結合会計基準 39 (1))。
具体的には、吸収分割会社等が受け入れる共同支配企業株式の取得原価は、移転事業に
係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)から移転事業に係る繰延税金資産及び繰延税金
負債を控除する(第 108 (2)参照)ことに留意する必要がある。
なお、当該金額がマイナスとなる場合は、当該マイナスの金額を「組織再編により生じ
た株式の特別勘定」等、適切な科目により負債に計上する。
連結財務諸表上の会計処理
197. 収分割会社等(共同支配投資企業)は、共同支配企業の形成にあたり事業を移転した
場合には、共同支配企業に対する投資について持分法を適用する(企業結合会計基準 39
(2))(第 431 項から第 433 項参照)。[設例 19]
共同支配投資企業の子会社が共同支配企業に投資している場合の会計処理
198. る吸収分割会社等(共同支配投資企業)の子会社が、同一の吸収分割承継会社等(共
同支配企業)に投資している場合には、当該子会社も共同支配投資企業とみなし、第 196
- -
63
項及び第 197 項に準じて会計処理する(第 434 項参照)。
(3)吸収分割会社等(一般投資企業)の会計処理
199. 吸収分割会社等のうち一般投資企業(第 176 項参照)の共同支配企業の形成時(事業移
転時)の会計処理は、分離先企業における企業結合が取得とされたときの分離元企業の会
計処理に準じる(第 100 項から第 103 項参照)
.共通支配下の取引等の会計処理
1.共通支配下の取引等の会計処理の概要
200. 業集団内における組織再編の会計処理には、共通支配下の取引と非支配株主との取引
(以下合わせて「共通支配下の取引等」という。)がある。
共通支配下の取引は、親会社の立場からは内部取引と考えられるため個別財務諸表上
事業の移転元の適正な帳簿価額を基礎として会計処理され、連結財務諸表上は、すべて消
去されることになる。
また、非支配株主との取引は、親会社が子会社を株式交換により完全子会社とする場合
など、親会社が非支配株主から子会社株式を追加取得する取引等に適用される。
なお、非支配株主との取引の個別財務諸表上の会計処理は、企業集団の最上位に位置す
る会社(以下「最上位の親会社」という。)が非支配株主から子会社株式を追加取得する
取引等に適用される。最上位の親会社以外の親会社が非支配株主から子会社株式を追加取
得する取引等には、第 203 項以下に定める処理が適用される。
本適用指針では、組織再編の形式が異なっていても、組織再編後の経済的実態が同じで
あれば、連結財務諸表上(合併の場合には個別財務諸表上)も同じ結果が得られるように
会計処理を定めている(第 437 項参照)。
2.共通支配下の取引の範囲
201. 通支配下の取引とは、親会社と子会社との合併や親会社の支配下にある子会社同士の
合併など、「結合当事企業(又は事業)のすべてが、企業結合の前後で同一の株主により
最終的に支配され、かつ、その支配が一時的ではない場合の企業結合をいう」(企業結合
会計基準第 16 とされている。なお、支配の主体である「同一の株主」に企業に限定
されず、個人も含まれる[設例 23]
また、投資会社とその関連会社との企業結合は、共通支配下の取引には該当しない(第
435 項参照)。
202. 「同一の株主」により支配されている会社の判定にあたっては、ある株主と緊密な者(自
己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と
同一の内容の議決権を行使すると認められる者をいう。)及び同意している者(自己の意
- -
64
思と同一の議決権を行使することに同意している者をいう。)が保有する議決権を合わせ
て、結合当事企業(又は事業)のすべてが、企業結合の前後で同一の株主により最終的に
支配されているかを実質的に判定する。この支配の判定は、企業会計基準適用指針第 22
号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」に準じて
行う(第 436 項参照)
3.共通支配下の取引等に係る対価
(1)本適用指針における共通支配下の取引等に係る対価の前
203. 適用指針では、共通支配下の取引等に係る会計処理の定めの記載の簡略化のため、組
織再編の対価について、特に断りのない限り、次の前提をおくこととする
(1) 組織再編の形式が合併、会社分割(分割型の会社分割を含む株式交換及び株式移
転の場合の対価は、特に断りのない限り、結合企業の時価のある株式(新株の発行
みとする。
なお、自己株式を処分した場合で、自己株式の処分の対価を、時価を基礎として会計
処理するとき自己株式を非支配株主に交付するとき)は、取得の会計処理における該
当する組織再編の形式に係る会計処理(例えば、第 80 項参照)に準じて処理する。ま
た、適正な帳簿価額を基礎として会計処理する場合において、払込資本とする処理を適
用するときは、自己株式の帳簿価額を控除した額を払込資本として処理し、吸収合併消
滅会社の株主資本をそのまま引継ぐ処理又は分割型の会社分割において株主資本
の内訳を適切に配分した額をもって計上する処理を適用するときは、自己株式の帳簿価
額をその他資本剰余金から控除して会計処理する。
このほか、結合企業の時価のある株式以外の財を交付した場合であって、それを非支
株主に交付したことにより、時価を算定する必要がある場合には、追加取得する子会
社株式又は事業の取得原価は、当該株式又は事業の時価と、その取得の対価となる財の
時価のうち、より高い信頼性をもって測定可能な時価で算定することとなる(企業結合
会計基準第 45 項)
(2) 組織再編の形式が事業譲渡の場合の対価は、現金等の財産(第 95 参照)とする。
(2)完全親子会社関係にある組織再編において対価が支払われない場合の会計処理
203-2組織再編の対価が支払われない場合であっても、以下の組織再編の形式であって、結合
当事企業のすべてが同一の株主に株式のすべてを直接又は間接保有されているとき(完全
親子会社関係にあるとき)は、結合当事企業は、次のように処理する(第 437-2 及び第
437-3 )。
(1) 合併の場合(子会社と他の子会社との合併の場合)
吸収合併存続会社の株主資本項目については合併が共同支配企業の形成と判定され
た場合における「認められる会計処理」(第 185 (1)②参照)準じて処理する。増加
- -
65
すべき払込資本の内訳項目は、会社法の規定に基づき決定する。
なお、結合当事企業の株主(親会社)は、吸収合併消滅会社の株式の帳簿価額を吸収
合併存続会社の株式の帳簿価額に加算する。
(2) 会社分割の場合
親会社の事業を子会社に移転する場合
吸収分割会社である親会社は、 233 項に準じて会計処理を行い株主資本の額
を変動させる(第 446 項参照)
吸収分割承継会社である子会社は、親会社で変動させた株主資本の額を、会社法
の規定に基づき計上する(第 234 項参照)
なお、親会社の株主は会計処理を要しない。
子会社の事業を他の子会社に移転する場合
吸収分割会社である子会社は 255 項に準じて会計処理を行い、株主資本の額
を変動させる(第 446 項参照)
吸収分割承継会社である他の子会社は、吸収分割会社である子会社で変動させた
株主資本の額を、会社法の規定に基づき計上する(第 256 項参照)
なお、吸収分割承継会社である他の子会社が分割期日に吸収分割会社である子会
社の株式を保有している場合には、当該吸収分割後の吸収分割会社の財務内容等を
勘案して、期末において、当該吸収分割会社の株式の帳簿価額について、相当の減
額の要否を検討することとなる
また、吸収分割会社の株(親会社)は、受け取る吸収分割承継会社の株式とこ
れまで保有していた吸収分割会社の株式実質的に引き換えられたものとみなし
(第 295 項参照)、分割型の会社分割における吸収分割会社等の株に係る会計処
(第 294 項参照)に準じ処理する。
子会社の事業を親会社に移転する場合
吸収分割承継会社である親会社は、子会社が親会社に分割型の会社分割により事
業を移転する場合の親会社の会計処理(第 218 項から第 220 項参照)に準じて処理
する。ただし、移転する事業に子会社株式(親会社からみて孫会社株式)や関連会
社株式が含まれている場合には、親会社は、当該子会社株式等の受入れについて、
子会社が他の子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の株主(親会
社)の会計処理(第 257 項参照)に準じて処理する。
吸収分割会社である子会社は、子会社が親会社に分割型の会社分割により事業を
移転する場合の子会社の会計処理(第 221 項参照)に準じて処理する。
4.本適用指針で取り扱う共通支配下の取引等の組織再編の形式ごとの
会計処理
204. 適用指針では、共通支配下の取引等として、次の組織再編を取り上げ、それぞれの会
- -
66
計処理を定める
(1) 親会社と子会社との組織再編
吸収合併(親会社(存続会社)子会社(消滅会社)(第 205 項から第 208 項参照)
吸収合併(親会社(消滅会社、子会社(存続会社)(第 209 項から第 213 項参照)
会社分割(子会社の事業を親会社に移転する場合)(第 214 項から第 217 項参照)
分割型の会社分割(子会社の事業を親会社に移転する場合)(第 218 項から第 222
項参照)
事業譲渡(親会社の事業を子会社に移転する場合)(第 223 項から第 225 項参照)
会社分割(親会社の事業を子会社に移転する場合)
(対価:吸収分割承継会社の株式のみの場合(第 226 項から第 229 項参照)
会社分割(親会社の事業を子会社に移転する場合)
(対価吸収分割承継会社の株式と現金等の財産からなる場合)(第 230 項から第 232
項参照)
分割型の会社分割(親会社の事業を子会社に移転する場合)(第 233 項から第 235
項参照)
株式交換(親会社(完全親会社)、子会社(完全子会社)(第 236 項から第 238-3
項参照)
株式移転(親会社と子会社が共同で完全親会社を設立する場合)(第 239 項から第
241-3 項参照)
(2) 子会社間の組織再編
吸収合併(同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併)
(対価:現金等の財産のみである場合)(第 242 項から第 245 項参照)
吸収合併(同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併)
(対価:吸収合併存続会社の株式のみである場合)(第 246 項から第 249 項参照)
吸収合併(同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併)
(対価:吸収合併存続会社の株式と現金等の財産からなる場合)(第 250 項から第
253 項参照)
吸収合併(同一の株主(個人)により支配されている企業同士の合併) 254
参照)
会社分割(ある子会社から他の子会社に事業を移転する場合)(第 254-2 項から第
254-4 項参照)
分割型の会社分割(ある子会社から他の子会社に事業を移転する場合(第 255
から第 257 項参照)
(3) 企業集団内における組織再編のうち、企業結合に該当しない取引
単独株式移転による完全親会社の設立(第
258 項及び第 259 項参照)
単独新設分割による子会社の設立(第 260 項から第 262 項参照)
- -
67
なお、本適用指針では、共通支配下の取引等ではないが、単独で行われる分割型の会社
分割における新設分割会社の会計処理(第 263 項参照)及び新設分割設立会社の会計処理
(第 264 項参照)についても定めている。
5.親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
子会社(吸収合併消滅会社)の会計処理
205. 会社は、合併期日の前日に決算を行い、資産、負債及び純資産の適正な帳簿価額を算
定する。
親会社(吸収合併存続会社)の会計処理
206. 親会社の個別財務諸表上の会計処理は次のように行う(第 438 項参照)。[設例 20]
(1) 資産及び負債の会計処理
親会社が子会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 により
合併期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上する。[設例 35]
(2) 増加すべき株資本の会計処理
株主資本の取扱い
親会社は、子会社から受け入れた資産と負債との差額のうち株主資本の額を合併
日直前の持分比率に基づき、親会社持分相当額と非支配株主持分相当額に按分し
れぞれ次のように処理する。
親会社持分相当額の会計処
親会社が合併直前に保有していた子会社株式(抱合せ株式)の適正な帳簿価額と
の差額を、特別損益に計上する
非支配株主持分相当額の会計処理
非支配株主持分相当額と、取得の対価(非支配株主に交付した親会社株式の時価)
(第 37 項から第 47 項参照)との差額をその他資本剰余金とする。合併により増
する親会社の株主資本の額は払込資本とし、 79 項から第 82 項に準じて会計処
理する。
株主資本以外の項目の取扱い
親会社は子会社の合併期日の前日の評価換算差額等(親会社が作成する連結財
諸表において投資と資本の消去の対象とされたものを除く。)及び新株予約権の適正
な帳簿価額を引継ぐ。したがって、例えば、子会社のその他有価証券評価差額金
土地再評価差額金の適正な帳簿価額のうち支配獲得後に当該子会社が計上したもの
をそのまま引き継ぐことになる
(3) 中間子会社に対価の支払を行う場合の取扱い
(2)において、子会社(吸収合併消滅会社)の株式を保有する親会社(吸収合併存続
- -
68
会社)の他の子会社(中間子会社)に合併の対価を交付する場合には、子会社から受
入れた資産と負債の差額のうち株主資本の額に合併期日の前日の持分比率を乗じて中
間子会社持分相当額を算定し、その額を払込資本資本金又は資本剰余金)として処理
する。増加すべき払込資本の内訳項(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、
会社法の規定に基づき決定する(第 408 項参照)
なお、この場合、中間子会社が、子会社(吸収合併消滅会社)の株式と引き換えに
け入れた親会社株式の取得原価は、当該子会社株式の適正な帳簿価額により算定する
(4) 子会社と孫会社との合併の場合(子会社が吸収合併存続会社となる場合)
(1)から(3)(ただし、(2)イ(非支配株主持分相当額の会計処理を除く。)は、
会社を吸収合併存続会社としたその子会社(以下「孫会社」という。)との合併(子会
社と孫会社との合併)についても、同様に適用する(第 438-2 項参照)
この場合、子会社が孫会社株式を非支配株主から追加取得する取引については、(2)
①イの非支配株主持分相当額は、(3)の中間子会社持分相当額に準じて処理する。[設例
29-5]
(親会社が子会社から受け入れる資産及び負債の修正処理)
207. 会社と子会社が合併する場合には、親会社の個別財務諸表では、原則として、子会社
の適正な帳簿価額により資産及び負債を受け入れるが(前項(1)参照)親会社が作成する
連結財務諸表において、当該子会社の資産及び負債の帳簿価額を修正しているときは、個
別財務諸表上も、連結財務諸表上の金額である修正後の帳簿価額(のれんを含む。)によ
り計上する(企業結合会計基準( 9))。
当該取扱いは、子会社とその子会社との合併(例えば、子会社と孫会社との合併)につ
いても適用し、この場合の連結財務諸表上の帳簿価額とは、子会社にとっての連結財務諸
表上の帳簿価額をいう。[設例 29-5
子会社の資産及び負債の帳簿価額を修正しているときの具体例及びその会計処理は、次
のとおりである(第 439 項参照)
(1) 連結精算表上のみの修正事項[設例 20
資本連結にあたり子会社の資産及び負債を時価評価している場合には、親会社の個別
財務諸表上、時価評価後の金額により受け入れる。また連結財務諸表上、子会社株式
の取得に係るのれんの未償却残高が計上されている場合には親会社の個別財務諸表上
も当該金額をのれんとして引き継ぐ。
なお、親会社が株式の取得により、ある会社を子会社化し、当該子会社をその直後
合併した場合には、親会社は、当該子会社を連結子会社とした連結財務諸表を作成して
いないことが考えられる。このような親会社と子会社の合併は、株式の取得と合併が一
体の取引と考えられるので、親会社の個別財務諸表上は、合併期日において当該子会
を連結子会社とした場合の連結財務諸表上の帳簿価額(支配獲得時点における時価評
- -
69
替後の帳簿価額をいい、当該子会社に対するのれん(又は負ののれん)の額を含む。
により資産及び負債を引き継ぐことになる。なお、子会社が他の会社の株式を取得して
子会社(親会社からみて孫会社)とし、その直後に子会社が孫会社を吸収合併した場合
も同様に処理する。
(2) 未実現損益に関する修正事項[設例 21
連結財務諸表の作成にあたり、子会社の資産又は負債に含まれる未実現損益(親会社
の個別財務諸表上、損益に計上された額に限る。)を消去している場合には、親会社の
個別財務諸表上も、未実現損益消去後の金額で当該資産又は負債を受入れる。親会社
の個別財務諸表上、当該修正に伴う差額は、特別損益に計上する。
ただし、実務上の観点から、企業結合後、短期間に第三者に処分される見込みの棚
資産に係る未実現損益や金額的重要性が低いものについては未実現損益の消去をせず、
子会社の適正な帳簿価額をそのまま受け入れることができる
(連結財務諸表上の帳簿価額が算定されていない場合の取扱い)
207-2親会社(子会社とその子会社との合併の場合における子会社を含む。が、連結財務諸
表を作成していないことにより「連結財務諸表上の帳簿価額が算定されていない場合で
あっても、「連結財務諸表上の帳簿価額」を合理的に算定できるときには当該帳簿価額を用
いることとし、連結財務諸表上の帳簿価額」を合理的に算定することが困難と認められる
ときは、子会社の適正な帳簿価額を用いることとする。
なお、親会社が他の会社の株式を取得して子会社化した直後に合併した場合(子会社が
他の会社の株式を取得して子会社(親会社からみて孫会社)とし、その直後に子会社が孫
会社を吸収合併した場合も含むは、通常、連結財務諸表上の帳簿価額を合理的に算定で
きる場合に該当するものと考えられる。
(2)連結財務諸表上の会計処理
208. 吸収合併が行われた後も親会社が連結財務諸表を作成する場合には、 206 (2)①アの
損益は連結財務諸表上、過年度に認識済みの損益となるため、相殺消去する。子会社とそ
の子会社との合併(子会社と孫会社の合併)においても、当該取扱いに準じて処理する。
[設例 20
6.子会社が親会社を吸収合併する場合の会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(吸収合併消滅会社)の会計処理
209. 会社は、合併期日の前日に決算を行い、資産、負債及び純資産の適正な帳簿価額を算
定する。
- -
70
子会社(吸収合併存続会社)の会計処理
210. 会社が吸収合併存続会社となり、親会社が吸収合併消滅会社となる合併は、共通支配
下の取引に該当するため、子会社の個別財務諸表上の会計処理は次のように行う(第 440
項参照)。[設 22
(1) 資産及び負債の会計処理
子会社が親会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 項により、
合併期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上する子会社は、親会社が所有し
ていた子会社株式を自己株式として株主資本から控除する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
移転された資産及び負債の差額は、純資産として処理する(企業結合会計基準第 42
項)具体的には、 84 (逆取得となる吸収合併の会計処理)に準じて会計処理す
(第 408 項参照)
(子会社が親会社から受け入れる資産及び負債の修正処理)
211. 会社(吸収合併存続会社)が親会社(吸収合併消滅会社)と合併する場合には、子会
社の個別財務諸表上、原則として、親会社の適正な帳簿価額により資産及び負債を受け入
る(前項(1)参照)が、該合併前に子会社が親会社に資産等を売却しており、当該取引
から生じた未実現損益を連結財務諸表上、消去しているときは、子会社の個別財務諸表上、
連結財務諸表上の金額である修正後の帳簿価額により親会社の資産及び負債を受け入れる
(第 439 項参照)
ただし、実務上の観点から、企業結合後、短期間に第三者に処分される見込みの棚卸資
産に係る未実現損益や金額的重要性が低いものについては、未実現損益を消去せず、親会
社の適正な帳簿価額をそのまま受け入れることができる。
なお、合併前に親会社が連結財務諸表を作成していない場合には、「連結財務諸表上の
帳簿価額」に代えて、親会社の適正な帳簿価額を用いることができる。
(2)連結財務諸表上の会計処理
212. 収合併が行われた後に子会社が連結財務諸表を作成する場合には、子会社の個別財務
諸表における処理を振り戻し、親会社が子会社の非支配株主から株式を取得したものとし
た会計処理を行う。[設例 22
具体的には、時価評価替後の資産及び負債を連結財務諸表上の帳簿価額として受け入れ、
また、合併に際し子会社が受け入れた自己株式とそれに対する増加すべき株主資本は内部
取引として消去する。子会社の非支配株主が保有していた子会社株式は、当該合併に際し
て、親会社株式との交換はないものの、連結財務諸表上、親会社株式との交換があったも
のとみなして、時価を基礎として取得原価を算定する(第 441 項参照)
なお、連結財務諸表上の資本金は、吸収合併存続会社(子会社)の資本金とし、これと
- -
71
合併直前の連結財務諸表上の資本金(親会社の資本金)が異なる場合には、その差額を資
本剰余金に振り替える。
子会社が連結財務諸表を作成しない場合の注記事項の算定基礎
213. 収合併が行われた後に、子会社が連結財務諸表を作成しない場合は、前項に準じて算
定された額を基礎として、親会社が吸収合併存続会社であるとみなした場合の個別貸借対
照表及び個別損益計算書に及ぼす影響の概算額を注記する(第 441 項参照)
7.子会社が親会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
(会社分割の対価が親会社株式のみの場合
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(吸収分割承継会社)の会計処理
214. 親会社の個別財務諸表上の会計処理は次のように行う(第 442 項参照)。[設例 24
(1) 資産及び負債の会計処理
親会社が子会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 項により、
分割期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
移転事業に係る評価・換算差額等(第 87 (1)②参照)(親会社が作成する連結財
諸表において投資と資本の消去の対象とされたものを除く。)を引き継ぐとともに、移
転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)は払込資本(資本金又は資本剰余金)
として処理する増加すべき払込資本の内訳項目(資本金資本準備金又はその他資本
剰余金)は、会社法の規定に基づき決定する(第 409 項参照)
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスとなる場合には、払込資本をゼロと
し、その他利益剰余金のマイナスとして処理する(第 445 項参照)
(3) 企業結合(会社分割)に要した支出額の会計処理
企業結合(会社分割)に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会計処理する。
(親会社が子会社から受け入れる資産及び負債の修正処理)
215. 会社が子会社(吸収分割会社)から受け入れる資産及び負債は、原則として適正な帳
簿価額により計上することになるが(第 214 (1)参照)親会社が作成する連結財務諸表
において、当該移転事業に係る資産及び負債の帳簿価額を修正しているときは、第 207
及び第 207-2 項に準じて会計処理する。また、個別財務諸表上も、連結財務諸表上の金額
である修正後の帳簿価額(のれんを含む。)により資産及び負債を受け入れる。
子会社(吸収分割会社)の会計処理
216. 子会社が受け入れ親会社株式の取得原価は企業結合会計基準第 43 により、移転事
業に係る株主資本相当額に基づいて算定する
- -
72
具体的には、親会社が子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理(会社分
割の対価が子会社株式のみの場合)の親会社の会計処理( 226 項参照)に準じて処理す
る。
また、事業分離(会社分割に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会計処
理する。
(2)連結財務諸表上の会計処理
217. 連結財務諸表上の会計処理は、次のように行う(第 442 項参照)。[設例 24
(1) 内部取引の消
子会社が会社分割の対価として受け入れた親会社株式のうち、分割期日の前日におけ
る親会社持分相当額とこれに対応する親会社の払込資本の増加額は、企業結合会計基
44 により、内部取引として消去する。
(2) 親会社株式のうち非支配株主持分相当額の振替処理
子会社が受け入れた親会社株式のうち分割期日の前日における非支配株主持分相当
額は、自己株式等会計基準第 15 項に従い非支配株主持分から控除する。
8.子会社が親会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の
会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(吸収分割承継会社)の会計処理
218. 親会社の個別財務諸表上の会計処理は、次のように行う(第 443 項参照)。[設 25
(1) 資産及び負債の会計処理
親会社が子会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 項により、
分割期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
親会社は、子会社から受け入れた資産と負債との差額を第 206 項に準じて会計処理す
る(第 448 項参照この場合、同項(2)①アの「子会社株式の適正な帳簿価額」は親会
社が会社分割直前に保有していた子会社株式(分割に係る抱合せ株式)の適正な帳簿
額のうち、受け入れた資産及び負債と引き換えられたものとみなされる額(次項参照)
と読み替える。
なお、当該組織再編において親会社は、子会社に対して新株を発行(又は自己株式
を処分)すると同時に子会社から当該株式を配当として受け取ることとなるため、
会社は発行した新株(又は処分した自己株式)を自己株式として保有することになる。
会計上、親会社による新株の発行(又は自己株式の処分と当該自己株式の取得は一体
の取引とみて、親会社が受け入れた自己株式の帳簿価額はゼロとする(自己株式を処分
した場合には、当該自己株式に対応する適正な帳簿価額を付す。
- -
73
(3) 中間子会社に対価の支払を行う場合の取扱い
(2)において、対価を中間子会社に交付する場合には、 206 (3)に準じて処理する。
(4) 孫会社が子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合(子会社が吸収分割承
継会社となる場合)
(1)から(3)(ただし、 206 (2) イ( 非支配株主持分相当額の会計処理)を除く。
は、子会社を吸収分割承継会社としたその子会社(孫会社)からの分割型の会社分割に
ついても、同様に適用する。
この場合、子会社が、孫会社株式を非支配株主から追加取得する取引等については、
206 (2)①イの非支配株主持分相当額は、(3)の中間子会社持分相当額に準じて処理
する。
(分割に係る抱合せ株式の適正な帳簿価額のうち、受け入れた資産及び負債と引き換えられた
ものとみなされる額の算定)
219. 割に係る抱合せ株式の適正な帳簿価額のうち、受け入れた資産及び負債と引き換えら
れたものとみなされる額は、次のいずれかの方法のうち合理的と認められる方法により算
定する(第 443 項参照)。
(1) 関連する時価の比率で按分する方法
分割された移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)の時価と会社分割直
前の子会社の株主資本の時価との比率により子会社の株式の適正な帳簿価額を按分
る。
(2) 時価総額の比率で按分する方法
会社分割直前直後の子会社の時価総額の差額を分割された事業の時価とみなし、会社
分割直前の子会社の時価総額との比率により子会社の株式の適正な帳簿価額を按分
る。
(3) 関連する帳簿価額(連結財務諸表上の帳簿価額を含む。の比率で按分する方法
分割された移転事業に係る株主資本相当額の適正な帳簿価額と会社分割直前の子
社の株主資本の適正な帳簿価額との比率により、子会社の株式の適正な帳簿価額を按
する。
(親会社が子会社から受け入れる資産及び負債の修正処理)
220. 会社が子会社から会社分割により受け入れる資産及び負債は、原則として適正な帳簿
価額により計上することになるが(第 218 項参照)、親会社が作成する連結財務諸表にお
いて、当該子会社の資産及び負債の帳簿価額を修正しているときは 207 及び第 207-2
項に準じて会計処理する。また、個別財務諸表上も、連結財務諸表上の金額である修正後
の帳簿価額(のれんを含む。)により資産及び負債を受入れる。
- -
74
子会社(吸収分割会社)の会計処理
221. 事業分離等会計基準 63 項により、分割型の会社分割は、会社分割(従来は物的分割と
もいわれた分社型の会社分割をいう。)と、これにより受け取った吸収分割承継会社の株
式の分配という 2 つの取引と考えられている。このため、次のように会計処理する。[設
25
(1) 会社分割の会計処理
吸収分割会社である子会社は、最初に第 226 項に準じた会計処理を行う。
(2) 現物配当の会計処理(株主に比例的に割当を行う場合)
次に子会社は、受け取った親会社株式吸収分割承継会社の株式)取得原価によ
株主資本を減少させる。減少させる株主資本の内訳は、取締役会等の企業の意思決定機
関において定められた結果に従(企業会計基準適用指針第 2 号「自己株式及び準備金
の額の減少等に関する会計基準の適用指針」(以下「自己株式等会計適用指針」という。
10 )。
(2)連結財務諸表上の会計処理
222. 会社が減少させた子会社株式(分割に係る抱合せ株式)の適正な帳簿価額及び発生し
た抱合せ株式消滅差額(第 218 (2)参照)は、企業結合会計基準 44 により、内部取
引として消去する。[設例 25
9.親会社が子会社に事業譲渡により事業を移転する場合の会計処理
(事業譲渡の対価が現金等の財産のみの場合)
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(事業譲渡会社)の会計処理
223. 事業譲渡会社である親会社は、事業分離等会計基準第 14 項により子会社から受け取っ
た現金等の財産(第 95 項参照)を移転前に付された適正な帳簿価額により計上し、当該価
額と移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)との差額は、原則として、移転
損益として認識する。[設例 26-1
当該取扱いは、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスとなる場合も同様である。
また、当該企業結合(事業分離)に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会
計処理する。
子会社(事業譲受会社)の会計処理
224. 事業譲受会社である子会社の個別財務諸表上の会計処理は、次のように行う。
(1) 受け入れた資産及び負債の会計処理
子会社が親会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 項により、
親会社における移転した事業に係る資産及び負債の移転直前の適正な帳簿価額により
- -
75
計上する。
また、移転事業に係る株主資本相当額と交付した現金等の財産の適正な帳簿価額と
差額は、れん(又は負ののれん)として処理するのれん(又は負ののれん)は、
72 及び 76 並びに 78 項及び資本連結実務指針 40 項に準じて会計処理する(第
448 項参照)[設 26-1
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスとなる場合にも同様に処理する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
株式を交付していないため、株資本の額は増加しない。
なお、移転事業に係る評価・換算差額等(第 87 (1)②参照)は、価が現金等の財
産のみの場合においても、引き継ぐことになる。
(3) 企業結合(事業譲受)に要した支出額の会計処理
企業結合(事業譲受に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会計処理す
る。
(2)連結財務諸表上の会計処理
225. 会社の個別財務諸表上認識された移転損益は、親会社の連結財務諸表上、連結会計基
準における未実現損益の消去に準じて処理する。[設例 26-1
10.親会社が子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
(会社分割の対価が子会社株式のみの場合
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(吸収分割会社)の会計処理
226. 親会社が会社分割により追加取得する子会社株式の取得原価は、企業結合会計基準第 43
項及び事業分離等会計基準第 19 (1)により、移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)
①参照)に基づいて算定する。したがって、当該会社分割により移転損益は生じない(第
444 項参照)。[設例 26-2] 子会社株式の取得原価の算定にあたっては、移転事業に係る
株主資本相当額から移転事業に係る繰延税金資産及び繰延税金負債を控除する(第 108
(2)参照)ことに留意する必要がある。
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスの場合には、まず、事業分離前から保
有している子会社株式の帳簿価額を充て、これを超えることとなったマイナスの金額を「組
織再編により生じた株式の特別勘定」等、適切な科目をもって負債に計上する。
また、当該企業結合(会社分割)に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会
計処理する。
子会社(吸収分割承継会社)の会計処理
227. 子会社の個別財務諸表上の会計処理は次のように行う。[設例 26-2]
- -
76
(1) 受け入れた資産及び負債の会計処理
子会社が親会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 項により、
分割期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
移転事業に係る評価・換算差額等(第 87 (1)②参照)を引き継ぐとともに、移転事
業に係る株主資本相当額は、払込資本(資本金又は資本剰余金)として処理する。増加
すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、会社法の
規定に基づき決定する(第 409 項参照)
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスとなる場合には、払込資本をゼロと
し、その他利益剰余金のマイナスとして処理する(第 445 項参照)
(3) 企業結合(会社分割)に要した支出額の会計処理
企業結合(会社分割)に要した支出額は発生時の事業年度の費用として会計処理す
る。
(子会社が親会社から受け入れる資産及び負債の修正処理)
228. 会社(吸収分割承継会社)が親会社(吸収分割会社)から会社分割により事業を受け
入れる場合には、子会社が親会社を吸収合併する場合の子会社が親会社から受け入れる資
産及び負債の修正処理(第 211 項参照)に準じて処理する。
(2)連結財務諸表上の会計処理
229. 親会社の連結財務諸表上の会計処理は次のように行う。[設例 26-2]
(1) 内部取引の消
事業の移転取引及び子会社の増資に関する取引は、企業結合会計基準 44 項により
内部取引として消去する。
(2) 親会社の持分変動による差額の計上
親会社は、事業分離等会計基準第 19 (2)により、会社分割により追加取得した子会
社に係る親会社の持分の増加額(追加取得持分)と移転した事業に係る親会社の持分の
減少額との差額を、資本剰余金に計上する。
11.親会社が子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
(会社分割の対価が子会社株式と現金等の財産の場合)
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(吸収分割会社)の会計処理
230. 親会社が子会社に事業を移転し、受取対価に子会社株式のほか、現金等の財産(第 95
参照)が含まれている場合には、のように処理する(事業分離等会計基準第 24 )。 [
26-3] [設例 26-4]
- -
77
(1) 移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照がプラスの場
取った現金等の財産の適正な帳簿価額が移転事業に係る株主資本相当額より
小さい場合
当該差額を子会社株式の取得原価とする。
取った現金等の財産の適正な帳簿価額が移転事業に係る株主資本相当額より
大きい場合
当該差額を移転利益に計上する
(2) 移転事業に係る株主資本相当額がマイナスの場合
現金等の財産の適正な帳簿価額と等しい金額については移転利益に計上しマイナス
となる移転事業に係る株主資本相当額については、まず、事業分離前から保有している
子会社株式の適正な帳簿価額を充て、これを超えることとなったマイナスの金額「組
織再編により生じた株式の特別勘定」等、適切な科目をもって負債に計上する。
子会社(吸収分割承継会社)の会計処理
231. 会社が子会社に事業を移転し、子会社が、支払対価として、自社の株式の他に現金等
の財産を交付した場合、該子会社の個別財務諸表上の会計処理は、次のように行う。[設
26-3][設例 26-4
(1) 受け入れた資産及び負債の会計処理
子会社が親会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 項により、
移転直前に付された適正な帳簿価額により計上する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
移転事業に係る評価・換算差額等(第 87 (1)②参照)については、親会社の移転直
前の適正な帳簿価額を引き継いだうえで、次のように会計処理する。
移転事業に係る株主資本相当額が交付した現金等の財産の適正な帳簿価額より大
きい場合
当該差額を払込資本の増加として処理する。増加すべき払込資本の内訳項目(資本
金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、会社法の規定に基づき決定する。
移転事業に係る株主資本相当額が交付した現金等の財産の適正な帳簿価額より小
さい場合
払込資本をゼロとし、当該差額をのれんに計上する。
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスとなる場合には払込資本をゼロと
し、当該マイナス金額をその他利益剰余金のマイナスとして処理する。また、交付した
現金等の財産の適正な帳簿価額と等しい金額をのれんに計上する。
のれんは、 72 項及び第 76 項から第 78 並びに資本連結実務指針第 40 項に準じて
会計処理する( 448 項参照)
(3) 企業結合(会社分割)に要した支出額の会計処理
- -
78
企業結合(会社分割に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会計処理す
る。
(2)連結財務諸表上の会計処理
232. 別財務諸表上認識された移転利益は、連結会計基準における未実現損益の消去に準じ
て処理する。また、子会社に係る分離元企業の持分の増加額と、移転した事業に係る分離
元企業の持分の減少額との間に生じる差額は、 229 項に準じ、資本剰余金に計上する。[
26-3][設例 26-4]
12.親会社が子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の
会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(吸収分割会社)の会計処理
233. 事業分離等会計基準 63 項により、分割型の会社分割は、会社分割(従来は物的分割と
もいわれた分社型の会社分割をいう。)と、これにより受け取った吸収分割承継会社の株
式の分配という 2 つの取引と考えられている。このため、次のように会計処理する。
(1) 会社分割の会計処理
吸収分割会社である親会社は、最初に第 226 項に準じた会計処理を行う。
(2) 現物配当の会計処理(株主に比例的に割当を行う場合)
次に親会社は、受け取った子会社株式(吸収分割承継会社の株式)の取得原価により
株主資本を変動させる。変動させる株主資本の内訳は、取締役会等の会社の意思決定機
関において定められた額(自己株式等会計適用指針第 10 項、株主資本の内訳の配分に
ついては第 446 項参照)とする。
子会社(吸収分割承継会社)の会計処理
234. 吸収分割承継会社である子会社は、個別財務諸表上、次の処理を行う。
(1) 資産及び負債の会計処理
子会社が親会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 項により、
分割期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
子会社における増加すべき株主資本は、親会社が子会社に会社分割により事業を移転
する場合の会計処理(会社分割の対価が子会社株式のみの場合における子会社の会
処理(第 227 項及び第 228 項参照)に準じて会計処理する(第 445 項参照)
ただし、受け入れた資産及び負債の対価として子会社の株式のみを交付している場合
には、親会社で計上されていた株主資本の内訳を適切に配分した額をもって計上する
とができる(第 446 項参照)。この場合、株主資本の内訳の配分額は、親会社が減少さ
- -
79
せた株主資本の内訳の額と一致させる(第 409 項参照)。
(3) 企業結合(会社分割)に要した支出額の会計処理
企業結合(会社分割)に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として処理する
(2)連結財務諸表上の会計処理
235. 会社が親会社から受け入れた事業の対価として親会社の株主に子会社株式を交付した
ことにより減少する親会社持分の金額は、連結財務諸表上の帳簿価額により非支配株主持
分に振り替えることとする。
13.親会社が子会社を株式交換完全子会社とする場合の会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(株式交換完全親会社)の会計処理
236. 親会社の個別財務諸表上の会計処理は次のように行う。[設例 27
(1) 株式交換完全子会社株式の取得原価の算定
親会社が追加取得する株式交換完全子会社株式の取得原価は企業結合会計基準 (
11)により、取得の対価(非支配株主に交付した株式交換完全親会社株式の時価)に付
随費用を加算して算定する。付随費用の取扱いについては、金融商品会計実務指針に従
う。
(2) 株式交換完全親会社の増加すべき株主資本の会計処理
株式交換により増加する株式交換完全親会社の資本は払込資本(資本金又は資本
余金)とし処理する。増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその
他資本剰余金)は、会社法の規定に基づき決定する。
親会社(株式交換完全親会社)が新株予約権付社債を承継する場合等の取扱い
(親会社(株式交換完全親会社)の会計処理
236-2.株式交換に際して、親会社が子会社の新株予約権者に新株予約権を交付する場合、又
は親会社が新株予約権付社債を承継する場合には、親会社は、株式交換完全子会社等
認識された新株予約権の消滅に伴う利益又は新株予約権付社債の承継に伴う利益の額
(税効果調整後)を加算して子会社株式の取得原価を算定する。また、親会社は株式交
換日の前日に子会社で付されていた適正な帳簿価額による新株予約権又は新株予約権
社債の額を純資産の部又は負債の部に計上す(第 404-2 項参照)
(子会社(株式交換完全子会社)の会計処理
236-3.親会社が子会社の新株予約権者に新株予約権を交付する場合、又は親会社が新株予約
権付社債を承継する場合には、子会社は、株式交換日の前日に株式交換完全子会社で
していた適正な帳簿価額による新株予約権又は新株予約権付社債の額を利益に計上す
- -
80
(第 404-2 項参照)。
中間子会社に対価を支払う場合の取扱い
236-4株式交換に際して、親会社(株式交換完全親会社)が、株式交換完全子会社以外の子
会社(中間子会社)に対価を支払う場合、親会社が中間子会社から追加取得する株式
換完全子会社株式の取得原価は、株式交換完全子会社の株式交換日の前日適正な帳簿
価額による株主資本の額に、株式交換日の前日の持分比率を乗じた中間子会社持分相当
額により算定する。また、その額を払込資本として処理する。
中間子会社が、株式交換完全子会社株式と引換え受け入れ親会社株式の取得原
価は、当該株式交換完全子会社株式の適正な帳簿価額により算定する。
子会社が孫会社を株式交換完全子会社とする場合の取扱い
236-5.子会社がその子会社(孫会社)を株式交換完全子会社とする場合、子会社が追加取得
する株式交換完全子会社株式(孫会社株式)の取得原価は、項の中間子会社に対価を
支払う場合における中間子会社持分相当額に準じて算定する。また、その額を払込資本
として処理する
(2)連結財務諸表上の会計処理
子会社株式の追加取得の会計処理(投資と資本の消去)
237. 加取得した子会社株式の取得原価と追加取得により増加する親会社の持分(追加取得
持分)又は減少する非支配株主持分の金額との差額は資本剰余金に計上する[設例 27
株式交換日が子会社の決算日以外の日である場合の取扱い
238. 式交換日が子会社の決算日以外の日である場合には、当該株式交換日の前後いずれか
の決算日(みなし取得日)に株式交換が行われたものとみなして処理することができる(連
結会計基準( 5))。この場合、 38 項の企業結合日をみなし取得日と読み替える。ただ
し、みなし取得日は、主要条件が合意されて公表された日以降としなければならない。
(3)株式交換直前に子会社(株式交換完全子会社)が自己株式を保有している場合
の取扱い
親会社(株式交換完全親会社)の会計処理
238-2.株式交換直前に子会社が自己株式を保有しており、株式交換日において、親会社が当
該自己株式(子会社株式の取得と引き換えに子会社に対して自社の株式(親会社株式
を交付した場合の親会社の会計処理は、第 236 項に準じて処理するものとする。
なお、連結財務諸表上は、最初に第 237 項に従い会計処理し、次に、第 238-3 項に従
い算定された株式交換完全子会社が保有する親会社株式の取得原価を自己株式に振り
える(第 447-3 項参照)。
- -
81
子会社(株式交換完全子会社)の会計処理
238-3.自己株式と引き換えに受け入れた親会社株式の取得原価は、親会社が付した子会社株
式の取得原価を基礎として算定する。また、親会社株式の取得原価と自己株式の帳簿
額との差額は、自己株式処分差額としてその他資本剰余金に計上する(第 447-3 項参照)
14.親会社と子会社が株式移転設立完全親会社を設立する場合の
会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(株式移転設立完全親会社)の会計処
239. 株式移転設立完全親会社の個別財務諸表上の会計処理は次のように行う。[設 28
(1) 株式移転完全子会社株式の取得原価の算定
株式移転設立完全親会社が受け入れた株式移転完全子会社の株式(旧親会社の株式と
旧子会社の株式)の取得原価は、それぞれ次のように算定する。
株式移転完全子会社株式(旧親会社の株式)
原則的な取扱
株式移転完全子会社株式(旧親会社の株式)の取得原価は、株式移転完全子会社
(旧親会社)の株式移転日の前日における適正な帳簿価額によ株主資本の額に基
づいて算定する
簡便的な取扱
株式移転完全子会社(旧親会社)の 株式移転日の前日における適正な帳簿価額に
よる株主資本の額と、直前の決算日において算定された当該金額との間に重要な差
異がないと認められる場合には株式移転設立完全親会社が受け入れる子会社株式
旧親会社の株式)の取得原価は、第 121 (1)②と同様に、株式移転完全子会
(旧親会社)の直前の決算日に算定された適正な帳簿価額による株主資本の額によ
り算定することができる(第 404-3 項参照)。
株式移転完全子会社株式(旧子会社の株式)
株式移転完全子会社株式(旧子会社の株式)の取得原価は、株式移転完全子会社(旧
子会社)の株式移転日の前日における持分比率に基づき、旧親会社持分相当額と非支
配株主持分相当額に区分し、次の合計額として算定する。
旧親会社持分相当額については、株式移転完全子会社旧子会社)の株式移転日
の前日における適正な帳簿価額による株主資本の額に基づいて算定する。
非支配株主持分相当額については、企業結合会計基準第 45 項により、取得の
価(旧子会社の非支配株主に交付した株式移転設立完全親会社の株式の時価相当
額)に付随費用を加算して算定する。付随費用の取扱いについては金融商品会計
務指針に従う。株式移転設立完全親会社の株式の時価相当額は、株式移転完全子会
- -
82
(旧子会社)の株主が株式移転設立完全親会社に対する実際の議決権比率と同じ
比率を保有するのに必要な株式移転完全子会社(旧親会社)の株式の数を、株式
転完全子会社(旧親会社)が交付したものとみなして算定する。
なお、株式移転設立完全親会社は、受け入れた株式移転完全子会社(旧子会社)以外
の子会社(中間子会社)が有していた株式移転完全子会社株式(旧子会社の株式)の取
得原価についても、旧親会社持分相当額(②ア参照)に準じて算定することとなる。
(2) 株式移転設立完全親会社の増加すべき株主資本の会計処理
株式移転設立完全親会社の増加すべき株主資本は、込資本(資本金又は資本剰余金)
として処理する。増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本
剰余金)は、会社法の規定に基づき決定する
親会社(株式移転設立完全親会社)が新株予約権付社債を承継する場合等の取扱い
(親会社(株式移転設立完全親会社)の会計処理)
239-2.株式移転に際して、株式移転設立完全親会社が株式移転完全子会社(旧親会社又は旧
子会社)の新株予約権者に新株予約権を交付する場合、又は株式移転設立完全親会社
新株予約権付社債を承継する場合には、株式移転設立完全親会社は、株式移転完全子
社の株式(旧親会社の株式と旧子会社の株式の取得原価を次のように算定する(第 404-2
項参照)。
(1) 株式移転完全子会社株式(旧親会社の株式)
原則的な取扱い(第 239 (1)①ア参照)
株式移転完全子会社(旧親会社)の適正な帳簿価額による株主資本の額に、株式
移転完全子会社(旧親会社)で認識された新株予約権の消滅に伴う利益又は新株予
約権付社債の承継に伴う利益の額(税効果調整後)を加算して子会社株式(旧親会
社の株式)の取得原価を算定する。また、株式移転設立完全親会社は、株式移転日
の前日の株式移転完全子会社で付されていた適正な帳簿価額による新株予約権又は
新株予約権付社債の額を純資産の部又は負債の部に計上する
簡便的な取扱い(第 239 (1)①イ参照)
前項(1)①イにより子会社株(旧親会社の株式の取得原価を算定する場合であ
っても、株式移転完全子会社(旧親会社)で認識された新株予約権の消滅に伴う利
益又は新株予約権付社債の承継に伴う利益の額(税効果調整後)を、株式移転完全
子会社(旧親会社)の直前の決算日に算定された適正な帳簿価額による株主資本の
額に加算する。
(2) 株式移転完全子会社株式(旧子会社の株式)
株式移転設立完全親会社は、株式移転日の前日に株式移転完全子会社(旧子会社)
が付していた適正な帳簿価額による新株予約権又は新株予約権付社債の額を子会社
株式(旧子会社の株式)の取得原価に加算する。また式移転設立完全親会社は、
- -
83
株式移転完全子会社(旧子会社)の株式移転日の前日の適正な帳簿価額による新株
予約権又は新株予約権付社債の額を純資産の部又は負債の部に計上する。
(子会社(株式移転完全子会社)の会計処理
239-3.株式移転に際して、株式移転設立完全親会社が株式移転完全子会社(旧親会社又は旧
子会社)の新株予約権者に新株予約権を交付する場合、又は株式移転設立完全親会社
新株予約権付社債を承継する場合には、株式移転完全子会社(旧親会社又は旧子会社
は株式移転日の前日に付していた適正な帳簿価額による新株予約権又は新株予約権付
債の額を利益に計上する(第 404-2 項参照)。
子会社(旧親会社である株式移転完全子会社)の会計処理
239-4.株式移転に際して、株式移転完全子会社(旧親会社)が、株式移転完全子会社(旧子
会社)の株式と引き換えに受け入れた株式移転設立完全親会社株式の取得原価は、株式
移転完全子会社(旧子会社)株式の株式移転直前の適正な帳簿価額により計上する。[
28]
(2)連結財務諸表上の会計処理
240. 結財務諸表上の会計処理は、次のように行う。なお、取得関連費用については費用と
して処理する。[設例 28
(1) 投資と資本の消去
株式移転完全子会社(旧親会社)への投資
株式移転完全子会社(旧親会社)の株式の取得原価と株式移転完全子会社(旧親会
社)の株主資本を相殺する。
株式移転完全子会社(旧子会社)への投資
企業結合会計基準第 46 項により、株式移転完全子会社(旧子会社)の株式の取得
原価と株式移転完全子会社(旧子会社の株主資本を相殺し消去差額は資本剰余金
に計上する。
なお、追加取得持分は、企業結合会計基準第 46 項並びに連結会計基準第 28 項及び
( 8)に従って算定する
(2) 連結上の自己株式への振替
株式移転完全子会社(旧親会社)が株式移転完全子会社(旧子会社の株式との交換
により受け入れた株式移転設立完全親会社株式は、連結財務諸表上、自己株式に振り替
える。
(3) 株主資本項目の調整
株式移転設立完全親会社の株主資本の額は、株式移転直前の連結財務諸表上の株主資
本項目に非支配株主との取引により増加した払込資本の額を加算する
- -
84
株式移転日が子会社の決算日以外の日である場合の取扱い
241. 238 項(株式交換におけるみなし取得日)と同様に取り扱うこととする。
(3)株式移転直前に子会社(株式移転完全子会社)が自己株式を保有している場合
の取扱い
親会社(株式移転設立完全親会社)の会計処
241-2.株式移転直前に子会社が自己株式を保有している場合の親会社の会計処理は、株式交
換直前に子会社が自己株式を保有している場合の親会社の会計処理(第 238-2 項参照)
に準じて処理する。
子会社(株式移転完全子会社)の会計処理
241-3.株式移転直前に子会社が自己株式を保有している場合の子会社の会計処理は、株式交
換直前に子会社が自己株式を保有している場合の子会社の会計処理(第 238-3 参照)
に準じて処理する。
15.同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併の
会計処理(合併対価が現金等の財産のみである場合)
(1)個別財務諸表上の会計処理
吸収合併消滅会社の会計処理
242. 収合併消滅会社である子会社は、合併期日の前日に決算を行い、資産及び負債の適正
な帳簿価額を算定する(企業結合会計基準 41 項)。[設例 29-1]
吸収合併存続会社の会計処理
243. 吸収合併存続会社である子会社は、次の処理を行う。
(1) 受け入れた資産及び負債の会計処理
吸収合併存続会社である子会社が吸収合併消滅会社であ子会社から受入れる資
産及び負債は、企業結合会計基準第 41 により、合併期日の前日に付された適正な帳
簿価額により計上し、吸収合併消滅会社の株主資本の額と取得の対価として支払った
金等の財産(第 95 項参照)(いわゆる三角合併のように子会社が親会社株式を対価とし
て他の子会社と吸収合併を行う場合における親会社株式を含む。以下、本項において同
じ。)の適正な帳簿価額との差額を、のれん(又は負ののれん)として計上する。のれ
ん(又は負ののれん)は、第 72 項及び第 76 項から第 78 並びに資本連結実務指針
40 項に準じて会計処理する(第 448 項参照)[設例 29-1]
(2) 増加すべき株資本の会計処理
株式を交付していないため、株主資本の額は増加しない。なお、吸収合併消滅会社
の評価・換算差額等は、対価が現金等の財産のみの場合においても、引き継ぐことに
- -
85
なる。
(3) 企業結合に要した支出額の会計処理
企業結合に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会計処理する
結合当事企業の株主(親会社)に係る会計処
244. 事業分離等会計基準 35 項により、吸収合併消滅会社の株主(親会社)が受け取った現
金等の財産は、移転前に付された適正な帳簿価額により計上する。この結果、当該価額と
引き換えられた吸収合併消滅会社の株式の適正な帳簿価額との差額は、原則として、交換
損益として認識する。[設例 29-1]
ただし、いわゆる三角合併のように子会社が親会社株式を対価として他の子会社と吸収
合併を行う場合において、吸収合併消滅会社の株主(親会社)が自己株式を受け入れる
合は、引き換えられた吸収合併消滅会社の株式の適正な帳簿価額により算定する自己株
式等会計適用指針第 7 項)。
(2)連結財務諸表上の会計処理
245. 収合併消滅会社の株主(親会社)の個別財務諸表上認識された交換損益は、親会社の
連結財務諸表上、連結会計基準における未実現損益の消去に準じて処理する。[設例 29-1
なお、いわゆる三角合併のように子会社が親会社株式を対価として他の子会社と吸収合
併を行う場合は、企業集団からみると、親会社が合併の対価として自己株式を処分する取
引と同様に考えることができるため、連結財務諸表上、非支配株主に交付した自己株式の
適正な帳簿価額と追加取得持分又は減少する非支配株主持分との差額を資本剰余金に計上
する。
16.同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併の
会計処理(合併対価が吸収合併存続会社の株式のみである場合)
(1)個別財務諸表上の会計処理
吸収合併消滅会社の会計処理
246. 収合併消滅会社である子会社は、合併期日の前日に決算を行い、資産及び負債の適正
な帳簿価額を算定する(企業結合会計基準 41 項)。[設例 29-2]
吸収合併存続会社の会計処理
247. 吸収合併存続会社である子会社は、次の処理を行う。[設例 29-2]
(1) 受け入れた資産及び負債の会計処理
吸収合併存続会社である子会社が吸収合併消滅会社である子会社から受入れる資
産及び負債は、企業結合会計基準第 41 により、合併期日の前日に付された適正な帳
簿価額により計上する。
- -
86
(2) 増加すべき株資本の会計処理
合併が共同支配企業の形成と判定された場合の吸収合併存続会社の会計処理(第 185
項参照)に準じて処理する( 408 項参照)
(3) 抱合せ株式の会計処理
吸収合併存続会社である子会社が吸収合併消滅会社である子会社の株式(関連会社
株式又はその他有価証券)を保有している場合で、新株を発行したときの吸収合併存続
会社の増加すべき株主資本の会計処理は、次のいずれかの方法による。
収合併消滅会社の株主資本の額から当該抱合せ株式の適正な帳簿価額を控除し
た額を払込資本の増加(当該差額がマイナスの場合にはその他利益剰余金の減少)と
して処理する。
吸収合併消滅会社の株主資本を引き継いだ上で、当該抱合せ株式の適正な帳簿価
をその他資本剰余金から控除する。
(4) 企業結合に要した支出額の会計処理
企業結合に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会計処理する
結合当事企業の株主(親会社)に係る会計処
248. 事業分離等会計基準 38 項及び第 39 項により、交換損益は認識されず、吸収合併消滅
会社の株(親会社)が受け取った吸収合併存続会社の株式(子会社株式)の取得原価は、
引き換えられた吸収合併消滅会社の株式(子会社株式)に係る企業結合日直前の適正な帳
簿価額に基づいて計上する。[設例 29-2]
(2)連結財務諸表上の会計処理
249. 事業分離等会計基準 38 項及び第 39 項により吸収合併消滅会社の株主(親会社)は、
連結財務諸表上、吸収合併存続会社に係る当該株主(親会社)の持分の増加額(吸収合併
消滅会社の株主としての持分比率が増加する場合は、吸収合併消滅会社に係る当該株主(親
会社)の持分の増加額)と吸収合併消滅会社に係る株主(親会社)の持分の減少額(吸収
合併存続会社の株主としての持分比率が減少する場合は、吸収合併存続会社に係る当該株
(親会社)の持分の減少額との間に生る差額を、資本剰余金に計上する[設例 29-2]
17.同一の株主(企業)により支配されている子会社同士の合併の
会計処理(合併対価が吸収合併存続会社の株式と現金等の財産
である場合)
(1)個別財務諸表上の会計処理
吸収合併消滅会社の会計処理
250. 収合併消滅会社である子会社は、合併期日の前日に決算を行い、資産及び負債の適正
な帳簿価額を算定する(企業結合会計基準 41 項)。 [設例 29-3] [設例 29-4]
- -
87
吸収合併存続会社の会計処理
251. 吸収合併存続会社である子会社は、次の処理を行う。[設例 29-3] [設例 29-4]
(1) 受け入れた資産及び負債の会計処理
吸収合併存続会社である子会社が吸収合併消滅会社である他の子会社から受入れ
る資産及び負債は、企業結合会計基準第 41 項により、移転前に付された適正な帳簿価
額により計上する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
企業結合会計基準第 42 項により、次のように会計処理する。
吸収合併消滅会社の株主資本の額がプラスの場合
吸収合併消滅会社の適正な帳簿価額による株主資本の額から合併の対価として支
払った現金等の財産(第 95 項参照)(いわゆる三角合併のように子会社が親会社株
を対価として他の子会社と吸収合併を行う場合における親会社株式を含む、本
項において同じ。)の移転前に付された適正な帳簿価額(支払った現金等の財産に係
る評価換算差額等又は新株予約権が含まれている場合には、当該金額を控除する。
を控除した額がプラスとなる場合には、当該差額を払込資本とする。
当該差額がマイナスとなる場合には、払込資本はゼロとし、のれんを計上する。
なお、のれん(又は負ののれん)は、第 72 及び 76 項から第 78 並びに資本
連結実務指針 40 項に準じて会計処理する(第 448 項参照)
吸収合併消滅会社の株主資本の額がマイナスの場合
合併の対価として支払った現金等の財産の移転前に付された適正な帳簿価(支払
った現金等の財産に係る評価・換算差額等又は新株予約権が含まれている場合には、
当該適正な帳簿価額を控除すると等しい金額をのれんに計上する(第 448 項参照)
また、吸収合併存続会社の増加すべき株主資本については払込資本をゼロとし、その
他利益剰余金のマイナスとして処理する。
なお、いずれの場合においても、評価換算差額及び新株予約権の適正な帳簿価額は
吸収合併存続会社にそのまま引継ぐ。
(3) 企業結合に要した支出額の会計処理
企業結合に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として会計処理する
結合当事企業の株主(親会社)に係る会計処
252. 事業分離等会計基準 45 項により、吸収合併消滅会社の株主(親会社)が吸収合併存続
会社から受け取った現金等の財産は、原則として、移転前に付された適正な帳簿価額によ
り計上する。この結果、当該価額が吸収合併消滅会社の株式に係る適正な帳簿価額を上回
る場合には、原則として、当該差額を交換利益として認識(受け入れる吸収合併存続会社
の株式の取得原価はゼロとする。)し、下回る場合には、当該差額を受け入れる吸収合併
- -
88
存続会社の株式の取得原価とする。 [設例 29-3] [設例 29-4]
ただし、いわゆる三角合併のように、子会社が親会社株式と自社(吸収合併存続会社で
ある子会社)の株式を対価として他の子会社と吸収合併を行う場合、吸収合併消滅会社
株主(親会社)が受け入れる自己株式の取得原価は、吸収合併消滅会社の株式の適正な帳
簿価額のうち引き換えられた部分に相当する額により算定する。この結果、吸収合併消滅
会社の株式に係る適正な帳簿価額から当該自己株式の取得原価を控除した額が、受け入れ
る吸収合併存続会社の株式の取得原価となる。
(2)連結財務諸表上の会計処理
253. 収合併消滅会社の株主(親会社)が個別財務諸表上認識した交換利益は、親会社の連
結財務諸表上、連結会計基準における未実現損益の消去に準じて処理する。また、吸収合
併存続会社に係る株主(親会社)の持分の増加額(吸収合併消滅会社の株主としての持分
比率が増加する場合は、吸収合併消滅会社に係る当該株主(親会社)の持分の増加額)と
吸収合併消滅会社に係る株主(親会社)の持分の減少額(吸収合併存続会社の株主として
の持分比率が減少する場合は、吸収合併存続会社に係る当該株主(親会社)の持分の減少
額)との間に生る差額を、資本剰余金に計上する[設例 29-3] [設例 29-4]
なお、いわゆる三角合併のように、子会社が親会社株式と吸収合併存続会社である子会
社の株式を対価として他の子会社と吸収合併を行う場合は、連結財務諸表上、親会社株式
を対価とした部について資本取引として扱う。
18.同一の株主(個人)により支配されている企業同士の吸収合併の
会計処理
254. 201 項により、同一の株主により支配されている企業同士の吸収合併は、共通支配下
の取引に該当するため、吸収合併存続会社は次のように処理する。[設例 23]
(1) 受け入れた資産及び負債の会計処理
吸収合併存続会社が吸収合併消滅会社から受け入れる資産及び負債は、企業結合会計
基準第 41 により、移転前に付された適正な帳簿価額により計上する。
(2) 増加すべき株資本の会計処理
合併が共同支配企業の形成と判定された場合の吸収合併存続会社の会計処理(第 185
項参照)に準じて処理する( 408 項参照)。ただし、合併の対価に当該子会社株式
外の財産が含まれるときは、 251 項に準じて処理する。
(3) 抱合せ株式の会計処理
吸収合併存続会社が吸収合併消滅会社の株式(関連会社株式又はその他有価証券
保有している場合には、第 247 (3)に準じて処理する。
18-2.子会社が他の子会社に会社分割により事業を移転する場合の
- -
89
会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
吸収分割会社の会計処理
254-2 収分割会社である子会社の会計処理は、親会社が子会社に会社分割により事業を移
転する場合の親会社の会計処理(第 226 項参照)に準じて処理する(第 447-2 項参照)
[設例 11-4]
吸収分割承継会社の会計処理
254-3. 収分割承継会社である他の子会社の会計処理は、親会社が子会社に会社分割により
事業を移転する場合の子会社の会計処理(第 227 項及び第 231 参照)に準じて処理する。
[設例 11-4]
(2)吸収分割会社である子会社の連結財務諸表上の会計処理
254-4. 収分割会社である子会社が連結財務諸表を作成する場合の会計処理は次のように行
う。[設例 11-4]
(1) 吸収分割承継会社である他の子会社が吸収分割会社の子会社となる場
内部取引の消
事業の移転取引及び子会社の増資に関する取引は、企業結合会計基準第 44 項によ
り、内部取引として消去する。
親会社持分変動による差額の計上
吸収分割会社は移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)に基づいて
算定された取得した子会社株式の取得原価(第 254-2 項参照)と、これに対応する吸
収分割承継会社の事業分離直後の資本企業結合日における適正な帳簿価額による子
会社となる吸収分割承継会社等の資本に事業分離により増加する吸収分割会社等
持分比率を乗じた額)との差額を、資本剰余金に計上する(第 447-2 項参照)
(2) 吸収分割承継会社である他の子会社が吸収分割会社の関連会社となる場合
吸収分割会社は移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)に基づいて算
定された受け入れた関連会社株式の取得原価(第 254-2 項参照と、これに対応する吸
収分割承継会社の事業分離直後の資本企業結合日における適正な帳簿価額による関
会社となる吸収分割承継会社等の資本に事業分離により増加する吸収分割会社等の持
分比率を乗じた額)との差額を関連会社株式の持分変動差額として処理する。
19.子会社が他の子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合
の会計処理
個別財務諸表上の会計処理
吸収分割会社の会計処理
- -
90
255. 収分割会社である子会社の会計処理は、分割型の会社分割により親会社が子会社に事
業を移転する場合の親会社の会計処理(第 233 項参照)に準じて処理する。
吸収分割承継会社の会計処理
256. 収分割承継会社である他の子会社の会計処理は、分割型の会社分割により親会社が子
会社に事業を移転する場合の子会社の会計処(第 234 項参照)に準じて処理する(第 409
項参照)。
吸収分割会社の株主(親会社)に係る会計処
257. 事業分離等会計基準 49 項及び第 51 と同様に、吸収分割会社の株主(親会社)が受
け取った吸収分割承継会社の株式は、受け取る吸収分割承継会社の株式と、これまで保有
していた吸収分割会社株式とが実質的に引き換えられたものとみなし、被結合企業の株主
に係る会計処理(第 294 項から第 296 項参照)に準じて処理する。
20.単独で株式移転設立完全親会社を設立した場合の会計処理
株式移転設立完全親会社の会計処理
個別財務諸表上の会計処理
258. 独株式移転により株式移転設立完全親会社を設立した場合の株式移転設立完全親会社
の個別財務諸表上の会計処理は、親会社と子会社が株式移転設立完全親会社を設立する場
合の株式移転完全子会社株式(旧親会社の株式)の取得原価の算定(第 239 (1)①参照)
に準じて処理する。
連結財務諸表上の会計処理
259. 親会社と子会社が株式移転設立完全親会社を設立する場合の会計処理(第 240 項参照)
に準じて処理する。
21.単独で新設分割設立子会社を設立した場合の会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
親会社(新設分割会社)の会計処理
260. 独新設分割により子会社を設立した場合の新設分割会社(親会社)の会計処理は、会
社分割により親会社が子会社に事業を移転する場合の親会社(吸収分割会社)の会計処理
(第 226 項参照)に準じて処理する。
子会社(新設分割設立会社)の会計処理
261. 単独新設分割により子会社を設立した場合の新設分割設立会社(子会社)会計処理は、
会社分割により親会社が子会社に事業を移転する場合の子会社(吸収分割承継会社)の会
- -
91
計処理(第 227 項参照)に準じて処理する(第 409 項参照)。
(2)連結財務諸表上の会計処理
262. 単独新設分割により子会社を設立した場合の新設分割会社親会社)連結財務諸表上、
事業の移転取引及び子会社の増すべき株主資本に関する取引は、企業結合会計基準第 44
項により、内部取引として消去する。
22.単独で分割型の会社分割が行われた場合の会計処理
(1)新設分割会社の個別財務諸表上の会計処
263. 独で分割型の会社分割が行われた場合の新設分割会社の会計処理は、分割型の会社分
割により親会社が子会社に事業を移転する場合の親会社(吸収分割会社)の会計処理(第
233 項参照)に準じて処理する。
(2)新設分割設立会社の個別財務諸表上の会計処理
264. 独で分割型の会社分割が行われた場合の新設分割設立会社の会計処理は、分割型の会
社分割により親会社から子会社に事業を移転する場合の子会社(吸収分割承継会社)(第
234 項参照)に準じて処理する(第 409 項参照)。
.結合当事企業の株主に係る会計処理
1.被結合企業の株主に係る会計処理
(1)受取対価の時価
265. 換損益を認識する場合の受取対価となる財の時価は、受取対価が現金以外の資産等の
場合には、受取対価となる財の時価と引き換えた被結合企業の株式の時価のうち、より高
い信頼性をもって測定可能な時価で算定する(事業分離等会計基準第 33 項)。
266. 場価格のある結合企業の株式が受取対価とされる場合には、受取対価となる財の時価
は、原則として、企業結合日の株価を基礎にして算定する。
267. 結合企業の株主に係る会計処理上、結合企業の株式などの受取対価の時価又は移転し
た事業の時価の算定が必要な場合には、当該時価を算定する
ただし、結合企業の株式などの受取対価又は引き換えられた被結合企業の株式のいずれ
についても、市場価格がないこと等により公正な評価額を合理的に算定することが困難と
認められる場合には、次のいずれかを用いて算定された額を受取対価の額とすることがで
きる。
(1) 企業結合日の前日における結合企業の識別可能な資産及び負債の時価に基づく正味
の評価額のうち受取対価相当額
(2) 企業結合日の前日における被結合企業の識別可能な資産及び負債の時価に基づく正
- -
92
味の評価額のうち受取対価相当
この場合、識別可能な個々の資産及び負債の時価が場価格がないこと等により公正
な評価額を合理的に算定することが困難と認められる場合には、該当する資産及び負債に
ついて、その適正な帳簿価額を用いることができる。
(2)受取対価が現金等の財産のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処
子会社を被結合企業とした企業結合の場合
268. る子会社を被結合企業とし他の子会社を結合企業とする企業結合により、子会社株式
である被結合企業の株式が、現金等の財産のみと引き換えられた場合には、共通支配下の
取引として取り扱う(第 244 項及 245 項参照)。
なお、被結合企業の株主に係る会計処理において、現金等の財産とは、引き換えられた
被結合企業の株式と明らかに異なる資産が該当し、結合企業の株式は含まれない(この点
については、事業分離等会計基準 32 (1)参照のことれには、結合企業の支払能
力に左右されない資産や、結合企業の支払能力の影響を受けるものの、代金回収条件が明
確かつ妥当であり、回収が確実と見込まれる資産が含まれる。ただし、合併比率等に端数
があるために生じた交付金は現金等の財産に含めないこととする。また、利益配当の代替
としての交付金の部分は、受取対価には含まれない。
269. 会社を被結合企業とし子会社以外を結合企業とする企業結合により、子会社株式であ
る被結合企業の株式が、現金等の財産のみと引き換えられた場合には、当該被結合企業の
株主(親会社)に係る会計処理は、事業分離における分離元企業の会計処理に準じて、次
の処理を行う(事業分離等会計基準第 35 項)。
(1) 個別財務諸表上の会計処理
被結合企業の株(親会社)が受け取った現金等の財産は、原則として、時価により
計上し、引き換えられた被結合企業の株式の適正な帳簿価額との差額は、原則として、
交換損益として認識する。
ただし、交換した株式に対する買戻しの条件などの被結合企業の株主の重要な継続的
関与によって、交換した株式に係る成果の変動性を従来と同様に負っている場合には、
交換損益を認識することはできないことに留意する必要がある(本適用指針において、
交換損益を認識するとしている場合には、同様の留意が必要となる。(事業分離等会計
基準第 32 項及び第 119 )。
(2) 連結財務諸表上の会計処理
関連会社を結合企業とする場合には、子会社株式である被結合企業の株式が現金等の
財産のみと引き換えられたことにより認識された交換損益は持分法会計基準における
未実現損益の消去に準じて処理する。
子会社以外を被結合企業とした企業結合の場
- -
93
270. 会社以外を被結合企業とする企業結合により、被結合企業の株式が、現金等の財産の
みと引き換えられた場合、被結合企業の株主は、次の処理を行う(事業分離等会計基準第
36 項及び第 37 項)。
(1) 個別財務諸表上の会計処理
被結合企業の株主が受け取った現金等の財産は、原則として、時価により計上し、
き換えられた被結合企業の株式の適正な帳簿価額との差額は原則として、交換損益と
して認識する。
(2) 連結財務諸表上の会計処理
子会社又は関連会社を結合企業とする場合には、被結合企業の株式が現金等の財産の
みと引き換えらたことにより認識された交換損益は、連結会計基準及び持分法会計基
準における未実現損益の消去にじて処理する
(3)受取対価が結合企業の株式のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処理
271. 合企業の株式のみと引き換えられる企業結合において、当該被結合企業に対する持分
比率等により、当該企業結合は次のように分類される。
(1) 子会社を被結合企業とする企業結合(第 272 項から 276 項参照)
(2) 関連会社を被結合企業とする企業結合(第 277 項から第 279 項参照)
(3) 共同支配企業の形成となる企業結合(第 189 項から 191 項参照)
(4) 子会社や関連会社以外の投資先(共同支配企業を除く。)を被結合企業とする企業結
合(第 280 から 281-2 項参照)
子会社を被結合企業とした企業結合の場合
272. 会社を被結合企業とする企業結合により、結合後企業に対する持分比率が減少する場
合、当該被結合企業の株主(親会社)に係る会計処理は、事業分離における分離元企業の
会計処理に準じて行う(事業分離等会計基準第 38 項)企業結合前に、被結合企業の株主
が被結合企業の株式(子会社株式)に加え、結合企業の株式も有しており、当該結合企業
の株主としての持分比率が増加する場合、当該被結合企業の株主としての持分の増加につ
いては、追加取得に準じて処理し、当該結合企業の株主としての持分の減少については、
98 (2)における分離元企業の会計処理に準じて行う(事業分離等会計基準第 39 )。
273. 会社を被結合企業とする企業結合により、結合後企業が被結合企業の株主の新たな子
会社となる場合(子会社株式から子会社株式)、被結合企業の株主(親会社)は、事業分
離における分離元企業の会計処(第 98 項及び第 99 項参照)準じて、次の処理を行う。
(1) 個別財務諸表上、交換損益は認識せず、結合後企業の株式(子会社株式)の取得原価
は、引き換えられた被結合企業の株(子会社株式)に係る企業結合直前の適正な帳簿
価額に基づいて算定する。
(2) 連結財務諸表上、結合後企業に係株主(親会社)の持分の増加額(企業結合直前の
- -
94
結合企業の時価のうち、被結合企業の株主の持分比率の増加に対応する金額)と被結合
企業に係る株主(親会社)持分の減少額との間に生る差額については、資本剰余金
に計上する。
なお、被結合企業の株主は、結合企業を取得することになるため、連結財務諸表上、
ーチェス法を適用する。
274. る子会社を被結合企業とし他の子会社を結合企業とする企業結合により、結合後企業
が引き続き被結合企業及び結合企業の株主の子会社である場合、共通支配下の取引として
取り扱う(第 248 項及び第 249 項参照)。
275. 会社を被結合企業とする企業結合により、結合後企業が関連会社となる場合(子会社
株式から関連会社株式)(共同支配企業の形成の場合は含まれない。)、被結合企業の株
主(親会社)は、事業分離における分離元企業の会計処理( 100 項から第 102 項参照)
に準じて、次の処理を行う。
(1) 個別財務諸表上、 273 (1)と同様に、交換損益は認識せず、結合後企業の株式(関
連会社株式)の取得原価は、引き換えられた被結合企業の株(子会社株式)に係る企
業結合直前の適正な帳簿価額に基づいて算定する。
(2) 連結財務諸表上、これまで連結していた被結合企業の株式については、持分法へ修正
するとともに、結合後企業に係る被結合企業の株主の持分の増加額と、従来の被結合企
業に係る被結合企業の株主の持分の減少額との間に生じる差額は、次のように処理する。
結合企業に対して投資したとみなされる(企業結合直前の結合企業の時価に増
する被結合企業の株主の持分比率を乗じた額と、これに対応する企業結合直前の結
合企業の資本(原則として、部分時価評価法の原則法により、資産及び負債を時価評
価した後の評価差額を含む。)との間に生じる差額については、のれん又は負ののれ
んとして処理する。
被結合企業に対する持分が交換されたとみなされる額(交換された被結合企業の
価に減少したその株主の持分比率を乗じた額であり、①の結合企業に対して投資した
とみなされる額と同額となる。)と、従来の被結合企業に係る被結合企業の株主の持
分の減少額との間に生じる差額については、持分変動差額として取り扱う
276. 会社を被結合企業とする企業結合により、結合後企業が子会社や関連会社、共同支配
企業以外となる場合(子会社株式からその他有価証券)、被結合企業の株主は、事業分離
における分離元企業の会計処理(第 103 項参照)に準じて、次の処理を行う。
(1) 個別財務諸表上、原則として交換損益を認識し合後企業の株式の取得原価は、
の時価又は被結合企業の株式の時価のうちより高い信頼性をもって測定可能な時価に
基づいて算定する。
(2) 連結財務諸表上、これまで連結していた被結合企業の株式は個別貸借対照表上の帳
簿価額(結合後企業の株式の時価又は被結合企業の株式の時価のうち、より高い信頼性
をもって測定可能な時価)をもって評価する
- -
95
関連会社を被結合企業とした企業結合の場合
277. 連会社を被結合企業とする企業結合により、当該被結合企業(関連会社)に対する持
分比率が減少するが、引き続き結合後企業が当該被結合企業の株主の関連会社である場合
(関連会社株式から関連会社株式)、被結合企業の株主は、次の処理を行う(事業分離等
会計基準第 40 項)。[設例 30]
(1) 個別財務諸表上、交換損益は認識せず、合後企業の株式(関連会社株式)の取得原
価は、引き換えられた被結合企業の株(関連会社株式)係る企業結合直前の適正な
帳簿価額に基づいて算定する。
(2) 連結財務諸表上、持分法適用において、関連会社となる結合後企業に係る被結合企業
の株主の持分の増加額と、従来の被結合企業に係る被結合企業の株主の持分の減少額
の間に生じる差額は、次のように処理する。
なお、持分法適用において、関連会社となる結合後企業に係る被結合企業の株主の持
分の増加額は、持分法会計基及び持分法実務指針の追加取得の処理に従い、企業結合
直前の結合企業の資本(原則として部分時価評価法の原則法により資産及び負債を
時価評価した後の評価差額を含む。)に増加する被結合企業の株主の持分比率を乗じた
額(①参照)として算定される
被結合企業に対する持分が交換されたとみなされる額(企業結合直前の結合企業
時価に増加する被結合企業の株主の持分比率を乗じた額)と、これに対応する企業結
合直前の結合企業の資本(原則として部分時価評価法の原則法により資産及び負
債を時価評価した後の評価差額を含む。関連会社となる結合後企業に係る被結合企業
の株主の持分の増加額)との間に生じる差額については、のれん又は負ののれんとし
て処理する。
被結合企業の株式が交換されたとみなされる額(被結合企業の時価のうちその株主
の持分の減少額であり、①の被結合企業に対する持分が交換されたとみなされる額と
同額となる。)と、従来の被結合企業に係る被結合企業の株主の持分の減少額(被結
合企業の株式に係る企業結合直前の適正な帳簿価額に減少した被結合企業の持分
率を乗じた額)との間に生じる差額については、持分変動差額として取り扱う。
ただし、①と②のいずれかの金額に重要性が乏しいと考えられる場合には、重要性の
ある他の金額に含めて処理することができる
278. 連会社を被結合企業とする企業結合により、結合後企業が被結合企業の株主の関連会
社及び共同支配企業以外となる場合(関連会社株式からその他有価証券)、被結合企業の
株主は次の処理を行う(事業分離等会計基準第 41 項)。
(1) 個別財務諸表上、原則として交換損益を認識し結合後企業の株式の取得原価は、
の時価又は被結合企業の株式の時価のうちより高い信頼性をもって測定可能な時価
基づいて算定する。
- -
96
(2) 連結財務諸表上、これまで持分法を適用していた被結合企業の株式は、個別貸借対照
表上の帳簿価額(結合後企業の株式の時価又は被結合企業の株式の時価のうちより高
い信頼性をもって測定可能な時価)をもって評価する。
279. 連会社を被結合企業とする企業結合において、企業結合前に、被結合企業の株主が被
結合企業の株式(関連会社株式)に加え結合企業の株式(子会社株式又は関連会社株式)
も有していることから、当該被結合企業の株主としての持分比率が増加(結合企業の株主
としての持分比率は減少)する場合(関連会社株式から子会社株式又は関連会社株式)、
当該被結合企業の株主は、次の処理を行う(事業分離等会計基準第 42 項)。
(1) 個別財務諸表上、交換損益は認識せず、当該被結合企業の株主が受け取った結合企業
の株式の取得原価は、引き換えられた被結合企業の株式(関連会社株式に係る企業結
合直前の適正な帳簿価額に基づいて算定する
(2) 連結財務諸表上、結合後企業に係る被結合企業の株主としての持分の増加については、
結合後企業が関連会社となる場合には持分法適用会社の株式の追加取得に準じ、子会社
となる場合には段階取得により関連会社が連結子会社になった場合における連結手続
に準じて会計処理する。た、結合企業の株主としての持分の減少については、結合後
企業が子会社となる場合には 98 (2)①における分離元企業の会計処理に準じて行
い、結合後企業が関連会社となる場合には、子会社の時価発行増資等により支配を喪失
して関連会社になる場合における親会社の会計処理又は関連会社の時価発行増資等に
おける投資会社の会計処理に準じて行う。
子会社や関連会社以外の投資先を被結合企業とした企業結合の場合
280. 会社や関連会社以外の投資先を被結合企業とする企業結合により、結合後企業が引き
続き、子会社株式や関連会社株式にも該当しない場合(その他有価証券からその他有価証
券)、被結合企業の株主の個別財務諸表上、交換損益は認識されず、結合後企業の株式の
取得原価は、引き換えられた被結合企業の株式に係る企業結合直前の適正な帳簿価額に基
づいて算定する(事業分離等会計基準第 43 項)。
281. 会社や関連会社以外の投資先(その他有価証券)を被結合企業とする企業結合におい
て、企業結合前に、被結合企業の株主が被結合企業の株式に加え結合企業の株式(子会社
株式又は関連会社株式)も有していることから、当該被結合企業の株主としての持分比率
が増加(結合企業の株主としての持分比率は減少)し、結合後企業が当該株主の関連会社
となる場合(その他有価証券から関連会社株式)、当該被結合企業の株主は、次の処理を
行う(事業分離等会計基準第 44 項)。
(1) 個別財務諸表上、交換損益は認識せず、当該被結合企業の株主が受け取った結合企業
の株式の取得原価は、引き換えられた被結合企業の株式(その他有価証券)に係る企業
結合日直前の適正な帳簿価額に基づいて算定する。
(2) 連結財務諸表上、結合後企業に係る被結合企業の株主としての持分の増加については、
- -
97
段階取得による持分法の適用に準じて会計処理する。また、結合企業の株主としての持
分の減少については、子会社の時価発行増資等により支配を喪失して関連会社になる場
合における親会社の会計処理又は関連会社の時価発行増資等における投資会社の会計
処理に準じて行う。
281-2. 子会社や関連会社以外の投資先(その他有価証券)を被結合企業とする企業結合にお
いて、企業結合前に、被結合企業の株主が被結合企業の株式に加え結合企業の株式(子会
社株式又は関連会社株式)も有していることから、当該被結合企業の株主としての持分比
率が増加(結合企業の株主としての持分比率は減少)し、結合後企業が当該株主の子会社
となる場合(その他有価証券から子会社株式)該被結合企業の株主は、次の処理を行う
(事業分離等会計基準第 44 )。
(1) 個別財務諸表上、当該被結合企業の株主が受け取った結合企業の株式は、企業結合
の前日の適正な帳簿価額に基づいて子会社株式に振り替える。
(2) 連結財務諸表上、当該結合企業の株式の取得原価は企業結合日の時価に基づくことと
し、その時価と適正な帳簿価額との差額は、当期の段階取得に係る損益として処理する。
なお、結合後企業に係る被結合企業の株主としての持分の増加については、段階取得に
よる連結手続に準じて会計処理する。また、結合企業の株式を子会社株式として有して
おり、結合後企業が子会社となる場合には、結合企業の株主としての持分の減少につい
ては、第 98 (2)①における分離元企業の会計処理に準じて行う
(4)受取対価が現金等の財産と結合企業の株式である場合の被結合企業の株主
に係る会計処
子会社を被結合企業とした企業結合の場合
282. 現金等の財産(第 268 項参照)と結合企業の株式を対価とする企業結合により、子会社
株式である被結合企業の株式が引き換えられた場合、当該被結合企業の株主(親会社)に
係る会計処理は、事業分離における分離元企業の会計処理に準じて行う(事業分離等会計
基準第 45 項)ため、当該被結合企業の株主の処理を行う。
(1) 結合後企業が子会社となる場合や結合企業が子会社である場合、共通支配下の取引と
して取り扱う( 252 項及び第 253 項参照)
(2) 結合後企業が関連会社となる場合、事業分離における分離元企業の会計処理(第 105
項参照)に準じて行う。[設例 31]
(3) 結合後企業が子会社及び関連会社、共同支配企業以外となる場合には、事業分離にお
ける分離元企業の会計処理(第 106 項参照)に準じて行う。また、結財務諸表上、こ
れまで連結していた被結合企業の株式は、個別貸借対照表上の帳簿価額(結合後企業
株式の時価又は被結合企業の株式の時価のうち、より高い信頼性をもって測定可能な
価)をもって評価する。
- -
98
関連会社を被結合企業とした企業結合の場合
283. 連会社を被結合企業とする企業結合により、現金等の財産と結合企業の株式を対価と
して関連会社株式である被結合企業の株式が引き換えられ、当該被結合企業(関連会社)
に対する持分比率が減少するが、結合後企業が引き続き当該被結合企業の株主の関連会社
である場合(関連会社株式から関連会社株式)、被結合企業の株主は次の処理を行う(事
業分離等会計基準第 46 項)。
(1) 個別財務諸表上、被結合企業の株主が受け取った現金等の財産は、原則として、
価により計上する。この結果、当該時価が引き換えられた被結合企業の株式に係る適
正な帳簿価額を上回る場合には原則として、当該差額を交換利益として認識取得
する結合企業の株式の取得原価はゼロとする。)し、下回る場合には、当該差額を
得する結合企業の株式の取得原価とする。
(2) 連結財務諸表上、交換利益は、持分法会計基準における未実現損益の消去に準じて
処理する。また、関連会社となる結合企業に係る被結合企業の株主の持分の増加額と、
従来の被結合企業に係る被結合企業の株主の持分の減少額との間に生じる差額は、
則として、のれん(又は負ののれん)と持分変動差額に区分して処理する
子会社や関連会社以外の投資先を被結合企業とした企業結合の場合
284. 会社や関連会社以外の投資先(共同支配企業を除く。)を被結合企業とする企業結合
により、対価として子会社株式や関連会社株式以外の被結合企業の株式が、現金等の財産
と結合企業の株式とに引き換えられた場合、被結合企業の株主は、金融商品会計基準に準
じて会計処理する(事業分離等会計基準第 47 項)。
この場合、現金等の財産は新たな資産として、結合企業の株式は残存部分として取り扱
われる。このため、当該現金等の財産の時価と消滅部分の適正な帳簿価額(当該被結合企
業の株式の消滅直前の適正な帳簿価額を消滅部分に対応する現金等の財産の時価と残存
部分である結合企業の株式の時価の比率により按分して、消滅部分に配分された金額)
の差額を当期の損益として処理する。
2.結合企業の株主に係る会計処理
(1)結合企業の株主に係る会計処理の考え方
285. 合企業の株主に係る会計処理は、子会社を結合企業とする企業結合により、当該結合
企業の株主の持分比率が減少する場合には、子会社を被結合企業とする企業結合における
被結合企業の株主の会計処理に準じて処理し、また関連会社を結合企業とする企業結合に
より、当該結合企業の株主の持分比率が減少する場合には、関連会社を被結合企業とする
企業結合における被結合企業の株主の会計処理に準じて処理する(事業分離等会計基準第
48 (1)①)。企業結合前に、結合企業の株主が結合企業の株式に加え被結合企業の株式
も有していることから、当該結合企業の株主としての持分比率が増加(被結合企業の株主
- -
99
としての持分比率は減少)し、結合後企業は当該株主の子会社又は関連会社となる場合に
は、受取対価が結合企業の株式のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処理におけ
る被結合企業の株主としての持分比率が減少する場合の処理(第 286 、第 291 、第 293
項及び第 293-2 項参照)による(事業分離等会計基準第 48 (2)①)。
(2)子会社を結合企業とする企業結合の場合
286. る子会社を結合企業とし他の子会社を被結合企業とする企業結合により、結合後企業
が引き続き被結合企業及び結合企業の株主の子会社である場合、共通支配下の取引として
取り扱う(第 248 項及び第 249 項参照)。
287. 会社を結合企業とする企業結合によっても、結合企業の株主(親会社)は、当該結合
企業の株式を直接引き換えないが、当該企業結合により結合企業の株主(親会社)として
の持分比率が減少し、結合後企業が引き続き子会社である場合(子会社株式から子会社株
式)又は関連会社となる場合(子会社株式から関連会社株式結合企業の株主(親会社)
は、次の処理を行う(事業分離等会計基準 48 (1)①)
(1) 個別財務諸表上、結合企業が子会社から関連会社に該当することとなった場合には、
子会社株式から関連会社株式に帳簿価額で振り替える。
(2) 連結財務諸表、次のように処理する。
結合後企業が引き続き子会社である場合において、企業結合前に、結合企業の株主
(親会社)が被結合企業の株式を子会社株式として有している場合には 286 項の
処理を行う。
結合後企業が引き続き子会社である場合において、企業結合前に、結合企業の株主
(親会社)が被結合企業の株式を有していない又は被結合企業の株式をその他有価証
券若しくは関連会社株式として有している場合、結合後企業に係る株主(親会社)
持分の増加額(企業結合直前の被結合企業の時価のうち、結合企業の株主の持分比率
の増加に対応する額)と、従来の結合企業に係る結合企業の株主(親会社)の持分の
減少額との間に生じる差額は、資本剰余金に計上する。
なお、結合企業の株主は、被結合企業を取得することになるため、連結財務諸表上、
パーチェス法を適用する。
結合後企業が関連会社となる場合、これまで連結していた結合企業の株式について
は、持分法へ修正するとともに、結合後企業に係る結合企業の株(親会社)の持分
の増加額企業結合直前の被結合企業の資本(原則として、部分時価評価法の原則
により、資産及び負債を時価評価した後の評価差額を含む。)に増加する結合企業の
株主の持分比率を乗じた額)と、従来の結合企業に係る結合企業の株主(親会社)
持分の減少額との間に生じる差額は、のれん(又は負ののれん)と持分変動差額に区
分して処理するただし、のれん(又は負ののれん)と持分変動差額のいずれかの金
額に重要性が乏しいと考えられる場合には重要性のある他の金額に含めて処理する
- -
100
ことができる。
288. 会社を結合企業とする企業結合によっても、結合企業の株主(親会社)は当該結合企
業の株式を直接引き換えないが、当該企業結合により結合企業の株主(親会社)の持分比
率が減少し、結合後企業が子会社及び関連会社、共同支配企業以外となる場合(子会社株
式からその他有価証券)、結合企業の株主(親会社)は、次の処理を行う(事業分離等会
計基準第 48 (1)①)
(1) 個別財務諸表上、その他有価証券に時価で振り替え、原則として損益を認識する
(2) 連結財務諸表上、これまで連結していた結合企業の株式は、個別貸借対照表上の帳簿
価額(結合後企業の株式の時価)をもって評価する。
(3)関連会社を結合企業とする企業結合の場
289. 連会社を結合企業とする企業結合によっても、結合企業の株主は当該結合企業の株式
を直接引き換えないが、当該企業結合により結合企業の株主としての持分比率が減少し、
結合後企業が引き続き関連会社である場合(関連会社株式から関連会社株式)、結合企業
の株主は、次の処理を行う(事業分離等会計基準第 48 (1)①)。
(1) 個別財務諸表上、何も会計処理しない。
(2) 連結財務諸表上、結合後企業に係る結合企業の株主の持分の増加額と、従来の結合企
業に係る結合企業の株主の持分の減少額との間に生じる差額は、のれん(又は負ののれ
)と持分変動差額区分して処理する。ただし、のれん(又は負ののれん持分変
動差額のいずれかの金額に重要性が乏しいと考えられる場合には、重要性のある他の
額に含めて処理することができる。
290. 連会社を結合企業とする企業結合によっても、結合企業の株主は、当該結合企業の株
式を直接引き換えないが、当該企業結合により結合企業の株主としての持分比率が減少し、
結合後企業が関連会社及び共同支配企業以外となる場合(関連会社株式からその他有価証
券)、結合企業の株主は、次の処理を行う(事業分離等会計基準第 48 (1)①)。
(1) 個別財務諸表上、関連会社株式からその他有価証券に時価で振り替え、原則とし
益を認識する。
(2) 連結財務諸表上、これまで持分法を適用していた結合企業の株式は、個別貸借対照表
上の帳簿価額(結合後企業の株式の時価)をもって評価する
291. 連会社を結合企業とする企業結合において、企業結合前に、結合企業の株主が結合企
業の株式(関連会社株式)に加え被結合企業の株式(子会社株式又は関連会社株式)も有
していることから、当該結合企業の株主としての持分比率が増加(被結合企業の株主とし
ての持分比率は減少)し、結合後企業は当該株主の子会社又は関連会社となる場合(関連
会社株式から子会社株式又は関連会社株式)、結合企業の株主は、次の処理を行う(事業
分離等会計基準 48 (2))。[設例 30]
(1) 個別財務諸表上、結合企業が関連会社から子会社に該当することとなった場合には、
- -
101
関連会社株式から子会社株式に帳簿価額で振り替える。
(2) 連結財務諸表上、結合企業の株主が被結合企業の株式を子会社株式として有しており、
結合後企業が子会社となる場合には段階取得により関連会社が連結子会社となった場
合における連結手続に準じて会処理を行い、関連会社となる場合には第 275 (2)
処理を行う。結合企業の株主が被結合企業の株式を関連会社株式として有しており、
連会社となる場には第 277 (2)の処理を行う。
(4)子会社や関連会社以外の投資先を結合企業とする企業結合の場合
292. 会社や関連会社以外の投資先を結合企業とする企業結合により、結合後企業が引き続
き子会社株式や関連会社株式に該当しない場合(その他有価証券からその他有価証券)、
結合企業の株主は、何も会計処理しない(事業分離等会計基準第 48 (1)②又は(2)②)。
293. 会社や関連会社以外の投資先を結合企業とする企業結合において、企業結合前に、結
合企業の株主が結合企業の株式(その他有価証券)に加え被結合企業の株式(子会社株式
又は関連会社株式)も有していることから、当該結合企業の株主としての持分比率が増加
(被結合企業の株主としての持分比率は減少)し、結合後企業が当該株主の関連会社とな
る場合(その他有価証券から関連会社株式)、結合企業の株主は、次の処理を行う(事業
分離等会計基準 48 (2))。
(1) 個別財務諸表上、金融商品会計実務指針第 88 項に準じ、その他有価証券から関連会
社株式に振り替える。
(2) 連結財務諸表上、結合企業の株主が被結合企業の株式を子会社株式として有してお
り、結合後企業が関連会社となる場合には第 275 (2)の処理を行う。結合企業の株主
が被結合企業の株式を関連会社株式として有しており、関連会社となる場合には第 277
(2)の処理を行う。
293-2. 子会社や関連会社以外の投資先を結合企業とする企業結合において、企業結合前に、
結合企業の株主が結合企業の株式(その他有価証券)に加え被結合企業の株式(子会社株
式又は関連会社株式)も有していることから、当該結合企業の株主としての持分比率が増
加(被結合企業の株主としての持分比率は減少)し、結合後企業が当該株主の子会社とな
る場合(その他有価証券から子会社株式)結合企業の株主は、次の処理を行う(事業分
等会計基準第 48 (2) )。
(1) 個別財務諸表上、当該結合企業の株式は、企業結合日の前日適正な帳簿価額に基づ
いて子会社株式に振り替える。
(2) 連結財務諸表上、該結合企業の株式の取得原価は企業結合日の時価に基づくことと
その時価と適正な帳簿価額との差額は当期の段階取得に係る損益として処理する。
なお、結合企業の株主が、被結合企業の株式を子会社株式として有しており結合後企
業が子会社となる場合には第 273 (2)の処理を行う
- -
102
3.分割型の会社分割における吸収分割会社及び新設分割会社の株主
に係る会計処理
(1)受取対価が新設分割設立会社又は吸収分割承継会社の株式のみである場合の新設
分割会社又は吸収分割会社の株主に係る会計処
294. 割型の会社分割における吸収分割会社等の株主に係る会計処理は、受け取る新設分割
設立会社又は吸収分割承継会社の株式と、これまで保有していた吸収分割会社等の株式と
が実質的に引き換えられたものとみなして、受取対価が結合企業の株式のみである場合の
被結合企業の株主の会計処理( 272 項から第 281-2 項参照)に準じて行う(事業分離等
会計基準第 49 項)。
295. 294 項及び第 296 項を適用するにあたっては、被結合企業の株主の会計処理における
被結合企業の株式に係る企業結合直前の適正な帳簿価額に代えて、会社分割直前の吸収分
割会社等の株式の適正な帳簿価額のうち、合理的に按分する方法によって算定した引き換
えられたものとみなされる部分の価額を用いる(事業分離等会計基準第 50 項)。
合理的に按分する方法には、次のような方法が考えられ、実態に応じて適切に用いる。
(1) 関連する時価の比率で按分する方法
分割された移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)の時価と会社分割直
前の吸収分割会社等の株主資本の時価との比率により、吸収分割会社等の株式の適正
帳簿価額を按分する。
(2) 時価総額の比率で按分する方法
会社分割直前直後の吸収分割会社等の時価総額の増減額を分割された事業の時価
みなし、社分割直前の吸収分割会社等の時価総額との比率により、吸収分割会社等の
株式の適正な帳簿価額を按分する。
(3) 関連する帳簿価額(連結財務諸表上の帳簿価額を含む。の比率で按分
分割された移転事業に係る株主資本相当額の適正な帳簿価額と会社分割直前の吸
分割会社等の株主資本の適正な帳簿価額との比率により、吸収分割会社等の株式の適
な帳簿価額を按分する。
(2)受取対価が現金等の財産と新設分割設立会社又は吸収分割承継会社の株式
である場合の新設分割会社又は吸収分割会社の株主に係る会計処理
296. 分割型の会社分割により吸収分割会社等の株主が、現金等の財産(第 268 項参照)と新
設分割設立会社又は吸収分割承継会社の株式を受け取った場合、当該吸収分割会社等の株
主に係る会計処理は、被結合企業の株主の会計処理(第 282 項から第 284 項参照)に準じ
て行う(事業分離等会計基準 51 項)。
.現金以外の財産の分配を受けた場合の株主に係る会計処理
297. 主が現金以外の財産の分配を受けた場合、企業結合に該当しないが、当該株主に係る
会計処理は、原則として、これまで保有していた株式が実質的に引き換えられたものとみ
- -
103
なして、被結合企業の株主の会計処理(第 268 項から第 281-2 項参照)に準じて行う。
この際、これまで保有していた株式のうち実質的に引き換えられたものとみなされる額
は、分配を受ける直前の株式の適正な帳簿価額を合理的な方法(第 295 項参照)によって
按分し算定する(事業分離等会計基準第 52 )。
.いわゆる三角合併などにおける結合当事企業の株主に係る会計処理
298. る企業の子会社が、結合企業として、当該ある企業(親会社)の株式を対価として他
の企業と企業結合する場合、当該取引の実質は、親会社と当該他の企業との企業結合であ
る。このため、その実質に従い、当該他の企業(被結合企業)の株主は、ある企業の子会
社ではなく、当該ある企業(親会社)を結合企業とみなして、被結合企業の株主の会計処
理を適用する。
Ⅷ.開
1.貸借対照表における表示
299. (削 除)
300. (削 除)
共同支配企業への投資の表示
301. 同支配投資企業は、共同支配企業に対する投資(共同支配企業株式)を次のように表
示する。
(1) 個別財務諸表上の表示
関係会社株式等の適切な科目をもって表示する。
なお、共同支配投資企業が連結財務諸表を作成していない場合には、損益等からみて
重要性の乏しい共同支配企業に対する投資を除き、当該共同支配企業を形成した事業年
度以後において持分法を適用した場合の投資の金額及び投資損益を個別財務諸表に継
続的に注記する
(2) 連結財務諸表上の表示
投資有価証券等の適切な科目をもって表示し当該投資額を連結貸借対照表に注記す
る。
2.損益計算書における表示
302. (削 除)
(1)企業結合に係る特定勘定の取崩益の表示
303. 企業結合に係る特定勘定の取崩益が生じた場合には、原則として、特別利益に計上する。
- -
104
また、重要性が乏しい場合を除き、その内容を連結損益計算書及び個別損益計算書に注記
る。
304. (削 除)
305. (削 除)
(2)段階取得に係る損益の表示
305-2. 連結財務諸表上、段階取得に係る損益は、原則として、特別損益に計上する。
3.注記事項
(1)企業結合に関する注記事項
取得とされた企業結合の注記事項
306. 取得原価の配分が完了していない場合の注記(企業結合会計基準 49 (4)③)につい
て、繰延税金資産及び繰延税金負債に対する取得原価の配分額は、暫定的な会計処理の対
象となるが、税効果会計の注記(繰延税金資産及び繰延税金負債の発生原因別の主な内訳)
にあわせて記載することができる。
連結財務諸表を作成しない場合の逆取得に係る注記事項
307. 連結財務諸表を作成しない場合の逆取得に係る注記事項企業結合会計基準 50 )に
おける「影響額」の記載は、次のいずれかの方法による( 453 項参照)。
(1) パーチェス法を適用した場合との差額による記載
貸借対照表項
資産合計、流動資産合計、固定資産合計負債合計、流動負債合計、固定負債合計
純資産合計及びのれん
損益計算書項
売上高、業損益、経常損益引前当期純損益、当期純損益、のれんの償却額(又
は負ののれん)及び 1 株当たり当期純損益
(2) パーチェス法を適用した場合の貸借対照表及び損益計算書の主要項目による記載
307-2業結合会計基準第 49 (1)に準じた注記事項企業結合会計基準第 50 項)は、次の
事項とする
取得企業の名称及び事業の内容、事業の場合は相手企業の名称及び事業の内容、企業結
合を行った主な理由、企業結合日、企業結合の法的形式、結合後企業の名称、取得された
議決権比率及び取得企業を決定するに至った主な根拠
308. (削 除)
企業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益計算書への影響の概算額
309. 取得とされた企業結合の注記事項のうち、企業結合会計基準第 49 (5)比較損益情報
- -
105
おける「企業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益計算書への影響の
概算額」とは、取得企業の業績推移の把握が可能となるように、次のいずれかの方法によ
り算定されたものをいう。
(1) 企業結合が当期首に完了したと仮定した場合の売上高及び損益情報と取得企業の
結損益計算書上の売上高及び損益情報に係る各々の差額による記載
(2) 企業結合が当期首に完了したと仮定して算定された当該企業結合年度の売上高及び
損益情報による記載
損益情報については、例えば、営業損益、経常損益、税金等調整前当期純損益、期純損
益及び 1 株当たり当期純損益などであり、実務的に算定可能な項目を開示する。
なお、企業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益計算書への影響の
概算額の算定における基本的な考え方と前提条件の例示については、第 326 項及び第 327
項で示している
310. 以下、第 314 項まで削除)
子会社が親会社を吸収合併した場合で、子会社が連結財務諸表を作成しないときの注記事項
315. 子会社が親会社を吸収合併した場合で、子会社が連結財務諸表を作成しないときの注記
事項企業結合会計基準第 53 )における影響額」記載は、次のいずれかの方法によ
る。
(1) 親会社が子会社を吸収合併したものとした場合との差額による記載
貸借対照表項
資産合計、流動資産合計、固定資産合計負債合計、流動負債合計、固定負債合計
純資産合計及びのれん
損益計算書項
売上高、業損益、経常損益引前当期純損益、当期純損益、のれんの償却額(又
は負ののれん)及び 1 株当たり当期純損益
(2) 親会社が子会社を吸収合併したものとした場合の貸借対照表及び損益計算書の主要
項目による記載
316. (削 除)
316-2(削 除)
(2)事業分離に関する注記事項
317. 業分離が共通支配下の取引等や共同支配企業の形成に該当しない場合において、分離
元企業が当該事業分離に関する注記(事業分離等会計基準第 28 項)を記載するにあたって
は次のとおりとする。
(1) 実施した会計処理の概要については、次の事項を記載する。
個別財務諸表においては、の内容
- -
106
移転損益を認識した場合には、その金額、移転した事業に係る資産及び負債の適
正な帳簿価額並びにその主な内訳
移転損益を認識しなかった場合には、の旨、受取対価の種類、移転した事業に
係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳
連結財務諸表においては、段階取得に係る損益の金額、持分変動差額の金額及び会
計処理
(2) 当期の損益計算書に計上されている分離した事業に係る損益の概算額については、
上高及び営業損益の概算額を記載する。
(3) 分離先企業の株式を子会社株式又は関連会社株式として保有すること以外に、離元
企業の継続的関与があるものの移転損益を認識した場合については、当該継続的関与の
主な概要を記載する。ただし、軽微なものについては、注記を省略することができる。
なお、当該継続的関与については、例えば、次のような場合が考えられる
分割時の財産額を限度として弁済の責任を負うこととなる個別催告を受けなかっ
た吸収分割会社の債権者に対する重要な債務がある場合(その旨及び金額
移転した事業に係る出向者に対して出向差額を負担する場合(ただし、明らかに移
転する事業の時価の調整項目である場合を除く。
移転した事業から生じる財又はサービスの長期購入契約がある場
企業結合に該当しないため結合当事企業にはあたらない分離先企業における注記
318. 割型の単独新設分割における新設会社のように、企業結合に該当しないため結合当事
企業にはあたらない分離先企業においても、引き継いだ資産、負債及び資本(純資産)の
内訳並びに企業結合会計基準第 52 (1)及び(2)に準じた注記をする。
319. 以下、第 325 項まで削除)
4.企業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益
計算書への影響の概算額の開示
(1)基本的な考え方
326. 該企業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益計算書への影響の概
算額(以下、本項及び次項において「連結損益計算書への影響の概算額」という。)の算
定にあたっては、次の事項に留意する必要がある(第 454 項参照)。なお、過年度の期首
に企業結合が行われたものと仮定した当期の連結損益計算書への影響の概算額を追加的な
情報として任意に開示する場合(企業結合会基準 121 なお書き)も同様の考え方に
よる。
(1) 連結損益計算書への影響の概算額算定にあたり、金額的に重要性があると見込まれる
ものについては、前提条件を設定する。
この場合、取得企業の業績推移の把握に役立つ情報を提供するという趣旨を踏まえて、
- -
107
どのような項目について前提条件を設けるかを判断する。
(2) 取得企業における恣意的な判断を排除する。
期首から企業結合日までの期間に被取得企業が計上した特別損益は、原則としてそ
のまま反映する。この場合、特別損益に重要性がある場合には、その内容を注記する。
企業結合のシナジー効果を期首に遡って算定しない。
(3) 取得企業が通常の努力で入手可能な情報を使用する。
取得企業の期首時点における被取得企業の資産・負債の時価の再測定は行わない。
(例えば、企業結合時に生じたのれんや持分変動差額については、計算を行う必
要はない。)
被取得企業の当期首から企業結合日までの期間において適正に算定された収益及
び期間損益を基礎とする。
なお、1 株当たり当期純損益を注記する場合(第 309 参照)には、通常の 1 株当たり
当期純損益に次の額を適切に調整する。
連結損益計算書への影響の概算額として加算した被取得企業の損益
アに対応した期間における被取得企業の平均株式数に企業結合による株式の交換
比率を調整した株式数
(2)前提条件の例示
327. 結損益計算書への影響の概算額の算定の前提条件の例示としては、次のものがあげら
れる。
(1) 取得企業と被取得企業の決算期が同じ場合
当期首から企業結合日までの間の結合当事企業間における取引については消去す
る(内部利益相当額も消去)。
被取得企業から受入れた重要な資産及び負債については、取得後の会計方針に基
づいた調整計算(減価償却費、退職給付費用等)を行う。
企業結合時に新たに認識された重要なのれん等の無形固定資産の償却額、負ののれ
んの調整計算(例企業結合時の当該のれん等の金額に基づく年間の償却額等を算定
し、結合企業が計上した償却額等を控除)を行う。
現金を対価とした企業結合において、現金調達のための借入金額が重要である場
では、金利費用の調整計算を行う。
当期純損益への影響額算定のために適用する税率は、取得企業の見積実効税率とす
る。
(2) 取得企業と被取得企業の決算期が異なる場合
取得企業と被取得企業の決算期が同じ場合の考え方を基礎としつつ被取得企業の
期間損益を月数按分等の合理的な方法により取得企業の期首から企業結合日までの
期間に対応した被取得企業の適正な収益、期間損益を算定し、その上で一定の調整を
- -
108
行う。
調整項目は、決算期が同じ場合と同様とする。
なお、決算期の差異が 3 か月を超えない場合で企業結合後の連結財務諸表の作成に
おいて連結会計基準( 4)(決算期の異なる子会社がある場合の取扱いについて)に従
う場合は、比較可能性の確保の観点から、影響の概算額の算定期間も同様の取扱いとす
る。
例えば、X2 2 月に株式交換(株式交換完全親会社(取得企業)の決算期が 3 月期、
株式交換完全子会社(被取得企業)の決算期が 12 月期とする。が行われた場合には、
株式交換完全親会社(取得企業)は、株式交換完全子会社(被取得企業)の直前期X1
1 月~X1 12 月)の業績を基礎に連結損益計算書への影響の概算額を算定すること
になる。
328. (削 除)
329. (削 除)
330. (削 除)
.適用時期
331. 2006 年(平成 18 年)改正の本適用指針の適用時期は、次のとおりとする
(1) (2)の事項を除き、2006 年( 18 年)4 1 日以後開始する事業年度から適用する
(企業結合会計基準第 56 項)(事業分離等会計基準第 57 項)ただし、2006 年(
18 年)改正の本適用指針公表日前の組織再編については2005 年(平成 17 年)公表
の本適用指針2006 年(平 18 年)改正前の本適用指針をいう。以下同じ。)による
ことができる。
(2) 203-2 項、第 206 (4)、第 218 (4)、第 247 (3)及び第 254 (3)の取扱いは、
「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」(平成 18 年法務省令第
87 号)により改正後の会社計算規則(平成 18 年法務省令第 13 号)が適用される組
再編から適用する。
331-2 2007 (平成 19 年)改正の本適用指針は、2008 年(平成 20 年)4 1 日以後の組
織再編について適用する。ただし、2007 年(平成 19 年)改正の本適用指針は、その改正
日以後終了する事業年度におけ 2008 年( 20 年)3 31 日以前の組織再編について
も適用することができる(この場合、 331 項(2の事項に係る適用時期については、
項の定めによる
331-3 2008 年(平成 20 年)改正の本適用指針は2010 年(平成 22 年)4 1 日以後の組
織再編について適用する。ただし、2009 年( 平成 21 年)4 1 日以後開始事業年度におい
て最初に実施される組織再編から適用することができる。
なお、2008 年(平成 20 年)改正の本適用指針の適用前に行われた企業結合及び事業分
- -
109
離等の会計処理(持分プーリング法、株式を対価とする場合の当該対価の時価の測定日、
負ののれん、段階取得、在外子会社株式の取得等により生じたのれん、取得企業の決定、
共同支配投資企業の持分法に準じた処理及び取得対価の一部を研究開発費に配分し費用と
する処理等)の従前の取扱いについては、同適用指針の適用後においても継続することと
し、同適用指針の適用日における会計処理の見直し及び遡及的な処理は行わないものとす
る。
331-4 2013 年(平成 25 年)改正の本適用指針の適用時期等に関する取扱いは、次のとおり
とする。
(1) 2015 年(平成 27 年)4 1 日以後開始する事業年度の期首から適用する。なお、第
70 項の定めについては2015 年(平成 27 年)4 1 日以後開始する事業年度の期首
以後実施される企業結合から適用する。
(2) (1)の定めにかかわらず、2014 年(平成 26 年)4 1 日以後開始する事業年度の期首
から適用することができる。なお、その場合には、第 70 項の定めについては、2014
年(平成 26 年)4 1 以後開始する事業年度の期首以後実施される企業結合から適
用する。
(3) (1)及び(2)の適用にあたっては、非支配株主との取引及び取得関連費用について過去
の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の期首時点の累積
的影響額を、適用初年度の期首の資本剰余金及び利益剰余金に加減し、当該期首残高
から新たな会計方針を適用する
(4) (3)の定めによらず、2013 年(平成 25 年)改正の本適用指針が定める新たな会計方針
を適用初年度の期首から将来にわたって適用することができる。
(5) 2013 年(平成 25 年)改正の本適用指針の適用初年度においては、会計基準等の改正
に伴う会計方針の変更として取り扱う。
331-5 2019 年(平成 31 年)改正の本適用指針は2019 年(平成 31 年)4 1 日以後開始
する事業年度の期首以後実施される組織再編から適用する。
331-6 2019 年(平成 31 年)改正の本適用指針の適用初年度において、これまでの会計処理
と異なることとなる場合には、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う。
なお、2019 年(平成 31 年)改正の本適用指針の適用前に行われた企業結合及び事業分
離等の会計処理の従前の取扱いについては、同適用指針の適用後においても継続すること
とし、同適用指針の適用日における会計処理の見直し及び遡及的な処理は行わないものと
する。
331-7. 2024 年改正の本適用指針(以下2024 年改正適用指針」という。の適用時期は、2024
年に公表されたリース会計基準と同様とする
ただし、2024 年改正適用指針の適用前に行われた企業結合に関し、企業結合日に識別
能資産及び負債とされていなかったリースに本適用指針第
61-2 項を適用する場合であっ
ても、使用権資産への取得原価の配分額の算定において、同項(1)の影響額を加減しないこ
- -
110
とができる。
332. 2005 年(平成 17 年)公表の本適用指針の適用前に行われた企業結合及び事業分離等
の会計処理については、同適用指針の適用後においても継続することとし、同適用指針の
適用日における会計処理の見直し及び遡及的な修正は行わないものとする
.議
333. 2005 年(平成 17 年)公表の本適用指針は、第 95 回企業会計基準委員会に出席した委員
12 名全員の賛成により承認された。
333-2. 2006 年(平成 18 年)改正の本適用指針は、 118 回企業会計基準委員会に出席した委
11 名全員の賛成により承認された。
333-3. 2007 年(平成 19 年)改正の本適用指針は、 140 回企業会計基準委員会に出席した委
11 全員の賛成により承認された。
333-4. 2008 年(平成 20 年)改正の本適用指針は、 168 回企業会計基準委員会に出席した委
12 名全員の賛成により承認された。
333-52013 年( 平成 25 年)正の本適用指針は、 272 回企業会計基準委員会に出席した委
13 名全員の賛成により承認された。
333-62019 年( 平成 31 年)正の本適用指針は、 400 回企業会計基準委員会に出席した委
13 全員の賛成により承認された。
333-72024 年改正適用指針は、 532 回企業会計基準委員会に出席した委員 13 全員の賛成
により承認された。
- -
111
結論の背景
検討の経緯
334. 業会計審議会から 2003 年(平成 15 年)10 31 日に公表された企業結合に係る会計
基準の設定に関する意見書 3.により、企業結合会計基準を「実務に適用する場合の
体的な指針等については、今後、関係府令を整備するとともに」、「企業会計基準委員会
おいて適切に措置していくことが適当である」とされ、また、その指針については、「合併、
株式交換・株式移転、会社分割、営業譲渡・譲受等、企業再編の形式ごとの連結財務諸表
上及び個別財務諸表上の適用方法」を含むとされていた。
335. た、当委員会は、事業分離における分離元企業の会計処理及び結合当事企業の株主に
係る会計処理等を定めるため2005 年( 平成 17 年)12 27 日に事業分離等会計基準を公
表した。
336. 当委員会では、これらの 2 つの会計基準の適用に関する指針を企業再編(組織再編)の
形式ごとに統合したものとして、本適用指針を示している。これは、あ 1 つの組織再編
は、企業結合及び事業分離、さらには関連する株主の会計処理にも関係することが多いた
め、2 つの会計基準の適用に関する指針を一体として示した方が利用者の便宜に資すると
考えたことによる。
337. 委員会では、2005 年(平成 17 年)7 月に企業会計基準適用指針公開草案第 8 号「企
結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(案)」を公表し、広く各界の意
見を求めた。当委員会では、寄せられた意見も参考にしてさらに審議を行い、公開草案の
内容を一部修正して、本適用指針を公表することとした。
338. (削 除)
338-2. 2006 年(平成 18 年)には2006 年(平成 18 年)5 1 に会社計算規則が施行され
たことに伴う改(自己株式等会計基準の改正に対応する改正及び共通支配下の取引等に
関する会計処理の一部改正)や、株式交換等に伴う株式交換完全子会社等の会計処理に関
する定めを新設するなどの改正を行った。
338-3. 2007 年(平成 19 年)には、会社法における合併等対価の柔軟化に関する規定が 2007
年(平成 19 年)5 月に施行されたことに伴う改正や、株式交換に伴う株式交換完全子会社
の会計処理に関する定めを追加するなどの改正を行った。
338-4. 2008 年(平成 20 年)には、年改正の企業結合会計基準事業分離等会計基準及び連
結会計基準等に対応した改正や、在外子会社株式の取により生じたのれんの会計処理
に関する定めを追加するなどの改正を行った
338-5. 2013 年(平成 25 年)は、同年改正の企業結合会計基準、事業分離等会計基準及び連
結会計基準等に対応し、少数株主持分(非支配株主持分)の取扱い、企業結合に係る取得
関連費用の会計処理、暫定的な会計処理の確定に関する処理に関して改正を行った。
- -
112
338-6. 2019 年(平成 31 年)には、同年改正の企業結合会計基準に対応し、対価の返還を受け
る場合の条件付取得対価の取扱いに関して改正を行った。また、結合当事企業の株主に係
る会計処理に関する適用指針の記載について事業分離等会計基準の記載と整合性を
るなどの改正を行った。
339. (以下、第 353 項まで削除
Ⅰ.取得の会計処理
1.取得企業の決定
結合後企業に支配株主が存在する場合の取得企業の決定の考え
354. 合後企業に支配株主が存在するときは、次の理由により、当該株主により企業結合前
から支配されていた結合当事企(子会社を取得企業とすることとした(第 32 項参照)
(1) 当該企業結合は、結合後企業を支配する株主の意思により行われたと考えることが合
理的であり、企業結合前から子会社である結合当事企業を取得企業とすることが企業
合の実態に適合していると考えられること
(2) 連結財務諸表上の取得企業と個別財務諸表上の取得企業とを整合させることが適当
と考えられるこ
2.取得原価の算定方法
(1)支払対価が取得企業の株式の場合の取得の対価の算定
355. 適用指針では、企業結合会計基準の趣旨に従って、支払対価として取得企業の株式が
交付された場合の取得の対価の算定は当該株式の時価によることとしている(第 38 項参
照)。
356. 融商品会計基準第 81-2 では、市場価格のない株式等について「たとえ何らかの方
により価額の算定が可能としても、それを時価とはしない」としているが、これは期末に
おける評価を前提とした定めと考えられるので、取引価額の測定である取得の対価の算定
においては、企業結合日における時価を用いることが合理的である。
なお、取得企業が非公開企業、被取得企業が公開企業の場合の取得の対価の算定は、原
則として、被取得企業株式の市場価格に基づいて取得の対価を算定する。
以上の評価方法により取得の対価を算定した場合には、取得原価の算定と取得原価の配
分(第 51 項参照)とは別個の手続として行われるため、通常、のれん(又は負ののれん)
が生じることになる。
357. 公開企業同士の株式の交換において、企業結合会計上の測定値として妥当と認められ
る時価純資産額が算定されている場合には、その時価純資産額を基礎にして被取得企業の
時価を算定することも合理的であると考えられるため、被取得企業から受け入れた識別可
能資産及び負債の正味の評価額により取得の対価を算定することができることとした。こ
- -
113
の方法によった場合には、取得原価の算定と取得原価の配分が一体の手続となるため、の
れん(又は負ののれん)は発生しない。
358. (削 除)
359. (削 除)
360. (削 除)
(2)吸収合存続会社が新株予約権等を交付したときの会計処理
361. 収合併消滅会社が新株予約権を発行している場合、当該新株予約権は合併の効力発生
日に消滅することになるが(会社法第 750 条第 4 項)、吸収合併契約において、吸収合併
存続会社が吸収合併に際して吸収合併消滅会社の新株予約権者に対して交付する当該新株
予約権に代わる当該吸収合併存続会社の新株予約権又は現金に関する事項を定めなければ
ならないとされた(会社法第 749 条第 1 項第 4 号及び第 5 号)。
当該吸収合併が取得とされた場合、吸収合併存続会社(取得企業)が吸収合併消滅会社
の新株予約権者対して、き換えに交付した新株予約権又は現金は、当該吸収合併の一
部として会計処理することが適当と考えられるため、取得原価に含めることとした(第 50
(2)参照)なお、当該吸収合併共通支配下の取引等の場合には、子会社である吸収合
併消滅会社の適正な帳簿価額を引き継ぐこととなる(第 206 (2)②参照)
また、当該吸収合併が逆取得又は共同支配企業の形成と判定された場合吸収合併存続
会社は、吸収合併消滅会社の適正な帳簿価額を引き継ぐことになる。このため、会計上は、
新株予約権の法的な取扱いにかかわらず、吸収合併存続会社は、合併期日において、吸収
合併消滅会社の新株予約権の適正な帳簿価額をいったん引き継いだうえで、吸収合併存続
会社が自社の新株予約権を交付した場合には吸収合併存続会社が交付した新株予約権は
吸収合併消滅会社の新株予約権の適正な帳簿価額を付すこととし、吸収合併存続会社が現
金を交付した場合には、その差額を損益に計上することとした(第 84-4 項参照)
当該取扱いは吸収合併のほか、新設合併、会社分割における新株予約権に関する会計
処理にも適用する。
3.取得原価の配分方法
(1)識別可能資産及び負債への取得原価の配分額の算定
362. 別可能資産及び負債の時価は、企業結合日の時価を基礎として算定される。企業結合
会計基準第 102 項では、「時価は、強制売買取引や清算取引ではなく、いわゆる独立第三
者間取引に基づく公正な評価額であり、通常、それは観察可能な市場価格に基づく価額で
あるが、市場価格が観察できない場合には、合理的に算定された価額が時価となる」とさ
れている。
合理的に算定された価額は、一般に、次に示すような見積方法が考えられ、資産の特性
等により、これらのアプローチを併用又は選択して算定す(減損会計適用指針第 28 (2)
- -
114
及び第 109 項)(第 53 項参照)。
(1) コスト・アプローチ
同等の資産を受け入れるのに要するコストをもって評価する方法をいい、例えば原価
法が該当する。
(2) マーケット・アプローチ
同等の資産が市場で実際に取引される価格をもって評価する方法をいい例えば取引
事例比較法が該当する。
(3) インカム・アプローチ
同等の資産を利用して将来における期待される収益をもって評価する方法をいい、
えば収益還元法や割引将来キャッシュ・フロー法が該当する
(2)取得原価の配分額の算定における簡便的な取扱い
363. 得原価の配分額は、受け入れた資産及び引き受けた負債の企業結合日における時価を
基礎として算定することが原則であるが、実務の負担を考慮して、被取得企業の帳簿価額
が適正であり、かつ、その帳簿価額と時価との差異が重要でないと見込まれる場合には、
被取得企業の適正な帳簿価額を基礎として取得原価の配分額を算定できることとした。
したがって、例えば、土地など、通常、適正な帳簿価額と時価等との差異が重要になる
と想定される項目については、当該方法の適用について慎重に判断する必要がある。
(3)時価が一義的に定まりにくい資産への配分額の特例
364. 得原価の配分額の算定にあたり、時価が一義的に定まりにくい土地をはじめとした固
定資産等の資産を何らかの仮定に基づき評価すると、多額の負ののれんの発生が見込まれ
る場合には、企業結合条件の交渉過程で当該資産はもともと低く評価されていたと考えら
れるので、当該資産の評価を改めて行う意義は見出しづらい
このため、当該資産に対する取得原価の配分額は、負ののれんが発生しない範囲で評価
した額(当該資産を何らかの仮定に基づき評価した額から追加的に発生することが見込ま
れる負ののれんを控除した額)とすることができる。
ただし、時価が一義的に定まりにくい資産であっても、取得企業は企業結合条件の交渉
過程で、利用可能な独自の情報や前提など合理的な基礎に基づき、一定の評価を行ってい
ることが想定される。このため、本適用指針では、取得の対価の算定にあたり、その評価
額が考慮されている場合には、その評価額を基礎に取得原価を配分することとした。した
がって、このような場合には、当該資産に対する取得原価の配分額を備忘価額とすること
は適当ではない
なお、当該取扱いは、時価が一義的に定まりにくい資産に限定したものであるので、合
理的な評価が可能である資産について、当該取扱いを適用することは認められない。
- -
115
(4)無形資産への取得原価の配分
365. が国においては、無形資産に係る包括的な会計基準が存在しないため、本適用指針で
は、無形資産に関連する会計基準及び現在の実務慣行を参考にして無形資産に関する取扱
いを示している。したがって、今後、無形資産に関する会計基準が整備された時点で、本
適用指針の関連箇所は見直されることがあり得る。
366. (削 除)
367. 分離して譲渡可能な無形資産(第 59 項参照)であるか否かは対象となる無形資産の実
態に基づいて判断すべきであるが、例えば、ソフトウェア、顧客リスト、特許で保護され
ていない技術、データベース、研究開発活動の途中段階の成果(最終段階にあるものに限
らない。)等についても分離して譲渡可能なものがある点に留意する。
367-2. 企業結合の目的 1 つが、特定無形資産の受入れにあり、その無形資産の金額が重
要になると見込まれる場合には、取得企業は、利用可能な独自の情報や前提等を基礎に一
定の見積方法(第 53 項参照)を利用し、あるいは外部の専門家も関与するなどして、通常、
取締役会その他の会社の意思決定機関において、当該無形資産の評価額に関する多面的か
つ合理的な検討を行い、それに基づいて企業結合が行われたと考えられる。このような場
合には、当該無形資産については、識別して資産計上することが適当と考えられ、分離し
て譲渡可能なものとして取り扱うこととした(第 59-2 項参照)
367-3.企業結合により受け入れた研究開発の途中段階の成果について資産として識別した場
合には、当該資産は企業のその後の使用実態に基づき、有効期間にわたって償却処理され
ることとなるが、その研究開発が完成するまでは、当該無形資産の有効期間は開始しない
点に留意する。
(5)無形資産の認識要件を満たさないものの
368. 法律上の権利など分離して譲渡可能という認識要件を満たさないため、無形資産として
認識できないものの例としては、被取得企業の法律上の権利等による裏付けのない超過収
益力や被取得企業の事業に存在する労働力の相乗効果(リーダーシップやチームワーク)
がある。これらは識別不能な資産としてのれん(又は負ののれんの減少)に含まれること
になる。
369. (削 除)
(6)いわゆるブランドの取扱い
370. 業結合によって受け入れた、いわゆるブランドについて、のれんと区分して無形資産
として認識可能かどうかという論点がある。
ブランドは、プロダクト・ブランドとコーポレート・ブランド(企業又は企業の事業全
体のブランド)に分けて説明されることがある。両者は商標権又は商号として、ともに法
律上の権利の要件を満たす場合が多いと考えられるが、無形資産として認識するためには、
- -
116
その独立した価額を合理的に算定できなければならない。このうち、コーポレート・ブラ
ンドの場合には、それが企業又は事業と密接不可分であるため、無形資産として計上する
ことは通常困難であるが、無形資産として取得原価を配分する場合には、事業から独立し
たコーポレート・ブランドの合理的な価額を算定でき、かつ、分離可能性があるかどうか
について留意する必要がある。
371. (削 除)
(6-2)リースに係る使用権資産及びリース負債への取得原価の配分
371-22024 9 月公表のリース会計基準に係る公開草案の公表後の審議において、企業結合
時における使用権資産並びにリース負債の認識及び測定に関する取扱いについて検討を行
った。
識別可能資産及び負債への取得原価の配分額は、企業結合日の時価を基礎として算定す
る取扱いとなっている(企業結合会計基準第 28 )( 本適用指針第 51 参照)。当該取扱
いに従うと、リースに係る使用権資産及びリース負債についても企業結合日の時価を算定
することになると考えられる。
しかしながら使用権資産及びリース負債について企業結合日の時価を算定することは、
時価で測定するための情報の入手が困難な場合があることや時価の算定が複雑となる場合
があると考えられる。この点、IFRS 16 「リース」の結論の根拠においても同様の指
摘がなされている。このため、リース負債は企業結合日現在で新規のリースであったかの
ように残りの借手のリース料の現在価値を基礎として取得原価の配分額を算定できること
とした(本適用指針第 61-2 項参照)
この場合、使用権資産は、原則としてリース負債と同額を基礎として取得原価の配分額
を算定するが、リースの条件が市場の条件と比較して有利又は不利になる場合や借地権の
設定に係る権利金等がある場合については、使用権資産への取得原価の配分額がより適切
になるように、リース負債の額にこれらの金額を加減した金額を基礎として取得原価の配
分を行うこととした(本適用指針第 61-2 項参照)
371-3.審議の過程において、リースの条件が市場の条件と比較して有利又は不利になる場合
に市場と異なる条件の影響を調整した額を基礎として使用権資産の取得原価の配分額を算
定する取扱いについて、重要性がない場合まで当該調整を行うことにならないように条件
を定めるかどうかについて検討を行った。この点、重要性がない場合にまで当該調整を求
める必要はないと考えられるものの、明示的に条件を定めると国際的な会計基準との差異
になると考えられることから、条件を定めないこととした。
少額リース及び企業結合日において残りの借手のリース期間が 12 か月以内であるリース
371-4.リース適用指針においては、少額リースについては、重要性が乏しい場合が多いこと
を理由に使用権資産及びリース負債を計上しない会計処理を認めている(リース適用指針
- -
117
22 項)。企業結合において、少額リースが企業結合時の取得原価の配分にあたって重要
な影響を与えると考えられないことから、本適用指針では、企業結合時に少額リースにつ
いて取得原価を配分しないことができるとした(本適用指針 61-3 項参照)
371-5.また、リース適用指針においては、短期リースについても、重要性が乏しい場合が多
いことを理由に使用権資産及びリース負債を計上しない会計処理を認めている(リース適
用指針第 20 項及び第 21 )。
リース適用指針第 4 (2)はリース開始日において借手のリース期間 12 か月以内で
るリースを短期リースとしているが、企業結合においては企業結合日の状況に基づいて会
計処理を行うことが多いことから、企業結合日を起点として短期であるかどうかの判断を
行うことが合理的と考えられる。したがって、本適用指針では、リース適用指針が定める
短期リースではなく、企業結合日において残りの借手のリース期間が 12 か月以内であるリ
ースを対象として、企業結合時に取得原価を配分しないことができることとした(本適用
指針第 61-3 項参照)
これに関連して、リース適用指針においては、短期リースについて、金額的に重要性の
あるリース負債がオフバランスとなる可能性があるという点などから、財務諸表利用者が
財政状態及び経営成績を評価するために有用な情報を提供するとして短期リースに係る費
用の発生額の開示を求めている(リース適用指針 100 項及び BC146 項)この点は企業結
合日において残りの借手のリース期間が 12 か月以内であるリースについても同様と考え
られることから、企業結合日後に計上した費用について、損益計算書において区分して表
示していない場合、リース適用指針第 100 (1)の短期リースに係る費用の発生額に含めて
注記することとした(本適用指針第 61-3 項参照)
(7)企業結合に係る特定勘定への取得原価の配分
372. 企業結合に係る特定勘定の計上は、一定の費用又は損失を負債として認識した方が、「そ
の後の投資原価の回収計算を適切に行い得る」(企業結合会計基準第 99 )ためである。
すなわち、企業結合の条件交渉の過程で、被取得企業に関連して発生する可能性のある将
来の費用又は損失が取得の対価に反映されている場合(取得の対価がそれだけ減額されて
いる場合)には、被取得企業が企業結合日前に当該費用又は損失を負担したと考えられる
ので、これらの費用等を企業結合日以後の取得企業の業績に反映させない方が取得企業の
投資原価の回収計算を適切に行うことができると考えられるからである。
373. 業結合に係る特定勘定として負債計上する費用又は損失としては、例えば、次が考え
られる。
・人員の配置転換や再教育費用
・割増(一時)退職金
・訴訟案件等に係る偶発債務
・工場用地の公害対策や環境整備費用
- -
118
資産の処分に係る費用(処分費用を当該資産の評価額に反映させた場合で、その処分
費用が処分予定の資産の評価額を超過した場合には、その超過額を含む。
なお、これらの費用又は損失を企業結合に係る特定勘定に計上する場合は、第 63 項及
び第 64 項を満たした場合に限られることに留意する必要がある。
(8)企業結合に係る特定勘定に計上できる費用又は損失の範
374. 63 で示されているように、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準の下で認識
される識別可能負債に該当する場合には、当該識別可能負債として取得原価を配分しなけ
ればならないので、企業結合に係る特定勘定として認識することはできないことに留意す
る必要がある。
なお、2003 年(平成 15 年)公表の企業結合会計基準では、「取得後短期間で発生する
ことが予測される」ものとされていたことから、2005 年(平成 17 年)公表の本適用指
では、企業結合日後 5 年以に発生するものであることとされていたそのような費用又
は損失の発生は通常 5 年程度以内と考えられるものの、2008 年(平成 20 年)改正の企業
結合会計基準を踏まえて、その後の投資原価の回収計算を適切に行いうるという観点から、
2008 年( 平成 20 年)改正の本適用指針ではこのような限度期間は示さないこととした。
、第 63 項における「特定の事象に対応した費用又は損失(ただし、識別可能資産へ
の取得原価の配分額に反映されていないものに限る。)」により、具体的な事象が特定
れていない将来の営業損失については当該負債の認識の対象とはならないことと、特定の
事象に対応した費用又は損失が識別可能資産への取得原価の配分額に反映されている場合
には、資産の評価額がすでに減額されているため該当しないことに留意する必要がある。
さらに「被取得企業に係る費用又は損失」とされているように、パーチェス法は取得企
業の観点から会計処理を行うものであること、取得の対価の算定に反映される事象は、被
取得企業に関連した費用又は損失と考えることが合理的であることから、取得企業に係る
将来の費用又は損失は当該負債の対象とはならず、企業結合日後に発生する被取得企業に
係る費用又は損失に限定されることとなる
(9)取得の対価の算定に反映されている場合
375. 業結合に係る特定勘定に関して、実務上、企業結合条件の交渉の過程で当該事象に係
る金額が対価の算定に反映されていたことが契約条項等から明らかな場合は少ないと考え
られる、第 64 (1)から(3)では、「その発生の可能性が取得の対価の算定に反映されて
いる場合」の要件を示している。2005(平成 17 年)公表の本適用指針は(1)(2)のいずれ
かの要件を満たしている場合とされていたが2008 年(平成 20 年)改正の本適用指針で
は、同年改正の企業結合会計基準第 33 を踏まえて、(3)の要件を満たす場合についても
「その発生の可能性が取得の対価の算定に反映されている場合」に含めることとした。
376. (削 除)
- -
119
(10)企業結合日以後の企業結合に係る特定勘定の会計処理
377. 業結合に係る特定勘定は、企業結合に係る「未決算勘定」としての性格が強いと考え
られるので、当該負債の計上後に、引当金又は未払金など、他の負債項目としての認識要
件を満たした場合には、当該負債から他の適当な負債科目に振り替える必要があ(第 66
項参照)。
したがって、例えば、当該負債の認識の対象が被取得企業に係る偶発損失の場合には、
当該偶発損失が発生したとき又は発生しないことが明らかとなったときに当該負債を取
り崩し、また偶発損失引当金の要件を満たしたときに当該引当金に振り替えることになる。
なお、当該負債は、取得の対価に反映されている場合(第 62 項参照)を前提として計
上されるため、暫定的な会計処理の対象外となる。
(11)取得原価の配分における暫定的な会計処理
378. 企業結合会計基準第 104 項により、「識別可能資産及び負債を特定し、それらに対して
取得原価を配分する作業は、企業結合日以後の決算前に完了すべきであるが、それが困難
な状況も考えられる」とされ、また、企業結合会計基準第 49 (4)では、「取得原価の
配分が完了していない場合は、その旨及びその理由」を(連結)財務諸表に注記すること
が求められている。このように、暫定的な会計処理は取得原価の配分作業について困難な
理由があるときに限り容認されるものと考えられる。
また、本適用指針では、 54 (取得原価の簡便的な配分処理)の要件を満たす場合に
は、識別可能資産及び負債に対し、その適正な帳簿価額を基礎として取得原価を配分する
ことができるとしている。取得企業が、このような簡便的な取得原価の配分処理を適用し
た場合には、取得原価の配分作業について困難な理由があるときには該当しない。
よって、暫定的な会計処理が認められる項目とは、原則として、識別可能資産及び負債
の企業結合日における時価と被取得企業の適正な帳簿価額が大きく異なることが想定され、
その時価の算定に時間を要するものに限られると考えた。
なお、被取得企業の適正な帳簿価額を基礎として取得原価を売上債権に配分した後に発
生した貸倒損失(設定された貸倒引当金を上回る損失額)は、取得企業の貸倒損失として
費用計上しなければならず、当該損失をのれんに振り替え、資産計上することは認められ
ない。
378-22005 年(平成 17 年)公表の本適用指針では、暫定的な会計処理の確定が、企業結合年
度の翌年度に行われた場合には、企業結合年度の財務諸表が既に確定しているため、企業
結合年度に暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分の見直しが行われたとしたとき
の損益影響額を、企業結合年度の翌年度において、原則として、特別損益(前期損益修正)
に計上することとしていた。
しかしながら、2013 年(平成 25 年)改正の企業結合会計基準においては、国際的な会
- -
120
計基準と同様に、追加的に入手した情報等に基づき企業結合年度の翌年度に行われた当該
暫定的な会計処理の確定は、企業結合年度に行われたかのように会計処理を行うこととさ
れた(企業結合会計基準( 6))ため、企業結合日におけるのれん(又は負ののれん)
額も取得原価が再配分されたものとして処理することとした(第 70 項参照)同じく
延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分額に関して、追加的に入手した情報等に
基づき企業結合年度の翌年度に見直された場合も、企業結合年度に行われたかのように会
計処理することとしたが、それは、企業結合年度における繰延税金資産の回収見込額の見
直しを行う場合に限られることに留意する必要がある(第 73 項参照)。
(12)繰延税金資産及び繰延税金負債への取得原価の配分
378-3のれん(又は負ののれん)については、配分残余という性格上税効果を認識しても同
額ののれん(又は負ののれん)が変動する結果となるため、あえて税効果を認識する意義
は薄いと考えられる(第 72 項参照)。
なお、平成 18 年度税制改正により、非適格合併等における税務上ののれ(資産調整勘
定又は差額負債調整勘定)に関する規定が定められているが、当該税務上ののれんが認識
される場合においては、その額を一時差異とみて、 71 項に基づき繰延税金資産又は繰延
税金負債を計上した上で、配分残余としての会計上ののれん(又は負ののれん)を算定す
ることに留意する必要がある。
(13)繰延税金資産に対する取得原価の配分額の確定
379. 適用指針では、繰延税金資産の回収可能額を見直した場合、その見直しの内容が、明
らかに企業結合年度における繰延税金資産の回収見込額の見直しと考えられるときや、企
業結合日に存在していた事実及び状況に関して、その後追加的に入手した情報等に基づき
繰延税金資産の回収見込額の見直しを行う場合に限り、企業結合日に遡及して取得原価を
再配分することとしている(第 73 項参照)。これは、の理由による。
(1) 繰延税金資産の回収可能性は、将来年度の課税所得の見積額等により判断することと
なるが、企業結合日が決算の直前となる場合は取得した事業について取得した当初に合
理的な見積りを行うことは困難な場合が多いと考えられるしたがって、企業結合日に
存在していた事実及び状況に関して、その後追加的に入手した情報等に基づく繰延税金
資産の回収見込額の見直しは、企業結合日の取得原価再配分として処理することが適
当であること
(2) 明らかに企業結合年度における繰延税金資産の回収見込額の見直しと考えられる
きは、企業結合日に遡及して取得原価再配分するとすることにより企業結合年度の
繰延税金資産の回収見込額は適正なものとなること
379-2企業結合日後に追加的に入手した情報等に基づく繰延税金資産の回収見込額の見直しが、
企業結合における取得原価の再配分の対象となるかどうかは、当該情報等が企業結合日に
- -
121
存在していた事実及び状況を示す内容であるかどうかに留意する必要がある。企業結合日
後に新たに発生した事象に起因する情報は、見直しの対象に該当しない。また、一般的に
は、企業結合年度の繰延税金資産の回収見込額の見積りが十分な情報に基づくものではな
く、暫定的な会計処理の対象となっていた場合に、見直し対象になると考えられる。
通常、追加的な情報等を入手した日と企業結合日の期間が長くなるほど、当該情報は見
直し対象に該当しない可能性が高くなると考えられる。繰延税金資産の回収見込額の見直
しが、企業結合日に存在していた事実及び状況を示す内容であると認められない場合は、
当該見直しによる損益影響額はその見直しを行った事業年度の損益(法人税等調整額)に
計上することとなる。
(14)のれんの会計処
380. 適用指針において、のれんの償却期間及び償却方法は、企業結合ごとに決定すること
を明確にした(第 76 (6)参照)。これは企業結合ごとにのれんの発生原因が異なるため
である。
また、のれんの当期償却額は販売費及び一般管理費の区分に表示することとなる(企業
結合会計基準第 47 項)。これは、次の理由によるものと考えられる。
(1) のれんの規則的な償却を行う方法を採用した理由として、業結合会計基準第 105
では、「企業結合の成果たる収益と、その対価の一部を構成する投資消去差額の償却と
いう費用の対応が可能になること、また、「のれんは投資原価の一部であることに鑑
みれば、れんを規則的に償却する方法は、投資原価を超えて回収された超過額を企業
にとっての利益とみる考え方とも首尾一貫している」とされているしたがって、企業
結合後の収益が営業収益に計上される限りのれんを含む投資原価の償却分も営業費
に計上し、投資原価の回収状況を営業損益として表示することが企業結合会計基準の
旨に合致するものと考えられたからである。
(2) 従来から、連結調整勘定(借方)当期償却額は、販売費及び一般管理費の区分に表
示するとされていたことによる
381. 検討状況の整理2005 年(平成 17 年)1 月)に対するコメントの中には、企業結合に伴
って発生するのれんを、発生時に一括償却し、その償却額を特別損失に計上する会計処理
を認めるべきであるとの意見が寄せられた。当該意見は、のれんの効果の及ぶ期間を合理
的に算定するのは困難であることから、特別損失での一括償却を認めることで、償却期間
に対する恣意性の排除及び貸借対照表の健全性の早期確保が可能であること(保守主義の
原則)等を論拠とするものである。
しかしながら、次の理由から、のれんを企業結合日に全額費用処理し、これを特別損失
に計上することは適当ではないと考えた。
(1) 取得企業は、被取得企業との企業結合にあたって、受け入れる資産及び引き受ける負
債の純額を超える何らかの価値(例えば、被取得企業の継続企業としての要素の価値や
- -
122
企業結合により期待されるシナジーなど)を見出し、それに対して自社の株式等の対
を支払ったと考えられる。一方、企業結合日にのれんを全額費用処理することは、会計
上、のれんの価値が消滅したものとすることと同じである。のれんに資産価値があると
考えられるにもかかわらず、その価値が消滅したものとして会計処理することは過度
の保守主義(企業会計原則注解( 4))に該当し適当ではない。また、のれんは、その
効果の及ぶ期間にわたり償却するとしている企業結合会計基準の定めに反することに
なる。
(2) 繰延税金資産の回収見込額の算定、引当金の計上額の算定など、合理的な見積りが必
要とされる会計処理は、多数存在する。また、償却期間の算定が容易ではないのは、
形固定資産の耐用年数を見積る場合にも当てはまる。一般に、償却の基礎となる資産の
有効期間は、売却による回収額と利用による回収額が等しくなると考えられる時点ま
の期間でありそれは資産に含まれるのれんの価値が消滅するまでの期間を見積って
ることにほかならない。したがってのれんの償却期間の見積りが困難であることを
由にのれんを企業結合日に全額費用処理することは、現行の他の会計処理との整合性
図れないことになる。
(3) 投資家に開示する企業結合後の損益情報は、取得企業が投資原価(取得原価)と比べ
てどれだけの利益を獲得しているかを示すことが重要であるのれんを減損処理以外の
事由で企業結合日に全額費用処理し、これを特別損失に計上した場合、それ以後、のれ
んの償却額が発生しないため、企業結合の投資原価がその後の営業損益には反映されな
いことになる。この結果、企業結合後の営業損益は業結合の成否に関する情報とし
ての有用性を欠くことになる。
382. れんの効果の及ぶ期間を合理的に見積った結果として、稀ではあるが、のれんの償却
額が企業結合年度に全額計上されることはあり得ると考えられる。ただし、この場合には、
企業結合年度の営業収益でのれんにあたる無形価値への投資原価(取得原価)の回収が期
待されているため、のれんの償却額は特別損失ではなく、営業費用(販売費及び一般管理
費)に計上されることになる( 380 (1)参照)。
なお、実務上、のれんの償却期間の決定にあたり、企業結合の対価の算定の基礎とした
投資の合理的な回収期間を参考にすることも可能である。
382-2. 在外子会社株式の取得により、在外子会社を資本連結する際に生じたのれんについて
は、従来、親会社の通貨である円貨額で固定されていると考え、為替相場の変動による影
響を受けないとしていた。これに対して、のれんの主要な部分は実質的に個別の認識の要
件を満たさない資産を構成するものと考えられるため、在外子会社株式の取得により生じ
るのれんは当該在外子会社の他の資産と同様に、在外子会社の現地通貨で発生したものと
みて換算することが整合的であるとする考え方がある。また、在外子会社の子会社(在外
孫会社)の連結においては、親会社が在外孫会社の財務諸表を直接換算する場合と、在外
子会社の連結財務諸表として換算する場合があるが、在外孫会社を資本連結する際に生じ
- -
123
たのれんを決算日の為替相場で換算することにより整合的に取り扱うことができることと
なる。これらの考え方を踏まえて、国際的な会計基準と同様に、2008 年(平成 20 年)改
正の本適用指針では決算日の為替相場で換算することとした(第 77-2 項参照)
なお、この場合でも、在外子会社の個別財務諸表には当該のれんを計上する必要はなく、
在外子会社の資産の換算と同様に連結財務諸表の作成上の処理として行うこととなる。
383. (削 除)
4.取得企業の増加資本の会計処理
(1)新株を発行した場合の会計処理
384. 業結合の対価として、取得企業が新株を発行した場合には、払込資本、すなわち、資
本金又は資本剰余金を増加させることとした(第 79 項参照)パーチェス法の会計処理に
おいては、取得企業の増加すべき株主資本は払込資本を増加させることが適当と考えられ
るためである。したがって、留保利益である利益剰余金を増加させることはできない(第
408 項及び第 409 項参照)
385. 得企業の増加すべき株主資本は、会計上、払込資本に限定した上で、具体的にどの株
主資本項目を増加させるかは、分配可能額を定める会社法の規定に基づき決定することと
なる。
従来の実務では、合併又は分割型の会社分割(人的分割)において、吸収合併存続会社
又は吸収分割承継会社は企業結合日において時価以下で評価された吸収合併消滅会社又は
分割会社の資産及び負債を承継し、また、吸収合併消滅会社又は分割会社の分配可能な剰
余金を利益剰余金等として引き継ぐ処理が一般的に行われてきた。これは、旧商法の下で
は、合併及び分割型の会社分割(人的分割)において剰余金の引継ぎに関する制度があり、
また、企業結合に関する会計基準が整備されていなかったためと思われる
386. の点に関し、会社法においては、剰余金の引継ぎに関する制度は原則として廃止され、
企業結合が取得とされた場合、企業結合による増加すべき株主資本のうち、どの株主資本
項目を増加させるかは、吸収合併消滅会社又は分割会社の資本構成にかかわりなく、吸収
合併存続会社又は吸収分割承継会社が任意に決定できることとされた。
387. 本適用指針では、第 384 項の考え方に従い、企業結合の手続の中で剰余金が直接増加し
たとしても、会計上は分配可能な払込資本が増加したものと考えて、その他資本剰余金を
増加させることとした。
(2)自己株式を処分した場合の会計処理
388. 2005 (平成 17 年)公表の本適用指針では、自己株式の処分のみの場合と新株の発行と
併用される場合 2 つの定めを設け、前者については、増加すべき株主資本の額を自己株
式の処分の対価として自己株式の処分の会計処理を行い、後者については、増加すべき株
主資本の額を新株の発行及び自己株式の処分の株式数の比率により按分し、処分した自己
- -
124
株式に相当する額については自己株式の処分の会計処理を行うこととしていた。
2006 年(平成 18 年)改正の本適用指針では、対価が新株のみの場合の処理及び会社計
算規則との整合性を考慮し、増加すべき株主資本の額(自己株式の処分の対価の額)から
処分した自己株式の帳簿価額を控除した額について、払込資本(資本金又は資本剰余金)
を増加(当該差額がマイナスとなる場合にはその他資本剰余金を減少)させることと(第
80 項及び第 112 項参照)会計上取得企業の増加すべき株主資本を払込資本に限定した
上で、具体的にどの株主資本項目を増加させるかは、分配可能額を定める会社法の規定に
基づき決定することとした。
(3)
取得企業の株式又は現金以外(例えば親会社株式)を対価とする場合の会計処
389. 社法では、吸収合併、吸収分割又は株式交換の場合において、吸収合併消滅会社の株
主、吸収分割会社若しくはその株主又は株式交換完全子会社の株主に対して、吸収合併存
続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社の株式を交付せず、金銭その他の財産
を交付することができるとされている。
企業結合会計基準第 84 項では、「取得原価は対価の形態にかかわらず支払対価となる
財の時価で算定される」としているため、企業結合の対価として、取得企業の株式又は現
金以外の財産を交付した場合にも、取得の対価は交付した財産の時価を基礎として算定す
ることになる。この場合、交付した財産の時価とその適正な帳簿価額との差額をどのよう
に処理するかの論点がある。
本適用指針では、取得企業が企業結合の対価として取得企業の株式又は現金以外の財産
を交付した場合には、資産の処分取引として考え、その差額は取得企業の損益に計上する
こととした(第 81 項参照)。
390. 会社が親会社株式を支払対価として他の企業と企業結合する場合には、企業集団から
みると、親会社が企業結合の対価として自己株式を処分する取引と同様に考えることがで
きるため、連結財務諸表上は資本取引として取り扱うことが適当である。このため、子会
社の個別財務諸表上、損益に計上した親会社株式の処分差額を連結財務諸表上は自己株式
処分差額に振り替えることとした(第 82 項参照)。
5.吸収合併消滅会社の最終事業年度の会計処理
391. 合併による逆取得又は共同支配企業の形成の場合、吸収合併消滅会社は消滅するものの
会計上は持分が継続しているため、吸収合併消滅会社は、最終事業年度に資産及び負債の
適正な帳簿価額を算定し、その額が吸収合併存続会社に引き継がれることになる。
これに対して、合併による企業結合が取得とされた場合、吸収合併消滅会社は会計上も
清算されたとみるため、吸収合併消滅会社の最終事業年度の財務諸表は、正味売却価額に
基づくことが考えられる。しかしながら、実務における費用対効果を勘案して、吸収合併
消滅会社の最終事業年度の財務諸表は、吸収合併消滅会社が継続すると仮定した場合の適
- -
125
正な帳簿価額によることとした(第 83 参照)。
6.分離元企業の会計処理
(1)分離元企業における受取対価の時価
392. 離元企業において、移転した事業に対する投資が清算されたと考えられる場合でも、
交付された分離先企業の株式の時価又は移転した事業の時価の算定が困難なときには、分
離元企業において移転損益を認識することは適当ではないという意見がある。
しかしながら、企業結合・事業分離においては様々な事業価値評価がなされており、特
に、投資が清算されたと考えられる場合は、第三者との間の外部取引であるため、何らか
の形で事業の価値を算定していると考えられること、企業結合会計基準では、取得とされ
た企業結合非支配株主との取引も含む。に対して、価の算定の困難性を理由として、
帳簿価額によることができる旨の定めはないことなどから、事業分離に関する会計処理上、
分離先企業の株式の時価又は移転した事業の時価の算定が必要なとき(例えば、移転損益
を認識するとき)には、原則として、当該時価を算定することとした。
393. 離先企業の株式などの受取対価又は移転した事業のいずれについても、市場価格がな
いこと等により公正な評価額を合理的に算定することが困難と認められる場合には、代替
的に、識別可能な分離先企業又は移転した事業に係る資産及び負債の時価に基づく正味の
評価額を用いることができる。
これは、受取対価又は移転した事業全体の公正な評価額を合理的に算定することが困難
と認められる場合の取扱いであるため、当該正味の評価額にのれん(又は負ののれん)は
含まれない。
(2)分離元企業における移転損益の認識
394. 離先企業の株式のみを受取対価とする事業分離において、分離先企業が新たに分離元
企業の子会社となる場合、経済実態として、分離元企業における当該事業に関する投資が
そのまま継続していると考えられる(事業分離等会計基準第 87 項)また、分離先企業が
新たに関連会社となる場合も、現行の会計基準等における考え方を踏まえれば、事業分離
により分離先企業が新たに子会社となる場合と同様に、移転された事業に関する投資が継
続しているとみることが適当と考えられる(事業分離等会計基準第 98 項から 100 項)。
したがって、当該取引においては、移転損益は認識されず、当該分離元企業が受け取っ
た分離先企業の株式(子会社株式又は関連会社株式)の取得原価は、移転事業に係る株主
資本相当額(第 87 (1)①参照)に基づいて算定す(第 98 (1)及び 100 (1) )。
なお、移転事業に係る株主資本相当がマイナスの場合、資産の貸借対照表価額はマイ
ナスにならないことから分離元企業が受け取った分離先企業の株式(子会社株式又は関連
会社株式)の取得原価はゼロとし、当該マイナスの金額(事業分離前に分離先企業の株式
を有していた場合には、まず、当該分離先企業の株式の適正な帳簿価額を充て、これを超
- -
126
えることとなったマイナス金額)は株式の評価的な勘定として「組織再編により生じた株
式の特別勘定」等、適切な科目をもって負債に計上することが適当と考えられる。当該負
債の事業分離後の会計処理は、分離元企業が当該分離先企業の株式を処分したときには損
益に振り替え、現物配当分割型の会社分割を含む。を行ったときは株主資本を直接変動
させるなど、通常の有価証券の会計処理に従うこととなる。
395. 業分離等会計基準では、現金等の財産(第 95 項参照)と分離先企業の株式を受取対価
とする事業分離において、分離元企業は、個別財務諸表上、次の処理を行うとしている。
(1) 子会社へ事業分離する場合や分離先企業が子会社となる場合には、共通支配下の取引
又は共通支配下の取引に準ずる取引として取り扱う(第 104 項参照)ため、分離元企業
が受け取った現金等の財産は、原則として、移転前に付された適正な帳簿価額により計
上し、当該価額が移転事業に係る株主資本相当額を上回る場合には、当該差額を移転利
益として認識することとなる( 230 項参照)
(2) 関連会社へ事業分離する場合や事業分離により分離先企業が新たに関連会社となる
場合には、共通支配下の取引にあたらないため、分離元企業が受け取った現金等の財産
は、原則として、時価で計上し当該時価が移転事業に係る株主資本相当額を上回る場
合には、原則として、当該差額を移転利益として認識することとなる(第 105 項参照)
なお、これらの場合において、移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)
マイナスのときには、前項と同様に分離元企業が受け取った分離先企業の株式(子会社
株式又は関連会社株式)の取得原価をゼロとしても、現金等の財産を受け取ったため
該差額の取扱いが問題となる。受け取った分離先企業の株式が子会社株式又は関連会社株
式となる場合について投資は継続しているという事業分離等会計基準の考え方を踏まえ、
(1)又は(2)のように移転利益を認識するとしても、積極的に認識するわけではないため、
受け取った現金等の財産の額を超えて移転利益を計上することは適当ではないと考えら
れる。したがって受け取った分離先企業の株式(子会社株式又は関連会社株式の取得
原価をゼロとしても、受け取った現金等の財産の(分離先企業が子会社の場合は移転前
に付された適正な帳簿価額、分離先企業が関連会社の場合は時価と等しい金額について
は、移転利益として認識せざるを得ないが、マイナスの移転事業に係る株主資本相当(事
業分離前に分離先企業の株式を有していた場合には、まず、当該分離先企業の株式の適正
な帳簿価額を充て、これを超えることとなったマイナス金額)ついては、当該分離先企
業の株式の評価的な勘定として「組織再編により生じた株式の特別勘定」等、適切な科目
をもって負債に計上することとした。
(3)分離元企業の連結財務諸表上においてパーチェス法が適用されることによ
計上されるのれん
396. 離先企業が新たに分離元企業の子会社となる場合、分離先企業については分離元企業
の連結財務諸表上、パーチェス法を適用することとなる。このため、原則として、分離元
- -
127
企業(親会社)の持分に相当する取得原価(分離先企業に対して投資したとみなされる額
と受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額(対応する分離先企業の事業分離
直前の資本)との差額は、のれんに計上されることとなる。
例えば、共同新設分割(従来の分社型)により、分離元企業(新設分割会社)A 社は a
事業(当該事業に係る諸資産の適正な帳簿価 480、当該事業の時価 800)をB 社は b
(当該事業に係る諸資産の適正な帳簿価額 100当該事業に係る諸資産の時価 150、当
事業の時価 200を新設分割承継会社 Y 社に移転し、A 社は Y 社を子会持分比率 80 )、
B 社は Y 社を関連会社(持分比率 20%)とするものとする。
A 社は B 社から受け入れた事業の 80%を取得するため、B 社の資産(及び負債) 100
支配することとなるが、のれんは 80%しか買い入れていないとみる見方が考えられる。
の場合には、A 社の連結財務諸表上、パーチェス法を適用するにあたり、のれんは 40B
社の b 事業の時価 200 80%と識別可能な資(及び負債)に配分された純額 150 80
との差額)(借方)が計上されることとなる。これは非支配株主持分に相当する部分のの
れんについては問題があるといわれていることにも対応するものと考えられる。
ただし、共同新設分割による子会社の設立のように、まず、子会社となる分離先企業の
個別財務諸表上で、取得した事業につきパーチェス法の適用により買入れのれん 50 が計上
され、その後、分離元企業(親会社)の連結財務諸表上、子会社となった当該分離先企業
80%持分を有したと考える場合には、子会社となった分離先企業で計上した買入れのれ
50 をそのまま計上することができるのではないかという見方がある
この見方においては、A 社の連結財務諸表上、パーチェス法の適用による取得原価は 200
とみるものであり、この取得原価と識別可能な資産(及び負債)に配分された純額 150
の差額 50(借方)としてのれんが算定されることとなることは企業結合会計基準の考え
に従っているものと考えられる。また、この場合、のれんは有償取得されているとみなさ
れることや、当該のれんは連結会計基準が指摘するような親会社の持分について計上した
額から推定して計上するわけではないこと、さらに、非支配株主持分に相当する部分 10
ののれんの償却額は非支配株主に帰属する当期純利益に含まれることとなるため、親会社
株主に帰属する当期純利益の算定における償却額の負担についても問題となるわけではな
いと考えられる
397. の論点は、①子会社となる分離先企業への事業の移転と、②分離先企業の株式を対価
として受け取ることにより当該分離先企業が子会社化することとが、同時であることによ
って生じるものと思われる。すなわち、それらが同時ではない場合(例えば、子会社とな
る企業において他から取得した事業に係るのれんが計上されており、当該企業を取得し子
会社化した場合)には、既に子会社で計上されているのれん全額を親会社の連結財務諸表
において計上することとなるが、それらが同時である場合には、親会社の持分に対応する
のれんの計上しか認められないかどうかという論点である。
このような場合、原則として、親会社の持分に対応するのれ 40 を計上するものと考え
- -
128
られるが、共同新設分割による子会社の設立のように、まず、子会社となる分離先企業の
個別財務諸表上で、取得した事業につきパーチェス法の適用によりのれ 50 が計上され、
その後、分離元企業(親会社)の連結財務諸表上、子会社となった当該分離先企業の持分
を有したと考えられるような場合には、それらが同時に生じていても、いわば子会社で取
得した事業(のれんを含む。)について持分を有するものと捉える見方も否定できないも
のとして、本適用指針では、子会社となった分離先企業で計上したのれんをそのまま計上
することができるものとした。
なお、前者の場合には、分離元企業(親会社)の連結財務諸表上、親会社ののれんとし
40 が計上されているため、その償却額は非支株主持分に負担させないが、後者の場合
には、子会社となった分離先企業ののれんとして 50 が計上されているため、その償却額
一部は非支配株主持分に負担させることとなる。
(4)分離元企業の税効果会
398. 離元企業において、事業分離により移転する事業に係る資産及び負債が、現金以外の
受取対価と引き換えられ、新たに当該受取対価が計上される場合には、一般的な交換の場
合と同様に、新たに貸借対照表に計上された資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産
及び負債の金額(税務上の帳簿価額)との間に差額(一時差異)が生じる場合がある。例
えば、分離先企業の株式のみを受取対価とする事業分離では、次のような場合がある。
(1) 分離元企業において移転損益が認識されない場合、分離先企業株式の取得原価は、
転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)に基づいて算定される(第 98 項参
照)。適格組織再編(適格合併等、税務上、簿価引継又は簿価譲渡として取り扱われる
組織再編をいう。以下同じ。)に該当する場合、税務上も、分離先企業株式の取得原価
は、移転した事業に係る資産及び負債の税務上の帳簿価額に基づくため、この場合には、
分離先企業株式に関して、移転した事業に係る資産及び負債の一時差異と同額の一時
異が生じる。
(2) 分離元企業において移転損益が認識されないが、適格組織再編に該当しない場合には、
税務上、分離先企業株式の取得原価は、当該株式の時価に基づくため、この場合には、
基本的に、分離先企業株式に関して、移転した事業に係る資産及び負債の一時差異と同
額の一時差異に加え、新たに税務上の移転損益相当額が一時差異として生じる。
(3) 分離元企業において移転損益が認識される場合、分離先企業株式の取得原価は、当該
株式の時価又は移転した事業の時価に基づいて算定されるこれが適格組織再編に該当
する場合、税務上、離先企業株式の取得原価は、移転した事業に係る資産及び負債の
税務上の帳簿価額に基づくためこの場合には、分離先企業株式に関して当該株式
時価又は移転した事業の時価と移転した事業に係る資産及び負債の税務上の帳簿価額
との差額が、一時差異として生る。
(4) 分離元企業において移転損益が認識され、適格組織再編に該当しない場合には分離
- -
129
先企業株式の取得原価は時価となるが、当該株式の時価の測定時点が企業会計と課税
得計算とでは異なるなどの場合には、一時差異が生じる。
399. 離元企業における税効果会計の主な論点としては、まず、事業分離日の属する事業年
度の前期末(事業分離日の前日における仮決算を含む。)において、分離元企業が移転す
る事業に係る資産及び負債の一時差異に対して計上する繰延税金資産の回収可能性の判断
をどのように行うかという論点がある。これについては、一般的な売却や交換の場合と同
様に、分離元企業における事業分離日以後の将来年度の収益力に基づく一時差異等加減算
前課税所得等により判断することとなり、分離先企業の将来年度の収益力に基づく一時差
異等加減算前課税所得等は勘案しないものと考えられる。
400. ただし、投資が継続しているとみる場合(第 398 (1)及び(2)参照)には、事業分離日
において分離元企業で認識された繰延税金資産及び繰延税金負債は、通常、分離先企業に
おいて引き継がれるため、分離元企業から分離先企業に移転することとなる。事業分離日
の直前において、分離元企業は、移転する繰延税金資産及び繰延税金負債の適正な帳簿価
額を算定するが、その回収可能性は、事業分離が行われないものと仮定したときの分離元
企業における将来年度の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等に基づき判断する
こととなる。
なお、事業分離が行われないものと仮定して回収可能性を判断するのは移転する事業に
係る繰延税金資産であって、残存する事業に係る繰延税金資産については、事業分離日以
後は移転する事業から生じる課税所得等が分離元企業に帰属しないことから、同様の仮定
をおいた課税所得等に基づいて判断するわけではなく、事業分離を考慮した実際の分離元
企業における将来年度の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等により判断するこ
とに留意する必要がある(第 107 (2)参照)。
401. に、事業分離により移転する事業に係る資産及び負債が、分離先企業の株式など現金
以外の受取対価と引き換えられ、新たに貸借対照表上、当該受取対価が計上される場合に
おいて、これらの金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額(税務上の帳簿価額)との
間に生じる差額(一時差異)に対して税効果会計をいつ適用するかが論点として挙げられ
る。これについては、一般的な交換の場合と同様に、分離先企業の株式のみを受取対価と
する事業分離でも、原則として、事業分離日以後最初に到来する事業年度末に適用するも
のと考えられる。したがって、期末に繰延税金資産及び繰延税金負債が計上され、その差
額を期首と期末で比較した増減額が法人税等調整額として計上されることとなる(税効果
会計に係る会計基準 第二 3)。
402. かしながら、投資が継続しているとみる場合には、事業分離日において分離元企業で
認識された繰延税金資産及び繰延税金負債が分離先企業に移転することとなる(第 400
参照)ため、これと同時に、分離先企業の株式等に係る一時差異に対する繰延税金資産及
び繰延税金負債として、同額計上することが適当と考えられる(第 108 (2)参照)。
これは、投資が継続しているとみるため、連結財務諸表上は、当該繰延税金資産及び繰
- -
130
延税金負債を含めた移転する事業に係る帳簿価額が子会社に対する投資原価となるものの、
個別財務諸表上、分離先企業の株式の取得原価は、移転する事業に係る資産及び負債の移
転直前の適正な帳簿価額とし、税効果については、事業分離日において移転する事業に係
る繰延税金資産及び繰延税金負債が引き換えられた分離先企業の株式等に係る一時差異に
対する繰延税金資産及び繰延税金負債に置き換わったとみるものである。仮に個別財務諸
表上、同額の繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しない場合には、分離元企業で認識さ
れた繰延税金資産及び繰延税金負債が分離先企業に移転するため、当該金額が分離先企業
株式の取得原価を構成することとなり、期末に計上される分離先企業株式に係る一時差異
に対する繰延税金資産及び繰延税金負債や、それに関連する法人税等調整額が適切に算定
されなくなってしまうという弊害が生じる。このため、個別財務諸表上はこのような弊害
を避けるため事業分離日において移転する事業に係る繰延税金資産及び繰延税金負債は、
分離先企業の株式等に係る一時差異に対する繰延税金資産及び繰延税金負債として同額計
上することとした。
403. (削 除)
7.取得とされた株式交換及び株式移転の会計処理
(1)株式交換完全親会社等の税効果会計の取扱い
404. 株式交換又は株式移転により株式交換完全親会社等は株式交換完全子会社等の株式を取
得することになるが、当該企業結合にパーチェス法が適用される場合、取得した子会社株
式に係る一時差異に対する税効果を認識するかどうかが論点となる。
本適用指針では、次の理由から、株式交換完全親会社等が株式交換完全子会社等の株式
を継続保有する方針の場合には、株式交換又は株式移転のときから生じている子会社株式
に係る一時差異について、税効果を認識しないこととした。
(1) 継続保有を前提として新規に子会社株式を取得したにもかかわらず税効果を通じて
株式の取得時に損益を認識することは適当ではないこと
(2) 将来における投資の売却により解消する一時差異は、親会社が売却時期を決定でき、
かつ予測可能な将来の期間に売却を行う意思がない場合は税効果を認識しない企業会
計基準適用指針 28 「税効果会計に係る会計基準の適用指針」 22 項及び 23 項)
という連結財務諸表における税効果の取扱いと整合的であること
(2)株式交換完全親会社等が新株予約権付社債を承継する場合等の結合当事企業の
個別財務諸表上の会計処理
404-2.株式交換又は株式移転に際し、株式交換完全親会社等が株式交換完全子会社等の新株
予約権者に新株予約権を交付する場合、又は株式交換完全親会社等が新株予約権付社債を
承継する場合の結合当事企業の会計処理は、次のようになる。なお、これらは株式移転を
前提として記載するが、株式交換の場合も同様の考え方となる。
- -
131
(1) 株式移転完全子会社の個別財務諸表上の会計処理
株式移転完全子会社は、新株予約権又は新株予約権付社債に係る義務の履行を免れた
ため、株式移転日の前日に純資産の部又は負債の部に計上していた新株予約権又は新株
予約権付社債の額を利益に計上する(第 115-2 項、第 118-3 項、第 123-2 項、第 236-3
項及び第 239-3 項参照)。
(2) 株式移転設立完全親会社の個別財務諸表上の会計処理
株式移転完全子会社の株式を株式移転完全子会社の適正な帳簿価額による株主資本
に基づいて算定する場合(第 118-2 、第 121-2 (1)、第 236-2 及び 239-2
参照)
株式移転完全子会社が株式移転日に認識した新株予約権の消滅に伴う利益又は新株
予約権付社債の承継に伴う利益の額(税効果調整後)を株式移転日の前日の適正な帳
簿価額による株主資本の額に加算して、株式移転完全子会社の株式の取得原価を算定
することとした
これは、株式移転と新株予約権の交付及び新株予約権付社債の承継が同時に行われ
たものと考えられるため、新株予約権の消滅に伴う利益又は新株予約権付社債の承継
に伴う利益の額を株式移転日の前日の株式移転完全子会社の適正な帳簿価額による
株主資本の額に反映させることが適当と考えられるためである。
また、株式移転設立完全親会社では、株式移転完全子会社で付されていた適正な帳
簿価額による新株予約権又は新株予約権付社債を純資産の部又は負債の部に計上す
ることになる。
株式移転完全子会社の株式を時価で評価すべき場合(第 110-2 項及び第 121-2 (2)
参照)
当該新株予約権又は新株予約権付社債の時価を子会社株式の取得原価に含めるとと
もに、同額を新株予約権又は新株予約権付社債として純資産の部又は負債の部に計上
することになる
ただし、株式移転設立完全親会社と株式移転完全子会社が、新株予約権付社債の承継の
対価等として債権債務を認識すべき契約を株式移転計画の作成と同時(実質的に同時と考
えられる場合を含む。)に締結することも想定される。このような場合には、実質的に当
該債権債務の額だけ承継された新株予約権付社債等に係る義務の履行を免れたことにはな
らないため、会計上は、新株予約権付社債の承継等と当該債権債務の認識を一体として処
理することが適当と考えられる。具体的には、株式移転設立完全親会社では債権を認識す
るとともに、同額を子会社株式の取得原価から控除し、株式移転完全子会社では債務を認
識するとともに、同額を新株予約権付社債の承継等に伴う利益から控除することが適当と
考えられる。
また、株式移転設立完全親会社では、株式移転完全子会社の株式の取得原価から新株予
約権又は新株予約権付社債として計上すべき額を控除した額が払込資本として計上される。
- -
132
(3)株式移転設立完全親会社の個別財務諸表上の子会社株式(取得企業株式)
取得原価の算定の簡便的な取扱い
404-3.株式移転設立完全親会社が受け入れる株式移転完全子会社(取得企業)の株式の取得
原価は、原則として、株式移転日の前日における株式移転完全子会社(取得企業)の適正
な帳簿価額による株主資本の額により算定することになるが、株式移転は株式の取得によ
る企業結合となるため、実務上、株式移転日の前日における株式移転完全子会社(取得企
業)の適正な帳簿価額による株主資本の額を算定することが困難な場合が考えられる。
このため、株式移転完全子会社(取得企業)の直前の決算日後に、多額の増資、自己株
式の取得等の資本取引や、重要な減損損失の認識がないなど、株式移転日の前日までの間
に適正な帳簿価額による株主資本の額に重要な変動が生じていないと認められる場合には、
簡便的に、株式移転設立完全親会社が受け入れる子会社株式(取得企業株式)の取得原価
は、株式移転完全子会社(取得企業)の直前の決算日に算定された適正な帳簿価額による
株主資本の額により算定することができることとした(第 121 (1)②参照)。
Ⅱ.取得以外の会計処理
405. (削 除)
406. (削 除)
1.結合当事企業から引き継ぐ資産及び負債に含み損益がある場合の
取扱い
407. 合当事企業(吸収合併の場合には吸収合併消滅会社)において付された適正な帳簿価
額を引き継ぐ場合(第 184 項及び第 192 項参照)、結合後企業が結合当事企業から引き継
ぐ適正な帳簿価額による資産総額が負債総額を下回る場合もあり得るが、このような場合
であっても、結合後企業はその適正な帳簿価額により個々の資産及び負債を引き継ぐ必要
があり、企業結合に際して資産及び負債を評価替えすることは認められない。
なお、適正な帳簿価額とは、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して算
定された帳簿価額をいうため、例えば、減損会計基準などが適用されていることが前提で
あることに留意する必要がある
2.吸収合併存続会社等が新株を発行した場合の増加資本の会計処理
408. 収合併存続会社の増加すべき株主資本の取扱いについて、本適用指針では、次の企業
結合の類型ごとに定めている。
(1) 取得の場合(第 79 参照)
吸収合併存続会(取得企業)は、受け入れる資産及び負債の取得原価を、対価とし
- -
133
て交付する株式の時価で測定することになるこのため、払込資本(資本金又は資本剰
余金)は、発行した新株の時価により増加することになり(第 384 項から第 387 項参照)
また、吸収合併消滅会社の株主資本以外の各項目である評価換算差額等は吸収合併存
続会社には引き継がれないことになる。
(2) (削 除)
(3) 吸収合併消滅会社等の資産及び負債を適正な帳簿価額で引き継ぐ場合
株主資本項目の会計処理
吸収合併存続会社等の増加すべき株主資本の会計処理は、原則として、払込資本を
増加させることになると考えられる。したがって本適用指針では、吸収合併消滅会
社等の適正な帳簿価額により資産及び負債を引き継ぐこととる場合であっても、
収合併存続会社等は、原則として、払込資本を増加させることとした。
ただし、の場合には、吸収合併消滅会社等の合併期日の前日の株主資本をき継
ぐことができることとした。
逆取得又は共同支配企業の形成の場合
吸収合併が逆取得となる場合( 84 (1)参照)又は共同支配企業の形成と判定さ
れた場合( 185 項参照)には、移転する資産及び負債は、移転前に移転元におい
て付された適正な帳簿価額により計上する(企業結合会計基 34 項及び第 38 項)
が、必ずしも、吸収合併消滅会社等の株主資本の各項目の引継ぎを禁止しているわ
けではないと考えられる。このため、吸収合併の対価が吸収合併存続会社の株式の
みである場合には、吸収合併消滅会社の株主資の各項目をそのまま引き継ぐこと
ができることとした。
共通支配下の取引の場合
共通支配下の取引については、企業集団内における資産及び負債の移転であり、
企業結合会計基準において株主資本の引継ぎ方法については特に示されていない
ことなどから、非支株主との取引や抱合せ株式が生じる場合(例えば、親会社が
子会社を吸収合併した場合(第 206 (2)参照)を除き、と同様、吸収合併の対
価が吸収合併存続会社の株式のみであるときは、吸収合併消滅会社の株主資本をそ
のまま引き継ぐことができることとした。
このような会計処理が適用される場合としては、子会社が親会社を吸収合併した
場合(第 84 項を参照した第 210 (2)及び第 440 項参照)、同一の株主(企業)に
より支配されている子会社同士の合併の場合(第 185 項を参照した第 247 (2)
照)及び同一の株主(個人)により支配されている企業同士の合併の場合(第 185
項を参照した第 254 (2)参照)がある。
株主資本以外の項目の会計処理
資産及び負債の適正な帳簿価額には、時価(又は再評価額)をもって貸借対照表価
額としている場合の当該価額及び対応する評換算差額等の各内訳科目(その他有
- -
134
価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益及び土地再評価差額金)の額が含まれると解され
ることから吸収合併存続会社が交付する対価の種類にかかわらず、株主資本以外
項目については、原則として、そのまま引き継ぐこととした
3.吸収分割承継会社等が新株を発行した場合の増加資本の会計処理
409. 収分割承継会社等の増加すべき株主資本の取扱いについて、本適用指針では、次の企
業結合の類型ごとに定めている
(1) 取得の場合(第 79 参照)
吸収分割承継会社等(取得企業)は、受け入れる資産及び負債の取得原価を、対価と
して交付する株式の時価で測定することになる。このため、払込資本(資本金又は資本
剰余金)は、発行した新株の時価により増加することになり(第 384 項から第 387 項参
照)、また、吸収分割会社等の株主資本以外の各項目である評価・換算差額等は吸収分
割承継会社等には引き継がれないことになる。
(2) 吸収分割会社等の資産及び負債を適正な帳簿価額で引き継ぐ場合
株主資本項目の会計処理
吸収分割承継会社等は、移転事業に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)
込資本(資本金又は資本剰余金)として処理する。これは、吸収分割会社等では、事
業移転の対価として吸収分割承継会社等の株式を受け入れ、その取得原価として移
事業に係る株主資本相当額を付すことになるため、吸収分割会社等の株主資本の額に
変動はなく、吸収分割承継会社等は吸収分割会社等の株主資本の各項目を引き継ぐ
ことはできないためである。
吸収分割承継会社等が移転事業に係る株主資本相当額を払込資本として会計処理
する場合としては、例えば、逆取得の場合( 87 (1)参照)、共同支配企業の形成
の場合(第 193 項参、共通支配下の取引のうち、子会社が親会社に会社分割した
場合(第 214 (2)参照)、親会社が子会社に会社分割した場合(第 227 (2) )、
単独で新設分割設立子会社を設立した場合(第 227 項を参照した第 261 項参照)があ
る。
株主資本以外の項目の会計処理
吸収合併の会計処理の考え方( 408 (3)②参照)と同様、吸収分割承継会社
が交付する対価の種類にかかわらず、株主資本以外の項目については、原則として、
そのまま引き継ぐこととした。
(3) 分割型の会社分割において株主資本の内訳を適切に配分した額で計上できる場合
共通支配下の取(共通支配下の取引に係る会計処理に準じて処理する新設分割によ
る子会社の設立を含む)において、吸収分割承継会社等が受け入れた資産及び負債の
対価として吸収分割承継会社の株式のみを交付している場合には、吸収分割会社等で
上されていた株主資本の内訳を適切に配分した額をもって計上することができるもの
- -
135
としている(第 446 項参照)。
このような場合として、親会社が子会社に分割型の会社分割した場合(第 234 (2)
ただし書き参照、子会社が他の子会社に分割型の会社分割した場合( 234 項を参照
した第 256 項参照)、単独で分割型の会社分割をした場合( 234 を参照した第 264
項参照)がある
なお、これらの場合において、吸収分割会社等は、通常の分割型の会社分割や現物
当の処理と異なり、受け取った吸収分割承継会社等の株式の取得原価に、れに係る繰
延税金資産又は繰延税金負債を加減した額により、吸収分割会社等の株主資本を変動さ
せることになる
これは、吸収分割承継会社等は、移転前に付された吸収分割会社等の適正な帳簿価額
で受け入れた資産及び負債を計上かつ、吸収分割会社等で計上されていた株主資本
の内訳を適切に配分した額で株主資本の内訳を計上することになるが、この処理を行う
にあたって、吸収分割承継会社等の株主資本の額は、吸収分割会社等が変動させた株主
資本の額と一致ることとなるためである(第 234 (2)ただし書き参照)
4.吸収合併存続会社が自己株式を処分した場合の増加資本の会計処理
410. 吸収合併消滅会社等の資産及び負債を適正な帳簿価額で引き継ぐ場合、吸収合併存続会
社は合併期日の前日における株主資本の構成を、そのまま引きぐこと認められている
このときに吸収合併の対価として自己株式を処分する場合には、処分する当該自己株式の
帳簿価額及び処分差額の処理が問題となる。特に、新株の発行と併用された場合に、この
問題は顕著となる。
2005 年(平成 17 年)公表の本適用指針では、自己株式の処分のみの場合と新株の発
と併用される場合の 2 つの定めを設け、後者においては、①増加すべき株主資本の額を新
株の発行及び自己株式の処分の株式数の比率により按分し、処分した自己株式に相当する
額については自己株式の処分の会計処理を行う方法と、②吸収合併消滅会社の合併期日の
前日における株主資本の構成をそのまま引き継いだ上で、処分した自己株式の帳簿価額を
その他資本剰余金から控除する方法を認めていた。
ここで①の方法を採用した場合には、吸収合併消滅会社の株主資本のうち払込資本だけ
ではなくそれ以外の部分(利益剰余金)の構成に影響が及ぶことになるが、対価が新株の
みであるときと同様に吸収合併消滅会社の株主資本の構成をそのまま引き継いだ上で、処
分した自己株式の帳簿価額を払込資本の中で処理(その他資本剰余金から控除)すること
がより整合的と考え、2006 年(平成 18 年)改正の本適用指針では、合併の対価に自己株
式が含まれる場合には、②の方法のみを認めることとした。これは、自己株式等会計基準
により、募集株式の発行等の手続による自己株式の処分に係る差額は払込資本(その他資
本剰余金)の中で処理される(自己株式等会計基準 9 項及び第 10 項)ことや、2006
平成 18 年)改正の自己株式等会計適用指針において、募集株式の発行等の手続により自
- -
136
己株式の処分及び新株の発行が同時に行われた場合にも払込資本の中で処理されることが
明記された(自己株式等会計適用指針第 11 項)ことなどによる
5.吸収合併消滅会社が保有していた当該会社の自己株式及び抱合せ株
の消滅の会計処理
411. 吸収合併消滅会社等の資産及び負債を適正な帳簿価額で引き継ぐ場合(第 84 参照)、
2003 年(平成 15 年)公表企業結合会計基準では、抱合せ株式(吸収合併存続会社が保
有する吸収合併消滅会社の株式)の適正な帳簿価額を、吸収合併存続会社の増加すべき株
主資本の額と相殺するとされていた。2005 年(平成 17 年)公表の本適用指針では、抱合
せ株式の適正な帳簿価額を合併により増加するどの株主資本項目から減額すべきかは一義
的には決まらないと考えられるが、持分の結合と判定された合併の場合には、結合当事企
業は過年度から 1 つの企業に統合されていたものと仮定し、次の 4 つの株式保有の類似性
を検討していた。
抱合せ株式(吸収合併存続会社が保有する吸収合併消滅会社の株式)(第 84-2
(2)参照)
吸収合併存続会社が受け入れた自己株式(吸収合併消滅会社が保有していた吸収合
併存続会社の株式)(第 84 項なお書き参照)
合併により消滅した吸収合併消滅会社の自己株式(吸収合併消滅会社が保有して
た当該会社の自己株式)(第 84-2 (2)参照)
吸収合併存続会社が保有する当該会社の自己株式
これらは、外部株主(結合当事企業以外)から株式を取得し、1 つの企業とみた結合当
事企業の株主資本を払い戻しているという点で経済実態は同じであり、また、法律上、ど
ちらの企業が吸収合併存続会社になるかにより①と②及び③と④の状態は入れ替わること
となり、これら 4 つの株式保有の状態について本質的な差異はないものと考えられてい
た。このため、2005 年(平成 17 年)公表の本適用指針では、④の自己株式を消却した場
合の会計処理に照らして、自己株式又は抱合せ株式の消滅に対応して減額する株主資本の
項目は、結合後企業(吸収合併存続会社)の取締役会等、企業の意思決定機関で定められ
た結果に従うこととしていたが2006 年(平成 18 年)の自己株式等会計基準の改正に伴
い、2006 年(平成 18 年)改正の本適用指針では、その他資本剰余金とすることとした。
また、①の抱合せ株式の消滅と③の吸収合併消滅会社が保有する当該会社の自己株式の
消滅の会計処理について、2005 年(平成 17 年)公表の本適用指針においては、最初に吸
収合併消滅会社から引き継ぐ剰余金から控除し、控除しきれない場合には吸収合併存続会
社の剰余金から控除することとしていた。しかし、2006 年(平成 18 年)改正の本適用指
針では、持分の結合と判定された合併の場合には、結合当事企業は過年度から 1 つの企業
に統合されていたものと仮定することを踏まえ、自己株式の消滅に対応して減額する株主
資本項目は、自己株式を消却した場合の会計処理に照らし、その他資本剰余金のみである
- -
137
ことを定め、吸収合併存続会社と吸収合併消滅会社のそれを区別せずに取り扱うこととし
た。
なお、上記会計処理の結果、その他資本剰余金の残高がマイナスとなった場合には、会
計期間末において、その他資本剰余金をゼロとし、当該マイナスの金額をその他利益剰余
金(繰越利益剰余金)から減額することとなる(自己株式等会計基準第 12 項)。
412. 以下、第 419 項まで削除)
Ⅲ.共同支配企業の形成の判定
1.共同支配企業の形成の判定要件
420. 同支配企業の形成の判定要件として、本適用指針では、共同支配及び共同支配企業の
定義並びに企業結合会計基準第 8 項の趣旨を踏まえ、独立企業要件及び契約要件を明示す
ることとした。したがって、共同支配企業の形成の判定要件は、対価要件及びその他の支
配要件を加えた 4 つの要件となる(第 175 項参照)。
(1)共同支配企業に対する各企業の議決権比率が相違している場合の取扱い
421. 業結合会計基準により、共同支配企業に対する議決権比率は、共同支配企業の形成の
判定の対象外とされているため、第 175 項の要件を満たしている場合には、共同支配企業
に対する各企業の議決権比率が相違しても、当該企業結合を共同支配企業の形成と判定す
ることになるが、これは、の理由による。
(1) 共同支配企業の意思決定に関する関与については、共同支配となる契約を締結してい
ることから、議決権比率の大小にかかわりなく他の共同支配投資企業と同等の取扱
となること
(2) 共同支配企業に対する投資資金の回収は配当による回収のほか、共同支配企業との
取引による回収(例えば、ある共同支配投資企業が共同支配企業とライセンス契約を締
結し、その使用料によりリターンを得る場合)など様々な形態が考えられるため、共同
支配企業に対する持分割合が相違することをもって共同支配企業の形成に該当しない
(又は共同支配企業へ投資する企業が共同支配投資企業に該当しないとすることは
当ではないこと
(2)一般投資企業が含まれる場合における共同支配企業の形成の判定
422. 同支配企業は、複数の独立した企業により共同で支配されることとなるが、当該共同
支配企業に投資する企業には、共同支配投資企業の他に、共同支配となる契約等を締結し
ていないため、当該共同支配企業を共同支配しないこととなる企業(一般投資企業)が含
まれている場合がある。
本適用指針では、このような一般投資企業が存在していても、共同支配投資企業となる
- -
138
企業の有する議決権の合計が、共同支配企業となる結合後企業の議決権の過半数を占めて
おり、かつ、共同支配投資企業となる企業が 175 項の要件のすべてを満たす場合には、
当該企業結合を共同支配企業の形成と判定することとした( 176 項参照)。これは共同
支配企業の株主の中には、主として資金調達の役割を担うのみで、経営に関与することを
目的としていないものが存在する場合(一般投資企業にとっては純投資を目的としている
場合)もあり得ることから、このような株主が存在することのみをもって、共同支配企業
の形成に該当しないと判定することは適当ではないと考えたためである。
2.独立企業要件の取扱い
423. 本適用指針では、次の理由により、共同支配企業の形成の要件の 1 つとして独立企業要
件を明示することとした(第 175 (1)参照)。
(1) 共同支配企業とは、複数の独立した企業により共同で支配される企業(企業結合会
基準第 11 )とされ、定義上、共同支配企業へ投資する企業に複数の独立した企業が
含まれているこ
(2) 複数の独立した企業の存在は、重要な経営事項の決定はすべての共同支配投資企業の
同意によるという契約要件の前提となるものであること
ここで、独立した企業とは、連結会計基準及び企業会計基準適用指針第 22 号「連結財
務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」による現行の連結
範囲との整合性を図ることとし子会社、緊密な者及び同意している者のいずれにも該当
しない者とした(第 177 項参照)
3.契約要件の取扱い
(1)共同支配となる契約等の要件
424. 共同支配企業の形成か否かの判定については、共同支配となる契約等を締結している
ことが必要(企業結合会計基準第 76 とされ、議決権比率による判定の代わりに共同
支配となる契約等の有無により判定することとされている。このため、契約要件は共同支
配企業の形成の判定にあたり本質的な要件と考えられ、契約書等の記載を踏まえ、実質的
な判定を行う必要がある。
425. 立した企業同士が共同支配企業を形成する場合には、共同支配企業の事業目的を明確
にした上で、各共同支配投資企業は、通常、共同支配企業における重要な役割分担に関す
る取決めを行い、それぞれ技術、営業網、人的資源、資金等の経営資源を拠出することが
想定される。
したがって、本適用指針では、共同支配となる契約等には、共同支配企業の事業の目的
及び各企業の当該事業遂行における重要な役割分担に関する取決めが明記されており、ま
た、実態を伴っていることが必要と考えた。なお、共同支配となる契約等を締結し、共同
支配投資企業の役割が契約書に明示されていても、実態が伴っていないと認められる企業
- -
139
は一般投資企業として取り扱われることになる。
426. 同支配企業の形成の判定要件から議決権比率要件が排除されていること及びいずれの
企業も単独ではその支配を獲得しないという共同支配の形態から、本適用指針では、共同
支配企業の重要な経営事項の決定は、多数決による議決ではなく、すべての共同支配投資
企業の同意を求めることとした。ここで、重要な経営事項とは、株主総会及び取締役会に
おける決議事項をいう。これは、企業結合会計基( 8)では、重要な経営事項が決議さ
れる意思決定機関として取締役会が挙げられており、これとの整合性を図るためである。
427. 同支配企業の形成の判定にあたり、共同支配企業に対する各共同支配投資企業の議決
権比率は要件とされていないが、共同支配企業の経営に対する各共同支配投資企業の関与
の仕方は、原則として、同じであることが必要と考えられる。このため、共同支配企業へ
投資する企業のうち、ある重要な経営事項の決議の際に賛成しなくとも積極的に反対しな
い限りはその決議事項につき賛成したものとみなすこととされた企業は、他の企業に比べ、
共同支配企業への経営の関与の仕方が異なると考えられ、原則として、契約要件を満たし
たことにはならない。
ただし、各共同支配投資企業は、共同支配企業の事業遂行に対してそれぞれ異なる役割
を担っている場合が想定されるため、そのような取扱いが、当該共同支配投資企業の役割
とは関連性の薄い経営事項に関するものに限られることなどが契約等により確認できる場
合には、共同支配企業の経営への関与の仕方が異なるとはいえないと考えられるため、契
約要件を満たすものとして取り扱うこととした。
(2)契約上の取決めの形態
428. 同支配となる契約等は、文書化されていなければならない。当該文書は、合弁事業基
本契約書、株主間協定書、株主間の覚書、共同支配企業の定款等のさまざまな名称・形態
が考えられ、共同支配となる契約等は、これらのいずれかに明記されることになる。
なお、共同支配となる契約の要件ではないが、共同支配となる契約等には、本適用指針
でいう重要な経営事項に関する規定のほか、通常、次のような事項が規定される。
(1) 共同支配企業の企業形態、存続期間及び報告義務
(2) 共同支配企業の資本金、共同支配投資企業の出資比率
(3) 成果の配分方
4.対価要件の取扱い
429. 同支配投資企業は、共同支配企業の重要な経営事項に関する意思決定に直接参加する
ことになるため議決権のある株式とは、 178 (2)に規定されている重要な経営事項に
関する議決権が制限されていない株式とすることとした( 180 項参照)。
また、共同支配投資企業に交付する共同支配企業の株式の議決権の内容について、差異
(優劣)を設けることは共同支配の趣旨に反すると考えられるため、共同支配企業の形成
- -
140
に該当するためには、共同支配投資企業となるすべての企業に対し、議決権に関して同一
の権利内容を有する株式を交付しなければならないことになる。
429-2. 企業結合会計基準( 7)に示されている対価要件の判定の前提(第 180-2 項参照)は、
企業結合の対価として、形式的には議決権のある株式を交付していても、実質的には議決
権のある株式以外の財産を交付していると認められる場合には、対価要件を満たさなかっ
たものとして取り扱う趣旨と考えられる。
このうち、企業結合の合意成立日前 1 年以内に当該企業結合を目的として自己株式を
け入れていないことが前提の 1 つとされている。企業結合会計基準( 7)で定められてい
る対価要件の判定の前提は、限定列挙であるが、一方の結合当事企業が他の結合当事企業
の株式を受け入れる行為も自己株式を受け入れることと経済効果は同様と考えられるため、
本適用指針では、当該取引を自己株式を受け入れる取引に準じて取り扱うこととした(第
180-2 (6)また書き参照)
5.その他の支配要件の取扱い
430. の他の支配要件の取扱いのうち、結合後企業の取締役会を事実上支配していることに
ついては、社外取締役、非常勤取締役も含む構成員の過半数を占めているかどうかを判断
要素とすることに加えて、いずれかの結合当事企業の役員等が常勤取締役あるいは執行役
の大半を占めるなど、主として業務執行に携わる役員の割合が大幅に異なる場合には、そ
の実態を踏まえて判定することとした(第 181 (1) )。またいずれかの企業の代表
者の割合が大幅に異なる場合にも、上記の取扱いに準ずることになる。代表者は単独では
重要案件を決定できないものの、法律上も実務上も業務執行に関する広範な権限を有して
いることを考慮したためである
Ⅳ.共同支配企業の形成の会計処理
1.共同支配投資企業の会計処理
431. 2003 (平成 15 年)公表の企業結合会計基準では、共同支配投資企業における共同支配
企業への投資の性質は、これまでの関連会社に対する影響力とも異なるものであるという
観点から、共同支配企業への投資の連結財務諸表上の会計処理は子会社に適用される会計
処理(連結法)、あるいは、関連会社に適用される会計処理(持分法)とは異なるものと
されていた。しかしながら、2008 年(平成 20 年)改正の企業結合会計基準では、事業分
離等基準における分離元企業及び結合当事企業の株主に係る会計処理との整合性を重視す
ることとし、国際的な会計基準と同様に、連結財務諸表上、通常の持分法により処理する
ことに変更した
432. このため、共同支配投資企業は、連結財務諸表上、通常の持分法により、次の(1)(2)
差額を処理することとなる(第 190 項及び第 197 項参照)。
- -
141
(1) 共同支配企業に対する投資の取得原価(第 196 項参照)
(2) 共同支配企業の資本(第 193 項参照)のうち共同支配投資企業の持分比率に対応する
433. 同支配投資企業の会計処理については、比例連結法によることも認められるのではな
いかという論点がある。しかし、従来から、混然一体となっている合弁会社の資産、負債
等を一律に持分比率で按分して連結財務諸表に計上することは不適切であるとの指摘がな
されていること等を考慮して、比例連結は導入しないとされているため、企業結合会計基
準でも想定されていない(企業結合会計基準 117 項)。
2.共同支配投資企業の子会社が共同支配企業に投資している場合の
会計処理
434. 同支配投資企業の子会社が共同支配となる契約等を締結していないことをもって一般
投資企業として取り扱うと、実質的に当該子会社は共同支配投資企業と一体であるにもか
かわらず、共同支配企業の形成時に子会社では事業の移転損益を計上することが可能とな
る場合がある。このため、ある共同支配投資企業の子会社が、同一の共同支配企業に投資
している場合には、当該子会社も共同支配投資企業とみなすものとした(第 198 項参照)
Ⅴ.共通支配下の取引等の会計処理
1.共通支配下の取引の範囲
435. 企業結合会計基準では、企業集団内における企業結合を独立企業間の企業結合と区別し、
共通支配下の取引として個別財務諸表上の会計処理を定めている。これは、企業結合会計
基準第 119 項で示されているとおり共通支配下の取引が、「親会社の立場からは企業集団
内における純資産等の移転取引として内部取引」と考えられるため、連結財務諸表と同様に、
個別財務諸表の作成にあたっても企業結合の前後で当該純資産等の帳簿価額が相違するこ
とにならないよう、企業集団内における移転先の企業は移転元の適正な帳簿価額により計
上するためである。
このような趣旨を考えると、共通支配下の取引として扱う範囲、すなわち、支配の主体
である「企業」には、親会社が公開企業である場合のほか、非公開企業や外国企業の場合
も含まれるものと考えられる。また、企業集団は支配により形成されていることを考える
と、支配の主体が企業であれ、個人であれ本質的な差異はない。
なお、関連会社との企業結合は、親会社及び子会社から形成される企業集団内における
企業結合ではないと解されるため、共通支配下の取引には該当しない。したがって、関連
会社との企業結合は、取得(第 29 項参照)又は共同支配企業の形成(第 175 項参照)のい
ずれかに識別されることになる
436. 配の主体が企業であれ、個人であれ本質的に差異はないとする考えから、支配の主体
- -
142
が個人の場合でも企業の場合と同様に支配力基準により判定が行われることになると考え
られる。このため、同一の株主による支配の判定には、ある株主と緊密な者及び同意して
いる者による議決権の保有を考慮することにより、支配の判定を実態を踏まえて行うこと
とした(第 202 項参照)。
なお、株主が個人の場合、同一の株主とみなす者の範囲として、近親者等の血縁関係を
含めることが適当であるとの考え方もある。しかし、近親者等の血縁関係であれば一律に
同一の株主とみなすと、共通支配下の取引を拡大しすぎる可能性もあることから、そのよ
うな考え方は採用しなかった。
2.共通支配下の取引と非支配株主との取
437. 業結合会計基準では、企業集団内における組織再編の会計処理として共通支配下の取
引と非支配株主との取引(共通支配下の取引等)を定めている。
共通支配下の取引は、親会社の立場からは企業集団内における内部取引であるが、非支
配株主との取引は、企業集団を構成する子会社の株主と、当該子会社を支配している親会
社との間の取引であって、それは企業集団内の取引ではなく、親会社の立場からは外部取
引と考えられる
ただし、企業集団内における組織再編のうち、例えば、親会社(吸収合併存続会社)と
子会社(吸収合併消滅会社)との合併において、親会社が子会社の資産及び負債を受け入
れることは企業集団内における内部取引であるが、親会社が合併の対価として交付する株
式の交付先は子会社の株主(非支配株主)となるなど、共通支配下の取引と非支配株主と
の取引との区別は必ずしも明確ではない。したがって、企業集団内における組織再編のう
ち、どの取引について非支配株主との取引に準じた会計処理を適用するのかが主要な論点
となる。
この論点について、本適用指針では、組織再編の形式が異なっていても、組織再編後の
経済的実態が同じであれば、連結財務諸表上(合併の場合には個別財務諸表上)も同じ結
果が得られるように会計処理を検討した。
このため、本適用指針では、企業結合会計基準により会計処理が定められている株式交
換等の会計処理を共通支配下の取引等の会計処理の基本とし、この他の代表的な組織再編
と考えられる取引について、それと整合的な会計処理を検討した。
2-2.完全親子会社関係にある組織再編において対価が支払われない
場合の会計処理
437-2.同一の親会社に支配されている子会社同士(兄弟会社同士)が吸収合併し、吸収合併
存続会社となる子会社が吸収合併消滅会社の株主(吸収合併存続会社の親会社)に対価を
支払わない場合には、原則として、吸収合併存続会社は受け入れた資産及び負債の差額の
うち株主資本の額を負ののれん(又はのれん)として会計処理することになる(第 243
- -
143
(1)参照)。
しかし、当該吸収合併において完全親子会社関係にある場合には、実務上、合併の対価
(例えば吸収合併存続会社の株式)を吸収合併消滅会社の株主(親会社)に支払わない場
合がある。これは、合併の対価を支払うか否かにかかわらず、親会社の当該子会社に対す
る持分比率は合併の前後 100%と変化はなく、企業集団の経済的実態には何ら影響がな
いためと考えることができる。
このため、完全親子会社関係にある子会社同士の吸収合併においては、対価の支払の有
無が会計処理に大きな影響を与えることは適当ではないと考え、吸収合併存続会社が、吸
収合併消滅会社の株主に対価を支払わなかった場合には、吸収合併消滅会社の株主資本の
額を引き継ぐこととした。
なお、会社法上、吸収合併存続会社が、合併に際して株式を発行していない場合には、
資本金及び準備金を増加させることは適当ではないと解されるため、会計上は、吸収合併
消滅会社の株主資本の各項目を原則として引き継ぐこととしたうえで、増加すべき払込資
本の内訳項目は、会社法の規定に従い、吸収合併消滅会社の資本金及び資本準備金はその
他資本剰余金として引き継ぎ、利益準備金はその他利益剰余金として引き継ぐことになる。
437-3実務上、親会社に株式の 100%を保有されている子会社が 2 社あり、方の完全子会
(吸収分割会社)から他の完全子会社(吸収分割承継会社)に事業の移転を行い、他の完
全子会社は対価を支払わないとき、あるいは親会社(吸収分割会社)が完全子会社(吸収
分割承継会社)に対して事業の移転を行い、完全子会社は対価を支払わないときがある。
このような場合にも、前項と同様の理由から、吸収分割会社で取り崩した株主資本の額を
吸収分割承継会社は引き継ぐこととした。
また、完全子会社(吸収分割会社)が親会社(吸収分割承継会社)に対して事業の移転
を行い、親会社が対価を支払わないときには、完全子会社に対する投資が回収されたもの
とみて、親会社の個別財務諸表上、分割会社の株式分割及び合併により、子会社が親会社
に事業を移転する場合の会計処理に準じて処理することとした。ただし、移転する事業に
子会社株式や関連会社株式が含まれている場合には、完全子会社に対する投資と受け入れ
た当該子会社株式等は、投資が継続したまま引き換えられたものとみることが適当と考え
られることから、子会社が他の子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の株
主(親会社)の会計処理に準じて処理することとした。
前項及び上記の会計処理は、組織再編の対価が支払われるか否かは企業集団の経済的実
態には影響を与えないことが前提であるため、完全親子会社関係にある場合に限り、適用
することに留意する必要がある
3.親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理
438. 通支配下の取引等となる合併の会計処理においては、まず、子会社から受け入れた資
産及び負債の差額を親会社持分相当額と非支配株主持分相当額に按分し、共通支配下の取
- -
144
引として扱う部分と非支配株主との取引に準じて扱う部分とを区分することとした。
これは、企業集団内における合併と株式交換は、組織再編後の経済的実態は同じと考え、
合併後の財務諸表と株式交換後の連結財務諸表との整合性を図ることとしたためである。
具体的には、まず、株式交換の会計処理において非支配株主との取引として取り扱われる
のは、子会社の資本のうち非支配株主持分相当額に関する部分であるため、合併の会計処
理においても非支配株主との取引に準じて処理し、親会社が非支配株主に交付する株式を
時価で算定し、これと当該非支配株主持分相当額との差額をその他資本剰余金に計上する
こととした(第 206 (2)①イ参照)。
次に、親会社持分相当額とこれに対する投資原価である子会社株式(抱合せ株式)の適
正な帳簿価額との差額(抱合せ株式消滅差額)は、株主との資本取引から生じたものでは
ないため、次の理由から、損益に計上した上で利益剰余金を増減させることとなる
(1) 抱合せ株式消滅差額が差益の場合は、資額を上回る回収額を表し、に、差損の場
合には投資額を下回る回収額を表すことになるので、合併を契機にこのような子会社
を通じた事業投資の成果を親会社の個別損益計算書に反映させることが適当と考えら
れること
(2) 抱合せ株式消滅差額が差益の場合には、子会社から配当金を受け取った後に合併した
場合と、また、差損の場合には子会社投資に係る評価損を計上した後に合併した場合
と組織再編の経済的実態が同じと考えられるので、それらの取引と同様の結果が得ら
るように会計処理することが望ましいと考えられること
(3) 利益剰余金の増減は、原則として当期純利益に反映されたもののみから構成されるこ
とが適当であること
438-2.子会社が保有する孫会社株式は、最上位の親会社が保有する子会社株式と同様、事業
投資の一形態と考えることができる。このため、子会社(吸収合併存続会社)とその子会
社(吸収合併消滅会社)が合併した場合(子会社と孫会社が合併した場合)には、最上位
の親会社(吸収合併存続会社)とその子会社(吸収合併消滅会社)が合併したときと同様
に処理することが、共通支配下の取引の会計処理として首尾一貫しているものと考えられ
る。
このため、子会社の孫会社に対する投資原価(吸収合併存続会社が保有する吸収合併消
滅会社の株式(抱合せ株式)の適正な帳簿価額)と合併に伴い子会社が受け入れる資産及
び負債の差額のうち当該投資原価に見合う株主資本の額との差額を損益(抱合せ株式消滅
差損益)に計上することとした(第 206 (4)参照)。
4.親会社が子会社から受け入れる資産及び負債の修正処理
439. 企業結合会計基準 ( 9)において、「親会社と子会社が企業結合する場合において、子
会社の資産及び負債の帳簿価額を連結上修正しているときは、親会社が作成する個別財務
諸表においては、連結財務諸表上の金額である修正後の帳簿価額(のれんを含む。)によ
- -
145
り計上する。」とされている。
本適用指針では、当該修正の対象には、未実現損益が含まれるものとし、さらに、修正
対象となる未実現損益は、親会社が子会社に対して行った資産等の処分により、親会社の
個別財務諸表上、損益に計上したものに限定している。したがって、次の点に留意する必
要がある。
(1) 親会社(吸収合併存続会社)ら子会社に資産を売却し、らに当該子会社がこれを
他の子会社(吸収合併消滅会社)に売却した後に親会社が他の子会社を吸収合併した
合には、正対象となる未実現損益は、親会社が子会社に資産を売却したことによる損
益のみとなり、子会社が他の子会社へ資産を売却したことによる損益は、正の対象と
はならない。
(2) 親会社吸収合併存続会社)と子会社(吸収合併消滅会社)が企業結合する場合でも
親会社が当該子会社から受け入れた資産及び負債の帳簿価額を連結財務諸表上、修正し
ていても、親会社の適正な帳簿価額を基礎として会計処理することとなる。なお連結
財務諸表上は当該内部取引に係る修正を引き続き行うことに留意する必要があ(企
業結合会計基準 44 )。
(3) 子会社と他の子会社との企業結合(子会社とその子会社の企業結合を除く。 207
ほか参照)においては連結財務諸表上、当該子会社の資産又は負債の帳簿価額を修正
していても、子会社の適正な帳簿価額を基礎として会計処理することとなる(企業結合
会計基準第 41 項)
なお、子会社(吸収合併存続会社)が親会社(吸収合併消滅会社)を吸収合併した場合
には、子会社が親会社に処分した資産を合併により子会社が再び受け入れることとなる点
を重視し、企業結合前に子会社が親会社に資産等を処分したことにより生じた未実現損益
を連結財務諸表上、消去している場合には、子会社は、連結財務諸表上の帳簿価額により
親会社の資産及び負債を受け入れることとした(第 211 項参照)
5.子会社が親会社を吸収合併する場合の会計処理
(1)個別財務諸表上の会計処理
440. 会社と子会社との合併において、子会社が吸収合併存続会社となる場合であっても、
共通支配下の取引に該当するため、子会社は親会社から受け入れた資産及び負債の差額は、
純資産として処理することになる(企業結合会計基準第 42 )。
本適用指針では、当該合併により子会社における増加すべき株主資本について、原則と
して、払込資本を増加させることとした。ただし、子会社が吸収合併存続会社となるのは、
特殊な事情による限られた場合であると考えられること、また、子会社にとっては吸収合
併により投資の回収を行ったわけではないと考えられることにより、合併が共同支配企業
の形成と判定された場合の取扱いと同様に親会社の資本構成を引き継ぐことも認められる
こととした(第 210 項及び第 408 項参照)
- -
146
(2)連結財務諸表上の会計処理
441. 会社と子会社との合併において、子会社が吸収合併存続会社(親会社が吸収合併消滅
会社)となる場合は、企業集団の観点から取引の実態をみると、親会社を吸収合併存続会
社とみなした吸収合併と同様に考えることができる。したがって、子会社が連結財務諸表
を作成する場合は、子会社において行った個別財務諸表上の処理を振り戻し、当該合併以
前の連結財務諸表における処理を合併後も継続するように会計処理することが適当と考え
た。
このため、本適用指針では、時価評価替後の資産及び負債を連結財務諸表上の帳簿価額
として受け入れ、また、合併に際して子会社が受け入れた自己株式(子会社が親会社から
受け入れた子会社株式)とそれに対する子会社の増加すべき株主資本については内部取引
として消去することとした( 212 項参照)。また、合併後に子会社が連結財務諸表を作
成しない場合は、経済的実態に即した情報が開示されなくなること、及び合併後も連結財
務諸表を作成する場合との比較から、親会社を吸収合併存続会社とみなした場合の財務情
報のうち、一定の事項について注記を求めることとした( 213 項参照)。
6.子会社が親会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
442. 社分割により子会社(吸収分割会社)が親会社(吸収分割承継会社)に事業を移転す
る場合の連結財務諸表上の会計処理は、実質的に非支配株主持分相当額と考えられる部分
については、次の理由により、非支配株主との取引に準じて処理することとした。具体的
には、子会社に交付する親会社株式のうち実質的に非支配株主に交付したものと考えられ
る部分(非支配株主持分相当額を非支配株主持分から控除することになる(第 217 (2)
参照)。
(1) 当該会社分割は、形式上親会社と非支配株主との間で取引は行われていないものの、
両者は、親会社に移転された事業と子会社に交付する親会社株式が等価となるように
引条件が決定されており、その経済的効果の観点から、実質的に非支配株主の取引と
考えられる部分があること
(2) 企業集団内における当該会社分割と分割型の会社分割(第 218 項参照)は組織再編後
の経済的実態は同じと考えられ会社分割後の連結財務諸表と分割型の会社分割後の
結財務諸表との整合性を図ることが適当であること
一方、個別財務諸表における当該会社分割の会計処理は非支配株主の出資比率にかか
わらず、すべて共通支配下の取引として取り扱い移転先企業(親会社)は移転元企業(子
会社)の適正な帳簿価額に基づいて会計処理することとした。これは、親会社と子会社と
の取引において非支配株主の出資比率により個別財務諸表上の会計処理を区別すること
は、現行の会計慣行にはないこを考慮したためである(第 214 項参照)
なお、社分割の実施と同時に子会社が受け入れ親会社株式を現物分配すると分割型
- -
147
の会社分割と同様の組織再編となる。したがって、会社分割後の連結財務諸表と分割型の
会社分割後の連結財務諸表との整合性を図るということは当該現物分配は連結財務諸表
には影響を与えない取引であることが説明されなければならない。現行の会計基準では
連結財務諸表上連結子会社が保有する親会社株式のうち親会社持分相当額は自己株式と
して株主資本から控除し、非支配株主持分相当額は非支配株主持分から控除することとさ
れている(自己株式等会計基準第 15 項)したがって当該会社分割により子会社が受け
入れた親会社株式のうち非支配株主持分相当額は、結財務諸表上もともと非支配株主
持分から控除されているため(親会社持分相当額は、内部取引として消去される(第 217
(1)参照)子会社が、会社株式を非支配株主に分配しても連結財務諸表の資産総額、
純資産額(株主資本項目の内訳を含む。等には影響を与えないことになるしたがって、
本適用指針の会社分割の連結財務諸表上の会計処理は、現行会計基準と整合しているもの
と考えられる。
7.子会社が親会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の
会計処理
443. 割型の会社分割により子会社(吸収分割会社)が親会社(吸収分割承継会社)に事業
を移転する場合の会計処理は、合併の会計処理に準じて、移転事業に係る株主資本相当額
(第 87 (1)①参照)を親会社持分相当額と非支配株主持分相当額に按分し、当該非支配
株主持分相当額の会計処理について非支配株主との取引に準じた取引として取り扱い、親
会社持分相当額は内部取引として取り扱うこととした。これは、企業集団内における合併
と当該分割型の会社分割は、組織再編後の経済的実態は類似しており、合併後の財務諸表
と事業の移転部分に応じた分割後の連結財務諸表との整合性を図ることとしたためである。
ただし、分割型の会社分割の場合には、合併と異なり、会社分割後も分離元企業(子会
社)が存在し、その子会社では移転した事業に係る純資産が減少することになるため、親
会社では、受け入れた事業と保有していた子会社株式の部分的な引き換えが行われたとみ
て、親会社が保有する子会社株式(分割に係る抱合せ株式)の適正な帳簿価額のうち、引
き換えられたものとみなされる額を減額する会計処理が必要になる(第 218 項参照)。
8.親会社が子会社に会社分割により事業を移転する場合の会計処理
(1)親会社吸収分割会社)における個別財務諸表上の会計処理
444. 社分割により親会社が子会社に事業を移転する取引は、共通支配下の取引に該当する
ため、分離先企業(子会社)の株式のみを受取対価とする場合には、分離元企業(親会社)
が受け取った分離先企業の株式(子会社株式)の取得原価は、移転事業に係る株主資本相
当額(第 87 (1)①参照)に基づいて算定することとなり、移転損益は認識されない(
226 項参照)。
なお、移転事業に係る株主資本相当額がマイナスとなる場合には、まず、事業分離前の
- -
148
子会社株式の帳簿価額を充て、これを超えることとなったマイナス金額については、当該
子会社株式の評価的な勘定として「組織再編により生じた株式の特別勘定」等、適切な科
目をもって負債に計上することとした(第 394 項参)。
(2)子会社(吸収分割承継会社等)における個別財務諸表上の会計処理
445. 会社分割により親会社が子会社に事業を移転する場合においては、分離先企業(子会社)
は、分離元企業(親会社)の株主資本の内訳を引き継ぐことができないため、払込資本を
増加させることとなる(第 227 (2)参照)。
ただし、分離先企業である子会社において、分離元企業(親会社)の移転事業に係る株
主資本相当額がマイナスとなる場合、どのように会計処理するかが問題となる。これにつ
いては、払込資本をマイナスとして表示することはないと考えられるため、移転事業に係
る株主資本相当額のマイナスを過去の損益の修正とするか、当期の損益とするか、将来に
繰り延べるかという見方がある。共通支配下の取引は、企業結合の前後で純資産の帳簿価
額が相違することにならないような配慮がなされていること取得以外の場合には株主資
本項目の内訳を引き継ぐことも認められることなどを考慮して、移転に係る対価が当該子
会社の株式のみである場合には、払込資本をゼロとし、その他利益剰余金のマイナスとす
ることとした。
9.親会社が子会社に分割型の会社分割により事業を移転する場合の
会計処理
446. 分割型の会社分割は会社分割(従来は物的分割ともいわれた分社型の会社分割をいう。
とこれにより受け取った吸収分割承継会社又は新設分割設立会社の株式の分配という 2
の取引と考えられていることから、まず、吸収分割会社である親会社も吸収分割承継会社
である子会社も吸収分割会社又は吸収分割承継会社の会計処理を行うこととなる(第 233
項及び第 234 項参照)。このため、吸収分割承継会社である子会社においては、移転事業
に係る株主資本相当額(第 87 (1)①参照)を払込資本とすることとなる。
しかし、吸収分割承継会社である子会社における増加すべき株主資本の会計処理におい
ては、従来のように吸収分割会社自体が分割したものと捉え、親会社で計上されていた株
主資本の内訳を配分することも認めてはどうかという実務上の要請を考慮し、本適用指針
では、受け入れた資産及び負債の対価として吸収分割承継会社(子会社)の株式のみを交
付している場合には、親会社で計上されていた株主資本の内訳を適切に配分した額をもっ
て計上することができるものとした(第 234 (2)ただし書き参照)。この場合には、配分
に際して用いた適切な方法を吸収分割会社において注記することが望ましい。
なお、事業分離日(分割期日)後に吸収分割承継会社(子会社)の株式が吸収分割会社
の株主に交付されていたり、受け入れた資産及び負債の対価として吸収分割承継会社(子
会社)の株式以外の現金等の財産(第 95 項参照)が含まれていたりする場合には、前段の
- -
149
ような取扱いは認められないことに留意する必要がある( 409 項参照)
447. (削 除)
9-2.子会社が他の子会社に会社分割により事業を移転する場合の
会計処理
447-2.子会社が他の子会社に会社分割により事業を移転する場合(会社分割の対価が吸収分
割承継会社である他の子会社の株式である場合)、共通支配下の取引であるため、個別財
務諸表上、吸収分割会社である子会社が受け入れる、吸収分割承継会社である他の子会
の株式の取得原価は、移転事業に係る株主資本相当額に基づいて算定することとなる。し
たがって、吸収分割承継会社である他の子会社が、吸収分割会社である子会社の子会社及
び関連会社となる場合のほか、それ以外となる場合(他の子会社の株式がその他有価証券
に分類される場合)でも、移転損益を認識しない(第 254-2 項参照)。
また、収分割承継会社である他の子会社が吸収分割会社の子会社となる場合において、
吸収分割会社である子会社の連結財務諸表上、会社分割前後における当該吸収分割会社で
ある子会社の持分の差額は、資本剰余金計上す(第 254-4 (1)参照)
9-3.株式交換等の直前に子会社(株式交換完全子会社等)が自己株式
を保有している場合の取扱い
447-3.株式交換又は株式移転の直前に子会社(株式交換完全子会社等)が自己株式を保有し
ている場合、会社法上、親会社(株式交換完全親会社等)は、株式交換日又は株式移転日
に当該自己株式(子会社株式)を取得し、これと引き換えに対価(親会社株式など)を子
会社に交付しなければならない。この場合、子会社が受け入れた親会社株式及び親会社が
取得した子会社株式に付すべき帳簿価額には、次の 2 つの考え方がある
(1) 子会社における自己株式の帳簿価額とする考え方
(2) 親会社株式の時価とする考え方
(1)の考え方は、当該株式交換又は株式移転を共通支配下の取引として捉えるものであ
るが、本適用指針では、次の理由から(2)の考え方によることとした(第 238-2 参照)
当該株式交換又は株式移転にあたり、会社法上、親会社は、子会社が保有する自己
株式に対して対(親会社株式など)を交付し、子会社株式を取得することとなるが、
もともと、株式交換日又は株式移転日に子会社が自己株式を保有するかどうか(株式
交換日又は株式移転日の直前までに自己株式を消却するかどうか)は結合当事企業の
意思決定の結果に依存する。このため、親会社と子会社との間で行う株式の交換は、
当該株式交換又は株式移転と一体の取引として捉える必要はなく、会計上は、共通支
配下の取引として処理する必然性はないこと
子会社にとっては、該株式交換又は株式移転により、資本控除されている自己株
式が親会社株式という資産に置き換わり(資本取引の対象から損益取引の対象に変わ
- -
150
り)、その連続性はなくなることになる。このため、子会社が受け入れる親会社株式
の帳簿価額に自己株式の帳簿価額を付すのではなく、新たに受け入れる親会社株式の
時価を基礎として処理することによって、株式交換又は株式移転後の子会社の損益を
適切に算定することができるこ
10.共通支配下の取引等により発生したのれんの会計処理
448. 企業結合が行われた場合、のれ(又は負ののれん)は、例えば、の場合に発生する。
(1) 取得(第 51 項参照
(2) 共通支配下の取引
吸収合併消滅会社の株主資本の額又は移転事業に係る株主資本相当額が、交付した
現金等の財産の適正な帳簿価額を上回る場合(対価が現金等の財産のみ)の当該差額
としての負ののれん
親会社から子会社へ事業譲渡(第 224 (1)参照)
同一の株主により支配されている子会社同士の合併(第 243 (1)参照)
吸収合併消滅会社の株主資本の額又は移転事業に係る株主資本相当額が、交付した
現金等の財産の適正な帳簿価額を下回る場合(対価が株式のみである場合以外)
吸収合併消滅会社の株主資本の額又は移転事業に係る株主資本相当額がゼロ
上のときの交付した現金等の財産の適正な帳簿価額との差額としてののれ
・親会社から子会社へ事業譲渡(対価は現金等の財産のみ)(第 224 (1)参照)
親会社から子会社へ会社分割(対価は現金等の財産と株式)(第 231 (2)②参照)
・同一の株主により支配されている子会社同士の合併(対価は現金等の財産のみ)
(第 243 (1)参照)
同一の株主により支配されている子会社同士の合併(対価は現金等の財産と株式)
(第 251 (2)①参照)
吸収合併消滅会社の株主資本相当額又は移転事業に係る株主資本相当額がゼ
未満であるときの交付した現金等の財産の適正な帳簿価額と同額ののれん
親会社から子会社へ会社分割(対価は現金等の財産と株式)(第 231 (2)②参照)
同一の株主により支配されている子会社同士の合併対価は現金等の財産と株式)
(第 251 (2)②参照)
(1)ののれん(又は負ののれん)は、時価を基礎として算定された取得原価と識別可能
資産及び負債の時価を基礎とした取得原価の配分額との差額として算定される。
(2)ののれん(又は負ののれん)は、受け入れた資産及び負債の移転元の適正な帳簿価
額と、対価として交付した現金等の財産の適正な帳簿価額との差額として算定される。
お、共通支配下において、現金のみを対価として子会社株式だけを受け取る場合には、
れまでの実務上の取扱いに照らして、個別財務諸表上、企業結合会計基準ではなく、金融
商品会計基準の定めを優先して適用することが適当と考えられる。たがって、この場合
- -
151
には、個別財務諸表上、のれん(又は負ののれん)は生じなこととな
また、逆取得の場合(第 84 、第 87 項及び第 118 項参照)において現金等の財産を対
価として交付したときには、個別財務諸表上、(2)に準じてのれん(又は負ののれん)が
じるものと考えられる。
本適用指針では上記ののれん(又は負ののれんは、その性格がそれぞれ異なるも
の、企業結合会計基準の定めに従い、いずれも第 72 及び 76 項から第 78 項に準じて
会計処理するものとした。
Ⅵ.開
1.企業結合に係る特定勘定の表示
449. (削 除)
450. (削 除)
451. 業結合に係る特定勘定の流動・固定区分の取扱いは、実務を考慮して、認識の対象と
なった事象が、貸借対照表日 1 年内に発生することが明らかな場合にのみ流動負債に計
上することとした(第 62 項参照)。
2.連結財務諸表を作成しない場合の逆取得に係る注記事項
452. (削 除)
453. 企業結合会計基準 50 項では、連結財務諸表を作成していない場合において、逆取得と
なる企業結合に、当該取得企業の資産及び負債を企業結合直前の適正な帳簿価額により計
上する方法を適用した場合には、パーチェス法を適用したとした場合に個別貸借対照表及
び個別損益計算書に及ぼす影響額を注記するとされている。これは、追加的な情報開示を
要求しないと、経済的実態に即したパーチェス法を適用した場合の情報が一切開示されず、
投資情報としての有用性が確保されないこと、また、連結財務諸表を作成している会社と
の比較可能性も確保されないこととなることなどから、パーチェス法を適用した場合の重
要な情報について注記を求めていると解される。
これらの趣旨を踏まえ、「影響額」の記載は、貸借対照表及び損益計算書の主要項目に
ついて、被取得企業に対してパーチェス法を適用した場合との差額又はパーチェス法を適
用した場合の貸借対照表及び損益計算書の主要項目を記載することとした。また、企業結
合年度における注記事項と同様の情報を、重要性が乏しくなった場合を除き、継続的に開示
することとした(第 307 項参照)。
3.企業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益計算書
への影響の概算額の開示
454. 業結合が当期首に完了したと仮定したときの当期の連結損益計算書への影響の概算額
- -
152
(以下、本項及び次項において「連結損益計算書への影響の概算額」という。)の算定に
あたっては、その前提条件等が企業結合ごとに異なることが想定され、詳細な方法を示す
ことは困難と考えられる。
このため、本適用指針では、連結損益計算書への影響の概算額の算定の基本的な考え方
を示すとともに、実務に配慮し、前提条件を例示している(第 327 項参照)したがって、
当該情報を開示する場合には、本適用指針に示されている考え方に則して、企業結合ごと
に一定の判断を加えることが必要になる。
455. 連結損益計算書への影響の概算額の開示(企業結合会計基準第 49 (5))は、企業結合
により企業業績が大きく変化することが予想されることから、結合後企業の業績推移の把
握に役立つ情報の開示が目的と解される。
これらの点を踏まえて、連結損益計算書への影響の概算額の記載は、次のいずれかの方
法による開示を求めることとした(第 309 項参照)
(1) 企業結合が当期首に完了したと仮定した場合の売上高及び損益情報と取得企業の
結損益計算書上の売上高及び損益情報に係る各々の差額による記載
(2) 企業結合が当期首に完了したと仮定して算定された当該企業結合年度の売上高及び
損益情報による記載
(1)については、例えば、3 月決算の A 取得企業) 9 月末 B 被取得企業)
取得した場合、A 社の実際の連結損益計算書(B 社の業績は 10 月から翌年 3 月末までの 6
か月間が反映される。と、A 社が当該事業年度の期首に B 社を取得したと仮定したときの
A 社の連結損益計算書B 社の業績は期首から翌年 3 月末までの 12 か月間が反映される。
との差額を開示することになる
また、連結損益計算書への影響の概算額に関する開示項目としては財務諸表利用者が
収益及び利益動向を適切に推定できるように、売上高だけでなく、実務上可能な範囲で、
当期純損益や 1 株当たり当期純損益などの損益情報を記載することとしたなお、金額表
示については、取得企業の業績推移の把握に役立つ情報という観点から、財務諸表におけ
る金額の表示単位よりも大きい単位で表示することも可能であると考えられる。
なお、連結損益計算書への影響の概算額の開示の重要性の判断については、我が国では
今まで当該情報の開示慣行がないことや作成者の負担を勘案して数値基準によるガイド
ラインを設けるべきであるという意見もあるが、海外の基準でも数値基準によるガイドラ
インを設けておらず、また我が国において、重要性の判断基準に数値基準を設けないこ
としてきた経緯もあることから業績推移の把握に役立つ情報を開示するという注記の趣
旨を踏まえて判断していくこととし、数値基準によるガイドラインを設けないこととした。
456. (削 除)
457. (削 除)
Ⅶ.適用時期等
- -
153
458. (削 除)
459. (削 除)
460. 2019 年(平成 31 年)改正の本適用指針について、一般に、組織再編の会計処理を過去に
遡って処理することは、長期にわたり相当程度の情報を入手することが必要になる場合が
多く実務的な対応に困難を伴うことが考えられるため、2019 年( 平成 31 年)4 1 以後
開始する事業年度の期首以後実施される組織再編から将来にわたって適用することとした
(第 331-5 項参照)。
460-22024 年改正適用指針は 2024 年に公表されたリース会計基準に対応するための改正で
ることから、適用時期については、2024 年に公表されたリース会計基準と同様とした(本
適用指針第 331-7 項参照)。
460-3リースが 2024 年改正適用指針適用前の企業結合日に識別可能資産及び負債とされてい
なかった場合に本適用指針第 61-2 項を遡及適用したとき、リースの条件が市場の条件と比
較して有利又は不利になる場合に同項(1)の影響額を加減した金額を基礎として使用権
産への取得原価の配分額を算定すると、企業結合日におけるのれんの計上額並びに企業結
合日以降におけるのれんの償却額及び減損損失の額に影響を与えることとなる。また、過
去に遡ってリースの条件が市場の条件と比較して有利又は不利になるかどうかを判定する
ことには、一定の実務上の困難さがあると考えられる。これらの遡及適用による実務上の
負担に対応するため、遡及適用にあたって本適用指針 61-2 項を適用した場合であっても、
使用権資産への取得原価の配分額の算定において、同項(1)の影響額を加減しないことがで
きるとする経過措置を設けることとした(本適用指針第 331-7 項ただし書き参照)。
- -
154
2019 年( 31 年)改正の本適用指針の公表による他の会計基
準等についての修正
461. 2019 (平成 31 改正の本適用指針により、当委員会が公表した会計基準等について
は、次の修正を行う(下線は追加部分を示す。)。
企業会計基準第 7 号「事業分離等に関する会計基準」
42
関連会社を被結合企業とする企業結合により関連会社株式である被結合企業の株式
結合企業の株式のみと引き換えられ、企業結合前に、被結合企業の株主が被結合企業の株
(関連会社株式)に加え結合企業の株式(子会社株式又は関連会社株式)も有している
ことから、当該被結合企業の株主としての持分比率が増加(結合企業の株主としての持分
比率は減少)する場合、当該被結合企業の株主としての持分の増加については、追加取得
に準じて処理する。
また、当該結合企業の株主としての持分の減少については、結合後企業が子会社となる
場合には、第 17
項における分離元企業の会計処理に準じて行い、結合後企業が関連会
となる場合には子会社の時価発行増資等により支配を喪失して関連会社になる場合に
ける親会社の会計処理又は関連会社の時価発行増資等における投資会社の会計処理に準
じて行う。
44
子会社や関連会社以外の投資先を被結合企業とする企業結合により、子会社株式や関
会社株式以外の被結合企業の株式が結合企業の株式のみと引き換えられ、企業結合前に、
被結合企業の株主が被結合企業の株式に加え結合企業の株式(子会社株式又は関連会社株
式)も有していることから該被結合企業の株主としての持分比率が増加(結合企業の
株主としての持分比率は減少し、結合後企業は当該株主の子会社又は関連会社となる場
合(その他有価証券から子会社株式又は関連会社株式)、当該被結合企業の株主として
持分の増加については、段階取得に準じて処理する。
また、当該結合企業の株主としての持分の減少については、結合後企業が子会社となる
場合には、第 17
項における分離元企業の会計処理に準じて行い、結合後企業が関連会
となる場合には子会社の時価発行増資等により支配を喪失して関連会社になる場合にお
ける親会社の会計処理又は関連会社の時価発行増資等における投資会社の会計処理に準
じて行う。